JP2010106090A - 表面保護フィルム - Google Patents

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【課題】積層フィルムの巻回体からの繰出し時にフィルムの変形が生じ難い表面保護フィルムを提供することを目的とする。
【解決手段】ポリオレフィン系基材層と該ポリオレフィン系基材層の一方の表面上に積層された粘着剤層とからなる表面保護フィルムであって、粘着剤層は、スチレン系ブロック共重合体、粘着付与剤及びスチレン系ブロック相補強剤を含有し、かつ23℃で1.8MPa≦E≦2.5MPaの範囲の引張弾性率Eを有しており、該スチレン系ブロック共重合体は、スチレン系重合体ブロックと共役ジエン系共重合体ブロックとからなり、前記スチレン系ブロック共重合体とスチレン系ブロック相補強剤との総量における前記スチレン系モノマー単位の含有率が20重量%〜50重量%の範囲である表面保護フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、表面保護フィルムに関する。
従来から、例えば、光学デバイス、金属板、塗装鋼板、樹脂板、ガラス板等の様々な物品又は部材の表面を、運搬、加工又は養生する際に、これらの表面への汚れの付着又は表面の傷つきを防止するために表面保護フィルムが用いられている。
この種の表面保護フィルムは、一般に基材層に粘着剤層が積層された構造を有する。表面保護フィルムは、例えば、ポリオレフィン等からなる基材層に、エラストマー等を含む粘着剤溶液を塗布する、または基材層と粘着剤層とを共押出するなどして製造されている。
特に近年、このような表面保護フィルムは、液晶ディスプレイ用の光学部材等に多用されている。光学部材にはプリズムシート及び拡散フィルムなど、表面に凹凸形状を有するものがあり、これらの面に表面保護フィルムを貼り付ける場合、接触面積が稼げないために粘着力の強い粘着層を形成する必要がある。
一般に、表面保護フィルムは、長尺状の積層フィルムをロール状に巻回した巻回体として工業的に製造されている。ところが、強粘着力を有する粘着層は、巻き内側となる表面保護フィルムの背面(基材の粘着剤層積層側に対する反対面、以下同じ)に対しても強く粘着するため、背面の離型処理は必須である。特に、共押出法を採用する場合、インラインで離型処理を実施することには制約が多い。
このような問題を解決する手段として、例えば、ポリオレフィン系樹脂からなる基材と粘着剤層とが共押出法により積層され、インラインで基材の背面が固体によって摩擦処理された後ロール状に巻き取られる表面保護フィルムが提案されており、現在市場に流通している共押出タイプで強粘着型の表面保護フィルムの主流を占めている(特許文献1参照)。
しかし、このような表面保護フィルムにおいて、巻回体からの剥離の際に剥離点に応力が集中するため、フィルムが変形して剥離方向に対して直交方向に筋が入ることがある。特に、スティックスリップ又は振動剥離と呼ばれる剥離形態を呈する場合にこのような現象が生じ易い。このような表面保護フィルムを保護対象の被着体に貼付すると、積み重ねて保存することにより圧力がかかり、被着体に筋状の打痕を残す場合がある。
特開平2−252777号公報
本発明の目的は、上述した従来技術の現状を鑑み、積層フィルムの巻回体からの繰出し時にフィルムの変形が生じ難い表面保護フィルムを提供することである。
本発明の表面保護フィルムは、
ポリオレフィン系基材層と該ポリオレフィン系基材層の一方の表面上に積層された粘着剤層とからなる表面保護フィルムであって、
粘着剤層は、スチレン系ブロック共重合体、粘着付与剤及びスチレン系ブロック相補強剤を含有し、かつ23℃で1.8MPa≦E≦2.5MPaの範囲の引張弾性率Eを有しており、
該スチレン系ブロック共重合体は、スチレン系重合体ブロックと、スチレン系モノマー単位を含む共役ジエン系共重合体ブロックとからなり、
前記スチレン系ブロック共重合体とスチレン系ブロック相補強剤との総量における前記スチレン系モノマー単位の含有率が20重量%〜50重量%の範囲であることを特徴とする。
