JP2005347418A - 磁気検出素子 - Google Patents

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正路 斎藤
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    • G11B5/372Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only using galvano-magnetic devices, e.g. Hall-effect devices using Hall or Hall-related effect, e.g. planar-Hall effect or pseudo-Hall effect in magnetic thin films

Abstract

【課題】 磁界検出感度の高い磁気検出素子を提供する。
【解決手段】 固定磁性層14において、前記ホイスラー合金層14c2の下に前記下地層14c1を設けることによって磁気検出素子の単位面積当りの抵抗変化量×素子面積ΔRAが大きくなる。すなわち、磁気検出素子の磁界検出感度を向上させることができる。本発明によって磁気検出素子の磁界検出感度が向上する理由は下地層14c1とホイスラー合金層14c2は前述したミスフィット率が小さいため、ホイスラー合金層14c2の結晶性あるいは規則性が向上するためであると考えられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁化方向が一方向に固定される固定磁性層と、前記固定磁性層に非磁性材料層を介して形成されたフリー磁性層を有する磁気検出素子に係り、特に、磁界検出感度を大きくすることのできる磁気検出素子に関する。
図10は従来における磁気検出素子(スピンバルブ型薄膜素子)を記録媒体との対向面と平行な方向から切断した部分断面図である。
図10に示す符号1はTaからなる下地層であり、下地層1の上にCrなどのbcc構造(体心立方構造)の金属からなるシード層2が形成されている。
シード層2の上には、フリー磁性層3、非磁性材料層4、固定磁性層5、反強磁性層6、保護層7が順次積層された多層膜Tが形成されている。
フリー磁性層3はNiFe、非磁性材料層4はCu、固定磁性層5はCoMoAlなどのホイスラー合金、反強磁性層6はPtMn、保護層7はTaによって形成されている。
反強磁性層6と固定磁性層5との界面で交換結合磁界が発生し、前記固定磁性層5の磁化はハイト方向(図示Y方向)に固定される。
フリー磁性層3の両側にはCoPtなどの硬磁性材料からなるハードバイアス層8が形成され、ハードバイアス層8の上下及び端部は絶縁層9によって絶縁されている。ハードバイアス層8からの縦バイアス磁界によりフリー磁性層3の磁化は、トラック幅方向(図示X方向)に揃えられる。
図10に示される磁気検出素子に、外部磁界が印加されると、フリー磁性層の磁化方向が固定磁性層の磁化方向に対して相対的に変動して、多層膜の抵抗値が変化する。一定の電流値のセンス電流が流れている場合には、この抵抗値の変化を電圧変化として検出することにより、外部磁界を検知する。
ホイスラー合金からなる固定磁性層を有する磁気検出素子は、特許文献1に記載されている。
特開2003−309305号公報(第8頁、図4)
特許文献1には、固定磁性層がホイスラー合金からなる磁性層とCoFe合金からなる磁性層の積層構造を有している磁気検出素子が記載されている。
しかし、特許文献1にはCoFe合金の組成や結晶構造についての記載がない。すなわち、特許文献1に記載の発明は、磁気検出素子の磁界検出能を高めるために、ホイスラー合金を積層するCoFe合金の組成、結晶構造を適切に設定するという視点がないものであった。
本発明は、上記従来の課題を解決するためのものであり、固定磁性層の材料にハーフメタル合金を用いる磁気検出素子の磁界検出能を向上させることのできる磁気検出素子を提供することを目的とする。
本発明は、磁化方向が一方向に固定される固定磁性層と、前記固定磁性層に非磁性材料層を介して形成されたフリー磁性層を有する磁気検出素子において、
前記固定磁性層が下地層と前記下地層の上に直接に又は非磁性材料または磁性材料からなる層を介して積層されたハーフメタル合金層を有しており、前記下地層は体心立方(bcc)構造を有し、組成式がCo1−xFe(xはat%で25≦x≦95)で表されるCoFe合金で形成されることを特徴とするものである。
本発明は、前記固定磁性層中に前記ハーフメタル合金層を設けるときに、前記ハーフメタル合金層の下に前記下地層を設けることによって磁気検出素子の磁界検出感度を向上させることができるものである。
「ハーフメタル(Half-metal)」とは、片方のスピンの伝導電子に対して金属的な振る舞いをし、他方のスピンの伝導電子に対して絶縁体的な振る舞いをする磁性体のことをいう。
本発明によって磁気検出素子の磁界検出感度が向上する理由は、前記下地層の上に直接に又は非磁性材料または磁性材料からなる層を介して前記ハーフメタル合金層を積層すると前記ハーフメタル合金層の結晶性あるいは規則性が向上するためであると考えられる。
或は、本発明は、磁化方向が一方向に固定される固定磁性層と、前記固定磁性層に非磁性材料層を介して形成されたフリー磁性層を有する磁気抵抗効果素子において、
前記固定磁性層が下地層と前記下地層の上に直接に又は非磁性材料または磁性材料からなる層を介して積層されたハーフメタル合金層を有しており、前記ハーフメタル合金層の主格子線のd値aと前記下地層の主格子線のd値bのミスフィット率Rが0%以上1.1%以下であることを特徴とするものである。ただし前記ミスフィット率RはR=(a−b)×100/b(%)である。
本発明でも、前記固定磁性層中に前記ハーフメタル合金層を設けるときに、前記ハーフメタル合金層の下に前記下地層を設けることによって磁気検出素子の磁界検出感度を向上させることができる。
本発明によって磁気検出素子の磁界検出感度が向上する理由も前記下地層の上に直接に又は非磁性材料または磁性材料からなる層を介して前記ハーフメタル合金層を積層すると前記ハーフメタル合金層の結晶性あるいは規則性が向上するためであると考えられる。
前記ミスフィット率を規定する発明では、前記下地層が体心立方(bcc)構造を有するCoFe合金であることが好ましい。特に、前記下地層がCo1−xFeによって形成されていることがより好ましい。ただしxはat%で25≦x≦95である。
本発明では、前記ハーフメタル合金層は、体心立方(bcc)構造を有し、膜面と平行な方向に{220}面として表される等価な結晶面が優先配向していることが好ましい。
また本発明では、前記固定磁性層が第1固定磁性層と第2固定磁性層が非磁性中間層を介して積層された人工フェリ構造を有しており、前記第2固定磁性層の非磁性中間層側に前記下地層が形成され、この下地層の上に前記ハーフメタル合金層が形成されていることが好ましい。
