JP2005350568A - 表面保護シート - Google Patents

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圭治 林
Takateru Oyama
高輝 大山
Tadao Torii
忠雄 鳥居
Masasato Higuchi
真覚 樋口
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Abstract

【課題】 各種被着体への接着力が良好で、支持基材に対する粘着層の投錨性に優れ、かつ屋外での使用、高温下での保存、又は強粘着化した場合であっても被着体に糊残りが生じることのない表面保護シートを提供することを目的とする。
【解決手段】 支持基材の片面又は両面に、熱可塑性エラストマーをベースポリマーとして含有する粘着層が設けられた表面保護シートにおいて、前記支持基材は、ポリエチレン系樹脂を含有してなり、かつ前記熱可塑性エラストマーは、芳香族ビニル化合物単位を主に含有してなるブロックAと、イソプレン単位及び1,3−ブタジエン単位からなるブロックBとからなるブロック共重合体の水素添加物(水添TPE)であることを特徴とする表面保護シート。
【選択図】 なし

Description

本発明は表面保護シートに関する。本発明の表面保護シートは、たとえば、金属板、塗装した金属板、アルミサッシ、樹脂板、化粧鋼板、塩化ビニルラミネート鋼板、ガラス板等の部材を運搬、加工または養生する際等に、それら部材表面に貼り付け保護する用途等に用いられる。
表面保護シートに必要な特性としては、被着体に貼り付けた後に加工や運搬等において被着体に傷がつかず、表面保護シートの浮きや剥がれがなく、剥離したときに糊残り等が発生しないことが要求される。特に、保護シートを被着体に貼り付けたものを高温環境や屋外曝露等の過酷な条件下におく場合には、保護シートの特性もより一層高度なものが求められる。
従来より、一般に用いられてきた表面保護シートの粘着層としては、天然ゴムまたは変性天然ゴムに、適量の粘着付与剤等を配合した天然ゴム系粘着剤を使用したものが知られている。天然ゴム系粘着剤を粘着層に用いた表面保護シートは、屋内での使用に関しては問題は生じない。しかし、天然ゴム系粘着剤は、その構造中に不飽和二重結合を有するため、屋外曝露された場合には紫外線により分子切断が起こり、表面保護シートを剥離する際に被着体に粘着剤が残留することがあった。そのため、耐候性に優れる表面保護シートの開発が望まれていた。
近年、耐候性に優れるゴム系粘着剤として、水添スチレン・エチレン−ブチレン共重合体・スチレンブロックポリマー(SEBS)、水添スチレン・エチレン−プロピレン共重合体・スチレンブロックポリマー(SEPS)、水添スチレン・ブタジエンランダム共重合体(HSBR)、水添スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、及び水添スチレン−共役ジエン系ブロック共重合エラストマー等の水添スチレン系熱可塑性エラストマーが提案されている(特許文献1〜4)。
一方、表面保護シートに使用される支持基材としては、環境面を考慮してポリエチレンやポリプロピレン等の塩素を含まないポリオレフィン系樹脂がよく用いられている。しかし、特にポリエチレン樹脂からなる支持基材上に上記水添スチレン系熱可塑性エラストマーを含む粘着層を設けた場合には、経時によって粘着性が上昇し、投錨破壊によって糊残りが発生することがあった。また、金属板レーザー切断加工処理や耐油性向上を目的として表面保護シートの強粘着化が求められているが、粘着剤を強粘着化した場合には糊残りが発生しやすくなる。
特開平8−12956号公報 特開平9−104848号公報 特開平5−194923号公報 特開2003−119435号公報
