JP2005350544A - ノルボルネン系開環(共)重合体、その製造方法および成形品 - Google Patents
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Abstract
Description
を提供することを課題とする。
本発明のノルボルネン系開環(共)重合体は、下記一般式(1)で表される構造単位(1)を有することを特徴としている。
Xは式:−CH=CH−で表される基または式:−CH2CH2−で表される基であり、
R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、硫黄原子、もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;および極性基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表し、
R5は下記一般式(1−1)または(1−2)で表される基を表す。)
、窒素原子、イオウ原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換もしく
は非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;および極性基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表し、
cおよびdは、それぞれ独立に0〜3の整数である。
ただし、c=d=0の場合は、R7とR10および/またはR10とR14は、相互に結合して
、単環または多環の炭素環または複素環を形成するか、または、R6、R7、R10、R13、R14の少なくとも1つが、ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、硫黄原子、もしくはケイ素原子の少なくとも1つの原子を含む連結基を有する置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;および極性基よりなる群から選ばれる原子もしくは基である。)
eは0〜5の整数である。)
このような本発明のノルボルネン系開環(共)重合体は、複数存在する前記一般式(1)中のXの40モル%以上が、−CH2CH2−で表される基であることが好ましい。
mよりも長波長領域に有することが好ましい。
本発明のノルボルネン系開環(共)重合体は、前記一般式(2)で表され、紫外線吸収スペクトルにおいて、吸光係数をlog(ε/mol-1dm3cm-1)で表した数値が2
.0以上となる波長を、280nmよりも長波長領域に有する単量体を含むモノマーを、開環(共)重合して得られることが好ましい。
本発明のノルボルネン系開環(共)重合体は、さらに、下記一般式(3)で表される構造単位(3)を有することが好ましい。
素原子、イオウ原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;および極性基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表し、
R30とR31、および/またはR32とR33は、一体化してイミド基を除く炭化水素基を形成してもよく、
R30またはR31と、R32またはR33とは、相互に結合して、単環または多環の炭素環または複素環を形成してもよく、
fおよびgは、それぞれ独立に0または1であり、
hおよびiは、それぞれ独立に0〜2の整数であり、
Yは式:−CH=CH−で表される基または式:−CH2CH2−で表される基である。)
このような本発明のノルボルネン系開環(共)重合体は、前記一般式(1)中のXおよび前記一般式(3)中のYの合計の、40モル%以上が−CH2CH2−で表される基であることが好ましい。また、このような本発明のノルボルネン系開環(共)重合体は、構造単位(3)の割合が、全構造単位中98モル%以下であることが好ましい。
)nCOOR34(式中、R34は炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、nは0〜10の
整数である。)で表される基であることが好ましい。
このような本発明のノルボルネン系開環(共)重合体の製造方法では、上記一般式(2)で表される単量体が、紫外線吸収スペクトルにおいて、吸光係数をlog(ε/mol-1dm3cm-1)で表した数値が2.0以上となる波長を、280nmよりも長波長領域
に有することが好ましい。
本発明の成形品は、上記本発明のノルボルネン系開環(共)重合体を成形してなることを特徴としている。
磁気ディスク、光学レンズ用途(fθレンズ、ピックアップレンズ、レーザープリンター用レンズ、カメラ用レンズ等)、眼鏡レンズ、光学フィルム/シート(ディスプレイ用フ
ィルム/シート、位相差フィルム、拡散フィルム、偏光フィルム、偏光板保護フィルム、
波長板、反射防止フィルム、液晶基板、タッチパネル基板、EL基板、電子ペーパー基板、光ピックアップフィルム等)、導光板、光拡散板、光ファイバー、光カード、光ミラー、IC・LSI・LED封止材等として好適に使用できる。
なお、本明細書において、複屈折との用語は通常の意味で用いられる。また、複屈折の値(これを、Δnとする)とは、(共)重合体から成形されたフィルムを一軸延伸し、(
共)重合体分子鎖を一方向に配向させた延伸フィルムにおいて、延伸方向をx軸、これに対して面内垂直方向をy軸とし、x軸方向の屈折率をnx、Y軸方向の屈折率をnyとして、
下記式:
Δn=nx−ny
で定義される正〜負の値であり、その絶対値は入射光の波長によって異なる。
また、位相差(Retardation、これをReとする)とは、下記式:
Re=Δn×d (式中、dは、透過光の光路長であり、通常、上記延伸フィルムの厚さである)
で定義される正〜負の値であり、その絶対値は入射光の波長によって異なる。
<ノルボルネン系開環(共)重合体>
本発明のノルボルネン系開環(共)重合体は、下記一般式(1)で表される構造単位(1)を、必須の構造単位として1種以上含む。
Xは式:−CH=CH−で表される基または式:−CH2CH2−で表される基であり、
R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、硫黄原子、もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;および極性基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表し、R5は下記一般式(1−1)または(1−2)で表される基を表す。)
、窒素原子、イオウ原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;および極性基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表し、
cおよびdは、それぞれ独立に0〜3の整数である。
