JP2005351434A - 腐食防止金属製配管継手 - Google Patents

腐食防止金属製配管継手 Download PDF

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勇二 新井
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Abstract

【課題】
袋ナットと継手胴とから成る管継手は、接触する異種金属間の素材電位差による素材の腐食防止と変位吸収性のため、袋ナットと継手胴との間に絶縁材を被着させたリング状の抜け止め線部材が装嵌されてきたが、上下方向の外力に弱く、螺合の安定性と回動による被着絶縁材の磨滅剥離発生の問題がある。
【解決手段】
袋ナット1と継手胴2の接続部に、一端外側部に立ち上がりフランジ31を設けた絶縁筒体3と、同じく一端外側部に立ち上がりフランジ41を設けた抜け止めリング筒4を上記絶縁筒体の本体外側部に嵌着して嵌装することにより、異種金属部材が直接接触しないように構成した。
【選択図】図2

Description

本発明は、継手用袋ナットと継手胴本体とから成る水道水の配水管等、金属製配管継手に関するもので、特に、袋ナットと継手胴が異種金属素材によって構成されていることによる電蝕による腐食が発生するのを防止した腐食防止金属製配管継手に関するものである。
従来、この種の腐食防止金属製配管継手は、砲金等による袋ナットと鋳鉄等による継手胴によって構成され、異種金属の電位差による腐食の発生が問題となってきており、継手胴の素材にステンレスを用いて素材電位差を縮めたり、亜鉛等による犠牲陽極を取付けて発生電流を陽極に引きつけて流すことにより、構成部材に対する影響を阻止するようにしてきている。
ところが、このような防止策は何れも不完全であり、異種金属間発生電流を完全には防止できないため、袋ナットと継手胴との間に装嵌される抜け止め線部材の表面に非導電材を被着させ(特許文献1)たり、異種金属部材が直接接触しないように異種金属部材の接触着合する部位に絶縁シートを敷設介在させる(特許文献2)などの方策が講じられてきた。
特開2000−081176号公報 特開2002−267085号公報
また、従来、継手構造の要となる袋ナットと継手胴との間に装嵌される抜け止め線部材Rは、配管方向の自由性に対する要求から変位吸収性のあるリング状のものが用いられ、図1に示すように袋ナット1の螺合部11の後尾袋構造部12と継手胴2の先端フランジ部21の間に装嵌され、袋ナット1を締着する配管構造部Aの尾端に敷設されたガスケットBとによって砲金部と鋳鉄ないしステンレス部との絶縁が図られてきている。
しかしながら、リング状の抜け止め線部材は変位吸収性はあるものの、配管軸に対する上下方向の外力に弱く、上下方向の外力が加わると図1に示すように袋ナット1が傾き螺合締着が緩む危険性が大きいという問題がある。
更に、抜け止め線部材の表面に非導電材を被着させる場合には、配管継手の螺合締着が回動によってなされるため、抜け止め部材の表面に被着させた非導電材が磨滅したり、剥離したりする問題が発生する。
しかし、抜け止め部材を樹脂等の非導電材で直接形成して組み付けることは、素材が強度的に耐久性を得ることができないために不可能である。
本発明は上記した課題に対応しようとするものであり、異種金属素材による継手用袋ナットと継手胴の接続部に、一端外側部に立ち上がりフランジを設けた絶縁筒体と、同じく一端外側部に立ち上がりフランジを設けた抜け止めリング筒を上記絶縁筒体の本体外側部に嵌着して嵌装することにより、異種金属部材が直接接触しないように構成した。
このように構成することにより、鋳鉄或いはステンレス製の継手胴2は絶縁筒体3によって完全に被覆され、絶縁筒体3の素材的脆弱性は抜け止めリング筒の素材強度によって保護されて袋ナット1の螺合締着圧に耐えて緩みのない強固な継手構造を形成することができたものである。
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1は従来例、図2以下が本発明の実施例を示し、1は袋ナットで、先端側内壁に継手する配管構造部Aの外側に刻設された雄螺子aと螺合する雌螺子11刻設されている。袋ナット1の尾端側は絶縁筒体3の立ち上がりフランジ31と抜け止めリング筒4の立ち上がりフランジ41を介して継手胴2の先端フランジ21と締着突合する袋構造部12が形成されている。
