JP2005349727A - インクカートリッジおよびインクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高速のインクジェット記録でも、インク切れを起こすことなく安定したインク供給が行えるインクカートリッジを提供する。
【解決手段】 インクカートリッジ100の負圧発生部材収容室134と液体収容室136が隔壁138によって仕切られ、負圧発生部材収容室134は大気連通口112とインク供給口114を有し、内部に負圧発生部材132とインク保持部材170を収容している。液体収容室136はインク125をそのまま収容している。負圧発生部材収容室134と液体収容室136は隔壁138の連通部140を介してのみ連通している。負圧発生部材132の一部には、三角柱状で低毛管力のインク保持部材170が設けられ、気体導出面200が負圧発生部材132とインク保持部材170の上面の当接部に実質的に水平に位置している。インク保持部材170は液体収容室136内のインク125に接している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インクジェット記録ヘッドへ供給する液体を貯留する液体収容容器であるインクカートリッジと、そのインクカートリッジを搭載しているインクジェット記録装置に関するものである。
一般にインクジェット記録装置に用いられる液体収容容器であるインクカートリッジは、インクを吐出する記録ヘッドに対するインク供給を良好に行なうために、インクカートリッジ内に貯溜されているインクの保持力を調整する構成が設けられている。この保持力は、記録ヘッドのインク吐出部の圧力を大気に対して小さくするためのものであることから「負圧」と呼ばれており、この保持力を発生させる部材は負圧発生部材と呼ばれている。
本出願人は、特許文献1などにおいて、インクを吸収保持する負圧発生部材を用いつつ、インクカートリッジの単位体積あたりのインク収容量を増大させ、かつ安定したインク供給を実現できる、液体収容室を備えたインクカートリッジを提案している。このようなインクカートリッジの概略断面構成図を図8(a)に示している。このインクカートリッジ10の内部は、連通口(連通部)40を有する仕切り壁(隔壁)38で2つの空間に仕切られている。一方の空間は、仕切り壁38の連通口40を除いて密閉され、液体のインク25を直接保持する液体収容室36であり、他方の空間は、負圧発生部材32を収容する負圧発生部材収容室34である。負圧発生部材収容室34を形成する壁面には、インク消費に伴うインクカートリッジ10内への大気の導入を行うための大気連通部(大気連通口)12と、図示しない記録ヘッドへインクを供給するための供給口14を備えるインク供給部とが形成されている。図8において、負圧発生部材32がインクを保持している領域については斜線部で示している。なお、図8に示す例では、負圧発生部材収容室34と液体収容室36の、連通口40の近傍には、液体収容室に対して大気の導出を促進するための大気導出溝50が設けられており、大気連通部12の近傍にはリブ42が設けられて負圧発生部材32がない空間(バッファ室)44が形成されている。
このインクカートリッジ10では、不図示の記録ヘッドにインクが供給されて負圧発生部材32内のインクが消費され、図8に示す気液界面位置(図面中でインクを保持している領域を示す斜線部の最上部位置)が位置61にまで下がってくると、以後のインク消費に伴って、大気連通口12から負圧発生部材収容室34に空気が導入され、仕切り壁38の連通口40を通じて液体収容室36に入る。これに替わって、液体収容室36内のインクが、仕切り壁38の連通口40を通って負圧発生部材収容室34内に入り負圧発生部材32に充填される。このような空気とインクの移動を「気液交換動作」と称する。この気液交換動作によって、記録ヘッドによりインクが消費されても、その消費量に応じて液体収容室36内のインクが負圧発生部材収容室34内に移動して負圧発生部材32に充填される。こうして、負圧発生部材32が一定量のインクを保持する(界面61の位置を維持する)ことによって、記録ヘッドの負圧状態をほぼ一定に保つので、記録ヘッドへのインク供給が安定する。このような小型化と高使用効率とを兼ね備えたインクカートリッジは本出願人により製品化されており、現在も実用に供されている。
