JP2013161418A - 流量制御装置及び流量制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】弁体を駆動するアクチュエータの負荷を低減することのできる流量制御装置及び流量制御システムを提供する。
【解決手段】流量制御装置18は、内部に第1流路21、弁室22、第2流路23、及び弁座部24が設けられたバルブ本体20と、弁室22の内側と外側とを区画するダイアフラム42と、ダイアフラム42に連結されるとともに、弁座部24に対向して設けられた弁体41と、を備える。流量制御装置18は、弁体41に連結されたピストンロッド60と、弁座部24と弁体41との距離を変化させるように、ピストンロッド60を往復駆動するステッピングモータ90と、ピストンロッド60に往復駆動方向の静荷重を作用させる加減圧ユニット12と、を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】流量制御装置18は、内部に第1流路21、弁室22、第2流路23、及び弁座部24が設けられたバルブ本体20と、弁室22の内側と外側とを区画するダイアフラム42と、ダイアフラム42に連結されるとともに、弁座部24に対向して設けられた弁体41と、を備える。流量制御装置18は、弁体41に連結されたピストンロッド60と、弁座部24と弁体41との距離を変化させるように、ピストンロッド60を往復駆動するステッピングモータ90と、ピストンロッド60に往復駆動方向の静荷重を作用させる加減圧ユニット12と、を備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、流体の流量を制御する流量制御装置及び流量制御システムに関する。
従来、この種の流量制御装置として、モータの回転に基づいてダイアフラム弁体を移動させて、弁開度を調整するものがある(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載のものでは、ダイアフラム弁体がスプリングにより所定方向へ付勢されている。そして、モータの回転に基づいて、スプリングによる付勢力に抗して、ダイアフラム弁体が移動させられる。
ところで、特許文献1に記載のものでは、スプリングによる付勢力に抗して、ダイアフラム弁体を移動させるため、モータの負荷が大きくなる。また、ダイアフラム弁体には流体の圧力が作用しており、その圧力に抗してダイアフラム弁体を移動させる必要があるため、モータの負荷が大きくなる。
このようにモータの負荷が大きくなると、弁体を駆動するための可動部の耐久性が低下することとなる。なお、モータに限らず、その他のアクチュエータにより弁体を駆動する場合であっても、こうした実情は概ね共通したものとなる。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、弁体を駆動するアクチュエータの負荷を低減することのできる流量制御装置及び流量制御システムを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
第1の手段は、流量制御装置であって、内部に流体の流路及び弁座部が設けられたバルブ本体と、前記流路の内側と外側とを区画するダイアフラムと、前記ダイアフラムに連結されるとともに、前記弁座部に対向して設けられた弁体と、前記弁体に連結された駆動部材と、前記弁座部と前記弁体との距離を変化させるように、前記駆動部材を往復駆動する駆動アクチュエータと、前記駆動部材に前記往復駆動方向の静荷重を作用させる静荷重アクチュエータと、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、バルブ本体の内部に設けられた弁座部に対向して、弁体が設けられている。そして、弁座部と弁体との距離を変化させるように、弁体に連結された駆動部材が駆動アクチュエータにより往復駆動される。したがって、駆動アクチュエータの駆動に基づいて、バルブ本体の内部に設けられた流路の弁開度を調整することができ、流体の流量を制御することができる。
ここで、ダイアフラムは流路の内側と外側とを区画しているため、ダイアフラムには流体の圧力が作用する。ダイアフラムには弁体が連結されており、弁体には駆動部材が連結されている。このため、流体の圧力に基づく荷重が駆動部材に作用することとなり、駆動アクチュエータはその荷重に抗して駆動部材を往復駆動する必要がある。この点、静荷重アクチュエータにより、駆動部材に往復駆動方向の静荷重が作用させられる。したがって、流体の圧力に基づき駆動部材に作用する荷重の影響を緩和することができ、弁体を駆動する駆動アクチュエータの負荷を低減することができる。その結果、弁体を駆動するための可動部の耐久性を向上させることができる。しかも、駆動部材には静荷重が作用させられるため、駆動部材に作用する荷重の影響を安定して緩和することができる。