図1では、この部分は非導電材を被着させたO型割りリングRとガスケットBによって絶縁が保たれるようにされているが、継手胴2の先端フランジ21に対して平面的な安定密着面が存在しないので、継手胴側の上下振動圧が直接袋ナット1と配管構造部Aの螺合部に伝播され袋ナットの傾きや緩みを惹起し易いのである。
図2は、サドル分水栓のボールケース分水口を配管構造部Aとし、継手胴2の後端部を配管Cの挿入によりワンタッチで継手するワンタッチ継手Dに構成した実施例を示すもので、継手胴2の先端にはフランジ21が形成され、その基部に合成樹脂を素材とする絶縁筒体3とその本体外側部に嵌着された耐脱亜鉛黄銅を素材とする抜け止めリング筒4が装嵌される。なお、継手胴2の後端部をワンタッチ継手Dの構成とするか否かは任意であり、他の構成としても良いことは勿論である。
絶縁筒体3と抜け止めリング筒4は、それぞれ立ち上がりフランジ部31と41を有しており、絶縁筒体の本体外側部に抜け止めリング筒4が嵌着されると絶縁筒体の外側周面と抜け止めリング筒の内側周面とが鍵の手状に面接合して一体部材として密着し、更に、絶縁筒体3の内側周面が継手胴先端のフランジ21とその基部外側周面に密着するように構成されている。
絶縁筒体3と抜け止めリング筒4には、それぞれ割裂部32と42を設けることにより、それぞれ外側から嵌め込みができるように構成することができる。
継手胴2には先ず袋ナット1を挿通して、上記のようにフランジ21の基部に絶縁筒体3とその本体外側部に嵌着された抜け止めリング筒4を装嵌する。
そのようにした後に、継手胴2の先端にガスケットBを介設し、配管構造部Aの外側に刻設された雄螺子aと袋ナット1の雌螺子11を螺合すれば、袋ナット1の螺進により袋構造部12が配管構造部Aの尾端と継手胴先端のフランジ21を、ガスケットBを介して圧接螺締して継手するものである。
本発明は以上のように構成したので、継手胴2の先端フランジ21と袋ナットの袋構造部12が絶縁筒体3と抜け止めリング筒4によって安定締着状態で完全に絶縁され、配管構造部Aとなる水栓本体の素材として防錆を強化するステンレスのような金属を用いた場合でも、異種金属間電流による腐食を完全に防止することができた。
また、継手胴2の先端フランジ21と袋ナットの袋構造部12が絶縁筒体3と抜け止めリング筒4のフランジ部31と41を介して密着掛合されるので、緩みのない強固な継手構造を形成することができたものである。
抜け止め線部材を絶縁部材として用いた従来例による配管構造部と袋ナット及び継手胴先端フランジの関係と上下動外力による影響を示す縦断面説明図である。 本発明の実施例を示すもので、サドル分水栓のボールケース分水口を配管構造部とし、継手胴の後端部を配管の挿入によりワンタッチで継手するワンタッチ継手に構成した要部を断面として側面図 同じく、袋ナットと継手胴先端フランジ部及び絶縁筒体と抜け止めリング筒の嵌合状况を示す嵌合部の拡大側断面図 同じく、絶縁筒体と抜け止めリング筒の嵌合状况を示す斜視図
符号の説明
1 袋ナット
11 袋ナットの雌螺子
12 袋ナットの袋構造部
2 継手胴
21 継手胴の先端フランジ
3 絶縁筒体
31 絶縁筒体の立ち上がりフランジ部
32 絶縁筒体の割裂部
4 抜け止めリング筒
41 抜け止めリング筒の立ち上がりフランジ部
42 抜け止めリング筒の割裂部
A 配管構造部
a 配管構造部の雄螺子部
B ガスケット
C 継手配管
D ワンタッチ継手構造部
R O型割りリング

Claims (3)

  1. 異種金属素材による継手用袋ナットと継手胴の接続部に、一端外側部に立ち上がりフランジを設けた絶縁筒体と、同じく一端外側部に立ち上がりフランジを設けた抜け止めリング筒を上記絶縁筒体の本体外側部に嵌着して嵌装することにより、異種金属部材が直接接触しないように構成したことを特徴とする腐食防止金属製配管継手
  2. 絶縁筒体の素材を合成樹脂、抜け止めリング筒の素材を耐脱亜鉛黄銅とした請求項1記載の腐食防止金属製配管継手
  3. 絶縁筒体及び抜け止めリング筒の側腹部に割裂部を設けるようにした請求項1又は請求項2記載の腐食防止金属製配管継手
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012082878A (ja) * 2010-10-08 2012-04-26 Kitz Corp 絶縁継手
JP2016156444A (ja) * 2015-02-24 2016-09-01 株式会社キッツ 絶縁継手とその継手の接合方法

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