JP2005344783A - スラスト針状ころ軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】 転動体の働きによってスラスト針状ころ軸受としての寿命を延長し、長寿命なスラスト針状ころ軸受を安価に提供すること。
【解決手段】 スラスト針状ころ軸受40は、軌道面を転動する複数の転動体41と、転動体41を転動自在に保持する保持器42と、を備え、転動体41は、素材にSi含有量が0.5重量%以上、C含有量が0.30重量%以上の鋼を用いて、浸炭窒化処理および焼入れを行った後、さらに高温焼戻しを200℃〜300℃の範囲で施した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、スラスト針状ころ軸受に関し、特にエアコン用コンプレッサ等の微量潤滑環境下で使用するのに好適なスラスト針状ころ軸受に関する。
スラスト針状ころ軸受は、ラジアルタイプの軸受等、他の形式の転がり軸受と比較して滑りが大きくなるため、潤滑不良によって摩耗や面荒れが生じ易い傾向にある。
近年、エアコン用のコンプレッサ等においては、地球温暖化防止等の環境保護の観点から、冷媒としてHFC(ハイドロフルオロカーボン)−134a等の代替フロンが使用されている。この代替フロンは、従来のCFC(クロロフルオロカーボン)−12等に比べて自己潤滑作用が乏しく、軸受の潤滑不良が生じ易い傾向が強まっている。また、潤滑油としてPAG(ポリアリキレングリコール)が用いられているが、冷媒中の潤滑油を多くすると冷却能が低下するため、極微量しか添加することができない。このため、コンプレッサ中で用いられる軸受は、非常に希薄な潤滑環境で用いられることになるため、摩耗や表面疲労型のはくりが発生したりして、さらには焼き付いてしまう等の問題が生じる。このような問題を防止するためには、潤滑剤を変えて潤滑性能を向上させることも考えられるが、冷媒との相溶性という問題から、潤滑剤の選択範囲が制限される。また、前記冷却性能の観点から、潤滑油の量を多くすることもできない。
そこで、内輪、外輪および転動体の少なくともいずれか一つに浸炭窒化処理を行うことで長寿命化を図ることが考案されている(例えば、特許文献1参照)。また、針状ころの耐久性を十分に確保するため、素材のSiおよびMnの含有量を高くした鋼を用いて、この素材に浸炭窒化処理、焼入れ、焼戻し処理を行うことによって表層部の残留オーステナイト量を20〜50体積%とする技術が考案されている(特許文献2参照)。
上記特許文献1では、スラスト針状ころ軸受において、材料としてSUJ2を用いた内輪,外輪および転動体に、吸熱型ガスとエンリッチガスとアンモニアガスの雰囲気の下で、840℃で浸炭窒化処理を行った後、180℃で2時間の焼戻しを行うようにしている。
上記特許文献2では、スラスト針状ころ軸受において、少なくとも針状ころを、重量比にして、C:0.8〜1.5%、Si:0.4〜1.2%、Mn:0.8〜1.5%およびCr:0.8〜1.8%を含有する鋼を素材とし、この素材を浸炭窒化処理した後、焼入れ、焼戻し処理し、表層部の残留オーステナイト量を20〜40体積%、表面硬度をHv750以上としている。
特開平08−166014号公報 特開2000−234147号公報
スラスト針状ころ軸受において寿命が問題となるのは、潤滑剤が不足したり、異物が混入したりする、というような厳しい潤滑条件下において、表面疲労はくりが生じる場合である。
従来は、寿命が問題となる転動体の素材や熱処理方法等を改良することによって長寿命化し、スラスト針状ころ軸受としての寿命が確保されて来た。しかしながら、ニードル軸受の場合、特に、スラストニードル軸受においては、軌道輪(内輪または外輪)に肉厚の薄い板材が用いられる場合が多く、また、これら軌道輪の外周部、あるいは内周部に曲げ加工が施される場合が多いため、前述のような合金成分の素材を用いることが困難な場合やコストが非常に高くなるという問題がある。また、ラジアルニードル軸受の場合には、内輪として複雑な形状を有する軸が用いられる場合が多く、前記のような合金成分の素材や、特殊な熱処理を施すことが困難な場合が多いという問題がある。