ただし、c=d=0の場合は、R7とR10および/またはR10とR14は、相互に結合して
、単環または多環の炭素環または複素環を形成するか、または、R6、R7、R10、R13、R14の少なくとも1つが、ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、硫黄原子、もしくはケイ素原子の少なくとも1つの原子を含む連結基を有する置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;および極性基よりなる群から選ばれる原子もしくは基である。)
eは0〜5の整数である。)
本発明のノルボルネン系開環(共)重合体は、前記構造単位(1)を有しているが、必要に応じて、下記一般式(3)で表される構造単位(3)をさらに有していてもよく、また、構造単位(3)以外の構造単位を有していてもよい。
R30とR31、および/またはR32とR33は、一体化してイミド基を除く炭化水素基を形成してもよく、
R30またはR31と、R32またはR33とは、相互に結合して、単環または多環の炭素環または複素環を形成してもよく、
fおよびgは、それぞれ独立に0または1であり、
hおよびiは、それぞれ独立に0〜2の整数であり、
Yは式:−CH=CH−で表される基または式:−CH2CH2−で表される基である。)
ここで、前記一般式(1)、一般式(1−1)、一般式(1−2)および一般式(3)において、R1〜R33で表される、ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、イオウ原子もし
くはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;および極性基について説明する。
炭素原子数1〜30の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;エチリデン基、プロピリデン基等のアルキリデン基;フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等の芳香族基などが挙げられる。これらの基中の炭素原子に結合した水素原子は、例えばフッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子、フェニルスルホニル基、シアノ基などで置換されていてもよい。
あるいはこれらの2種以上が組合わさって連なったものが挙げられる。
リメトキシシリル基、トリエトキシシリル基などが挙げられる。
頭の炭素に対してアキシアルの位置にスピロイミド構造に含まれるメチレン鎖がくる状態をendo体とする)、本発明において複屈折を効率的に制御するには、exo/endo比が通常
、100/0〜10/90、好ましくは100/0〜25/75、更に好ましくは100/0〜50/50となる範囲であるのが望ましい。
また、本発明のノルボルネン系開環(共)重合体では、構造単位(1)の前駆体となる、上記一般式(2)で表される単量体(1)が、紫外線吸収スペクトルにおいて、吸光係数をlog(ε/mol-1dm3cm-1)で表した数値が2.0以上となる波長を、28
0nmよりも長波長領域に有することが好ましく、290nm以上の波長領域に有することがより好ましい。このような本発明のノルボルネン系開環(共)重合体は、位相差の波長分散性が大きなものとなる。
のR5の構造を選択することによって、(共)重合体の光学特性を制御することができる
。以下、一般式(1)中のR5についてさらに詳しく述べる。
本発明のノルボルネン系開環(共)重合体においては、構造単位(1)の種類および量により(共)重合体における負の複屈折成分の大きさを調整することができる。具体的には、本発明のノルボルネン系開環(共)重合体では、正の複屈折を示す構造単位( 3)
に、負の複屈折成分を有する構造単位(1)を適切な量比になるように、各前駆体モノマーを共重合する事によって低複屈折性を示す共重合体を得る事ができる。構造単位(1)において、負の複屈折成分を大きくするためには、主鎖(x軸)方向の分極を打ち消すy軸およびz軸方向の分極率を大きくする必要があるため、R5が無置換のベンゼン環およ
び/またはアルキル置換ベンゼン環では所望の光学特性を得る事が困難である。このため、本発明の目的を満足するには、R5が、上記式(1−1)または(1−2)で表される
基である必要があり、上記式(1−1)において、c=d=0であって、ベンゼン環の水素原子の少なくとも1つが、酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはケイ素原子の少なくとも1つ以上の原子を含む連結基を有する炭素原子数1〜30の炭化水素基および/またはアリール基;ハロゲン原子;極性基で置換された基、または、置換基を有してもよい縮合環基であることが好ましく、また、上記式(1−1)において、1≦c+d≦4を満たすことも好ましい。
など)、エステル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、n-デシルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基など)、アリール基(フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基)、アリーロキシ基(フェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基など)が好ましい。
の置換基が同一の芳香族環に結合したものであってもよい。またその結合位置は、特に限定されるものではないが、yz軸方向の分極を大きくするためには2−位または4−位に導入されることが好ましい。
えば、4−メトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、2−メトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、4−クロロ−2,5−ジメトキシフェニル基、5−クロロ−2,4−ジメトキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、2,4−ジエトキシフェニル基、4,5−ジメトキシ−2−メトキシカルボニルフェニル基、2−エトキシカルボニルフェニル基、4−メトキシカルボニルフェニル基、4−イソプロポキシカルボニルフェニル基、4−n−プロポキシカルボニルフェニル基、4−n−ブトキシカルボニルフェニル基、2−メチル−4−メトキシフェニル基、2−メチル−4−メトキシカルボニルフェニル基、4−フェノキシフェニル基、2−フェノキシフェニル基、4−(2,6−ジメチルフェノキシ)フェニル基、4−ビフェニル基、2−ビフェニル基、1−ナフチル基、4−メトキシ−3−ビフェニル基、2−メトキシ−ジベンゾフラン−3−イル基、2−フルオレン基などを挙げることができる。
一般に、高分子配向体の位相差の波長分散性[Δn(λ)で表す]は、下記Sellmeyerの分散式で表される。