第2の手段では、前記静荷重アクチュエータは、前記駆動部材に連結されたピストン部と、前記ピストン部との間に圧力室を形成するシリンダと、前記圧力室内の圧力を調整する圧力調整機構と、を備える。
上記構成によれば、ピストン部とシリンダとの間に圧力室が形成され、この圧力室内の圧力が圧力調整機構により調整される。このため、圧力室内の圧力に応じた荷重をピストン部に作用させることができ、駆動部材に上記往復駆動方向の静荷重を容易に作用させることができる。しかも、静荷重を発生させるための圧力を直接ダイアフラムに作用させる構成と比較して、ダイアフラムの変形を抑制することができる。
具体的には、第3の手段のように、前記圧力調整機構は、前記圧力室内への気体の供給及び前記圧力室内からの気体の排出により、前記圧力室内の圧力を調整するといった構成を採用することができる。
第4の手段では、前記ダイアフラム、前記弁体、及び前記駆動部材は、前記弁座部に対して同じ側に配置され、前記流路内の前記流体により前記ダイアフラムに所定圧が作用させられており、前記所定圧に基づいて前記駆動部材に作用する開弁荷重よりも大きな閉弁荷重により、前記弁体を前記弁座部に近付ける方向へ、前記駆動部材を付勢する付勢部を備え、前記圧力調整機構は、前記閉弁荷重と反対方向の静荷重を、前記駆動部材に作用させる。
上記構成によれば、ダイアフラム、弁体、及び駆動部材は、弁座部に対して同じ側に配置されているため、流路内の流体によりダイアフラムに作用する所定圧に基づいて、弁体を弁座部から離れさせる方向の開弁荷重が駆動部材に作用する。また、この開弁荷重よりも大きな閉弁荷重で、弁体を弁座部に近付ける方向へ、駆動部材が付勢部により付勢される。このため、結果的に閉弁荷重と開弁荷重との差に相当する残留荷重(閉弁荷重の一部)が、駆動部材に作用することとなる。これに対して、圧力調整機構により、閉弁荷重と反対方向の静荷重が駆動部材に作用させられる。したがって、駆動部材に作用する残留荷重の少なくとも一部を相殺することができ、弁体を駆動する駆動アクチュエータの負荷を低減することができる。さらに、閉弁荷重と開弁荷重との差に相当する残留荷重が駆動部材に作用しているため、異常等により圧力調整機構が作動しなくなった場合に、弁体を弁座部の方向へ移動させて流体の流量を減少させることができる。
第5の手段では、前記圧力調整機構は、前記閉弁荷重と前記開弁荷重との差に相当する大きさで且つ前記閉弁荷重と反対方向の静荷重を、前記駆動部材に作用させる。
上記構成によれば、第4の手段と同様に、結果的に閉弁荷重と開弁荷重との差に相当する残留荷重(閉弁荷重の一部)が、駆動部材に作用することとなる。これに対して、圧力調整機構により、閉弁荷重と開弁荷重との差に相当する大きさで且つ閉弁荷重と反対方向の静荷重が駆動部材に作用させられる。したがって、駆動部材に作用する残留荷重を相殺することができ、弁体を駆動する駆動アクチュエータの負荷を更に低減することができる。
第6の手段では、前記ダイアフラム、前記弁体、及び前記駆動部材は、前記弁座部に対して同じ側に配置され、前記流路内の前記流体により前記ダイアフラムに所定圧が作用させられており、前記所定圧に基づいて前記駆動部材に作用する開弁荷重よりも小さな閉弁荷重により、前記弁体を前記弁座部に近付ける方向へ、前記駆動部材を付勢する付勢部を備え、前記圧力調整機構は、前記開弁荷重と反対方向の静荷重を、前記駆動部材に作用させる。
上記構成によれば、第4の手段と同様に、流体の圧力に基づいて、弁体を弁座部から離れさせる方向の開弁荷重が駆動部材に作用する。また、この開弁荷重よりも小さな閉弁荷重で、弁体を弁座部に近付ける方向へ、駆動部材が付勢部により付勢される。このため、結果的に開弁荷重と閉弁荷重との差に相当する残留荷重(開弁荷重の一部)が、駆動部材に作用することとなる。これに対して、圧力調整機構により、開弁荷重と反対方向の静荷重が駆動部材に作用させられる。したがって、駆動部材に作用する残留荷重の少なくとも一部を相殺することができ、弁体を駆動する駆動アクチュエータの負荷を低減することができる。さらに、開弁荷重と閉弁荷重との差に相当する残留荷重が駆動部材に作用しているため、弁座部に弁体を当てずに用いる流量制御装置において、駆動アクチュエータの負荷を低減し易くなる。
第7の手段では、前記圧力調整機構は、前記開弁荷重と前記閉弁荷重との差に相当する大きさで且つ前記開弁荷重と反対方向の静荷重を、前記駆動部材に作用させる。
上記構成によれば、第6の手段と同様に、結果的に開弁荷重と閉弁荷重との差に相当する残留荷重(開弁荷重の一部)が、駆動部材に作用することとなる。これに対して、圧力調整機構により、開弁荷重と閉弁荷重との差に相当する大きさで且つ開弁荷重と反対方向の静荷重が駆動部材に作用させられる。したがって、駆動部材に作用する残留荷重を相殺することができ、弁体を駆動する駆動アクチュエータの負荷を更に低減することができる。
