JP2005351308A - 流体制御弁の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
本発明は、ステッピングモータ15の駆動により弁開および弁閉を行なう流体制御弁の制御方法において、ステッピングモータ15の駆動電圧波形の変化からステッピングモータ15の脱調現象を検出することにより、弁の全開および全閉停止位置を決定することを特徴とする。そして、ステッピングモータ15の脱調現象の検出には、(1)ADコンバータを使用すること、または(2)パルス時間の変化の検出回路を使用することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
従来より、半導体製造装置に薬液を供給するために流体制御弁が用いられている。本出願人は、特開2003−294165号公報(以下、特許文献1という)において、流量制御の信頼性を向上させ、かつ高精度な流量制御を可能にした流体制御弁の制御方法を提案している。
以下、この特許文献1における流体制御弁101の制御方法について説明する。
図11に示すように流体制御弁101は、アンダーボディ111と、アンダーボディ111の上方に固設されたシリンダ112と、シリンダ112の上方に固設されたハウジング113と、ハウジング113にカバー114を介して装着されたステッピングモータ115とによって全体の外形をなしている。
シリンダ112の内部には、略円柱形状のピストン121が軸方向に摺動可能かつ気密にはめ込まれている。ピストン121の下面とシリンダ112の内面とによりパイロット室122が区画され、パイロット室122には、シリンダ112に形成された操作ポート123が連通している。さらに、ピストン121の下端にはダイアフラム弁体124が取り付けられ、ダイアフラム弁体124の周縁は、アンダーボディ111とシリンダ112とに挟持されている。ダイアフラム弁体124がピストン121の上下動に伴って移動して弁座125に密着あるいは離間することによって、ポート126とポート127との間が遮断あるいは連通される。
さらに、ナット132の上面に2本の被検出子132a,132bが設けられ、ハウジング113に設けられた孔を貫通して上方へ延びている。そして、ハウジング113内には、カップリング134を挟んで両側に原点スイッチ141及び調整限度点スイッチ142が設けられる。原点スイッチ141及び調整限度点スイッチ142は、いずれも光学式スイッチであり、図11に示すように、被検出子132a,132bの先端部によって光が遮られることで、ナット132の位置が検出される。なお、被検出子132a,132bの先端部は図12(a)または図12(b)のような形状を有している。
流体制御弁101では、パイロット室122の空気圧力が、電空レギュレータ部137によって操作ポート123を介して制御される。電空レギュレータ部137は、入力された電気信号に対応してパイロット室122の空気圧力を調整し、この空気圧力の上昇によってピストン121を復帰バネ131に抗して上方へ移動させる。これにより、ダイアフラム弁体124が弁座125から離間して流体制御弁101は弁開する。そして、移動されたピストン121は、その上面がナット132に当接することによって停止されるので、ナット132の停止位置によってダイアフラム弁体124の位置である弁開停止位置が規定される。そして、このナット132は、ネジ部材133に伝えられるステッピングモータ115の回転動作によって上下動される。
また、特開2003−21252号公報(以下、特許文献2という)において、弁体の弁開度を確実且つ高精度に調整することができ、圧力流体の流量を高精度に制御することが可能であるとする流体制御弁が開示されている。
以下、この特許文献2における流体制御弁201の制御方法について説明する。
図13に示すように流体制御弁201は、バルブボディ211と、バルブボディ211の上方に固設された第1ボディ212と、第1ボディ212の上方に固設された第2ボディ213と、第2ボディ213の上方にスペーサ部材214を介して固設されたカバー部材216とによって全体の外形をなしている。
カバー部材216の内部には、第2ボディ213の上方にスペーサ部材214を介してステッピングモータ215及び回転量検出器217が装着されている。
第1ボディ212の内部には、ピストン221が軸方向に摺動可能にはめ込まれている。ピストン221の下端には、ダイアフラム弁体224が取り付けられ、ダイアフラム弁体224の周縁は、バルブボディ211と第1ボディ212とに挟持されている。ダイアフラム弁体224がピストン221の上下動に伴って移動して弁座225に当接あるいは離間することによって、ポート226とポート227との間が遮断あるいは連通される。第1ボディ212の内部には、ピストン221を上方に付勢する復帰バネ231が装着されている。
