JP2005350813A - 制電性ポリエステル織物 - Google Patents

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Abstract

【課題】低発塵、制電性に優れたクリーンルーム内での作業衣等として好適な制電性ポリエステル織物の提供すること。繰返し着用、洗濯操作によっても制電特性の劣化が少ない制電性ポリエステル織物の提供すること。
【解決手段】ポリエステル系合成繊維マルチフィラメント糸を用いてなる制電性ポリエステル織物であって、導電性ポリエステルマルチフィラメント糸が経糸及び/又は緯糸として5mm以上30mm以下の間隔で規則的に配置されてなり、JIS L0217 103法による洗濯処理50回実施後の23℃、50%RH環境下における表面抵抗値が1×1010Ω以上1×1013Ω以下、同環境下における表面電位が300V以下である制電性ポリエステル織物。
【選択図】 なし

Description

本発明は半導体製造など電気電子機器製造業における作業に好適な制電性ポリエステル織物に関するものであり、更に詳しくには自己発塵が少なくフィルター機能を有し、しかも半導体製造等の品質管理において最も管理すべき静電気帯電を極小に留める、クリーンルーム内での作業着として好適な制電性ポリエステル織物の提供を課題とするものである。
従来から半導体製造現場や検査現場での作業衣として自己発塵が少なく耐久性に優れたポリエステル高密度織物からなる制電作業衣が広く利用されている。しかしながらポリエステルなどの合成繊維は一般に電気の絶縁体であり表面抵抗値は1×1015〜1×1017Ω程度と非常に大きく、帯電し易い性質を有している。該問題を解決する為に織物の裏面などに蒸着若しくはスパッタリングなどの方法によって金属の薄膜を形成させ静電気の帯電を防止する方法等が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平6−235169号公報
金属薄膜を織物の少なくとも一方に形成することによって帯電を防止することが可能であるが、繰返し着用や洗濯操作等による金属薄膜の剥離に伴う帯電防止性能の劣化や加工コストが高く生地値が高くなる等の問題がある。また金属薄膜の剥離による自己発塵の問題も否めずクリーンルーム内で着用する作業衣としては好適なものとは言えない。
また複合紡糸法を用い、吸放湿性に優れたポリエステル共重合体とポリエチレンテレフタレートを組合せ、前者で吸湿性を与え、後者で力学的強度を与えた糸条を用いたポリエステル作業服が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。該方法によれば疎水性合成繊維である従来のポリエステルと比較し吸湿効果を向上させている為、表面の水の効果により帯電をある程度軽減できるものの帯電は分極によって生じるものであるため、親水性繊維であっても影響を皆無にすることができない。また複合紡糸法によるポリエステル繊維は一般に強度的に弱く、発塵の一要因になる可能性も否めない。
特開平10−8347号公報
またカーボンや低融点金属を組合せた導電性繊維を織物の経糸及び/又は緯糸の少なくとも一部に使用した導電性ポリエステル織物が数多く提案上市されている。(例えば、特許文献3参照。)。該方法を用いれば効果的に帯電を防止することが可能であるが、該導電性繊維の配列・配置を緻密にしなければ十分な効果が期待できず価格が高価なものとなる他、布帛の力学的強度が実用強度に耐え得るものにはならない。また配列・配置を少なく留めると帯電防止効果に乏しく制電作業衣として好ましいものにはならない。
特開昭60−173140号公報
本発明はかかる問題を解決し低発塵、制電性に優れたクリーンルーム内での作業衣等として好適な制電性ポリエステル織物の提供を課題とするものであって、更に詳しくには繰返し着用、洗濯操作によっても制電特性の劣化が少ない制電性ポリエステル織物を提供することを課題とするものである。
即ち、本発明は以下の構成よりなる。
1.ポリエステル系合成繊維マルチフィラメント糸を用いてなる制電性ポリエステル織物であって、導電性ポリエステルマルチフィラメント糸が経糸及び/又は緯糸として5mm以上30mm以下の間隔で規則的に配置されてなり、JIS L0217 103法による洗濯処理50回実施後の23℃、50%RH環境下における表面抵抗値が1×1010Ω以上1×1013Ω以下、同環境下における表面電位が300V以下であることを特徴とする制電性ポリエステル織物。