また、本出願人は、特許文献2において、このインクカートリッジの負圧発生部材として、熱可塑性を有するオレフィン系樹脂からなる繊維を用いているインクカートリッジを提案している。このインクカートリッジはインクの貯蔵安定性に優れるとともに、インクカートリッジ筐体と繊維体材料とが同種の材料からなるためリサイクル性にも優れている。
特許第2951818号公報 特開平8−20115号公報
近年のインクジェット記録装置は、記録速度の高速化が進み、インクカートリッジからインクジェットヘッドへの単位時間当たりのインク供給量が増えている。そのために、上述した構成の従来のインクカートリッジでは、インクの供給量が増大した状態でインク供給を続けた場合に、空気の液体収容室への供給が追いつかず、インク供給に見合うだけの空気が液体収容室へ供給できない。それによって、負圧発生部材(吸収体)内の液面(界面)が低下し、その結果、インクの記録ヘッドへの供給が間に合わず、液体収容室36内のインクが残っているにもかかわらず、インク供給が途絶えてしまうインク切れが生じる場合があった。
ここで、従来のインクカートリッジのインク切れのメカニズムについて図8を参照して説明する。図8(a)は、従来のインクジェット記録装置におけるインクタンクから、比較的少量のインクをインクジェット記録ヘッド(不図示)へ供給している時の気液交換状態を示している。この状態では、インクジェット記録ヘッドへのインク供給量が比較的少ないので、液体収容室36から導出されるインク量とそれに伴って液体収容室36へ導出される空気の量とが釣り合っている。すなわち、負圧発生部材32内の気液界面61が、大気導出溝50の上端と負圧発生部材32の当接する点51の近傍で、略一定の位置に保たれている。
それから、インクジェット記録ヘッドへのインク供給量がさらに増えると、気液交換時の空気の通り道は、大気導出溝50の上端(図8(a)に幅方向線分で示す)と負圧発生部材32の当接する部分(図8(a)に点51で示す)の一部あるいは全域のみであるため、空気のインク収容室への導出が追いつかず、増大したインク供給量に見合うだけの空気をインク収容室へ導出できない。そのため、前記した空気の通り道を通って、導出可能な空気量に見合うインクが導出されるのに加えて、負圧発生部材に保持されたインクも余分に導出される(動作A)。すなわち、図8(b)に示すように負圧発生部材32内の気液界面61が低下していく。
このような気液界面61の低下に伴って、大気導出溝50に当接している負圧発生部材32の気体導出面33の面積が広がり、空気の通り道がより広く確保され、液体収容室36へより多くの空気が導出される(動作B)。
この動作Aと動作Bが組み合わされて、インク供給量に見合う量の空気が液体収容室へ導出されるまで、気液界面61が降下して気体導出面33の面積が広がる。最終的には、インク収容室からのインク導出量とインク供給口からのインク供給量のバランスがとれた時点で、降下してきた気液界面61はその位置で安定化し、増大したインク供給量を供給し続けられる。
しかしながら、この場合、気液界面61の降下による負圧の増大も引き起こされ、インクジェット記録ヘッドへの安定した負圧によるインク供給ができなくなる。これによって、このインクジェット記録装置による記録(印字)の乱れ等が引き起こされる。また、インク供給量が従来の3倍や5倍になるなど、予想を上回るインク供給量にまで増大した場合には、気液界面61が降下し続けても、前記したようなインク導出量とインク供給量とのバランスがとれた状態に到達できず、図8(c)に示すように、気体導出面33の面積が広がる効果以上に、負圧発生部材32内の気液界面61がさらに降下し続け、ついには気液界面61がインク供給口14に達し、インク切れを引き起こすことがあった。
このように、従来のインクカートリッジは、液体収容室へ気体を導出する気体導出面33(以後、気体導出面と呼ぶ)が負圧発生部材中の気液界面に対して略垂直であった。すなわち、負圧発生部材32の毛管力勾配方向(略垂直方向)に気体導出面が開口しているため、開口面積に見合った気液交換効果(空気導出量の増加)が、十分に得られていなかった。
本発明の目的は、前記した問題に鑑みて、より高速化したインクジェット記録においても、インク切れを起こすことなく安定したインク供給が行えて、記録の乱れ等を起こすことのない、信頼性の高いインクカートリッジおよびインクジェット記録装置を提供することにある。
