JP2005344163A - 電気電子機器用銅合金 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】Ni、Ti、およびMgからなる金属間化合物、Ni、Ti、およびZrからなる金属間化合物、またはNi、Ti、Mg、およびZrからなる金属間化合物を少なくとも1つ含有し、Ni、Ti、Zn、Cu、およびMgとZrのいずれか一方または両方、並びに不回避なる不純物からなる電気電子機器用銅合金。また、Ni、Ti、およびSnからなる金属間化合物、Ni、Ti、およびSiからなる金属間化合物、またはNi、Ti、Sn、およびSiからなる金属間化合物を少なくとも1つ含有し、Ni、Ti、Zn、Cu、およびSnとSiのいずれか一方または両方、並びに不回避なる不純物からなる電気電子機器用銅合金。
【選択図】なし
Description
近年、電気電子機器の小型化、軽量化、さらにこれに伴う高密度実装化に対する要求が高まっている。小型が進めればコンタクト部分の接点面積が減少となり、使用される板厚も薄くなり、従来と同等な信頼性を保つためにはより高強度な材料が必要となっている。コネクタは一般的に材料が「たわむ」、すなわち、変形することにより、所定の接圧を発生させて互いに嵌合(接合)する機構により通電や情報信号のやり取りを行っている。よって、使用中にこの接圧が減少することにより嵌合(接合)する力が低下して、通電や情報信号のやり取りができなくなることは致命的な欠陥である。この嵌合(接合)力の低下を応力緩和(耐クリープ)特性と称し、応力緩和特性が劣化しない、つまり、耐応力緩和特性が優れる銅合金がこれら電子部品に使用される材料に求められている。
さらに、電子電気機器の小型化は良好な曲げ加工性も材料に要求される。小型化の1つの方向に機器の薄型化がある。薄型化によりコネクタの低背化(高さが低い)が進む。そのため、コネクタにはより加工性の良好な材料が求められている。
金属材料の強度を増加させる手法として材料に加工歪を導入する加工強化法や他の元素を固溶させた固溶強化法、第二相を析出させて強化する析出強化法が一般に行われている。
C70250は、Ni−Siから成る金属間化合物をCu母相中に析出させることで強度が600MPa以上で応力緩和率が20%以下、曲げ加工性も良好であるが、導電率が50%IACS以上にならない。
C18040の導電率は約80%IACSで強度は約600MPaであるが、C19400と同じく応力緩和率と曲げ加工性が要求特性を満足できない。
このようにいずれの析出強化手法でも要求した特性を満足できる材料はなく、新しい材料を開発することが強く求められている。
また、Cu−Ni−Ti合金に、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)を添加することにより、リードフレームとレジンの密着性を向上させた例がある(たとえば、特許文献2)。
しかしながら、これらの銅合金であても、強度と導電率と曲げ加工性、さらには耐応力緩和特性を同時に満足できないため、近年の電子機器の性能向上に伴う銅合金への特性要求を満たせなくなっている。
すなわち、本発明は、
(1)Niが1〜3mass%、Tiが0.2〜1.2mass%、MgとZrのいずれか一方または両方が0.02〜0.2mass%、Znが0.1〜1mass%、並びに残部がCuと不回避なる不純物からなり、Ni、Ti、およびMgからなる金属間化合物、Ni、Ti、およびZrからなる金属間化合物、またはNi、Ti、Mg、およびZrからなる金属間化合物を少なくとも1つ含有し、150℃で1000時間保持したときの応力緩和率が20%以下であることを特徴とする電気電子機器用銅合金、
(2)Ni、Ti、およびMgからなる金属間化合物、Ni、Ti、およびZrからなる金属間化合物、またはNi、Ti、Mg、およびZrからなる金属間化合物の平均粒径が5〜100nm、分布密度が1×1010〜1013個/mm2であり、母相の結晶粒径が10μm以下である(1)項記載の電気電子機器用銅合金、
