JP2005350544A - ノルボルネン系開環(共)重合体、その製造方法および成形品 - Google Patents

ノルボルネン系開環(共)重合体、その製造方法および成形品 Download PDF

Info

Publication number
JP2005350544A
JP2005350544A JP2004171629A JP2004171629A JP2005350544A JP 2005350544 A JP2005350544 A JP 2005350544A JP 2004171629 A JP2004171629 A JP 2004171629A JP 2004171629 A JP2004171629 A JP 2004171629A JP 2005350544 A JP2005350544 A JP 2005350544A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
atom
norbornene
opening
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004171629A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4356527B2 (ja
Inventor
Nobuyuki Miyaki
伸行 宮木
Yoshikazu Miyamoto
佳和 宮本
Yuichi Hashiguchi
裕一 橋口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Priority to JP2004171629A priority Critical patent/JP4356527B2/ja
Publication of JP2005350544A publication Critical patent/JP2005350544A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4356527B2 publication Critical patent/JP4356527B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、透明性、耐熱性、他材料への密着性等の優れた特性を保持しながら、さらに複屈折の絶対値の大きさまたはその波長分散性を自在に制御できる、ノルボルネン系開環(共)重合体およびその成形品を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明のノルボルネン系開環(共)重合体は、特定の芳香族スピロイミド骨格を有した、下記一般式(1)で表される構造単位(1)を有することを特徴としている。
【化1】
Figure 2005350544