転動体である針状ころにおいては、前記のような素材や熱処理方法による長寿命化を図ることは比較的容易に実施可能であるが、上記特許文献1では、耐食性を向上させるために表面に窒素を含有させることを目的としており、耐摩耗性に対する考慮が不十分である。また、特許文献2では、針状ころの表面はくり寿命特性の向上のみを目的としているため、耐摩耗性に対する考慮が不十分であるばかりか、軌道面にはくりが生じて軸受全体としての寿命は不足してしまう。このため、スラスト針状ころ軸受としての必要な寿命を確保することが困難な場合がある。
本発明はこのような問題を改善するためになされたものであり、その目的は、転動体の働きによってスラスト針状ころ軸受としての寿命を延長し、長寿命なスラスト針状ころ軸受を安価に提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1)本発明に係るスラスト針状ころ軸受は、軌道面を転動する複数の転動体を備えたスラスト針状ころ軸受であって、前記転動体は、素材にSi含有量が0.5重量%以上、C含有量が0.30重量%以上の鋼を用いて、浸炭窒化処理および焼入れを行った後、さらに高温焼戻しを200℃〜300℃の範囲で施したことを特徴とする。
前記構成のスラスト針状ころ軸受によれば、転動体が、素材にSi含有量が0.5重量%以上、C含有量が0.30重量%以上の鋼を用いて、浸炭窒化処理および焼入れされた後、さらに高温焼戻しを200℃〜300℃の範囲で施して作成されるために、転動体のみにSi含有量及びC含有量を高めた素材を用いて、浸炭窒化処理および高温焼戻しを施すことにより、軸受全体としての寿命を延長することが可能となるとともに、相手部材の表面疲労を抑制する転動体を作成することができる。

従って、製造上の問題やコストの問題から長寿命な材料熱処理を適用することが困難な複雑形状を有する軌道軸が内輪として用いられる場合等においても、長寿命なスラスト針状ころ軸受を安価に提供することが可能となる。
2)本発明に係るスラスト針状ころ軸受は、前記1)記載のスラスト針状ころ軸受であって、前記転動体の表面の残留オーステナイト量が、20体積%未満であることを特徴とする。
前記構成のスラスト針状ころ軸受によれば、転動体が、素材にSi含有量が0.5重量%以上の鋼を用いて、浸炭窒化処理および焼入れされた後、さらに高温焼戻しを施し、加えて、転動体の表面の残留オーステナイト量を20体積%未満にしている。転動体の焼戻し温度が低過ぎると、相手材の寿命を延長する効果が十分に得られなくなる。これは、焼戻し温度が低過ぎることにより、軟質な残留オーステナイトの量が多くなるために、相手部材との真実接触面積が大きくなって摩擦による損傷が大きくなるためである。
これに対して、焼戻し温度を高くし過ぎると、硬さの低下および残留オーステナイト量の不足によって転動体の寿命が低下し、かえって軸受としての寿命が低下してしまう。そのため、転動体の表面の残留オーステナイト量が20体積%未満となるように焼戻し温度を高くすることにより、相手部材の寿命をより効果的に延長することができる。
3)本発明に係るスラスト針状ころ軸受は、前記1)又は2)記載のスラスト針状ころ軸受であって、前記転動体の表面粗さが、相手部材の軌道面の表面粗さよりも小さく設定されたことを特徴とする。
前記構成のスラスト針状ころ軸受によれば、転動体の表面粗さが、相手部材の軌道面の表面粗さよりも小さく設定されている。転動体の表面粗さが、相手部材の軌道面の表面粗さよりも大きくなると、相手部材の寿命を延長させる効果が小さくなって寿命比が低下するが、相手部材の表面粗さよりも小さくすると、相手部材の寿命を延長させる効果を十分に得ることができる。
本発明のスラスト針状ころ軸受によれば、ころのみを変更することによってスラスト型針状ころ軸受としての耐久性を向上することが可能となるため、製造上の問題やコストの問題から長寿命な材料熱処理を適用することが困難な軌道輪が用いられる場合等においても、長寿命なスラスト型針状ころ軸受を安価に提供することができる。
以下、本発明に係る複数の実施の形態例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係るスラスト針状ころ軸受の第1実施形態の断面図、図2は本発明に係るスラスト針状ころ軸受の第2実施形態の断面図、図3は本発明に係るスラスト針状ころ軸受の第3実施形態の断面図、図4は本発明に係るスラスト針状ころ軸受の第4実施形態の断面図、図5は耐久試験に使用した試験用針状ころの成分表、図6は耐久試験の結果を示す表である。