或は、前記固定磁性層が第1固定磁性層と第2固定磁性層が非磁性中間層を介して積層された人工フェリ構造を有しており、前記第1固定磁性層の非磁性中間層側に前記下地層が形成され、前記第2固定磁性層に前記ハーフメタル合金層が形成されていることが好ましい。
なお、前記ハーフメタル合金層の前記膜面と平行な方向の平均結晶粒径は、50Å以上であることが好ましい。
前記ハーフメタル合金層は例えばホイスラー合金によって形成されるホイスラー合金層である。
前記ホイスラー合金層を形成するための材料の具体例を以下に示す。
1.組成式がXYZまたはXYZで表されるホイスラー型結晶構造を有する金属化合物、
ただし前記XはCu、Co、Ni、Rh、Pt、Au、Pd、Ir、Ru、Ag、Zn、Cd、Feのうち1種または2種以上の元素であり、前記YはMn、Fe、Ti、V、Zr、Nb、Hf、Ta、Cr、Co、Niのうち1種または2種以上の元素であり、前記ZはAl、Sn、In、Sb、Ga、Si、Ge、Pb、Znのうち1種または2種以上の元素である。
2.組成式がCoYZで表されるホイスラー型結晶構造を有する金属化合物、
ただし、前記YはMn、Fe、Crのうち1種または2種以上の元素であり、前記ZはAl、Ga、Si、Geのうち1種または2種以上の元素である。
3.組成式がCoMnZで表される金属化合物、ただし前記ZはSi又はGeである。
また、本発明では、例えば、前記ホイスラー合金層は、組成式がCoMnGeで表される金属化合物によって形成されており、前記ホイスラー合金層の格子定数の値が5.7Å以上5.85Å以下であることが好ましい。前記ホイスラー合金層の格子定数の値が5.7Å以上5.85Å以下であると前記ホイスラー合金はL2構造に規則化しているとみなすことができる。
または、前記ホイスラー合金層は、組成式がCoMnGe合金によって形成されており、このCoMnGe合金中のGe濃度がat%で20at%以上30at%以下であることが好ましい。
あるいは、前記ホイスラー合金層は、組成式がCoMnSiで表される金属化合物によって形成されており、前記ホイスラー合金層の格子定数の値が5.6Å以上5.75Å以下であることが好ましい。前記ホイスラー合金層の格子定数の値が5.6Å以上5.75Å以下であると前記前記ホイスラー合金はL2構造に規則化しているとみなすことができる。
本発明の磁気検出素子の具体的構成は、例えば、反強磁性層と、この反強磁性層と接して形成され、前記反強磁性層との交換異方性磁界により磁化方向が固定される前記固定磁性層と、前記固定磁性層に前記非磁性材料層を介して形成された前記フリー磁性層とを有するシングルスピンバルブ型磁気抵抗効果素子である。
あるいは、本発明の磁気検出素子の具体的構成は、前記フリー磁性層の上下に積層された非磁性材料層と、一方の前記非磁性材料層の上および他方の前記非磁性材料層の下に位置する前記固定磁性層を有するデュアルスピンバルブ型磁気抵抗効果素子である。このとき、一方の前記固定磁性層の上および他方の前記固定磁性層の下に位置して、交換異方性磁界によりそれぞれの前記固定磁性層の磁化方向を一定の方向に固定する反強磁性層を有することができる。
本発明は、前記固定磁性層、非磁性材料層、及びフリー磁性層の膜面に対して垂直方向にセンス電流が流されるCPP(Current Perpendicular to the plane)−GMR型の磁気検出素子やCPP−TMR(トンネル効果磁気抵抗効果素子)に用いると効果的である。
ホイスラー合金は、ホイスラー型結晶構造を有する金属化合物の総称であり、組成によって強磁性を示す。ホイスラー合金は、スピン分極率が大きい金属であり、伝導電子のほとんどが、アップスピン電子またはダウンスピン電子のいずれか一方のみからなるハーフメタルである。
CPP−GMR型やCPP−TMR型の磁気検出素子のフリー磁性層または固定磁性層の材料としてホイスラー合金を用いると、外部磁界が印加される前と後におけるスピン依存バルク散乱の変化に基づいた、磁気検出素子内部の伝導電子のスピン拡散長または平均自由行程の変化量が大きくなる。すなわち、磁気検出素子の抵抗値の変化量が大きくなり、外部磁界の検出感度が向上する。
本発明は、前記固定磁性層中に前記ホイスラー合金層を設けるときに、前記ホイスラー合金層の下に前記下地層を設けることによって磁気検出素子の磁界検出感度を向上させることができるものである。
本発明では、前記下地層は体心立方(bcc)構造を有し、組成式がCo1−xFe(xはat%で25≦x≦95)で表されるCoFe合金で形成される。
あるいは、前記ホイスラー合金層の主格子線のd値aと前記下地層の主格子線のd値bのミスフィット率Rが0%以上1.1%以下となる前記下地層を形成しても、磁気検出素子の磁界検出感度を向上させることができる。ここで、前記ミスフィット率RはR=(a−b)×100/b(%)である。
図1は、本発明の第1実施形態の磁気検出素子(シングルスピンバルブ型磁気抵抗効果素子)の全体構造を記録媒体との対向面側から見た断面図である。なお、図1ではX方向に延びる素子の中央部分のみを破断して示している。
このシングルスピンバルブ型磁気抵抗効果素子は、ハードディスク装置に設けられた浮上式スライダのトレーリング側端部などに設けられて、ハードディスクなどの記録磁界を検出するものである。なお、ハードディスクなどの磁気記録媒体の移動方向はZ方向であり、磁気記録媒体からの洩れ磁界の方向はY方向である。
図1の最も下に形成されているのはTa,Hf,Nb,Zr,Ti,Mo,Wのうち1種または2種以上の元素などの非磁性材料で形成された下地層11である。この下地層11の上に、シード層12、反強磁性層13、固定磁性層14、非磁性材料層15、フリー磁性層16、保護層17からなる多層膜T1が積層されている。図1に示される磁気検出素子は、フリー磁性層16の下に反強磁性層13が設けられているいわゆるボトムスピンバルブ型のGMR型磁気検出素子である。
シード層12は、NiFeCrまたはCrによって形成される。シード層12をNiFeCrによって形成すると、シード層12は、面心立方(fcc)構造を有し、膜面と平行な方向に{111}面として表される等価な結晶面が優先配向しているものになる。また、シード層12をCrによって形成すると、シード層12は、体心立方(bcc)構造を有し、膜面と平行な方向に{110}面として表される等価な結晶面が優先配向しているものになる。
なお、下地層11は非晶質に近い構造を有するが、この下地層11は形成されなくともよい。
前記シード層12の上に形成された反強磁性層13は、元素X(ただしXは、Pt,Pd,Ir,Rh,Ru,Osのうち1種または2種以上の元素である)とMnとを含有する反強磁性材料で形成されることが好ましい。
反強磁性層13は、面心立方(fcc)構造を有するもの、または、面心正方(fct)構造を有するものになる。