【選択図】 なし

Description

本発明は優れた透明性、耐熱性、他材料への密着性を示し、かつ、複屈折の絶対値の大きさまたはその波長分散性をスピロイミド構造で連結された特定の芳香族置換基により制御することができるノルボルネン系開環(共)重合体およびその成形品に関する。
環状オレフィン類をモノマーとして合成される重合体は、主鎖骨格に嵩高い脂環構造を有することから非晶性となり、優れた透明性、耐熱性を示し、かつ、光学歪みが小さい(光弾性係数が小さい)、低吸水性、耐酸・アルカリ性および高い電気絶縁性を有するなどの特徴があることから、ディスプレイ用途(位相差フィルム、拡散フィルム、波長板、液晶基板、タッチパネル用フィルム、導光板等)、光学レンズ用途、光ディスク用途(CD、MD、CD-R、DVD等)、光ファイバー用途、光学フィルム/シート用途、光半導体封止用途、プリント基板用途(硬質プリント基板、多層プリント基板等)、透明導電性フィルム基板用途などに応用できる材料として検討がなされてきた。中でも位相差フィルム用途では、複屈折の均一性をより高めたフィルムへの要求に対し、光弾性係数が比較的小さいノルボルネン系開環(共)重合体のフィルムを精密に延伸することによって非常に均一性のよい位相差板を得る改善策が実施されてきた(特許文献1〜4参照)。
近年、液晶ディスプレイの高精細なカラーディスプレイ化が進むにつれ、位相差フィルムに使用される高分子には更に光学機能性を付与する事が望まれている。例えば、可視光の波長領域全体に渡って所望の位相差を発現するため、複屈折の絶対値および波長分散性を自在に制御することが望まれるようになった。しかし、従来検討がなされてきたノルボルネン系開環(共)重合体は400−800nmにおいて複屈折の波長分散性がなく、複屈折の絶対値および波長分散性を分子構造的な観点から制御しようとした例も見られなかった。
これに対し、公知のノルボルネン系開環(共)重合体にスチレン系ポリマーをブレンドし、望みの波長分散性等の光学特性を発現させる試みがなされたが、透明なキャストフィルムを得るにはトルエン等の高沸点溶媒でキャストする必要があり、完全に残留溶媒がない成形品を得ることが非常に困難であり、また、溶融成形する際には、ブレンドした樹脂が相分離して均一に相溶化した状態の成形体が得られないという問題を生じ、実用化するに至っていない(特許文献5参照)。
このため、従来のノルボルネン系(共)重合体の特徴を維持しながら、複屈折の絶対値および波長分散性を(共)重合体の分子構造によって制御した材料の開発が望まれている。
特開平8−95016号公報 特許第3019741号 特許第3220478号 特開2001−350017号公報 特開2001−194527号公報
本発明は、上記のような事情を背景になされたもので、従来公知のノルボルネン系開環(共)重合体が有する、透明性、耐熱性、他材料への密着性等の優れた特性を保持しながら、さらに複屈折の絶対値の大きさまたはその波長分散性を自在に制御できる、特定の芳香族スピロイミド骨格を側鎖に有するノルボルネン系開環(共)重合体およびその成形品
を提供することを課題とする。
本発明者は、上記の課題を達成するため、鋭意検討を進めた結果、ノルボルネン系骨格を有する脂環式不飽和化合物であって、特定の芳香族基がスピロイミド構造を介して環に結合している構造を有する単量体を、開環(共)重合して得られる(共)重合体が、優れた複屈折性、波長分散性を示すことを見出し、該知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、
本発明のノルボルネン系開環(共)重合体は、下記一般式(1)で表される構造単位(1)を有することを特徴としている。
Figure 2005350544
(式(1)中、aは0〜2の整数であり、bは1〜3の整数であり、
Xは式:−CH=CH−で表される基または式:−CH2CH2−で表される基であり、
1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、硫黄原子、もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;および極性基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表し、
5は下記一般式(1−1)または(1−2)で表される基を表す。)
Figure 2005350544
(式(1−1)中、R6〜R14は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子
、窒素原子、イオウ原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換もしく
は非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;および極性基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表し、
cおよびdは、それぞれ独立に0〜3の整数である。
ただし、c=d=0の場合は、R7とR10および/またはR10とR14は、相互に結合して
、単環または多環の炭素環または複素環を形成するか、または、R6、R7、R10、R13、R14の少なくとも1つが、ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、硫黄原子、もしくはケイ素原子の少なくとも1つの原子を含む連結基を有する置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;および極性基よりなる群から選ばれる原子もしくは基である。)
Figure 2005350544
(式(1−2)中、R15〜R23は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、イオウ原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;および極性基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表し、
eは0〜5の整数である。)
このような本発明のノルボルネン系開環(共)重合体は、複数存在する前記一般式(1)中のXの40モル%以上が、−CH2CH2−で表される基であることが好ましい。
また、本発明のノルボルネン系開環(共)重合体は、前記構造単位(1)の前駆体となる、下記一般式(2)で表される単量体が、紫外線吸収スペクトルにおいて、吸光係数をlog(ε/mol-1dm3cm-1)で表した数値が2.0以上となる波長を、280n
mよりも長波長領域に有することが好ましい。
Figure 2005350544
(式(2)中、R1〜R5およびa,bは、前記一般式(1)と同様である。)
本発明のノルボルネン系開環(共)重合体は、前記一般式(2)で表され、紫外線吸収スペクトルにおいて、吸光係数をlog(ε/mol-1dm3cm-1)で表した数値が2
.0以上となる波長を、280nmよりも長波長領域に有する単量体を含むモノマーを、開環(共)重合して得られることが好ましい。
本発明のノルボルネン系開環(共)重合体は、前記式(1−1)において、c=d=0であって、R6〜R14の少なくとも1つが、酸素原子を含む連結基を有する置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基および/またはアリール基であることが好ましい。
また、本発明のノルボルネン系開環(共)重合体は、前記式(1−1)において、1≦c+d≦4を満たすことも好ましい。
本発明のノルボルネン系開環(共)重合体は、さらに、下記一般式(3)で表される構造単位(3)を有することが好ましい。
Figure 2005350544
(式(3)中、R24〜R33は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、窒
素原子、イオウ原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;および極性基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表し、
30とR31、および/またはR32とR33は、一体化してイミド基を除く炭化水素基を形成してもよく、
30またはR31と、R32またはR33とは、相互に結合して、単環または多環の炭素環または複素環を形成してもよく、
fおよびgは、それぞれ独立に0または1であり、
hおよびiは、それぞれ独立に0〜2の整数であり、
Yは式:−CH=CH−で表される基または式:−CH2CH2−で表される基である。)
このような本発明のノルボルネン系開環(共)重合体は、前記一般式(1)中のXおよび前記一般式(3)中のYの合計の、40モル%以上が−CH2CH2−で表される基であることが好ましい。また、このような本発明のノルボルネン系開環(共)重合体は、構造単位(3)の割合が、全構造単位中98モル%以下であることが好ましい。
本発明のノルボルネン系開環(共)重合体は、前記一般式(3)において、h=0であり、iが0または1であり、かつ、R30〜R33のうち少なくとも一つが、式:−(CH2
nCOOR34(式中、R34は炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、nは0〜10の
整数である。)で表される基であることが好ましい。
本発明のノルボルネン系開環(共)重合体の製造方法は、下記一般式(2)で表される単量体を含むモノマーを、開環(共)重合することを特徴としている。
Figure 2005350544
(式(2)中、R1〜R5およびa、bは、前記一般式(1)と同様である。)
このような本発明のノルボルネン系開環(共)重合体の製造方法では、上記一般式(2)で表される単量体が、紫外線吸収スペクトルにおいて、吸光係数をlog(ε/mol-1dm3cm-1)で表した数値が2.0以上となる波長を、280nmよりも長波長領域
に有することが好ましい。
また、本発明のノルボルネン系開環(共)重合体の製造方法では、前記モノマーが、さらに、下記一般式(4)で表される単量体を含むことが好ましい。
Figure 2005350544
(式(4)中、R24〜R33およびf、g、h、iは、前記一般式(3)と同様である。)
本発明の成形品は、上記本発明のノルボルネン系開環(共)重合体を成形してなることを特徴としている。
本発明のノルボルネン系開環(共)重合体は、透明性、耐熱性、他材料への密着性に優れるとともに、側鎖にスピロ構造で固定化された特定の芳香族イミド基によって複屈折発現性またはその波長分散性を制御することが可能である。よって、使用する単量体の種類、共重合組成比、重合度等を適切に設定することにより、前記複屈折の絶対値および波長分散性を調整することができる。
更に、本発明のノルボルネン系開環(共)重合体を多種の透明樹脂、例えば、負の複屈折性を示す樹脂(ポリスチレン系ポリマー、ポリメタクリル酸エステル系ポリマー、負の複屈折性を示す環状オレフィン系(共)重合体など)および/または正の複屈折性を示す樹脂(ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、正の複屈折性を示す環状オレフィン系(共)重合体など)と組合せ、その組成を設定する事により、所望の複屈折性および複屈折(または位相差)の波長依存性を有する組成物を得ることが可能である。従って、特に複屈折を積極的に活用する光学フィルム、光学部品等の成形体を得る為に有用である。本発明のノルボルネン系開環(共)重合体およびその水素添加物は、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤などの各種添加剤を添加して用いてもよく、適宜成形して、例えば、光ディスク(CD、MD、CD-R、DVD等)、光
磁気ディスク、光学レンズ用途(fθレンズ、ピックアップレンズ、レーザープリンター用レンズ、カメラ用レンズ等)、眼鏡レンズ、光学フィルム/シート(ディスプレイ用フ
ィルム/シート、位相差フィルム、拡散フィルム、偏光フィルム、偏光板保護フィルム、
波長板、反射防止フィルム、液晶基板、タッチパネル基板、EL基板、電子ペーパー基板、光ピックアップフィルム等)、導光板、光拡散板、光ファイバー、光カード、光ミラー、IC・LSI・LED封止材等として好適に使用できる。
以下、本発明について具体的に説明する。
なお、本明細書において、複屈折との用語は通常の意味で用いられる。また、複屈折の値(これを、Δnとする)とは、(共)重合体から成形されたフィルムを一軸延伸し、(
共)重合体分子鎖を一方向に配向させた延伸フィルムにおいて、延伸方向をx軸、これに対して面内垂直方向をy軸とし、x軸方向の屈折率をnx、Y軸方向の屈折率をnyとして、
下記式:
Δn=nx−ny
で定義される正〜負の値であり、その絶対値は入射光の波長によって異なる。
そして、正(または、負)の複屈折性とは、前記Δnが正(または、負)である場合の上記延伸フィルムの性質を意味する。
また、位相差(Retardation、これをReとする)とは、下記式:
Re=Δn×d (式中、dは、透過光の光路長であり、通常、上記延伸フィルムの厚さである)
で定義される正〜負の値であり、その絶対値は入射光の波長によって異なる。
そして、位相差の波長分散性とは、前記Reの値と入射光の波長との相関性を意味し、「位相差の波長分散性が大きい」とは、短波長の入射光に対するReの絶対値と、長波長の入射光に対するReの絶対値との差異が大きいことを意味する。
本明細書において、(共)重合体とは、重合体および共重合体を表し、(共)重合とは重合あるいは共重合を表す。また、本発明においてノルボルネン系開環(共)重合体は、ノルボルネン系化合物を重合あるいは共重合した(共)重合体および、これらを水素添加した化合物の全てを含むものとする。
<ノルボルネン系開環(共)重合体>
