以下、図1〜図14を参照して、第1および第2実施形態に係る情報処理装置、販売データ処理装置および情報処理システムについて詳細に説明する。第1および第2実施形態では、情報処理装置としてデジタルサイネージ装置(以降「サイネージ装置」という)を用いて説明する。また、販売データ処理装置としてPOS(Point of Sales)端末を用いて説明する。また、販売対象として商品を用いて説明する。なお、第1および第2実施形態では、一例として、サイネージ装置は地下鉄の構内に設置されており、POS端末は、サイネージ装置が広告を出している商品を扱っている店舗に設置されているものとする。以下に説明する第1および第2実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
(第1実施形態)
まず、図1〜図4を用いて、サイネージ装置4について説明する。図1は、第1実施形態に係るサイネージ装置4の設置状態の一例を示す図である。図1では、サイネージ装置4が地下鉄の構内に設置された例を示している。サイネージ装置4は、液晶等の表示部47と表示部47上に設けられたタッチパネル46を備えている。表示部47は、販売促進を図る商品の広告(動画および/または静止画)を表示する。駅を訪れた人Pは、表示部47に表示された商品の広告を見て商品の情報を得る。また、人Pは、表示部47の表面に設けられたタッチパネル46をタッチして、広告された商品から特定の商品を指定することで、当該商品のさらに詳細な情報を得ることができる。なお、サイネージ装置4は、地下鉄の構内以外に、人が多く行き来する通路や、商品を販売する店舗の店頭や店内等に設置してもよい。
サイネージ装置4は、表示部47の中央上部に、カメラ50を設けている。カメラ50は、サイネージ装置4が表示する広告を見ている人Pの顔を正面方向から撮像する。サイネージ装置4は、撮像した人Pの顔画像に基づいて、当該人Pの属性(年齢層や性別等)を判断する。
属性は次のようにして判断する。サイネージ装置4は、属性別に顔パーツ情報を予め記憶している。顔パーツ情報とは、人Pの顔をパーツや特徴に合わせて分類した、属性毎の各パーツや特徴を示すデータである。顔パーツ情報は、例えば、人Pの目、鼻、口、耳、顎といったパーツの特徴を属性別に表す情報をいう。属性毎の顔パーツ情報は、他の属性とは異なるその属性の特徴を表す顔のパーツの情報である。例えば、10歳代男性の顔パーツ情報は、10歳代男性の典型的な特徴を示す目、鼻、口、耳、顎の情報である。この顔パーツ情報は、属性別のパーツを統計的に収集して作成された情報である。したがって、カメラで撮像した人Pの顔画像から目、鼻、口、耳、顎に相当するパーツのパーツ情報を切り出してそれぞれを顔パーツ情報と対比して、最も多く一致するパーツを含む顔パーツ情報の属性を当該人Pの属性と決定する。
またサイネージ装置4は、決定した属性が、積極的にプロモーションを行いたい属性であった場合、表示部47を使用して所定のプロモーションを実行する。加えてサイネージ装置4は、撮像した顔画像から、プロモーションを実行する人Pのターゲット情報である特徴量を取得する。特徴量とは、人Pの目、鼻、口、耳、顎といった顔のパーツ毎の各パーツの、形状、色、濃淡といった情報の他、各パーツ間の相対的な位置や分布の情報をいう。特徴量は、人P個人を特徴的に表し、他人と区別する情報である。
クーポン情報には、クーポンを使用することで得られる特典情報が含まれている。特典情報は例えば、特定の商品の単価を値引く値引情報や、商品を購入した合計金額から一定の額を値引く値引情報や一定の割合で割り引く割引情報である。第1実施形態では、上記特典情報として、ルーレットに勝利した人に対して、高額特典として、高額な割引情報や高率の値引情報が含まれる。上記特典情報の他に、クーポンを使用する顧客を特定するための特定情報として、当該人Pの特徴量がクーポン情報に含まれている。