(式中、A、Bは定数、λ0は吸収端波長を示す。)
このため本発明者は、吸収端波長が大きい(長波長側まで紫外線吸収がある)単量体が大きな波長分散性を発現するために有効であると考え、鋭意検討を行った結果、上述のように、280nm以上の波長領域で各波長における吸光係数をlog(ε/mol-1dm3cm-1)で表した数値が2.0以上となる単量体、好ましくは290nm以上の波長領域
で各波長における吸光係数をlog(ε/mol-1dm3cm-1)で表した数値が2.0
以上となる単量体が、従来のノルボルネン系開環(共)重合体よりも明らかに大きな位相差の波長分散性を示すことを見出した。
上記一般式(2)で表される単量体(1)において、たとえばR5が無置換ベンゼン環で
ある場合には、吸光係数をlog(ε/mol-1dm3cm-1)で表した数値が2.0以
上となる波長は最大で262nmであり、R5がアルキル置換ベンゼンおよびフッ化メチ
ル置換ベンゼンの場合は通常270nm程度であるため、位相差の波長分散性が大きいノルボルネン系開環(共)重合体を得る場合には好ましくない。
も1つ以上が酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはケイ素原子のうちの少なくとも1つの
原子を含む連結基を有する炭素原子数1〜30の炭化水素基および/またはアリール基、ハロゲン原子、極性基で置換された基であるのが好ましく、また、上記式(1−1)において、1≦c+d≦4を満たすことも好ましい。このような置換基R5のうちでは、置換
基による吸収波長のレッドシフト効果が大きく、かつ、重合活性に影響がなく、また(共)重合体の製造時や成形品を得る為に溶融成形する際の耐着色性に優れることから、酸素原子を含む連結基を有する炭素原子数1〜30の炭化水素基および/またはアリール基が好ましく、特にアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n-プロポキシ基、n-ブトキシ基など)、エステル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、n-デシルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基など)、アリール基(フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基)、アリーロキシ基(フェノキシ基、2
,6−ジメチルフェノキシ基など)が好ましい。
の置換基が同一の芳香族環に結合したものであってもよい。またその結合位置は、特に限定されるものではない。
フェニル基、4−エトキシフェニル基、2−メトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、4−クロロ−2,5−ジメトキシフェニル基、5−クロロ−2,4−ジメトキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、2,4−ジエトキシフェニル基、4,5−ジメトキシ−2−メトキシカルボニルフェニル基、2−エトキシカルボニルフェニル基、4−メトキシカルボニルフェニル基、4−イソプロポキシカルボニルフェニル基、4−n−プ
ロポキシカルボニルフェニル基、4−n−ブトキシカルボニルフェニル基、2−メチル−
4−メトキシフェニル基、2−メチル−4−メトキシカルボニルフェニル基、4−フェノキシフェニル基、2−フェノキシフェニル基、4−(2,6−ジメチルフェノキシ)フェニル基、4−ビフェニル基、2−ビフェニル基、1−ナフチル基、4−メトキシ−3−ビフェニル基、2−メトキシ−ジベンゾフラン−3−イル基、2−フルオレン基、9−フルオレン基、2−メトキシ−5−メトキシカルボニルフェニル基、2−メチル−5−メトキシカルボニルフェニル基、4−メトキシ−3−メトキシカルボニルフェニル基、3−ビフェニル基、3,5−ジメトキシカルボニルフェニル基などを挙げることができる。
、望みの複屈折性、波長分散性を得ることが可能である。
構造単位(1)の前駆体となる、上記一般式(2)で表される単量体(1)においては(すなわち一般式(1)で表される構造単位(1)においては)、その製造が容易であり、(共)重合体を成形材料として成形される成形品が強靭なものになることから、0≦a
≦2であることが好ましく、さらに0≦a≦1であることが特に好ましい。また、一般式
(1−2)において、その製造が容易であることから、0≦e≦1であることが好ましく
、特にe=0であることが好ましい。
表される基であることが好ましく、また、上記一般式(3)においてh=0であってiが0または1であることが好ましく、両者を満たすことがより好ましい。
チル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基が挙げられる。中でも好ましくは、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基およびフェニル基であり、特に好ましくは、メチル基およびエチル基である。
<ノルボルネン系開環(共)重合体の製造方法>
上述した本発明のノルボルネン系開環(共)重合体は、下記一般式(2)で表される単量体(以下、単量体(1)という)を一種以上含むモノマーを、開環(共)重合し、さらに必要に応じて−CH=CH−で表されるオレフィン性不飽和結合を水素添加して製造することができる。
また、本発明のノルボルネン系開環(共)重合体は、上記一般式(2)で表される1種以上の単量体(単量体(1))とともに、必要に応じて、下記一般式(4)で表される1
種以上の単量体(以下、単量体(2)という)および/またはこれら以外の共重合可能な単量体を含むモノマーを、開環共重合し、さらに必要に応じて−CH=CH−で表されるオレフィン性不飽和結合を水素添加して製造することができる。
単量体(1)
本発明のノルボルネン系(共)重合体の製造方法において、単量体(1)は、本発明に係るノルボルネン系(共)重合体を構成する構造単位(1)の前駆体となるものである。このため、前記一般式(2)で表される単量体(1)において、R1〜R5およびa,bは、本発明に係るノルボルネン系(共)重合体の構造単位(1)を示す前記一般式(1)の説明において詳述したとおりである。
用いることができるが(隣接する橋頭の炭素に対してアキシアルの位置にスピロイミド構造に含まれるメチレン鎖がくる状態をendo体とする)、複屈折を効率的に制御したノルボルネン系開環(共)重合体を得るには、exo/endo比が通常、100/0〜10/90、好ましく
は100/0〜25/75、更に好ましくは100/0〜50/50となる範囲で単量体(1)を用いるのが望ましい。
、より好ましくは290nm以上の長波長領域に有する場合には、得られるノルボルネン系開環(共)重合体が、位相差の波長分散性の大きなものとなるため望ましい。
なお、以下の構造式において、Etはエチル基を、iPrはイソプロピル基を、nPrはn-プロピル基を、nBuはn−ブチル基を表す。
(ハロゲン原子を有する単量体の例)
