JP2005350321A - 窒化物半導体成長用基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリコン基板の上に高品質な窒化物半導体の層が形成できるようにする。
【解決手段】シリコン基板101の上に,Al23層102,AlOxy層103,AlN層104,及びAl23キャップ層105を備える。AlOxy層103は、Al23層102の側からAlN層104の側にかけて、酸素の組成比xが減少し、窒素の組成比yが増加している層である。この変化は、連続的であってもよく、段階的(非連続)であってもよい。この構成とした窒化物半導体成長用基板の上に、有機金属気相成長法によりGaN層を形成すれば、転位密度が5×108cm-2程度と、従来より得られているシリコン基板上のGaN層の1×1010cm-2に比較し、転位密度が大幅に減少して高品位な状態となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、特性のよい窒化物半導体の層が形成可能な窒化物半導体成長用基板に関するものである。
窒化物半導体は、遠赤外から紫外領域のバンドギャップを有するため、遠赤外から紫外領域での受光や発光素子用の材料として有望である。また、窒化物半導体は、原子結合力が強く、絶縁破壊電界が高く、飽和電子速度が大きいことから、耐高温・高出力・高周波トランジスタなどの電子デバイスの材料としても有望である。
窒化物半導体を用いて実用的な素子を形成するためには、窒化物半導体の薄膜を所定の基板上に形成し、所定の素子構造を形成する必要がある。しかしながら、窒化物半導体を格子整合する大きな面積を有する基板が得られていない。現状では、サファイア、炭化珪素、シリコンなど、窒化物半導体とは格子不整合が大きな材料が、基板として用いられている。この中で、シリコン基板を用いると、基板上への窒化物半導体素子構造が、低コストで製造できる可能性を有している。また、シリコン系の集積回路と窒化物半導体素子とを、同一の基板上に形成できるなど、有利な点が多くある。
しかしながら、サファイア基板や炭化珪素基板に比較し、シリコン基板の上に良質な窒化物半導体の薄膜を形成することは、次に示す理由により非常に困難である。まず、シリコンの熱膨張係数と窒化物半導体との熱膨張係数との間には大きな差がある。また、シリコンの格子定数と窒化物半導体の格子定数との間にも、差がある。加えて、窒化物半導体を気相成長するときに用いる原料ガスが、シリコンと化合物を形成しやすいため、シリコン基板の上には窒化物半導体が平坦に成長せず、高密度の欠陥が発生し、かつクラックが発生しやすい。
以上のような問題点を解消するために、シリコン基板の上に数十nmから数百nmの厚さの窒化アルミニウムの膜を緩衝層として形成し、この上に窒化物半導体を形成する技術が提案されている(非特許文献1参照)。この技術では、例えば、平坦な平面状態の窒化ガリウムの膜を、シリコン基板の上に形成することが容易になる。また、上記技術によれば、欠陥密度が低く、クラックの発生が抑制された状態で、窒化ガリウムの膜が形成されている。
非特許文献1に示された技術では、窒化アルミニウムがシリコン基板の表面に、平坦に成長しやすいという特性を利用し、上述した効果を得ている。
なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
D.M.Follstaedt, J.Han, P.Provencio, and J.G.Fleming, "MICROSTRUCTURE OF GaN FROWN ON (111)Si BY MOCVD", MRS Internet J.Nitride Semicond. Res. 4SI, G3. 72. (1999).