また、第2ボディ213の内部にはネジ部材233が設けられ、第2ボディ213のネジ部213aと螺合している。ネジ部材233の上方は回転軸235と係合され、ステッピングモータ215の回転が回転軸235を介してネジ部材233に伝えられる。ネジ部材233の下方はピストン221と当接している。
流体制御弁201では、制御信号(パルス信号)の作用により、ステッピングモータ215が回転し、回転軸235も一体となって回転する。回転軸235が回転すると、回転軸235と係合するネジ部材233が第2ボディ213のネジ部213aとの螺合のもと回転しながら上下動する。ネジ部材233が上下動すると、ネジ部材233の下方に当接するピストン221もばね部材231のばね力に従って、あるいは抗して上下動する。ピストン221が上下動することにより、ピストン221に連結されたダイアフラム弁体224が上下動し、弁座225と離間・当接することで弁開・弁閉状態になる。
そこで、回転量検出器217で検出したステッピングモータ215の回転角度により、ダイアフラム弁体224の変位量を制御し、ダイアフラム弁体224の弁開度の調整を、より確実、且つ高精度に行うことができるとしている。
その他、<従来技術1>の様な検出スイッチ又は、<従来技術2>の様な回転量検出器を設けず、弁が全開、全閉してもある程度の時間モータを回転し続けさせてから(脱調のまま)停止させる流体制御弁の制御方法も存在する。
かかる流体制御弁のその他の構造・作用は、前記した<従来技術1>または<従来技術2>の流体制御弁101、201と同様なため、以下詳細な説明は省略する。
<従来技術1>では、検出スイッチとして原点スイッチ141や調整限度点スイッチ142を設ける必要があり、コストアップにつながったり、流体制御弁が大型化するおそれがある。また、検出スイッチには検出幅にバラツキが存在しうる。特に、原点スイッチ141は弁開停止位置の下限を規定するものであるところ、その検出幅のバラツキが弁閉方向に生じてしまった場合には、ナット132が弁閉方向に過分に移動してしまう。そのため、ダイアフラム弁体124を弁座125に着座させた後、更にダイアフラム弁体124を弁座125に無理に押し付けるおそれがある。従って、過分にモータの回転荷重が弁体124を介して弁座125に作用し、その作用が長時間続けば弁座125のへたりなどを生ずるおそれがある。
(1)ステッピングモータの駆動により弁開および弁閉を行なう流体制御弁の制御方法において、ステッピングモータの駆動電圧波形の変化からステッピングモータの脱調現象を検出することにより、弁の全開および全閉停止位置を決定すること。
まず、流体制御弁1の構成を説明する。
図1に示すように流体制御弁1は、バルブボディ11と、バルブボディ11の上方に固設されたハウジング13と、ハウジング13の上方に固設されたカバー14とによって全体の外形をなしている。流体制御弁1は、おもに駆動機構部と弁機構部により構成されている。
駆動機構部は、ステッピングモータ15、軸35、フランジ部材34、シャフト33、ピストン21、スプリング31からなる。ステッピングモータ15はピストンシリンダ12の上方に装着され、軸35はステッピングモータ15と連結し、フランジ部材34は軸35と一体となっている。シャフト33はフランジ部材34と係合する一方、ネジ部33aが設けられ、ピストンシリンダ12のネジ部12aと螺合する。ピストン21はスプリング31により上方に付勢されつつシャフト33と当接および離間する。
弁機構部は、バルブボディ11、ダイアフラム弁体24、弁座25、ポート26、ポート27などにより構成されている。ダイアフラム弁体24はピストン21と一体になっており、弁座25と当接および離間する。
以下、「全開状態」とは弁機構部の開弁度が最大の弁開状態といい、「全閉状態」とは弁機構部の開弁度が0の弁閉状態をいうものとする。
図1は流体制御弁1の全開状態を示す。この状態から、コントローラ(不図示)により指令パルスを与えてステッピングモータ15を回転させる。このステッピングモータ15の回転により、軸35およびフランジ部材34が回転し、シャフト33も一体となって回転する。シャフト33はピストン21を介してスプリング31により上方へ付勢されているが、この付勢力に抗して回転しながらピストンシリンダ12のネジ部12aとの間で形成されたネジの作用によって下方へ移動する。シャフト33が下方へ移動すると、スプリング31による上方への付勢力に抗してピストン21が下方へ移動する。ピストン21が下方へ移動すると、ピストン21と一体のダイアフラム弁体24も下方へ移動し、いずれ弁座25と当接することになる。これにより、流体制御弁1は全閉状態になる。
