JP2005346447A - 2次元コードを備えた偽造防止カード、該偽造防止カードを用いた情報提示照合システム及び情報提示照合方法。 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも2つのカード素材201,202を積層して形成されたカード2に関する。
カード素材201,202の間には、ICチップ203,RFIDタグ204のうち少なくとも一つが挟持され、少なくとも一つのカード素材201には、画像データが格納された2次元コード1が形成されており、ICチップ203,RFIDタグ204には、2次元コード1に格納されたデータを照合するための照合データが格納されている。
【選択図】 図1
Description
このため、第三者が拾得して不正に使用した場合であっても、本人かどうかを見分けることができず、そのまま使用を許可してしまうという問題があった。
しかし、このように自筆のサインを示すものであっても、クレジットカードが拾得されて不正に使用された場合、クレジットカードに書かれた筆跡を真似されてしまったり、あるいはクレジットカードのサイン部分を改竄されてしまうと、正規のサインかどうかを、商品提供者が完璧に見極めることは困難であった。
このため、カードに本人の顔写真を組み込み、この顔写真により認証を行う方法が知られている。しかし、顔写真の部分を改竄された場合には、対応することができなかった。
或いは、本人専用の認証コードをクレジットカードに登録しておき、カード使用時に、前記認証コードをユーザに問い合わせることにより、本人の認証を行うシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、カードが拾得されて解析され、認証コードが割り出されてしまった場合は、カードの不正使用を防止することができなかった。
更に、カード表面に2次元コード,文字,画像等を形成するために、2次元コード等の改竄が容易であるとともに、改竄されたことを容易に認識することが困難であった。また、カード表面に2次元コード等が形成されているために、汚れや破損等による外的影響を受ける可能性が高かった。
なお、近年、カード偽造等のカード不正が増加しており、何重ものデータ照合や個人特異性の高い照合データによる照合を行うことができるセキュリティの高いカード及び情報照合システムが望まれている。
また、2次元コードに格納する画像を、カード所有者の顔画像等の本人特異性が高いものとすることによって、カードを偽造することが困難となり、よりセキュリティの高いカードとすることができる。
このように、いわゆるインナーマーキング方式で2次元コードを形成しているため、カード表面に改竄を施すことによるカードの偽造が困難となる。
また、カードの損傷や汚れ等による影響を受けにくい。
すなわち、電子透かし形態の識別子は、通常、視認不能に埋め込まれているため、識別子を抽出することは困難であり、カードの偽造が困難となる。
このように構成されていることにより、2次元コードに格納された画像データとICチップ,RFIDタグに格納された照合データとを照合することによって、カードが偽造された可能性があるか否かを確認することができるとともに、2次元コードに格納された画像データと個人情報サンプリングデータとを照合することによって、正当なカード所持者がカードを使用しようとしているか否かを確認することができる。
すなわち、電子透かしは、人間が視認することが不可能な状態で埋め込まれるため、偽造される可能性が低く、画像データ,照合データ,電子透かし形態の識別子が示すデータの三者を照合することによって、よりセキュリティの高いデータ照合を行うことが可能となる。
また、2次元コードが、レーザマーキングによりカード素材内部に付されているので、印刷やシール貼付により2次元コードが付されたカードに比して、情報の書き換え等の不正行為を容易に見破ることが可能である。
更に、本発明によれば、インナーマーキング方式でレーザマーキングを行うので、カード表面には、凹凸等がなく、偽造を行うことが困難である。
よって、2次元コード,ICチップ,RFIDタグにそれぞれ照合可能な情報を格納しておき、これらの情報を照合して本人確認及び偽造の有無を確認することが可能である。