本発明のノルボルネン系開環(共)重合体は、下記一般式(1)で表される構造単位(1)を、必須の構造単位として1種以上含む。
Figure 2005350544
(式(1)中、aは0〜2の整数であり、bは1〜3の整数であり、
Xは式:−CH=CH−で表される基または式:−CH2CH2−で表される基であり、
1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、硫黄原子、もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;および極性基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表し、R5は下記一般式(1−1)または(1−2)で表される基を表す。)
Figure 2005350544
(式(1−1)中、R6〜R14は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子
、窒素原子、イオウ原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;および極性基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表し、
cおよびdは、それぞれ独立に0〜3の整数である。
ただし、c=d=0の場合は、R7とR10および/またはR10とR14は、相互に結合して
、単環または多環の炭素環または複素環を形成するか、または、R6、R7、R10、R13、R14の少なくとも1つが、ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、硫黄原子、もしくはケイ素原子の少なくとも1つの原子を含む連結基を有する置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;および極性基よりなる群から選ばれる原子もしくは基である。)
Figure 2005350544
(式(1−2)中、R15〜R23は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、イオウ原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;および極性基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表し、
eは0〜5の整数である。)
本発明のノルボルネン系開環(共)重合体は、前記構造単位(1)を有しているが、必要に応じて、下記一般式(3)で表される構造単位(3)をさらに有していてもよく、また、構造単位(3)以外の構造単位を有していてもよい。
Figure 2005350544
(式(3)中、R24〜R33は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、イオウ原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;および極性基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表し、
30とR31、および/またはR32とR33は、一体化してイミド基を除く炭化水素基を形成してもよく、
30またはR31と、R32またはR33とは、相互に結合して、単環または多環の炭素環または複素環を形成してもよく、
fおよびgは、それぞれ独立に0または1であり、
hおよびiは、それぞれ独立に0〜2の整数であり、
Yは式:−CH=CH−で表される基または式:−CH2CH2−で表される基である。)
ここで、前記一般式(1)、一般式(1−1)、一般式(1−2)および一般式(3)において、R1〜R33で表される、ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、イオウ原子もし
くはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;および極性基について説明する。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が挙げられる。
炭素原子数1〜30の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;エチリデン基、プロピリデン基等のアルキリデン基;フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等の芳香族基などが挙げられる。これらの基中の炭素原子に結合した水素原子は、例えばフッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子、フェニルスルホニル基、シアノ基などで置換されていてもよい。
また、上記の置換または非置換の炭化水素基は、直接環構造に結合していてもよいし、あるいは連結基を介して結合していてもよい。前記連結基としては、例えば、炭素原子数1〜10の2価の炭化水素基(例えば、−(CH2m− (式中、 mは1〜10の整数)で表されるアルキレン基);酸素原子、窒素原子、硫黄原子またはケイ素原子を含む連結基(例えば、カルボニル基(−CO−)、カルボニルオキシ基(−COO−)、スルホニル基(−SO2−)、スルホニルオキシ基(−SO2−O−)、エーテル結合(−O−)、チオエーテル結合(−S−)、イミノ基(−NH−)、アミド結合(−NHCO−)、シロキサン結合(−Si(R)2O−)(式中、Rはメチル基、エチル基等のアルキル基));
あるいはこれらの2種以上が組合わさって連なったものが挙げられる。
極性基としては、例えば水酸基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、アミド基、イミノ基(=NH)、トリオルガノシロキシ基、トリオルガノシリル基、アミノ基、アシル基、アルコキシシリル基、スルホン酸基(−SO3H)、スルフィノ基(−SO2H)、およびカルボキシル基などが挙げられる。
さらに具体的には、上記アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基等が挙げられ;アルキルカルボニルオキシ基としては、例えばアセトキシ基、プロピオニルオキシ基等が挙げられ;アリールカルボニルオキシ基としては、例えば、ベンゾイルオキシ基等が挙げられ;アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等が挙げられ;アリーロキシカルボニル基としては、例えば、フェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基、フルオレニルオキシカルボニル基、ビフェニリルオキシカルボニル基等が挙げられ;トリオルガノシロキシ基としては、例えば、トリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基などが挙げられ;トリオルガノシリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基等が挙げられ;アミノ基としては、例えば、第1級アミノ基等が挙げられ、アルコキシシリル基としては、例えば、ト
リメトキシシリル基、トリエトキシシリル基などが挙げられる。
本発明のノルボルネン系開環(共)重合体が所望の光学特性を発現するためには、構造単位(1)中のスピロイミド基が、可能な限り主鎖近傍に固定化されているのが望ましい。このため、構造単位(1)は、上記式(1)中のbが1であるのが特に好ましい。
たとえば、低複屈折材料を得るには、負の複屈折成分を有する構造単位が必要であるが、負の複屈折成分を示すには、重合体の配向方向をx軸、これに対して面内垂直方向をy軸、面外垂直方向をz軸とした場合、主鎖(x軸)方向の分極を打ち消すy軸およびz軸方向の分極率を大きくする必要が生じる。本発明において、b=1の時、スピロイミド環は主鎖(x軸)と垂直方向(y軸およびz軸方向)に分極が大きくなる方向に固定化され、目的の光学特性を発現することが可能になる。
本発明のノルボルネン系開環(共)重合体は、−CH=CH−で表されるオレフィン性不飽和結合の少なくとも一部が水素添加された(共)重合体であることが、(共)重合体の安定性の面から好ましく、複数存在する前記一般式(1)中のXの40モル%以上、好ましくは60モル%以上、より好ましくは90モル%以上が、−CH2CH2−で表される基であることが望ましい。また、本発明のノルボルネン系開環(共)重合体が前記構造単位(2)を有する場合には、複数存在する前記一般式(1)中のXと前記一般式(2)中のYとの合計の、40モル%以上、好ましくは60モル%以上、より好ましくは90モル%以上が、−CH2CH2−で表される基であることが望ましい。
また、構造単位(1)の前駆体となる、下記一般式(2)で表される単量体(以下、単量体(1)ともいう)には、exo−体とendo−体の立体異性体が含まれるが(隣接する橋
頭の炭素に対してアキシアルの位置にスピロイミド構造に含まれるメチレン鎖がくる状態をendo体とする)、本発明において複屈折を効率的に制御するには、exo/endo比が通常
、100/0〜10/90、好ましくは100/0〜25/75、更に好ましくは100/0〜50/50となる範囲であるのが望ましい。
Figure 2005350544
(式(2)中、R1〜R5およびa,bは、前記一般式(1)と同様である。)
また、本発明のノルボルネン系開環(共)重合体では、構造単位(1)の前駆体となる、上記一般式(2)で表される単量体(1)が、紫外線吸収スペクトルにおいて、吸光係数をlog(ε/mol-1dm3cm-1)で表した数値が2.0以上となる波長を、28
0nmよりも長波長領域に有することが好ましく、290nm以上の波長領域に有することがより好ましい。このような本発明のノルボルネン系開環(共)重合体は、位相差の波長分散性が大きなものとなる。
本発明のノルボルネン系開環(共)重合体では、前記一般式(1)で表される構造単位(1)中のR5が、複屈折性および波長分散性を制御する主要な置換基として作用し、こ
のR5の構造を選択することによって、(共)重合体の光学特性を制御することができる
。以下、一般式(1)中のR5についてさらに詳しく述べる。
負の複屈折成分を大きくする場合のR 5
本発明のノルボルネン系開環(共)重合体においては、構造単位(1)の種類および量により(共)重合体における負の複屈折成分の大きさを調整することができる。具体的には、本発明のノルボルネン系開環(共)重合体では、正の複屈折を示す構造単位( 3)
に、負の複屈折成分を有する構造単位(1)を適切な量比になるように、各前駆体モノマーを共重合する事によって低複屈折性を示す共重合体を得る事ができる。構造単位(1)において、負の複屈折成分を大きくするためには、主鎖(x軸)方向の分極を打ち消すy軸およびz軸方向の分極率を大きくする必要があるため、R5が無置換のベンゼン環およ
び/またはアルキル置換ベンゼン環では所望の光学特性を得る事が困難である。このため、本発明の目的を満足するには、R5が、上記式(1−1)または(1−2)で表される
基である必要があり、上記式(1−1)において、c=d=0であって、ベンゼン環の水素原子の少なくとも1つが、酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはケイ素原子の少なくとも1つ以上の原子を含む連結基を有する炭素原子数1〜30の炭化水素基および/またはアリール基;ハロゲン原子;極性基で置換された基、または、置換基を有してもよい縮合環基であることが好ましく、また、上記式(1−1)において、1≦c+d≦4を満たすことも好ましい。
ここで、ベンゼン環または縮合環の水素原子を置換する置換基としては、置換基により発現できる分極効果が大きく、かつ、重合活性に影響がなく、また(共)重合体の製造時や成形品を得る為に溶融成形する際の耐着色性に優れることから酸素原子を含む連結基を有する炭素原子数1〜30の炭化水素基および/またはアリール基が好ましく、特にアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n-プロポキシ基、n-ブトキシ基
など)、エステル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、n-デシルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基など)、アリール基(フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基)、アリーロキシ基(フェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基など)が好ましい。
これらの置換基は少なくとも一つ以上置換されていれば、同一および/または2種以上
の置換基が同一の芳香族環に結合したものであってもよい。またその結合位置は、特に限定されるものではないが、yz軸方向の分極を大きくするためには2−位または4−位に導入されることが好ましい。
このような、負の複屈折成分を大きくする事ができるR5の構造の具体例としては、例
えば、4−メトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、2−メトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、4−クロロ−2,5−ジメトキシフェニル基、5−クロロ−2,4−ジメトキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、2,4−ジエトキシフェニル基、4,5−ジメトキシ−2−メトキシカルボニルフェニル基、2−エトキシカルボニルフェニル基、4−メトキシカルボニルフェニル基、4−イソプロポキシカルボニルフェニル基、4−n−プロポキシカルボニルフェニル基、4−n−ブトキシカルボニルフェニル基、2−メチル−4−メトキシフェニル基、2−メチル−4−メトキシカルボニルフェニル基、4−フェノキシフェニル基、2−フェノキシフェニル基、4−(2,6−ジメチルフェノキシ)フェニル基、4−ビフェニル基、2−ビフェニル基、1−ナフチル基、4−メトキシ−3−ビフェニル基、2−メトキシ−ジベンゾフラン−3−イル基、2−フルオレン基などを挙げることができる。