本発明は、記録ヘッドに液体を供給する液体供給口と大気連通口とを有し、液体を吸収保持する負圧発生部材を収容している負圧発生部材収容室と、液体を収容する液体収容室と、負圧発生部材収容室と液体収容室とを連通させる連通部を下部に有し、連通部以外の部分では負圧発生部材収容室と液体収容室とを隔離する仕切り壁とを備えたインクカートリッジであって、液体収容室は連通部を除いて実質的に密閉されており、連通部と、大気連通口および液体供給口に直接連通している負圧発生部材との間に、負圧発生部材より毛管力の低い液体保持部材が設けられており、液体保持部材の上面と負圧発生部材との当接部の少なくとも一部が、使用状態における重力方向に対して、略直交に位置する気体導出面であることを特徴とする。
この構成によると、気液交換開始直前の負圧発生部材内の気液界面と使用状態における重力方向に対して略直交に位置する気体導出面を設けていることになり、記録ヘッドへの単位時間当たりの液体供給量が増えた場合でも、負圧発生部材内の気液界面が気体導出面に達すると一気に広い気体導出面が確保され、液体の導出に見合った空気を液体収容室内へ速やかに導出することができる。従って、負圧発生部材内の気液界面を降下させ過ぎることがなく、従来のような液体切れ等を引き起こすことなく記録ヘッドへ安定した液体の供給を行うことができる。
本発明によれば、使用状態における重力方向に対して、略直交の気体導出面が設けられていることで、この気体導出面内のメニスカス力が略一定になる。従って、インク消費により、負圧発生部材内の気液界面が気体導出面に達すると、次々とメニスカスが破壊し、低毛管力の液体保持部材に存在する、従来同様に略垂直方向に位置する気体導出面も一気に大面積に広がる。こうして広い気体導出面が確保され、液体収容室内へ導出される空気の通り道が数多く確保できるので、負圧発生部材内の気液界面をほとんど降下させることなく、液体の導出に見合った大量の空気を液体収容室内へ速やかに導出することができる。したがって、従来のような液体切れ等を引き起こすことなく記録ヘッドへ安定した液体の供給を行うことができる。これにより、高速化に対応した信頼性の高いインクカートリッジおよびインクジェット記録装置を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図面において、同一の部分には同一の符号を付与している。各断面図は、インクカートリッジにおいて、負圧発生部材内のインクの消費が進み、液体収容室からのインクを消費している(気液交換している)状態を示しており、負圧発生部材内のインクを保持している領域は斜線部で示している。また、以下の説明においては、インクを例に挙げているが、インクに限ることなく、例えばインクジェット記録分野における記録媒体に対する処理液などの液体に関しても同様に適用可能である。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態のインクカートリッジの概略図であり、図1(a)は単位時間当たりのインク消費量が比較的少ない状態を示し、図1(b)は単位時間当たりのインク消費量の多い状態を示している。
(インクカートリッジの構成)
図1に示すインクカートリッジ(液体収容容器)100は、上部で大気連通口112を介して大気に連通し、下部でインク供給口114に連通しており、内部に負圧発生部材132と低毛管力のインク保持部材(液体保持部材)170を収容している負圧発生部材収容室134と、液体125を収容する液体収容室136とに、隔壁(仕切り壁)138によって仕切られている構成である。そして、負圧発生部材収容室134と液体収容室136は、インクカートリッジ100の底部付近で、隔壁138に形成された連通部140を介してのみ連通している。負圧発生部材収容室134の1つの壁をなすインクカートリッジ100の上壁部には、内部に突出する形態の複数のリブ142が一体的に成形され、負圧発生部材収容室134に圧縮状態で収容されている負圧発生部材132に当接している。このリブ142により、上壁部と負圧発生部材132の上面との間に、空間(エアバッファ室144)が形成されている。
負圧発生部材収容室134に設けられている、インク供給口114を備えたインク供給筒には、負圧発生部材132より毛管力が高くかつ物理的強度の強い圧接体146が配設され、負圧発生部材132と圧接している。
(気体導出面)
