JP2005350520A - 接着シート及びその製造方法、並びに、半導体装置の製造方法及び半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 プリカット加工が施されており、剥離基材からの接着層、粘着層及び基材フィルムの剥離不良を十分に抑制することが可能な接着シートを提供すること。
【解決手段】 剥離基材、接着層、粘着層及び基材フィルムが順次積層された構成を有する接着シートであって、前記接着層は、所定の第1の平面形状を有し、且つ、前記剥離基材上に部分的に形成されており、前記剥離基材には、前記第1の平面形状の周縁に沿って、前記接着層に接する側の面から第1の切り込み部が形成されており、前記第1の切り込み部の切り込み深さは、前記剥離基材の厚さ未満であり、且つ、25μm以下であることを特徴とする接着シート。
【選択図】 図1
【解決手段】 剥離基材、接着層、粘着層及び基材フィルムが順次積層された構成を有する接着シートであって、前記接着層は、所定の第1の平面形状を有し、且つ、前記剥離基材上に部分的に形成されており、前記剥離基材には、前記第1の平面形状の周縁に沿って、前記接着層に接する側の面から第1の切り込み部が形成されており、前記第1の切り込み部の切り込み深さは、前記剥離基材の厚さ未満であり、且つ、25μm以下であることを特徴とする接着シート。
【選択図】 図1
Description
本発明は、接着シート及びその製造方法、並びに、半導体装置の製造方法及び半導体装置に関する。
近年、モバイル関連機器の多機能化及び軽量小型化の要求が急速に高まりつつある。これに伴い、半導体素子の高密度実装に対するニーズは年々強まり、特に半導体素子を積層するスタックドマルチチップパッケージ(以下「スタックドMCP」という)の開発がその中心を担っている。
スタックドMCPの技術開発は、パッケージの小型化と多段積載という相反する目標の両立にある。そのため、特に半導体素子に使用されるシリコンウェハの厚さは薄膜化が急速に進み、ウェハ厚さ100μm以下のものが積極的に使用、検討されている。また多段積載は、パッケージ作製工程の複雑化を引き起こすため、パッケージ作製工程の簡素化及び、多段積載によるワイヤーボンディングの熱履歴回数の増加に対応した作製プロセス、材料の提案が求められている。
このような状況の中、スタックドMCPの接着部材としては従来からペースト材料が用いられてきた。しかし、ペースト材料では、半導体素子の接着プロセスにおいて樹脂のはみ出しが生じたり、膜厚精度が低いといった問題がある。これらの問題は、ワイヤーボンディング時の不具合発生やペースト剤のボイド発生などの原因となるため、ペースト材料を用いた場合では、上述の要求に対処しきれなくなってきている。
こうした問題を改善するために、近年、ペースト材料に代えてフィルム状の接着剤が使用される傾向にある。フィルム状の接着剤はペースト材料と比較して、半導体素子の接着プロセスにおけるはみ出し量を少なく制御することが可能であり、且つ、フィルムの膜厚精度を高めて、膜厚のばらつきを小さくすることが可能であることから、特にスタックドMCPへの適用が積極的に検討されている。
このフィルム状接着剤は、通常、接着層が剥離基材上に形成された構成を有しており、その代表的な使用方法の一つにウェハ裏面貼付け方式がある。ウェハ裏面貼り付け方式とは、半導体素子の作製に用いられるシリコンウェハの裏面にフィルム状接着剤を直接貼付ける方法である。この方法では、半導体ウェハに対するフィルム状接着剤の貼付けを行った後、剥離基材を除去し、接着層上にダイシングテープを貼り付ける。その後、ウェハリングに装着させて所望の半導体素子寸法にウェハを接着層ごと切削加工する。ダイシング後の半導体素子は裏面に同じ寸法に切り出された接着層を有する構造となっており、この接着層付きの半導体素子をピックアップして搭載されるべき基板に熱圧着等の方法で貼り付ける。
この裏面貼付け方式に用いられるダイシングテープは、通常、粘着層が基材フィルム上に形成された構成を有しており、感圧型ダイシングテープとUV型ダイシングテープとの2種類に大別される。ダイシングテープに要求される機能としては、ダイシング時には、ウェハ切断に伴う負荷によって半導体素子が飛散しない十分な粘着力が求められ、ダイシングした各半導体素子をピックアップする際には、各素子への粘着剤残りが無く、接着層付きの半導体素子がダイボンダー設備で容易にピックアップできることが求められる。
また、パッケージ作製工程の短縮化の要望から、更にプロセス改善の要求が高まっている。従来のウェハ裏面貼付け方式ではウェハへフィルム状接着剤を貼付けた後、ダイシングテープを貼付けるという2つの工程が必要であったことから、このプロセスを簡略化するために、フィルム状接着剤とダイシングテープとの両方の機能を併せ持つ接着シート(ダイボンドダイシングシート)が開発されている。この接着シートとしては、フィルム状接着剤とダイシングテープとを貼り合わせた構造を持つ積層タイプ(例えば、特許文献1〜3参照)や、一つの樹脂層で粘着層と接着層との両方の機能を兼ね備えた単層タイプ(例えば、特許文献4参照)がある。
また、このような接着シートを、半導体素子を構成するウェハの形状にあらかじめ加工しておく方法(いわゆるプリカット加工)が知られている(例えば特許文献5、6)。かかるプリカット加工は、使用されるウェハの形状に合わせて樹脂層を打ち抜き、ウェハを貼り付ける部分以外の樹脂層を剥離しておく方法である。
かかるプリカット加工を施す場合、積層タイプの接着シートは一般的に、フィルム状接着剤において接着層をウェハ形状に合わせてプリカット加工し、それとダイシングテープとを貼り合わせた後、このダイシングテープに対してウェハリング形状に合わせたプリカット加工を施すか、又は、あらかじめウェハリング形状にプリカット加工したダイシングテープを、プリカット加工したフィルム状接着剤と貼り合わせることによって作製される。
また、単層タイプの接着シートは一般的に、剥離基材上に接着層と粘着層の両方の機能を有する樹脂層(以下、「粘接着層」という)を形成し、この粘接着層に対してプリカット加工を行い、樹脂層の不要部分を除去した後に基材フィルムと貼り合わせる等の方法により作製される。
特許第3348923号公報
特開平10−335271号公報
特許第2678655号公報
特公平7−15087号公報
実公平6−18383号公報
登録実用新案3021645号公報
接着フィルムのプリカット加工は、例えば、図9に示す方法により行われる。図9(a)〜(c)は積層タイプの接着シートに対してプリカット加工を行う一連の工程図である。図9に示すように、まず、剥離基材12及び接着層14からなるフィルム状接着剤と、基材フィルム24及び粘着層22からなるダイシングテープとを貼り合わせてプリカット前の接着シートを作製する(図9(a))。次に、所望形状に応じたプリカット刃Cを、基材フィルム24の表面F24から、剥離基材12に達するまで進入させてカット作業を行う(図9(b))。その後、接着層14、粘着層22及び剥離フィルム24の不要部分を除去することで、プリカット加工を完了する(図9(c))。なお、単層タイプの接着シートの場合も、接着層14及び粘着層22の代わりに、この両方の機能を有する粘接着層を用いる以外は上記と同様の方法でプリカット加工が行われる。しかし、上記のプリカット加工時において、プリカット刃Cが剥離基材12に到達していないとカット加工が不十分となり、不要部分の剥離作業時に必要部分も剥離されるといった不具合を生じる。このようなカット不良を回避するために、プリカット刃Cの進入量は、接着層14と剥離基材12との界面よりも深く設定されていた。
ところが、このようにプリカット刃Cの進入量を深く設定してプリカット加工を行った接着シートでは、図10に示すように、接着層14や粘着層22が剥離基材12の切り込み部Dに噛み込まれ、剥離基材12と接着層14との界面がシールされてしまうことを本発明者らは見出した。そして、この状態で接着シートをウェハにラミネートしようとした場合、剥離基材12から接着層14を剥離することが困難となり、剥離不良が生じやすくなることを本発明者らは見出した。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、プリカット加工が施されており、剥離基材からの接着層、粘着層及び基材フィルムの剥離不良を十分に抑制することが可能な接着シート及びその製造方法、並びに、上記接着シートを用いた半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、剥離基材、接着層、粘着層及び基材フィルムが順次積層された構成を有する接着シートであって、上記接着層は、所定の第1の平面形状を有し、且つ、上記剥離基材上に部分的に形成されており、上記剥離基材には、上記第1の平面形状の周縁に沿って、上記接着層に接する側の面から第1の切り込み部が形成されており、上記第1の切り込み部の切り込み深さは、上記剥離基材の厚さ未満であり、且つ、25μm以下であることを特徴とする接着シートを提供する。
ここで、本発明における切り込み深さは、剥離基材に形成された切り込み部の剥離基材の厚さ方向の深さを電子顕微鏡による断面観察により任意に10点測定し、これを平均した値を意味する。
かかる接着シートは、上述したプリカット加工が施された接着シートである。そして、かかる接着シートにおいては、剥離基材における第1の切り込み部の切り込み深さが上記範囲であることにより、接着層や粘着層が第1の切り込み部へ噛み込まれることを十分に抑制することができる。そのため、剥離基材と接着層との界面がシールされることがなく、剥離基材からの接着層、粘着層及び基材フィルムの剥離が容易となって剥離不良の発生を十分に抑制することができる。
また、上記接着シートは、上記剥離基材の厚さをa(μm)、上記第1の切り込み部の切り込み深さをd1(μm)として、(d1/a)の値が下記式(1)の条件を満たしていることが好ましい。