本発明は、各種被着体への接着力が良好で、支持基材に対する粘着層の投錨性に優れ、かつ屋外での使用、高温下での保存、又は強粘着化した場合であっても被着体に糊残りが生じることのない表面保護シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下に示す表面保護シートを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、支持基材の片面又は両面に、熱可塑性エラストマーをベースポリマーとして含有する粘着層が設けられた表面保護シートにおいて、前記支持基材は、ポリエチレン系樹脂を含有してなり、かつ前記熱可塑性エラストマーは、芳香族ビニル化合物単位を主に含有してなるブロックAと、イソプレン単位及び1,3−ブタジエン単位からなるブロックBとからなるブロック共重合体の水素添加物(水添TPE)であることを特徴とする表面保護シート、に関する。
本発明の熱可塑性エラストマーは、イソプレン単位及び1,3−ブタジエン単位からなるブロックBを水素添加した構造を有しており、該構造を導入することによりポリエチレン系樹脂を含有してなる支持基材に対する粘着層の投錨性を向上させることができる。それにより、屋外での使用、高温下での保存、又は強粘着化した場合であっても被着体に糊残りが生じることを効果的に防止することができる。
本発明においては、前記水添TPE中における芳香族ビニル化合物単位の含有量が7〜40重量%であることが好ましく、より好ましくは10〜30重量%である。芳香族ビニル化合物単位の含有量が7重量%未満の場合には、凝集力の低下により糊残りが発生しやすくなる傾向にある。一方、芳香族ビニル化合物単位の含有量が40重量%を超える場合には、被着体への接着力が低下したり、支持基材に対する粘着層の投錨性(密着性)が低下して糊残りが発生しやすくなる傾向にある。
また本発明においては、ブロックBを構成するイソプレン単位及び1,3−ブタジエン単位の1,4−結合の割合が85%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上である。1,4−結合の割合が85%未満の場合には、支持基材に対する粘着層の投錨性(密着性)が低下して糊残りが発生しやすくなる傾向にある。
また本発明においては、ブロックB中における1,3−ブタジエン単位の含有量が30重量%以上であることが好ましく、より好ましくは40重量%以上、特に好ましくは50重量%以上である。1,3−ブタジエン単位の含有量が30重量%未満の場合には、支持基材に対する粘着層の投錨性が低下して糊残りが発生しやすくなる傾向にある。
さらに本発明においては、ポリエチレン系樹脂が、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、及び直鎖状低密度ポリエチレンからなる群より選択される少なくとも1種のポリエチレンであることが好ましい。特に上記ポリエチレンを支持基材の材料として用いることにより、粘着層の投錨性が向上し、被着体への糊残りを効果的に防止することができる。
本発明の表面保護シートは、支持基材の片面又は両面に、熱可塑性エラストマーをベースポリマーとして含有する粘着層が設けられたものである。
支持基材としては、少なくともポリエチレン系樹脂を含有するポリマーフィルムを用いる。ポリエチレン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、及び直鎖状低密度ポリエチレンなどが挙げられる。これらは1種又は2種以上を混合して用いられる。また、前記ポリエチレン系樹脂を単独で用いてもよく、他のオレフィン系樹脂と混合して使用してもよい。他のオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレンまたはプロピレン成分とエチレン成分からなるブロック系、ランダム系等のプロピレン系ポリマー、ゴム成分とリアクターブレンドされたプロピレン系ポリマー;エチレン・αオレフィン共重合体、プロピレン・αオレフィン共重合体、エチレン・プロピレン・αオレフィン共重合体などのαオレフィン系ポリマー;エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体などのエチレン成分と他モノマーとのオレフィン系ポリマー等があげられる。また高分子としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等からなるエステル系ポリマー、6−ナイロン、6,6−ナイロン、12−ナイロン等からなるアミド系ポリマー等があげられる。これら高分子は1種を単独でまたは2種以上を併用することができる。