第8の手段では、前記付勢部は、前記駆動部材の変位に応じて変化する前記閉弁荷重を前記駆動部材に作用させ、前記圧力調整機構は、前記閉弁荷重の大きさに応じて前記静荷重の大きさを変化させる。
付勢部が駆動部材の変位に応じて変化する閉弁荷重を駆動部材に作用させる場合には、弁体の駆動に伴う駆動部材の変位により閉弁荷重が変化することとなる。
この点、上記構成によれば、圧力調整機構により、閉弁荷重の大きさに応じて静荷重の大きさが変化させられる。このため、閉弁荷重の大きさが変化したとしても、駆動部材に作用する荷重を好適に相殺することができる。
第9の手段では、前記ダイアフラム、前記弁体、及び前記駆動部材は、前記弁座部に対して同じ側に配置され、前記流路内の前記流体により前記ダイアフラムに所定圧が作用させられており、前記圧力調整機構は、前記所定圧に基づいて前記駆動部材に作用する開弁荷重と反対方向の静荷重を、前記駆動部材に作用させる。
上記構成によれば、上記第4の手段と同様に、流体の圧力に基づいて、弁体を弁座部から離れさせる方向の開弁荷重が駆動部材に作用する。これに対して、圧力調整機構により、所定圧に基づいて駆動部材に作用する開弁荷重と反対方向の静荷重が、駆動部材に作用させられる。したがって、駆動部材に作用する荷重の少なくとも一部を相殺することができ、弁体を駆動する駆動アクチュエータの負荷を低減することができる。
第10の手段では、前記圧力調整機構は、前記所定圧に基づいて前記駆動部材に作用する開弁荷重に相当する大きさで且つ前記開弁荷重と反対方向の静荷重を、前記駆動部材に作用させる。
上記構成によれば、上記第9の手段と同様に、結果的に弁体を弁座部から離れさせる方向の開弁荷重が駆動部材に作用する。これに対して、圧力調整機構により、開弁荷重に相当する大きさで且つ開弁荷重と反対方向の静荷重が駆動部材に作用させられる。したがって、駆動部材に作用する荷重を相殺することができ、弁体を駆動する駆動アクチュエータの負荷を更に低減することができる。
第11の手段は、流量制御システムであって、請求項1〜10のいずれか1項に記載の流量制御装置と、前記流路の上流に接続されたレギュレータと、を備える。
上記構成によれば、流量制御装置の流路の上流に接続されたレギュレータにより、流路に流入する流体の圧力が所定圧に調整される。そして、所定圧の流体が流路に流入する状態において、流量制御装置により流体の流量を制御することができる。
以下、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、半導体製造装置等において薬液の流量を制御する流量制御システムとして具体化している。
初めに図1を参照して、流量制御システム10の概要を説明する。同図に示すように、流量制御システム10は、パイロットレギュレータ11、流量制御装置18、加減圧ユニット12、コントローラ13、及び流量センサ14を備えている。パイロットレギュレータ11(レギュレータ)の上流には流入通路15が接続されており、レギュレータ11の下流には流出通路16が接続されている。流出通路16の下流には流量制御装置18が接続されており、流量制御装置18の下流には供給通路17が接続されている。供給通路17には、流量センサ14が設けられている。
そして、ポンプ等により加圧された薬液が、流入通路15を通じてレギュレータ11に供給される。パイロットレギュレータ11は、空圧により駆動され、流入通路15から流入する流体の圧力を所定圧(例えば、0.1〜0.3MPa)に調整して、流出通路16から流出させる。この所定圧は、流量制御システム10の用途に応じて設定される。なお、パイロットレギュレータ11に代えて、手動式レギュレータを用いることもできる。
流出通路16から流出した薬液は、流量制御装置18へ流入する。流量制御装置18は、弁の開度を調整することにより、供給通路17から流出する薬液の流量を制御する。流量センサ14は、供給通路17を流通する薬液の流量を検出する。そして、流量の制御された薬液が、供給通路17を通じて供給対象へ供給される。
コントローラ13は、CPUや各種メモリ等からなるマイクロコンピュータを主体として構成される電子制御装置である。コントローラ13には、本システム10を統括して管理する管理コンピュータ等から流量指令値が入力される他、流量センサ14により検出される薬液の流量が逐次入力される。コントローラ13は、それら各入力に基づいて流量制御装置18を制御し、薬液の流量を流量指令値に一致させるようにフィードバック制御を実行する。