2.導電性ポリエステルマルチフィラメント糸が5mm以上25mm以下の間隔で規則的に配されてなるものであり、JIS L0217 103法による洗濯処理50回実施後の23℃、50%RH環境下における表面電位の半減期が5.0秒以下であることを特徴とする上記第1に記載の制電性ポリエステル織物。
請求項3.JIS L0217 103法による洗濯処理50回実施後の粒径0.5μm以上の発塵量が3500個/m3以下であることを特徴とする上記第1又は第2に記載の制電性ポリエステル織物。
4.ポリエステル系合成繊維マルチフィラメント糸の単糸繊度が0.3デシテックス以上5.0デシテックス以下であり、JIS L0217 103法による洗濯処理50回実施後の引裂強度保持率が洗濯未処理に対して75%以上である上記第1〜第3のいずれかに記載の制電性ポリエステル織物。
本発明の制電性ポリエステル織物は導電性ポリエステルマルチフィラメント糸を経糸及び/又は緯糸として均等に配置し織物表面より積極的に除電すると共に織物表面をカチオン界面活性剤の効果によりカチオン化することによって電気的中和を促し制電性を向上させることができる。この効果によって静電気によるハイテク機器の誤動作や半導体製品等の破壊等を防止することが可能となる他、自己発塵が少ないためコンタミネーションの問題等が少なくなる為、製品品質を向上させることができる。
本発明に用いるポリエステル系合成繊維マルチフィラメント糸はエチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール等のジオール成分とテレフタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルフォイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸成分とをエステル交換反応、重縮合させて得られたエステルが好ましく使用される。ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のホモポリマー、共重合ポリマー、ブレンドポリマー等のマルチフィラメント糸が例示される。また必要に応じて二酸化チタン、硫酸バリウム、二酸化珪素等の艶消剤や酸化防止剤、平滑剤、帯電防止剤、その他を含有させてもよい。また繊維断面も公知の何れの断面を採用することが可能であるが、好ましくは中実丸断面の採用が堅牢度や力学的強度の点で好ましい。
導電性ポリエステルマルチフィラメント糸は溶融複合紡糸法により低融点金属やカーボン微粒子等の電気の良導体を単独若しくは繊維形成性樹脂マトリックス中に分散させた後、ポリエステル系樹脂と芯鞘、偏心芯鞘や貼合せ、多層貼合せ等の断面としたものが好ましく使用される。例えばカネボウ合繊社のベルトロン(R)やクラレ社のクラカーボ(R)等が例示される。
導電性ポリエステルマルチフィラメント糸の配置としては経糸及び/又は緯糸に5mm以上30mm以下の間隔で規則的に配置されていることが好ましい。より積極的に除電する為には経糸緯糸双方に5mm〜10mm程度の間隔で配置することが好ましい。導電性ポリエステルマルチフィラメント糸は従来のポリエステルマルチフィラメント対比で強度的に弱い為、必要以上に用いると引裂強度など織物の力学的性能が低下する他、価格が割高であり製品コストが高くなり、5mm未満の間隔で用いるのは好適とは言えない。また30mmを超過する間隔では除電効果に乏しく満足する制電効果を与えづらくなりあまり好ましくない。
また織物の表面抵抗値についてはJIS L0217 103法による洗濯処理50回実施後の23℃、50%RH環境下において1×1010Ω以上1×1013Ω以下であることが好ましく、より好ましくは1×1010Ω以上1×1012Ω以下の範囲である。一般にポリエステルは1×1015Ω〜1×1017Ω程度の高抵抗値を示す為、表面をカチオン化しマイナス荷電を中和させることが必要となる。表面をカチオン化させるには第4級アンモニウム塩などのカチオン界面活性剤をバインダー樹脂で繊維表面に付着させるか、グラフト重合等にてポリエステルに官能基を導入し該官能基と化学結合させる等の方法を用いる。特にグラフト重合によるものは耐久制電性を与える上で好ましい。またバインダー樹脂による方法ではエポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂等々がバインダー樹脂として例示されるが最も耐久性の高いエポキシ系樹脂が好ましく採用される。これらはパッドスチーム法、パッドドライ法等、公知の方法を用いてポリエステル織物に加工することができる。