0<(d1/a)≦0.7 (1)
0<(d1/a)≦0.7 (1)
これにより、接着層や粘着層が第1の切り込み部へ噛み込まれることをより十分に抑制することができ、剥離不良の発生をより十分に抑制することができる。
また、上記接着シートにおいて、上記粘着層は、上記接着層を覆い、且つ、上記接着層の周囲で上記剥離基材に接するように積層されていることが好ましい。そして、このように粘着層が積層された接着シートにおいて、上記粘着層及び上記基材フィルムは、所定の第2の平面形状を有し、且つ、上記剥離基材に対して部分的に形成されており、上記剥離基材には、上記第2の平面形状の周縁に沿って、上記粘着層に接する側の面から第2の切り込み部が形成されており、上記第2の切り込み部の切り込み深さは、上記剥離基材の厚さ未満であり、且つ、25μm以下であることが好ましい。
かかる接着シートは、接着層に対してプリカット加工が施されているとともに、この接着層を被覆するように積層された粘着層及び基材フィルムに対しても別個にプリカット加工が施されている。そして、かかる接着シートにおいては、剥離基材における第2の切り込み部の切り込み深さが上記範囲であることにより、粘着層が第2の切り込み部へ噛み込まれることを十分に抑制することができる。そのため、剥離基材と粘着層との界面がシールされることがなく、剥離基材からの粘着層及び基材フィルムの剥離が容易となって剥離不良の発生を十分に抑制することができる。
また、上記接着シートは、上記剥離基材の厚さをa(μm)、上記第2の切り込み部の切り込み深さをd2(μm)として、(d2/a)の値が下記式(2)の条件を満たしていることが好ましい。
0<(d2/a)≦0.7 (2)
0<(d2/a)≦0.7 (2)
これにより、粘着層が第2の切り込み部へ噛み込まれることをより十分に抑制することができ、剥離不良の発生をより十分に抑制することができる。
また、上記接着シートにおいて、上記接着層は、上記剥離基材を剥離した後に上記接着層を貼り付けるべき被着体の平面形状に合致する平面形状を有していることが好ましい。
上記被着体としては、例えば半導体ウェハが挙げられるが、この半導体ウェハの平面形状に合致する平面形状を接着層が有していることにより、半導体ウェハをダイシングする工程が容易となる傾向がある。なお、接着層の平面形状は、半導体ウェハの平面形状に完全に一致している必要はなく、例えば、半導体ウェハの平面形状よりもやや大きい平面形状であってもよい。
更に、上記接着シートにおいて、上記粘着層は、上記剥離基材を剥離した後に上記粘着層を貼り付けるべき被着体及び上記接着層に対して室温で粘着力を有することが好ましい。
これにより、半導体ウェハをダイシングする際に半導体ウェハが十分に固定され、ダイシングが容易となる。また、半導体ウェハをダイシングする際にウェハリングを用い、このウェハリングに粘着層が密着するように接着シートの貼り付けを行った場合、ウェハリングへの粘着力が十分に得られてダイシングが容易となる。
また、上記粘着層は、高エネルギー線の照射により上記接着層に対する粘着力が低下することが好ましい。
これにより、接着層と粘着層とを剥離する際において、放射線等の高エネルギー線を照射することにより、剥離が容易に可能となる。
本発明はまた、剥離基材、接着層、粘着層及び基材フィルムが順次積層された構成を有する接着シートの製造方法であって、上記剥離基材上に、上記接着層、上記粘着層及び上記基材フィルムを順次積層する第1の積層工程と、上記基材フィルムの上記粘着層に接する側と反対側の面から上記剥離基材に達するまで切り込みを入れ、上記接着層、上記粘着層及び上記基材フィルムを所定の平面形状に切断するとともに、上記剥離基材に第1の切り込み部を形成する第1の切断工程と、を含み、上記第1の切断工程において、上記第1の切り込み部の切り込み深さが、上記剥離基材の厚さ未満であり、且つ、25μm以下となるように切り込みを入れることを特徴とする接着シートの製造方法を提供する。
かかる接着シートの製造方法においては、プリカット加工を施すとともに、そのプリカット加工により剥離基材に形成する第1の切り込み部の切り込み深さが上記範囲となるようにしているため、得られた接着シートは、剥離不良の発生を十分に抑制することが可能となる。
また、上記第1の切断工程において、上記剥離基材の厚さをa(μm)、上記第1の切り込み部の切り込み深さをd1(μm)として、(d1/a)の値が下記式(1)の条件を満たすように切り込みを入れることが好ましい。
0<(d1/a)≦0.7 (1)
0<(d1/a)≦0.7 (1)
これにより、剥離不良の発生をより十分に抑制することが可能な接着シートを得ることができる。
本発明は更に、剥離基材、接着層、粘着層及び基材フィルムが順次積層された構成を有する接着シートの製造方法であって、上記剥離基材上に、上記接着層を積層する第2の積層工程と、上記接着層の上記剥離基材に接する側と反対側の面から上記剥離基材に達するまで切り込みを入れ、上記接着層を所定の第1の平面形状に切断するとともに、上記剥離基材に第1の切り込み部を形成する第2の切断工程と、上記接着層上に、上記粘着層及び上記基材フィルムを順次積層する第3の積層工程と、を含み、上記第2の切断工程において、上記第1の切り込み部の切り込み深さが、上記剥離基材の厚さ未満であり、且つ、25μm以下となるように切り込みを入れることを特徴とする接着シートの製造方法を提供する。
かかる接着シートの製造方法においても、プリカット加工を施すとともに、そのプリカット加工により剥離基材に形成する第1の切り込み部の切り込み深さが上記範囲となるようにしているため、得られた接着シートは、剥離不良の発生を十分に抑制することが可能となる。
また、上記第2の切断工程において、上記剥離基材の厚さをa(μm)、上記第1の切り込み部の切り込み深さをd1(μm)として、(d1/a)の値が下記式(1)の条件を満たすように切り込みを入れることが好ましい。
0<(d1/a)≦0.7 (1)
0<(d1/a)≦0.7 (1)
これにより、剥離不良の発生をより十分に抑制することが可能な接着シートを得ることができる。
また、上記接着シートの製造方法においては、上記第3の積層工程において、上記粘着層が、上記接着層を覆い、且つ、上記接着層の周囲で上記剥離基材に接するように、上記粘着層及び上記基材フィルムを積層し、上記基材フィルムの上記粘着層に接する側と反対側の面から上記剥離基材に達するまで切り込みを入れ、上記基材フィルム及び上記粘着層を所定の第2の平面形状に切断するとともに、上記剥離基材に第2の切り込み部を形成する第3の切断工程を更に含み、上記第3の切断工程において、上記第2の切り込み部の切り込み深さが、上記剥離基材の厚さ未満であり、且つ、25μm以下となるように切り込みを入れることが好ましい。
かかる接着シートの製造方法においては、プリカット加工により剥離基材に形成する第2の切り込み部の切り込み深さが上記範囲となるようにしているため、得られた接着シートは、剥離不良の発生を十分に抑制することが可能となる。
また、上記第3の切断工程において、上記剥離基材の厚さをa(μm)、上記第2の切り込み部の切り込み深さをd2(μm)として、(d2/a)の値が下記式(2)の条件を満たすように切り込みを入れることが好ましい。
0<(d2/a)≦0.7 (2)
0<(d2/a)≦0.7 (2)
これにより、剥離不良の発生をより十分に抑制することが可能な接着シートを得ることができる。
本発明はまた、上記本発明の接着シートにおいて、上記接着層、上記粘着層及び上記基材フィルムからなる積層体を上記剥離基材から剥離し、上記積層体を、上記接着層を介して半導体ウェハに貼り付けて積層体付き半導体ウェハを得る貼り付け工程と、上記積層体付き半導体ウェハをダイシングし、所定の大きさの積層体付き半導体素子を得るダイシング工程と、上記積層体の上記粘着層に高エネルギー線を照射して上記粘着層の上記接着層に対する粘着力を低下させた後、上記粘着層及び上記基材フィルムを上記接着層から剥離して接着層付き半導体素子を得る剥離工程と、上記接着層付き半導体素子を、上記接着層を介して半導体素子搭載用の支持部材に接着する接着工程と、を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法を提供する。
かかる製造方法によれば、その製造工程において本発明の接着シートを用いているため、製造過程における剥離不良の発生が十分に抑制され、半導体装置を効率的に且つ確実に製造することができる。
本発明は更に、上記本発明の半導体装置の製造方法により製造されていることを特徴とする半導体装置を提供する。
本発明によれば、プリカット加工が施されており、剥離基材からの接着層、粘着層及び基材フィルムの剥離不良を十分に抑制することが可能な接着シート及びその製造方法、並びに、上記接着シートを用いた半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
[接着シート]
(第1実施形態)
図1は、本発明の接着シートの第1実施形態を示す平面図であり、図2は、図1に示す接着シート1を図1のA1−A1線に沿って切断した場合の模式断面図である。図1及び図2に示すように、本発明の接着シート1は、剥離基材12と、接着層14と、粘着層22と、基材フィルム24とが順次積層された構成を有している。また、接着層14と、粘着層22及び基材フィルム24からなる粘着フィルム20とで構成される積層体10は、所定の平面形状に切断されており、剥離基材12上に部分的に積層されている。更に、剥離基材12には、積層体10の平面形状の周縁に沿って、接着層14に接する側の面から剥離基材12の厚み方向に第1の切り込み部D1が形成されている。
(第1実施形態)