ICチップはデジタル信号を利用したデータキャリアであり、RFIDは無線反射でデータの読み書きを行っているため、単独で使用した場合には、データの改竄及び盗用が容易である。よって、2次元コードの情報とICチップ,RFIDタグに格納された情報を照合することにより、2重、3重の照合を行うことが可能となり安全性は高まることとなる。
情報提示システムSは、2次元コード1,ICチップ及びRFIDタグに格納された情報の読取手段である読取装置10と、読み取られた情報の照合及び出力を行うコンピュータ20とを備えて構成されている。
これら2次元コードを読取る方法及びICチップ,RFIDタグに格納された情報を読取る方法は、従来公知の方法を用いることができる。
変換した2値化信号は、コード規則に準じてデコードされるが、このデコードは、コンピュータ20において行っても良いし、読取装置10において行っても良い。
また、カード2にはデータ読出し用の接点が形成されており、この接点を経由してICチップに格納されたデータを読取る。
更に、RFIDタグに格納された情報を読取るためには、RFIDタグの電源を誘導させて通信を行い、RFIDタグに格納された情報を取得する。
また、読取装置10として、携帯電話機に搭載されたCCDカメラ及びICチップ,RFIDタグ読取装置を用いることもできる。
この場合、携帯電話機に搭載されたCCDカメラを用いて撮像した2次元コード画像及び携帯電話機に着脱可能に搭載されたICチップ,RFIDタグ読取装置が読込んだ情報を無線通信手段を使用してコンピュータ20へ送信するように構成する。次いで、コンピュータ20でデータの解析及び照合を行い、その解析及び照合結果は、再び無線通信手段を使用して携帯電話機に送信されるように構成されているとよい。
コンピュータ20は、モニターや液晶画面等から構成される表示部21と、CPU31と、キーボードやマウス等から構成される操作部22と、スピーカー等からなる音声出力部23と、を備えて構成されている。
なお、照合手段及び出力手段としてはコンピュータ20に限らず、読取装置10に復号機能及び照合機能を有する演算装置,表示部,音声出力部が設けられていれば、それらを照合手段及び出力手段としても良い。
本実施形態では、透明、半透明、白色の樹脂製の板材としてポリカーボネート(以下、「ポリカーボネート層201」と記す)を使用している。
ポリカーボネートとは、ポリ炭酸エステルとも称され、主鎖中に炭酸エステル結合をもつ線状高分子である。ポリカーボネートは、寸法安定性、透明性、耐衝撃性に優れた素材であり、エンジニアリングプラスチック等としても使用される安定した素材である。
あるいは、青、赤、黄色などの様々な色の板材を用い、その色をレーザマーキングで消して、明暗模様を出現させても良い。また、白抜き文字等を形成しても良い。
更に、白黒反転模様を形成することも可能である。
ただし、ポリカーボネート層201に形成されるマーキングは黒色〜茶色であるため、樹脂層202として使用する樹脂は、マーキングの色に近似する黒色〜茶色の色彩を有するものは好ましくない。
樹脂層202として使用する樹脂は、マーキングの色と明確に区別することが可能な原色等の明度の高い色彩又は白色の色彩を有するものが好適に使用される。
ICチップとは、半導体集積回路のことであり、磁気カードに比して100倍近いデータを記憶できる。
RFIDタグとは、無線を通じて電源を誘導させて、格納された情報の通信を行う非接触型デバイスであり、現在、ビル等でのアクセス制御、航空手荷物のトラッキングシステム、交通制御システム、自動車の盗難防止システム、図書館での蔵書管理等様々な分野で利用されている。
本実施形態におけるRFIDタグ204は、アンテナ205と情報が格納されたICチップ206とを基本構成とする。
そして、さらに本実施の形態におけるポリカーボネート層201には、n×nまたはm×n(n,mは自然数)に縦横に配列されるドットからなる2次元コード1が付されている。
2次元コードとは、マトリックス状に配置された白及び黒のセルの組み合わせにより明暗模様を表してデータを表示するコードである。
このとき、2次元コード1とは別に、2次元コード101を形成することができる。