洗濯処理50回実施後の表面抵抗値が1×1010Ω未満という低抵抗値の範囲は疎水性合成繊維であるポリエステルでは実現し難い範囲であり、1×1013Ωを超過する高抵抗値では静電気による精密機器の誤動作や半導体など製品の破壊等を招く可能性が高くなり好ましい領域でない。表面抵抗値が1×1010Ω以上1×1012Ω以下の範囲が製品の歩留り向上や事故防止の観点から好ましい。またその際の表面電位は300V以下であることが好ましく、より好ましくは200V以下、更に好ましくは100V以下であることが好ましい。表面電位が300Vを超過する範囲では精密機器の誤動作や半導体製品等の破壊が生じ易く好ましくないのである。
またJIS L0217 103法による洗濯処理50回実施後の23℃、50%RH環境下における表面電位の半減期は5.0秒以下、より好ましくは3秒以下、更に好ましくは2秒以下であることが精密機器の誤動作や半導体製品の破壊等の問題を防止する上で好ましい。半減期が5.0秒を超過する範囲では帯電した電荷が速やかに除去されない為に上記の問題を未然に防ぐことができないのである。
更にJIS L0217 103法による洗濯処理50回実施後の粒径0.5μm以上の発塵量が3500個/m3以下、より好ましくは2000個/m3以下であることが製品のコンタミネーション問題の防止、製品歩留りの向上の観点から有効である。該発塵量が3500個/m3を超過する範囲では半導体製造分野等のクリーンルーム内で着用する作業衣として好ましいものとは言えず、製品の歩留りが悪化するなど操業性や製品品質等にも支障を来すものとなる。
また本発明の制電性ポリエステル織物は使用する上述ポリエステル系合成繊維マルチフィラメント糸の単糸繊度を0.3デシテックス以上5.0デシテックス以下、より好ましくは0.5デシテックス以上3.5デシテックス以下とすることが自己発塵抑制や作業者自身から発生する老廃物や塵埃を阻止する(フィルター機能)上で好ましい。単糸繊度が0.3デシテックス未満となれば繰返し洗濯や着用による強度低下が著しく、逆に5.0デシテックスを超過する範囲ではフィルター機能が満足なものとはならずクリーンルーム内の塵埃による汚染を未然に防ぐことができない。
更にJIS L0217 103法による洗濯処理50回実施後の引裂強度保持率が洗濯未処理に対して75%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上であることが作業衣としての実用強度を保持するために好ましい条件である。該洗濯処理にては浴温40℃で弱アルカリ性合成洗剤を使用する為、ポリエステル繊維表面は少なからず加水分解作用を受け脆化する方向であり、引裂強度保持率が75%未満となれば作業衣としての実用強度を保持し得ない。
本発明の制電性ポリエステル織物はレピアルーム、プロジェクタイルルーム、エアージェットルーム、ウォータージェットルーム等の公知の織機を用いて製織することが可能である。また使用するポリエステル系マルチフィラメント糸も必要に応じ撚糸を施して製織に供することが可能であるし、フラットヤーン使いのみならず仮撚加工糸、交絡混繊糸、流体攪乱加工糸など公知の糸加工を実施した糸条を用いることも可能である。
また染色加工についても液流染色機、気流染色機、ジッカー染色機、ウインス染色機、ビーム染色機等のバッチ式染色機の他、パッド法による連続染色、フラットスクリーンやロータリースクリーン、インクジェット等の捺染等々、公知の手法を用いて染色することが可能である。本発明の制電性ポリエステル織物は染色と同時、若しくは染色後に繊維表面をカチオン化処理する。表面カチオン化には公知のパッドドライキュア法、パッドスチームキュア法等の連続処理の他、ウインス染色機やビーム染色機等によるバッチ処理が拡布型の薬剤付与方法であり薬剤付着斑(ミッチャ)や皺等を予防する上で好ましい。
本発明の制電性ポリエステル織物は導電性ポリエステルフィラメント糸の効果によって帯電した電荷を積極的に除電すると共に、ポリエステル繊維表面自体をカチオン化することによってマイナス荷電し易い表面を電気的に中和し帯電し難い性質にするものである。このふたつの手法を組合せることによって高い耐久制電性を持たせることが効果的に実現できるものである。
以下実施例に従い、本発明を更に詳細に説明する。本文中及び実施例中の特性値は下記評価方法に基づき導出されるものである。尚、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(引裂強度)
JIS L1096 8.15.5 D法(ペンジュラム法)に準じて評価した。尚、引裂強度保持率は、洗濯処理50回実施後引裂強度の洗濯未処理引裂強度に対する百分率で表した。