図1は、本発明の接着シートの第1実施形態を示す平面図であり、図2は、図1に示す接着シート1を図1のA1−A1線に沿って切断した場合の模式断面図である。図1及び図2に示すように、本発明の接着シート1は、剥離基材12と、接着層14と、粘着層22と、基材フィルム24とが順次積層された構成を有している。また、接着層14と、粘着層22及び基材フィルム24からなる粘着フィルム20とで構成される積層体10は、所定の平面形状に切断されており、剥離基材12上に部分的に積層されている。更に、剥離基材12には、積層体10の平面形状の周縁に沿って、接着層14に接する側の面から剥離基材12の厚み方向に第1の切り込み部D1が形成されている。
ここで、積層体10の上記所定の平面形状とは、剥離基材12上に積層体10が部分的に積層された状態となる形状であれば特に制限されないが、半導体ウェハ等の被着体の平面形状に合致する平面形状であることが好ましく、例えば、円形、略円形、四角形、五角形、六角形、八角形、ウェハ形状(円の外周の一部が直線である形状)等の、半導体ウェハへの貼付が容易な形状であることが好ましい。これらの中でも、半導体ウェハ搭載部以外の無駄な部分を少なくするために、円形やウェハ形状が好ましい。
また、接着シート1において、剥離基材12に形成された第1の切り込み部D1の切り込み深さd1は、剥離基材12の厚さ未満となっており、且つ、25μmとなっている。
かかる接着シート1を使用する場合には、剥離基材12から積層体10が剥離され、積層体10は接着層14を介して半導体ウェハ等の被着体に貼り付けられることとなる。
以下、接着シート1を構成する各層について詳細に説明する。
剥離基材12は、接着シート1の使用時にキャリアフィルムとしての役割を果たすものであり、かかる剥離基材12としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどのポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリビニルアセテートフィルムなどのポリオレフィン系フィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリイミドフィルムなどのプラスチックフィルム等を使用することができる。また、紙、不織布、金属箔等も使用することができる。
また、剥離基材12の接着層14と接する側の面は、シリコーン系剥離剤、フッ素系剥離剤、長鎖アルキルアクリレート系剥離剤等の離型剤で表面処理されていることが好ましい。
剥離基材12の厚さは、使用時の作業性を損なわない範囲で適宜選択することができるが、10〜500μmであることが好ましく、25〜100μmであることがより好ましく、30〜50μmであることが特に好ましい。
接着層14には、半導体チップの接着(接合)に使用されている公知の熱硬化性接着剤、光硬化性接着剤、熱可塑性接着剤あるいは酸素反応性接着剤等を用いることができる。これらは、単独で用いても2種類以上を組み合わせてもよい。
上記熱可塑性接着剤としては、熱可塑性を有する樹脂、又は、少なくとも未硬化状態において熱可塑性を有し、加熱後に架橋構造を形成する樹脂を用いることができる。かかる樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルイミド樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂等が挙げられる。また、官能性モノマーを単量体単位として含む重合体を使用することもできる。この官能性モノマーの官能基としては、グリシジル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、水酸基、カルボキシル基、イソシアヌレート基、アミノ基、アミド基などが挙げられる。より具体的には、グリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートなどの官能性モノマーを単量体単位として含むグリシジル基含有(メタ)アクリル共重合体等が挙げられる。なお、本発明において、(メタ)アクリル共重合体とは、アクリル共重合体とメタクリル共重合体の両方を示す。
上記グリシジル基含有(メタ)アクリル共重合体としては、例えば、(メタ)アクリルエステル共重合体、アクリルゴム等を使用することができ、アクリルゴムがより好ましい。アクリルゴムは、アクリル酸エステルを主成分とし、主として、ブチルアクリレートとアクリロニトリル等の共重合体や、エチルアクリレートとアクリロニトリル等の共重合体等からなるゴムである。なお、グリシジル基含有(メタ)アクリル共重合体の具体例としては、例えば、ナガセケムテックス(株)製、HTR−860P−3(商品名)等が挙げられる。
グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート以外の上記官能性モノマーとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することもできる。なお、本発明において、エチル(メタ)アクリレートとは、エチルアクリレートとエチルメタクリレートの両方を示す。
上記熱硬化性接着剤としては、熱により硬化して接着作用を奏する熱硬化性の樹脂であれば特に制限されず、例えば、グリシジル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、水酸基、カルボキシル基、イソシアヌレート基、アミノ基、アミド基等の官能基を有する化合物が挙げられ、これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。より具体的には、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、熱硬化型ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂としては、硬化して接着作用を有するものであれば特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂などの二官能エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂等を使用することができる。また、多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、複素環含有エポキシ樹脂又は脂環式エポキシ樹脂など、一般に知られているものを使用することができる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
エポキシ樹脂を使用する場合には、エポキシ樹脂硬化剤を使用することが好ましい。エポキシ樹脂硬化剤としては、通常用いられている公知の硬化剤を使用することができ、例えば、アミン類、ポリアミド、酸無水物、ポリスルフィド、三フッ化ホウ素、ジシアンジアミド、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSのようなフェノール性水酸基を1分子中に2個以上有するビスフェノール類、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂又はクレゾールノボラック樹脂等のフェノール樹脂などが挙げられる。これらのエポキシ樹脂硬化剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
接着層14の厚さは、搭載基板への接着性は十分に確保しつつ、半導体ウェハへの貼り合わせ作業及び貼り合わせ後のダイシング作業に影響を及ぼさない範囲であることが望ましい。かかる観点から、接着層14の厚さは1〜300μmであることが好ましく、5〜150μmであることがより好ましく、10〜100μmであることが特に好ましい。厚さが1μm未満であると、十分なダイボンド接着力を確保することが困難となる傾向があり、300μmを超えると、ダイシング作業への影響等の不具合が生じる傾向がある。
粘着フィルム20は、基材フィルム24上に粘着層22を備えるものである。
この粘着フィルム20を構成する基材フィルム24としては、剥離基材12に用いたフィルムもしくはシートと同様のものを用いることができる。例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリビニルアセテートフィルム等のポリオレフィン系フィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリイミドフィルム等のプラスチックフィルム等が挙げられる。更に、基材フィルム24は、これらのフィルムが2層以上に積層されたものであってもよい。
また、基材フィルム24の厚さは、10〜500μmであることが好ましく、25〜100μmであることがより好ましく、30〜50μmであることが特に好ましい。
粘着フィルム20を構成する粘着層22は、紫外線や放射線等の高エネルギー線や熱によって硬化する(粘着力が低下する)ものであることが好ましく、高エネルギー線によって硬化するものであることがより好ましく、紫外線によって硬化するものであることが特に好ましい。
かかる粘着層22を構成する粘着剤としては、従来から種々のタイプが知られている。それらの中から、高エネルギー線の照射によって、接着層14に対する粘着力が低下するものを適宜選んで用いることが好ましい。
上記粘着剤としては、例えば、ジオール基を有する化合物、イソシアネート化合物、ウレタン(メタ)アクリレート化合物、ジアミン化合物、尿素メタクリレート化合物、側鎖にエチレン性不飽和基を有する高エネルギー線重合性共重合体等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
粘着層22の厚さは、1〜100μmであることが好ましく、2〜20μmであることがより好ましく、3〜10μmであることが特に好ましい。厚さが1μm未満であると、十分な粘着力を確保することが困難となる傾向があり、ダイシング時に半導体チップが飛散する恐れがあり、100μmを超えると、接着シート1全体としての厚さが厚くなり過ぎ、被着体への貼り付け作業が困難となる傾向がある。