次に、流量制御装置18の構成について詳細に説明する。流量制御装置18は、バルブ本体20、弁体41、ダイアフラム42、シリンダ30、ピストンロッド60、アクチュエータ本体50、ねじ部64,82、ステッピングモータ90、カバー93等を備えている。
バルブ本体20には、薬液(流体)の流入する流入ポート25と、薬液の流出する流出ポート26とが設けられている。バルブ本体20は、耐薬品性を有するフッ素樹脂、例えばPTFE(Poly Tetra Fluoro Ethylene)で形成されている。バルブ本体20の内部には、流入ポート25に接続された第1流路21(流路)と、流出ポート26に接続された第2流路23(流路)と、これら流路21,23を接続する弁室22とが設けられている。弁室22(流路)は、円柱状の空間として形成されており、バルブ本体20の上面(所定面)に開口している。弁室22と第2流路23との接続部には、円環状の弁座部24が設けられている。
弁室22の内側と外側とが(流路21,23側と反対側とが)、ダイアフラム42によって区画されている。ダイアフラム42の外縁部は、バルブ本体20とシリンダ30とで挟持されている。ダイアフラム42には、弁体41が一体化(連結)されている。弁体41は、弁室22内に収容されており、弁座部24に対向して配置されている。弁体41は円柱状に形成されている。弁体41が弁座部24に当接することにより、弁室22から第2流路23への薬液の流通が遮断される。
バルブ本体20の上面には、シリンダ30が取り付けられている。シリンダ30は、耐薬品性を有するフッ素樹脂、例えばPTFEで形成されている。シリンダ30の内部には、円柱状の空間である第1収容部31と、第1収容部31よりも径の大きい円柱状の空間である第2収容部33とが形成されている。第1収容部31の一端は弁室22と連通しており、第1収容部31の他端は第2収容部33と連通している。第2収容部33はシリンダ30の上面(所定面)に開口している。上記弁室22、第1収容部31、及び第2収容部33は、互いの中心軸線が一致している。
第1収容部31及び第2収容部33で形成される空間内に、ピストンロッド60が収容されている。ピストンロッド60は、円柱状のロッド部61(駆動部材)とフランジ状のピストン部62とを備えている。ロッド部61とピストン部62とは、互いの中心軸線が一致するように一体化(連結)されている。ピストン部62は、ロッド部61の外周面から円環状に突出している。
第1収容部31にロッド部61が挿入されており、第2収容部33にピストン部62が挿入されている。第1収容部31とロッド部61との間がシール部材63によりシールされており、第2収容部33とピストン部62との間がシール部材65によりシールされている。第2収容部33の中心軸線とピストン部62の中心軸線とが一致しており、第1収容部31の中心軸線とロッド部61の中心軸線とが一致している。ピストンロッド60は、軸受け66によって中心軸線方向へ摺動可能に支持されている。
ロッド部61においてピストン部62と反対側の端部は、弁体41において弁座部24と反対側の端部に連結されている。ダイアフラム42の上方(ピストンロッド60側)には、ダイアフラム42上面、ロッド部61の外周面、及びシリンダ30の内周面で区画される容積室37が形成されている。容積室37は、連通路38を通じて大気に解放されている。なお、連通路38に配管を接続して、ダイアフラム42からの薬液の漏れ等を検出するようにしてもよい。
シリンダ30の内部には、シリンダ30の内周面とピストンロッド60の外周面とで区画される圧力室35が形成されている。圧力室35は、圧力導入ポート36を通じて圧力導入通路12aに接続されている。圧力導入通路12aにおいて圧力導入ポート36側と反対側の端部は、加減圧ユニット12に接続されている。
加減圧ユニット12(圧力調整機構)は、空気の供給源、電磁弁、及び真空源等を備える電空レギュレータにより構成されている。加減圧ユニット12は、圧力室35に対する空気の供給および排出を制御することにより、圧力室35内の圧力を調整する。そして、圧力室35内の圧力調整に基づいて、ピストン部62(ピストンロッド60)に中心軸線方向(往復駆動方向)の静荷重が作用させられる。加減圧ユニット12は、上記コントローラ13により制御される。なお、ピストンロッド60、シリンダ30、及び加減圧ユニット12は、静荷重アクチュエータを構成する。
シリンダ30の上面(所定面)には、アクチュエータ本体50が取り付けられている。アクチュエータ本体50は、耐薬品性を有するフッ素樹脂、例えばPVDF(Poly Vinylidene Di Fluoride)で形成されている。アクチュエータ本体50の内部には、円柱状の空間である第3収容部55が形成されている。第3収容部55の一端は第2収容部33と連通しており、第3収容部55の他端はアクチュエータ本体50の上面(所定面)に開口している。