支持基材中のポリエチレン系樹脂の含有量は30重量%以上であることが好ましく、より好ましくは50重量%以上、特に好ましくは70重量%以上である。ポリエチレン系樹脂の含有量が30重量%未満の場合には、粘着層の投錨性(密着性)が低下して被着体に糊残りが発生しやすくなる傾向にある。
ポリマーフィルムは延伸されたものであっても無延伸のものでもよい。また、単層であってもよく、多層化されたものでもよい。
支持基材には、劣化防止等を目的に、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤等の光安定剤、帯電防止剤、その他に、例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン等の充填剤、着色を目的とした有機または無機顔料、目ヤニ防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、発泡剤、ポリエチレンイミン等の添加剤を適宜に添加することができる。また、背面処理剤、粘着剤、下塗り剤との密着性向上を目的として支持基材面にはコロナ処理等の表面処理を施してもよい。
支持基材の厚さは特に制限されないが、5〜300μm程度であり、好ましくは20〜100μmである。なお、支持基材は、単層でもよく二層以上の多層からなっていてもよい。支持基材の背面側には、耐スリップ性やハンディカット性の付与を目的として凹凸加工を施してもよい。
粘着層のベースポリマーとしては、芳香族ビニル化合物単位を主に含有してなるブロックAと、イソプレン単位及び1,3−ブタジエン単位からなるブロックBとからなるブロック共重合体の水素添加物(水添TPE)を用いる。
前記芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ジビニルベンゼン、及びビニルピリジンなどが挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を併用することができる。また、2種以上の芳香族ビニル化合物を用いる場合には、ブロックA中でそれらはブロック構造を形成していてもよく、ランダム構造を形成していてもよい。
ブロックAは、前記芳香族ビニル化合物単位を主に含有するが、本発明の効果を損なわない範囲でイソプレン単位やブタジエン単位などのジエン系炭化水素単位を含有していてもよい。これらジエン系炭化水素単位は、ブロックA中に20重量%以下であることが好ましい。20重量%を超えると凝集力の低下により糊残りが発生しやすくなる傾向にある。また、これらジエン系炭化水素はブロックA中でランダム共重合されていてもよく、ブロック共重合されていてもよい。
ブロックBは、イソプレン単位及び1,3−ブタジエン単位からなる。イソプレンと1,3−ブタジエンの重合形態はランダム共重合、ブロック共重合、又はテーパーブロック共重合のいずれでもよい。また、イソプレン単位及び1,3−ブタジエン単位のエチレン性二重結合は水素添加されており、その添加率は90%以上であることが好ましく、さらに好ましくは95%以上、特に好ましくは97%以上である。水素添加率が90%未満の場合には、耐候性が低下して剥離の際に被着体に糊残りが発生しやすくなる傾向にある。
前記ベースポリマーとして、スチレン系熱可塑性エラストマーを併用してもよい。スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン・ブタジエン(SB)、スチレン・イソプレン(SI)等のスチレン系AB型ジブロック共重合体(ジブロック共重合体);スチレン・ブタジエン・スチレン(SBS)、スチレン・イソプレン・スチレン(SIS)等のスチレン系ABA型ブロック共重合体(トリブロック共重合体);スチレン・ブタジエン・スチレン・ブタジエン(SBSB)、スチレン・イソプレン・スチレン・イソプレン(SISI)等のスチレン系ABAB型ブロック共重合体(テトラブロック共重合体);スチレン・ブタジエン・スチレン・ブタジエン・スチレン(SBSBS)、スチレン・イソプレン・スチレン・イソプレン・スチレン(SISIS)等のスチレン系ABABA型ブロック共重合体(ペンタブロック共重合体)、さらには、これ以上の繰り返し単位を有するマルチブロックポリマーやスチレン・ブタジエン、スチレン・イソプレンランダム共重合体等があげられる。