しかしながら、非特許文献1に記載された技術により作成した窒化ガリウムの膜においても、およそ1010cm-2という高密度の転位が発生しており、サファイア基板や炭化珪素基板の上に形成した窒化ガリウム膜に比較して、転位の密度が高い状態である。このように、現状では、シリコン基板の上へ高品質な窒化物半導体の結晶成長が非常に困難な状態である。
シリコンと窒化物半導体との大きな格子定数の差や結晶形の違いにより、シリコン基板の上に形成した窒化物半導体には高密度の欠陥が発生しやすく、これを用いた素子の特性を大きく阻害する。前述したように、従来の技術ではこの問題を解消するまでには至っていなく、いまだ、シリコン基板の上の窒化物半導体を用いた素子の実用化がなされていない。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、シリコン基板の上に高品質な窒化物半導体の層が形成できるようにすることを目的とする。
本発明に係る窒化物半導体成長用基板は、シリコン基板とこの上に形成され、所定の酸素組成比x及び所定の窒素組成比yとされた酸窒化アルミニウムからなるAlOxy層と、このAlOxy層の上に形成された窒化アルミニウムからなるAlN層とを少なくとも備えるようにしたものである。
従って、シリコン基板の上に形成されている各層間の格子定数の差が小さく、転位の発生が抑制されるようになり、AlN層においては、転位の密度の増加が抑制された状態となっている。
上記窒化物半導体成長用基板において、酸化アルミニウムからなり、シリコン基板とAlOxy層との間に形成されたAl23層を備えるようにしてもよい。
また、上記窒化物半導体成長用基板において、AlOxy層の酸素組成比xは、シリコン基板の側からAlN層の側にかけて減少し、AlOxy層の窒素組成比yは、シリコン基板の側からAlN層の側にかけて増加するようにすることで、各層間の格子定数の差がほぼない状態とすることができる。
また、本発明に係る他の窒化物半導体成長用基板は、シリコン基板とこの上に形成された酸化アルミニウムからなるAl23層と、このAl23層の上に形成された窒化アルミニウムからなるAlN層とを少なくとも備えるようにしたものである。この窒化物半導体成長用基板の上に結晶成長した窒化物半導体は、高抵抗な状態が得られる。
なお、上述した窒化物半導体成長用基板において、AlN層の上に酸化アルミニウムからなるキャップ層を備えることで、AlN層の表面における自然酸化を抑制できるようになる。
以上説明したように、本発明によれば、シリコン基板の上にAlOxy層を介してAlN層を備えておき、AlN層における転位の密度を抑制するようにしたので、シリコン基板の上に高品質な窒化物半導体の層が形成できるようになるという優れた効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態における窒化物半導体成長用基板の構成例を示す模式的な断面図である。図1に示す窒化物半導体成長用基板は、単結晶シリコンからなるシリコン基板101の上に,酸化アルミニウムからなるAl23層102,酸窒化アルミニウムからなるAlOxy層103,窒化アルミニウムからなるAlN層104,及び酸化アルミニウムからなるAl23キャップ層105を備えるようにしたものである。
AlOxy層103は、Al23層102の側からAlN層104の側にかけて、酸素の組成比xが減少し、窒素の組成比yが増加している層である。この変化は、連続的であってもよく、段階的(非連続)であってもよい。なお、Al23層102は、化学量論的組成の酸化アルミニウムから構成され、AlN層104は、化学量論的組成の窒化アルミニウムから構成されたものである。
以下、図1に示す窒化物半導体成長用基板の製造方法例について説明する。なお、以降に示す数値などは、すべて一例であり、以下に示した数値に本発明が限られるものではない。
まず、直径3インチのシリコン基板101を用意し、ECR(Electro Cyclotron Resonance)プラズマを用いた反応性スパッタ法により、ターゲットにアルミニウムを用い、反応性ガスに酸素を用い、膜厚10nm程度にAl23層102が形成された状態とする。
次に、同様の反応性スパッタ法により、反応性ガスに酸素と共に窒素を用い、供給する酸素ガスの量を変化させることで、Al23層102の上に膜厚10nm程度のAlOxy層103が形成された状態とする。
次に、上記同様の反応性スパッタ法により、反応性ガスに窒素を用い、AlOxy層103の上に膜厚10nm程度のAlN層104が形成された状態とする。
引き続いて、反応性ガスを酸素ガスとし、AlN層104の上に膜厚5nm程度のAl23キャップ層105が形成された状態とすることで、図1に示す窒化物半導体成長用基板が得られる。