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(4"−フルオロフェニル)−スクシンイミド
フルオロフェニル)−スクシンイミド
フェニル)−スクシンイミド
フェニル)−スクシンイミド
フェニル)−スクシンイミド
クロロフェニル)−スクシンイミド
ブロモフェニル)−スクシンイミド
−4"−ブロモフェニル)−スクシンイミド
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(2"−メトキシフェニル)−スクシンイミド
メトキシフェニル)−スクシンイミド
メトキシフェニル)−スクシンイミド
シフェニル)−スクシンイミド
5"−ジメトキシフェニル)−スクシンイミド
4"−ジメトキシフェニル)−スクシンイミド
シフェニル)−スクシンイミド
シフェニル)−スクシンイミド
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(4"−フェノキシフェニル)−スクシンイミド
メチルフェノキシ)−フェニル]−スクシンイミド
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(4"−メトキシカルボニルフェニル)−スクシンイミド
カルボニルフェニル)−スクシンイミド
ルボニルフェニル)−スクシンイミド
メトキシカルボニルフェニル)−スクシンイミド
メトキシカルボニルフェニル)−スクシンイミド
−メトキシカルボニルフェニル)−スクシンイミド
−メトキシカルボニルフェニル)−スクシンイミド
−メトキシカルボニルフェニル)−スクシンイミド
メトキシカルボニルフェニル)−スクシンイミド
シ−2"−メトキシカルボニルフェニル)−スクシンイミド
シカルボニルフェニル)−スクシンイミド
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(2"−メトキシ−5"
−ビフェニル)−スクシンイミド
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(4"−シアノフェニル)−スクシンイミド
ニトロフェニル)−スクシンイミド
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−8−ドデセン−3−スピロ−2'−N−(2"−メトキシフェニル)−スクシンイミド
4"−(2",6"−ジメチルフェノキシ)−フェニル)]−スクシンイミド
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−3'−N−(4"−メトキシフェニル)−グルタルイミド
シフェニル)−グルタルイミド
−メトキシカルボニルフェニル)−グルタルイミド
メトキシカルボニルフェニル)−グルタルイミド
本発明のノルボルネン系(共)重合体の製造方法において、単量体(2)は、本発明に係るノルボルネン系(共)重合体を構成する構造単位(2)の前駆体となるものである。このため、前記一般式(4)で表される単量体(2)において、R24〜R33およびf,g,h,iは、本発明に係るノルボルネン系(共)重合体の構造単位(2)を示す前記一般式(3)の説明において詳述したとおりである。
。)で表される基である単量体が好ましい。
・ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・トリシクロ[5.2.1.02,6 ]−8−デセン、
・トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ−3,8−ジエン、
・テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
・2,10−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
・2,9−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
・ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、
・ペンタシクロ[7.4.0.12,5.18,11.07,12]−3−ペンタデセン、
・トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、
・7−メチルトリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、
・5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・1−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・7−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−メチル−5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−メチル−5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
、
・8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
、
・8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ド
デセン、
・8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ド
デセン、
・8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデ
セン、
・8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、
・8−(1−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8−(2−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
・8−(4−フェニルフェノキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン、
・8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン、
・8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
]−3−ドデセン、
・8−メチル−8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]
−3−ドデセン、
・8−メチル−8−(1−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8−メチル−8−(2−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.