またスチレン系熱可塑性エラストマーとしては、耐候性の観点からエチレン性二重結合を水添した水添物を用いるのが好ましい。たとえば、スチレン・エチレン−ブチレン共重合体(SEB)、スチレン・エチレン−プロピレン共重合体(SEP)等のAB型ジブロック共重合体の水添物;スチレン・エチレン−ブチレン共重合体・スチレン(SEBS)、スチレン・エチレン−プロピレン共重合体・スチレン(SEPS)、スチレン・エチレン−ブチレン共重合体・スチレン・エチレン−ブチレン共重合体(SEBSEB)等のABA型トリブロック共重合体やABAB型テトラブロック共重合体の水添物等、さらにはスチレン・エチレン−ブチレンランダム共重合体(HSBR)等があげられる。
さらにスチレン系熱可塑性エラストマーとしては、スチレン・ブタジエンラバー(SBR)等のスチレン系ランダム共重合体、スチレン・エチレン−ブチレン共重合体・オレフィン結晶(SEBC)等のA−B−C型のスチレン・オレフィン結晶系ブロックポリマー、さらにはこれらの水添物があげられる。
これらスチレン系熱可塑性エラストマーは、1種を単独でまたは2種以上を併用することができる。前記スチレン系熱可塑性エラストマーを用いる場合には、ベースポリマー中に50重量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは20重量%以下である。前記スチレン系熱可塑性エラストマーの添加量が50重量%を超える場合には、本発明の効果が十分に得られない傾向にある。
粘着層の形成に際しては、粘着特性の制御等を目的に、必要に応じて、例えば軟化剤、オレフィン系樹脂、シリコーン系ポリマー、液状アクリル系共重合体、粘着付与剤、老化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤、ポリエチレンイミン、脂肪酸アミド、リン酸エステル、その他に、例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、シリカや酸化亜鉛、酸化チタンの等の充填剤や顔料などの添加剤を適宜に添加することができる。なお、粘着層表面には、例えばコロナ放電処理、紫外線照射処理、火炎処理、プラズマ処理やスパッタエッチング処理などの、粘着性の制御や貼付作業性等を目的とした表面処理を必要に応じて施すこともできる。
粘着付与剤の配合は接着力の向上、特に粗面被着体への接着性向上に有効である。その配合量は凝集力の低下による糊残り問題の発生を回避するため、表面保護シートが適用される被着体に応じて適宜に決定される。通常、粘着層のベースポリマー100重量部に対して5〜200重量部程度、さらには10〜100重量部、特に20〜80重量部が好ましい。配合量を5重量部以上とすることで粗面への接着性が向上し、浮き抑制効果がよい。配合量が200重量部を超える場合には高温時での糊残りが顕著となり好ましくない。
粘着付与剤としては、例えば、脂肪族系共重合体、芳香族系共重合体、脂肪族・芳香族系共重合体系や脂環式系共重合体等の石油系樹脂、クマロン−インデン系樹脂、テルぺン系樹脂、テルぺンフェノール系樹脂、重合ロジン等のロジン系樹脂、(アルキル)フェノール系樹脂、キシレン系樹脂またはこれらの水添物などの、一般的に粘着剤に使用されるものを特に制限なく使用できる。これら粘着付与剤は1種を単独でまたは2種以上を用いることができる。剥離性や耐候性などの点から水添系の粘着付与剤が好ましい。なお、粘着付与剤は、オレフィン樹脂とのブレンド物として市販されているものを使用することもできる。
軟化剤の配合は、接着力の向上、特に粗面被着体への接着性向上に有効である。軟化剤としては、例えば、低分子量のジエン系ポリマー、ポリイソブチレン、水添ポリイソプレン、水添ポリブタジエンやそれらの誘導体があげられる。前記誘導体としては、たとえば、片末端または両末端にOH基やCOOH基を有するものを例示でき、具体的には水添ポリブタジエンジオール、水添ポリブタジエンモノオール、水添ポリイソプレンジオール、水添ポリイソプレンモノオールなどがあげられる。特に、被着体に対する接着性の向上を抑制する目的からは、水添ポリブタジエンや水添ポリイソプレン等のジエン系ポリマーの水添物やオレフィン系軟化剤等が好ましい。具体的には出光石油化学社製の商品名「ポリブテン」、クラレ社製の商品名「クラプレン」等が入手可能である。これら軟化剤は1種を単独でまたは2種以上を用いることができる。