上述したスパッタ法による各層の形成は、同じ装置内において、連続して行うようにしてもよい。例えば、供給する反応性ガスを、酸素から徐々に窒素へと変えるようにすることで、同じ装置内で連続して各層を形成することができる。また、各層を個別の装置で形成するようにしてもよいことは、いうまでもない。
ところで、Al23層102は、膜厚1〜200nmの範囲で形成されていればよく、より好ましくは、膜厚2〜20nm程度に形成されていればよい。また、AlOxy層103は、膜厚1〜200nmの範囲で形成されていればよく、より好ましくは、膜厚2〜70nm程度に形成されていればよい。また、AlN層104は、膜厚1〜200nmの範囲で形成されていればよく、より好ましくは、膜厚2〜50nm程度に形成されていればよい。
次に、図1に示した窒化物半導体成長用基板の上に、窒化ガリウム(GaN)の層を形成した場合について説明する。
図2の断面は、図1に示した窒化物半導体成長用基板の上に、GaN層106が形成された状態を示している。GaN層106は、例えば、以降に条件を示す有機金属気相成長法により形成できる。GaN層106は、まず、図1に示す窒化物半導体成長用基板を所定の成長炉中に搬入し、成長炉の中をアンモニア雰囲気として1000℃まで昇温し、ここにソースガスとしてトリメチルガリウムを供給する。
上述した有機金属気相成長法により、基板(Al23キャップ層105)の上に、GaN結晶が成長し、GaN層106が形成される。また、Al23キャップ層105が形成されていても、GaN層106が形成される。原子間力顕微鏡(AFM)の観察により、上記GaNの結晶成長時には、Al23キャップ層105に部分的に開口部が形成されて下層のAlN層104が露出していることが判明している。このことから、上記開口部に露出しているAlN層104より、GaNが結晶成長しているものと考えられる。
Al23キャップ層105は、GaN層106の表面に自然酸化膜が形成されることを抑制するために備えている。Al23キャップ層105を備えることで、ストイキオメトリーの乱れから発生する表面の不安定性を生じさせるAlN層104の表面の不規則な自然酸化が、防げるようになる。言い換えると、Al23キャップ層105により、AlN層104の表面に、ストイキオメトリーの乱れが無く規則的な酸化膜が形成されている状態が得られるようになる。従って、Al23キャップ層105は、必ずしも必要はなく、例えば、AlN層104の表面に自然酸化膜が形成されない状態が得られれば、Al23キャップ層105は無くてもよい。
上述したことにより図1に示す窒化物半導体成長用基板の上に形成したGaN層106は、転位密度が5×108cm-2程度となり、従来より得られているシリコン基板上のGaN層の1×1010cm-2に比較して、転位密度が大幅に減少している。
以下、図1に示す窒化物半導体成長用基板における、転位密度の低減効果について説明する。シリコンは、格子定数0.54301nmの立方晶であり、Al23は、格子定数0.4758nmの六方晶であり、AlNは、格子定数0.3112nmの六方晶であり、AlOxyは、Al23とAlNとの間の格子定数の六方晶であり、GaNは、格子定数0.3189nmの六方晶である。
従って、図1に示す窒化物半導体成長用基板では、各格子定数が、シリコン基板101>Al23層102>AlOxy層103>AlN層104となっている。
このように、図1に示す窒化物半導体成長用基板では、シリコン基板101からAlN層104にかけて、AlOxyからなる層を用いることで、各層の間で格子定数の差が小さくなるようにし、貫通転位の密度が従来に比較して小さくなるようにした。
例えば、図1に示すように、酸素の組成比xが減少して窒素の組成比yが増加しているAlOxy層103を用いるようにした。AlOxy層103は、Al23層102との界面近傍においては、ほぼ酸化アルミニウムの状態であり、AlN層104との界面においては、ほぼ窒化アルミニウムの状態である。このため、Al23層102からAlN層104にかけて、各層間の格子定数の差が、ほぼない状態となる。
なお、AlOxy層103は、所定の酸素組成比x及び所定の窒素組成比yとされていてもよいが、酸素組成比xがAlN層104の側にかけて減少し、窒素組成比yがAlN層104の側にかけて増加する状態とすることで、各層間の格子定数の差がほぼない状態が得られる。
上述したように、図1に示す窒化物半導体成長用基板によれば、シリコン基板101の上に、AlOxy層103を介してAlN層104を備えるようにしたので、転位などの欠陥が抑制されたGaN層106が形成できる。
また、図1に示す窒化物半導体成長用基板では、AlOxy層103を介してAlN層104を備えるようにしたので、反応性スパッタによりAlN層104が形成できるようになる。この結果、より高温が必要な有機金属気相成長法などを用いることなく、窒化物半導体の結晶成長を行う前に、AlNの層を用意しておくことが可能となる。