なお、目、鼻、口、耳、顎のすべてのパーツの特徴量をクーポン情報に含めるとクーポン情報の情報量が膨大な量になる場合には、クーポン情報の情報量を軽減させる場合もある。例えば特徴量のうち、目と鼻といった一部のパーツの特徴量のみをクーポン情報に含めるようにすることで、情報量を軽減できる。特に、クーポン情報をコード情報としてサイネージ装置4の表示部47に表示する第1実施形態の場合は、顔情報の一部のパーツの特徴量をクーポン情報に含めるとよい。なお、後述の第2実施形態のように、例えばブルートゥース(登録商標)のような近距離無線通信機能を用いて、クーポン情報をサイネージ装置4から携帯端末に送信する場合は、すべてのパーツの特徴量をクーポン情報に含ませることが可能である。
人Pが携帯する携帯端末(携帯電話、スマートフォン等)は、サイネージ装置4の表示部47に表示したクーポン情報を撮影することで、表示部47に表示されたクーポン情報を入力する。
図2は、サイネージ装置4の電気的構成を示すブロック図である。図2示すように、サイネージ装置4は、制御主体となるCPU(Central Processing Unit)41を備える。またサイネージ装置4は、各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)42を備える。またサイネージ装置4は、CPU41のワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)43を備える。またサイネージ装置4は、サイネージ装置4の各種プログラムを記憶するHDDやフラッシュメモリ等で構成されたメモリ部44等を備える。CPU41、ROM42、RAM43、メモリ部44は、互いにデータバス45を介して接続されている。
CPU41、ROM42、RAM43は、制御部400を構成する。制御部400は、CPU41がメモリ部44に記憶されRAM43に展開された制御プログラム445に従って動作することによって、後述する制御処理を実行する。
RAM43は、各種データも記憶する。メモリ部44は、広告記憶部441、画像記憶部442、属性記憶部443、特徴量記憶部444、制御プログラム445を備える。広告記憶部441は、表示部47に表示する各種商品の広告情報(動画、または/および静止画)を記憶する。また広告記憶部441は、特定の属性の人Pに対して実行するプロモーション(例えばルーレット等のゲーム)を記憶する。画像記憶部442は、カメラ50で撮像した人Pの顔画像を記憶する。属性記憶部443は、積極的にプロモーションを実行したい人の属性を示す属性情報を記憶する。特徴量記憶部444は、画像記憶部442に記憶した人Pの顔画像に基づいて取得した特徴量を記憶する。制御プログラム445は、サイネージ装置4の制御部400を制御するプログラムである。
また、データバス45は、表示部47とタッチパネル46とカメラ50をコントローラ48を介して制御部400に接続している。表示部47は、広告記憶部441に記憶された複数種類の商品の広告等を順次(例えば所定時間毎に)表示して広告する。タッチパネル46は、表示部47の表面に設けられ、人Pがタッチパネル46を指でタッチすることで表示部47に表示された広告に関するボタンを操作したり、人Pがタッチパネル46上を指で操作することで表示部47に表示された広告に関するコンテンツを移動する。また、データバス45は、送信部である通信I/F(Interface)49を制御部400に接続しており、通信I/F49は無線や有線の外部の通信回線(図示せず)と接続する。
続いて、図3と図4を用いて、サイネージ装置4の制御処理について説明する。図3は、サイネージ装置4の機能構成を示す機能ブロック図である。制御部400が、メモリ部44に記憶された制御プログラム445に従うことで、人物決定手段401、ターゲット情報取得手段402、クーポン情報生成手段403、クーポン情報出力手段404として機能する。
人物決定手段401は、カメラ50によって撮像された顔画像に基づいて特定の人物を決定する機能を有する。
ターゲット情報取得手段402は、顔画像に基づいて人物決定手段401によって決定された人物を特定可能な特徴量を取得する機能を有する。
クーポン情報生成手段403は、ターゲット情報取得手段402により取得した特徴量および特典を付与する特典情報を含んだクーポン情報を生成する機能を有する。