17,10]−3−ドデセン、
・8−メチル−8−(4−フェニルフェノキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.
12,5.17,10]−3−ドデセン、
・ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ヘキサデセン、
・ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]−4−エイ
コセン、
・ヘプタシクロ[8.8.0.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ヘン
エイコセン、
・5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−フェニル−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8−フェニル−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、
・5−n-ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−n-ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−シクロヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−(3−シクロヘキセニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−n-オクチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−n-デシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−イソプロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−(1−ナフチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−(1−ナフチル)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−(2−ナフチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−(2−ナフチル)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−(ビフェニル−4−イル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−(ビフェニル−4−イル)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−アミノメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−トリメトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−トリエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−トリn-プロポキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−トリn-ブトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−クロロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
、
・8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、
・8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン、
・8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン、
・8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、
・8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−
ドデセン、
・8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン。
ルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−エト
キシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エト
キシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチ
ル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−
ドデセン、8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[
4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−フェノキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−フェノキシカルボニ
ルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンが好ましい。
]−3−ドデセン、8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
]−3−ドデセン、8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−イソプロポキシカル
ボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−
n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンが
特に好ましい。
その他の単量体
本発明のノルボルネン系開環共重合体の製造方法では、上記単量体(1)および必要に応じて用いられる上記単量体(2)以外に、本発明の目的を損なわない範囲で共重合可能なその他の単量体を使用してもよい。このような共重合可能な単量体としては、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロオクテン、シクロドデセン等の環状オレフィン;1,4−シクロオクタジエン、シクロドデカトリエン等の非共役環状ポリエンが挙げられる。前記共重合可能な単量体は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
本発明に係るノルボルネン系開環(共)重合体は、上述したように、上記単量体(1)の1種の単独重合体(およびその水素添加物)であっても、また、他の単量体との共重合体(およびその水素添加物)であっても差し支えない。上記単量体(1)の2種以上の組