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明の第1実施形態であるスラスト針状ころ軸受(以下、単に「軸受」ともいう)40は、スラスト針状ころ軸受であって、軌道面を転動する複数の転動体である針状ころ41と、針状ころ41を転動自在に保持する保持器42と、から構成されている。
針状ころ41は、直径が比較的小さく、長さが直径に比べて長い針形状に形成されており、一方の側部に組み付けられる、相手部材である回転部材(不図示)または非回転部材と、他方の側部に組み付けられる、相手部材である非回転部材(不図示)または回転部材と、を軌道面として、それら軌道面に対して相対的に回転する。
保持器42は、ケージとも呼ばれ、鋼板をプレス加工することにより全体が円環板形状に形成された本体43の円周方向に複数のポケット44が放射状に形成されている。そして、複数のポケット44内に、複数の針状ころ41がそれぞれ転動自在に保持されている。保持器42は、内周部にオートマチックトランスミッションのパワートレン内やトルクコンバータ内における軸部材が挿通される。
針状ころ41は、素材にSi含有量が0.5重量%以上の鋼を用いて、浸炭窒化処理および焼入れされた後、さらに高温焼戻しを施して作成されている。そのため、針状ころ41のみにSi含有量を高めた素材を用いて、浸炭窒化処理および高温焼戻しを施すことにより、スラスト針状ころ軸受40全体としての寿命を延長することが可能となる。
また、針状ころ41は、素材にSi含有量が0.5重量%以上の鋼を用いて、浸炭窒化処理および焼入れされた後、さらに高温焼戻しを施し、加えて、針状ころ41の表面の残留オーステナイト量を20体積%未満にしている。そのため、針状ころ41の表面の残留オーステナイト量が20体積%未満となるように焼戻し温度を高くすることにより、相手部材である軸やハウジングの寿命をより効果的に延長することができる。
また、針状ころ41は、表面粗さが、相手部材である軸やハウジングの軌道面の表面粗さよりも小さく設定されている。それにより、相手部材の寿命を延長させることができる。
また、針状ころ41は、素材にSi含有量が0.5重量%以上の鋼を用いて、浸炭窒化処理および焼入れされた後、さらに、200℃〜300℃の範囲での高温で焼戻されて作成される。これにより、相手部材の表面疲労を抑制する転動体を作成することができる。
針状ころ41における表面疲労型のはくりは、潤滑油に混入した異物を噛み込むことによって軌道面に圧痕が生じ、圧痕の縁の応力の集中によって発生する場合や、潤滑不足によって軌道輪表面と針状ころ表面に金属接触が生じ、軌道面に大きな接線力が働くことによって発生する場合があると考えられている。
表面疲労型のはくりを防止するためには、応力の集中を緩和する効果が高い残留オーステナイトの量を高くすることが有効であることが知られており、また、異物の噛み込みによる圧痕を小さくするために、硬さを高くすることも長寿命化に有効であることが知られておる。しかしながら、これまでは寿命が問題となる部材のみが注目されていたため、相手部材の寿命に与える影響をも考慮した検討は為されていない。
本発明者は、前述の課題を解決するため、転動体、即ち針状ころ41について鋭意研究を行ってきた結果、転動体の素材にSi含有量を高めた鋼を用い、さらに適正な熱処理等を施すことによって相手部材表面の損傷が軽減され、その結果、相手部材の寿命を延長することが可能であることを見出した。
Si(ケイ素)は、製鋼時の脱酸剤として必要な元素であるが、鋼の焼戻し軟化抵抗性を向上させるのに有効な元素であり、また、鋼に浸炭窒化処理を施す場合に表面部の窒素濃度を高くする作用が元素である。本発明者の実験の結果、転動体の素材にSi含有量が0.5重量%以上の鋼を用いて、浸炭窒化処理の後に焼入れを行い、さらに200℃以上の高温で焼戻し処理を施すことによって、相手部材の表面疲労を抑制する効果が得られることが分かった。このため、Si含有量の下限は0.5重量%とする。その効果を得るために、より好ましいSi含有量の下限は0.8重量%である。また、余りに多量に含有すると、素材の被削性を低下させてコストの増大を招く恐れがあるので、Si含有量の上限は2.0重量%とすることが好ましい。より好ましくはSi含有量の上限を1.5重量%とする。