(発塵量)
JIS B9923に準じて評価した。発塵装置はタンブリング法を用い光散乱式自動粒子計数器法により評価した。(粒径0.3〜5.0μmの発塵量を求めた)
(表面抵抗)
IEC61340−5−1記載の方法に準じて評価した。環境温湿度23℃×50%RHに評価用試料(サンプル)を24時間調温調湿した後、同環境で評価を実施した。使用した表面抵抗計は三菱化学社製Hiresta Up MCP−HT450型、印加電圧は100Vである。
(表面電位)
IEC61340−5−1記載の方法に準じて評価した。環境温湿度23℃×50%RHに評価用試料(サンプル)を24時間調温調湿した後、同環境で評価を実施した。使用した表面電位計は日本スタティック社製MODEL SV77A型である。
(電位減衰・半減期)
IEC61340−5−1記載の方法に準じて評価した。環境温湿度23℃×50%RHに評価用試料(サンプル)を24時間調温調湿した後、同環境で評価を実施した。使用した装置は日本スタティック社製STATIC MASTER S−411型、印加電圧10Vを30秒印加し、半減期を求めた。
(洗濯試験)
JIS L0217 103法記載の方法に準じて実施した。
(実施例1)
ポリエステルセミダル中実丸断面マルチフィラメント部分配向糸(POY)250デシテックス48フィラメントを用い、三菱重工業社製LS−6型延伸仮撚加工機によって延伸仮撚を実施し167デシテックス48フィラメントの仮撚加工糸Aを得た。またポリエステルセミダル中実丸断面マルチフィラメント部分配向糸(POY)84デシテックス36フィラメントを用い、同様に仮撚加工を実施し56デシテックス36フィラメントの仮撚加工糸Bを得た。該仮撚加工糸Bとクラレ社製導電性ポリエステルフィラメント28デシテックス2フィラメント(クラカーボ(R))とを引き揃えZ撚方向に400回/m撚糸し合撚糸条Cを得た。
仮撚加工糸AにS撚方向に300回/mの実撚を挿入した後、合撚糸条Cが5mm間隔に配置されるように経糸ビームを作成した。また緯糸についても仮撚加工糸にS撚方向に300回/mの実撚を挿入した糸条と合撚糸条Cとを、合撚糸条Cが5mm間隔になるように交互打込みし、2/1ツイル組織に製織した(導電糸が経方向及び緯方向それぞれに5mm間隔に配置されてなる)。因みに使用した織機は津田駒工業社製ウォータージェットルームZW405型である。
得られた織物生機を拡布状態にて浴温90℃のオープンソーパーに通じた後、処理温度120℃条件で液流精練・リラックスを実施し脱水、拡布後に表面温度120℃のシリンダードライヤーで乾燥した。乾燥した生地にヒートセッターを用いて雰囲気温度180℃条件で乾熱セットを施した後、液流染色機を用いて分散染料による130℃染色を実施、還元洗浄及び湯洗、水洗を十分に実施した後、脱水し拡布状態で表面温度120℃のシリンダードライヤーで乾燥した。得られた染色生地を第4級アンモニウム塩系カチオン活性剤を主体とする帯電防止剤及び変成ビスフェノールA型エポキシ樹脂エマルション、IPA(イソプロピルアルコール)を含有する水溶液をパディングし雰囲気温度150℃のショートループドライヤーを用いて固着させ、雰囲気温度160℃のヒートセッターを用いて生地セットを実施した。
得られた加工布を用いて作業服を縫製した。基本物性を(表1)にまとめた。得られた作業服はJIS L0217 103法による洗濯を50回実施しても帯電し難く、半導体など精密機器製造現場の作業衣として好適なものであった。また塵埃の発生が少ない他、引裂強度の低下も小さいものに留まり実用強度面や製品のコンタミネーション防止にも効果が期待できるものとなった。
(実施例2)
実施例1で得られた織物生機を使用し、浴温90℃のオープンソーパーに通じた後、処理温度120℃条件で液流精練・リラックスを実施し脱水、拡布後に表面温度120℃のシリンダードライヤーで乾燥した。乾燥した生地にヒートセッターを用いて雰囲気温度180℃条件で乾熱セットを施した後、液流染色機を用いて分散染料による130℃染色を実施、還元洗浄及び湯洗、水洗を十分に実施した後、脱水し拡布状態で表面温度120℃のシリンダードライヤーで乾燥した。第4級アンモニウム塩系カチオン活性剤を主体とする帯電防止剤、脂肪族トリビニルモノマー、芳香族ジビニルモノマー、メタクリル酸(モノビニルモノマー)、オキサゾリン系架橋剤、重合開始剤としてポリオキソ二硫酸ナトリウムを調製した水溶液を得られた染色生地にパディングし雰囲気温度150℃のショートループドライヤーを用いて固着させ、雰囲気温度160℃のヒートセッターを用いて生地セットを実施した。
