JP4615628B2 - 銅合金材料、電気電子部品および銅合金材料の製造方法 - Google Patents

銅合金材料、電気電子部品および銅合金材料の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は電気・電子機器用のリードフレーム、コネクタ、端子材、リレー、スイッチ、ソケットなどに適用される銅合金材料、これを用いた電気電子部品および銅合金材料の製造方法に関する。
電気・電子機器用途に使用される銅合金材料に要求される特性項目としては、例えば、導電率、耐力(降伏応力)、引張強度、曲げ加工性、耐応力緩和特性などがある。近年、電気・電子機器の小型化、軽量化、高機能化、高密度実装化や、使用環境の高温化に伴って、これらの特性への要求レベルが高まっている。
従来、一般的に電気・電子機器用材料としては、鉄系材料の他、リン青銅、丹銅、黄銅等の銅系材料も広く用いられている。これらの銅合金はスズ(Sn)や亜鉛(Zn)の固溶強化と、圧延や線引きなどの冷間加工による加工硬化の組み合わせにより強度を向上させている。この方法では、導電率が不十分であり、また、冷間加工率を高くすることによって高強度を得ているために、曲げ加工性や耐応力緩和特性が低下する。
これに替わる強度を向上させる方法として、固溶強化および加工硬化の組み合わせの他に、材料中に微細な第二相を析出させる析出強化がある。この強化方法は強度が高くなることに加えて、導電率を同時に向上させるメリットがあるため、多くの合金系で行われている。
その中でも、銅(Cu)中にニッケル(Ni)とケイ素(Si)の化合物を微細に析出させて強化させたCu−Ni−Si系合金(例えば、CDA[Copper Development Association]登録合金であるCDA70250)は高強度であるため、広く使用されている。また、さらにNiの一部または全てをコバルト(Co)で置換したCu−Ni−Co−Si系やCu−Co−Si系合金は、Cu−Ni−Si系よりも導電率が高いメリットがあり、一部の用途で使用されている。
しかし、昨今の電子機器や自動車に使用される部品の小型化に伴って、使用される電気電子部品は、より小さい半径で曲げ加工が施されるようになっており、高強度かつ曲げ加工性に優れた銅合金材料が強く要求されている。従来のCu−Ni−Co−Si系やCu−Ni−Si系において、高い強度を得るには、圧延加工率を高めて、加工硬化により、強度を上昇させる方法があるが、この方法は前述したように曲げ加工性を低下させてしまい、高強度と良好な曲げ加工性を両立することができなかった。
この曲げ加工性向上の要求に対して、結晶方位の制御によって解決する提案がいくつかなされている。特許文献1では、Cu−Ni−Si系銅合金において、結晶粒径と、{311}、{220}、{200}面からのX線回折強度とがある条件を満たすような結晶方位の場合に、曲げ加工性が優れることが見出されている。また、特許文献2では、Cu−Ni−Si系銅合金において、{200}面および{220}面からのX線回折強度がある条件を満足する結晶方位の場合に、曲げ加工性が優れることが見出されている。また、特許文献3では、Cu−Ni−Si系銅合金において、Cube方位{100}<001>の割合の制御によって曲げ加工性が優れることが見出されている。
特開2006−009137号公報 特開2008−013836号公報 特開2006−283059号公報
ところで、特許文献1および特許文献2に記載された発明においては、特定面からのX線回折による結晶方位の解析は、ある広がりを持った結晶方位の分布の中のごく一部の特定の面に関するものであるため、結晶方位を制御するには不十分であり曲げ加工性に改善効果が不十分な場合があった。また、特許文献3に記載された発明においては、結晶方位の制御を溶体化熱処理後の圧延加工率の低減によって実現しているため、強度が不十分な場合があった。一方では、近年のますますの電気・電子機器の小型化、高機能化、高密度実装化等に伴い、電気・電子機器用の銅合金材料について、前述の各特許文献に記載された発明において想定されていた曲げ加工性よりも高い曲げ加工性が要求されてきているが、各特許文献に記載された技術の範囲内でこの要求を満足することはきわめて困難である。
上記のような問題点に鑑み、本発明は、曲げ加工性に優れ、優れた強度を有し、電気・電子機器用のリードフレーム、コネクタ、端子材等、自動車車載用などのコネクタや端子材、リレー、スイッチなどに適した銅合金材料、それを用いた電気電子部品、および前記銅合金材料の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、電気・電子部品用途に適した銅合金について研究を行い、Cu−Ni−Si系やCu−Ni−Co−Si系やCu−Co−Si系の銅合金において、曲げ加工性、強度、導電性、耐応力緩和特性を大きく向上させるために、結晶方位の単方位性や集積度について着目し、特にS方位{2 3 1}<3 4 6>を中心とした30°以内の方位の集積度と曲げ加工性に相関があることを見い出し、鋭意検討の末に本発明を完成するに至った。