従来では、有機金属気相成長法によりGaNの層を結晶成長させる時に、前処理として、AlNの層を結晶成長させている。有機金属気相成長法によるAlNの層の成長では、基板温度を1100℃とする必要があり、GaNの結晶成長温度である1000℃より高い温度が必要となっていた。
これに対し、図1に示す窒化物半導体成長用基板を用いる場合、すでにAlNの層が存在しているので、有機金属気相成長法によりAlNの層を形成してからGaNの結晶成長を行う必要が無い。この結果、図1に示す窒化物半導体成長用基板用いることで、GaNを結晶成長する際には、GaNが結晶成長する温度にまでとすればよくなる。このことにより、例えば、基板を加熱するためのヒータの寿命を延長することができ、また、GaNの層をより短い時間で形成することが可能となる。
また、GaN層106のシート抵抗測定による絶縁性評価は、106Ω/sqr以上と、高い絶縁性が得られている。
従来より得られているシリコン基板上のGaN層の絶縁性は、103〜104Ω/sqrと低く、このGaN層の上に電界効果トランジスタを形成すると、GaN層へのリーク電流が問題となる。従って、図1に示す窒化物半導体成長用基板の上にGaN層106を形成することで、前述したように高い絶縁性が得られ、上述したリーク電流の問題も解消できるようになる。
次に、本発明の実施の形態における窒化物半導体成長用基板の他の構成例について説明する。図3は、本実施の形態における窒化物半導体成長用基板の上に、GaN層206を形成した状態を示す模式的な断面図である。図3に示す窒化物半導体成長用基板は、シリコン基板101の上に、Al23層を用いずに、AlOxy層103を介してAlN層104を形成したものである。図3に示す窒化物半導体成長用基板は、図1に示す窒化物半導体成長用基板に比較してAl23層のない点で異なり、他の構成は同様である。
図3に示す窒化物半導体成長用基板の上に形成したGaN層206は、転位密度が2×109cm-2程度となり、従来より得られているシリコン基板上のGaN層の1×1010cm-2に比較して、転位密度が大幅に減少している。ただし、図2に示したGaN層106に比較すると、転位密度は高い状態となっている。
また、GaN層206のシート抵抗測定による絶縁性評価は、5×105Ω/sqrと、従来技術によるGaN層に比較して、高い絶縁性が得られている。ただし、絶縁特性についても、GaN層106に比較すると低い状態となっている。
これらのことにより、図1,2に示したように、シリコン基板101の上に所定の厚さのAl23層を用意しておくことで、より特性のよい窒化物半導体が得られることがわかる。
次に、図1,2に示した窒化物半導体成長用基板を用いた、電界効果トランジスタの構成例について説明する。図4は、本発明の窒化物半導体成長用基板を利用して形成した、高電子移動度トランジスタの構成を概略的に示す模式的な断面図である。図4に示すトランジスタは、図1に示す窒化物半導体成長用基板の上に形成されたバッファ層となるGaN層106の上に、まず、例えば、アルミニウムとガリウムの組成比が3:7とされたアンドープのAlGaNからなる半導体層107を備える。
また、図4に示すトランジスタは、半導体層107の上に、例えばシリコンが約1018cm-3程度ドープされたn形のAlGaNからなる電子供給層108を備え、電子供給層108の上にアンドープのAlGaNからなる半導体層109を介して、ゲート電極110を備える。また、半導体層109の上において、ゲート電極110を挾むように、ソース電極111とドレイン電極112が備えられている。
ゲート電極110は、例えば、ニッケル層とこの上に形成された金層とから構成された積層構造の電極である。
また、ソース電極111及びドレイン電極112は、チタン層/アルミニウム層/チタン層/金層の順に積層して形成される。このように積層されて形成された後、加熱処理によるシンターで、ソース電極111及びドレイン電極は、半導体層107に形成されるチャネルとのオーミック接続を得ている。
図4に示すトランジスタでは、電子供給層108にドープされているドナー不純物から供給された電子が、半導体層107とGaN層106とのヘテロ接合界面のGaN層106側の近傍に蓄積してチャネルを形成している。このチャネルの厚さは非常に薄く、2次元電子チャネルと称されている。
図4に示すトランジスタの電気的特性は、ホール測定によれば、上記2次元電子チャネルにおけるキャリアの移動度が1200cm/Vsであり、シート電子濃度が1.3×1013cm-2である。これらの特性は、サファイア基板や炭化珪素基板の上に、同様のトランジスタを形成した場合とほぼ同様に良好な結果である。
高電子移動度トランジスタでは、よく知られているように、ヘテロ接合面の界面近傍における半導体層の結晶性が、上述した各特性の良否に大きく関わっている。従って、上述した特性の結果は、図4に示すトランジスタでは、ヘテロ接合面の界面近傍における半導体層の結晶性がよいことを示している。