また、転動体の焼戻し温度が低過ぎると、相手材の寿命を延長する効果が十分に得られなくなる。これは、焼戻し温度が低過ぎると、軟質な残留オーステナイトの量が多くなるため、相手部材との真実接触面積が大きくなって摩擦による損傷が大きくなるためであると考えられ、焼戻し温度の下限は200℃とする。好ましくは、転動体表面部の残留オーステナイト量が20体積%未満となるように焼戻し温度を高くし、より好ましくは転動体表面部の残留オーステナイト量が18体積%以下となるように焼戻し温度を選定すると、相手部材の寿命をより効果的に延長することができる。一方、焼戻し温度を高くし過ぎると、硬さの低下および残留オーステナイト量の不足によって転動体の寿命が低下し、かえって軸受としての寿命が低下してしまうため、焼戻し温度の上限は300℃とする。このとき、転動体の寿命低下によって軸受としての寿命が低下することを防止するためには、焼戻し温度を選定して転動体表面部の残留オーステナイト量が5体積%以上となるようにすることが好ましい。より好ましくは、転動体表面部の残留オーステナイト量を8体積%以上とする。
さらに、表面部のN濃度を高くするほど相手部材の損傷を軽減する効果が高くなるため、転動体の表面N濃度の下限を0.2重量%以上とすることが好ましく、より好ましくは0.3重量%以上とする。しかしながら、あまりにN濃度を高くしてもその効果が飽和してしまい、過剰に高くすると脆弱な窒化層が形成されてかえって軸受としての寿命特性が低下する恐れがあるため、上限は2.0重量%とすることが好ましい。また、浸炭窒化処理によってNと同時に添加される表面部のCの濃度については、転動部材として必要とされているHRC58の硬さが得られるように調整する必要がある。このため、表面部のC濃度とN濃度の合計が0.8重量%以上となるようにC濃度を調整することが好ましい。より好ましくは、表面部のC濃度を0.8重量%以上とし、さらに好ましくは1.0重量%以上とする。しかしながら、表面部のC濃度をあまりにも高くし過ぎると、粗大な炭化物が析出して、転動体そのものの寿命特性が低下してしまう恐れがあるため、上限を2.5重量%とすることが好ましく、より好ましくは2.0重量%以下とする。
なお、本発明が目的とする相手部材の損傷低減のためには、相手部材と金属接触が生じる最表面の残留オーステナイト量や窒素濃度、あるいは炭素濃度が重要であり、本発明における表面部とは、最表面から少なくとも1μmの範囲を意味するものとする。
続いて、Si以外の素材の合金元素について述べる。
素材のC含有量について、
C(炭素)は、基地をマルテンサイト化することにより、焼入れ、焼戻し後の硬さを向上させるために必要な元素である。本発明の表面部においては、浸炭窒化処理によってN(窒素)と同時にCを添加することが可能であるため、素材のC含有量は、完成状態での転動体の心部が必要な強度を確保できる量であれば良いため、素材のC含有量の下限は0.30重量%以上とすることが好ましい。転動体の心部硬さとしては650HV以上とすることがより好ましく、素材のC含有量は0.80重量%以上とすることがより好ましい。しかしながら、素材のC含有量が余りに多過ぎると、製鋼の段階で粗大な炭化物が生成して転動疲労特性を低下させる恐れがあるため、上限は1.20重量%とする。
素材のMn含有量について、
Mn(マンガン)は、製鋼時の脱酸剤および脱硫剤として必要な元素であり、その効果を十分に得るためには0.15重量%以上含有することが好ましい。また、Mnは、焼入れ性の向上に有効な元素でもあるため、0.25重量%以上含有することが、より好ましい。しかしながら、その含有量をあまりにも高くし過ぎると、非金属介在物が多くなり過ぎて寿命特性が低下する恐れがあり、また、素材の鍛造性および被削性等の機械加工性が低下するため、Mn含有量の上限は2.0重量%とする。なお、Mnの含有量が低い程より低い温度での焼戻しで残留オーステナイト量を調整することが可能であり、径の小さい針状ころの熱処理においてはそれほど高い焼入れ性を必要としないことを考慮すると、コストの面からMn含有量の上限は0.7重量%とすることが好ましい。
素材のCr含有量について、