位相差の波長分散性を大きくする場合のR 5
一般に、高分子配向体の位相差の波長分散性[Δn(λ)で表す]は、下記Sellmeyerの分散式で表される。
Δn(λ)=A+B/(λ−λ0)
(式中、A、Bは定数、λ0は吸収端波長を示す。)
このため本発明者は、吸収端波長が大きい(長波長側まで紫外線吸収がある)単量体が大きな波長分散性を発現するために有効であると考え、鋭意検討を行った結果、上述のように、280nm以上の波長領域で各波長における吸光係数をlog(ε/mol-1dm3cm-1)で表した数値が2.0以上となる単量体、好ましくは290nm以上の波長領域
で各波長における吸光係数をlog(ε/mol-1dm3cm-1)で表した数値が2.0
以上となる単量体が、従来のノルボルネン系開環(共)重合体よりも明らかに大きな位相差の波長分散性を示すことを見出した。
本発明のノルボルネン系開環(共)重合体において、上記の紫外線吸収特性を発現する主要構造は、置換基R5を含む芳香族イミド基である。構造単位(1)の前駆体となる、
上記一般式(2)で表される単量体(1)において、たとえばR5が無置換ベンゼン環で
ある場合には、吸光係数をlog(ε/mol-1dm3cm-1)で表した数値が2.0以
上となる波長は最大で262nmであり、R5がアルキル置換ベンゼンおよびフッ化メチ
ル置換ベンゼンの場合は通常270nm程度であるため、位相差の波長分散性が大きいノルボルネン系開環(共)重合体を得る場合には好ましくない。
本発明において、構造単位(1)の前駆体となる、上記一般式(2)で表される単量体(1)が、280nm以上の波長領域で各波長における吸光係数をlog(ε/mol-1dm3cm-1)で表した数値が2.0以上を満たすためには、R5が、ベンゼン環の水素原子の少なくと
も1つ以上が酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはケイ素原子のうちの少なくとも1つの
原子を含む連結基を有する炭素原子数1〜30の炭化水素基および/またはアリール基、ハロゲン原子、極性基で置換された基であるのが好ましく、また、上記式(1−1)において、1≦c+d≦4を満たすことも好ましい。このような置換基R5のうちでは、置換
基による吸収波長のレッドシフト効果が大きく、かつ、重合活性に影響がなく、また(共)重合体の製造時や成形品を得る為に溶融成形する際の耐着色性に優れることから、酸素原子を含む連結基を有する炭素原子数1〜30の炭化水素基および/またはアリール基が好ましく、特にアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n-プロポキシ基、n-ブトキシ基など)、エステル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、n-デシルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基など)、アリール基(フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基)、アリーロキシ基(フェノキシ基、2
,6−ジメチルフェノキシ基など)が好ましい。
これらの置換基は少なくとも一つ以上置換されていれば、同一および/または2種以上
の置換基が同一の芳香族環に結合したものであってもよい。またその結合位置は、特に限定されるものではない。
上記、位相差の波長分散性を大きくできるR5の構造としては、例えば、4−メトキシ
フェニル基、4−エトキシフェニル基、2−メトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、4−クロロ−2,5−ジメトキシフェニル基、5−クロロ−2,4−ジメトキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、2,4−ジエトキシフェニル基、4,5−ジメトキシ−2−メトキシカルボニルフェニル基、2−エトキシカルボニルフェニル基、4−メトキシカルボニルフェニル基、4−イソプロポキシカルボニルフェニル基、4−n−プ
ロポキシカルボニルフェニル基、4−n−ブトキシカルボニルフェニル基、2−メチル−
4−メトキシフェニル基、2−メチル−4−メトキシカルボニルフェニル基、4−フェノキシフェニル基、2−フェノキシフェニル基、4−(2,6−ジメチルフェノキシ)フェニル基、4−ビフェニル基、2−ビフェニル基、1−ナフチル基、4−メトキシ−3−ビフェニル基、2−メトキシ−ジベンゾフラン−3−イル基、2−フルオレン基、9−フルオレン基、2−メトキシ−5−メトキシカルボニルフェニル基、2−メチル−5−メトキシカルボニルフェニル基、4−メトキシ−3−メトキシカルボニルフェニル基、3−ビフェニル基、3,5−ジメトキシカルボニルフェニル基などを挙げることができる。
本発明においては、必要な光学特性に応じて、R5の構造を適切に選択することにより
、望みの複屈折性、波長分散性を得ることが可能である。
構造単位(1)の前駆体となる、上記一般式(2)で表される単量体(1)においては(すなわち一般式(1)で表される構造単位(1)においては)、その製造が容易であり、(共)重合体を成形材料として成形される成形品が強靭なものになることから、0≦a
≦2であることが好ましく、さらに0≦a≦1であることが特に好ましい。また、一般式
(1−2)において、その製造が容易であることから、0≦e≦1であることが好ましく
、特にe=0であることが好ましい。
また、本発明のノルボルネン系開環(共)重合体が、前記構造単位(1)とともに、前記一般式(3)で表される構造単位(3)をさらに有する場合には、重合体の溶解性および他種の基材との密着性・接着性等のバランスを良好とすることができることから、上記一般式(3)中のR30〜R33のうち少なくとも一つが、式:−(CH2nCOOR34(ここで、R34は炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、nは0〜10の整数である。)で
表される基であることが好ましく、また、上記一般式(3)においてh=0であってiが0または1であることが好ましく、両者を満たすことがより好ましい。
上記R34で表される炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エ
チル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基が挙げられる。中でも好ましくは、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基およびフェニル基であり、特に好ましくは、メチル基およびエチル基である。
本発明のノルボルネン系開環(共)重合体が、構造単位(3)を有する場合には、構造単位(3)の割合が、全構造単位中98モル%以下、好ましくは95〜5モル%の範囲、特に好ましくは90〜10モル%の範囲であるのが好ましい。
本発明のノルボルネン系開環(共)重合体は、後述する本発明のノルボルネン系開環(共)重合体の製造方法により好適に得ることができる。
<ノルボルネン系開環(共)重合体の製造方法>
上述した本発明のノルボルネン系開環(共)重合体は、下記一般式(2)で表される単量体(以下、単量体(1)という)を一種以上含むモノマーを、開環(共)重合し、さらに必要に応じて−CH=CH−で表されるオレフィン性不飽和結合を水素添加して製造することができる。
Figure 2005350544
(式(2)中、R1〜R5およびa,bは、前記一般式(1)と同様である。)
また、本発明のノルボルネン系開環(共)重合体は、上記一般式(2)で表される1種以上の単量体(単量体(1))とともに、必要に応じて、下記一般式(4)で表される1
種以上の単量体(以下、単量体(2)という)および/またはこれら以外の共重合可能な単量体を含むモノマーを、開環共重合し、さらに必要に応じて−CH=CH−で表されるオレフィン性不飽和結合を水素添加して製造することができる。
Figure 2005350544
(式(4)中、R24〜R33およびf、g、h、iは、前記一般式(3)と同様である。)
単量体(1)
本発明のノルボルネン系(共)重合体の製造方法において、単量体(1)は、本発明に係るノルボルネン系(共)重合体を構成する構造単位(1)の前駆体となるものである。このため、前記一般式(2)で表される単量体(1)において、R1〜R5およびa,bは、本発明に係るノルボルネン系(共)重合体の構造単位(1)を示す前記一般式(1)の説明において詳述したとおりである。
本発明に係るノルボルネン系開環(共)重合体が、所望の光学特性を発現するには、特定の芳香族スピロイミド基を、主鎖近傍に可能な限り固定化するのが望ましい。このため、本発明の製造方法で用いる単量体(1)は、前記式(2)中のbが、1≦b≦3を満たすのが好ましく、b=1であるのがより好ましい。
また、上述のように単量体(1)としては、exo−体とendo−体の立体異性体の両方を
用いることができるが(隣接する橋頭の炭素に対してアキシアルの位置にスピロイミド構造に含まれるメチレン鎖がくる状態をendo体とする)、複屈折を効率的に制御したノルボルネン系開環(共)重合体を得るには、exo/endo比が通常、100/0〜10/90、好ましく
は100/0〜25/75、更に好ましくは100/0〜50/50となる範囲で単量体(1)を用いるのが望ましい。
また、単量体(1)が、紫外線吸収スペクトルにおいて、吸光係数をlog(ε/mol-1dm3cm-1)で表した数値が2.0以上となる波長を、好ましくは280nm以上
、より好ましくは290nm以上の長波長領域に有する場合には、得られるノルボルネン系開環(共)重合体が、位相差の波長分散性の大きなものとなるため望ましい。
以下に、単量体(1)の具体例を示すが、本発明で用いる単量体(1)はこれらに限定されるものではない。
なお、以下の構造式において、Etはエチル基を、iPrはイソプロピル基を、nPrはn-プロピル基を、nBuはn−ブチル基を表す。
(ハロゲン原子を有する単量体の例)
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(4"−フルオロフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(2"−フルオロフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(2"−メチル−4"−
フルオロフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(2",3",4"−トリフルオロフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(4"−クロロフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(2"−クロロフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(3"−クロロフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(2",6"−ジクロロ
フェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(2",4"−ジクロロ
フェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(2",5"−ジクロロ
フェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(2",4"、5"−トリクロロフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(2"−メチル−4"−
クロロフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(2"−メチル−4"−
ブロモフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(4"−ブロモフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(2",6"−ジメチル
−4"−ブロモフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
(アルコキシ基を有する単量体の例)
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(2"−メトキシフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(4"−メトキシフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(5"−メチル−2"−
メトキシフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(2"−メチル−4"−
メトキシフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(3"−イソプロポキシフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(2",4"−ジメトキ
シフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(4"−クロロ−2",