なお、軟化剤の分子量は特に制限されず適宣に設定できるが、分子量が小さくなると粘着層からの被着体への物質移行や重剥離化等の原因となるおそれがあり、一方、分子量が大きくなると接着力の向上効果に乏しくなる傾向があることから、軟化剤の数平均分子量は1000〜10万程度、特に3000〜5万のものが好ましい。
軟化剤の配合量は特に制限されないが、粘着層のベースポリマー100重量部に対して5〜150重量部程度、さらには10〜100重量部、特に20〜80重量部が好ましい。配合量を5重量部以上とすることで粗面への接着性が向上し、浮き抑制効果がよい。配合量が150重量部を超える場合には高温時での糊残りが顕著となり好ましくない。
粘着層の厚さは、特に制限されず、要求される接着力などに応じて適宜に決定すればよい。粘着層の厚さは、通常1〜50μm程度であり、好ましくは2〜40μm、さらに好ましくは5〜20μmである。粘着層は必要に応じて、実用に供されるまでの間、セパレータなどを仮着して保護することもできる。
表面保護シートの形成は、例えば、粘着剤組成物の溶剤による溶液や熱溶融液を支持基材に塗布する方法や、それに準じセパレータ上に塗布形成した粘着層を支持基材に移着する方法、粘着層形成材を支持基材上に押出成形塗布する方法、支持基材と粘着層を二層もしくは多層にて共押出しする方法、支持基材上に粘着層を単層ラミネートする方法又はラミネート層と共に粘着層を二層ラミネートする方法、粘着層とフィルムやラミネート層等の支持基材形成材とを二層又は多層ラミネートする方法などの、公知の接着シートの形成方法に準じて行うことができる。またこれらの方法を組み合わせて行なうことができる。粘着層を二層以上とする場合には、少なくとも最表面の粘着層が、水添TPEを含有するものとする。また表面保護シートの形成にあたっては、糊残り防止の観点から、下塗り等を施しても構わない。
支持基材の粘着層を付設しない面には、巻き戻しが容易なロール状シートにするために、例えば、シリコーン系、長鎖アルキル系、又はフッ素系等の適宜な剥離剤からなるコート層を設けることもできる。
以下、実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
低密度ポリエチレン(東ソー社製、ペトロセン180)をインフレーション成形機にて成膜して厚さ80μmの支持基材を作成した。次に、スチレン・1,3−ブタジエン−イソプレン共重合体・スチレンのブロックポリマーの水添物(クラレ社製、セプトン4030、スチレン含有量:13重量%、1,3−ブタジエン−イソプレン共重合体中における1,3−ブタジエン単位の含有量:45重量%)100重量部に対して、水添ポリブテン(出光石油化学社製、出光ポリブテン2000H)80重量部、及び水添テルペン樹脂(ヤスハラケミカル社製、クリアロンP−125)50重量部を配合したトルエン溶液(粘着剤溶液)を調製した。前記支持基材に、乾燥後の粘着層の厚さが20μmになるように上記粘着剤溶液を塗布し、乾燥して表面保護シートを得た。
実施例2
低密度ポリエチレン(東ソー社製、ペトロセン180)100重量部と直鎖状低密度ポリエチレン(東ソー社製、ニポロンL FS150)20重量部とを混合し、インフレーション成形機にて成膜して厚さ100μmの支持基材を作成した。次に、スチレン・1,3−ブタジエン−イソプレン共重合体・スチレンのブロックポリマーの水添物(クラレ社製、セプトン4033、スチレン含有量:30重量%、1,3−ブタジエン−イソプレン共重合体中における1,3−ブタジエン単位の含有量:50重量%)100重量部に対して、水添ポリブテン(出光石油化学社製、出光ポリブテン300H)100重量部、及び水添テルペン樹脂(ヤスハラケミカル社製、クリアロンP−100)80重量部を配合したトルエン溶液(粘着剤溶液)を調製した。前記支持基材に、乾燥後の粘着層の厚さが20μmになるように上記粘着剤溶液を塗布し、乾燥して表面保護シートを得た。
実施例3