このような表面保護フィルムでは、スチレン系ブロック相補強剤が、前記スチレン系ブロック共重合体100重量部に対して20重量部以下で配合されてなることが好ましい。
また、前記スチレン系ブロック共重合体は、スチレン系重合体ブロックと、スチレン系モノマー及び共役ジエン系モノマーからなるランダム共重合体ブロックとのブロック共重合体又はその水添物であることが好ましい。
さらに、前記共役ジエン系共重合体ブロックにおけるスチレン系モノマー単位の含有率が5重量%〜35重量%の範囲であることが好ましい。
本発明の表面保護フィルムによれば、スチレン系ブロック相補強剤によってスチレンブロックの凝集力が向上し、スティックスリップ状剥離(振動剥離)が見かけ上ガラス状剥離に近づくため、巻回体からの繰出しにおいて、フィルムの変形(横筋)を抑制することができる。
本発明の表面保護フィルムは、基材層と、粘着剤層とからなる。
(粘着剤層)
本発明の表面保護フィルムにおける粘着剤層は、ゴム系樹脂成分を主成分とする粘着剤組成物が好ましく用いられる。具体的には、粘着剤層は、スチレン系ブロック共重合体を含んで形成されており、特に、スチレン系ブロック共重合体を主体として含んで形成されていることが好ましく、さらに、粘着付与剤及びスチレン系ブロック相補強剤を含む。ここで主体とは、全粘着剤層を構成する成分として最も多い成分を意味する。
スチレン系ブロック共重合体は、スチレン系重合体ブロック(ハードセグメントとしてふるまう)及び共役ジエン系共重合体ブロック(ソフトセグメントとしてふるまう)又はその水添物を主骨格とする。
ここで、「系」とは、スチレンのみならず、スチレンに置換基が置換されるなどした誘導体、スチレン骨格を有するものをも包含することを意図する(本明細書において「系」について同義である)。
共役ジエン系共重合体ブロックは、スチレン系モノマー単位と、共役ジエン系モノマー単位とを含む共重合体ブロック、特に、ランダム共重合体ブロックからなるものが好ましい。
より具体的には、上記スチレン系ブロック共重合体は下記の(1)及び(2)で表される。
(1)スチレン系重合体ブロック(A)と、スチレン系モノマーと共役ジエン系モノマーとのランダム共重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合体を主要骨格とするスチレン系ブロック共重合体。例えば、
(1−1)(A)と(B)各1ブロックが結合したもの:A−Bブロック共重合体、
(1−2)スチレン系モノマーと共役ジエン系モノマーのうちスチレンが漸増するテーパーブロック(C)を含むもの:A−B−Cブロック共重合体、
(1−3)テーパーブロック(C)に代えてスチレン系重合体ブロック(A)を含むもの:A−B−Aブロック共重合体、
(1−4)これらの繰り返しやカップリングしたもの:(A−B)n、(A−B)nX、(A−B−C)nX、(A−B−A)nX等の一般式で表すことができる。ただし、Xはカップリング剤の残基を示し、nは2以上の整数である。
(2)上記(1)のスチレン系ブロック共重合体の水添物からなるスチレン系ブロック共重合体。
共役ジエン系モノマーとしては、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。
なお、スチレン系ブロック共重合体において、スチレン系重合体ブロック(A)の重量分率は、3〜45%程度が好ましく、5〜40%程度がより好ましい。
また、スチレン系ブロック共重合体において、スチレン系モノマー単位の含有割合は、5〜50重量%程度が好ましい。
スチレン系モノマー単位の割合が小さすぎると、粘着剤層の凝集力が低下し、十分な引張弾性率を確保することが困難となる。また、表面保護フィルムを被着体から剥離する際に、被着体に糊残りが生じることがある。多すぎると、粘着剤層の粘着力が不足し、被着体への貼付が困難なことがある。また、流動性が低下することがある。