Cr(クロム)は、焼入れ性および焼戻し軟化抵抗性を向上させるのに有効な元素であり、基地を強化して転動疲労寿命特性を向上する作用がある。また、微細で高硬度な炭化物や炭窒化物を形成して、耐摩耗性を向上する働きもある。さらに、浸炭窒化層のC濃度を高める作用があり、浸炭窒化特性の向上にも有効な元素である。これらの作用・効果を十分に発揮させるためには、Cr含有量の下限を0.5重量%とする。しかしながら、多量に添加してもその効果が飽和してしまうばかりか、表面に不働体膜を形成することにより、かえって浸炭窒化特性を阻害する恐れがあるため、Cr含有量の上限は2.0重量%とすることが好ましい。
素材のO含有量について、
O(酸素)は、転動疲労寿命特性に有害な酸化物系の非金属介在物を形成するため、極力その含有量を低くする必要があり、含有量の上限を12ppmとすることが好ましい。より好ましくは9ppm以下とする。
なお、上記合金元素以外にも、製鋼上不可避な量の不純物元素(例えばP(リン),S(イオウ),Ni(ニッケル),Cu(銅),Mo(モリブデン),V(バナジウム),Al(アルミニウム),Ti(チタン),Nb(ニオブ)等)が含まれることは言うまでもない。また、MoやV等の炭化物形成元素は、浸炭窒化処理によって微細で高硬度な炭窒化物を形成して耐摩耗性の向上に有効であるため、コストが許す限り微量に添加しても良いが、添加量上限は合計で2重量%以下とすることが好ましい。
また、表面疲労はくりは、極表面に生じる現象であり、潤滑油膜の形成が不十分となって金属接触が生じることが大きな原因となるため、表面の形状や粗さが疲労の進行に及ぼす影響が大きく、本発明者が行ってきた研究の結果からは、上記転動体によって軸受としての寿命を延長する効果を得るためには、転動体表面(転走面)の粗さを相手部材表面(軌道面)の粗さ以下にしておく必要がある。
スラスト針状ころ軸受40によれば、針状ころ41が、素材にSi含有量が0.5重量%以上の鋼を用いて、浸炭窒化処理および焼入れされた後、さらに高温焼戻しを施して作成されるために、転動体のみにSi含有量を高めた素材を用いて、浸炭窒化処理および高温焼戻しを施すことにより、軸受全体としての寿命を延長することが可能となる。従って、製造上の問題やコストの問題から長寿命な材料熱処理を適用することが困難な複雑形状を有する軌道軸が内輪として用いられる場合等においても、長寿命なスラスト針状ころ軸受40を安価に提供することが可能となる。
また、スラスト針状ころ軸受40によれば、針状ころ41が、素材にSi含有量が0.5重量%以上の鋼を用いて、浸炭窒化処理および焼入れされた後、さらに高温焼戻しを施し、加えて、転動体の表面の残留オーステナイト量を20体積%未満にしている。針状ころ41の焼戻し温度が低過ぎると、相手材の寿命を延長する効果が十分に得られなくなる。これは、焼戻し温度が低過ぎることにより、軟質な残留オーステナイトの量が多くなるために、相手部材との真実接触面積が大きくなって摩擦による損傷が大きくなるためである。これに対して、焼戻し温度を高くし過ぎると、硬さの低下および残留オーステナイト量の不足によって針状ころ41の寿命が低下し、かえって軸受としての寿命が低下してしまう。そのため、針状ころ41の表面の残留オーステナイト量が20体積%未満となるように焼戻し温度を高くすることにより、相手部材の寿命をより効果的に延長することができる。
また、スラスト針状ころ軸受40によれば、針状ころ41の表面粗さが、相手部材の軌道面の表面粗さよりも小さく設定されている。針状ころ41の表面粗さが、相手部材の軌道面の表面粗さよりも大きくなると、相手部材の寿命を延長させる効果が小さくなって寿命比が低下するが、相手部材の表面粗さよりも小さいために、相手部材の寿命を延長させることができる。
また、スラスト針状ころ軸受40によれば、針状ころ41が、素材にSi含有量が0.5重量%以上の鋼を用いて、浸炭窒化処理および焼入れされた後、さらに、200℃〜300℃の範囲での高温で焼戻されることにより、相手部材の表面疲労を抑制する転動体を作成することができる。
(第2実施形態)
次に、図2を参照して、本発明に係るスラスト針状ころ軸受の第2実施形態について説明する。
図2に示すように、第2実施形態のスラスト針状ころ軸受50は、スラスト軌道輪を有するスラスト針状ころ軸受であって、複数の転動体である針状ころ51と、針状ころ51を転動自在に保持する保持器52と、スラスト軌道輪53と、から構成されている。
針状ころ51は、直径が比較的小さく、長さが直径に比べて長い針形状に形成されている。針状ころ51は、一方の側部に組み付けられたスラスト軌道輪53の軌道面54と、他方の側部に組み付けられる、相手部材である、オートマチックトランスミッションのパワートレン内やトルクコンバータ内における回転部材または非回転部材の軌道面と、に対して相対的に回転する。