これら白金族元素を用いたX−Mn合金は、耐食性に優れ、またブロッキング温度も高く、さらに交換結合磁界(Hex)を大きくできるなど反強磁性材料として優れた特性を有している。特に白金族元素のうちPtを用いることが好ましく、例えば二元系で形成されたPtMn合金を使用することができる。
また本発明では、前記反強磁性層13は、元素Xと元素X′(ただし元素X′は、Ne,Ar,Kr,Xe,Be,B,C,N,Mg,Al,Si,P,Ti,V,Cr,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Zr,Nb,Mo,Ag,Cd,Sn,Hf,Ta,W,Re,Au,Pb、及び希土類元素のうち1種または2種以上の元素である)とMnとを含有する反強磁性材料で形成されてもよい。
なお前記元素X′には、元素XとMnとで構成される空間格子の隙間に侵入し、または元素XとMnとで構成される結晶格子の格子点の一部と置換する元素を用いることが好ましい。ここで固溶体とは、広い範囲にわたって、均一に成分が混ざり合った固体のことを指している。
侵入型固溶体あるいは置換型固溶体とすることで、前記X−Mn合金膜の格子定数に比べて、前記X−Mn−X′合金の格子定数を大きくすることができる。これによって反強磁性層13の格子定数と固定磁性層14の格子定数との差を広げることができ、前記反強磁性層13と固定磁性層14との界面構造を非整合状態にしやすくできる。ここで非整合状態とは、前記反強磁性層13と固定磁性層14との界面で前記反強磁性層13を構成する原子と前記固定磁性層14を構成する原子とが一対一に対応しない状態である。
また特に置換型で固溶する元素X′を使用する場合は、前記元素X′の組成比が大きくなりすぎると、反強磁性としての特性が低下し、固定磁性層14との界面で発生する交換結合磁界が小さくなってしまう。特に本発明では、侵入型で固溶し、不活性ガスの希ガス元素(Ne,Ar,Kr,Xeのうち1種または2種以上)を元素X′として使用することが好ましいとしている。希ガス元素は不活性ガスなので、希ガス元素が、膜中に含有されても、反強磁性特性に大きく影響を与えることがなく、さらに、Arなどは、スパッタガスとして従来からスパッタ装置内に導入されるガスであり、ガス圧を適正に調節するのみで、容易に、膜中にArを侵入させることができる。
なお、元素X′にガス系の元素を使用した場合には、膜中に多量の元素X′を含有することは困難であるが、希ガスの場合においては、膜中に微量侵入させるだけで、熱処理によって発生する交換結合磁界を、飛躍的に大きくできる。
なお本発明では、好ましい前記元素X′の組成範囲は、at%(原子%)で0.2から10であり、より好ましくは、at%で、0.5から5である。また本発明では前記元素XはPtであることが好ましく、よってPt−Mn−X′合金を使用することが好ましい。
また本発明では、反強磁性層13の元素Xあるいは元素X+X′のat%を45(at%)以上で60(at%)以下に設定することが好ましい。より好ましくは49(at%)以上で56.5(at%)以下である。これによって成膜段階において、固定磁性層14との界面が非整合状態にされ、しかも前記反強磁性層13は熱処理によって適切な規則変態を起すものと推測される。
固定磁性層14は、第1固定磁性層14a、非磁性中間層14b、第2固定磁性層14cからなる多層膜構造である。前記反強磁性層13との界面での交換結合磁界及び非磁性中間層14bを介した反強磁性的交換結合磁界(RKKY的相互作用)により前記第1固定磁性層14aと第2固定磁性層14cの磁化方向は互いに反平行状態にされる。これは、いわゆる人工フェリ磁性結合状態と呼ばれ、この構成により固定磁性層14の磁化を安定した状態にでき、また前記固定磁性層14と反強磁性層13との界面で発生する交換結合磁界を見かけ上大きくすることができる。
ただし前記固定磁性層14は第2固定磁性層14cのみから構成され人工フェリ磁性結合状態になっていない状態でもよい。
なお前記第1固定磁性層14aは例えば15〜35Å程度で形成され、非磁性中間層14bは8Å〜10Å程度で形成され、第2固定磁性層14cは20〜50Å程度で形成される。
第1固定磁性層14aはCoFe、NiFeなどの強磁性材料で形成されている。また非磁性中間層14bは、Ru、Rh、Ir、Cr、Re、Cuなどの非磁性導電材料で形成される。
第2固定磁性層14cは下地層14c1とホイスラー合金層(ハーフメタル合金層)14c2の積層体である。本実施の形態では、第2固定磁性層14cの非磁性中間層14b側に下地層14c1が形成されている。
下地層14c1は体心立方(bcc)構造を有し、組成式がCo1−xFe(xはat%で25≦x≦95)で表されるCoFe合金で形成されている。
ホイスラー合金層14c2を形成する材料を以下に例示する。
1.組成式がXYZまたはXYZで表されるホイスラー型結晶構造を有する金属化合物、
ただし前記XはCu、Co、Ni、Rh、Pt、Au、Pd、Ir、Ru、Ag、Zn、Cd、Feのうち1種または2種以上の元素であり、前記YはMn、Fe、Ti、V、Zr、Nb、Hf、Ta、Cr、Co、Niのうち1種または2種以上の元素であり、前記ZはAl、Sn、In、Sb、Ga、Si、Ge、Pb、Znのうち1種または2種以上の元素である。
2.組成式がCoYZで表されるホイスラー型結晶構造を有する金属化合物、
ただし、前記YはMn、Fe、Crのうち1種または2種以上の元素であり、前記ZはAl、Ga、Si、Geのうち1種または2種以上の元素である。
具体的には、CoMnGaGe合金、CoMnAlSi合金、CoCrFeAl合金、CoCrFeGa合金がある。
3.組成式がCoMnZで表される金属化合物、ただし前記ZはSi又はGeである。
また、本発明では、例えば、前記ホイスラー合金層14c2は、組成式がCoMnGeで表される金属化合物によって形成されており、前記ホイスラー合金層14c2の格子定数の値が5.7Å以上5.85Å以下であることが好ましい。
または、前記ホイスラー合金層14c2は、組成式がCoMnGe合金によって形成されており、このCoMnGe合金中のGe濃度がat%で20at%以上30at%以下であることが好ましい。
あるいは、前記ホイスラー合金層14c2は、組成式がCoMnSiで表される金属化合物によって形成されており、前記ホイスラー合金層14c2の格子定数の値が5.6Å以上5.75Å以下であることが好ましい。
なお、前記ホイスラー合金層14c2の前記膜面と平行な方向の平均結晶粒径は、50Å以上、より好ましくは100Å以上、であることが好ましい。平均結晶粒径が大きくなると結晶粒界が少なくなるので、スピンに依存しない伝導電子の界面散乱を低減することができる。
さらに、ホイスラー合金層14c2は、体心立方(bcc)構造を有し、膜面と平行な方向に{220}面として表される等価な結晶面が優先配向していることが好ましい。