負圧発生部材132の一部には、三角柱状に形成されている低毛管力のインク保持部材170が設けられており、気体導出面200が負圧発生部材132と低毛管力のインク保持部材170の上面の当接部に、実質的に使用状態における重力方向に対して、略直交に位置している。V字型空間に配置されている三角柱状の低毛管力のインク保持部材170は、液体収容室136内のインク125に接している。なお、後述する気液交換動作時には、インク保持部材170には従来同様の略垂直方向の気体導出面も生じる。
(負圧発生部材の材質)
負圧発生部材132としては、発泡ポリウレタン等の多孔質体や繊維材料等、毛管力を有する様々な材質のものを用いることができる。特に、繊維材料は、ウレタン等の多孔質体等に比べて材料の選択自由度が大きいので、インク接液性に優れた材料を選択して負圧発生部材132を形成することができ、インクの接液安定性に優れたインクカートリッジを提供できる。また、繊維材料として、熱可塑性の樹脂やインクカートリッジ本体と同材質の材料を選択することで、リサイクル性にも優れたインクカートリッジを提供できる。この他、繊維材料に芯鞘構成の繊維材料を選択することで、繊維同士の交点を確実に固定できるので、インク保持力(毛管力)が安定し、インク保持特性、すなわち負圧特性の安定したインクカートリッジを提供することができる。本実施形態では、負圧発生部材132として、芯部がポリプロピレンからなり、鞘部がポリエチレンからなるオレフィン系樹脂の繊維材料を熱成形したものを使用している。これは、ポリプロピレンとポリエチレンの融点の違いを利用し、熱成形する時の温度を、融点の低い材料の融点と融点の高い材料の融点との間に設定する(例えばポリエチレンの融点より高く、ポリプロピレンの融点より低く設定する)ことで、融点の低い繊維材料を接着剤として利用することができ、繊維同士の交点を、相対的に融点の低い鞘部のポリエチレンを溶融させ固定することが容易にでき、上述したような優れたインクカーリッジを容易に得ることができるので、より好ましい構成である。
(気液交換動作)
負圧発生部材収容室134に収容されている負圧発生部材132は、多数の毛細管の集合体とみなすことができ、そのメニスカス力により負圧を発生させることができる。通常、インクカートリッジ100には、その使用開始直後には負圧発生部材132中に十分な量のインク125が含浸されているので、各々のみなし毛細管の水頭高さは十分高いところに位置している。
インクがインク供給口114を介して、図1(a)に概略的に示す、液体を吐出するインクジェット方式の記録ヘッド101へ供給されて消費されると、負圧発生部材収容室134の底部の圧力が低下し、各みなし毛細管の水頭高さも低下する。すなわち、インク消費に従って、負圧発生部材132の気液界面161が降下していく。さらにインクが消費されて気液界面161がより降下すると、図1(a)に示す状態になる。そして気体導出面200のメニスカスが破られる。続いて、インク保持部材170内のインクが消費されて、水平な気体導出面200だけでなく、従来同様の略垂直方向にある気体導出面も速やかにメニスカス破壊を起こす。これはインク保持力(毛管力)が弱いからである。こうして、空気の通り道が確保され、図1(a)に示す位置にて気液界面161が安定してそれ以上ほとんど降下することなく、大気が液体収容室136に導出される(ちなみに、検証時のインク保持部材170の毛管力は、負圧発生部材132より20mmAq程度低いものにて確認を行っている)。
液体収容室136に大気が導出されると、その分、液体収容室136の圧力が負圧発生部材収容室134の底部の圧力よりも高くなり、その圧力差をなくす分だけ、インク125が液体収容室136から負圧発生部材収容室134に供給される。
それから、単位時間当たりのインク消費量がさらに増加すると、本実施形態においては、使用状態における重力方向に対して、略直交に位置する気体導出面200のメニスカス力は略一定のままで、図1(b)に示すようにメニスカスが各所で次々に破壊され、インク保持部材170の部分にある、従来同様に略垂直方向に位置する気体導出面も一気に広がって大面積になる。すなわち、導出される空気の通り道が数多く確保できるので、負圧発生部材132内の気液界面161を降下させることなく、インクの導出に見合った大量の空気を液体収容室136内へ速やかに導出することができる。