得られた加工布を用いて作業服を縫製した。基本物性を(表1)にまとめた。得られた作業服は実施例1同様、JIS L0217 103法による洗濯を50回実施しても帯電し難く、半導体など精密機器製造現場の作業衣として好適なものであった。また塵埃の発生が少ない他、引裂強度の低下も小さいものに留まり実用強度面や製品のコンタミネーション防止にも効果が期待できるものとなった。
(比較例1)
導電性ポリエステルマルチフィラメントの配置間隔を経糸緯糸共に50mm間隔とした以外は実施例1同様の方法を用いて生地を作成し縫製品(作業服)を得た。カチオン界面活性剤によりマイナス荷電を中和する機能を有しているものの帯電した電荷を積極的に除電する効果が不足してしまい表面抵抗、表面電位とも高いものとなった。また半減期についても長時間を費やし、制電性ポリエステル織物として好ましいものにはならなかった。
(比較例2)
導電性ポリエステルマルチフィラメントの配置間隔を経糸緯糸共に3mm間隔とした以外は実施例1同様の方法を用いて生地を作成し縫製品(作業服)を得た。導電性ポリエステルマルチフィラメントの配置間隔が非常に密である為、除電効果に優れ制電特性としては好ましいものとなったが力学的強度に乏しい導電性ポリエステルマルチフィラメントを多用している為に織物自体の引裂強度も小さく留まり、作業服として好ましいものにはならないばかりかコスト的にも高くなり実用に足るものにはならなかった。
(比較例3)
実施例1で得られた織物生機を使用し、浴温90℃のオープンソーパーに通じた後、処理温度120℃条件で液流精練・リラックスを実施し脱水、拡布後に表面温度120℃のシリンダードライヤーで乾燥した。乾燥した生地にヒートセッターを用いて雰囲気温度180℃条件で乾熱セットを施した後、液流染色機を用いて分散染料による130℃染色を実施、還元洗浄及び湯洗、水洗を十分に実施した後、脱水し拡布状態で表面温度120℃のシリンダードライヤーで乾燥した。第4級アンモニウム塩系カチオン活性剤を主体とする帯電防止剤エマルションを調製してなる水溶液を得られた染色生地にパディングし雰囲気温度150℃のショートループドライヤーを用いて固着させ、雰囲気温度160℃のヒートセッターを用いて生地セットを実施した。
得られた加工布を用いて作業服を縫製した。基本物性を(表1)にまとめた。得られた作業服は洗濯未処理の場合、優れた制電特性を有するものの洗濯耐久性に乏しく、JIS L0217 103法による50回洗濯処理後は制電性を殆ど示さないものとなり、半導体その他電子電気部品製造に供する工場作業服としては好ましいものにならなかった。
Figure 2005350813
本発明によれば、半導体や液晶その他電子電気機器製造業の工場作業服、精密電子機器を用いた工場作業服のような耐久制電作業服に好適に使用できる制電性ポリエステル織物を提供することができる。しかも繰返し洗濯による性能劣化が少なく自己発塵も少ない為、製品の歩留り向上や事故の防止効果も期待できる。

Claims (4)

  1. ポリエステル系合成繊維マルチフィラメント糸を用いてなる制電性ポリエステル織物であって、導電性ポリエステルマルチフィラメント糸が経糸及び/又は緯糸として5mm以上30mm以下の間隔で規則的に配置されてなり、JIS L0217 103法による洗濯処理50回実施後の23℃、50%RH環境下における表面抵抗値が1×1010Ω以上1×1013Ω以下、同環境下における表面電位が300V以下であることを特徴とする制電性ポリエステル織物。
  2. 導電性ポリエステルマルチフィラメント糸が5mm以上25mm以下の間隔で規則的に配されてなるものであり、JIS L0217 103法による洗濯処理50回実施後の23℃、50%RH環境下における表面電位の半減期が5.0秒以下であることを特徴とする請求項1に記載の制電性ポリエステル織物。
  3. JIS L0217 103法による洗濯処理50回実施後の粒径0.5μm以上の発塵量が3500個/m3以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の制電性ポリエステル織物。
  4. ポリエステル系合成繊維マルチフィラメント糸の単糸繊度が0.3デシテックス以上5.0デシテックス以下であり、JIS L0217 103法による洗濯処理50回実施後の引裂強度保持率が洗濯未処理に対して75%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の制電性ポリエステル織物。
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