2次元コード101は、デジタルコピー機において複写不可能なサイズに形成されている。
例えば、2次元コード1をコードサイズ10.62mm、セルサイズ60μmに形成し、2次元コード101をコードサイズ1.11mm、セルサイズ30μmに形成する。この2次元コード101には、文字データや画像データを格納することができる。
コードサイズの小さい2次元コード101は、正確に複写することが困難であるため、デジタルコピー機を使用した偽造や改竄が行われる恐れが少なく、2次元コード1に格納されたデータやICチップ203,RFIDタグ204に格納されたデータとの照合を行うためのデータを格納しておくのに好適である。
ここで、レーザマーキングについて説明すると、レーザマーキングには、ベクトルマーキングとドットマーキングとがある。
ベクトルマーキングは、例えば黒いセルを形成するとき、図4(a)に示すように上から下へ線状に塗りつぶすことにより作成する。
これに対して、ドットマーキングでは、図4(b)に示すように、一つのセルを形成するために、n×nまたはm×nに縦横に配列されるドットを、マトリクス状に展開配置して、正方形或いは長方形のセルを形成するものである。
ドットマーキングでは、例えば2次元コードのセルを形成する場合、各セルについて一つの個体として認識し、セル内にドットを配列してマーキングを行うため、マーキングがセルの外に飛び出したり、空白部分が生まれる等のマーキングミスが発生しない。
このため、ドットマーキングによれば、微細で複雑なマーキングを行うことができる。
したがって、1つのセル内のドット数やドット間距離、或いはドット径を小さくすることによりセルを小さくすれば、単位セル数を増加させることができ、2次元コードにより多くの情報を格納することが可能となる。
したがって、例えば図5に示すように、1セル1ドットとすれば、多くの単位セル数を確保することができる。
例えば、図6に示すように、個人の顔画像をコード化した2次元コードを作成し、この2次元コードをデコードすることによって、顔画像を復元することができる。
なお、一般的な読取装置で読取可能な範囲で2次元コードを作成した場合、3,000バイト程度の情報を格納する2次元コードとなる。このため、格納されるデータが3,000バイト以下であれば、1つのコードに情報を格納することが可能であるが、それ以上のデータ量であった場合、データは複数の2次元コードに分けて格納される。
例えば16個の2次元コードを形成すれば、48,000バイトのデータを格納することが可能である。
また、ドットマーキングによれば、ドット径を調整することによりドット密度を調整できるため、画像や文字を緻密に表現することが可能となる。
インナーマーキング方式とは、レーザマーキングの一例である。
このインナーマーキング方式では、照射するレーザ光の焦点を被マーキング物表面に合わせるのではなく、被マーキング物の内部に合わせることにより、マーキング痕を被マーキング物内部に形成する。よって、被マーキング物表面にはマーキングによる凹凸が形成されない。
図7は、ポリカーボネート層201へのインナーマーキングが行われる状態を示す説明図である。図7(a)に示すように、本実施の形態においては、ポリカーボネート層201内部にレーザ光Lの焦点を合わせ、その焦点位置のポリカーボネート素材を変質させることによってマーキング痕を施す。このとき、レーザ光Lの焦点位置を調整することによって、ポリカーボネート層201の厚さ方向の距離(以下、「深度」と記す)を変化させることができる。
よって、濃淡のある画像をマーキングする場合には、ドット径を変化させてドット密度を調整するとともに、マーキングされるドットの深度を変化させることによって、より緻密な濃度変化をマーキングにより実現することが可能となる。
また、深度を変えて、マークを重ねることにより、深度の深いマークを視認困難とし、電子透かし形態の識別子を埋め込むことが可能となる。
なお、マーキングするものによっては、ベクトルマーキングを行っても良い。例えば、毛髪の密集部分は塗りつぶし、毛髪の端部は一筆書きで表現すると良い。また、目の輪郭、睫毛等、ベクトルで表現することが可能な部分は、ベクトルマーキングを行うと良い。