5"−ジメトキシフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(5"−クロロ−2",
4"−ジメトキシフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(4"−エトキシフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(2",5"−ジエトキ
シフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(2",4"−ジエトキ
シフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
(アリーロキシ基を有する単量体の例)
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(4"−フェノキシフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−[4"−(2",6"−ジ
メチルフェノキシ)−フェニル]−スクシンイミド
Figure 2005350544
(エステル基を有する単量体の例)
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(4"−メトキシカルボニルフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(4"−エトキシカルボニルフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(4"−イソプロポキシカルボニルフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(4"−n−プロポキシ
カルボニルフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(4"−n−ブトキシカ
ルボニルフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(2"−メチル−5"−
メトキシカルボニルフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(2"−メチル−3"−
メトキシカルボニルフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(2"−メトキシ−5"
−メトキシカルボニルフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(4"−メトキシ−3"
−メトキシカルボニルフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−[2"−メチル−5"−(2"'−エチルヘキシルオキシ)カルボニルフェニル]−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(2"−クロロ−5"−n−ドデシルオキシカルボニルフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(2"−メトキシ−4"
−メトキシカルボニルフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(2"−エトキシカルボニルフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(4"−クロロ−2"−
メトキシカルボニルフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(4",5"−ジメトキ
シ−2"−メトキシカルボニルフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(3",5"−ジメトキ
シカルボニルフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
(多環式芳香族基を有する単量体の例)
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(2"−メトキシ−5"
−ビフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(4"−ビフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(2"−ビフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(3"−ビフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(2"−メトキシ−ジベンゾフラン−3"−イル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(9"H−フルオレン−9"−イル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(9"H−フルオレン−2"−イル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(1"−ナフチル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
(その他の極性基を有する単量体の例)
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(4"−シアノフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(2"−メチル−4"−
ニトロフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(4"−ニトロフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
(a=1の例)
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−8−ドデセン−3−スピロ−2'−N−(2"−メトキシフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−8−ドデセン−3−スピロ−2'−N−(2",4"−ジメトキシフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−8−ドデセン−3−スピロ−2'−N−(2",5"−ジエトキシフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−8−ドデセン−3−スピロ−2'−N−(4"−エトキシカルボニルフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−8−ドデセン−3−スピロ−2'−N−(4"−イソプロポキシカルボニルフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−8−ドデセン−3−スピロ−2'−N−(2"−メトキシ−5"−メトキシカルボニルフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−8−ドデセン−3−スピロ−2'−N−(2"−メチル−5"−メトキシカルボニルフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−8−ドデセン−3−スピロ−2'−N−(4"−フェノキシフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−8−ドデセン−3−スピロ−2'−N−[
4"−(2",6"−ジメチルフェノキシ)−フェニル)]−スクシンイミド
Figure 2005350544
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−8−ドデセン−3−スピロ−2'−N−(1"−ナフチル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−8−ドデセン−3−スピロ−2'−N−(4"−ビフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−8−ドデセン−3−スピロ−2'−N−(2"−ビフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−8−ドデセン−3−スピロ−2'−N−(3"−ビフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−8−ドデセン−3−スピロ−2'−N−(4"−メトキシ−3"−ビフェニル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−8−ドデセン−3−スピロ−2'−N−(2"−メトキシ−ジベンゾフラン−3"−イル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−8−ドデセン−3−スピロ−2'−N−(9"H−フルオレン−9"−イル)−スクシンイミド
Figure 2005350544
(b=1の例)
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−3'−N−(4"−メトキシフェニル)−グルタルイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−3'−N−(2",4"−ジメトキ
シフェニル)−グルタルイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−3'−N−(2"−メトキシ−5"
−メトキシカルボニルフェニル)−グルタルイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−3'−N−(2"−メチル−5"−
メトキシカルボニルフェニル)−グルタルイミド
Figure 2005350544
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−3'−N−(1"−ナフチル)−グルタルイミド
Figure 2005350544
これらの具体例に代表される上記単量体(1)は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。これらの単量体のうち、アルコキシ基、アリーロキシ基、エステル基、多環式芳香族基を有する単量体が特に好ましい。
単量体(2)
本発明のノルボルネン系(共)重合体の製造方法において、単量体(2)は、本発明に係るノルボルネン系(共)重合体を構成する構造単位(2)の前駆体となるものである。このため、前記一般式(4)で表される単量体(2)において、R24〜R33およびf,g,h,iは、本発明に係るノルボルネン系(共)重合体の構造単位(2)を示す前記一般式(3)の説明において詳述したとおりである。
したがって、上記一般式(4)で表される単量体(2)のうち、得られる重合体の溶解性および他種の基材との密着性・接着性等のバランスを良好とすることができることから、上記一般式(4)中のR30〜R33のうち少なくとも一つが、式:−(CH2nCOOR34(ここで、R34は炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、nは0〜10の整数である
。)で表される基である単量体が好ましい。
上記R34で表される炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基が挙げられる。中でも好ましくは、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基およびフェニル基であり、特に好ましくは、メチル基およびエチル基である。
以下に、上記式:−(CH2nCOOR34で表される基を有する単量体を含め、単量体(2)の具体例を以下に示すが、これらの具体例に限定されるものではない。
・ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・トリシクロ[5.2.1.02,6 ]−8−デセン、
・トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ−3,8−ジエン、
・テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
・2,10−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
・2,9−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
・ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、
・ペンタシクロ[7.4.0.12,5.18,11.07,12]−3−ペンタデセン、
・トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、
・7−メチルトリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、
・5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・1−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・7−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−メチル−5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−メチル−5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン

・8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン

・8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ド
デセン、
・8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ド
デセン、
・8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデ
セン、
・8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、
・8−(1−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8−(2−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
・8−(4−フェニルフェノキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン、
・8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン、
・8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
]−3−ドデセン、
・8−メチル−8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
−3−ドデセン、
・8−メチル−8−(1−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8−メチル−8−(2−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、
・8−メチル−8−(4−フェニルフェノキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.
2,5.17,10]−3−ドデセン、
・ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ヘキサデセン、
・ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]−4−エイ
コセン、
・ヘプタシクロ[8.8.0.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ヘン
エイコセン、
・5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−フェニル−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8−フェニル−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、
・5−n-ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−n-ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−シクロヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−(3−シクロヘキセニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−n-オクチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−n-デシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−イソプロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−(1−ナフチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−(1−ナフチル)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−(2−ナフチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−(2−ナフチル)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−(ビフェニル−4−イル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−(ビフェニル−4−イル)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−アミノメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−トリメトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−トリエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−トリn-プロポキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−トリn-ブトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−クロロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
・8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン

・8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、
・8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン、
・8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン、
・8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、
・8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−
ドデセン、
・8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
・8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン。
これらの中でも、5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ−3,8−ジエン、5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンが安価かつ容易に入手できる点で好ましい。更に上記式:−(CH2nCOOR34で表される基を有する単量体としては、その製造が容易であることから、5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メトキシカルボニ
ルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−エト
キシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エト
キシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチ
ル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−
ドデセン、8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[
4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−フェノキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−フェノキシカルボニ
ルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンが好ましい。
更に得られるノルボルネン系開環(共)重合体の耐熱性を向上させることができることから、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
]−3−ドデセン、8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
]−3−ドデセン、8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−イソプロポキシカル
ボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−
n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンが
特に好ましい。
上記単量体(2)は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
その他の単量体
本発明のノルボルネン系開環共重合体の製造方法では、上記単量体(1)および必要に応じて用いられる上記単量体(2)以外に、本発明の目的を損なわない範囲で共重合可能なその他の単量体を使用してもよい。このような共重合可能な単量体としては、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロオクテン、シクロドデセン等の環状オレフィン;1,4−シクロオクタジエン、シクロドデカトリエン等の非共役環状ポリエンが挙げられる。前記共重合可能な単量体は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
また、上記開環(共)重合を、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−非共役ジエン重合体、単量体(1)および単量体(2)以外のノルボルネン系単量体の開環(共)重合体の未水素添加物の存在下で行ってもよい。
単量体の使用割合等
本発明に係るノルボルネン系開環(共)重合体は、上述したように、上記単量体(1)の1種の単独重合体(およびその水素添加物)であっても、また、他の単量体との共重合体(およびその水素添加物)であっても差し支えない。上記単量体(1)の2種以上の組
合せを開環(共)重合させる場合には、特にその量比には制限がない。
本発明のノルボルネン系開環(共)重合体が、単量体(1)、単量体(2)等との共重合体である場合に、これらの単量体の使用割合、即ち、共重合比は、得られる共重合体が、所望の複屈折の絶対値の大きさおよび/または複屈折(または位相差)の波長分散性を
示すように、必要に応じて適切に調整されるものであり、全単量体に対して単量体(1)の占める割合が通常2モル%以上であり、より好ましくは5モル%以上、更に好ましくは10モル%以上とするのがよい。前記単量体(1)の占める割合が2モル%以上であれば、本発明のノルボルネン系開環(共)重合体の複屈折の絶対値の大きさや波長分散性等の光学特性を容易に発現させることができる。
なお、単量体(1)および単量体(2)以外の共重合可能な単量体も使用する場合には、得られる共重合体の複屈折の絶対値の大きさや複屈折(または位相差)の波長分散性を容易に調整することができることから、全単量体に対して前記共重合可能な単量体の占める割合が50モル%以下とすることが好ましく、30モル%以下とすることがより好ましく、更に20モル%以下とすることが特に好ましい。
重合
以下、本発明のノルボルネン系開環(共)重合体の製造方法における重合条件をさらに説明する。
・開環重合触媒:
本発明に用いられる開環重合用の触媒としては、例えば、
(I)Olefin Metathesis and Metathesis Polymerization (K.J.IVIN, J.C.MOL, Acad
emic Press 1997)に記載されている触媒が好ましく用いられる。このような触媒としては、例えば、(a):W、Mo、Re、VおよびTiの化合物から選ばれた少なくとも1種と、(b):アルカリ金属元素(例えばLi、Na、K)、アルカリ土類金属元素(例えば、Mg、Ca)
、第12族元素(例えば、Zn、Cd、Hg)、第13族元素(例えば、B、Al)、第14族元
素(Si、Sn、Pb)などの化合物であって、少なくとも1つの当該元素−炭素結合あるいは当該元素−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも1種との組合せからなるメタセ
シス重合触媒が挙げられる。この触媒は、触媒活性を高めるために、後述の添加剤(c)
が添加されたものであってもよい。
上記(a)成分として適当なW、Mo、Re、VおよびTiの化合物の代表例としては、WCl6、MoCl5、ReOCl3、VOCl3、TiCl4などの特開平1−240517号公報に記載の化合物を挙
げることができる。これらは1種単独でも2種以上組合せても使用することができる。
上記(b)成分の具体例としては、例えば、n-C4H9Li、(C2H5)3Al、(C2H5)2AlCl、(C2H5)1.5AlCl1.5、(C2H5)AlCl2、メチルアルモキサン(MAO)、LiHなど特開平1−240517号公報に記載の化合物を挙げることができる。これらは1種単独でも2種以上組合
せても使用することができる。
上記(c)成分の添加剤としては、例えば、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類などを好適に用いることができ、さらに特開平1−240517号公報に示される化合物を使用することができる。これらは1種単独でも2種以上組合せても使用するこ
とができる。
上記(a)成分等を組み合わせてなるメタセシス触媒の使用量としては、上記(a)成分と、全単量体(単量体(1)、単量体(2)および他の共重合可能な単量体。以下、同じ)との、「(a)成分:全単量体」のモル比が、通常1:500〜1:500,000
となる範囲、好ましくは1:1000〜1:100,000となる範囲である。更に、上
記(a)成分と(b)成分との割合は、「(a):(b)」の金属原子(モル)比が、通常、1:1〜1:50、好ましくは1:2〜1:30の範囲である。このメタセシス触媒に上記(c)添加剤を添加する場合、(a)成分と(c)成分との割合は、「(c):(a)」のモル比が、通常0.005:1〜15:1、好ましくは0.05:1〜7:1の範囲である。
また、その他の触媒として、
(II)周期表第4族〜第8族の遷移金属−カルベン錯体やメタラシクロブタン錯体などからなるメタセシス触媒を用いることができる。上記触媒(II)の具体例としては、W(=N-2,6-C6H3iPr2)(=CHtBu)(OtBu)2、Mo(=N-2,6-C6H3iPr2)(=CHtBu)(OtBu)2、Ru
(=CHCH=CPh2)(PPh32Cl2、Ru(=CHPh)(PC6H112Cl2などが挙げられる。これらは
1種単独でも2種以上組合せても使用することができる。
上記触媒(II)の使用量は、「触媒(II):全単量体」のモル比が、通常、1:50〜1:50,000となる範囲、好ましくは1:100〜1:10,000となる範囲である。なお、上記触媒(I)と(II)とを組み合わせて用いても差し支えない。
・分子量調整剤
開環(共)重合体の分子量の調整は重合温度、触媒の種類、溶媒の種類などを調整することによっても行うことができるが、本発明においては、分子量調節剤を反応系に共存させることにより調整することが好ましい。分子量調節剤としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィン類およびスチレン、4−ビニルビフェニル、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレンなどのビニル芳香族化合物が好ましく、これ
らのうち、1−ブテン、1−ヘキセンが特に好ましい。これらの分子量調節剤は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。分子量調節剤の使用量は、全単量体1モルに当たり、通常、0.001〜0.6モル、好ましくは0.02〜0.5モルである。
・開環(共)重合反応用溶媒
開環(共)重合反応において用いられる溶媒(すなわち、単量体、メタセシス触媒、分子量調節剤等を溶解する溶媒)としては、たとえば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオ
クタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素;クロロブタン、ブロムヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどのハロゲン化アルカン;クロロベンゼンなどのハロゲン化アリール ;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチルなどの飽和カルボン酸エステル類;ジメトキシエタン、ジブチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類が挙げられ、これらのうち、芳香族炭化水素が好ましい。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせて使用することができる。この開環(共)重合反応用溶媒の使用量は、「溶媒:全単量体」の重合比が、通常、1:1〜20:1となる量であり、好ましくは1:1〜10:1となる量であり、特に好ましくは1:1〜5:1となる量である。
水素添加反応
上記開環(共)重合により得られるノルボルネン系開環(共)重合体は、構造単位(1)中のXと、場合により有する構造単位(2)中のYとが、式:−CH=CH−で表されるオレフィン性不飽和基の構造を有するものである。この開環(共)重合体は、そのまま使用することができる。