接着シート1は、以上説明したような構成を有する剥離基材12、接着層14、粘着層22及び基材フィルム24を備えるものである。この接着シート1において、剥離基材12には、接着層14と粘着層22と基材フィルム24とからなる積層体10の平面形状の周縁に沿って、剥離基材12の接着層14に接する側の面から剥離基材12の厚み方向に第1の切り込み部D1が形成されている。
そして、この第1の切り込み部D1の切り込み深さd1は、剥離基材12の厚さ未満となっており、且つ、25μmとなっている。ここで、より良好な剥離性を得る観点から、切り込み深さd1は、15μm以下であることがより好ましく、10μm以下であることが更に好ましく、5μm以下であることが特に好ましい。このように、切り込み深さd1は0μmに近いほど好ましく、0μmより大きく0.5μm以下であることが最も好ましい。
第1の切り込み部D1の切り込み深さd1が上記範囲であることにより、接着シート1において、接着層14や粘着層22が第1の切り込み部D1へ噛み込まれることを十分に抑制することができる。そのため、剥離基材12と接着層14との界面がシールされることがなく、剥離基材12からの積層体10の剥離が容易となって、積層体10を被着体に貼り付ける際の剥離不良の発生を十分に抑制することができる。
但し、現行のプリカット装置で切り込み深さを0μmに近づける場合、装置の調整とプリカット工程の実施に多くの時間がかかり、生産効率が低下する傾向がある。したがって、生産効率と剥離不良抑制のバランスの点では、切り込み深さd1は5〜15μmであることが好ましい。
また、接着シート1は、剥離基材12の厚さをa(μm)として、(d1/a)の値が下記式(1)の条件を満たしていることが好ましい。
0<(d1/a)≦0.7 (1)
0<(d1/a)≦0.7 (1)
上記(d1/a)の値が上記式(1)の条件を満たしていることにより、接着層14や粘着層22が第1の切り込み部D1へ噛み込まれることをより十分に抑制することができ、剥離不良の発生をより十分に抑制することができる。また、かかる効果をより十分に得る観点から、上記式(1)における(d1/a)の値の上限値は、0.5であることがより好ましく、0.3であることが更に好ましく、0.25であることが特に好ましく、0.15であることが極めて好ましく、0.1であることが最も好ましい。
なお、上記切り込み深さd1は、先に述べたように、剥離基材12に形成された切り込み部D1の深さを電子顕微鏡による断面観察により任意に10点測定し、これを平均した値を意味するが、剥離不良の発生をより十分に抑制する観点から、任意に10点測定した切り込み部D1の深さの全てが上記範囲となっていることが好ましい。これは、後述する第2の切り込み部D2の切り込み深さd2についても同様である。
(第2実施形態)
図3は、本発明の接着シートの第2実施形態を示す平面図であり、図4は、図3に示す接着シート2を図3のA2−A2線に沿って切断した場合の模式断面図である。図3及び図4に示すように、本発明の接着シート2は、剥離基材12と、接着層14と、粘着層22と、基材フィルム24とが順次積層された構成を有している。また、接着層14は所定の第1の平面形状に切断されており、剥離基材12上に部分的に積層されている。そして、剥離基材12には、接着層14の第1の平面形状に沿って、接着層14に接する側の面から剥離基材12の厚み方向に第1の切り込み部D1が形成されている。また、粘着層22は、接着層14を覆い、且つ、接着層14の周囲で剥離基材12に接するように積層されている。そして、粘着層22及び基材フィルム24からなる粘着フィルム20は、所定の第2の平面形状に切断されており、剥離基材12には、粘着フィルム20の第2の平面形状の周縁に沿って、粘着層22に接する側の面から剥離基材12の厚み方向に第2の切り込み部D2が形成されている。
図3は、本発明の接着シートの第2実施形態を示す平面図であり、図4は、図3に示す接着シート2を図3のA2−A2線に沿って切断した場合の模式断面図である。図3及び図4に示すように、本発明の接着シート2は、剥離基材12と、接着層14と、粘着層22と、基材フィルム24とが順次積層された構成を有している。また、接着層14は所定の第1の平面形状に切断されており、剥離基材12上に部分的に積層されている。そして、剥離基材12には、接着層14の第1の平面形状に沿って、接着層14に接する側の面から剥離基材12の厚み方向に第1の切り込み部D1が形成されている。また、粘着層22は、接着層14を覆い、且つ、接着層14の周囲で剥離基材12に接するように積層されている。そして、粘着層22及び基材フィルム24からなる粘着フィルム20は、所定の第2の平面形状に切断されており、剥離基材12には、粘着フィルム20の第2の平面形状の周縁に沿って、粘着層22に接する側の面から剥離基材12の厚み方向に第2の切り込み部D2が形成されている。
かかる接着シート2において、剥離基材12に形成された第1の切り込み部D1の切り込み深さd1、及び、第2の切り込み部D2の切り込み深さd2は、いずれも剥離基材12の厚さ未満となっており、且つ、25μmとなっている。
ここで、より良好な剥離性を得る観点から、第1の切り込み部D1の切り込み深さd1、及び、第2の切り込み部D2の切り込み深さd2は、それぞれ15μm以下であることがより好ましく、10μm以下であることが更に好ましく、5μm以下であることが特に好ましい。このように、切り込み深さd1及びd2は0μmに近いほど好ましく、0μmより大きく0.5μm以下であることが最も好ましい。但し、生産効率と剥離不良抑制のバランスの点では、切り込み深さd1及びd2は5〜15μmであることが好ましい。
また、接着シート2は、剥離基材12の厚さをa(μm)として、(d1/a)の値が下記式(1)の条件を満たしていることが好ましい。
0<(d1/a)≦0.7 (1)
0<(d1/a)≦0.7 (1)
更に、(d2/a)の値が下記式(2)の条件を満たしていることが好ましい。
0<(d2/a)≦0.7 (2)
0<(d2/a)≦0.7 (2)
上記(d1/a)の値が上記式(1)の条件を満たしていることにより、接着層14や粘着層22が第1の切り込み部D1へ噛み込まれることをより十分に抑制することができ、剥離不良の発生をより十分に抑制することができる。また、上記(d2/a)の値が上記式(2)の条件を満たしていることにより、粘着層22が第2の切り込み部D2へ噛み込まれることをより十分に抑制することができ、剥離不良の発生をより十分に抑制することができる。これらの効果をより十分に得る観点から、上記式(1)における(d1/a)の値の上限値、及び、上記式(2)における(d2/a)の値の上限値は、0.5であることがより好ましく、0.3であることが更に好ましく、0.25であることが特に好ましく、0.15であることが極めて好ましく、0.1であることが最も好ましい。
接着シート2において、剥離基材12、接着層14、粘着層22及び基材フィルム24としては、上記第1実施形態に係る接着シート1において説明したものと同様のものを使用することができる。
かかる構成を有する接着シート2は、半導体ウェハをダイシングする際にウェハリングを用いた場合に、粘着層22をウェハリングに密着させることができ、ダイシング作業を容易に行うことができる。
また、接着シート2においては、剥離基材12における第1の切り込み部D1の切り込み深さd1、及び、第2の切り込み部D2の切り込み深さd2がそれぞれ上記範囲であることにより、接着層14が第1の切り込み部D1へ噛み込まれることを十分に抑制することができ、且つ、粘着層22が第2の切り込み部D2へ噛み込まれることを十分に抑制することができる。そのため、剥離基材12と接着層14との界面、及び、剥離基材12と粘着層22との界面がシールされることがなく、剥離基材12からの積層体10の剥離が容易となって、積層体10を被着体に貼り付ける際の剥離不良の発生を十分に抑制することができる。
(第3実施形態)
図5は、本発明の接着シートの第3実施形態を示す平面図であり、図6は、図5に示す接着シート3を図5のA3−A3線に沿って切断した場合の模式断面図である。図5及び図6に示すように、本発明の接着シート3は、剥離基材12と、接着層14と、粘着層22と、基材フィルム24とが順次積層された構成を有している。また、接着層14は所定の平面形状に切断されており、剥離基材12上に部分的に積層されている。そして、剥離基材12には、接着層14の平面形状の周縁に沿って、接着層14に接する側の面から剥離基材12の厚み方向に第1の切り込み部D1が形成されている。また、粘着層22及び基材フィルム24は、接着層14を覆い、且つ、接着層14の周囲で粘着層22が剥離基材12に接するように積層されている。
図5は、本発明の接着シートの第3実施形態を示す平面図であり、図6は、図5に示す接着シート3を図5のA3−A3線に沿って切断した場合の模式断面図である。図5及び図6に示すように、本発明の接着シート3は、剥離基材12と、接着層14と、粘着層22と、基材フィルム24とが順次積層された構成を有している。また、接着層14は所定の平面形状に切断されており、剥離基材12上に部分的に積層されている。そして、剥離基材12には、接着層14の平面形状の周縁に沿って、接着層14に接する側の面から剥離基材12の厚み方向に第1の切り込み部D1が形成されている。また、粘着層22及び基材フィルム24は、接着層14を覆い、且つ、接着層14の周囲で粘着層22が剥離基材12に接するように積層されている。
かかる接着シート3において、剥離基材12に形成された第1の切り込み部D1の切り込み深さd1は、剥離基材12の厚さ未満となっており、且つ、25μmとなっている。