第3収容部55には、その内壁が内側へ張り出すことにより、円環状の張出部51が形成されている。張出部51とピストン部62との間には、圧縮ばね71(付勢部)が設けられている。圧縮ばね71は、ピストン部62及びロッド部61(ピストンロッド60)を介して、上記弁体41を上記弁座部24に近付ける方向へ付勢している。
ここで、上記ダイアフラム42には、所定圧に調整された薬液により、弁室22の内側から外側の方向への荷重が作用している。ダイアフラム42、弁体41、及びロッド部61(ピストンロッド60)は、弁座部24に対して同じ側に配置され、互いに連結されている。このため、弁室22内の薬液によりダイアフラム42に作用する所定圧に基づいて、弁体41を弁座部24から離れさせる方向の荷重(開弁荷重)がピストンロッド60に作用する。
これに対して、圧縮ばね71が、弁体41を上記弁座部24に近付ける方向へ、ピストンロッド60を付勢する荷重(閉弁荷重)の大きさは、上記開弁荷重よりも大きく設定されている。したがって、これらの開弁荷重と閉弁荷重とが相殺され、結果的に閉弁荷重と開弁荷重との差に相当する残留荷重(相殺されずに残った閉弁荷重の一部)が、ピストンロッド60に作用することとなる。
ピストンロッド60において弁体41と反対側の端部には、円筒状の雌ねじ部64が連結されている。雌ねじ部64には、円柱状の雄ねじ部82が噛み合わされている。雌ねじ部64は、ナイロン系の樹脂、例えば(Poly Phenylene Sulfide)により形成されている。雄ねじ部は、例えばステンレス鋼により形成されている。雌ねじ部64と雄ねじ部82とは、互いの中心軸線が一致しており、相対回転により中心軸線方向へ相対移動する。雌ねじ部64は、中心軸線を中心とした回転が、図示しない回り止め部材により規制されている。なお、雌ねじ部64を黄銅や青銅で形成するとともに、雄ねじ部82を焼入れ鋼で形成するようにしてもよい。
雄ねじ部82は、ブッシュ81及び締結部材83を介して、ステッピングモータ90の駆動軸91に連結されている。モータ90の駆動軸91、雄ねじ部82、雌ねじ部64は、互いの中心軸線が一致している。ブッシュ81及び締結部材83は、ベアリンク84によって回転可能に支持されている。アクチュエータ本体50の中段部には、取付部材52が取り付けられている。ベアリンク84は、アクチュエータ本体50と取付部材52とで挟持されている。モータ90は、取付部材52に取り付けられている。アクチュエータ本体50の上面には、モータ90を覆うようにカバー93が取り付けられている。
ステッピングモータ90(駆動アクチュエータ)は、駆動回路を備えており、上記コントローラ13から駆動回路へ駆動制御信号(パルス信号)が入力され、モータ90の駆動軸91の回転位置が、ステップ数に相当する駆動制御信号により制御される。そして、モータ90の駆動軸91が回転させられると、駆動軸91と雄ねじ部82とが一体で回転する。
雌ねじ部64は回り止めされているため、雄ねじ部82の回転により雌ねじ部64が中心軸線方向へ移動させられる。雌ねじ部64の中心軸線方向への移動により、上記ピストンロッド60、ひいては弁体41が中心軸線方向へ往復駆動される。これにより、弁座部24と弁体41との距離が変化させられ、弁室22から第2流路23へ流出する薬液の流量が制御される。
次に、流量制御装置18及び加減圧ユニット12の制御について説明する。
パイロットレギュレータ11により、薬液の圧力が所定圧に調整されている。この所定圧に調整された薬液が、流入ポート25及び第1流路21を通じて弁室22へ流入する。このため、上記ダイアフラム42には、所定圧に調整された薬液の圧力によって、弁室22の内側から外側の方向への荷重が作用している。そして、弁室22内の薬液によりダイアフラム42に作用する圧力(所定圧)に基づいて、弁体41を弁座部24から離れさせる方向の荷重(開弁荷重)がピストンロッド60に作用している。
これに対して、上記開弁荷重よりも大きな閉弁荷重が、圧縮ばね71によりピストンロッド60に作用させられている。このため、加減圧ユニット12により圧力室35に圧力(正圧及び負圧)を印加していない状態では、弁体41が弁座部24に当接して薬液の流通が遮断されている(閉弁状態)。
コントローラ13は、モータ90により弁体41を駆動させて薬液の流量を制御するにあたって、加減圧ユニット12によりピストンロッド60に上記開弁荷重方向の静荷重を作用させる。詳しくは、加減圧ユニット12により、上記閉弁荷重と上記開弁荷重との差に相当する大きさで且つ閉弁荷重と反対方向の静荷重を、ピストンロッド60に作用させる。このとき、圧縮ばね71がピストンロッド60に作用させる閉弁荷重の大きさは、圧縮ばね71の縮み量、すなわちピストンロッド60の変位に応じて変化する。このため、コントローラ13は、加減圧ユニット12により、ピストンロッド60の変位(閉弁荷重の大きさ)応じて上記静荷重の大きさを変化させる。これにより、ピストンロッド60に作用する残留荷重が相殺されるため、雌ねじ部64及び雄ねじ部82に荷重が作用しない状態となる。