(3)Niが1〜3mass%、Tiが0.2〜1.2mass%、SnとSiのいずれか一方または両方が0.02〜0.2mass%、Znが0.1〜1mass%、並びに残部がCuと不回避なる不純物からなり、Ni、Ti、およびSnからなる金属間化合物、Ni、Ti、およびSiからなる金属間化合物、またはNi、Ti、Sn、およびSiからなる金属間化合物を少なくとも1つ含有し、150℃で1000時間保持したときの応力緩和率が20%以下であることを特徴とする電気電子機器用銅合金、
(4)Ni、Ti、およびSnからなる金属間化合物、Ni、Ti、およびSiからなる金属間化合物、またはNi、Ti、Sn、およびSiからなる金属間化合物の平均粒径が5〜100nm、分布密度が1×1010〜1013個/mm2であり、母相の結晶粒径が10μm以下である(3)項記載の電気電子機器用銅合金、
(5)(1)〜(4)のいずれか1項に記載の電気電子機器用銅合金の製造方法であって、850℃以上で35秒以下の溶体化処理を行い、該溶体化処理の温度から50℃/sec以上の冷却速度で300℃まで冷却し、次いで圧延加工率が0%を超え50%以下で冷間圧延を行い、450〜600℃で5時間以内の時効処理を行うことを特徴とする電気電子機器用銅合金の製造方法、
(6)(1)〜(5)のいずれか1項に記載の電気電子機器用銅合金の製造方法であって、850℃以上で35秒以下の溶体化処理を行い、該溶体化処理の温度から50℃/sec以上の冷却速度で300℃まで冷却し、次いで450〜600℃で5時間以内の時効処理を行うことを特徴とする電気電子機器用銅合金の製造方法
を提供するものである。
なお、本発明において、電気電子機器には、車載用の機器が含まれるものである。
本発明において、Cu母相中に析出するNi、Ti、およびMgからなる金属間化合物(以下「Ni−Ti−Mg」とする)、Ni、Ti、およびZrからなる金属間化合物(以下、「Ni−Ti−Zr」とする)あるいはNi、Ti、MgおよびZrからなる金属間化合物(以下、「Ni−Ti−Mg−Zr」とする)が形成することにより合金の諸特性を格段に向上させる。これは、従来の合金においてNi−Ti析出物が形成した場合とは全くことなり、これらの金属間化合物が極めて高い耐応力緩和特性を発現する。
また、Ni、Ti、およびSnからなる金属間化合物(以下、「Ni−Ti−Sn」とする)、Ni、Ti、およびSiからなる金属間化合物(以下、「Ni−Ti−Si」とする)、あるいはNi、Ti、SnおよびSiからなる金属間化合物(以下、「Ni−Ti−Sn−Si」とする)が析出した場合でも上記に示す同様の効果が見られた。
これは、Ni−Ti化合物と比べるとNi−Ti−Mg、Ni−Ti−ZrあるいはNi−Ti−Mg−Zrは結晶構造が異なる。この結晶構造が異なる金属間化合物がCu母相に微細分散することにより、格段に耐応力緩和特性を改善できるためと考えられる。
この現象はNi−Ti−Sn、Ni−Ti−SiあるいはNi−Ti−Sn−Siの金属間化合物でも同様に確認され、これらの析出物が形成されていることにより、耐応力緩和特性に優れ、かつ、所望の特性を有する材料を創製することができる。
この所望の特性は下記に規定された成分の含有量により得ることができる。
SnはNi、Ti、Siとともに析出物を形成し、強度、導電率、曲げ加工性、応力緩和特性等を向上させる。Snの含有量を0.02〜0.2mass%に限定した理由は、0.02%mass未満であるとNi、Ti、Snから成る析出物が少ないため応力緩和率が劣るためである。また、0.2mass%を超えると過剰なSnが固溶したままとなり導電率、曲げ加工性が劣るためである。また応力緩和率が劣る。これは析出物の元素の構成比率が異なることが影響していると思われる。Snの含有量は、好ましくは0.05〜0.15mass%、より好ましくは0.08〜0.12mass%である。
金属間化合物の平均粒径が5nm未満であると析出による強度向上の効果が不足し、100nmを超えると析出による強度向上に寄与しないという問題が発生する。平均粒径は、さらに好ましくは10〜60nm、より好ましくは20〜50nmである。