ここで、より良好な剥離性を得る観点から、第1の切り込み部D1の切り込み深さd1は、15μm以下であることがより好ましく、10μm以下であることが更に好ましく、5μm以下であることが特に好ましい。このように、切り込み深さd1は0μmに近いほど好ましく、0μmより大きく0.5μm以下であることが最も好ましい。但し、生産効率と剥離不良抑制のバランスの点では、切り込み深さd1は5〜15μmであることが好ましい。
また、接着シート3は、(d1/a)の値が下記式(1)の条件を満たしていることが好ましい。
0<(d1/a)≦0.7 (1)
0<(d1/a)≦0.7 (1)
上記(d1/a)の値が上記式(1)の条件を満たしていることにより、接着層14や粘着層22が第1の切り込み部D1へ噛み込まれることをより十分に抑制することができ、剥離不良の発生をより十分に抑制することができる。また、かかる効果をより十分に得る観点から、上記式(1)における(d1/a)の値の上限値は、0.5であることがより好ましく、0.3であることが更に好ましく、0.25であることが特に好ましく、0.15であることが極めて好ましく、0.1であることが最も好ましい。
接着シート3において、剥離基材12、接着層14、粘着層22及び基材フィルム24としては、上記第1実施形態に係る接着シート1において説明したものと同様のものを使用することができる。
接着シート3においては、剥離基材12における第1の切り込み部D1の切り込み深さd1が上記範囲であることにより、接着層14が第1の切り込み部D1へ噛み込まれることを十分に抑制することができる。そのため、剥離基材12と接着層14との界面がシールされることがなく、剥離基材12からの積層体10の剥離が容易となって、積層体10を被着体に貼り付ける際の剥離不良の発生を十分に抑制することができる。
[接着シートの製造方法]
(第4実施形態)
上記第1実施形態に係る接着シート1を製造するための、第4実施形態に係る接着シート1の製造方法について説明する。
(第4実施形態)
上記第1実施形態に係る接着シート1を製造するための、第4実施形態に係る接着シート1の製造方法について説明する。
接着シート1は、剥離基材12上に、接着層14、粘着層22及び基材フィルム24を順次積層する第1の積層工程と、基材フィルム24の粘着層22に接する側と反対側の面から剥離基材12に達するまで切り込みを入れ、接着層14、粘着層22及び基材フィルム24を所定の平面形状に切断するとともに、剥離基材12に第1の切り込み部D1を形成する第1の切断工程と、を含む製造方法により製造される。
ここで、第1の切断工程においては、第1の切り込み部D1の切り込み深さd1が、剥離基材12の厚さ未満であり、且つ、25μm以下となるように切り込みを入れる。
以下、各製造工程について詳細に説明する。
第1の積層工程においては、まず、接着層14を構成する材料を溶剤に溶解又は分散して接着層形成用ワニスとし、これを剥離基材12上に塗布後、加熱により溶剤を除去して接着層14を形成する。同様に、粘着層22を構成する材料を溶剤に溶解又は分散して粘着層形成用ワニスとし、これを基材フィルム24上に塗布後、加熱により溶剤を除去して粘着フィルム20を形成する。
ここで、ワニスの調製に使用する上記溶剤としては、各構成材料を溶解又は分散することが可能なものであれば特に限定されないが、層形成時の揮発性などを考慮すると、例えば、メタノール、エタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレンなどの比較的低沸点の溶媒を使用するのが好ましい。また、塗膜性を向上させるなどの目的で、例えば、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、シクロヘキサノンなどの比較的高沸点の溶媒を使用することもできる。これらの溶媒は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。なお、ワニスを調製した後、真空脱気等によってワニス中の気泡を除去することもできる。
剥離基材12及び基材フィルム24へのワニスの塗布方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、ナイフコート法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、カーテンコート法等を用いることができる。
次に、上述のようにして剥離基材12上に接着層14を形成したもの(以下、「接着フィルム」という)と、基材フィルム24上に粘着層22を形成したもの(粘着フィルム20)とを貼り合わせる。これにより、プリカット前の接着シート(以下、「前駆体シート」という)を形成し、第1の積層工程を完了する。
ここで、接着フィルムと粘着フィルム20との貼り合わせは、従来公知の方法によって行うことができ、例えば、ラミネーター等を用いて行うことができる。
また、前駆体シートは以下の方法によっても製造することができる。すなわち、接着層形成用ワニスを剥離基材12上に塗布後、加熱により溶剤を除去して接着層14を形成した後、この接着層14上に粘着層形成用ワニスを塗布し、加熱により溶剤を除去して粘着層22を形成する方法、粘着層形成用ワニスを基材フィルム24上に塗布後、加熱により溶剤を除去して粘着層22を形成した後、この粘着層22上に接着層形成用ワニスを塗布し、加熱により溶剤を除去して接着層14を形成する方法等を採用することもできる。
第1の切断工程においては、上記のようにして作製した前駆体シートにおいて、基材フィルム24の粘着層22に接する側と反対側の面から剥離基材12に達するまで切り込みを入れ、接着層14、粘着層22及び基材フィルム24からなる積層体10を所定の平面形状に切断するとともに、剥離基材12に第1の切り込み部D1を形成する。
ここで、積層体10の切断は、所定の平面形状に応じたプリカット加工刃により行うことができる。
この第1の切断工程において、第1の切り込み部D1の切り込み深さd1が離基材12の厚さ未満であり、且つ、25μm以下となるように切り込みを入れる。なお、より良好な剥離性を有する接着シート1を得る観点から、第1の切り込み部D1の切り込み深さd1が15μm以下となるようにすることがより好ましく、10μm以下となるようにすることが更に好ましく、5μm以下となるようにすることが特に好ましい。このように、切り込み深さd1が0μmに近くなるようにするほど好ましく、0μmより大きく0.5μm以下となるようにすることが最も好ましい。但し、生産効率と剥離不良抑制のバランスの点では、切り込み深さd1は5〜15μmとなるようにすることが好ましい。
また、第1の切断工程において、剥離基材12の厚さをa(μm)として、(d1/a)の値が下記式(1)の条件を満たすように切り込みを入れることが好ましい。
0<(d1/a)≦0.7 (1)
0<(d1/a)≦0.7 (1)
これにより、剥離不良の発生をより十分に抑制することが可能な接着シート1を得ることができる。また、かかる効果をより十分に得る観点から、上記式(1)における(d1/a)の値の上限値は、0.5であることがより好ましく、0.3であることが更に好ましく、0.25であることが特に好ましく、0.15であることが極めて好ましく、0.1であることが最も好ましい。
その後、必要に応じて積層体10の不要部分を剥離除去し、接着シート1を得る。
(第5実施形態)
上記第2実施形態に係る接着シート2を製造するための、第5実施形態に係る接着シート2の製造方法について説明する。
上記第2実施形態に係る接着シート2を製造するための、第5実施形態に係る接着シート2の製造方法について説明する。
接着シート1は、剥離基材12上に、接着層14を積層する第2の積層工程と、接着層14の剥離基材12に接する側と反対側の面から剥離基材12に達するまで切り込みを入れ、接着層14を所定の第1の平面形状に切断するとともに、剥離基材12に第1の切り込み部D1を形成する第2の切断工程と、接着層14上に、粘着層22が、接着層14を覆い、且つ、接着層14の周囲で剥離基材12に接するように、粘着層22及び基材フィルム24を順次積層する第3の積層工程と、基材フィルム24の粘着層22に接する側と反対側の面から剥離基材12に達するまで切り込みを入れ、基材フィルム24及び粘着層22を所定の第2の平面形状に切断するとともに、剥離基材12に第2の切り込み部D2を形成する第3の切断工程と、を含む製造方法により製造される。
ここで、第2の切断工程においては、第1の切り込み部D1の切り込み深さd1が、剥離基材12の厚さ未満であり、且つ、25μm以下となるように切り込みを入れる。また、第3の切断工程においては、第2の切り込み部D2の切り込み深さd2が、剥離基材12の厚さ未満であり、且つ、25μm以下となるように切り込みを入れる。
以下、各製造工程について詳細に説明する。
第2の積層工程においては、接着層14を構成する材料を溶剤に溶解又は分散して接着層形成用ワニスとし、これを剥離基材12上に塗布後、加熱により溶剤を除去して接着層14を形成する。これにより接着フィルムを作製し、第2の積層工程を完了する。
第2の切断工程においては、上記のようにして作製した接着フィルムにおいて、接着層14の剥離基材12に接する側と反対側の面から剥離基材12に達するまで切り込みを入れ、接着層14を所定の第1の平面形状に切断するとともに、剥離基材12に第1の切り込み部D1を形成する。
ここで、接着層14の切断は、所定の第1の平面形状に応じたプリカット加工刃により行うことができる。
この第2の切断工程において、第1の切り込み部D1の切り込み深さd1が離基材12の厚さ未満であり、且つ、25μm以下となるように切り込みを入れる。なお、より良好な剥離性を有する接着シート2を得る観点から、第1の切り込み部D1の切り込み深さd1が15μm以下となるようにすることがより好ましく、10μm以下となるようにすることが更に好ましく、5μm以下となるようにすることが特に好ましい。このように、切り込み深さd1が0μmに近くなるようにするほど好ましく、0μmより大きく0.5μm以下となるようにすることが最も好ましい。但し、生産効率と剥離不良抑制のバランスの点では、切り込み深さd1は5〜15μmとなるようにすることが好ましい。