合せを開環(共)重合させる場合には、特にその量比には制限がない。
示すように、必要に応じて適切に調整されるものであり、全単量体に対して単量体(1)の占める割合が通常2モル%以上であり、より好ましくは5モル%以上、更に好ましくは10モル%以上とするのがよい。前記単量体(1)の占める割合が2モル%以上であれば、本発明のノルボルネン系開環(共)重合体の複屈折の絶対値の大きさや波長分散性等の光学特性を容易に発現させることができる。
以下、本発明のノルボルネン系開環(共)重合体の製造方法における重合条件をさらに説明する。
・開環重合触媒:
本発明に用いられる開環重合用の触媒としては、例えば、
(I)Olefin Metathesis and Metathesis Polymerization (K.J.IVIN, J.C.MOL, Acad
emic Press 1997)に記載されている触媒が好ましく用いられる。このような触媒としては、例えば、(a):W、Mo、Re、VおよびTiの化合物から選ばれた少なくとも1種と、(b):アルカリ金属元素(例えばLi、Na、K)、アルカリ土類金属元素(例えば、Mg、Ca)
、第12族元素(例えば、Zn、Cd、Hg)、第13族元素(例えば、B、Al)、第14族元
素(Si、Sn、Pb)などの化合物であって、少なくとも1つの当該元素−炭素結合あるいは当該元素−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも1種との組合せからなるメタセ
シス重合触媒が挙げられる。この触媒は、触媒活性を高めるために、後述の添加剤(c)
が添加されたものであってもよい。
げることができる。これらは1種単独でも2種以上組合せても使用することができる。
せても使用することができる。
とができる。
となる範囲、好ましくは1:1000〜1:100,000となる範囲である。更に、上
記(a)成分と(b)成分との割合は、「(a):(b)」の金属原子(モル)比が、通常、1:1〜1:50、好ましくは1:2〜1:30の範囲である。このメタセシス触媒に上記(c)添加剤を添加する場合、(a)成分と(c)成分との割合は、「(c):(a)」のモル比が、通常0.005:1〜15:1、好ましくは0.05:1〜7:1の範囲である。
(II)周期表第4族〜第8族の遷移金属−カルベン錯体やメタラシクロブタン錯体などからなるメタセシス触媒を用いることができる。上記触媒(II)の具体例としては、W(=N-2,6-C6H3iPr2)(=CHtBu)(OtBu)2、Mo(=N-2,6-C6H3iPr2)(=CHtBu)(OtBu)2、Ru
(=CHCH=CPh2)(PPh3)2Cl2、Ru(=CHPh)(PC6H11)2Cl2などが挙げられる。これらは
1種単独でも2種以上組合せても使用することができる。
上記触媒(II)の使用量は、「触媒(II):全単量体」のモル比が、通常、1:50〜1:50,000となる範囲、好ましくは1:100〜1:10,000となる範囲である。なお、上記触媒(I)と(II)とを組み合わせて用いても差し支えない。
・分子量調整剤
開環(共)重合体の分子量の調整は重合温度、触媒の種類、溶媒の種類などを調整することによっても行うことができるが、本発明においては、分子量調節剤を反応系に共存させることにより調整することが好ましい。分子量調節剤としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィン類およびスチレン、4−ビニルビフェニル、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレンなどのビニル芳香族化合物が好ましく、これ
らのうち、1−ブテン、1−ヘキセンが特に好ましい。これらの分子量調節剤は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。分子量調節剤の使用量は、全単量体1モルに当たり、通常、0.001〜0.6モル、好ましくは0.02〜0.5モルである。
・開環(共)重合反応用溶媒
開環(共)重合反応において用いられる溶媒(すなわち、単量体、メタセシス触媒、分子量調節剤等を溶解する溶媒)としては、たとえば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオ
クタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素;クロロブタン、ブロムヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどのハロゲン化アルカン;クロロベンゼンなどのハロゲン化アリール ;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチルなどの飽和カルボン酸エステル類;ジメトキシエタン、ジブチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類が挙げられ、これらのうち、芳香族炭化水素が好ましい。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせて使用することができる。この開環(共)重合反応用溶媒の使用量は、「溶媒:全単量体」の重合比が、通常、1:1〜20:1となる量であり、好ましくは1:1〜10:1となる量であり、特に好ましくは1:1〜5:1となる量である。
上記開環(共)重合により得られるノルボルネン系開環(共)重合体は、構造単位(1)中のXと、場合により有する構造単位(2)中のYとが、式:−CH=CH−で表されるオレフィン性不飽和基の構造を有するものである。この開環(共)重合体は、そのまま使用することができる。
ケル(II) アセチルアセテート/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバ
ルト/n-ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムなどが挙げられる。これらの触媒の形態は粉末状でも粒状でもよい。また、この水素添加反
応触媒は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
は2万〜50万である。
上記固有粘度[η]が0.2未満であるか、数平均分子量(Mn)が1000未満であるか、或いは、重量平均分子量(Mw)が5000未満であると、本発明のノルボルネン系開環(共)重合体から得られる成形物の強度が著しく低下する場合がある。一方、固有粘度[
η]が5.0以上であるか、数平均分子量(Mn)が50万以上であるか、或いは、重量
平均分子量(Mw)が200万以上であると、前記開環(共)重合体の溶融粘度または溶液粘度が高くなりすぎて、所望の成形品を得ることが困難になる場合がある。
2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−ブ