また、ホイスラー合金層14c2の主格子線のd値aと下地層14c1の主格子線のd値bのミスフィット率Rが0%以上1.1%以下であることが好ましい。ここで、前記ミスフィット率RはR=(a−b)×100/b(%)である。ミスフィット率Rがこの範囲であれば、下地層14c1はCoFeNi合金でもよい。
前記固定磁性層14の上に形成された非磁性材料層15は、Cu、Au、またはAgで形成されている。Cu、Au、またはAgで形成された非磁性材料層15は、面心立方(fcc)構造を有し、膜面と平行な方向に{111}面として表される等価な結晶面が優先配向している。
さらにフリー磁性層16が形成されている。本実施の形態では、フリー磁性層16はNiFe合金やCoFe合金、前述したホイスラー合金層によって形成されている。
図1に示す実施形態では、フリー磁性層16の両側にハードバイアス層18,18が形成されている。前記ハードバイアス層18,18からの縦バイアス磁界によってフリー磁性層16の磁化はトラック幅方向(図示X方向)に揃えられる。ハードバイアス層18,18は、例えばCo−Pt(コバルト−白金)合金やCo−Cr−Pt(コバルト−クロム−白金)合金などで形成されている。
ハードバイアス層18,18の上下及び端部は、アルミナなどからなる絶縁層19,19によって絶縁されている。
多層膜T1の上下には、電極層20,20が設けられており、多層膜T1を構成する各層の膜面に対して垂直方向にセンス電流が流されるCPP(Current Perpendicular to the plane)−GMR型の磁気検出素子となっている。
電極層20,20はα−Ta、Au、Cr、Cu(銅)、Rh、Ir、RuやW(タングステン)などで形成されている。
図1に示すスピンバルブ型薄膜素子では、下地層11から保護層17を積層後、熱処理を施し、これによって前記反強磁性層13と固定磁性層14との界面に交換結合磁界を発生させる。このとき磁場を図示Y方向と平行な方向に向けることで、前記固定磁性層14の磁化は図示Y方向と平行な方向に向けられ固定される。なお図1に示す実施形態では前記固定磁性層14は積層フェリ構造であるため、第1固定磁性層14aが例えば図示Y方向に磁化されると、第2固定磁性層14c及び磁性層23は図示Y方向と逆方向に磁化される。
また、上記熱処理によって固定磁性層14のホイスラー合金層14c2が規則化する。
図1に示された磁気検出素子は、固定磁性層とフリー磁性層の磁化が直交関係にある。記録媒体からの洩れ磁界が磁気検出素子の図示Y方向に侵入し、フリー磁性層の磁化が感度良く変動し、この磁化方向の変動と、固定磁性層の固定磁化方向との関係で電気抵抗が変化し、この電気抵抗値の変化に基づく電圧変化または電流変化により、記録媒体からの洩れ磁界が検出される。
固定磁性層14のホイスラー合金層14c2の材料であるホイスラー合金は、ホイスラー型結晶構造を有する金属化合物の総称であり、組成によって強磁性を示す。ホイスラー合金は、スピン分極率が大きい金属であり、伝導電子のほとんどが、アップスピン電子またはダウンスピン電子のいずれか一方のみからなるハーフメタルである。
CPP−GMR型の磁気検出素子がホイスラー合金層を有すると、外部磁界が印加される前と後における、伝導電子のスピン拡散長又は平均自由行程の変化量が大きくなる。すなわち、多層膜の抵抗値の変化量が大きくなり、外部磁界の検出感度が向上する。
本発明では、固定磁性層14において、前記ホイスラー合金層14c2の下に前記下地層14c1を設けることによって磁気検出素子の抵抗変化量×素子面積ΔRAが大きくなる。すなわち、磁気検出素子の磁界検出感度を向上させることができる。
本発明によって磁気検出素子の磁界検出感度が向上する理由は下地層14c1とホイスラー合金層14c2は前述したミスフィット率が小さく、ホイスラー合金層14c2の結晶性あるいは規則性が向上するためであると考えられる。
なお、ホイスラー合金層14c2の結晶の格子定数が適切な値をとるとホイスラー合金層14c2の飽和磁化Msが大きくなり、飽和磁化Msが大きくなると磁気検出素子の抵抗変化量×素子面積ΔRAが大きくなることが確認されている。
本実施の形態では、フリー磁性層16を単層のものとして形成した。ただし、フリー磁性層を、磁性層の多層膜構造として形成してもよい。また、フリー磁性層を、強磁性材料からなる層やホイスラー合金層が非磁性材料からなる非磁性中間層を介したRKKY的相互作用によって反強磁性的に結合する人工フェリ構造を有するものとして形成してもよい。
なお、多層膜T1は図1に示されるように、上層ほどトラック幅方向が小さくなる台形形状を有している。本実施の形態のボトムスピンバルブ型の磁気検出素子のように、フリー磁性層16が反強磁性層13、固定磁性層14の上に位置していると、磁気検出素子のトラック幅を規定するフリー磁性層16のトラック幅方向寸法(図示X方向寸法)を、後述するトップスピンバルブ型磁気検出素子より小さくすることが容易である。
図2は本発明の第2の実施の形態のシングルスピンバルブ型磁気検出素子の構造を示す部分断面図である。
図2に示される磁気検出素子は図1に示される磁気検出素子とほぼ同じ構成を有しており固定磁性層14の構造のみ異なっている。図2に示される磁気検出素子では、固定磁性層14の第1固定磁性層14aが磁性層14a1と下地層14a2の積層体であり、第2固定磁性層14cがホイスラー合金層(ハーフメタル合金層)になっている。なお、第2固定磁性層14cがCoFe合金層とホイスラー合金層の積層体であってもよい。その他の図1と同一の符号をつけた層の構成及び材料は図1の磁気検出素子と同じなので説明を省略する。
また、第1固定磁性層14aの下地層14a2は図1に示された磁気検出素子の下地層14c1と同じ材料によって形成されている。ホイスラー合金層である第2固定磁性層14cは図1に示された磁気検出素子のホイスラー合金層14c2と同じ材料によって形成され同じ構造を有している。
本実施の形態では、下地層14a2の上に非磁性中間層14bを介してホイスラー合金層である第2固定磁性層14cが積層されている。
本実施の形態の磁気検出素子でも、磁気検出素子の抵抗変化量×素子面積ΔRAが大きくすることができる。すなわち、磁気検出素子の磁界検出感度を向上させることができる。
本発明によって磁気検出素子の磁界検出感度が向上する理由は下地層14a2と第2固定磁性層(ホイスラー合金層)14cは前述したミスフィット率が小さいため、第2固定磁性層(ホイスラー合金層)14cの結晶性あるいは規則性が向上するためであると考えられる。
図3は本発明におけるデュアルスピンバルブ型磁気検出素子の構造を示す部分断面図である。
図3に示すように、下から下地層11、シード層12、反強磁性層13、固定磁性層31、非磁性材料層15、およびフリー磁性層16が連続して積層されている。さらにフリー磁性層16の上には、非磁性材料層15、固定磁性層32、反強磁性層13、および保護層17が連続して積層されて多層膜T2が形成されている。
また、フリー磁性層16の両側にはハードバイアス層18,18が積層されている。ハードバイアス層18,18は、アルミナなどからなる絶縁層19,19によって絶縁されている。