さらに、スチレン系ブロック共重合体を構成する、スチレン系モノマー単位を含む共役ジエン系共重合体ブロック、特に、スチレン系モノマーと共役ジエン系モノマーとのランダム共重合体ブロックからなるブロック共重合体においては、スチレン系モノマー単位の含有率が5重量%〜35重量%程度の範囲であることが適しており、好ましくは10〜35重量%程度の範囲、より好ましくは10〜30重量%程度の範囲が例示される。
このような範囲とすることにより、共役ジエン系共重合体ブロックがソフトセグメントとしてふるまうことができるとともに、粘着剤層の凝集力を向上させることができる。
スチレン系ブロック共重合体の水添物は、共役ジエン系モノマーに由来する二重結合の80%程度以上、さらに90%以上、特に95〜100%が、水素添加により飽和されていることが好ましい。耐熱性及び耐候性を確保するためである。
スチレン系ブロック共重合体のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量は、30000〜400000の範囲が好ましく、より好ましくは50000〜200000の範囲である。粘着剤層の凝集力を確保するとともに、表面保護フィルムを剥離する際の被着体への糊残りを防止するためである。また、適当な粘着力を確保し、粘着剤組成物の調製又は表面保護フィルムの製造時に、溶液粘度及び/又は溶融粘度の増大を防止するためである。
このようなスチレン系ブロック共重合体を用いることにより、巻回体を展開する際に、基材層の変形を抑制することができ、展開力をより一層小さくすることができる。さらに、被着体表面に良好に付着させることができ、被着体表面から容易に剥離することが可能な表面保護フィルムを得ることができる。
粘着剤層を構成する材料として粘着付与剤は、粘着剤層の粘着力を効果的に高めるために用いられる。
粘着付与剤としては、一般的に粘着剤に添加して使用されるものであれば特に制限されず、例えば、脂肪族系共重合体、芳香族系共重合体、脂肪族・芳香族系共重合体系及び脂環式系共重合体等の石油系樹脂、クマロン−インデン系樹脂、テルぺン系樹脂、テルぺンフェノール系樹脂、重合ロジン等のロジン系樹脂、(アルキル)フェノール系樹脂、キシレン系樹脂又はこれらの水添物等を用いることができる。これらの粘着付与剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、剥離性及び耐候性などを高めるに、水添系の粘着付与剤を用いることがより好ましい。さらに、オレフィン樹脂とのブレンド物として市販されている粘着付与剤を用いてもよい。
粘着付与剤は、表面保護フィルムを被着体から剥離する際の糊残りを防止できる使用量で使用することが好ましい。例えば、粘着付与剤は、スチレン系ブロック共重合体100重量部に対して、5重量部〜50重量部程度で含有されることが好ましく、より好ましくは10重量部〜40重量部程度、さらに20重量部〜40重量部程度が好ましい。
粘着付与剤を用いることにより、粘着付与剤を、上述したソフトセグメントのゴム層に相溶して、有効に粘着力をコントロールすることができる。
スチレン系ブロック相補強剤は、粘着剤層の凝集力を向上させて接着昂進を抑制するために用いられる。
スチレン系ブロック相補強剤は、例えば、モノマー単位として、スチレン及びα−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレン、tert-ブチルスチレン、p−エチルスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン系化合物が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。つまり、スチレン系ブロック相補強剤は、これらモノマーを重合することによって得ることができる。2種以上のモノマーからなる共重合体の場合は、ブロック共重合体であってもよいし、ランダム共重合体であってもよい。なかでも、スチレン系ブロック相補強剤は、100℃程度以上の軟化点を有するものが好ましく、150℃以上がより好ましい。具体的には、イーストマンケミカル社製、商品名「ENDEX155」(軟化点155℃)、「ENDEX160」(軟化点160℃)等が好適に使用される。