チルヒドロキノン、ペンタエリスリトール・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、オクタデシル・3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、
3,3',3'',5,5',5''−ヘキサ−t−ブチル−a,a',a''−(メシチレン−2,
4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール等のフェノール系、ヒドロキノン系酸化防止剤
;トリス(4−メトキシ−3,5−ジフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等のリン系酸
化防止剤が挙げられる。これらの酸化防止剤の1種または2種以上を添加することにより、開環(共)重合体の耐酸化劣化性を向上することができる。また、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−
メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−[(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]]等の紫外線吸収剤を添加することによって耐光性を向上することもできる。更に、加工性を向上させる滑剤の他、必要に応じて難燃剤、抗菌剤、石油樹脂、可塑剤、着色剤、離型剤、発泡剤等の公知の添加剤を添加することができ、これらの添加剤は1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
<成形体>
本発明の成形体は、上述の本発明に係るノルボルネン系開環(共)重合体を成形してなる。本発明の成形体は、フィルム状、シート状、板状、レンズ状、ファイバー状などの所望の形状とし、ディスプレイ用途(位相差フィルム、拡散フィルム、波長板、液晶基板、タッチパネル用フィルム、導光板等)、光学レンズ用途、光ディスク用途(CD、MD、CD-R、DVD等)、光ファイバー用途、光学フィルム/シート用途、光半導体封止用途、プリント基板用途(硬質プリント基板、多層プリント基板等)、透明導電性フィルム基板用途等の光学用途にいずれも好ましく用いることができるが、所望の複屈折および波長分散性を有することができることから、位相差フィルムであるのが特に好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下、特段の断りがない限り、「部」は重量部を、「%」は重量%を意味する。また、室温とは25℃である。
示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ社製、商品名:DSC6200)を用いて、昇温速度を毎分20℃とし、窒素気流下でガラス転移温度(Tg)を測定した。
・重量平均分子量および分子量分布
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、東ソー株式会社製、商品名:HLC−8020/カラム4本:東ソー株式会社製、商品名:TSK gel G7000HxL, TSK gel GMHxL, TSK gel GMHxL, TSK gel G2000xL)を用い、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を用いて、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)、および分子量分布(Mw/Mn)を測定した。なお、前記(Mn)は数平均分子量である。
・単量体の紫外線(UV)吸収測定
紫外線分光光度計(日立製作所製、商品名:U−3310)を用い、単量体の0.0001mol/l THF溶液を作成し、光路長1cmの石英セル中で単量体の紫外線吸収スペクトルを測定した。得られた紫外線吸収スペクトルから、各波長における吸光係数をlog(ε/mol-1dm3cm-1)で表した数値が2.0を超える波長を求めた。
・重合体分子構造
超伝導核磁気共鳴吸収装置(NMR、Bruker社製、商品名:AVANCE500)を用い、重水素化クロロホルム中で1H−NMRを測定した。更に、赤外分光光度計(
IR、日本分光社製、商品名:FT/IR−420)を用いて、赤外線(IR)吸収スペ
クトルを測定した。得られたデータから、水素添加率の算出、分子構造の同定を行った。・位相差、複屈折評価
平滑なガラス板上に開環(共)重合体のトルエンまたは塩化メチレン溶液(濃度:約25wt.%)をキャストし、乾燥後、厚さ50〜200μm、残留溶媒1.0wt.%以下の透明なフィルムを作成した。得られたキャストフィルムを恒温槽付き引張試験機(インストロン社製、MODEL5567型)を使用して、Tg+10℃の温度にて2.1倍に1軸延伸した
。この延伸フィルムをレターデーション測定器(王子計測社製、商品名:KOBRA21DH)を用いて、400〜800nmの波長範囲における位相差(Re)を連続的に測定した。
,Re800とする)を求めた。次に、Re550をフィルム厚さ(d)で除して、測定波長:550nmにおける複屈折の値(Δn550)を求めた。
合成例1
<下記構造式(A)で表されるビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(4"−イソプロポキシカルボニルフェニル)−スクシンイミドの合成>
00mlのトルエンを加えて前述の無水物を完全に溶解させた。これに4−イソプロポキシカルボニルアニリン200ml(0.56mol)を滴下ロートにて徐々に滴下し、滴下終了後、室温で1時間攪拌することによって該当するアミド酸化合物を定量的に得た。
次に、真空乾燥させた前述のアミド酸化合物62g(0.174mol)を入れたフラスコを窒素置換した後、これにトルエン700mlを加え、50℃に加温した。これに臭化亜鉛39g(0.174mol)を一気に加え、更に80℃まで加熱した。この溶液に1,
1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン41.9g(0.259mol)を滴下ロー
トにて徐々に滴下し、100〜120℃にて8時間激しく攪拌した。反応後、沈殿物を濾過し、濾液を濃縮したものをシリカゲル−塩化メチレンを使用してカラム精製を行った。カラム精製後、更にメタノールで再結晶を行い、液クロ純度99.8%、白色固体の構造式(A)で表されるビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(
4"−イソプロポキシカルボニルフェニル)−スクシンイミド35.7g(収率60.5
%)を得た。上記構造式(A)で表される単量体は波長290nmにおいて吸光係数をlog(ε/mol-1dm3cm-1)で表した数値が2.15であった。
(4"−イソプロポキシカルボニルフェニル)−スクシンイミド7.0g(0.0206mol)、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]