保持器52は、鋼板をプレス加工することにより円環板形状に形成された2枚の保持器部材55,56を一体的に組み付けて構成されている。保持器52は、一方の保持器部材55の本体57の円周方向に放射状にして形成されたポケット58と、他方の保持器部材56の本体59の円周方向に放射状にして形成されたポケット60と、により、針状ころ51を挟み込んで転動自在に保持している。
スラスト軌道輪53は、フランジ付軌道輪であって、内周部に配置された筒部61に、相手部材である軸(不図示)の小径部分が内嵌され、筒部61から外周に向けて形成されたフランジ部62に、軸の大径部分が当接される。そして、フランジ部62の筒部61側に軌道面54が形成されている。スラスト軌道輪53は、筒部61にフランジ部62が直交して一体成形されている。
針状ころ51は、第1実施形態と同様にして、素材にSi含有量が0.5重量%以上の鋼を用いて、浸炭窒化処理および焼入れされた後、さらに高温焼戻しを施して作成されている。また、針状ころ51は、素材にSi含有量が0.5重量%以上の鋼を用いて、浸炭窒化処理および焼入れされた後、さらに高温焼戻しを施し、加えて、針状ころ51の表面の残留オーステナイト量を20体積%未満にしている。また、針状ころ51は、表面粗さが、相手部材である軸やハウジングの軌道面の表面粗さよりも小さく設定されている。そして、針状ころ51は、素材にSi含有量が0.5重量%以上の鋼を用いて、浸炭窒化処理および焼入れされた後、さらに、200℃〜300℃の範囲での高温で焼戻されて作成される。
(第3実施形態)
次に、図3を参照して、本発明に係るスラスト針状ころ軸受の第3実施形態について説明する。
図3に示すように、第3実施形態のスラスト針状ころ軸受70は、一対のスラスト軌道輪を有するスラスト針状ころ軸受であって、複数の転動体である針状ころ71と、針状ころ71を転動自在に保持する保持器72と、第1スラスト軌道輪73と、第2スラスト軌道輪74と、から構成されている。
針状ころ71は、直径が比較的小さく、長さが直径に比べて長い針形状に形成されている。針状ころ71は、一方の側部に組み付けられた第1スラスト軌道輪73の軌道面75と、他方の側部に組み付けられた第2スラスト軌道輪74の軌道面76と、に対して相対的に回転する。
保持器72は、鋼板をプレス加工することにより円環板形状に形成された2枚の保持器部材77,78を一体的に組み付けて構成されている。保持器72は、一方の保持器部材77の本体79の円周方向に放射状にして形成されたポケット80と、他方の保持器部材78の本体81の円周方向に放射状にして形成されたポケット82と、により、針状ころ71を挟み込んで転動自在に保持している。
第1スラスト軌道輪73は、フランジ付軌道輪であって、内周部に配置された筒部83に、相手部材である軸(不図示)の小径部分が内嵌され、筒部83から外周に向けて形成されたフランジ部84に、軸の大径部分や相手部材である回転部材が当接される。そして、フランジ部84の筒部83側に軌道面75が形成されている。
第2スラスト軌道輪74は、フランジ付き軌道輪であって、外周部に配置された筒部85に、相手部材であるハウジング(不図示)が外嵌され、筒部85から内周に向けて形成されたフランジ部84に、相手部材であるハウジングや相手部材である回転部材が当接される。そして、フランジ部84の筒部83側に軌道面75が形成されている。
針状ころ71は、第1実施形態と同様にして、素材にSi含有量が0.5重量%以上の鋼を用いて、浸炭窒化処理および焼入れされた後、さらに高温焼戻しを施して作成されている。また、針状ころ71は、素材にSi含有量が0.5重量%以上の鋼を用いて、浸炭窒化処理および焼入れされた後、さらに高温焼戻しを施し、加えて、針状ころ71の表面の残留オーステナイト量を20体積%未満にしている。また、針状ころ71は、表面粗さが、相手部材である軸やハウジングの軌道面の表面粗さよりも小さく設定されている。そして、針状ころ71は、素材にSi含有量が0.5重量%以上の鋼を用いて、浸炭窒化処理および焼入れされた後、さらに、200℃〜300℃の範囲での高温で焼戻されて作成される。
(第4実施形態)
次に、図4を参照して、本発明に係るスラスト針状ころ軸受の第4実施形態について説明する。