本発明は、かかる観点から行なう流体制御弁の制御方法である。
ここで、このようなサージ波形が検出される理由について説明する。図4にステッピングモータドライバにおける電流の流れを示す。図4の(1)の状態から、ステッピングモータ15に次の指令パルスを与えるべく、トランジスタをOFFした直後にはコイルLにより、(2)のような瞬間電流が流れた後に、(3)に示すような電流が流れる。そのため、図5に示すA点における電圧の波形を検出すると図5のような結果となる。
ここで、ステッピングモータ15が脱調する時には、永久磁石のローター(不図示)が回転方向に振動する。そのため、この振動によりコイルLが発電機のような役割をなし図4(2)における瞬間電流の値に変動が生じ、図5とは異なる結果が得られる。
すると、流体制御弁1が全開状態と全閉状態の間を動作をしている間、すなわちステッピングモータ15が正常に回転している間は、図6に示すように毎回ほぼ同じカウント回数が検出される。
従って、ステッピングモータ15、及びギアボックス36・軸35・ネジ33などの駆動機構、および弁体24や弁座25などの弁機構に過大な負荷が長時間かかることはなく、それらの耐久性を上げることができる。
また、瞬時に全開・全閉状態を検出して正確な全開・全閉位置で停止することができるので、わずかな弁開度であっても調整が可能になり、微小流量の制御が可能になる。
また、検出スイッチなどの構成も不要で、流体制御弁のコンパクト化が図れる。
本発明は、ステッピングモータの駆動により弁開および弁閉を行なう流体制御弁の制御方法において、ステッピングモータ15の駆動電圧波形の変化からステッピングモータ15の脱調現象を検出することにより、弁の全開および全閉停止位置を決定するので、ステッピングモータ15の駆動機構および弁機構の耐久性を上げることができ、かつ微小流量の制御が可能になるとともに、流体制御弁のコストダウン・コンパクト化を図ることができる。
実施例1と同様に図3に示すような検出回路を設けるが、その電圧波形取込部には図8示すような回路を使用する。
すると、流体制御弁1が全開状態と全閉状態の間を動作をしている間、すなわちステッピングモータ15が正常に回転している間は、図9に示すようなサージ波形が検出される。この波形において所定のしきい値を定めると、図9に示すように、しきい値以上の値について毎回ほぼ同じ時間tの長さの波形が検出される。
従って、ステッピングモータ15、及びギアボックス36・軸35・ネジ33などの駆動機構、および弁体24や弁座25などの弁機構に過大な負荷が長時間かかることはなく、それらの耐久性を上げることができる。
また、瞬時に全開・全閉状態を検出して正確な全開・全閉位置で停止することができるので、わずかな弁開度であっても調整が可能になり、微小流量の制御が可能になる。
また、検出スイッチなどの構成も不要で、流体制御弁のコンパクト化が図れる。
本発明は、ステッピングモータの駆動により弁開および弁閉を行なう流体制御弁の制御方法において、ステッピングモータ15の駆動電圧波形の変化からステッピングモータ15の脱調現象を検出することにより、弁の全開および全閉停止位置を決定するので、ステッピングモータ15の駆動機構および弁機構の耐久性を上げることができ、かつ微小流量の制御が可能になるとともに、流体制御弁のコストダウン・コンパクト化を図ることができる。
々な変更が可能である。
11 バルブボディ
12 ピストンシリンダ
13 ハウジング
14 カバー
15 ステッピングモータ
21 ピストン
24 ダイアフラム弁体
25 弁座
31 スプリング
33 シャフト
35 軸
Claims (3)
- ステッピングモータの駆動により弁開および弁閉を行なう流体制御弁の制御方法において、
前記ステッピングモータの駆動電圧波形の変化から前記ステッピングモータの脱調現象を検出することにより、弁の全開および全閉停止位置を決定することを特徴とする流体制御弁の制御方法。 - 請求項1の流体制御弁の制御方法において、
前記ステッピングモータの脱調現象の検出には、ADコンバータを使用することを特徴とする流体制御弁の制御方法。 - 請求項1の流体制御弁の制御方法において、
前記ステッピングモータの脱調現象の検出には、パルス時間の変化の検出回路を使用することを特徴とする流体制御弁の制御方法。
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