また、インク供給口114を介してのインク消費量が減少したり中断されたりすると、気液界面161が上昇して気体導出面のメニスカスが再生し保持されることにより、気液交換動作が停止する。
したがって、先に述べたように気液交換動作が開始されてから、気液界面がほとんど降下することなく気液交換動作が行える。それによって、従来のようなインク切れ等を引き起こすことなく、インクジェット記録ヘッドへ安定したインクの供給を行うことができる。これにより、高速化に対応した信頼性の高いインクカートリッジおよび、インクジェット記録装置を得ることができる。
(気体導出面よりインク収容室内の液面が低下した場合)
液体収容室136内の液面が気体導出面200より下方に降下した状態で、インクの消費が停止した場合には、液体収容室136内の圧力と負圧発生部材収容室134の底部の圧力差をなくすように、インクが、液体収容室136から負圧発生部材収容室134へ移動する。インク収容室136から負圧発生部材収容室134に移動したインクは、負圧発生部材132の毛細管力によって吸い上げられて、破壊したメニスカスを再生し、液体収容室136への空気の導出を停止する。すなわち、液体収容室136内からのインクの導出が停止するので、インクカートリッジ100からインクが漏れ出してインクジェット記録ヘッドよりも大きな圧力になることはない。
(第2の実施形態)
図2は本発明の第2の実施形態の液体収容容器の概略図であり、図1と同様に、図2(a)は単位時間当たりのインク消費量の比較的少ない状態、図2(b)は単位時間当たりのインク消費量の多い状態を示している。
本実施形態の基本的な構成および動作は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。第1の実施形態と異なる点は、気体導出面200(負圧発生部材132と低毛管力のインク保持部材170上面との当接面)を形成するための低毛管力のインク保持部材170の形状である。すなわち、第1の実施形態のインク保持部材170は三角柱状であったが、本実施形態のインク保持部材170は、図2に示すように四角柱状で、負圧発生部材収容室134の底面部まで延びている。本実施形態によれば、第1の実施形態の効果を奏することができる上に、負圧発生部材132と、インク125と接しているインク保持部材170との当接部210から供給口114までの長さ(矢印にて図示)が、第1の実施形態に比べて短いので、インクジェット記録ヘッドへのインク供給時の流抵抗が、低毛管力のインク保持部材170の分だけ第1の実施形態よりも実質的に小さく、好ましい構成である。
(第3の実施形態)
図3は本発明の第3の実施形態の液体収容容器100の概略断面図であり、気液交換時の状態を示している。本実施形態の基本的な構成および動作は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。第1の実施形態と異なる点は、本実施形態の気体導出面200を形成するための低毛管力のインク保持部材170の形状である。第1の実施形態ではインク保持部材170は三角柱状であったが、本実施形態では、図3に示すように四角柱状である。低毛管力のインク保持部材170が負圧発生部材132と別部材である場合には、負圧発生部材132をインクカートリッジ100内へ挿入する際に、インク保持部材170が三角柱状である場合に比べて、四角柱状のインク保持部材170の方がずれが起こりにくく、生産性が高くなる。
(第4の実施形態)
図4は本発明の第4の実施形態の液体収容容器の概略断面図であり、気液交換時の状態を示している。本実施形態の基本的な構成および動作は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。本実施形態では、気体導出面200を横に長く形成するように、負圧発生部材132が切り欠かれている。この構成によれば、第1の実施形態の効果を奏することができる上に、仮に負圧発生部材132内の気液界面161が水平方向から傾いた状態で降下しても、気体導出面200が大面積であるので、前記した各実施例に比べて、さらに速やかに気液交換動作が開始することが可能である。
(隔壁(連通部)と気体導出面の関係)
ここで、隔壁138および連通部140と気体導出面200の関係について説明する。図5は、この断面内における隔壁138の下端部、すなわち連通部140の上端部140aの方が気体導出面200よりも高い位置にある場合の、本発明の液体収容容器100の概略断面図である。図1と同様に、図5(a)は単位時間当たりのインク消費量が比較的少ない状態、図5(b)は、単位時間当たりのインク消費量が多い状態を示している。本実施形態の基本的な構成および動作は、第1〜4の実施形態と同様であるので説明を省略する。