多層膜T2の上下には、電極層20,20が設けられており、多層膜T1を構成する各層の膜面に対して垂直方向にセンス電流が流されるCPP(Current Perpendicular to the plane)−GMR型の磁気検出素子となっている。
なお、図3において、図1と同じ符号が付けられた層は同じ材料で形成されている。
図3に示される磁気検出素子の固定磁性層31は、第1固定磁性層31a、非磁性中間層31b、第2固定磁性層31cが積層された構造である。第1固定磁性層31aはCoFeなどの強磁性材料によって形成されている。
第2固定磁性層31cは下地層31c1の上にホイスラー合金層(ハーフメタル合金層)31c2が積層された構成である。本実施の形態では、第2固定磁性層31cの非磁性中間層31b側に下地層31c1が形成されている。
下地層31c1は図1に示された磁気検出素子の下地層14c1と同じ材料、同じ構造を有している。また、ホイスラー合金層31c2は図1に示された磁気検出素子のホイスラー合金層14c2と同じ材料、同じ構造を有している。ホイスラー合金層31c2は強磁性を有しており、強磁性結合によって下地層31c1とホイスラー合金層31c2は同一の方向に磁化が向く。
前記反強磁性層13との界面での交換結合磁界及び非磁性中間層31bを介した反強磁性的交換結合磁界(RKKY的相互作用)により前記第1固定磁性層31aの磁化方向と、下地層31c1及びホイスラー合金層31c2の磁化方向は互いに反平行状態にされる。
図3に示される磁気検出素子の固定磁性層32は、第2固定磁性層32a、非磁性中間層32b、第1固定磁性層32cからなる多層膜構造である。第1固定磁性層32cはCoFeなどの強磁性材料によって形成されている。
第2固定磁性層32aはホイスラー合金層(ハーフメタル合金層)32a1の上に下地層32a2が積層された構成である。
下地層32a2は体心立方(bcc)構造を有し、組成式がCo1−xFe(xはat%で25≦x≦95)で表されるCoFe合金で形成されている。また、ホイスラー合金層32a1の主格子線のd値aと下地層32a2の主格子線のd値bのミスフィット率Rが0%以上1.1%以下であることが好ましい。なお、本実施の形態では、下地層32a2はホイスラー合金層32a1の上に積層された層になっているが、本発明における下地層はその結晶構造及び組成あるいはホイスラー合金層とのミスフィット率との関係によって規定される層であり、必ずしもホイスラー合金の下に位置しなければならないものではない。
本実施の形態では、第2固定磁性層32aの非磁性中間層32b側に下地層32a2が形成されている。
下地層32a2は図1に示された磁気検出素子の下地層14c1と同じ材料、同じ構造である。また、ホイスラー合金層32a1は図1に示された磁気検出素子のホイスラー合金層14c2と同じ材料、同じ構造を有している。ホイスラー合金層32a1は強磁性を有しており、強磁性結合によって磁性層32a2とホイスラー合金層32a1は同一の方向に磁化が向く。
前記反強磁性層13との界面での交換結合磁界及び非磁性中間層32bを介した反強磁性的交換結合磁界(RKKY的相互作用)により前記第1固定磁性層32cの磁化方向と、第2固定磁性層32aの磁化方向は互いに反平行状態にされる。
本実施の形態では、固定磁性層31において下地層31c1と前記ホイスラー合金層31c2が重ねられており、固定磁性層32においてホイスラー合金層32a1と下地層32a2が重ねられている。これによって磁気検出素子の抵抗変化量×素子面積ΔRAが大きくなる。すなわち、磁気検出素子の磁界検出感度を向上させることができる。固定磁性層32においてホイスラー合金層32a1の上に下地層32a2が重ねられても磁気検出素子の抵抗変化量×素子面積ΔRAが大きくなる。
図4は本発明におけるトップスピンバルブ型磁気検出素子の構造を示す部分断面図である。
図4に示すように、下から下地層11、シード層12、フリー磁性層41、非磁性材料層15、固定磁性層32、反強磁性層13および保護層17が連続して積層されて多層膜T3が形成されている。
また、フリー磁性層41の両側にはハードバイアス層18,18が積層されている。ハードバイアス層18,18は、アルミナなどからなる絶縁層19,19によって絶縁されている。
多層膜T3の上下には、電極層20,20が設けられており、多層膜T3を構成する各層の膜面に対して垂直方向にセンス電流が流されるCPP(Current Perpendicular to the plane)−GMR型の磁気検出素子となっている。
なお、図4において、図1または図2と同じ符号が付けられた層は同じ材料で形成されている。
図4に示される磁気検出素子では、フリー磁性層41はNiFeからなる第1磁性層41aとCoFeからなる第2磁性層41bの2層構造を有しており、このフリー磁性層41が、NiFeCrまたはCrによって形成されるシード層12の上に積層されている。
シード層12をNiFeCrによって形成すると、シード層12は、面心立方(fcc)構造を有し、膜面と平行な方向に{111}面として表される等価な結晶面が優先配向しているものになる。また、シード層12をCrによって形成すると、シード層12は、体心立方(bcc)構造を有し、膜面と平行な方向に{110}面として表される等価な結晶面が優先配向しているものになる。
本実施の形態でも、固定磁性層32においてホイスラー合金層32a1と下地層32a2が重ねられている。これによって磁気検出素子の抵抗変化量×素子面積ΔRAが大きくなる。すなわち、磁気検出素子の磁界検出感度を向上させることができる。固定磁性層32においてホイスラー合金層32a1の上に下地層32a2が重ねられても磁気検出素子の抵抗変化量×素子面積ΔRAが大きくなる。
図1ないし図4では、固定磁性層14、31、32において、非磁性中間層14b、31b、32bの上下をCoFeからなる層で挟んでいる。これによって非磁性中間層14b、31b,32を介した反強磁性的交換結合磁界(RKKY的相互作用)が強くなる。
以下に示す膜構成のCPP−GMR型磁気検出素子(デュアルスピンバルブ)を形成した。
(下地層(Ta(30Å))/シード層((Ni0.8Fe0.260Cr40(60Å))/反強磁性層(IrMn(70Å))/固定磁性層(Co90Fe10(30Å)/Ru(9Å)/Co100−xFe(10Å)/CoMnGe(40Å))/非磁性材料層(Cu(43Å))/フリー磁性層(CoMnGe(80Å))/非磁性材料層(Cu(43Å))/固定磁性層(CoMnGe(40Å)/Co90Fe10(10Å)/Ru(9Å)/Co90Fe10(30Å))/反強磁性層(IrMn(70Å))/保護層(Ta(30Å))
なお各層に記載した括弧書き中の数値は膜厚を示している。