また、金属間化合物の分布密度が1×1010個/mm2未満であると析出による強度向上の効果が不足し、1×1013個/mm2を超えると粒界に粗大な析出物が形成しやすくなり、曲げ加工性を劣化させるという問題が発生する。分布密度は、さらに好ましくは3×1010〜5×1012個/mm2、よりこのましくは1×1011〜3×1012個/mm2である。
一方、母相の結晶粒径は10μm以下が好ましい。10μmを超えると曲げ加工性が低下する。好ましくは5μm以下である。ここで、結晶粒径は長径のことを指す。
また、本発明の製造方法の一実施態様では、850℃以上で35秒以内の溶体化処理を行い、その溶体化処理の温度から50℃/sec以上の冷却速度で300℃まで冷却し、次いで圧延加工率が0%を超え50%以下で冷間圧延を行い、450〜600℃で5時間以内の時効処理を行うものである。また、本発明の製造方法の別の実施態様では、850℃以上で35秒以内の溶体化処理を行い、その溶体化処理の温度から50℃/sec以上の冷却速度で300℃まで冷却し、次いで450〜600℃で5時間以内の時効処理を行うものである。
その後の仕上げ冷間圧延は30%以下が好ましい。
溶体化温度の上限は、1000℃以下とするのが燃料等のコストの点から好ましい。溶体化時間が35秒を超えると結晶粒の粗大化により曲げ加工性が劣化する。より好ましくは25秒以内である。
時効処理は450〜600℃で5時間以内が好ましい。450℃未満であると析出が不足して強度が足りない。600℃を超えると析出物が粗大化してしまい強度に寄与しなくなる。好ましくは480℃〜560℃である。
Ni、Ti、Mg、Zr、およびZnを表1〜4に示す量含有し、残部をCuとする組成の合金を高周波溶解炉により溶解し、これを10〜30℃/秒の冷却速度で鋳造して厚さ30mm、幅100mm、長さ150mmの鋳塊を得た。その鋳塊を1000℃×1hの保持後、熱間圧延機で厚さ約10mmの熱延板を仕上げた。その熱間圧延材を両面約1.0mm面削して酸化膜を除去し、次いで厚さ0.29mmに冷間圧延したのち不活性ガス中で950℃×15秒の溶体化処理し、溶体化後の冷却速度は300℃まで約3秒(約300℃/秒)で冷却した。さらに0.23mmまで冷間圧延し、550℃×2時間時効処理を行い、厚さ0.2mmまで圧延した後、350℃×2時間低温焼鈍を行って本発明例1〜18および40〜57、並びに比較例21〜34、60〜67および70〜73の板材を得て、供試材とした。
[1]引張強度(TS):圧延平行方向から切り出したJIS−13B号の試験片をJIS−Z2241に準じて3本測定しその平均値(MPa)を示した。
[2]導電率(EC):圧延平行方向から切り出した10×150mmの試験片を作製して四端子法を用いて、20℃(±1℃)に管理された恒温槽中で2本測定しその平均値(%IACS)を示した。なお、端子間距離は100mmである。
[3]応力緩和特性(SR):日本電子材料工業会標準規格 EMAS−3003に準じて150℃×1000hの条件で測定した。図1は、応力緩和特性の試験方法の説明図である。図1(a)は初期たわみ量δ0の測定を模式的に示した説明図である。1は試験片、4は試料台を示す。片持ち梁法を採用し初期応力として0.2%耐力の80%を負荷した。この後、150℃で1000hrまで暴露した。試験片は図1(b)の2に示す位置になる。図1(b)中、3はたわみを生じさせない試験片の位置を示す。永久たわみ量δtはHt−H1の値となる。
そこで、応用緩和率(%)は、δt/δ0×100で表される。この試験は端子材などに用いたときに長時間一定歪みのもとでの応力変化を調べるものであり、緩和率が小さい合金ほど良好と見なされる。
[5]結晶粒径(GS):最終加工前の結晶組織を走査型電子顕微鏡(200〜1000倍)により観察しJIS−H0501の切断法に準じ測定した。
[6]析出物(PPT):析出物のサイズは透過電子顕微鏡により観察を行って×100K〜×200K倍の写真を撮影した後、その径を測定して10〜50個の平均値を求め、その測定した面積で割って、密度を算出した。