この構成によれば、図5(a)に示すように単位時間当たりのインク消費量が少ない状態では、気液界面161が連通部140の上端部140aに達した時点で、負圧発生部材132の、連通部140の上端部140a付近のインクと接している部分240から空気が導出される。単位時間当たりのインク消費量がさらに増えると、前記した通り、空気の通り道を広げるように、気液界面161は本実施形態の気体導出面200まで低下し、その後、前述した各実施形態と同様に、低毛管力のインク保持部材170のインクを消費して一気に気体導出面が広がり、気液界面161をそれ以上降下させることなく、気液交換を行うことができる。
図6は、気体導出面200よりも連通部140の上端部140aの方が低い位置にある場合の、本発明の液体収容容器100の概略断面図である。この構成によれば、気体導出面200を介して導出された空気は、連通部140の上端部140aに達すると液体収容室136に導出される。この構成でも、前述した各実施形態と実質的に同様の効果が得られることは言うまでもない。ただし、上端部140aの位置があまりにも低く連通部140の開口が狭いと、気体導出面200を介して出てきた空気が、開口部近辺の隔壁138に引っかかって、液体収容室136へ速やかに導出できなくなる場合があるので、連通部140はある程度大きくすることが望ましい。
(第5の実施の形態)
図7は本発明の第5の実施形態の液体収容容器の概略断面図であり、気液交換時の状態を示している。本実施形態の基本的な構成および動作は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、負圧発生部材を2つに分けた点である。すなわち、負圧発生部材収容室134には、互いに圧接する第1および第2の負圧発生部材132a,132bが収容され、第1の負圧発生部材132aの毛管力は第2の負圧発生部材132bおよびインク保持部材170の毛管力よりも高い。そして、第1および第2の負圧発生部材132a,132bの互いに圧接する界面300は、隔壁138と交差する方向に位置している。第1の負圧発生部材132aは、直接またはインク保持部材170を介して連通部140と連通するとともに、圧接部の界面300を介してのみ大気連通口112と連通可能である。第2の負圧発生部材132bは圧接部の界面300を介してのみ連通部140と連通可能である。2つの負圧発生部材132a,132bの互いに圧接する界面300は、気体導出面200よりも上方に位置している。
本実施形態によれば、インクの消費に伴って負圧発生部材132内の気液界面161が降下する過程で、第1の負圧発生部材132aの毛管力は第2の負圧発生部材132bの毛管力よりも高いので、確実に、上方の第2の負圧発生部材132bのインクが消費された後に、第1の負圧発生部材132a中のインクが消費されるので、気液界面161が第1の負圧発生部材132aと第2の負圧発生部材132bの界面300で一度使用状態における重力方向に対して、略直交となった後、気体導出面200の位置まで気液界面161が降下する。従って、前述の各実施形態に比べて、図中の破線で示した気液界面161のように、より水平に近い状態で気液交換がなされるので、より望ましい。加えて、本出願人が提案している特許第3278310号と同様に、物流時の信頼性も確保できる。
さらに、インクカートリッジ100の気液交換開始前の負圧発生部材132a,132b内の気液界面161が、2つの負圧発生部材132a,132bの圧接部の界面300で一度リセットされるので、気液交換開始時の気液界面161の位置のばらつきがより小さく抑えられ、気液交換時の負圧絶対値のさらなる安定化が期待できる。
なお、前記した第1〜5の実施形態の、低毛管力のインク保持部材170は、負圧発生部材132と一体に形成されていても、別部品として製造された後に負圧発生部材132に組み込まれたものであってもよい。そして、低毛管力のインク保持部材170は、繊維材料からなるものであっても、負圧発生部材132と別材料からなるものであっても、同様の効果が得られるのは言うまでもない。