本実施形態におけるマーキングは、ドットマーキングのみで行っても良いし、ベクトルマーキングのみで行っても良いし、ドットマーキングとベクトルマーキングとを組合せて行っても良い。
更に、2次元コードに格納されていた画像Gと、カード内部に挟持されたICチップ,RFIDタグに格納されたデータを照合した結果とが表示部21に表示される。
このとき、データが複数の2次元コードに分けて格納されている場合は、1つの2次元コードを読み取る毎に、読取装置10の記憶部に読取データを記憶しておき、全ての2次元コードが読み取られた後に、読取データに基づいて画像G,音声,照合結果が出力される。
また、表示部21に画像Gが表示されることにより、この画像Gと、カード2を提示した本人とを見比べ、カード2が本人によって公正に使用されているかどうかを目視確認することも可能である。
電子透かしとは、データの中に埋め込まれた別のデータであり、通常、人間が認識できない形態で埋め込まれている。
埋め込むデータは、埋め込み対象データに対して微小な誤差程度となるように変換されて埋め込まれる。
本実施形態に係るカードでは、2次元コードに格納された情報を照合するための照合データを電子透かし形態の識別子として埋め込んでおく。電子透かし形態の識別子を埋め込む方法としては、代入法、選択法、構成法等の公知の方法が用いられる。
例えば、2次元コードが顔画像をコードしている場合には、顔画像照合に使用する顔特徴量等の個人データを識別子として埋め込んでおくと良い。この場合、読取られた2次元コード及び電子透かし形態の識別子は、コンピュータ20で公知のプログラムにより復号されて照合される。
この場合、予めコンピュータ20のデータベースに個人の照合データを蓄積しておき、識別子に格納される照合検出データをキーにしてデータベースより対応する個人情報を検索して抽出できるように構成される。抽出された個人情報は2次元コードからデコードされた個人情報と照合される。
レーザマーカー40は、従来公知のものであり、例えばYAGレーザ、CO2レーザ、YVO4レーザ、UVレーザ、グリーンレーザ等がある。
本実施の形態では、制御装置30と、レーザマーカー40とが1対1で設置されている構成が示されているが、制御装置30に対して複数のレーザマーカー40を接続し、被マーキング材に応じて、適切なレーザ光を出射するレーザマーカー40が選択される構成としても良い。
レーザ発振器50は、さらに全反射鏡51、内部アパーチャ52、ランプハウス53、内部シャッタ44、出力鏡54を備えており、YAGレーザ発振器50の出力側には外部シャッタ45が設けられている。
制御装置30は、各種の演算処理や、レーザマーカー40の制御を行うCPU31と、キーボードやマウス等から構成される操作部32と、モニターや液晶画面等から構成される表示部21と、画像データを取り込むためのインターフェース・ボード等から構成される入力部37と、通信回線網Iに接続されたモデム等から構成される通信部35と、制御プログラムや、マーキング条件等の各種データを記憶する記憶部36等を備えている。
また、上記マーキング条件は、レーザマーキングを行う際の条件を、ワークの性質や形状等に応じて設定したものであり、記憶部36のハードディスク36bに記憶されている。
マーキング条件としては、マーキング回数、1ドット当たりのレーザ照射時間、ドット密度、ドットサイズ、レーザ周波数、レーザ出力、スピード等がある。これらの条件は、レーザマーキングを行う際にCPU31により読み込まれる。
制御装置30は、画像データ入力手段37を介して入力されたデジタルデータに基づいて2次元コードを生成し、レーザマーカー40を動作させて、カード2上に2次元コード1のマーキング制御を行う。また、ユーザの顔画像、ユーザ名、ユーザ番号、有効期限、カード発行者名等の情報等は、画像データ入力手段37から同様に取り込まれ、ドット毎にカード2上の平面座標位置、カード2表面から厚み方向の距離であるドット深度、ドット径が算出され、マーキング制御が行われる。
なお、画像データの2次元コード化と画像データの直接マーキングの切替は、制御装置30のモードを切り替えることにより行う。
この処理においては、2次元コードに格納されたデータは本人の顔画像データである。