前記線11を付けた試験片を大気中で加熱し、加熱前後の鉄線11と材料13とのハンダ接続強度を測定した。加熱条件は恒温漕中で150℃×500hとし、恒温漕から取り出した後、十分に空冷にて徐冷させたのち(b)に示すように矢印方向への引張試験を行い荷重を測定した。引張試験の条件はロードセル速度を10mm/minとし室温で測定した。引張試験では供試材の線11とハンダ部12の界面から剥離した試験材料13の引張強度を求めた。なお、界面から剥離せず、鉄線11がハンダ部12より抜けたものは鉄線11とハンダとの密着が悪かったと判断し評価対象にはしていない。
同様に熱処理前の引っ張り強度も測定し、熱処理前の試験材料13の強度と熱処理後の試験材料13の強度を測定し、その強度低下量が50%以下の場合は○、50%以上の場合は×として評価した。経時的に接合強度が低下しない(強度残存率が高い)方が、はんだ性が良好であり、信頼性が高い。
上記の[1]〜[7]の評価結果についても、表1〜4に合わせて示した。
これに対し、比較例21はNi量が少ないので十分な析出強化量を得られないため引張強度が劣った。また、Mgが添加されていないために応力緩和率が劣った。
比較例22はNiとTiが多いので高温、長時間の溶体化処理が必要となり、結晶粒が粗大化して曲げ加工性が劣った。また、時効処理後も過剰なNi、Tiが母相に固溶しているため導電率が劣った。さらに、Mgが添加されていないため応力緩和率が劣った。
比較例23はNiが多いので高温、長時間の溶体化処理が必要となり、結晶粒が粗大化して曲げ加工性が劣った。また、Niが過剰なため、強度に寄与するNi−Ti析出物の密度が低下して引張強度が劣った。時効処理を行っても過剰なNiが母相に固溶しているため導電率が劣った。さらに、Mgが添加されていないため応力緩和率が劣った。
比較例25はMgが少ないので、Ni、Ti、Mgから成る析出物が少ないため応力緩和率が劣った。
比較例27はZrが少ないので、Ni、Ti、Zrから成る析出物が少ないため応力緩和率が劣った。
比較例28はZrが多いので、高温、長時間の溶体化処理が必要となり、結晶粒が粗大化して曲げ加工性が劣った。また時効処理を行っても過剰なZrが母相に固溶しているため導電率が劣った。さらに応力緩和率が劣った。
比較例29はMg、Zrとも少ないので、Ni、Ti、Mg、Zrから成る析出物が少ないため応力緩和率が劣った。
比較例31、32はZnが無いのでハンダ密着性が悪化した。
比較例33、34はZnが多いので導電率が低下した。
なお上記の比較例21〜34は請求項2の発明の比較例である。
比較例61はNiとTiが多いので高温、長時間の溶体化処理が必要となり、結晶粒が粗大化して曲げ加工性が劣った。また時効処理を行っても過剰なNi、Tiが母相に固溶しているため導電率が劣った。またSn、Siが添加されていないため応力緩和率が劣った。
比較例62はNiが多いので高温、長時間の溶体化処理が必要となり、結晶粒が粗大化して曲げ加工性が劣った。また、Niが過剰なため、強度に寄与するNi−Ti析出物の密度が低下して引張強度が劣った。また時効処理を行っても過剰なNiが母相に固溶しているため導電率が劣った。Sn、Siが添加されていないため応力緩和率が劣った。
比較例64はSnが少ないので、Ni、Ti、Snから成る析出物が少ないため応力緩和率が劣った。
比較例65はSnが多いので過剰なSnが固溶したままとなり導電率、曲げ加工性ともに劣った。また応力緩和率が劣った。
比較例67はSiが多いので高温、長時間の溶体化処理が必要となり、結晶粒が粗大化して曲げ加工性が劣った。また過剰なSiが母相に固溶しているため導電率が劣った。さらに応力緩和率が劣った。
比較例70、71はZnが無いのでハンダ密着性が悪化した。
なお、上記の比較例60〜67、70〜73は請求項5の発明の比較例である。