前記した各実施形態を任意に組み合わせた構成も、本発明の範囲に含まれ、前記した効果を達成できることは言うまでもない。
本発明の第1の実施形態の液体収容容器の概略図であり、図1(a)は単位時間当たりのインク消費量が比較的少ない状態を示した図、図1(b)は単位時間当たりのインク消費量が多い状態を示した図である。 本発明の第2の実施形態の液体収容容器の概略図であり、図2(a)は単位時間当たりのインク消費量が比較的少ない状態を示した図、図2(b)は単位時間当たりのインク消費量が多い状態を示した図である。 本発明の第3の実施形態の液体収容容器の概略図である。 本発明の第4の実施形態の液体収容容器の概略図である。 本発明の液体収容容器の、気体導出面よりも連通部の上端部の位置が高い場合の概略断面図である。 本発明の液体収容容器の、気体導出面よりも連通部の上端部の位置が低い場合の概略断面図である。 本発明の第5の実施形態の液体収容容器の概略図であり、図7(a)は単位時間当たりのインク消費量が比較的少ない状態を示した図、図7(b)は単位時間当たりのインク消費量が多い状態を示した図である。 従来の液体収容容器の概略図であり、図8(a)は単位時間当たりのインク消費量が比較的少ない状態を示した図、図8(b)は単位時間当たりのインク消費量が多い状態を示した図、図8(c)は単位時間当たりのインク消費量がさらに増えた状態を示した図である。
符号の説明
100 インクカートリッジ
112 大気連通部(大気連通口)
114 インク供給口(液体供給口)
125 インク(液体)
132 負圧発生部材
132a 第1の負圧発生部材
132b 第2の負圧発生部材
134 負圧発生部材収容室
136 インク収容室(液体収容室)
138 隔壁(仕切り壁)
140 連通口(連通部)
140 上端部
142 リブ
144 バッファ室
146 圧接体
161 気液界面
170 インク保持部材(液体保持部材)
200 気体導出面
300 界面

Claims (5)

  1. 記録ヘッドに液体を供給する液体供給口と大気と連通する大気連通口とを有し、液体を吸収保持する負圧発生部材を収容している負圧発生部材収容室と、
    液体を収容する液体収容室と、
    前記負圧発生部材収容室と前記液体収容室とを連通させる連通部を下部に有し、該連通部以外の部分では前記負圧発生部材収容室と前記液体収容室とを隔離する仕切り壁とを備えたインクカートリッジであって、
    前記液体収容室は前記連通部を除いて実質的に密閉されており、
    前記連通部と、前記大気連通口および前記液体供給口に直接連通している前記負圧発生部材との間に、前記負圧発生部材より毛管力の低い液体保持部材が設けられており、
    前記液体保持部材の上面と前記負圧発生部材との当接部の少なくとも一部が、使用状態における重力方向に対して略直交となる、前記液体収容室に対して気体を導出する気体導出面であることを特徴とすることを特徴とするインクカートリッジ。
  2. 前記負圧発生部材は、互いに圧接する第1の負圧発生部材と第2の負圧発生部材とからなり、
    前記第1の負圧発生部材の毛管力は前記第2の負圧発生部材の毛管力よりも高く、
    前記第1および第2の負圧発生部材が互いに圧接する界面は、前記仕切り壁と交差する方向に位置しており、
    前記第1の負圧発生部材は、直接または前記液体保持部材を介して前記連通部と連通し、前記界面を介してのみ前記大気連通口と連通可能であり、
    前記第2の負圧発生部材は前記界面を介してのみ前記連通部と連通可能であり、
    前記第1および第2の負圧発生部材が互いに圧接する界面が、前記気体導出面の上方に位置している、請求項1に記載のインクカートリッジ。
  3. 前記連通部の上端部が、前記第1および第2の負圧発生部材の互いに圧接する界面よりも下方に位置している、請求項2に記載のインクカートリッジ。
  4. 前記負圧発生部材が繊維材料からなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクカートリッジ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクカートリッジと、前記インクカートリッジから供給される液体を吐出する記録ヘッドとを有しているインクジェット記録装置。

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