クーポン情報出力手段404は、クーポン情報生成手段403により生成したクーポン情報を出力する機能を有する。
図4は、サイネージ装置4の制御処理の流れを示すフローチャートである。サイネージ装置4に広告を出す企業や店舗は、サイネージ装置4の広告を見る人Pのうち、特定の属性の人Pをターゲットとして、サイネージ装置4を使用して積極的にプロモーションを実行することがある。そのため、サイネージ装置4は、プロモーションを実行したいターゲットの属性を属性属443に記憶している。
図4において、まず制御部400は、広告記憶部441に記憶されている広告情報に基づいて表示部47に広告を表示する(S20)。広告記憶部441には複数の広告が記憶されているため、制御部400は、記憶されている広告を順次表示部47に表示する。
次に制御部400は、カメラ50によって撮像したサイネージ装置4の広告を見ている人Pの顔画像が画像記憶部442に記憶されたか否かを判断する(S21)。記憶されたと判断した場合は(S21のYes)、記憶した顔画像から取得した各パーツのパーツ情報をメモリ部44に記憶した属性別の顔パーツ情報とを対比して、画像記憶部442に記憶した人Pの属性を決定する(S22)。
次に制御部400は、S23で生成した属性情報とS12で属性記憶部443に記憶した属性情報とを比較して、一致しているか否かを判断する(S23)。一致していると判断した場合は(S23のYes)、制御部400は、当該属性の人Pが積極的にプロモーションを行いたい属性であるとして、当該属性を対象としたイベントとしてルーレットゲームを実行する(S24)。具体的には、制御部400は、当該属性を対象とした広告を表示部47に表示する。続いて制御部400は、当該広告を見た属性の人Pに対して例えばルーレットゲームを表示部47に表示する。人Pは表示されたルーレットゲームを操作して挑戦する。制御部400は、人Pがルーレットに挑戦して勝利した場合、高額特典を付与するための情報を含むクーポンを表示部47に表示する。この高額クーポンとは、例えば、店舗において対象広告の商品を購入した場合に、通常より高額な金額を値引くクーポンや、店舗での取引において、合計金額から通常より高割合で割り引くクーポンである。
制御部400(人物決定手段401)は、人Pがルーレットに勝利したか否か(すなわち、クーポンを使用可能な人(特定の人物)として決定したか否か)を判断する(S25)。勝利したと判断した場合は(S25のYes)、制御部400(ターゲット情報取得手段402)は、は、勝利した人P(特定の人物として決定した人P)の特徴量を取得する(S26)。すなわち制御部400は、ルーレットに勝利した人Pの顔画像を画像記憶部442から読み出して、当該顔画像から特徴量を取得する。この際、取得する特徴量は、目、鼻、口、耳、顎のすべての特徴量を取得することが個人を特定する上で最も望ましい。しかしながら、例えば二次元コード等の場合包含できる情報量に制限があり、コード情報にすべての特徴量を含ませることが困難な場合は、最も人Pの特徴を顕著に示す目の特徴量を、当該人Pの特徴量として取得することが望ましい。なお、目、鼻、口、耳、顎のうち、複数のパーツの特徴量を取得するようにしてもよい。
次に制御部400(クーポン情報生成手段403)は、取得した特徴量(ターゲット情報)を例えば2次元コード等にコード化して、当該コード情報含むクーポン情報を生成する(S27)。このクーポン情報には、コード情報の他に、クーポン名、クーポン適用対象商品名、対象商品の写真、特典情報である値引額、クーポンの使用可能期間等の視覚情報が含まれている。なお、コード化したコード情報には、クーポン名、クーポン適用対象商品名、対象商品の写真、高額特典としての値引額、クーポンの使用可能期間等の情報も含まれている。そして制御部400(クーポン情報出力手段404)は、生成したクーポン情報をサイネージ装置4の表示部47に表示する(S28)。
図5は、S28においてサイネージ装置4の表示部47に表示されたクーポン情報の一例を示す図である。制御部400は、表示部47に、クーポン情報Cとして、クーポンであることを示す表示C1、クーポンの使用期限C2、値引対象商品の写真C3、値引対象商品の商品名C4、値引額C5、二次元コード化したコード情報C6、クーポンの発行日C7を表示している。
人Pは、表示部47に表示されたクーポン情報を携帯端末の写真撮影機能を用いて撮影して、クーポン情報Cを画像として携帯端末に記憶する。携帯端末は、記憶したクーポン情報Cを表示部に表示可能である。このようにすることで、サイネージ装置4はクーポンを発行し、人Pはクーポンを取得する。
図4の説明に戻る。そして制御部400は、クーポン情報を表示後所定時間経過したか否かを判断する(S29)。所定時間とは、人Pが携帯端末を使用して表示部47に表示されたクーポン情報を撮影できる充分な時間をいう。経過するまで待機し(S29のNo)、経過したと判断すると(S29のYes)、制御部400は、表示部47に表示したクーポン情報を非表示とする(S30)。そして制御部400は、S11に戻る。
なお、人Pの顔画像が撮像できていない場合(S21のNo)、S22で決定した属性と属性記憶部443に記憶した属性とが一致していないと判断した場合(S23のNo)、ルーレットゲームに勝利しなかった場合(S25のNo)は、いずれもS11に戻る。
続いて、図6〜図10を用いて、携帯端末に表示したクーポン情報Cを扱うPOS端末1について説明する。図6は、POS端末1を、オペレータ側から見た外観を示す斜視図である。オペレータがPOS端末1を操作することで、POS端末1は、商品の売上登録処理および会計処理を実行する。売上登録処理とは、商品に付されたバーコード等のコードを光学的に読み取って入力した商品コードに基づく当該商品の商品名や価格(商品情報)を表示するとともに、商品情報をバッファに記憶する処理をいう。会計処理とは、売上登録処理に伴いバッファに記憶された商品情報に基づいて、取引に係る合計金額の表示、顧客から預かった預り金に基づいて実行する処理をいう。具体的には、会計処理とは、釣銭を計算して表示する処理、釣銭の発行を釣銭機に指示する処理、商品情報や会計情報(合計金額、預り金額、釣銭額等)を印字したレシートを発行する処理等をいう。なお、売上登録処理と会計処理を合わせた処理を取引処理という。
図6において、POS端末1は、本体2と金銭収納箱3とを有する。金銭収納箱3は、ドロワ(図示せず)を有し、顧客から預かった紙幣や貨幣の金銭や商品券等の有価証券類、および顧客に手渡す釣銭等を収納している。
本体2は、操作部17、オペレータ用表示部18、顧客用表示部19、読取部20を備えている。操作部17は数字を入力する置数キー、取引の終了を宣言する締めキー171(図8を参照)等のキーを備えたキーボードである。オペレータ用表示部18は、液晶表示器等で構成された表示面をオペレータに向けて設置されており、オペレータに情報を表示する。顧客用表示部19は、液晶表示器等で構成された表示面を顧客に向けて設置されており、顧客に情報を表示する。
読取部20は、CCDラインセンサ等を有し、商品に付されたバーコードや2次元コード等のコードを読取って、商品を特定する商品コードを入力する。実施形態では、ハンディタイプの読取部20を用いており、オペレータは、手に取った読取部20を商品に付されたコードに近づけるか接触させることでコード情報を読み取る。なお、読取部20は、発光された光をポリゴンミラー等で走査し、コードで反射した光を受光する構成のスキャナであってもよい。
また、読取部20は、スマートフォンや携帯電話等の携帯端末の表示部に表示されたクーポン情報を光学的に読み取る。オペレータは、手に持った読取部20を携帯端末の表示部に表示されたクーポン情報に近づけるか接触させることで当該クーポン情報を読み取る。
また、本体2は、内部に、POS端末1の制御部100(図8を参照)や、印字部21を備えている。印字部21は、本体2内に収納されたロール状のレシート用紙を引き出して、例えば熱転写型の印字ヘッドを備えたサーマルプリンタ等で商品情報や会計情報等を印字し、レシートとして発行する。
図7は、POS端末1を顧客側から見た外観を示す斜視図である。図7において、POS端末1は、顧客用表示部19の表示面側の上部に、CCDイメージセンサ等で構成されるカメラ191が設けられている。カメラ191は、顧客用表示部19の前に立つ顧客に向けて設置されており、顧客用表示部19の表示を見る顧客の顔画像を撮像する。
図8は、POS端末1のハードウェア構成を示すブロック図である。図8において、POS端末1は、CPU11、ROM12、RAM13、メモリ部14等を備えている。CPU11は制御主体となる。ROM12は各種プログラムを記憶する。RAM13はプログラムや各種データを記憶する。メモリ部14は各種プログラムを記憶する。CPU11、ROM12、RAM13、メモリ部14は、互いにデータバス15を介して接続されている。CPU11とROM12とRAM13が、制御部100を構成する。すなわち、制御部100は、CPU11がメモリ部14に記憶されRAM13に展開された制御プログラム141に従って動作することによって、後述する制御処理を実行する。
RAM13は、商品情報部131を備える。商品情報部131は、商品コードが読み取られた商品の商品情報(商品名、商品の価格、等)を記憶する。メモリ部14は、電源を切っても記憶情報が保持されるHDD(Hard Disc Drive)やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成され、制御プログラム141を含むプログラム等を記憶する。また、メモリ部14は、画像記憶部142、特徴量記憶部143、クーポン記憶部144を備えている。
画像記憶部142は、カメラ191が顧客を正面から撮像した顔画像を記憶する。特徴量記憶部143は、画像記憶部142に記憶された顧客の顔画像から取得した当該顧客の特徴量を記憶する。クーポン記憶部144は、読取部20が携帯端末から入力したクーポン情報を記憶する。
また、データバス15は、操作部17、オペレータ用表示部18、顧客用表示部19、読取部20、印字部21、カメラ191を、コントローラ16を介して制御部100に接続している。また、データバス15は、通信I/F(Interface)24を制御部100に接続している。通信I/F24は、通信回線25を介して、店内に設置された他のPOS端末1や店舗サーバ(図示せず)と電気的に接続している。店舗サーバは、店舗に設置されているすべてのPOS端末1から通信回線25を介して商品情報や会計情報を収集する。店舗サーバは、POS端末1から収集した商品情報や会計情報を、本部に設置された本部サーバ(図示せず)に通信回線25を介して送信する。
次に図9と図10を用いて、POS端末1の制御処理について説明する。図9は、POS端末1の機能構成を示す機能ブロック図である。制御部100が、Rメモリ部14に記憶された制御プログラム141に従うことで、ターゲット情報取得手段101、クーポン情報入力手段102、クーポン処理手段103として機能する。
ターゲット情報取得手段101は、カメラ191によって撮像された人物の画像に基づいて当該人物を特定可能な特徴量を取得する機能を有する。
クーポン情報入力手段102は、クーポンを使用可能な人物の特徴量を含んだクーポン情報を入力する機能を有する。
クーポン処理手段103は、ターゲット情報取得手段101によって取得された特徴量とクーポン情報入力手段102によって入力された特徴量とが一致した場合のみ、カメラ191で撮像された顧客とクーポンを取得した人Pとが同一人物であるとして、入力されたクーポン情報に基づいてクーポンを適用した販売対象の販売処理を実行する機能を有する。
図10は、POS端末1の制御処理の流れを示すフローチャートである。図10において、制御部100は、読取部20によって読み取られた、商品に付された商品を特定する商品コードが入力されたか否かを判断する(S41)。商品コードが入力されたと判断した場合は(S41のYes)、制御部100は、入力された商品コードに対応した商品情報(商品名、商品の価格、等)を商品マスタ(図示せず)から読み出してRAM13の商品情報部131に記憶する(S42)。そして制御部100は、S41に戻る。
また、商品コードが入力されていないと判断した場合は(S41のNo)、制御部100(クーポン情報入力手段102)は、読取部20によって読み取られた、クーポン情報が入力されたか否かを判断する(S43)。クーポン情報の入力は、店舗で商品売上登録をしている顧客が携帯する携帯端末に表示されたクーポンの画像を、読取部20が光学的に読み取ることにより実行される。クーポン情報が入力されたと判断した場合は(S43のYes)、制御部100は、入力されたクーポン情報をクーポン記憶部144に記憶する(S44)。そして制御部100はS41に戻る。
また、クーポン情報が入力されていないと判断した場合は(S43のNo)、次に制御部100は、締めキー171が操作されたか否かを判断する(S45)。締めキー171が操作されたと判断した場合は(S45のYes)、制御部100は、クーポン記憶部144にクーポン情報が記憶されているか否かを判断する(S51)。
クーポン情報が記憶されていると判断した場合は(S51のYes)、制御部100は、取引処理をしている顧客の顔画像をカメラ191を用いて撮像して画像記憶部142に記憶する(S52)。次に制御部100(ターゲット情報取得手段101)は、記憶した顔画像から当該顧客の特徴量(ターゲット情報)を取得する(S53)。そして制御部100は、取得した特徴量を特徴量記憶部143に記憶する(S54)。次に制御部100は、S44で記憶したクーポン情報に含まれるコード情報から特徴量を抽出し、当該特徴量と特徴量記憶部143に記憶した特徴量とを比較する(S55)。
そして制御部100は、比較した結果として両特徴量が一致しているか否かを判断する(S56)。両特徴量が一致している場合(S56のYes)、制御部100は、カメラ191で撮像された顧客と、クーポン情報に含まれる特徴量が示す人P(すなわち、サイネージ装置4が発行したクーポンを携帯端末で撮影して取得した人P)とが同一人物であると判断する。両特徴量が一致していない場合(S56のNo)、制御部100は、カメラ191で撮像された顧客と、クーポン情報に含まれる特徴量が示す人P(すなわち、サイネージ装置4のカメラ50が撮像した人P)は、同一人物ではないと判断する。
両特徴量が一致していると判断した場合は(S56のYes)、制御部100(クーポン処理手段103)は、商品情報部131に記憶している商品情報およびクーポン記憶部144に記憶されているクーポン情報に基づいて、クーポンを適用して会計処理を実行する(S57)。すなわち、制御部100は、商品情報部131に記憶している商品情報に基づいて求めた合計金額からクーポン情報に基づく割合に応じて割引した会計処理を実行する。そして制御部100は、S41に戻る。一方、両特徴量が一致していないと判断した場合は(S56のNo)、制御部100は、商品情報部131に記憶している商品情報に対してクーポンを適用できないことを表示する(S58)。そして制御部100は、クーポンを適用することなく通常の会計処理を実行する(S59)。そして制御部100は、S41に戻る。なお、S51において、クーポン記憶部144にクーポン情報が記憶されていないと判断した場合は(S51のNo)、制御部100は、S59の処理を実行する。また、S45において、締めキー171が操作されていないと判断した場合は(S45のNo)、制御部100は、S41に戻る。
このような第1実施形態によれば、サイネージ装置4は、プロモーションを実行した結果クーポンを使用可能な人Pを特定の人物として決定し、当該人Pの特徴量を含んだクーポン情報を表示部47に表示する。人Pは携帯端末を用いて表示されたクーポン情報を取得する。人Pは店舗において買物をした際、携帯端末に表示されたクーポン情報を画面に表示する。店舗のPOS端末1は、表示されたクーポン情報を読み取る。そしてPOS端末1は、読み取ったクーポン情報に含まれる特徴量とカメラ191で撮像した顧客の顔画像から得られた特徴量とを比較して、両特徴量が一致した場合にのみクーポンを適用した会計処理を実行する。そのため、クーポンは店舗の経営者が意図した顧客のみが使用できるため、クーポン適用の効果が期待できる。
(第2実施形態)
次に、図11〜図14を用いて、第2実施形態について説明する。図11は、第2実施形態に係るサイネージ装置4の電気的構成を示すブロック図である。図11において、図2と同一構成については同一の符号を付し、説明を省略する。サイネージ装置4は、データバス45と接続された近距離無線通信部51を備えている。近距離無線通信部51は、サイネージ装置4との距離が数cmから1m程度の比較的近距離に位置する機器との間で通信を確立して、情報を送受信する通信を実行する近距離無線通信機能を有している。例えばブルートゥースや赤外線通信といった通信が該当する。近距離無線通信部51は、近距離無線通信機能を用いて近距離に接近した携帯端末と通信を実行する。
そしてサイネージ装置4は、近距離無線通信機能によって通信を確立したルーレットに勝利した人Pが携帯する携帯端末に対し、特徴量記憶部444に記憶した人Pの特徴量(ターゲット情報)を含むクーポン情報を近距離無線通信部51を用いて送信する。
なお、第2実施形態において、図3に示したサイネージ装置4の機能ブロック図のクーポン情報出力手段404は、生成したクーポン情報をサイネージ装置4から近距離無線通信機能を用いて送信する機能を有する。
図12は、第2実施形態に係るサイネージ装置4の制御処理の流れを示すフローチャートである。図12のフローチャートにおいて、S70〜S77、S79とS80の処理は、それぞれ図4のS20〜S27、S29とS30の処理と同一の処理であるため、説明を省略する。
図12において、制御部400は、S79で生成した人Pの特徴量を含むクーポン情報を、近距離無線通信部51を用いて、通信が確立した人Pが携帯する携帯端末に送信する(S78)。この際、近距離無線通信は、比較的大容量の情報を送信できる特性を有するため、目、鼻、口、耳、顎のすべてのパーツの特徴量を取得してクーポン情報に含ませることが可能である。すなわち、第2実施形態では、より高精度で個人を特定可能な特徴量をクーポン情報に含ませることができる。
次に、図13と図14を用いて、第2実施形態のPOS端末1について説明する。図13は、第2実施形態におけるPOS端末1の電気的構成を示すブロック図である。図13において、図8と同一構成については同一の符号を付し、説明を省略する。POS端末1は、データバス15と接続された近距離無線通信部192を備えている。近距離無線通信部192は、POS端末1との距離が数cmから1m程度の比較的近距離に位置する機器との間で通信を確立して、通信を実行する近距離無線通信機能を有しており、例えばブルートゥースや赤外線通信といった通信が該当する。近距離無線通信部192は、近距離無線通信機能を用いて近距離に接近した携帯端末と通信を実行する。
そしてPOS端末1は、近距離無線通信機能によって通信を確立した人Pが携帯する携帯端末から、携帯端末が記憶した人Pの特徴量を含むクーポン情報を近距離無線通信部192を用いて受信する。
なお、第2実施形態において、図9に示したPOS端末1の機能ブロック図のクーポン情報入力手段102は次のように変更される。すなわち、クーポン情報入力手段102は、クーポンを使用可能な人物の特徴量を含んだクーポン情報を受信する機能を有する。
図14は、第2実施形態に係るPOS端末1の制御処理の流れを示すフローチャートである。図14のフローチャートにおいて、S91、S92、S94、S95、S101〜S109の処理は、それぞれ図9のS41、S42、S44、S45、S51〜S59の処理と同一の処理であるため、説明を省略する。
S91において、商品コードが入力されていないと判断した場合は(S91のNo)、制御部100は、近距離無線通信部192が顧客が携帯する携帯端末からクーポン情報を受信したか否かを判断する(S93)。クーポン情報を受信したと判断した場合(S93のYes)はS94を実行し、クーポン情報を受信していないと判断した場合(S93のNo)はS95を実行する。