このような状態にした後、コントローラ13は、流量センサ14により検出される薬液の流量に基づいてモータ90を制御し、薬液の流量を流量指令値に一致させるようにフィードバック制御を実行する。このため、弁体41を駆動するモータ90の負荷を低減することができ、弁体41を駆動するための雌ねじ部64及び雄ねじ部82(可動部)の耐久性を向上させることができる。
以上詳述した本実施形態は以下の利点を有する。
・ダイアフラム42は弁室22の内側と外側とを区画しているため、ダイアフラム42には薬液の圧力が作用する。このため、薬液の圧力に基づく荷重が、ダイアフラム42を介してピストンロッド60に作用させられる。また、弁体41を弁座部24に近付ける方向の閉弁荷重が、圧縮ばね71によりピストンロッド60に作用させられる。ステッピングモータ90は、これらの荷重に抗してピストンロッド60を往復駆動する必要がある。この点、加減圧ユニット12により、ピストンロッド60に往復駆動方向の静荷重が作用させられる。したがって、薬液の圧力や圧縮ばね71の荷重に基づきピストンロッド60に作用する荷重の影響を緩和することができ、弁体41を駆動するモータ90の負荷を低減することができる。その結果、弁体41を駆動するための雌ねじ部64及び雄ねじ部82の耐久性を向上させることができる。しかも、ピストンロッド60には静荷重が作用させられるため、ピストンロッド60に作用する荷重の影響を安定して緩和することができる。
・ピストンロッド60とシリンダ30との間に圧力室35が形成され、この圧力室35内の圧力が加減圧ユニット12により調整される。このため、圧力室35内の圧力に応じた荷重をピストン部62に作用させることができ、ピストンロッド60に上記往復駆動方向の静荷重を容易に作用させることができる。しかも、静荷重を発生させるための圧力を直接ダイアフラム42に作用させる構成と比較して、ダイアフラム42の変形を抑制することができる。
・ダイアフラム42、弁体41、及びピストンロッド60は、弁座部24に対して同じ側に配置されているため、弁室22内の薬液によりダイアフラム42に作用する所定圧に基づいて、弁体41を弁座部24から離れさせる方向の開弁荷重がピストンロッド60に作用する。また、この開弁荷重よりも大きな閉弁荷重で、弁体41を弁座部24に近付ける方向へ、ピストンロッド60が圧縮ばね71により付勢される。このため、結果的に閉弁荷重と開弁荷重との差に相当する残留荷重が、ピストンロッド60に作用することとなる。これに対して、加減圧ユニット12により、閉弁荷重と開弁荷重との差に相当する大きさで且つ閉弁荷重と反対方向の静荷重がピストンロッド60に作用させられる。したがって、ピストンロッド60に作用する残留荷重を相殺することができ、弁体41を駆動するモータ90の負荷を更に低減することができる。しかも、加減圧ユニット12により、閉弁荷重の大きさに応じて静荷重の大きさが変化させられる。このため、圧縮ばね71の縮み量に応じて閉弁荷重の大きさが変化しても、ピストンロッド60に作用する荷重を好適に相殺することができる。
・閉弁荷重と開弁荷重との差に相当する残留荷重がピストンロッド60に作用しているため、異常等により加減圧ユニット12が作動しなくなった場合に、弁体41を弁座部24の方向へ移動させて薬液の流量を減少させることができる。
上記実施形態に限定されず、例えば次のように実施することもできる。なお、上記実施形態と同一の部材については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
・圧縮ばね71により、薬液の圧力に基づく開弁荷重よりも小さな閉弁荷重で、弁体41を弁座部24に近付ける方向へ、ピストンロッド60が付勢されるようにすることもできる。この場合には、結果的に開弁荷重と閉弁荷重との差に相当する残留荷重(相殺されずに残った開弁荷重の一部)が、ピストンロッド60に作用することとなる。これに対して、加減圧ユニット12により、開弁荷重と反対方向の静荷重をピストンロッド60に作用させる。これにより、ピストンロッド60に作用する残留荷重の少なくとも一部を相殺することができ、弁体41を駆動するステッピングモータ90の負荷を低減することができる。さらに、開弁荷重と閉弁荷重との差に相当する残留荷重がピストンロッド60に作用しているため、弁座部24に弁体41を当てずに流量制御装置18を用いる場合に、モータ90の負荷を低減し易くなる。