−3−ドデセン3.0g(0.0129mol)、分子量調節剤の1−ヘキセン0.17
ml、およびトルエン23mlを窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加熱した。
これにトリエチルアルミニウムのトルエン溶液(0.6mol/l)0.09ml、メタノール変性WCl6 のトルエン溶液(0.025mol/l)0.27mlを加え、80℃で3時間反応させることにより開環共重合体溶液を得た。得られた開環共重合体の重量平均分子量(Mw)は21.0×104であり、分子量分布(Mw/Mn)は4.24で
あった。
を図1に、赤外吸収(IR)スペクトルを図2にそれぞれ示す。NMR測定の結果、この水素添加物の水素添加率は97.4%であり、一方、前記水素添加反応前の開環共重合体に含まれていたベンゼン環等の芳香環骨格中の環内共役二重結合が、反応後に水素添加されずに残存している割合は100%であった。また、1H−NMRスペクトルから算出し
た共重合体中の芳香族スピロイミドユニットの共重合含量は43.4wt.%であった。
比較例1
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン50g(0.215mol)、分子量調節剤の1−ヘキセン5.4mlおよ
びトルエン100gを窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加熱した。これにトリエチルアルミニウム(0.6モル/l)のトルエン溶液0.07ml、メタノール変性WCl6のトルエン溶液(0.025モル/l)0.22mlを加え、80℃で3時間反応さ
せることにより重合体を得た。次いで、実施例1と同様にして水素添加反応を行い、対応する水素添加物を得た。得られた開環重合体の水素添加物は、重量平均分子量(Mw)=5.6×104、分子量分布(Mw/Mn)=3.20、ガラス転移温度(Tg)=167℃であった。1H−NMR測定の結果、この水素添加物の水素添加率は99.6%であった。
Claims (14)
- 下記一般式(1)で表される構造単位(1)を有することを特徴とするノルボルネン系開環(共)重合体;
Xは式:−CH=CH−で表される基または式:−CH2CH2−で表される基であり、
R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、硫黄原子、もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;および極性基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表し、
R5は下記一般式(1−1)または(1−2)で表される基を表す。)
、窒素原子、イオウ原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;および極性基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表し、
cおよびdは、それぞれ独立に0〜3の整数である。
ただし、c=d=0の場合は、R7とR10および/またはR10とR14は、相互に結合して
、単環または多環の炭素環または複素環を形成するか、または、R6、R7、R10、R13、R14の少なくとも1つが、ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、硫黄原子、もしくはケイ素原子の少なくとも1つ以上の原子を含む連結基を有する置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;および極性基よりなる群から選ばれる原子もしくは基である。)
eは0〜5の整数である。)。 - 複数存在する前記一般式(1)中のXの40モル%以上が、−CH2CH2−で表される基であることを特徴とする請求項1に記載のノルボルネン系開環(共)重合体。
- 前記一般式(2)で表され、紫外線吸収スペクトルにおいて、吸光係数をlog(ε/mol-1dm3cm-1)で表した数値が2.0以上となる波長を、280nmよりも長波
長領域に有する単量体を含むモノマーを、開環(共)重合して得られることを特徴とするノルボルネン系(共)重合体。 - 前記式(1−1)において、c=d=0であって、R6〜R14の少なくとも1つが、酸素原子を含む連結基を有する置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基および/またはアリール基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のノルボルネ
ン系開環(共)重合体。 - 前記式(1−1)において、1≦c+d≦4を満たすことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のノルボルネン系開環(共)重合体。
- さらに、下記一般式(3)で表される構造単位(3)を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のノルボルネン系開環共重合体;
R30とR31、および/またはR32とR33は、一体化してイミド基を除く炭化水素基を形成してもよく、
R30またはR31と、R32またはR33とは、相互に結合して、単環または多環の炭素環または複素環を形成してもよく、
fおよびgは、それぞれ独立に0または1であり、
hおよびiは、それぞれ独立に0〜2の整数であり、
Yは式:−CH=CH−で表される基または式:−CH2CH2−で表される基である。)。 - 前記一般式(1)中のXおよび前記一般式(3)中のYの合計の、40モル%以上が−CH2CH2−で表される基であることを特徴とする請求項7に記載のノルボルネン系開環共重合体。
- 構造単位(3)の割合が、全構造単位中98モル%以下であることを特徴とする請求項7または8に記載のノルボルネン系開環共重合体。
- 前記一般式(3)において、h=0であり、iが0または1であり、かつ、
R30〜R33のうち少なくとも一つが、式:−(CH2)nCOOR34(式中、R34は炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、nは0〜10の整数である。)で表される基であることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載のノルボルネン系開環共重合体。 - 上記一般式(2)で表される単量体が、紫外線吸収スペクトルにおいて、吸光係数をlog(ε/mol-1dm3cm-1)で表した数値が2.0以上となる波長を、280nm
よりも長波長領域に有することを特徴とする請求項11に記載のノルボルネン系開環(共)重合体の製造方法。 - 請求項1〜10のいずれかに記載のノルボルネン系開環(共)重合体を成形してなることを特徴とする成形品。
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