なお、本例においては、情報提示照合システムSを銀行等に設置されるATM等に組み合わせた例を示す。ただし、この情報提示照合システムSは、ATM等の機能と一体として構成されていても良い。
例えば、銀行等において、ユーザが提示したカード2に付された2次元コード及びICチップ,RFIDタグに格納されたデータを、ATM等に設置された読取装置10で読み取る(ステップS1)。
次に、コンピュータ20に読取データが取り込まれる(ステップS2)。
取込まれた2次元コードに格納されたデータはデコードされ、顔画像Gが形成される(ステップS3)。
例えば、2次元コードに顔画像データが格納されていた場合、2次元コードに格納されていた顔画像データと、カード2内部に挟持されたICチップ203,RFIDタグ204に格納されていた顔情報データとの照合を行う。
この照合は、公知の「顔認証システム」によって行われる。
例えば、カード2を作成する際に、カメラ等の入力装置よりユーザの顔画像を取得し、取得した顔画像から顔位置を検出して顔部分を切り出し、顔特徴点を抽出する。
次いで、この顔特徴点から数学的手法を用い、個人特有の特徴量を算出して、この特徴量をICチップ203,RFIDタグ204へ格納しておく。
そして、2次元コードの画像データからデコードされた顔画像G及び照合結果が、表示部21に表示される(ステップS5)。
これらの2次元コードに格納されていた画像データとICチップ203,RFIDタグ204に格納されていた画像データが異なる場合には、カードが偽造された可能性が示唆される。
コードサイズの小さい2次元コード101は、正確に複写することが困難であるため、偽造や改竄される恐れが少なく、セキュリティの高い照合を行うことが可能となる。
本実施形態に係るカード2に、2次元コードに格納された顔画像データを照合するための照合データである個人特有の特徴量を電子透かし形態の識別子として埋め込んでおく。
この場合、読取られた2次元コード及び電子透かし形態の識別子は、コンピュータ20で公知のプログラムにより復号されて、公知の「顔認証システム」により照合される。
この場合、予めコンピュータ20のデータベースに個人特有の特徴量を蓄積しておき、識別子に格納される照合検出データをキーにして、対応する個人特有の特徴量をデータベースより検索して抽出できるように構成される。抽出された個人特有の特徴量は2次元コードからデコードされた画像Gから算出される個人特有の特徴量と照合される。
このように構成されている場合、識別子が検出されない場合や照合できない場合には、カードが偽造された可能性が示唆される。
なお、コンピュータ20の表示部21に、復号された情報を表示させるように構成し、目視による確認を行っても良い。
この場合、顔画像GとCCDカメラから読取られた個人情報サンプリングデータとしての撮像画像データとを上記の「顔認証システム」で照合し、ATM等でカード2を使用したユーザとカード2に格納されているユーザが同一人物であるか否かを確認し、この照合結果を表示部21に表示する。
本例の場合、照合結果が「本人である」と認識された場合にのみ、ATM等の操作が可能となるように構成されていると、カード2の不正使用を防止することができる。
また、照合結果が「偽造された疑いがある」若しくは「本人ではない」となった場合には、自動的に警備員等に連絡されるよう構成されていても良い。
また、銀行員や警備員等が、表示部21に表示された顔画像Gと、カード2を提示した本人とを見比べて、カード2が本人によって公正に使用されたかどうかを確認してもよい。
この照合は、公知の「静脈パターン認証システム」によって行われる。
静脈パターンは、近赤外領域の光を手又は指に照射し、その透過光から得られる静脈パターンを撮像することによりサンプリングされる。これは、近赤外領域の光は、血液中のヘモグロビンに吸収される以外は、生体組織に対して透過率が高いという性質を利用したものである。
2次元コードにはユーザの静脈パターンデータがコードされているので、2次元コードに格納された静脈パターンデータとICチップ,RFIDタグに格納されたデータとを照合することによって、カードが偽造された可能性があるか否かを確認することができる。
これらの照合結果は、表示部21に表示される。