さらに、加減圧ユニット12により、上記開弁荷重と閉弁荷重との差に相当する大きさで且つ開弁荷重と反対方向の静荷重をピストンロッド60に作用させることが望ましい。こうした構成によれば、ピストンロッド60に作用する残留荷重を相殺することができ、弁体41を駆動するモータ90の負荷を更に低減することができる。
・図2に示すように、圧縮ばね71及びアクチュエータ本体50の張出部51を省略することもできる。この場合には、残留荷重として、薬液の圧力に基づいて弁体41を弁座部24から離れさせる方向の開弁荷重がピストンロッド60に作用する。これに対して、加減圧ユニット12により、上記開弁荷重と反対方向の静荷重を、ピストンロッド60に作用させる。これにより、ピストンロッド60に作用する荷重の少なくとも一部を相殺することができ、弁体41を駆動するモータ90の負荷を低減することができる。
さらに、加減圧ユニット12により、上記開弁荷重に相当する大きさで且つ開弁荷重と反対方向の静荷重をピストンロッド60に作用させることが望ましい。こうした構成によれば、ピストンロッド60に作用する荷重を相殺することができ、弁体41を駆動するモータ90の負荷を更に低減することができる。
・ピストンロッド60に作用する残留荷重の少なくとも一部を相殺する際に、加減圧ユニット12によりピストンロッド60に作用させる静荷重の大きさを以下のように設定することもできる。すなわち、静荷重の大きさを残留荷重に相当する大きさよりも、若干大きく又は若干小さく設定する。こうした構成によっても、ピストンロッド60に作用する残留荷重の少なくとも一部を相殺することができ、弁体41を駆動するモータ90の負荷を低減することができる。
・上記実施形態では、加減圧ユニット12により閉弁荷重の大きさに応じて静荷重の大きさを変化させたが、加減圧ユニット12により一定の静荷重を作用させるようにすることもできる。
・図3に示すように、ピストン部62、圧力室35、及び圧力導入ポート36を省略するとともに、連通路38に設けた圧力導入ポート136に、圧力導入通路12a及び加減圧ユニット12を接続することもできる。この場合には、上記容積室37と同様に形成された容積室137が圧力室35の機能を果たすことになり、加減圧ユニット12により容積室137内の圧力が調整される。こうした構成によれば、容積室137内の圧力に応じた荷重をダイアフラム42に作用させることができ、ロッド161(駆動部材)に上記往復駆動方向の静荷重を容易に作用させることができる。
なお、同図では、上記第1流路21に対応する第1流路121と、上記弁室22に対応する弁室122との接続部に弁座部24が設けられている。ここでは、所定圧に調整された薬液の圧力が弁体41に作用するとともに、弁室22内の薬液の圧力がダイアフラム42に作用する。こうした構成においても、加減圧ユニット12により、薬液の圧力や圧縮ばね171の荷重に基づきロッド161に作用する荷重の影響を緩和することができ、弁体41を駆動するモータ90(図示略)の負荷を低減することができる。
・加減圧ユニット12により、圧力室35又は容積室137に対する油(液体)の供給および排出を制御することにより、圧力室35内又は容積室137内の圧力を調整することもできる。
・駆動アクチュエータとして、ステッピングモータ90に代えて、ソレノイドやピエゾアクチュエータを採用することもできる。この場合には、雄ねじ部82及び雌ねじ部64が不要となる。こうした構成においても、薬液の圧力や圧縮ばね71の荷重に基づきピストンロッド60(ロッド161)に作用する荷重の影響を緩和することができ、弁体41を駆動する駆動アクチュエータの負荷を低減することができる。その結果、弁体41を駆動するための可動部の耐久性を向上させることができる。
10…流量制御システム、11…パイロットレギュレータ(レギュレータ)、12…加減圧ユニット(圧力調整機構)、13…コントローラ、18…流量制御装置、20…バルブ本体、22…弁室、24…弁座部、30…シリンダ、35…圧力室、41…弁体、42…ダイアフラム、60…ピストンロッド、61…ロッド部(駆動部材)、62…ピストン部、64…雌ねじ部、71…圧縮ばね(付勢部)、82…雄ねじ部、90…ステッピングモータ(駆動アクチュエータ)、122…弁室、137…容積室(圧力室)、161…ロッド(駆動部材)、171…圧縮ばね(付勢部)。
Claims (11)
- 内部に流体の流路及び弁座部が設けられたバルブ本体と、
前記流路の内側と外側とを区画するダイアフラムと、
前記ダイアフラムに連結されるとともに、前記弁座部に対向して設けられた弁体と、
前記弁体に連結された駆動部材と、
前記弁座部と前記弁体との距離を変化させるように、前記駆動部材を往復駆動する駆動アクチュエータと、
前記駆動部材に前記往復駆動方向の静荷重を作用させる静荷重アクチュエータと、