また、第2の切断工程において、剥離基材12の厚さをa(μm)として、(d1/a)の値が下記式(1)の条件を満たすように切り込みを入れることが好ましい。
0<(d1/a)≦0.7 (1)
0<(d1/a)≦0.7 (1)
これにより、剥離不良の発生をより十分に抑制することが可能な接着シート2を得ることができる。また、かかる効果をより十分に得る観点から、上記式(1)における(d1/a)の値の上限値は、0.5であることがより好ましく、0.3であることが更に好ましく、0.25であることが特に好ましく、0.15であることが極めて好ましく、0.1であることが最も好ましい。
その後、接着層14の不要部分を剥離除去し、接着フィルムを得る。
第3の積層工程においては、上記第2の切断工程によりプリカット加工を施した接着層14上に、粘着層22が、接着層14を覆い、且つ、接着層14の周囲で剥離基材12に接するように、粘着層22及び基材フィルム24を順次積層して前駆体シートを作製する。
積層は、例えば、基材フィルム24上に粘着層22を形成してなる粘着フィルム20をラミネーター等で貼り付ける方法や、接着層14上に粘着層形成用ワニスを塗布し、加熱により溶剤を除去して粘着層22を形成し、その上に基材フィルム24を貼り付ける方法等を採用することができる。
第3の切断工程においては、上記のようにして作製した前駆体シートにおいて、基材フィルム24の粘着層22に接する側と反対側の面から剥離基材12に達するまで切り込みを入れ、基材フィルム24及び粘着層22からなる粘着フィルム20を所定の第2の平面形状に切断するとともに、剥離基材12に第2の切り込み部D2を形成する。
ここで、粘着フィルム20の切断は、所定の第2の平面形状に応じたプリカット加工刃により行うことができる。
この第3の切断工程において、第2の切り込み部D2の切り込み深さd2が離基材12の厚さ未満であり、且つ、25μm以下となるように切り込みを入れる。なお、より良好な剥離性を有する接着シート2を得る観点から、第2の切り込み部D2の切り込み深さd2が15μm以下となるようにすることがより好ましく、10μm以下となるようにすることが更に好ましく、5μm以下となるようにすることが特に好ましい。このように、切り込み深さd2が0μmに近くなるようにするほど好ましく、0μmより大きく0.5μm以下となるようにすることが最も好ましい。但し、生産効率と剥離不良抑制のバランスの点では、切り込み深さd2は5〜15μmとなるようにすることが好ましい。
また、第3の切断工程において、剥離基材12の厚さをa(μm)として、(d1/a)の値が下記式(2)の条件を満たすように切り込みを入れることが好ましい。
0<(d2/a)≦0.7 (2)
0<(d2/a)≦0.7 (2)
これにより、剥離不良の発生をより十分に抑制することが可能な接着シート2を得ることができる。また、かかる効果をより十分に得る観点から、上記式(1)における(d1/a)の値の上限値は、0.5であることがより好ましく、0.3であることが更に好ましく、0.25であることが特に好ましく、0.15であることが極めて好ましく、0.1であることが最も好ましい。
その後、粘着フィルム20の不要部分を剥離除去し、接着シート1を得る。
以上、本発明の接着シート及び接着シートの製造方法の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、図3及び図4に示した構成を有する接着シート2において、第2の切り込み部D2が剥離基材12に設けられていない構成であってもよい。かかる構成の接着シートは、例えば、剥離基材12上に接着層14を積層して接着層14にプリカット加工を施した後、予め所定の平面形状に切断した粘着フィルム20を、粘着層22が、接着層14を覆い、且つ、接着層14の周囲で剥離基材12に接するように、貼り付けることによって作製することができる。
また、第5実施形態に係る接着シート2の製造方法において、第3の切断工程を行わなくてもよい。この場合には、粘着フィルム20に対してプリカット加工が行われていない接着シート、すなわち、図5及び図6に示した構成を有する接着シート3が得られる。
[半導体装置の製造方法]
以上説明した接着シートを用いて半導体装置を製造する方法について、図7を用いて説明する。なお、以下の説明においては、接着シートとして上記第2実施形態に係る接着シート2を用いる場合について説明する。
以上説明した接着シートを用いて半導体装置を製造する方法について、図7を用いて説明する。なお、以下の説明においては、接着シートとして上記第2実施形態に係る接着シート2を用いる場合について説明する。
図7(a)〜(c)は、接着シート2の積層体10を半導体ウェハ32に貼り付ける作業を行う一連の工程図である。図7(a)に示すように、接着シート2は、剥離基材12がキャリアフィルムの役割を果たしており、2つのロール62及び66と、楔状の部材64とに支持されながら、その一端が円柱状の巻芯44に接続された状態で巻回され第1のロール42を形成し、他端が円柱状の巻芯54に接続された状態で巻回され第2のロール52を形成している。そして、第2のロール52の巻芯54には、当該巻芯54を回転させるための巻芯駆動用モータ(図示せず)が接続されており、積層体10が剥離された後の剥離基材12が所定の速度で巻回されるようになっている。
まず、巻芯駆動用モータが回転すると、第2のロール52の巻芯54が回転し、第1のロール42の巻芯44に巻回されている接着シート2が第1のロール42の外部に引き出される。そして、引き出された接着シート2は、移動式のステージ上に配置された円板状の半導体ウェハ32及びそれを囲むように配置されたウェハリング34上に導かれる。
次に、剥離基材12から、接着層14及び粘着フィルム20からなる積層体10が剥離される。このとき、接着シート2の剥離基材12側から楔状の部材64が当てられており、剥離基材12は部材64側へ鋭角に曲げられ、剥離基材12と積層体10との間に剥離起点が作り出されることとなる。更に、剥離起点がより効率的に作り出されるように、剥離基材12と積層体10との境界面にエアーが吹き付けられている。
このようにして剥離基材12と積層体10との間に剥離起点が作り出された後、図7(b)に示すように、粘着フィルム20がウェハリング34と密着し、接着層14が半導体ウェハ32と密着するように積層体10の貼り付けが行われる。このとき、ロール68によって積層体10は半導体ウェハ32に圧着されることとなる。そして、図7(c)に示すように、半導体ウェハ32上への積層体10の貼り付けが完了し、積層体付き半導体ウェハが得られる。
以上のような手順により、半導体ウェハ32への積層体10の貼り付けを、自動化された工程で連続して行うことができる。このような半導体ウェハ32への積層体10の貼り付け作業を行う装置としては、例えば、リンテック(株)製のRAD−2500(商品名)等が挙げられる。
そして、このような工程により積層体10を半導体ウェハ32に貼り付ける場合、接着シート2を用いることにより、剥離基材12と積層体10との間の剥離起点(剥離基材12と粘着層22との間の剥離起点、及び、剥離基材12と接着層14との間の剥離起点)を容易に作り出すことができ、剥離不良の発生を十分に抑制することができる。
次に、上記の工程により得られた積層体付き半導体ウェハをダイシングし、必要な大きさの積層体付き半導体素子を得る。ここで更に、洗浄、乾燥等の工程を行ってもよい。このとき、接着層14及び粘着層22により半導体ウェハ32は積層体10に十分に粘着保持されているので、上記各工程中に半導体ウェハが脱落することが抑制される。
次に、放射線等の高エネルギー線を積層体10の粘着層22に照射し、粘着層22の一部又は大部分を重合硬化せしめる。この際、高エネルギー線照射と同時に又は照射後に、硬化反応を促進する目的で更に加熱を行っても良い。
粘着層22への高エネルギー線の照射は、基材フィルム24の粘着層22が設けられていない側の面から行う。したがって、高エネルギー線として紫外線を用いる場合には、基材フィルム24は光透過性であることが必要である。なお、高エネルギー線として電子線を用いる場合には、基材フィルム24は必ずしも光透過性である必要はない。
高エネルギー線照射後、ピックアップすべき半導体素子を、例えば吸引コレットによりピックアップする。この際、ピックアップすべき半導体素子を基材フィルム24の下面から、例えば針扞等により突き上げることもできる。粘着層22を硬化させることにより、半導体素子と接着層14との間の粘着力は、接着層14と粘着層22との間の粘着力よりも大きくなるため、半導体素子のピックアップを行うと、接着層14と粘着層22との界面で剥離が生じ、接着層14が半導体素子の下面に付着した状態の接着層付き半導体素子がピックアップされることとなる。
この接着層付き半導体素子を、接着層14を介して半導体素子搭載用の支持部材に載置し、加熱を行う。加熱により接着層14は接着力が発現し、半導体素子と半導体素子搭載用支持部材との接着が完了する。
その後、必要に応じてワイヤボンド工程や封止工程等を経て、半導体装置が製造される。
[半導体装置]
図8は、上述した半導体装置の製造方法により製造される本発明の半導体素子の一実施形態を示す模式断面図である。
図8は、上述した半導体装置の製造方法により製造される本発明の半導体素子の一実施形態を示す模式断面図である。
図8に示すように、半導体装置100は、半導体素子搭載用の支持部材となる有機基板70上に、接着層14及び半導体素子72からなる接着層付き半導体素子が2つ積層されている。また、有機基板70には、回路パターン74及び端子76が形成されており、この回路パターン74と2つの半導体素子72とが、ワイヤボンド78によってそれぞれ接続されている。そして、これらが封止材80により封止され、半導体装置100が形成されている。この半導体装置100は、上述した本発明の半導体装置の製造方法により、本発明の接着シート2を用いて製造されるものである。