下側の固定磁性層の膜構成は(Co90Fe10(30Å)/Ru(9Å)/Co100−xFe(10Å)/CoMnGe(40Å))である。ここで、CoMnGeによって形成されているホイスラー合金層の下に設けられた下地層の材料はCo100−xFeである。このCo100−xFe(ただしxはat%を示す)のFe組成xを変化させたときの磁気検出素子の抵抗変化量×素子面積ΔRA(mΩμm)、及び、下側の固定磁性層のCo100−xFe合金層(下地層;10Å)の主格子線のd値bとCoMnGe合金層(ホイスラー合金層;40Å)の主格子線のd値aのミスフィット率Rを測定した。なお、前記ミスフィット率RはR=(a−b)×100/b(%)である。本実施例ではCoMnGe合金層(ホイスラー合金層;40Å)の主格子線(220)のd値aをa=2.0305Åとしている。
結果を図5に示す。
図5をみるとホイスラー合金層の下地層であるCo100−xFe(ただしxはat%を示す)合金層のFe組成xが25at%以上になると、磁気検出素子の抵抗変化量×素子面積ΔRAが著しく上昇しΔRAが8.5(mΩμm)以上になることがわかる。前記Fe組成xが30at%以上90%以下の範囲では、磁気検出素子の抵抗変化量×素子面積ΔRAが9(mΩμm)を超えている。
磁気検出素子のΔRAが大きくなることの原因のひとつとして、上記組成範囲のCo100−xFe合金は体心立方格子(bcc)構造の結晶構造を有しており、同じく体心立方格子構造の結晶構造を有するCoMnGeによって形成されているホイスラー合金層と同じ結晶構造になることが挙げられる。
また、Co100−xFe合金層(下地層;10Å)の主格子線のd値bとCoMnGe合金層(ホイスラー合金層;40Å)の主格子線のd値aのミスフィット率Rは、Co100−xFe合金層のFe組成xが25at%以上になると0%以上1.1%以下の範囲に収まっている。本実施例では、ミスフィット率Rは、Co100−xFe合金層のFe組成xが25at%以上になると0.16%以上1.1%以下の範囲に収まっている。
この結果から、本発明の磁気検出素子のΔRAが大きくなることの原因には、本発明では前記固定磁性層の下地層とホイスラー合金層との結晶格子のミスフィットが小さくなることが挙げられる。
本発明の固定磁性層中の下地層とホイスラー合金層が同じ結晶構造を有し、結晶格子のミスフィットが小さくなることで、ホイスラー合金層の結晶性や規則性が向上すると考えられる。
前記Fe組成xが95%より大きくなると、磁気検出素子の抵抗変化量×素子面積ΔRAは減少する。これは固定磁性層の第1固定磁性層(Co90Fe10(30Å))と第2固定磁性層(Co100−xFe(10Å)/CoMnGe(40Å))の間のRKKY相互作用的な反強磁性的結合が小さくなるためである。
以下に示す膜構成のCPP−GMR型磁気検出素子(デュアルスピンバルブ)を形成した。
(下地層(Ta(30Å))/シード層((Ni0.8Fe0.260Cr40(50Å))/反強磁性層(IrMn(70Å))/固定磁性層(Co70Fe30(30Å)/Ru(9Å)/Co70Fe30(10Å)/CoMnGe(40Å))/非磁性材料層(Cu(43Å))/フリー磁性層(CoMnGe(80Å))/非磁性材料層(Cu(43Å))/固定磁性層(CoMnGe(40Å)/Co100−xFe(10Å)/Ru(9Å)/Co70Fe30(30Å))/反強磁性層(IrMn(70Å))/保護層(Ta(200Å))
なお各層に記載した括弧書き中の数値は膜厚を示している。
上側の固定磁性層の膜構成は(CoMnGe(40Å)/Co100−xFe(10Å)/Ru(9Å)/Co70Fe30(30Å))である。
ここで、CoMnGeによって形成されているホイスラー合金層の上に設けられたCo100−xFe合金層が本発明の下地層に相当する。本発明における下地層はその結晶構造及び組成あるいはホイスラー合金層とのミスフィット率との関係によって規定される層であり、必ずしもホイスラー合金の下に位置しなければならないものではない。
前記下地層であるCo100−xFe合金層のFe組成xを変化させたときの磁気検出素子の抵抗変化量×素子面積ΔRA(mΩμm)を測定した。
結果を表1に示す。
Figure 2005347418
表1から、Co100−xFe合金層のFe組成xが本発明の範囲である25at%以上95at%以下の範囲内にある実施例1、2の磁気検出素子は比較例の磁気検出素子よりも抵抗変化量×素子面積ΔRA(mΩμm)が大きくなっている。従って、結晶構造及び組成あるいはホイスラー合金層とのミスフィット率との関係によって規定される本発明の下地層をホイスラー合金層の上に積層しても磁気検出素子の抵抗変化量×素子面積ΔRAを大きくして、磁界検出感度を向上させることができる。
以下に示す膜構成のCPP−GMR型磁気検出素子(シングルスピンバルブ)を形成した。
(下地層(Ta(30Å))/シード層Cr(50Å))/反強磁性層(PtMn(170Å))/固定磁性層(第1固定磁性層(30Å)/Ru(9Å)/第2固定磁性層)/非磁性材料層(Cu(43Å))/フリー磁性層(CoMnGe(80Å)/Cu層(10Å)/Ta層(30Å))
第1固定磁性層(Pin1)及び第2固定磁性層(Pin2)の構成を変えた磁気検出素子を形成し、それぞれの磁気特性を測定した。
結果を表2に示す。
Figure 2005347418
表2において、Pin1は上記磁気検出素子の第1固定磁性層であり、Pin2は第2固定磁性層である。なお、表中CoFeと表記されている合金はCo90Fe10合金であり、60FeCoと表記されている合金はFe60Co40合金である。なおかっこ内の数値は膜厚Åを示している。
比較例は第2固定磁性層がCo90Fe10合金層とCoMnSi層の積層体であり、実施例1は第2固定磁性層がFe60Co40合金層とCoMnSi層の積層体である。
表2をみると実施例1のCoMnSi層(Pin2−CoMnSi)の磁気的膜厚(Ms×t;飽和磁化と膜厚の積)は0.32(memu/cm)であり、比較例のCoMnSi層(Pin2−CoMnSi)の磁気的膜厚の値0.17(memu/cm)の約2倍の大きさになっている。これは、実施例1のCoMnSi層の結晶性や規則性が比較例のCoMnSi層よりも向上していることを示している。
また、実施例2のCoMnSi層(Pin2−CoMnSi)の磁気的膜厚は0.22(memu/cm)であり、比較例のCoMnSi層(Pin2−CoMnSi)の磁気的膜厚の値0.17(memu/cm)より大きいものの実施例1ほど大きくはない。このことから、第2固定磁性層のCoMnSi層の下に直接Fe60Co40合金層を設けるほうがCoMnSi層の結晶性や規則性をより向上できることがわかる。
また、実施例1、2、3の磁気検出素子全体の磁気的膜厚(SV−Total)はいずれも比較例の磁気検出素子全体の磁気的膜厚(SV−Total)より大きくなっている。
以下に示す膜構成のCPP−GMR型磁気検出素子(デュアルスピンバルブ)を形成した。