本例の場合、照合結果が「本人である」と認識された場合にのみ、ATM等の操作が可能となるように構成されていると、カード2の不正使用を防止することができる。
また、照合結果が「偽造された疑いがある」若しくは「本人ではない」となった場合には、自動的に警備員等に連絡されるよう構成されていても良い。
更に、微細2次元コード101を形成し、上記「顔認証システム」と同様の照合を行っても良い。
この静脈パターンは、母体内で確立され、成長と共に大きさは変化するが、パターンの変化はないと考えられており、顔による区別が極めて困難な一卵性双生児においても、この静脈パターンは異なっている。
同様に指から採取される指紋データも固体特有性が高いが、傷等があると認識が困難である、年齢が高くなると指紋が薄くなり画像認識が困難になる等、問題が多い。静脈パターンによる照合システムによれば、非常に高い識別・照合精度を実現することが可能となる。
このように、個人特異性の高い個人データを2次元コード格納して、照合を行うことによって、よりセキュリティの高いシステムが実現できる。また、2次元コードに電子透かし形態の識別子が埋め込まれていると、なお好適である。
また、本人確認を行う手段として、上記実施例で示した顔写真の他に、静脈パターンデータ,虹彩データ,DNAデータ,本人が書いたオリジナルサイン,指紋,音声データによる声紋を、本人確認の手段としても良い。
このとき、2次元コードを所定のアルゴリズムで暗号化しておき、読取装置または読取装置に接続されたコンピュータで解読する構成とすれば、より高いセキュリティを確保することができ好適である。
また、2次元コードに電子透かしの形態で形成された識別子を格納して、照合手段に加えることにより、より高いセキュリティを確保することが可能となる。
また、本実施の形態においては、2次元コードに画像データを格納したが、2次元コードにIDパスワードデータ等の文字データを格納して、本人が入力したIDパスワードと照合するように構成しても良い。このとき、ICチップ,RFIDタグ側に2次元コードを起動させる暗号コードを別枠で設けても良い。
例えば、図11に示すように、銀行届出印の印影と個人情報をコード化し、に2次元コード1を複数マーキングしたカードを作成する。
ユーザが預金引き出し等の目的で銀行の窓口を訪れたときに、カードに付された2次元コード1を窓口で読み取ると、表示手段にその場で印影と個人情報が表示される。
窓口では伝票等に押印された印影及び通帳の印影及び個人情報と、表示手段に表示された印影及び個人情報とを照合し、本人が適正な印鑑により手続きを行っているかどうかを確認することができる。
また、カードに挟持されたICチップ,RFIDタグに格納されたデータとの照合も行うことにより、カードが偽造された可能性があるか否かを確認でき、より厳重なチェックを行うことが可能となる。
すなわち、スタッフ派遣会社やアルバイト派遣会社で、各スタッフにカード2を持たせる。カード2には、スタッフの顔写真をコード化した2次元コード1が付され、スタッフの顔情報を格納したICチップ,RFIDタグが挟持されている。
スタッフが派遣されると、派遣先でカードに付された2次元コードを読み取る。そうすると、表示手段にその場で顔写真が表示される。
派遣先では、派遣されてきたスタッフについて、契約したスタッフであるかどうかを確認することができ、カード2に挟持されたICチップ,RFIDタグに格納された情報と2次元コードに格納された情報を照合することによりカードの偽造の有無を確認することができる。
Claims (12)
- 少なくとも2つのカード素材を積層して形成されたカードであって、
前記カード素材の間には、ICチップ,RFIDタグのうち少なくとも一つが挟持され、
少なくとも一つの前記カード素材には、画像データが格納された2次元コードが形成されており、
前記ICチップ,RFIDタグには、前記2次元コードに格納されたデータを照合するための照合データが格納されていることを特徴とする2次元コードを備えたカード。 - 前記2次元コードは、レーザ光を前記カード素材に照射し、前記レーザ光の焦点位置を前記カード素材の厚さ方向内部に合わせ、前記焦点位置の素材を変質させてレーザマーキングを施すことにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載の2次元コードを備えたカード。