スチレン系ブロック相補強剤は、例えば、スチレン系ブロック共重合体100重量部に対して、20重量部程度以下で配合されることが好ましく、より好ましくは、15重量部程度以下である。また、0重量部より多く配合されていればよいが、1重量部以上が好ましい。
スチレン系ブロック相補強剤を用いることにより、スチレン系重合体ブロックにおけるスチレン(St)相に相溶して、粘着剤層の凝集力を向上させて後述する引張弾性率Eを調節することができる。これにより、ポリオレフィン系基材層の背面に接着した表面保護フィルムを容易に剥離することができ、巻回体を無理なく巻戻すことができる。また、表面保護フィルムを被着体から剥離する際の糊残りを防止でき、比較的小さい力で剥離することが可能となる。
本発明の表面保護フィルムは、粘着剤層において、スチレン系ブロック共重合体及びスチレン系ブロック相補強剤にスチレン系モノマー単位を含有しているが、これらの共重合体及び剤の総重量におけるスチレン系モノマー単位の含有率は、5重量%〜50重量%程度が適しており、より好ましくは、10重量%〜50重量%程度、さらに好ましくは20重量%〜50重量%である。
本発明の粘着剤層は、引張弾性率E、つまり、応力−歪み曲線から求められる粘着剤の23℃での引張弾性率Eが、1.8MPa≦E≦2.5MPaの範囲であることが適している。
一般に、表面保護フィルムは、被着体に粘着剤が残らないように被着体表面との界面で剥離するように粘着剤が設計されている場合が多い。このために巻回体からの繰出しの際、剥離点では粘着剤がフィルム基材層背面と粘着層が積層されているもう一方の基材層表面との間で引張り変形をうけることになる。しかし、上述したように、引張弾性率を上述した範囲に設定することにより、粘着剤層の引張に対する伸びをある程度制限することができる。これによって、背面からの剥離形態を、スティックスリップから見かけ上ガラス状剥離に近づけることができ、この表面保護フィルムと、被着体との剥離点にかかる応力を有効に軽減することができ、フィルムの変形を有効に抑制することができる。また、このような引張弾性率Eに設定することにより、粘着力等の粘着物性に何ら悪影響を及ぼさない。
粘着剤層の引張弾性率を特定の値に調整するためには、粘着剤層におけるスチレン系ブロック共重合体の凝集力を効果的に高めればよい。スチレン系ブロック相補強剤は、通常、スチレン系ブロック共重合体のハードセグメントのSt(スチレン)相に相溶して、粘着剤層の凝集力を向上させる効果がある。このため、スチレン系ブロック相補強剤の添加量を上述した範囲で調整することにより、粘着剤層の引張弾性率を調整することができる。
粘着剤層には、粘着力の制御等を目的に、必要に応じて、例えば、軟化剤、オレフィン系樹脂、シリコーン系ポリマー、液状アクリル系共重合体、リン酸エステル系化合物、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、接着昂進防止剤、充填剤、顔料等の公知の添加剤を適宜に配合することができる。これらの添加剤は、当該分野で公知のもののいずれをも使用することができる。
特に、接着昂進防止剤としては、脂肪酸アミド、ポリエチレンイミンの長鎖アルキルグラフト物、大豆油変性アルキド樹脂(例えば、荒川化学社製、商品名「アラキード251」等)、トール油変性アルキド樹脂(例えば、荒川化学社製、商品名「アラキード6300」等)などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
粘着剤層の厚みは特に制限されないが、0.5〜50μm程度、好ましくは1〜30μm、さらに好ましくは2〜30μmが挙げられる。
(基材層)
本発明の表面保護フィルムにおける基材層は、ポリオレフィン系樹脂から形成される。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリプロピレンまたはプロピレン成分とエチレン成分からなるブロック系、ランダム系等のプロピレン系ポリマー;低密度、高密度、リニア低密度ポリエチレン等のエチレン系ポリマー;エチレン−α−オレフィン共重合体などのオレフィン系ポリマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−n−ブチルアクリレート共重合体などのエチレン成分と他モノマーとのオレフィン系ポリマー等が挙げられる。これらのポリオレフィンは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