(下地層(Ta(30Å))/シード層((Ni0.8Fe0.260Cr40(50Å))/反強磁性層(PtMn(170Å))/固定磁性層(第1固定磁性層(30Å)/Ru(9Å)/第2固定磁性層)/非磁性材料層(Cu(43Å))/フリー磁性層(CoMnGe(80Å))/非磁性材料層(Cu(43Å))/固定磁性層(CoMnGe(40Å)/Co90Fe10(10Å)/Ru(9Å)/Co90Fe10(30Å))/反強磁性層(PtMn(170Å))/保護層(Ta(200Å))
なお各層に記載した括弧書き中の数値は膜厚を示している。
第1固定磁性層(Pin1)及び第2固定磁性層(Pin2)の構成を変えた磁気検出素子を形成し、それぞれの磁気特性を測定した。
結果を表3に示す。
Figure 2005347418
表3において、Pin1は上記磁気検出素子の第1固定磁性層であり、Pin2は第2固定磁性層である。なお、表中CoFeと表記されている合金はCo90Fe10合金であり、60FeCoと表記されている合金はFe60Co40合金である。
第1固定磁性層のRu層側がFe60Co40合金層である実施例1は比較例の磁気検出素子よりも抵抗変化量ΔR及び抵抗変化量×素子面積ΔRAが大きい。第2固定磁性層がFe60Co40合金層とCoMnGe層の積層体である実施例2は実施例1よりもさらに抵抗変化量ΔR及び抵抗変化量×素子面積ΔRAが大きくなっている。
固定磁性層のCo100−xFe合金層(下地層;10Å)の主格子線のd値bとCoMnGe合金層(ホイスラー合金層;40Å)の主格子線のd値aのミスフィット率Rを適切に調節することによって抵抗変化量×素子面積ΔRAが向上することを説明する。
図6はCoMnGe膜の格子定数と飽和磁化Msの関係を示すグラフであり、図7はCoMnSi膜の格子定数と飽和磁化Msの関係を示すグラフである。
膜厚1000Åの単層CoMnGe膜及び単層CoMnSi膜をスパッタ法を用いて成膜した。
CoMnGe膜及びCoMnSi膜を異なる温度で熱処理すること、組成比を変化させること、又はCoMnGe膜及びCoMnSi膜の下層に配置する下地膜の組成を変えることによってCoMnGe膜及びCoMnSi膜の格子定数を変化させることができる。
本実施の形態では、CoMnGe膜及びCoMnSi膜を290℃、350℃、400℃の温度で熱処理した。熱処理温度を高くするとCoMnGe膜の格子定数及びCoMnSi膜の格子定数は小さくなる。
図6及び図7からCoMnGe膜の格子定数及びCoMnSi膜の格子定数が小さくなるとそれぞれの飽和磁化Msが大きくなることがわかる。CoMnGe膜では格子定数が5.80Å以下になると飽和磁化が急激に大きくなっている。CoMnGe膜では格子定数が5.80Åより大きいとアモルファスに近い結晶構造になり、格子定数が5.80Å以下になると結晶性や規則性が向上して飽和磁化が大きくなるものと考えられる。また、CoMnSi膜の場合には格子定数が5.72Å以下になると飽和磁化が急激に大きくなっている。
また、CoMnGe膜の格子定数及びCoMnSi膜の格子定数がバルク状態における格子定数のおおよそプラスマイナス0.05Åの範囲にあると飽和磁化が大きくなっている。
以下に示す膜構成を有するCPP−GMR型の磁気検出素子を形成し、固定磁性層及びフリー磁性層の磁気的膜厚Ms×tを変化させることによって磁気検出素子全体の磁気的膜厚Ms×tを変化させたときの抵抗変化量×素子面積ΔRAの変化を調べた。
(下地層(Ta(30Å))/シード層((Ni0.8Fe0.260Cr40(50Å))/反強磁性層(PtMn(170Å))/固定磁性層(Co90Fe10(30Å)/Ru(9Å)/Co90Fe10(10Å)/CoMnGe(40Å))/非磁性材料層(Cu(43Å))/フリー磁性層(CoMnGe(80Å))/非磁性材料層(Cu(43Å))/固定磁性層(CoMnGe(40Å)/Co90Fe10(10Å)/Ru(9Å)/Co90Fe10(30Å))/反強磁性層(PtMn(170Å))/保護層(Ta(200Å))
なお各層に記載した括弧書き中の数値は膜厚を示している。
結果を図8に示す。図8に示されるとおり、磁気検出素子全体の磁気的膜厚Ms×tを変化させたときの抵抗変化量×素子面積ΔRAが大きくなり、磁気検出素子の磁界検出感度が向上する。
従って、本発明では飽和磁化Msが大きくなる範囲の格子定数をもつホイスラー合金層を固定磁性層に形成するとよい。
本発明では、固定磁性層中の下地層とホイスラー合金層のミスフィット率Rを規定している。ミスフィット率Rとは、ホイスラー合金層の主格子線のd値をaと前記下地層の主格子線のd値をbとしたときに、ミスフィット率R=(a−b)×100/b(%)で定義されるものであり、ミスマッチ率が小さいほど固定磁性層中の下地層の結晶格子とホイスラー合金層の結晶格子の整合性が高くなる。
実施例1(図5)においてミスフィット率がマイナスだと下地層(CoFe合金層)のd値がホイスラー合金層の理想的なd値2.0305Åよりも大きくなり、ホイスラー合金層の実際の格子定数が大きくなって飽和磁化Msが小さくなると考えられる。
ミスマッチ率が0%から1.1%位であるとホイスラー合金層の実際の格子定数が理想的な値に近づいて飽和磁化Msが大きくなるものになると考えられる。
本発明では固定磁性層を構成するホイスラー合金層の格子定数を適切な範囲にすることができるので固定磁性層及び磁気検出素子全体の磁気的膜厚Ms×tが大きくなって、抵抗変化量×素子面積ΔRAが大きくなり、磁気検出素子の磁界検出感度が向上するものと考えられる。
以下に示す膜構成を有するCPP−GMR型の磁気検出素子を形成し、第2固定磁性層中のホイスラー合金層の材料CoMnGe合金のGeの組成を変化させたときの磁気検出素子の抵抗変化量×素子面積ΔRA変化を調べた。
結果を図9にしめす。
図9からCoMnGe合金中のGe濃度がat%で22at%以上26at%以下であるとΔRA(mΩμm)が5(mΩμm)以上になって好ましい。
なお、第2固定磁性層の下地層をCo40Fe60で形成した磁気検出素子は、下地層をCo90Fe10で形成した磁気検出素子に比べて常にΔRAが大きくなっている。
以上本発明をその好ましい実施例に関して述べたが、本発明の範囲から逸脱しない範囲で様々な変更を加えることができる。たとえば、CPP−TMR(トンネル効果磁気抵抗効果素子)であってもよいし、磁気検出素子の左右に電極層が形成され、磁気検出素子を構成する多層膜の膜面平行方向にセンス電流が流されるCIP(Current in the plane)−GMR型磁気検出素子であってもよい。
なお、上述した実施例はあくまでも例示であり、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。