前記開環(共)重合体の耐熱安定性をより向上させ、更に同(共)重合体を成形体に加工する際に発生する焼け・ゲルを低減し、得られる成形体の耐候性を高めるために、上記オレフィン性不飽和基を水素添加して、式:−CH2CH2−で表される基に変換させ、水素添加された開環(共)重合体(水素添加物)として得る事が好ましい。ただし、本発明でいう水素添加物とは、上記オレフィン性不飽和基が水素添加されたものに限られ、前記開環(共)重合体に含まれている、単量体(1)、単量体(2)等の構造に由来するベンゼン環等の芳香環骨格中の環内共役二重結合は、実質的に水素添加されていないものであることが特に好ましい。
なお、水素添加率(即ち、開環(共)重合体が構造単位(1)を有し構造単位(2)を有しない場合にはXが、また開環(共)重合体が構造単位(1)と構造単位(2)とを有する場合にはXとYとが、式:−CH2CH2−で表される基に変換される割合)は、複数存在する上記Xの、もしくはXおよびYの合計の40モル%以上、好ましくは60モル%以上、更に好ましくは90モル%以上である。この水素添加率が高いほど、高温条件下における着色や劣化の発生が抑制され、また得られる成形体に強靭性が付与されるので好ましい。
水素添加反応は、上記芳香環骨格中の環内共役二重結合が実質的に水素添加されない条件で実施される必要がある。例えば、開環(共)重合体の溶液に水素添加触媒を添加し、これに、通常、常圧〜30MPa、好ましくは3〜20MPaの水素ガスを加えて、通常、0〜220℃、好ましくは20〜200℃で反応させることによって行われる。
水素添加反応触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水素添加反応に用いられるものを使用することができ、不均一系触媒および均一系触媒が公知である。不均一触媒としては、例えば、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属触媒物質をカーボン、シリカ、アルミナ、チタニアなどの担体に担持させた固体触媒が挙げられる。均一系触媒としては、例えば、ナフテン酸ニッケル/トリエチルアルミニウム、ニッ
ケル(II) アセチルアセテート/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバ
ルト/n-ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムなどが挙げられる。これらの触媒の形態は粉末状でも粒状でもよい。また、この水素添加反
応触媒は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
これらの水素添加反応触媒は、上記芳香環骨格中の環内共役二重結合が実質的に水素添加されないようにするために、その添加量を調整する必要があり、「開環(共)重合体:水素添加反応触媒」の重量比が、通常、1:1×10-6〜1:2となる割合で使用される。
本発明に係るノルボルネン系開環(共)重合体またはその水素添加物のウッベローデ型粘度計、クロロホルム中で測定される固有粘度[η]は、通常、0.2〜5.0、好ましくは0.3〜4.0、さらに好ましくは0.35〜2.0である。また、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC;テトラヒドロフラン溶媒、ポリスチレン換算)による分子量の測定では、前記開環(共)重合体の数平均分子量(Mn)は、通常、1000〜50万、好ましくは2000〜30万、さらに好ましくは5000〜25万であり、重量平均分子量(Mw)が通常5000〜200万、好ましくは1万〜100万、さらに好ましく
は2万〜50万である。
上記固有粘度[η]が0.2未満であるか、数平均分子量(Mn)が1000未満であるか、或いは、重量平均分子量(Mw)が5000未満であると、本発明のノルボルネン系開環(共)重合体から得られる成形物の強度が著しく低下する場合がある。一方、固有粘度[
η]が5.0以上であるか、数平均分子量(Mn)が50万以上であるか、或いは、重量
平均分子量(Mw)が200万以上であると、前記開環(共)重合体の溶融粘度または溶液粘度が高くなりすぎて、所望の成形品を得ることが困難になる場合がある。
本発明のノルボルネン系開環(共)重合体には、公知の各種添加剤を添加することができる。この添加剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、
2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−ブ
チルヒドロキノン、ペンタエリスリトール・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、オクタデシル・3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、
3,3',3'',5,5',5''−ヘキサ−t−ブチル−a,a',a''−(メシチレン−2,
4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール等のフェノール系、ヒドロキノン系酸化防止剤
;トリス(4−メトキシ−3,5−ジフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等のリン系酸
化防止剤が挙げられる。これらの酸化防止剤の1種または2種以上を添加することにより、開環(共)重合体の耐酸化劣化性を向上することができる。また、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−
メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−[(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]]等の紫外線吸収剤を添加することによって耐光性を向上することもできる。更に、加工性を向上させる滑剤の他、必要に応じて難燃剤、抗菌剤、石油樹脂、可塑剤、着色剤、離型剤、発泡剤等の公知の添加剤を添加することができ、これらの添加剤は1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
本発明のノルボルネン系開環(共)重合体は、例えば、単量体(1)(および単量体(2))が有する置換基の構造・種類、共重合組成比等を適切に設定することにより、得られる(共)重合体から得られる成形品の複屈折の絶対値や複屈折(または位相差)の波長分散性を所望の特性に調整することができる。また、本発明のノルボルネン系開環(共)重合体と公知の環状オレフィン樹脂等とを適宜配合することによっても、得られる樹脂組成物から成形された重合体成形品の複屈折値の正負、複屈折値の絶対値や複屈折(または位相差)の波長分散性を調整することができる。
<成形体>
本発明の成形体は、上述の本発明に係るノルボルネン系開環(共)重合体を成形してなる。本発明の成形体は、フィルム状、シート状、板状、レンズ状、ファイバー状などの所望の形状とし、ディスプレイ用途(位相差フィルム、拡散フィルム、波長板、液晶基板、タッチパネル用フィルム、導光板等)、光学レンズ用途、光ディスク用途(CD、MD、CD-R、DVD等)、光ファイバー用途、光学フィルム/シート用途、光半導体封止用途、プリント基板用途(硬質プリント基板、多層プリント基板等)、透明導電性フィルム基板用途等の光学用途にいずれも好ましく用いることができるが、所望の複屈折および波長分散性を有することができることから、位相差フィルムであるのが特に好ましい。
実施例
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下、特段の断りがない限り、「部」は重量部を、「%」は重量%を意味する。また、室温とは25℃である。
実施例および比較例中に記載の各種性状の測定、評価等は、以下のようにして行った。・ガラス転移温度:Tg
示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ社製、商品名:DSC6200)を用いて、昇温速度を毎分20℃とし、窒素気流下でガラス転移温度(Tg)を測定した。
・重量平均分子量および分子量分布
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、東ソー株式会社製、商品名:HLC−8020/カラム4本:東ソー株式会社製、商品名:TSK gel G7000HxL, TSK gel GMHxL, TSK gel GMHxL, TSK gel G2000xL)を用い、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を用いて、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)、および分子量分布(Mw/Mn)を測定した。なお、前記(Mn)は数平均分子量である。
・単量体の紫外線(UV)吸収測定
紫外線分光光度計(日立製作所製、商品名:U−3310)を用い、単量体の0.0001mol/l THF溶液を作成し、光路長1cmの石英セル中で単量体の紫外線吸収スペクトルを測定した。得られた紫外線吸収スペクトルから、各波長における吸光係数をlog(ε/mol-1dm3cm-1)で表した数値が2.0を超える波長を求めた。
・重合体分子構造
超伝導核磁気共鳴吸収装置(NMR、Bruker社製、商品名:AVANCE500)を用い、重水素化クロロホルム中で1H−NMRを測定した。更に、赤外分光光度計(
IR、日本分光社製、商品名:FT/IR−420)を用いて、赤外線(IR)吸収スペ
クトルを測定した。得られたデータから、水素添加率の算出、分子構造の同定を行った。・位相差、複屈折評価
平滑なガラス板上に開環(共)重合体のトルエンまたは塩化メチレン溶液(濃度:約25wt.%)をキャストし、乾燥後、厚さ50〜200μm、残留溶媒1.0wt.%以下の透明なフィルムを作成した。得られたキャストフィルムを恒温槽付き引張試験機(インストロン社製、MODEL5567型)を使用して、Tg+10℃の温度にて2.1倍に1軸延伸した
。この延伸フィルムをレターデーション測定器(王子計測社製、商品名:KOBRA21DH)を用いて、400〜800nmの波長範囲における位相差(Re)を連続的に測定した。
測定波長:400nm,550nm,800nmにおける位相差の値(それぞれ、順に、Re400,Re550
,Re800とする)を求めた。次に、Re550をフィルム厚さ(d)で除して、測定波長:550nmにおける複屈折の値(Δn550)を求めた。
また、Re400/Re550の比の値、およびRe800/Re550の比の値を求めた。更に、(Re400/Re550)の値と(Re800/Re550)の値との差を算出し、その絶対値の値(|(Re800/Re550)-(Re400/Re550)|)を求めた。
上記Δn550(×10-4)、Re400/Re550、Re800/Re550、および、|(Re800/Re550)-(Re400/Re550)|の値を表1に示す。
合成例1
<下記構造式(A)で表されるビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(4"−イソプロポキシカルボニルフェニル)−スクシンイミドの合成>
Figure 2005350544
Figure 2005350544
上記構造式(B)で表されるビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2"−コハク酸無水物100g(0.56mol)を入れたフラスコを窒素置換した後、3
00mlのトルエンを加えて前述の無水物を完全に溶解させた。これに4−イソプロポキシカルボニルアニリン200ml(0.56mol)を滴下ロートにて徐々に滴下し、滴下終了後、室温で1時間攪拌することによって該当するアミド酸化合物を定量的に得た。
次に、真空乾燥させた前述のアミド酸化合物62g(0.174mol)を入れたフラスコを窒素置換した後、これにトルエン700mlを加え、50℃に加温した。これに臭化亜鉛39g(0.174mol)を一気に加え、更に80℃まで加熱した。この溶液に1,
1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン41.9g(0.259mol)を滴下ロー
トにて徐々に滴下し、100〜120℃にて8時間激しく攪拌した。反応後、沈殿物を濾過し、濾液を濃縮したものをシリカゲル−塩化メチレンを使用してカラム精製を行った。カラム精製後、更にメタノールで再結晶を行い、液クロ純度99.8%、白色固体の構造式(A)で表されるビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−(
4"−イソプロポキシカルボニルフェニル)−スクシンイミド35.7g(収率60.5
%)を得た。上記構造式(A)で表される単量体は波長290nmにおいて吸光係数をlog(ε/mol-1dm3cm-1)で表した数値が2.15であった。
上記合成例1で得たビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−2'−N−
(4"−イソプロポキシカルボニルフェニル)−スクシンイミド7.0g(0.0206mol)、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
−3−ドデセン3.0g(0.0129mol)、分子量調節剤の1−ヘキセン0.17
ml、およびトルエン23mlを窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加熱した。
これにトリエチルアルミニウムのトルエン溶液(0.6mol/l)0.09ml、メタノール変性WCl6 のトルエン溶液(0.025mol/l)0.27mlを加え、80℃で3時間反応させることにより開環共重合体溶液を得た。得られた開環共重合体の重量平均分子量(Mw)は21.0×104であり、分子量分布(Mw/Mn)は4.24で
あった。
次いで得られた開環共重合体溶液をオートクレーブに入れ、さらにトルエンを477ml加えた。水素添加触媒であるRuHCl(CO)(PPh33を50mg添加した後、水素ガス圧を9.5−10MPaとし、160−165℃にて3時間反応を行った。反応終了後、多量のメタノール溶液に再沈殿させることにより開環共重合体の水素添加物を得た。得られた開環共重合体の水素添加物は、重量平均分子量(Mw)=24.6×104、分子量分布(Mw/Mn)=4.51、固有粘度[η]=1.07、ガラス転移温度(Tg)=164℃であった。得られた開環共重合体の水素添加物の1H−NMRスペクトル
を図1に、赤外吸収(IR)スペクトルを図2にそれぞれ示す。NMR測定の結果、この水素添加物の水素添加率は97.4%であり、一方、前記水素添加反応前の開環共重合体に含まれていたベンゼン環等の芳香環骨格中の環内共役二重結合が、反応後に水素添加されずに残存している割合は100%であった。また、1H−NMRスペクトルから算出し
た共重合体中の芳香族スピロイミドユニットの共重合含量は43.4wt.%であった。
得られた開環共重合体の水素添加物から、溶液キャスト法(溶媒:塩化メチレン)により厚さ100μm、溶媒残量0.5%以下の無色透明なキャストフィルムを得た。次いで、得られたフィルムを174℃(Tg+10℃)にて2.1倍に一軸延伸して、評価サンプルとして用いる延伸フィルムを得た。得られた延伸フィルムの光学特性評価結果を表1に示した。
比較例1
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン50g(0.215mol)、分子量調節剤の1−ヘキセン5.4mlおよ
びトルエン100gを窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加熱した。これにトリエチルアルミニウム(0.6モル/l)のトルエン溶液0.07ml、メタノール変性WCl6のトルエン溶液(0.025モル/l)0.22mlを加え、80℃で3時間反応さ
せることにより重合体を得た。次いで、実施例1と同様にして水素添加反応を行い、対応する水素添加物を得た。得られた開環重合体の水素添加物は、重量平均分子量(Mw)=5.6×104、分子量分布(Mw/Mn)=3.20、ガラス転移温度(Tg)=167℃であった。1H−NMR測定の結果、この水素添加物の水素添加率は99.6%であった。
得られた開環重合体の水素添加物から、溶液キャスト法(溶媒:塩化メチレン)により厚さ80μm、溶媒残量0.5%以下の無色透明なキャストフィルムを得た。次いで、得られたフィルムを177℃(Tg+10℃)にて2.1倍に一軸延伸して、評価サンプルとして用いる延伸フィルムを得た。得られた延伸フィルムの光学特性評価結果を表1に示した。
Figure 2005350544
上記表1から明らかなように、実施例1で得られた開環共重合体の延伸フィルムは、比較例1で得られたものに比べ、小さな複屈折値を示し、表1に記載の数値から見て、本発明の開環共重合体の延伸フィルムの複屈折の絶対値の大きさは、上記式(1−1)および式(1−2)で表される芳香族基の構造の選択および共重合組成により調整できることが明らかであり、本発明によって延伸フィルムなどの成形品に要求される所望の複屈折値を発現する材料、特に低複屈折材料を提供できる。
次に、400nmにおける位相差(Re400)ならびに800nmにおける位相差(Re800)と550nmにおける位相差(Re550)の比(それぞれRe400/Re550、Re800/Re550:550nmを基準とした場合の位相差の波長分散性を表す)の差の絶対値および図3において延伸フィルムの波長分散の大きさを評価すると、実施例で得られた開環共重合体の延伸フィルムは比較例で得られた開環重合体の延伸フィルムに比べ、大きな波長分散性を示すことが明らかである。本発明の開環(共)重合体の延伸フィルムの波長分散の大きさは、上記式(1−1)および式(1−2)で表される芳香族基の構造および共重合組成により調整できることが明らかであり、本発明によって延伸フィルムなどの成形品に要求される所望の複屈折(または位相差)の波長分散性を発現する材料を提供することができる。
図1は、実施例1で得た開環共重合体水素添加物の1H−NMRスペクトルを示す。 図2は、実施例1で得た開環共重合体水素添加物のIRスペクトルを示す。 図3は、実施例1および比較例1で得た延伸フィルムの波長分散性を比較するグラフである。