以上、本発明の半導体装置の製造方法及び半導体装置の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記半導体装置の製造方法の実施形態として、接着シート2を用いる場合について説明したが、接着シートとしては、接着シート1又は接着シート3を用いてもよい。なお、接着シート3を用いる場合には、接着シート3における積層体10を半導体ウェハ32及びウェハリング34に貼り付けた後、積層体10における粘着フィルム20をウェハリング34の径に合わせて切断する。作業を行う装置としては、例えば、日東製機(株)製のPM−8500(商品名)等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(合成例1:アクリル系ポリマーの合成)
撹拌機、滴下ロート、温度計及び冷却管を備えた500mlの四つ口セパラブルフラスコに、126.0gの2−ブタノンを入れ、窒素ガスを100ml/minの流量で吹き込みながら80℃まで昇温し、約30分間保温した。その後、温度を80℃に保ちながら、この2−ブタノン中に、0.6gの2,2−アゾビス(イソブチロニトリル)を14.8gの2−ブタノン、15.0gのメタクリル酸、15.0gのメタクリル酸メチル及び70.0gのアクリル酸2−エチルヘキシルの混合液に溶解した溶液を、4時間かけて滴下し、2時間保温した後、更に0.06gの2,2−アゾビス(イソブチロニトリル)を8.5gの2−ブタノンに溶解した溶液を、30分かけて滴下し、5.5時間保温した。これにより、重量平均分子量60,000(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した値)、不揮発分40質量%のアクリル系ポリマーを得た。
撹拌機、滴下ロート、温度計及び冷却管を備えた500mlの四つ口セパラブルフラスコに、126.0gの2−ブタノンを入れ、窒素ガスを100ml/minの流量で吹き込みながら80℃まで昇温し、約30分間保温した。その後、温度を80℃に保ちながら、この2−ブタノン中に、0.6gの2,2−アゾビス(イソブチロニトリル)を14.8gの2−ブタノン、15.0gのメタクリル酸、15.0gのメタクリル酸メチル及び70.0gのアクリル酸2−エチルヘキシルの混合液に溶解した溶液を、4時間かけて滴下し、2時間保温した後、更に0.06gの2,2−アゾビス(イソブチロニトリル)を8.5gの2−ブタノンに溶解した溶液を、30分かけて滴下し、5.5時間保温した。これにより、重量平均分子量60,000(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した値)、不揮発分40質量%のアクリル系ポリマーを得た。
(製造例1:粘着フィルムの作製)
合成例1で合成したアクリル系ポリマー100質量部、NK−ESTER BPE−200(商品名、新中村化学工業(株)製)、2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)プロパン22.05質量部及び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.5質量部からなる組成物に、メチルエチルケトン100質量部を加えて撹拌混合し、真空脱気することにより粘着層形成用ワニスを調製した。この粘着層形成用ワニスを、厚さ75μmの離型処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(帝人デュポンフィルム(株)製、テイジンピューレックスS31)上に塗布し、100℃で5分間加熱乾燥を行い、厚さ10μmの粘着層を形成した。これにより、PETフィルムと粘着層とからなる粘着フィルムを得た。
合成例1で合成したアクリル系ポリマー100質量部、NK−ESTER BPE−200(商品名、新中村化学工業(株)製)、2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)プロパン22.05質量部及び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.5質量部からなる組成物に、メチルエチルケトン100質量部を加えて撹拌混合し、真空脱気することにより粘着層形成用ワニスを調製した。この粘着層形成用ワニスを、厚さ75μmの離型処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(帝人デュポンフィルム(株)製、テイジンピューレックスS31)上に塗布し、100℃で5分間加熱乾燥を行い、厚さ10μmの粘着層を形成した。これにより、PETフィルムと粘着層とからなる粘着フィルムを得た。
[実施例1]
まず、エポキシ樹脂としてYDCN−703(商品名、東都化成(株)製、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量220)60質量部、及び、硬化剤としてXLC−LL(商品名、三井化学(株)製、フェノールキシレングリコールジメチルエーテル縮合物)40質量部に、シクロヘキサノン1500質量部を加えて撹拌混合し、第1のワニスを調製した。次に、この第1のワニスに、カップリング剤としてNUC A−189(商品名、日本ユニカー(株)製、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)1質量部、及び、NCU A−1160(商品名、日本ユニカー(株)製、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン)1質量部を加え、更にR972V(商品名、日本アエロジル(株)製、シリカフィラー)を、組成物の全体積に占める割合が10体積%となるように加えて撹拌混合した後、ビーズミルにより分散処理を行うことで第2のワニスを調製した。次に、この第2のワニスに、HTR−860−P3(商品名、ナガセケムテックス(株)製、エポキシ基含有アクリル系共重合体)250質量部、及び、硬化促進剤としてキュアゾール2PZ−CN(商品名、四国化成(株)製、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール)0.5質量部を加えて撹拌混合し、接着層形成用ワニスを調整した。
まず、エポキシ樹脂としてYDCN−703(商品名、東都化成(株)製、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量220)60質量部、及び、硬化剤としてXLC−LL(商品名、三井化学(株)製、フェノールキシレングリコールジメチルエーテル縮合物)40質量部に、シクロヘキサノン1500質量部を加えて撹拌混合し、第1のワニスを調製した。次に、この第1のワニスに、カップリング剤としてNUC A−189(商品名、日本ユニカー(株)製、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)1質量部、及び、NCU A−1160(商品名、日本ユニカー(株)製、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン)1質量部を加え、更にR972V(商品名、日本アエロジル(株)製、シリカフィラー)を、組成物の全体積に占める割合が10体積%となるように加えて撹拌混合した後、ビーズミルにより分散処理を行うことで第2のワニスを調製した。次に、この第2のワニスに、HTR−860−P3(商品名、ナガセケムテックス(株)製、エポキシ基含有アクリル系共重合体)250質量部、及び、硬化促進剤としてキュアゾール2PZ−CN(商品名、四国化成(株)製、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール)0.5質量部を加えて撹拌混合し、接着層形成用ワニスを調整した。
この接着層形成用ワニスを、厚さ38μmの離型処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(帝人デュポンフィルム(株)製、テイジンピューレックスA31)上に塗布し、140℃で5分間加熱乾燥を行い、厚さ10μmのBステージ状態の接着層を形成した。これにより、PETフィルム(剥離基材)と接着層とからなる接着フィルムを得た。
得られた接着フィルムに対して、剥離基材への切り込み深さが10μm以下となるように調節してφ210mmの円形プリカット加工(第1のプリカット加工)を行った。
その後、接着層の不要部分を除去し、粘着フィルムをその粘着層が接着層と接するように、室温、線圧1kg/cm、速度0.5m/分の条件で貼付けた。そして、粘着フィルムに対して、剥離基材への切り込み深さが10μm以下となるように調節して接着層と同心円状にφ290mmの円形プリカット加工(第2のプリカット加工)を行い、実施例1の接着シートを作製した。
なお、第1のプリカット加工における剥離基材への切り込み深さを任意に10点測定したところ、いずれも10μm以下であり、その平均値(d1)は8μmであった。同様に、第2のプリカット加工における剥離基材への切り込み深さを任意に10点測定したところ、いずれも10μm以下であり、その平均値(d2)は9μmであった。これら切り込み深さの測定は、電子顕微鏡による断面観察により行った。
[実施例2]
第1及び第2のプリカット加工を、剥離基材への切り込み深さが20μm以下となるように調節して行った以外は実施例1と同様にして、実施例2の接着シートを作製した。
第1及び第2のプリカット加工を、剥離基材への切り込み深さが20μm以下となるように調節して行った以外は実施例1と同様にして、実施例2の接着シートを作製した。