- 前記画像データは、少なくとも白黒画像又はカラー画像からなる前記カード所有者の顔写真データ,虹彩データ,DNAデータ,静脈パターンデータ,指紋データ,印影データ,サインデータのいずれか一つを含むデータであることを特徴とする請求項1記載の2次元コードを備えたカード。
- 前記2次元コードは、少なくとも2個設けられており、
各前記2次元コードには、前記画像データ又は文字データが格納され、
少なくとも一つの2次元コードは、コードサイズが0mmより大きく2.0mm以下で形成されていることを特徴とする請求項1記載の2次元コードを備えたカード。 - 前記2次元コードには、電子透かし形態の識別子が埋め込まれていることを特徴とする請求項1,請求項2,請求項4いずれかに記載の2次元コードを備えたカード。
- 少なくとも2つのカード素材を積層して形成されたカードであって、前記カード素材の間に、ICチップ,RFIDタグのうち少なくとも一つが挟持されたカードを用いた情報提示照合システムであって、
前記2次元コードに格納された画像データと、前記2次元コードに格納された情報との照合を行うために前記ICチップ,前記RFIDタグに格納された照合データと、を読み取る読取手段と、該読取手段で読取られた前記画像データと前記照合データと、を照合する照合手段と、前記読取手段により読み取られた前記画像データ及び前記照合手段で照合された照合結果を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする情報提示照合システム。 - 前記2次元コードは、レーザ光を前記カード素材に照射し、前記レーザ光の焦点位置を前記カード素材の厚さ方向内部に合わせ、前記焦点位置の素材を変質させてレーザマーキングを施すことにより形成されていることを特徴とする請求項6記載の情報提示照合システム。
- 前記2次元コードには、電子透かしの形態の識別子が埋め込まれており、
前記照合手段は、前記2次元コードから前記識別子を抽出する抽出手段を含み、
前記識別子に対応した関連データを復号して、前記2次元コードに格納された情報との照合を行うことを特徴とする請求項6記載の情報提示照合システム。 - 前記情報提示照合システムには、個人情報を読み込む個人情報サンプリング手段が備えられ、
前記照合手段は、前記個人情報サンプリング手段により読み込まれた個人情報サンプリングデータと、前記画像データと、前記照合データと、の照合を行うことを特徴とする請求項6又は8記載の情報提示照合システム。 - 前記画像データは、前記偽造防止カード所有者の顔写真データ,虹彩データ,DNAデータ,静脈パターンデータ,指紋データ,印影データ,サインデータのいずれか一つであることを特徴とする請求項6,請求項8,請求項9いずれかに記載の情報提示照合システム。
- 少なくとも2つのカード素材を積層して形成されたカードであって、前記カード素材の間に、ICチップ,RFIDタグのうち少なくとも一つが挟持されたカードを用いた情報提示照合方法であって、
前記2次元コードに格納された画像データと、前記2次元コードに格納された情報との照合を行うために前記ICチップ,前記RFIDタグに格納された照合データと、を読み取る情報読取ステップと、
個人より取得した個人情報サンプリングデータを読み込む個人情報サンプリングステップと、
該読取手段で読取られた前記画像データと、前記照合データと、前記個人情報サンプリングデータと、の照合を行う情報照合ステップと、
前記読取手段により読み取られた前記画像データ及び前記照合手段で照合された照合結果を出力する出力ステップと、を行うことを特徴とする情報提示照合方法。 - 前記2次元コードには、電子透かしの形態の識別子が埋め込まれており、
前記情報照合ステップは、前記2次元コードから前記識別子を抽出する抽出ステップを含み、
前記識別子に対応した関連データを復号して、前記2次元コードに格納された情報との照合を行うことを特徴とする請求項11記載の情報提示照合方法。
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