このように、図1に示した窒化物半導体成長用基板によれば、結晶性のより窒化物半導体の層が得られる。
また、図4に示すトランジスタは、ピンチオフ状態でソース電極111とドレイン電極112との間に50Vまでの電圧を印加しても、バッファリーク電流が数μA以下と、ほとんど流れない。このような特性のトランジスタは、高出力の用途として有用である。このように、図1に示した窒化物半導体成長用基板によれば、高い絶縁性を備えた状態のバッファ層が形成できる。
ところで、図5に示す窒化物半導体成長用基板を用いることで、高い絶縁性を備えた窒化物半導体の層(バッファ層)を形成することができる。図5に示す窒化物半導体成長用基板は、単結晶シリコンからなるシリコン基板101の上に,酸化アルミニウムからなるAl23層102,窒化アルミニウムからなるAlN層104,及び酸化アルミニウムからなるAl23キャップ層105を備えるようにしたものである。Al23層102は、化学量論的組成の酸化アルミニウムから構成され、AlN層104は、化学量論的組成の窒化アルミニウムから構成されたものである。
図5に示す窒化物半導体成長用基板の上に形成したGaN層306は、シート抵抗測定による絶縁性評価が106Ω/sqr以上と、高い絶縁性が得られている。このように、シリコン基板101の上にAl23層102を介してAlN層104を形成しておくことで、高い絶縁性を持つ窒化物半導体層が得られることがわかる。ただし、GaN層306は、転位密度が5×109cm-2程度となり、従来より得られているシリコン基板上のGaN層の転位密度と同程度であり、転位密度の減小は得られていない。
なお、上述した実施の形態では、窒化物半導体としてGaNを例示したが、これに限るものではなく、AlGaNやInGaNなど、他の窒化物半導体にも同様に適用できる。また、適用可能な窒化物半導体の層においては、不純物の添加の有無や、添加された不純物によりキャリアの極性、及び半導体層の組成比には依存することなく、上述した効果が得られる。
本発明の実施の形態における窒化物半導体成長用基板の構成例を示す模式的な断面図である。 図1に示した窒化物半導体成長用基板の上に、GaN層106が形成された状態を示す模式的な断面図である。 本発明の実施の形態における他の窒化物半導体成長用基板の上に、GaN層206を形成した状態を示す模式的な断面図である。 本発明の窒化物半導体成長用基板を利用して形成した、高電子移動度トランジスタの構成を概略的に示す模式的な断面図である。 本発明の実施の形態における他の窒化物半導体成長用基板の上に、GaN層306を形成した状態を示す模式的な断面図である。
符号の説明
101…シリコン基板、102…Al23層、103…AlOxy層、104…AlN層、105…Al23キャップ層。

Claims (6)

  1. 窒化物半導体層が結晶成長により形成される窒化物半導体成長用基板であって、
    シリコン基板とこの上に形成され、所定の酸素組成比x及び所定の窒素組成比yとされた酸窒化アルミニウムからなるAlOxy層と、
    このAlOxy層の上に形成された窒化アルミニウムからなるAlN層と
    を少なくとも備える
    ことを特徴とする窒化物半導体成長用基板。
  2. 請求項1記載の窒化物半導体成長用基板において、
    酸化アルミニウムからなり、前記シリコン基板と前記AlOxy層との間に形成されたAl23
    を備えることを特徴とする窒化物半導体成長用基板。
  3. 請求項1または2記載の窒化物半導体成長用基板において、
    前記AlOxy層の酸素組成比xは、前記シリコン基板の側から前記AlN層の側にかけて減少し、
    前記AlOxy層の窒素組成比yは、前記シリコン基板の側から前記AlN層の側にかけて増加する
    ことを特徴とする窒化物半導体成長用基板。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の窒化物半導体成長用基板において、
    前記AlN層の上に形成された酸化アルミニウムからなるキャップ層を備える
    ことを特徴とする窒化物半導体成長用基板。
  5. 窒化物半導体層が結晶成長により形成される窒化物半導体成長用基板であって、
    シリコン基板とこの上に形成された酸化アルミニウムからなるAl23層と、
    このAl23層の上に形成された窒化アルミニウムからなるAlN層と
    を少なくとも備える
    ことを特徴とする窒化物半導体成長用基板。
  6. 請求項5記載の窒化物半導体成長用基板において、
    前記AlN層の上に形成された酸化アルミニウムからなるキャップ層を備える
    ことを特徴とする窒化物半導体成長用基板。
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