図4に示すように、第4実施形態のスラスト針状ころ軸受90は、スラスト軌道輪を有するスラスト針状ころ軸受であって、複数の転動体である針状ころ91と、針状ころ91を転動自在に保持する保持器92と、図示しない軸に取り付けられる軌道輪93と、図示しないハウジングに取り付けられる軌道輪94と、から構成されている。
針状ころ91は、直径が比較的小さく、長さが直径に比べて長い針形状に形成されている。針状ころ91は、軌道輪93の軌道面95と軌道輪94の軌道面96と、に対して相対的に回転する。
保持器92は、鋼板をプレス加工することにより製造されたものであり、複数の湾曲部97が径方向に連続して形成されて断面波形状をなしていると共に、本体92aの円周方向に複数のポケット99が放射状に形成されている。また、軌道輪94の外径部(径方向外端部)には、軸方向の軌道輪93側に屈曲された屈曲部94aが形成されており、屈曲部94aと先端部と軌道輪93の外径部との間には、環状の隙間98が形成されている。そして、この保持器92には、この持器部92のポケット99に、針状ころ81がそれぞれ転動自在に配置され、この保持器92が軌道輪83の軌道面85と軌道輪84の軌道面86との間に挟み込まれて転動自在に保持されている。
針状ころ91は、第1実施形態と同様にして、素材にSi含有量が0.5重量%以上の鋼を用いて、浸炭窒化処理および焼入れされた後、さらに高温焼戻しを施して作成されている。また、針状ころ91は、素材にSi含有量が0.5重量%以上の鋼を用いて、浸炭窒化処理および焼入れされた後、さらに高温焼戻しを施し、加えて、針状ころ91の表面の残留オーステナイト量を20体積%未満にしている。また、針状ころ91は、表面粗さが、相手部材である軸やハウジングの軌道面の表面粗さよりも小さく設定されている。そして、針状ころ91は、素材にSi含有量が0.5重量%以上の鋼を用いて、浸炭窒化処理および焼入れされた後、さらに、200℃〜300℃の範囲での高温で焼戻されて作成される。
なお、上述した、第2,第3,第4実施形態は、第1実施形態と同様に作用効果を有するために、それらの説明は省略する。
本発明のスラスト針状ころ軸受40,50,70,90の作用・効果を確認するために、スラスト針状ころ軸受40を代表的に用いて行った実施例について説明する。
(耐久試験1)
まず、図5に示すように、複数の主要化学成分を組み合わせることにより、A〜Rの18種類の針状ころを作成し、耐久性の評価を行った。
(熱処理条件)
耐久性評価での熱処理条件は、次の通りである。
(ア):Rxガス+プロパンガス+アンモニアガス雰囲気中で800℃〜860℃×2〜6hrの浸炭窒化処理、焼入れ、150℃〜350℃焼戻し。
(イ):Rxガス雰囲気中で800℃〜860℃に加熱後焼入れ、150℃〜300℃焼きし。
(耐久試験)
耐久性試験は、PAGを潤滑剤として添加したHFC−134a雰囲気中で、接触面圧2GFa、回転速度3000min−1、の条件で100時間運転した後、損傷状態の確認を行った。なお、軌道輪には、JIS鋼種SCM415を用いて、針状ころの熱処理条件(ア)と同様の浸炭窒化処理および焼入焼戻し処理を施すことによって、表面硬さが680〜730HV、表面のC濃度が0.7〜1.0重貴%、表面窒素濃度が0.1〜0.2重量%、表面の残留オーステナイト量が5〜10体積%となるように調整し、更に軌道面の表面粗さが0.1〜0.2Raとなるように仕上げ加工を施して試験を行った。
試験の結果は図6に示す通りである。なお、図6には、各試験片(針状ころ)の熱処理の種類、焼戻し温度、表面窒素濃、表面度炭素濃度、表面硬さおよび表面の残留オーステナイト量(γR)を合わせて示している。また、表面炭素濃度および窒素濃度の測定は、電子線マイクロアナライザー(EPMA)を用いて、鏡面研磨仕上げを施した針状ころ断面の最表面から中心部へ向かって定量分析を行い、最表面の炭素濃度および窒素濃度を読み取った。また、表面硬さの測定にはビッカース硬度計を用い、残留オーステナイト量の測定にはX線回折注を用いて、針状ころの表面を直接測定することによって行った。