基材層は、単層でもよいし、組成の異なる2種以上の多層構造を有している層であってもよい。
基材層は、その一表面又は両面に摩擦処理を付してもよい。摩擦処理としては公知の方法を用いることができるる。例えば、特開平2−252777号公報に記載の方法などが挙げられる。
基材層は、表面保護フィルムの用途等によって、その厚みを適宜調整することができる。通常、5〜180μm程度が適当であり、10〜130μm、さらに、20〜100μmがより好ましい。
従って、表面保護フィルムの総膜厚は、例えば、10〜200μm程度が適当であり、20〜150μm程度、さらに30〜100μm程度がより好ましい。
この基材層には、本発明の課題達成を阻害しない範囲で、必要に応じて、他の添加剤を用いてもよい。このような添加剤としては、紫外線吸収剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤等の光安定剤、帯電防止剤等の公知のものが挙げられる。さらに、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン等の充填剤、顔料、目ヤニ防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤等の公知のものを、添加剤として適宜配合することができる。
本発明の表面保護フィルムは、押出等によって基材層を形成した後、粘着剤を溶融又は溶解した液を用いて、塗布又は噴霧等を行うことによって、基材層に粘着剤層を積層してもよいが、通常、基材層及び粘着剤層を、インフレーション法、Tダイ法等の公知の方法で共押出することにより積層一体化して製造することが好ましい。
いずれの製造方法においても、本発明の表面保護フィルムは、例えば、長尺状のフィルムをロール状に巻回した巻回体として工業的に製造することができる。表面保護フィルムが巻回体とされる場合には、基材層の粘着剤層が形成されている側と反対側に粘着剤層が密着することになる。本発明では、表面保護フィルムが、例えば、比較的幅広の巻回体等とされた場合においても、巻回体を無理なく巻戻すことができる。
本発明の表面保護フィルムは、好適に光学シートに適用される。光学シートとしては、例えば、拡散シート、プリズムシート等の凹凸のあるシートであってもよいし、フラットなシートであってもよい。
被着体となるシートを構成する材料としては、特に限定されないが、透光性を有する樹脂、例えばアクリル系樹脂、ポリカーボネート等が挙げられる。
(巻回体)
本発明に係る表面保護フィルムの粘着剤層は、50mm幅の巻回体を20m/分の速度で巻き戻したときに要する力が、例えば、5N程度以下、3.5N程度以下、さらに2N程度以下であることが適している。この力が大きすぎると、巻回体の幅が大きくなった場合、例えば、1000mmを超えた場合などにおいて、引出作業性が悪くなることがある。
以下、本発明の表面保護フィルムの実施例を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
Tダイ法により共押出し、基材層(厚さ34μm)/粘着剤層(厚さ6μm)の表面保護フィルム(幅700mm)を成膜し、巻き長さ100mの巻回体を得た。
基材層を形成する材料には、ブロックポリプロピレン(PP)を100重量部用いた。粘着剤層を構成する材料としては、スチレン系ブロック共重合体として、両末端がスチレン重合体ブロックであり、中間がスチレンとブタジエンとのランダム共重合ブロックであるスチレン−ブタジエン系共重合体の水素添加物(JSR社製、品番:DYNARON 8903P、スチレン含有割合35%)100重量部に、粘着付与剤としてアルコンP−125(荒川化学工業社製)30重量部、スチレン系ブロック相補強剤としてENDEX155(イーストマンケミカル社製)10重量部を配合した粘着剤組成物を、2軸押出機で混練し、ペレタイズしたものを用いた。