Claims (14)

  1. 下記一般式(1)で表される構造単位(1)を有することを特徴とするノルボルネン系開環(共)重合体;
    Figure 2005350544
    (式(1)中、aは0〜2の整数であり、bは1〜3の整数であり、
    Xは式:−CH=CH−で表される基または式:−CH2CH2−で表される基であり、
    1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、硫黄原子、もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;および極性基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表し、
    5は下記一般式(1−1)または(1−2)で表される基を表す。)
    Figure 2005350544
    (式(1−1)中、R6〜R14は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子
    、窒素原子、イオウ原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;および極性基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表し、
    cおよびdは、それぞれ独立に0〜3の整数である。
    ただし、c=d=0の場合は、R7とR10および/またはR10とR14は、相互に結合して
    、単環または多環の炭素環または複素環を形成するか、または、R6、R7、R10、R13、R14の少なくとも1つが、ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、硫黄原子、もしくはケイ素原子の少なくとも1つ以上の原子を含む連結基を有する置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;および極性基よりなる群から選ばれる原子もしくは基である。)
    Figure 2005350544
    (式(1−2)中、R15〜R23は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、イオウ原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;および極性基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表し、
    eは0〜5の整数である。)。
  2. 複数存在する前記一般式(1)中のXの40モル%以上が、−CH2CH2−で表される基であることを特徴とする請求項1に記載のノルボルネン系開環(共)重合体。
  3. 前記構造単位(1)の前駆体となる、下記一般式(2)で表される単量体が、紫外線吸収スペクトルにおいて、吸光係数をlog(ε/mol-1dm3cm-1)で表した数値が
    2.0以上となる波長を、280nmよりも長波長領域に有することを特徴とする請求項1または2に記載のノルボルネン系開環(共)重合体;
    Figure 2005350544
    (式(2)中、R1〜R5およびa,bは、前記一般式(1)と同様である。)。
  4. 前記一般式(2)で表され、紫外線吸収スペクトルにおいて、吸光係数をlog(ε/mol-1dm3cm-1)で表した数値が2.0以上となる波長を、280nmよりも長波
    長領域に有する単量体を含むモノマーを、開環(共)重合して得られることを特徴とするノルボルネン系(共)重合体。
  5. 前記式(1−1)において、c=d=0であって、R6〜R14の少なくとも1つが、酸素原子を含む連結基を有する置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基および/またはアリール基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のノルボルネ
    ン系開環(共)重合体。
  6. 前記式(1−1)において、1≦c+d≦4を満たすことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のノルボルネン系開環(共)重合体。
  7. さらに、下記一般式(3)で表される構造単位(3)を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のノルボルネン系開環共重合体;
    Figure 2005350544
    (式(3)中、R24〜R33は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、イオウ原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;および極性基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表し、
    30とR31、および/またはR32とR33は、一体化してイミド基を除く炭化水素基を形成してもよく、
    30またはR31と、R32またはR33とは、相互に結合して、単環または多環の炭素環または複素環を形成してもよく、
    fおよびgは、それぞれ独立に0または1であり、
    hおよびiは、それぞれ独立に0〜2の整数であり、
    Yは式:−CH=CH−で表される基または式:−CH2CH2−で表される基である。)。
  8. 前記一般式(1)中のXおよび前記一般式(3)中のYの合計の、40モル%以上が−CH2CH2−で表される基であることを特徴とする請求項7に記載のノルボルネン系開環共重合体。
  9. 構造単位(3)の割合が、全構造単位中98モル%以下であることを特徴とする請求項7または8に記載のノルボルネン系開環共重合体。
  10. 前記一般式(3)において、h=0であり、iが0または1であり、かつ、
    30〜R33のうち少なくとも一つが、式:−(CH2nCOOR34(式中、R34は炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、nは0〜10の整数である。)で表される基であることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載のノルボルネン系開環共重合体。
  11. 下記一般式(2)で表される単量体を含むモノマーを、開環(共)重合することを特徴とするノルボルネン系開環(共)重合体の製造方法;
    Figure 2005350544
    (式(2)中、R1〜R5およびa、bは、前記一般式(1)と同様である。)。
  12. 上記一般式(2)で表される単量体が、紫外線吸収スペクトルにおいて、吸光係数をlog(ε/mol-1dm3cm-1)で表した数値が2.0以上となる波長を、280nm
    よりも長波長領域に有することを特徴とする請求項11に記載のノルボルネン系開環(共)重合体の製造方法。
  13. 前記モノマーが、さらに、下記一般式(4)で表される単量体を含むことを特徴とする請求項11または12に記載のノルボルネン系開環共重合体の製造方法;
    Figure 2005350544
    (式(4)中、R24〜R33およびf、g、h、iは、前記一般式(3)と同様である。)。
  14. 請求項1〜10のいずれかに記載のノルボルネン系開環(共)重合体を成形してなることを特徴とする成形品。
JP2004171629A 2004-06-09 2004-06-09 ノルボルネン系開環(共)重合体、その製造方法および成形品 Expired - Fee Related JP4356527B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004171629A JP4356527B2 (ja) 2004-06-09 2004-06-09 ノルボルネン系開環(共)重合体、その製造方法および成形品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004171629A JP4356527B2 (ja) 2004-06-09 2004-06-09 ノルボルネン系開環(共)重合体、その製造方法および成形品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005350544A true JP2005350544A (ja) 2005-12-22
JP4356527B2 JP4356527B2 (ja) 2009-11-04

Family

ID=35585286

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004171629A Expired - Fee Related JP4356527B2 (ja) 2004-06-09 2004-06-09 ノルボルネン系開環(共)重合体、その製造方法および成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4356527B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114829446A (zh) * 2020-02-27 2022-07-29 日本瑞翁株式会社 环状烯烃开环共聚物、绝缘材料用组合物、以及绝缘材料

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114829446A (zh) * 2020-02-27 2022-07-29 日本瑞翁株式会社 环状烯烃开环共聚物、绝缘材料用组合物、以及绝缘材料

Also Published As

Publication number Publication date
JP4356527B2 (ja) 2009-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100726920B1 (ko) 노르보르넨계 유도체, 노르보르넨계 개환 (공)중합체 및상기 개환 (공)중합체의 제조 방법
JP4356528B2 (ja) ノルボルネン系開環(共)重合体およびその製造方法
JP5391514B2 (ja) 環状オレフィン系共重合体およびその製造方法ならびに用途
US7230058B2 (en) Ring-opened polynorbornenes
KR20070111460A (ko) 열가소성 수지 조성물 및 이를 포함하는 광학 필름
JP5266733B2 (ja) 樹脂組成物およびそれからなるフィルムならびにその用途
JP4356527B2 (ja) ノルボルネン系開環(共)重合体、その製造方法および成形品
JP5304244B2 (ja) 環状オレフィン系開環共重合体およびその用途
JP4148107B2 (ja) ノルボルネン系開環重合体
JP4352776B2 (ja) 光学用フィルムおよびその用途
JP4395732B2 (ja) ノルボルネン系開環重合体
JP2008231318A (ja) 樹脂組成物、光学フィルム、位相差フィルムおよび液晶表示装置
JP5080878B2 (ja) 位相差フィルム及びそれを用いた液晶表示装置
JP5217150B2 (ja) 樹脂組成物およびその用途
JP5494718B2 (ja) 環状オレフィン系共重合体およびその用途
JP4356532B2 (ja) ノルボルネン系開環重合体の製造方法、およびその成形品の位相差の波長分散性の調整方法
JP2008069358A (ja) 光学フィルム
JP4193672B2 (ja) ノルボルネン系樹脂及びその製造方法
JP4356516B2 (ja) ノルボルネン系開環重合体
JP2007204731A (ja) 環状オレフィン系開環共重合体、環状オレフィン系開環共重合体からなる光学部品、フィルムおよびその用途
JP2005263995A (ja) ノルボルネン系開環重合体
JP2009096815A (ja) 樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061120

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090303

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090410

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090714

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090727

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120814

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4356527

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120814

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120814

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130814

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees