JP4491285B2 - 2次元コードによる情報検証システム及び情報検証方法 - Google Patents
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このため、第三者が拾得して不正に使用した場合であっても、本人かどうかを見分けることができず、そのまま使用を許可してしまうという問題があった。
しかし、このように自筆のサインを示すものであっても、クレジットカードが拾得されて不正に使用された場合、クレジットカードに書かれた筆跡を真似されてしまったり、或いはクレジットカードのサイン部分を改竄されてしまうと、正規のサインかどうかを、商品提供者が完璧に見極めることは困難であった。
このため、カードに本人の顔写真を組み込み、この顔写真により認証を行う方法が知られている。しかし、顔写真の部分を改竄された場合には、対応することができなかった。
或いは、本人専用の認証コードをクレジットカードに登録しておき、カード使用時に、前記認証コードをユーザに問い合わせることにより、本人の認証を行うシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、カードが拾得されて解析され、認証コードが割り出されてしまった場合は、カードの不正使用を防止することができなかった。
本発明の他の目的は、かばん,衣類,電気製品等の物品について、本物であるか否かの判断を可能とする2次元コードによる情報検証システム及び情報検証方法を提供することにある。
しかし、実際には、暗色の単位セルは、n×m(但しn、mは自然数)に縦横に配列されるドットからなり、このドットは、所定のステップサイズ及び径を有して配列されている。
したがって、この単位セル内のドットの状況を観察することにより、本発明のシステムで生成された2次元コードであるか否かを検証することが可能であり、コピー等による偽物を容易に見破ることが可能である。
上記真偽を判定するための情報は、2次元コードの暗色セルを構成するドットのステップサイズ及びドット径として組み込まれている。
ドット4の直径は、数十μm〜数百μm程度であり、レーザマーキングにより高い精度でマーキングされている。このため容易に偽造することができず、また真偽の判定についても、より正確に行うことが可能となる。
そして、本発明の2次元コードは、レーザマーキングにより物品に直接形成されているので、2次元コードの真偽が判定されることにより、同時に物品の真偽も判定することが可能となる。
情報検証システムSは、2次元コードを形成するレーザマーキング装置S1と、2次元コード1の真偽を判定する2次元コード検証装置S2とを備えて構成されている。
制御装置Aは、マーキングするデータの取り込み、取り込んだデータのマーキングパターンへの変換、マーキングパターンの出力等を制御するものである。制御装置Aは、図2に示すように、データを入力するための入力部10と、CRT,LCD等の表示部11と、プリンタ等の出力部12と、通信回線Iとの入出力インターフェースである入出力部13と、各種データ等を記憶する記憶部16と、これらを制御する制御部としてのCPU14等から構成されている。本実施形態における制御装置Aは、パーソナルコンピュータで構成することができる。
本例では、マーキング用のデータとして、氏名,住所等の一般情報と、2次元コードの真偽を判定するための情報(以下、検証情報という)とが取得される。
マーキング用のデータは、テキストデータ,画像データ等の電子データである。入力部10は、マウス,キーボード,スキャナ,タブレット,CCDカメラ,デジタルカメラ等から構成することが可能である。
制御装置AからレーザマーカーBへは、マーキングパターンを表わすデータだけでなく、レーザマーキングを行う際の条件に関する制御信号も送出される。
また、制御装置Aの入出力部13から、次述する2次元コード検証装置S2へ、上記マーキングパターンデータが送信される。
LAN接続やインターネット接続がなされていれば、遠隔地よりレーザマーカーBを制御することが可能となる。
例えば、受付等に制御装置Aを設置し、事務処理室にレーザマーカーBを設置するような構成が可能となる。或いは、本社に制御装置Aを設置し、各地の工場にレーザマーカーBを設置するような構成が可能となる。
本実施形態では、制御装置AとレーザマーカーBとが一対一で設置されている構成を示しているが、制御装置Aに対して複数のレーザマーカーBを接続し、被マーキング材に応じて、適切なレーザ光を出射するレーザマーカーBが選択される構成としても良い。
レーザマーカーBにおいて、YAGレーザ発振機50から出力されたレーザ光は、レベリングミラー56により光路を変更され、アパーチャ55によりビーム径を絞られた後、ガリレオ式エキスパンダ57によりビーム径を広げられる。
更に、アパーチャ58によりビーム径を調整された後、アッテネータ46により減衰されてから、ガルバノミラー47により光路を変更及び調整され、fθレンズ59で集光されて、被マーキング体Wに照射される。
YAGレーザ発振機50は、更に全面反射鏡51、内部アパーチャ52、ランプハウス53、内部シャッタ44、出力鏡54を備えており、YAGレーザ発振機50の出力側には外部シャッタ45が設けられている。
コントローラ42は、上記Qスイッチ素子43、内部シャッタ44、外部シャッタ45、アッテネータ46、ガルバノミラー47を、制御装置Aから送信されたデータ及び制御信号に基づいて制御する。
2次元コード検証装置S2は、本体部Cとイメージ取込部Dとを備えて構成されている。
本体部Cは、操作信号や電子データ等を入力するための入力部30と、2次元コードのイメージデータや、2次元コードを復号化したデータを表示する表示部31と、イメージデータ及び復号化データを印字したり、或いは電子媒体への出力等を行う出力部32と、記憶部36と、制御部としてのCPU34と、通信回線Iとの入出力インターフェースであり、レーザマーキング装置S1からの情報取得手段である入出力部39とを備えて構成されている。
イメージ取込部Dは、CCDカメラ41と、鏡筒42と、対物レンズ43とを備えてなる。イメージ取込部Dは、2次元コードについて、拡大されたイメージを撮像することができるように構成されている。イメージ取込部Dとしては、公知のデジタル顕微鏡を使用することが可能である。
データメモリ38には、イメージ取込部Dから取り込んだイメージデータが記憶される。
また、データメモリ38には、2次元コードのマーキングパターンデータが記憶されている。このマーキングパターンデータは、レーザマーキング装置S1の制御装置Aから送信されたものであり、所定の物品に付された2次元コードのマーキングパターンを示すものである。
図4(A)に示すように、本実施形態の2次元コード1は、例えば、従業員証、社員証、パスポート、クレジットカード、銀行等のキャッシュカード、運転免許証、通行許可証等のカード類、或いは、かばん,衣類,電気製品等に付されるラベル等に付されるものである。カードやラベルは、金属製,合成樹脂製,ガラス製のプレート等からなるものである。
さらに、本例の2次元コード1は、その2次元コードが正規に付されたものであるか否か、すなわち、そのカードやラベルが真正であるか否かを、瞬時に判断することができるように工夫がなされている。
本実施形態の2次元コード1は、ドットマーキング方式にてレーザマーキングにより形成されたものである。そして、図中、明色のセル2は被マーキング体Wの表面が直接露出しているものであり、暗色セル3はレーザマーキングにより変色して形成されたものである。
ドット4の直径は、数十μm〜数百μm程度とされている。暗色セル3内のドット4は、一定のステップサイズDを有して、水平及び垂直方向に離間して配列されている。
本例では、2次元コード1を構成する暗色セル3内のドット4が、所定のステップサイズ及びドット径で配列されるように形成されている。
そして、2次元コード毎に、ステップサイズ及びドット径を異ならせることにより、異なる暗色セル3を形成している。
この異なる暗色セル3を利用して、物品に特有な2次元コード1を付すとともに、この2次元コードを利用して真偽を判定する。
図5(C)では、各々のドット4の直径が、図5(A)のドット4の約80%となるように縮小されている。同様に、図5(D)では70%とされている。
本例では、2次元コード1をレーザビームによるドットマーキング方式にて形成しているため、各ドット4の寸法精度が高く、多様な暗色セル3を形成することが可能とされる。
同図(A)はドット4を10×10で配置した構成、(B)はドット4を9×9で配置した構成、(C)はドット4を8×8で配置した構成、(D)はドット4を7×7で配置した構成とされている。
図6では、ドット4の径は同じであるが、ステップサイズを変えることにより、異なる態様の暗色セル3を形成しているものである。
そして、カードやラベルの真偽を検証するときに、読み取られた2次元コードと、2次元コードの元データを比較し、改ざんが複製がなされていないか否かを検証するものである。
本例では、2次元コード1の暗色セル3を構成するドット4の態様を物品毎に異なるものとしている。
そして、物品から読み取られた2次元コード1と、元データとを比較することにより、物品に付された2次元コード1が、本システムで形成されたものであるか否かを検証するものである。
図7(A)は2次元コードが一致した状態を示すものであり、図7(B)は2次元コードがに一致していない状態を示すものである。
例えばカードやラベルが偽物だった場合は、2次元コードについてもコピーなどにより偽造されている。コピーされた場合はドット4が潰れてしまい、暗色セル3内に、所定径のドット4が、所定のステップサイズで配列された状態を再現することは不可能となる。
図8は、記憶部16及び記憶部36に記憶された2次元コードに関する情報を示すものである。図示されているように、これらの情報は、2次元コードが付された物品毎に格納されている。例えば、銀行のカードであれば、銀行名、支店名、口座番号、名義人により一つのカードが特定され、これに対応して、2次元コードに格納された一般情報と、検証情報の内容が記録されている。
図9にレーザマーキング方法の処理の流れを示す。
はじめに、情報取得処理において、レーザマーカーBが、被マーキング体Wにマーキングするデータとして、一般情報と検証情報を取得する(ステップS10)。
取得されたデータは、データメモリ18に記憶される。
一般情報として、銀行のキャッシュカードであれば、カード所有者の氏名、住所、口座番号等の情報が取得される。また、製品ラベルであれば、製造年月日やロット番号等の情報が取得される。
真偽を判定するための検証情報としては、2次元コードの暗色セルのドット配列に関する情報が取得される。すなわち、ドット径,ドット間の距離(ステップサイズ)に関する情報が取得される。
それぞれの情報は、データメモリ18に分別して格納される。
2次元コード変換工程では、図11に示すように、まず、データメモリ18に格納された一般情報が通常の2次元コード化処理によって通常の2次元コードに変換される(ステップS21)。
2次元コードの形式は、明暗模様のマトリクスからなるものであればよい。この2次元コード化は、記憶部16に記憶された変換データ17に基づいて、公知の手法で行われる。
2次元コードへの変換と、ドット4のステップサイズ及びドット径が決定されることにより、被マーキング体W上に形成されるマーキングパターンが決定される。
そして、ステップS23で、制御装置AからレーザマーカーBへ、生成されたマーキングパターンが出力される。レーザマーカーBは、被マーキング体Wの上にドットマーキングを行う。
さらに、ステップS24で、2次元コードのマーキングパターンが2次元コード検証装置S2に送信され、2次元コード検証装置S2の記憶部36に格納される。
先ず、コードリーダで2次元コードが読み取られる(ステップS41)。このときは、検証情報が組み込まれれたセルと、そうではないセルの区別なく、全てが2次元コードを構成するセルとして認識されて読み取られる。
次いで、コードリーダの制御部において、復号化処理が行われる(ステップS42)。この復号化処理は、公知の復号化方法により行われる。
すなわち、コードリーダの記憶部には、2次元コードを復号化するための情報等が記録された復号化データが記憶されており、この復号化データと2次元コード1を比較することにより2次元コード1に記録された情報を文字形式に変換することができる。
この処理は、物品に付された2次元コードが真正なものであるか、すなわちその物品が真正なものであるか否かを確認するために行われる。
この処理は、キャッシュカード等のカード類であれば、銀行の窓口、各種施設の窓口、会社の入口等において行われる。また、かばん,衣類,電気製品等の製品ラベルであれば、各種店舗、卸売店等において行われる。
この処理では、2次元コード1の特定の暗色セル3を拡大して撮像し、この拡大された画像情報を本体部Cに出力する。
単位セルを含む画像は、周囲に余白部分が付いた状態で取り込まれる。取り込まれた画像は、セルの周縁部に沿って画像領域確定線が作成されると共に、X軸方向及びY軸方向に沿うように時計方向又は反時計方向に回転調整される。そして、最終的に、画像領域確定線に沿ってトリミングが施され、特定されたセルのみの画像が切り出される。
先ず、2次元コード検証装置S2の記憶部36から、該当する2次元コードのマーキングパターンを読み込む(ステップS121)。読み込まれた情報は、2次元コード検証装置S2の表示部31に表示される(ステップS122)。
そして、カードやラベルから読み込まれ、切り出された特定セルの画像と、元データから読み込まれた特定セルの画像とを重ね合わせる処理がなされる(ステップS123)。
画像の一致を検出する手法としては、例えば、両画像の対応する一対の画素データについて、排他的論理和を演算する。そして、その演算結果に基づいて、両画像の不一致量を算出し、得られた不一致量が予め設定された許容不一致量以内であるか否かを判定する。
得られた不一致量が許容不一致量以内であれば、両画像は一致していると判定される。また、得られた不一致量が許容不一致量以外であれば、両画像は異なるものとして判定される。
画像が一致したと判定された場合(ステップS124;Yes)、この2次元コードが真正であると判断され(ステップS126)、処理を終了する。
キャッシュカードが発行されるときは、ユーザの一般情報と、検証情報を設定し、これらを2次元コードに変換して、カード表面にレーザマーキングする。
上記一般情報と検証情報、及び2次元コードのマーキングパターン情報は、2次元コード検証装置S2の記憶部36に記憶される。
受付では、ユーザが提示したカード2に付された2次元コードを、受付にあるコードリーダで読み取る。さらに、2次元コード検証装置S2での検証を行う。
窓口では、モニターに表示された情報を確認することにより、カードが本人によって公正に使用されたかどうかを確認する。
さらに、2次元コード検証装置S2により、カードに付された2次元コードの検証を行う。
このようにして、2次元コードに登録された一般情報と、2次元コードを構成するセル内のドットの状態とから、カードが真正なものであるかを二重にチェックすることが可能となり、カードやラベルに対して、より高い信頼性を確保することが可能となる。
なお、本例では、コードリーダと、2次元コード検証装置S2とが、別体である構成に基づいて説明を行ったが、両者が一体となった構成であっても良い。
2 明色セル
3 暗色セル
3´ 変色セル
4 ドット
10,30 入力部
11,31 表示部
12,32 出力部
13,39 入出力部
14,34 CPU
16,36 記憶部
17 変換データ
18,38 データメモリ
42 コントローラ
43 Qスイッチ素子
44 内部シャッタ
45 外部シャッタ
46 アッテネータ
47 ガルバノミラー
50 YAGレーザ発振機
51 全面反射鏡
52 内部アパーチャ
53 ランプハウス
54 出力鏡
55 アパーチャ
59 fθレンズ
A 制御装置
B レーザマーカー
C 本体部
D イメージ取込部
I 通信回線
S1 レーザマーキング装置
S2 2次元コード検証装置
W 被マーキング体
Claims (3)
- 2次元コードによる情報検証システムであって、
2次元コードの形成装置と、2次元コードの検証装置とを備え、
前記2次元コードの形成装置は、
単位セルがn×m(但しn、mは自然数)に縦横に配列されるドットからなる2次元コードのマーキングパターンを生成するマーキングパターン生成手段と、
前記マーキングパターンに基づいて、物品に2次元コードを形成するマーキング手段と、を備え、
前記2次元コードの検証装置は、
前記2次元コードの形成装置から前記マーキングパターンを取得する情報取得手段と、
前記物品から2次元コードのマーキングパターンを取得する取得手段と、
前記2次元コードの形成装置から取得されたマーキングパターンのドットのステップサイズ及びドット径と、前記物品から取得されたマーキングパターンのドットのステップサイズ及びドット径とを比較して一致するか否かを判定し、一致する場合に前記物品から取得された2次元コードが真正であると判定する比較・判定手段と、を備えたことを特徴とする2次元コードによる情報検証システム。 - 前記マーキングパターンは、前記2次元コードに格納される一般情報と、前記ドットのステップサイズ及びドット径に基づいて決定されることを特徴とする請求項1記載の2次元コードによる情報検証システム。
- 物品に付与された2次元コードのマーキングパターンを取得する取得手段と、2次元コード形成装置から前記物品に前記2次元コードが付与された時点でのマーキングパターンを取得する情報取得手段と、制御手段と、を備えた2次元コードの検証装置を用いた、単位セルがn×m(但しn、mは自然数)に縦横に配列されるドットからなる2次元コードによる情報検証方法であって、
前記取得手段が、物品に付与された2次元コードのマーキングパターンを取得する工程と、
前記情報取得手段が、前記物品に前記2次元コードが付与された時点でのマーキングパターンを取得する工程と、
前記制御手段が、前記物品から取得したマーキングパターンのドットのステップサイズ及びドット径と、前記2次元コードが付与された時点でのマーキングパターンのドットのステップサイズ及びドット径とを比較して一致するか否かを判定し、一致する場合に前記物品から取得した2次元コードが真正であると判定する工程と、を備えたことを特徴とする2次元コードによる情報検証方法。
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