前記実施例1の本発明例15と同様の組成の合金を用い、溶体化処理条件、次いで行う冷間加工条件、次いで行う時効条件を各種変更した。その他の製造条件は実施例1と同様である。さらに、実施例1と同様に評価項目[1]〜[7]の測定を行った。表5に溶体化条件と評価結果を示す。
これに対し、比較例91、92は冷却速度が遅いので析出物が粗大となるため応力緩和率が劣った。
比較例93は溶体化温度が低いので析出に寄与する元素の固溶が少なくなり、時効処理の際の析出密度が小さくなって応力緩和率が劣った。
比較例94は溶体化温度が低いので析出に寄与する元素の固溶が少なくなり、時効処理の際の析出密度が小さくなって応力緩和率が劣った。
比較例96は溶体化処理をしていないので再結晶しておらず、熱間圧延後の冷間加工率が90%以上であるため組織が繊維状であり、結晶粒径が測定できなかった。また析出に寄与する析出物も少ないため曲げ加工性、応力緩和率が劣った。
比較例97は溶体化処理後の冷間加工率が高いので曲げ加工性が劣った。
比較例98は時効温度が高いので、析出物が粗大となったため強度が劣った。
比較例99は時効温度が低いので、析出物の大きさが微小であるため強度が劣った。
比較例100は時効時間が長いので、析出物が粗大となったため強度が劣った。
なお、比較例91〜100は請求項8および9の発明の比較例である。
4 試料台
11 鉄線
12 ハンダ部
13 材料
Claims (6)
- Niが1〜3mass%、Tiが0.2〜1.2mass%、MgとZrのいずれか一方または両方が0.02〜0.2mass%、Znが0.1〜1mass%、並びに残部がCuと不回避なる不純物からなり、Ni、Ti、およびMgからなる金属間化合物、Ni、Ti、およびZrからなる金属間化合物、またはNi、Ti、Mg、およびZrからなる金属間化合物を少なくとも1つ含有し、150℃で1000時間保持したときの応力緩和率が20%以下であることを特徴とする電気電子機器用銅合金。
- Ni、Ti、およびMgからなる金属間化合物、Ni、Ti、およびZrからなる金属間化合物、またはNi、Ti、Mg、およびZrからなる金属間化合物の平均粒径が5〜100nm、分布密度が1×1010〜1013個/mm2であり、母相の結晶粒径が10μm以下である請求項1記載の電気電子機器用銅合金。
- Niが1〜3mass%、Tiが0.2〜1.2mass%、SnとSiのいずれか一方または両方が0.02〜0.2mass%、Znが0.1〜1mass%、並びに残部がCuと不回避なる不純物からなり、Ni、Ti、およびSnからなる金属間化合物、Ni、Ti、およびSiからなる金属間化合物、またはNi、Ti、Sn、およびSiからなる金属間化合物を少なくとも1つ含有し、150℃で1000時間保持したときの応力緩和率が20%以下であることを特徴とする電気電子機器用銅合金。
- Ni、Ti、およびSnからなる金属間化合物、Ni、Ti、およびSiからなる金属間化合物、またはNi、Ti、Sn、およびSiからなる金属間化合物の平均粒径が5〜100nm、分布密度が1×1010〜1013個/mm2であり、母相の結晶粒径が10μm以下である請求項3記載の電気電子機器用銅合金。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気電子機器用銅合金の製造方法であって、850℃以上で35秒以下の溶体化処理を行い、該溶体化処理の温度から50℃/sec以上の冷却速度で300℃まで冷却し、次いで圧延加工率が0%を超え50%以下で冷間圧延を行い、450〜600℃で5時間以内の時効処理を行うことを特徴とする電気電子機器用銅合金の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気電子機器用銅合金の製造方法であって、850℃以上で35秒以下の溶体化処理を行い、該溶体化処理の温度から50℃/sec以上の冷却速度で300℃まで冷却し、次いで450〜600℃で5時間以内の時効処理を行うことを特徴とする電気電子機器用銅合金の製造方法。
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