図6の試験結果からは、 従来例であるNo.18においては、ころに摩耗が生じており、はくりも生じている。また、軌道輪にも摩耗が生じており、且つ、ピーリング状のはくりが認められた。一方、本発明例であるNo.1においては、ころおよび軌道輪に摩耗やはくりは認められなかった。試験No.2においては、ころ表面の窒素濃度が低目であり、且つ、残留オーステナイト量が高目であるため、ころおよび軌道輪に僅かな摩耗は認められたがはくりは認められなかった。試験No.3は、ころの表面窒素濃度が本願発明の下限であるため、ころに僅かに摩耗が認められたが、はくりは認められなかった。試験No.4〜No.6およびNo.8〜No.15においては、ころの表面窒素濃度が0.5重量%以上と十分に高く、ころ表面の残留オーステナイト量も低いため、ころおよび軌道輪のいずれにも摩耗やはくりは認められなかった。試験No.7においては、ころ表面の残留オーステナイト量がやや高めであるため、軌道輪に僅かな摩耗が認めれたが、はくりは認められなかった。
試験No.16およびNo.17においては、素材のMn含有が高目であることから、ころ表面の残留オーステナイト量がやや高目となっており、ころおよび軌道輪に僅かな摩耗が認められた。試験No.19は、従来材であるJIS鋼種SUJ2に浸炭窒化処理を施した場合の比較例であるが、素材のSi含有量が低いために表面の窒素濃度が不足しており、また、焼戻し温度も低いことから表面の残留オーステナイト量が高くころおよび軌道輪に摩耗が認められ、起動輪にピーリング状のはくりが認められた。
試験No.20は、試験No.19の焼戻し温度を高くした場合であるが、素材のSi含有量が不足しているために焼戻し温度を高くしても耐摩耗性を向上させる効果が得られないばかりかころの寿命が低下している。試験No.21は、焼戻し温度が低過ぎるためにころ表面の残留オーステナイト量が高くなり過ぎており、ころおよび軌道輪に摩耗が生じている.試験No.22は、焼戻し温度が高過ぎるためにかえってころの耐久性が低下している。試験No.23は、試験No.6のころの表面粗さを0.12〜0.15Raと大きくした場合であるが、ころの表面粗さが軌道輪の表面粗さと同等以上であるため軌道輪にピーリング状のはくりが認められた。試験No.24は、浸炭窒化処理を施さなかった場合であり、素材のSi含有量を高くして表面の残留オーステナイト量を低く抑えただけでは、耐摩耗性や寿命特性を向上させる効果が得られないことが分かる。
以上の結果から、ころの素材にSi含有量を高めた鋼を用いて、浸炭窒化処理を施すことによって表面の窒素濃度を高くし、且つ、残留オーステナイト量を適切な範囲にすることによって、スラスト型針状ころ軸受の耐久性を向上させることが可能となることが分かる。また、これらの効果を得るためには、ころの表面粗さを軌道輪の表面粗さよりも小さくしておく必要がある。
なお、本実施例においては、軌道輪にも浸炭窒化処理を施した場合について示しているが、ころの効果によって得られる作用であり、軌道輪の素材や熱処理条件が異なっても、同様の効果が得られることを確認している。また、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
本発明に係るスラスト針状ころ軸受の第1実施形態の断面図である。 本発明に係るスラスト針状ころ軸受の第2実施形態の断面図である。 本発明に係るスラスト針状ころ軸受の第3実施形態の断面図である。 本発明に係るスラスト針状ころ軸受の第4実施形態の断面図である。 耐久試験に使用した試験用針状ころの成分表である。 耐久試験の結果を示す表である。
符号の説明
40,50,70,90 スラスト針状ころ軸受
41,51,71,91 針状ころ(転動体)
42,52,72,92 保持器

Claims (3)

  1. 軌道面を転動する複数の転動体を備えたスラスト針状ころ軸受であって、
    前記転動体は、素材にSi含有量が0.5重量%以上、C含有量が0.30重量%以上の鋼を用いて、浸炭窒化処理および焼入れを行った後、さらに高温焼戻しを200℃〜300℃の範囲で施したことを特徴とするスラスト針状ころ軸受。
  2. 前記転動体の表面の残留オーステナイト量が、20体積%未満であることを特徴とする請求項1に記載のスラスト針状ころ軸受。
  3. 前記転動体の表面粗さが、相手部材の軌道面の表面粗さよりも小さく設定されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスラスト針状ころ軸受。
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