(評価法)
1)引張弾性率
実施例及び比較例の各表面保護フィルムの粘着剤層と同組成の粘着剤組成物を2軸押出機で混練し、加熱プレスを用いて厚さ2mm程度の板状サンプルを作製した。しかる後、JIS K6251に準拠し、ダンベル状2号形の打ち抜き型を用いて引張試験用の試験片を作製し、引張速度300mm/min、23℃で試験片に引張応力を与えたときの応力-歪み曲線から各サンプルの引張弾性率を測定した。
その結果を表1に示す。
2)繰出し時のフィルムの変形
実施例及び比較例の各表面保護フィルムの巻回体のセンターから50mm幅を切り出し、室温で1日静置させたものを剥離角度90度、剥離速度15m/minで巻回体から繰出したとき、フィルムの繰出し方向に対して直交方向に筋が発生するかを目視により観察した。
下記の表1においては、筋が多く観察されるサンプルに×、全く観察されない場合に○印を付した。
その結果を表1に示す。
3)粘着力
実施例及び比較例の各表面保護フィルムを幅25mm×長さ150mmの大きさに切り出したものを用意した。切り出した実施例及び比較例の各表面保護フィルムを粘着剤層側から、2kgのゴムローラーを用いて、2m/minの速度でプリズムシートの稜線方向に対して平行に貼り付けた。これを23℃の室内に1時間静置した。しかる後、JIS Z 0237に準拠し、25mm幅における180度剥離強度を速度30mm/minで測定し、対プリズムシート粘着力とした。
その結果を表1に示す。
実施例2及び3並びに比較例1〜3
粘着剤層の組成を表1に示すように変更したことを除いては、実施例1と同様にして表面保護フィルムを作製し、評価した。
なお、表1において、1321PはJSR社製「DYNARON 1321P」(スチレン重合体ブロック及び水添されたスチレンとブタジエンのランダム共重合ブロックを有するエラストマー)を示す。粘着付与剤は全てアルコンP−125とし、スチレン系ブロック相補強剤はすべてENDEX155とした。
Figure 2010106090
表1に示すように、表面保護フィルムの粘着剤層の引張弾性率を所定の範囲内に調整することにより、巻回体からのフィルムの繰出し時に発生するフィルムの変形を防ぐ効果があることが分かる。
本発明は、表面保護フィルムに関し、より詳細には、光学デバイス、金属板、塗装した金属板、樹脂板、ガラス板等の部材を運搬、加工又は養生する際等、広範に使用することができる。

Claims (4)

  1. ポリオレフィン系基材層と該ポリオレフィン系基材層の一方の表面上に積層された粘着剤層とからなる表面保護フィルムであって、
    粘着剤層は、スチレン系ブロック共重合体、粘着付与剤及びスチレン系ブロック相補強剤を含有し、かつ23℃で1.8MPa≦E≦2.5MPaの範囲の引張弾性率Eを有しており、
    該スチレン系ブロック共重合体は、スチレン系重合体ブロックと、スチレン系モノマー単位を含む共役ジエン系共重合体ブロックとからなり、
    前記スチレン系ブロック共重合体とスチレン系ブロック相補強剤との総量における前記スチレン系モノマー単位の含有率が20重量%〜50重量%の範囲であることを特徴とする表面保護フィルム。
  2. スチレン系ブロック相補強剤が、前記スチレン系ブロック共重合体100重量部に対して20重量部以下で配合されてなる請求項1に記載の表面保護フィルム。
  3. 前記スチレン系ブロック共重合体は、スチレン系重合体ブロックと、スチレン系モノマー及び共役ジエン系モノマーからなるランダム共重合体ブロックとのブロック共重合体又はその水添物である請求項1又は2に記載の表面保護フィルム。
  4. 前記共役ジエン系共重合体ブロックにおけるスチレン系モノマー単位の含有率が5重量%〜35重量%の範囲である請求項1〜3のいずれか1つに記載の表面保護フィルム。
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