本発明の第1実施形態の磁気検出素子(シングルスピンバルブ型磁気抵抗効果素子)の構造を記録媒体との対向面側から見た断面図、 本発明の第2実施形態の磁気検出素子(シングルスピンバルブ型磁気抵抗効果素子)の構造を記録媒体との対向面側から見た断面図、 本発明の第3実施形態の磁気検出素子(デュアルスピンバルブ型磁気抵抗効果素子)の構造を記録媒体との対向面側から見た断面図、 本発明の第4実施形態の磁気検出素子(シングルスピンバルブ型磁気抵抗効果素子)の構造を記録媒体との対向面側から見た断面図、 下地層の材料であるCo100−xFe(ただしxはat%を示す)のFe組成xを変化させたときの磁気検出素子の抵抗変化量×素子面積ΔRA(mΩμm)、及び、下側の固定磁性層のCo100−xFe合金層(下地層;10Å)の主格子線のd値bとCoMnGe合金層(ホイスラー合金層;40Å)の主格子線のd値aのミスフィット率Rを示すグラフ、 CoMnGe膜の格子定数と飽和磁化の関係を示すグラフ、 CoMnSi膜の格子定数と飽和磁化の関係を示すグラフ、 磁気検出素子全体の磁気的膜厚Ms×tを変化させたときの抵抗変化量×素子面積ΔRAの変化を示すグラフ、 第2固定磁性層中のホイスラー合金層の材料CoMnGe合金のGeの組成を変化させたときの磁気検出素子の抵抗変化量×素子面積ΔRA変化を示すグラフ、 従来の磁気検出素子の構造を記録媒体との対向面側から見た断面図、
符号の説明
11 下地層
12 シード層
13 反強磁性層
14、31、32 固定磁性層
14c1、14a2、31c1、32a1 下地層
14c2、14a1、31c2、32a2 ホイスラー層
15 非磁性材料層
16 フリー磁性層
17 保護層
18 ハードバイアス層
19 絶縁層
20 電極層

Claims (19)

  1. 磁化方向が一方向に固定される固定磁性層と、前記固定磁性層に非磁性材料層を介して形成されたフリー磁性層を有する磁気検出素子において、
    前記固定磁性層が下地層と前記下地層の上に直接に又は非磁性材料または磁性材料からなる層を介して積層されたハーフメタル合金層を有しており、前記下地層は体心立方(bcc)構造を有し、組成式がCo1−xFe(xはat%で25≦x≦95)で表されるCoFe合金で形成されることを特徴とする磁気検出素子。
  2. 磁化方向が一方向に固定される固定磁性層と、前記固定磁性層に非磁性材料層を介して形成されたフリー磁性層を有する磁気抵抗効果素子において、
    前記固定磁性層が下地層と前記下地層の上に直接に又は非磁性材料または磁性材料からなる層を介して積層されたハーフメタル合金層を有しており、前記ハーフメタル合金層の主格子線のd値aと前記下地層の主格子線のd値bのミスフィット率Rが0%以上1.1%以下であることを特徴とする磁気検出素子、
    ただし前記ミスフィット率Rは
    R=(a−b)×100/b(%)である。
  3. 前記下地層が体心立方(bcc)構造を有するCoFe合金である前記層である請求項2記載の磁気検出素子。
  4. 前記下地層がCo1−xFeによって形成されている請求項2または3のいずれかに記載の磁気検出素子、
    ただしxはat%で25≦x≦95である。
  5. 前記ハーフメタル合金層は、体心立方(bcc)構造を有し、膜面と平行な方向に{220}面として表される等価な結晶面が優先配向している請求項1ないし4のいずれかに記載の磁気検出素子。
  6. 前記固定磁性層が第1固定磁性層と第2固定磁性層が非磁性中間層を介して積層された人工フェリ構造を有しており、前記第2固定磁性層の非磁性中間層側に前記下地層が形成され、この下地層の上に前記ハーフメタル合金層が形成されている請求項1ないし5のいずれかに記載の磁気検出素子。
  7. 前記固定磁性層が第1固定磁性層と第2固定磁性層が非磁性中間層を介して積層された人工フェリ構造を有しており、前記第1固定磁性層の非磁性中間層側に前記下地層が形成され、前記第2固定磁性層に前記ハーフメタル合金層が形成されている請求項1ないし5のいずれかに記載の磁気検出素子。
  8. 前記ハーフメタル合金層の前記膜面と平行な方向の平均結晶粒径は50Å以上である請求項1ないし7のいずれかに記載の磁気検出素子。
  9. 前記ハーフメタル合金層がホイスラー合金層である請求項1ないし8のいずれかに記載の磁気検出素子。
  10. 前記ホイスラー合金層は、組成式が、XYZまたはXYZで表されるホイスラー型結晶構造を有する金属化合物によって形成される請求項9に記載の磁気検出素子、
    ただし前記XはCu、Co、Ni、Rh、Pt、Au、Pd、Ir、Ru、Ag、Zn、Cd、Feのうち1種または2種以上の元素であり、前記YはMn、Fe、Ti、V、Zr、Nb、Hf、Ta、Cr、Co、Niのうち1種または2種以上の元素であり、前記ZはAl、Sn、In、Sb、Ga、Si、Ge、Pb、Znのうち1種または2種以上の元素である。
  11. 前記ホイスラー合金層は、組成式がCoYZで表されるホイスラー型結晶構造を有する金属化合物によって形成される請求項9に記載の磁気検出素子、
    ただし、前記YはMn、Fe、Crのうち1種または2種以上の元素であり、前記ZはAl、Ga、Si、Geのうち1種または2種以上の元素である。
  12. 前記ホイスラー合金層は、組成式がCoMnZで表される金属化合物によって形成される請求項11記載の磁気検出素子、
    ただし前記ZはSi又はGeである。
  13. 前記ホイスラー合金層は、組成式がCoMnGeで表される金属化合物によって形成されており、前記ホイスラー合金層の格子定数の値が5.7Å以上5.85Å以下である請求項12記載の磁気検出素子。
  14. 前記ホイスラー合金層は、組成式がCoMnGe合金によって形成されており、このCoMnGe合金中のGe濃度がat%で20at%以上30at%以下である請求項12記載の磁気検出素子。
  15. 前記ホイスラー合金層は、組成式がCoMnSiで表される金属化合物によって形成されており、前記ホイスラー合金層の格子定数の値が5.6Å以上5.75Å以下である請求項12記載の磁気検出素子。
  16. 反強磁性層と、この反強磁性層と接して形成され、前記反強磁性層との交換異方性磁界により磁化方向が固定される前記固定磁性層と、前記固定磁性層に前記非磁性材料層を介して形成された前記フリー磁性層とを有する請求項1ないし15のいずれかに記載の磁気検出素子。
  17. 前記フリー磁性層の上下に積層された非磁性材料層と、一方の前記非磁性材料層の上および他方の前記非磁性材料層の下に位置する前記固定磁性層を有する請求項1ないし15のいずれかに記載の磁気検出素子。
  18. 一方の前記固定磁性層の上および他方の前記固定磁性層の下に位置して、交換異方性磁界によりそれぞれの前記固定磁性層の磁化方向を一定の方向に固定する反強磁性層を有する請求項17に記載の磁気検出素子。
  19. 前記固定磁性層、非磁性材料層、及びフリー磁性層の膜面に対して垂直方向にセンス電流が流される請求項1ないし18のいずれかに記載の磁気検出素子。
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