このような第2実施形態によれば、サイネージ装置4は、プロモーションを実行した結果クーポンを使用可能な人Pを特定する人物として決定し、当該人Pの特徴量を含んだクーポン情報を近距離無線通信部51から人Pが携帯する携帯端末に送信する。携帯端末は、近距離無線通信部51から送信されたクーポン情報を受信する。人Pは携帯端末に受信したクーポン情報をクーポンとして受け取る。人Pは店舗において買物をした際、携帯端末をPOS端末1から近距離に位置させる。店舗のPOS端末1は、近距離に位置した携帯端末が送信したクーポン情報を受信する。そしてPOS端末1は、受信したクーポン情報に含まれる特徴量とカメラ191で撮像した顧客の顔画像から得られた特徴量とを比較して、両特徴量が一致した場合のみクーポンを適用した会計処理を実行する。そのため、クーポンは店舗の経営者が意図した顧客のみが使用できるため、クーポン適用の効果が期待できる。
以上、本発明の第1および第2実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば第1および第2実施形態では、サイネージ装置4は、ルーレットに勝利した人Pの顔画像から取得した特徴量をターゲット情報とした。しかしながら、サイネージ装置4は、撮像した顔画像から得られた属性がプロモーションを実行する対象の属性の属性情報と一致した場合(S24のYesおよびS74のYes)、当該属性に該当するすべての人物を特定の人物として決定し、当該属性情報をターゲット情報としてクーポン情報に含ませるようにしてもよい。この場合、S23およびS73の処理が属性情報生成手段405となる。また、POS端末1は、撮像した顔画像から得られた属性情報が、クーポン情報に含まれている属性情報と一致した場合、クーポンを適用した会計処理(S57の処理およびS107の処理)を実行する。
また、実施形態では、イベントとしてルーレットを用いたゲームを採用し、ゲームに勝利した人を広告対象の人物としたが、ルーレット以外のゲームに勝利した人を広告対象の人物としてもよい。また、イベントとしてアンケートを行い、回答した人を広告対象の人物としてもよい。
また、実施形態では、特典情報として値引情報を記憶し特定の商品を値引くクーポンを発行するようにしたが、特典情報として合計金額から所定の割合で割り引く割引情報を記憶したクーポンとしてもよい。
また、第1実施形態では、クーポン情報を表示部47に表示してクーポン情報を出力し、第2実施形態では、クーポン情報を携帯端末に送信してクーポン情報を出力したが、サイネージ装置4にプリンタを設け、シンボル化された特徴量を含むクーポン情報(例えば図5のクーポン情報)をプリンタ出印字して出力するようにしてもよい。この場合、POS端末1は、印字されたクーポン情報を読取部20で読み取って入力する。
また、実施形態では、商品を販売対象として説明したが、商品以外の、例えばサービス等であってもよい。
なお、第1および第2実施形態において、サイネージ装置4とPOS端末1を備えたシステムを情報処理システムといい、以下の構成を備えている。すなわち、情報処理システムは、広告を表示する表示部47を備えクーポン情報を生成するサイネージ装置4と、生成されたクーポン情報に基づいて販売処理を実行可能なPOS端末1を備えた情報処理システムであって、サイネージ装置4は、表示部47に表示された広告を見た特定の属性の人物を対象としてクーポンを使用可能な人物を決定する人物決定手段401と、カメラによって撮像された顔画像に基づいて人物決定手段401によって決定された前記人物を特定可能な特徴量を取得するターゲット情報取得手段402と、特徴量を含んだクーポン情報を生成するクーポン情報生成手段403と、生成したクーポン情報を出力するクーポン情報出力手段404と、を備え、POS端末1は、カメラによって撮像された人物の顔画像に基づいて当該人物を特定可能な特徴量を取得するターゲット情報取得手段101と、クーポン情報出力手段404によって出力されたクーポン情報を入力するクーポン情報入力手段102と、ターゲット情報取得手段101によって取得された特徴量とクーポン情報入力手段102によって入力されたクーポン情報に含まれる特徴量とが一致した場合のみ、入力されたクーポン情報に基づいてクーポンを適用した販売対象の販売処理を実行するクーポン処理手段103と、を備えている。