水添ポリブテンを添加せず、水添テルペン樹脂を80重量部に変更した以外は実施例1と同様の方法でトルエン溶液(粘着剤溶液)を調製した。そして、該粘着剤溶液を用いた以外は実施例1と同様の方法で表面保護シートを作製した。
比較例1
スチレン・1,3−ブタジエン−イソプレン共重合体・スチレンのブロックポリマーの水添物の代わりに、スチレン・エチレン−プロピレン共重合体・スチレンのブロックポリマー(クラレ社製、セプトン2063、スチレン含有量:13重量%)を用いた以外は実施例1と同様の方法で表面保護シートを作製した。
比較例2
スチレン・1,3−ブタジエン−イソプレン共重合体・スチレンのブロックポリマーの代わりにスチレン・エチレン−ブタジエン共重合体・スチレンのランダムポリマー(JSR社製、ダイナロン1320P、スチレン含有量:10重量%)を用いた以外は実施例1と同様の方法で表面保護シートを作製した。
比較例3
スチレン・1,3−ブタジエン−イソプレン共重合体・スチレンのブロックポリマーの代わりにスチレン・エチレン−ブタジエン共重合体・スチレンのブロックポリマー(旭化成社製、タフテックH1062、スチレン含有量:18重量%)を用いた以外は実施例1と同様の方法で表面保護シートを作製した。
比較例4
ポリプロピレン(出光石油化学社製、F−704NP)をTダイ法にて成膜して厚さ60μmの支持基材を作製した。該支持基材を用いた以外は実施例1と同様の方法で表面保護シートを作製した。
実施例および比較例で得られた表面保護シートについて以下の評価を行った。結果を表1に示す。
〔粘着力の測定〕
作製した表面保護シートの粘着力はJIS Z 0237に準拠して測定した。具体的には、被着体としてSUS430BA板を用い、トルエンでその表面を洗浄した。そして、2kgローラーを1往復させてその表面に表面保護シートを圧着させた。貼付け30分後にインストロン型引張り試験機(島津製作所社製、オートグラフ)を用い、引張速度300mm/分、180°ピールの条件で剥離して粘着力(N/20mm)を測定した。なお、保存及び測定における温度は23℃、湿度は50%である。
〔糊残りの測定〕
被着体としてSUS430BA板を用い、トルエンでその表面を洗浄した。そして、2kgローラーを1往復させてその表面に表面保護シートを圧着させ、80℃で7日間放置した。その後、室温にて表面保護シートを剥離し、被着体表面の糊残りの有無を目視にて観察した。
Figure 2005350568
表1から明らかなように、ポリエチレン系樹脂を含有してなる支持基材を用い、かつ粘着層のベースポリマーとして芳香族ビニル化合物単位を主に含有してなるブロックAと、イソプレン単位及び1,3−ブタジエン単位からなるブロックBとからなるブロック共重合体の水素添加物(水添TPE)を用いることにより、被着体表面の糊残りの発生を効果的に防止することができる。

Claims (5)

  1. 支持基材の片面又は両面に、熱可塑性エラストマーをベースポリマーとして含有する粘着層が設けられた表面保護シートにおいて、前記支持基材は、ポリエチレン系樹脂を含有してなり、かつ前記熱可塑性エラストマーは、芳香族ビニル化合物単位を主に含有してなるブロックAと、イソプレン単位及び1,3−ブタジエン単位からなるブロックBとからなるブロック共重合体の水素添加物(水添TPE)であることを特徴とする表面保護シート。
  2. 水添TPE中における芳香族ビニル化合物単位の含有量が7〜40重量%である請求項1記載の表面保護シート。
  3. ブロックBを構成するイソプレン単位及び1,3−ブタジエン単位の1,4−結合の割合が85%以上である請求項1又は2記載の表面保護シート。
  4. ブロックB中における1,3−ブタジエン単位の含有量が30重量%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の表面保護シート。
  5. ポリエチレン系樹脂が、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、及び直鎖状低密度ポリエチレンからなる群より選択される少なくとも1種のポリエチレンである請求項1〜4のいずれかに記載の表面保護シート。
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