なお、第1のプリカット加工における剥離基材への切り込み深さを任意に10点測定したところ、いずれも20μm以下であり、その平均値(d1)は15μmであった。同様に、第2のプリカット加工における剥離基材への切り込み深さを任意に10点測定したところ、いずれも20μm以下であり、その平均値(d2)は16μmであった。
[比較例1]
第1及び第2のプリカット加工を、剥離基材への切り込み深さが35μm以下となるように調節して行った以外は実施例1と同様にして、実施例2の接着シートを作製した。
第1及び第2のプリカット加工を、剥離基材への切り込み深さが35μm以下となるように調節して行った以外は実施例1と同様にして、実施例2の接着シートを作製した。
なお、第1のプリカット加工における剥離基材への切り込み深さを任意に10点測定したところ、いずれも25〜35μmの範囲内であり、その平均値(d1)は31μmであった。同様に、第2のプリカット加工における剥離基材への切り込み深さを任意に10点測定したところ、いずれも25〜35μmの範囲内であり、その平均値(d2)は30μmであった。
(剥離不良の評価)
実施例1〜2及び比較例1で得られた接着シートの剥離基材から、接着層及び粘着フィルムからなる積層体を剥離する際の剥離不良を以下のように評価した。まず、実施例1〜2及び比較例1の接着シート各100個(一つの剥離基材上に粘着フィルムと接着層とからなる積層体が100個形成された接着シート)を用意した。そして、リンテック(株)製のウェハマウント装置(RAD−2500)を用いて、ウェハへのラミネート試験を行った。このとき、ウェハサイズはφ8インチ(203mm)、150μm厚とし、ラミネート速度は35mm/秒とした。評価は、剥離基材から積層体が剥がれず、ウェハに貼り付けられなかった場合を剥離不良とし、試験数100個に対する剥離不良数を求めた。その結果を表1に示す。
実施例1〜2及び比較例1で得られた接着シートの剥離基材から、接着層及び粘着フィルムからなる積層体を剥離する際の剥離不良を以下のように評価した。まず、実施例1〜2及び比較例1の接着シート各100個(一つの剥離基材上に粘着フィルムと接着層とからなる積層体が100個形成された接着シート)を用意した。そして、リンテック(株)製のウェハマウント装置(RAD−2500)を用いて、ウェハへのラミネート試験を行った。このとき、ウェハサイズはφ8インチ(203mm)、150μm厚とし、ラミネート速度は35mm/秒とした。評価は、剥離基材から積層体が剥がれず、ウェハに貼り付けられなかった場合を剥離不良とし、試験数100個に対する剥離不良数を求めた。その結果を表1に示す。
表1に示した結果から明らかなように、本発明の接着シート(実施例1及び2)によれば、比較例1の接着シートに比べて、剥離不良を十分に抑制することが可能であることが確認された。
1,2,3・・・接着シート、10・・・積層体、12・・・剥離基材、14・・・接着層、20・・・粘着フィルム、22・・・粘着層、24・・・基材フィルム、32・・・半導体ウェハ、34・・・ウェハリング、36・・・ステージ、42・・・第1のロール、44・・・巻芯、52・・・第2のロール、54・・・巻芯、60・・・支持ロール、70・・・有機基板、72・・・半導体素子、74・・・回路パターン、76・・・端子、78・・・ワイヤボンド、80・・・封止材。
Claims (16)
- 剥離基材、接着層、粘着層及び基材フィルムが順次積層された構成を有する接着シートであって、
前記接着層は、所定の第1の平面形状を有し、且つ、前記剥離基材上に部分的に形成されており、
前記剥離基材には、前記第1の平面形状の周縁に沿って、前記接着層に接する側の面から第1の切り込み部が形成されており、
前記第1の切り込み部の切り込み深さは、前記剥離基材の厚さ未満であり、且つ、25μm以下であることを特徴とする接着シート。 - 前記剥離基材の厚さをa(μm)、前記第1の切り込み部の切り込み深さをd1(μm)として、(d1/a)の値が下記式(1)の条件を満たしていることを特徴とする請求項1記載の接着シート。
0<(d1/a)≦0.7 (1) - 前記粘着層は、前記接着層を覆い、且つ、前記接着層の周囲で前記剥離基材に接するように積層されていることを特徴とする請求項1又は2記載の接着シート。
- 前記粘着層及び前記基材フィルムは、所定の第2の平面形状を有し、且つ、前記剥離基材に対して部分的に形成されており、
前記剥離基材には、前記第2の平面形状の周縁に沿って、前記粘着層に接する側の面から第2の切り込み部が形成されており、
前記第2の切り込み部の切り込み深さは、前記剥離基材の厚さ未満であり、且つ、25μm以下であることを特徴とする請求項3記載の接着シート。 - 前記剥離基材の厚さをa(μm)、前記第2の切り込み部の切り込み深さをd2(μm)として、(d2/a)の値が下記式(2)の条件を満たしていることを特徴とする請求項4記載の接着シート。
0<(d2/a)≦0.7 (2) - 前記接着層は、前記剥離基材を剥離した後に前記接着層を貼り付けるべき被着体の平面形状に合致する平面形状を有していることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の接着シート。
- 前記粘着層は、前記剥離基材を剥離した後に前記粘着層を貼り付けるべき被着体及び前記接着層に対して室温で粘着力を有することを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の接着シート。
- 前記粘着層は、高エネルギー線の照射により前記接着層に対する粘着力が低下することを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の接着シート。
- 剥離基材、接着層、粘着層及び基材フィルムが順次積層された構成を有する接着シートの製造方法であって、
前記剥離基材上に、前記接着層、前記粘着層及び前記基材フィルムを順次積層する第1の積層工程と、
前記基材フィルムの前記粘着層に接する側と反対側の面から前記剥離基材に達するまで切り込みを入れ、前記接着層、前記粘着層及び前記基材フィルムを所定の平面形状に切断するとともに、前記剥離基材に第1の切り込み部を形成する第1の切断工程と、
を含み、
前記第1の切断工程において、前記第1の切り込み部の切り込み深さが、前記剥離基材の厚さ未満であり、且つ、25μm以下となるように切り込みを入れることを特徴とする接着シートの製造方法。 - 前記第1の切断工程において、前記剥離基材の厚さをa(μm)、前記第1の切り込み部の切り込み深さをd1(μm)として、(d1/a)の値が下記式(1)の条件を満たすように切り込みを入れることを特徴とする請求項9記載の接着シートの製造方法。
0<(d1/a)≦0.7 (1) - 剥離基材、接着層、粘着層及び基材フィルムが順次積層された構成を有する接着シートの製造方法であって、
前記剥離基材上に、前記接着層を積層する第2の積層工程と、
前記接着層の前記剥離基材に接する側と反対側の面から前記剥離基材に達するまで切り込みを入れ、前記接着層を所定の第1の平面形状に切断するとともに、前記剥離基材に第1の切り込み部を形成する第2の切断工程と、
前記接着層上に、前記粘着層及び前記基材フィルムを順次積層する第3の積層工程と、
を含み、
前記第2の切断工程において、前記第1の切り込み部の切り込み深さが、前記剥離基材の厚さ未満であり、且つ、25μm以下となるように切り込みを入れることを特徴とする接着シートの製造方法。 - 前記第2の切断工程において、前記剥離基材の厚さをa(μm)、前記第1の切り込み部の切り込み深さをd1(μm)として、(d1/a)の値が下記式(1)の条件を満たすように切り込みを入れることを特徴とする請求項11記載の接着シートの製造方法。
0<(d1/a)≦0.7 (1) - 前記第3の積層工程において、前記粘着層が、前記接着層を覆い、且つ、前記接着層の周囲で前記剥離基材に接するように、前記粘着層及び前記基材フィルムを積層し、
前記基材フィルムの前記粘着層に接する側と反対側の面から前記剥離基材に達するまで切り込みを入れ、前記基材フィルム及び前記粘着層を所定の第2の平面形状に切断するとともに、前記剥離基材に第2の切り込み部を形成する第3の切断工程を更に含み、
前記第3の切断工程において、前記第2の切り込み部の切り込み深さが、前記剥離基材の厚さ未満であり、且つ、25μm以下となるように切り込みを入れることを特徴とする請求項12記載の接着シートの製造方法。 - 前記第3の切断工程において、前記剥離基材の厚さをa(μm)、前記第2の切り込み部の切り込み深さをd2(μm)として、(d2/a)の値が下記式(2)の条件を満たすように切り込みを入れることを特徴とする請求項13記載の接着シートの製造方法。
0<(d2/a)≦0.7 (2) - 請求項1〜8のうちのいずれか一項に記載の接着シートにおいて、前記接着層、前記粘着層及び前記基材フィルムからなる積層体を前記剥離基材から剥離し、前記積層体を、前記接着層を介して半導体ウェハに貼り付けて積層体付き半導体ウェハを得る貼り付け工程と、
前記積層体付き半導体ウェハをダイシングし、所定の大きさの積層体付き半導体素子を得るダイシング工程と、
前記積層体の前記粘着層に高エネルギー線を照射して前記粘着層の前記接着層に対する粘着力を低下させた後、前記粘着層及び前記基材フィルムを前記接着層から剥離して接着層付き半導体素子を得る剥離工程と、
前記接着層付き半導体素子を、前記接着層を介して半導体素子搭載用の支持部材に接着する接着工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項15記載の半導体装置の製造方法により製造されていることを特徴とする半導体装置。
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