を備えることを特徴とする流量制御装置。 - 前記静荷重アクチュエータは、前記駆動部材に連結されたピストン部と、前記ピストン部との間に圧力室を形成するシリンダと、前記圧力室内の圧力を調整する圧力調整機構と、を備える請求項1に記載の流量制御装置。
- 前記圧力調整機構は、前記圧力室内への気体の供給及び前記圧力室内からの気体の排出により、前記圧力室内の圧力を調整する請求項2に記載の流量制御装置。
- 前記ダイアフラム、前記弁体、及び前記駆動部材は、前記弁座部に対して同じ側に配置され、
前記流路内の前記流体により前記ダイアフラムに所定圧が作用させられており、
前記所定圧に基づいて前記駆動部材に作用する開弁荷重よりも大きな閉弁荷重により、前記弁体を前記弁座部に近付ける方向へ、前記駆動部材を付勢する付勢部を備え、
前記圧力調整機構は、前記閉弁荷重と反対方向の静荷重を、前記駆動部材に作用させる請求項2又は3に記載の流量制御装置。 - 前記圧力調整機構は、前記閉弁荷重と前記開弁荷重との差に相当する大きさで且つ前記閉弁荷重と反対方向の静荷重を、前記駆動部材に作用させる請求項4に記載の流量制御装置。
- 前記ダイアフラム、前記弁体、及び前記駆動部材は、前記弁座部に対して同じ側に配置され、
前記流路内の前記流体により前記ダイアフラムに所定圧が作用させられており、
前記所定圧に基づいて前記駆動部材に作用する開弁荷重よりも小さな閉弁荷重により、前記弁体を前記弁座部に近付ける方向へ、前記駆動部材を付勢する付勢部を備え、
前記圧力調整機構は、前記開弁荷重と反対方向の静荷重を、前記駆動部材に作用させる請求項2又は3に記載の流量制御装置。 - 前記圧力調整機構は、前記開弁荷重と前記閉弁荷重との差に相当する大きさで且つ前記開弁荷重と反対方向の静荷重を、前記駆動部材に作用させる請求項6に記載の流量制御装置。
- 前記付勢部は、前記駆動部材の変位に応じて変化する前記閉弁荷重を前記駆動部材に作用させ、
前記圧力調整機構は、前記閉弁荷重の大きさに応じて前記静荷重の大きさを変化させる請求項4〜7のいずれか1項に記載の流量制御装置。 - 前記ダイアフラム、前記弁体、及び前記駆動部材は、前記弁座部に対して同じ側に配置され、
前記流路内の前記流体により前記ダイアフラムに所定圧が作用させられており、
前記圧力調整機構は、前記所定圧に基づいて前記駆動部材に作用する開弁荷重と反対方向の静荷重を、前記駆動部材に作用させる請求項2又は3に記載の流量制御装置。 - 前記圧力調整機構は、前記所定圧に基づいて前記駆動部材に作用する開弁荷重に相当する大きさで且つ前記開弁荷重と反対方向の静荷重を、前記駆動部材に作用させる請求項9に記載の流量制御装置。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の流量制御装置と、
前記流路の上流に接続されたレギュレータと、
を備える流量制御システム。
Priority Applications (1)
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JP2012025112A JP2013161418A (ja) | 2012-02-08 | 2012-02-08 | 流量制御装置及び流量制御システム |
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JP2012025112A JP2013161418A (ja) | 2012-02-08 | 2012-02-08 | 流量制御装置及び流量制御システム |
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JP2013161418A true JP2013161418A (ja) | 2013-08-19 |
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Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05324093A (ja) * | 1992-05-15 | 1993-12-07 | Tlv Co Ltd | 自動設定減圧弁 |
JP2003083466A (ja) * | 2001-09-11 | 2003-03-19 | Ckd Corp | 流量制御弁 |
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JP3168588U (ja) * | 2011-04-08 | 2011-06-16 | アドバンス電気工業株式会社 | 流体供給量調節装置 |
-
2012
- 2012-02-08 JP JP2012025112A patent/JP2013161418A/ja active Pending
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