本発明によれば、以下の手段が提供される:
(1)NiとCoの中から1種または2種を合計で0.4〜5.0mass%、Siを0.1〜1.5mass%含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる合金組成を有する銅合金材料であって、EBSD測定における結晶方位解析で、S方位{2 3 1}<3 4 6>からの方位のずれ角度が30°以内である結晶粒の面積率が60%以上であることを特徴とする銅合金材料。
(2)Ni、Co、Siからなる第1の添加元素群のうちのいずれか2種以上の元素で構成される50〜1000nmの直径の粒子が10個/mm〜10個/mmの密度で存在することを特徴とする、上記(1)記載の銅合金材料。
(3)NiとCoの中から1種または2種を合計で0.4〜5.0mass%、Siを0.1〜1.5mass%含有し、B、P、Cr、Fe、Ti、Zr、Mn、AlおよびHfからなる第2の添加元素群から選ばれる少なくとも1種の元素を合計で0.005〜1.0mass%含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる合金組成を有する銅合金材料であって、EBSD測定における結晶方位解析で、S方位{2 3 1}<3 4 6>からの方位のずれ角度が30°以内である結晶粒の面積率が60%以上であることを特徴とする銅合金材料。
(4)Ni、Co、Siからなる第1の添加元素群のうちのいずれか2種以上の元素で構成される50〜1000nmの直径の粒子、前記第1の添加元素群から選ばれる少なくとも1種の元素と前記第2の添加元素群から選ばれる少なくとも1種の元素とを構成元素に含む50〜1000nmの直径の粒子、および前記第2の添加群から選ばれる少なくとも2種以上の元素を構成元素に含む50〜1000nmの直径の粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種の粒子が、合計でが10個/mm〜10個/mmの密度で存在することを特徴とする上記(3)に記載の銅合金材料。
(5)NiとCoの中から1種または2種を合計で0.4〜5.0mass%、Siを0.1〜1.5mass%含有し、Sn、Zn、Ag、Mgからなる第3の添加元素群から選ばれる少なくとも1種の元素を合計で0.005〜2.0mass%含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる合金組成を有する銅合金材料であって、EBSD測定における結晶方位解析で、S方位{2 3 1}<3 4 6>からの方位のずれ角度が30°以内である結晶粒の面積率が60%以上であることを特徴とする銅合金材料。
(6)Ni、Co、Siからなる第1の添加元素群のうちのいずれか2種以上の元素で構成される50〜1000nmの直径の粒子が10個/mm〜10個/mmの密度で存在することを特徴とする上記(5)に記載の銅合金材料。
(7)NiとCoの中から1種または2種を合計で0.4〜5.0mass%、Siを0.1〜1.5mass%含有し、B、P、Cr、Fe、Ti、Zr、Mn、AlおよびHfからなる第2の添加元素群から選ばれる少なくとも1種の元素を合計で0.005〜1.0mass%含有し、Sn、Zn、Ag、Mgからなる第3の添加元素群から選ばれる少なくとも1種の元素を合計で0.005〜2.0mass%含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる合金組成を有する銅合金材料であって、EBSD測定における結晶方位解析で、S方位{2 3 1}<3 4 6>からの方位のずれ角度が30°以内である結晶粒の面積率が60%以上であることを特徴とする銅合金材料。
(8)Ni、Co、Siからなる第1の添加元素群のうちのいずれか2種以上の元素で構成される50〜1000nmの直径の粒子、前記第1の添加元素群から選ばれる少なくとも1種の元素と前記第2の添加元素群から選ばれる少なくとも1種の元素とを構成元素に含む50〜1000nmの直径の粒子、および前記第2の添加元素群から選ばれる少なくとも2種以上の元素を構成元素に含む50〜1000nmの直径の粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種の粒子が、合計で10個/mm〜10個/mmの密度で存在することを特徴とする上記(7)に記載の銅合金材料。
(9)上記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の銅合金材料が加工されて形成された電気電子部品。
(10)上記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の銅合金材料を製造する方法であって、
前記合金組成を与える銅合金を鋳造し鋳塊を得るステップ[ステップ1]、前記鋳塊を均質化熱処理するステップ[ステップ2]、均質化熱処理された鋳塊を熱間圧延するステップ[ステップ3]、冷間圧延するステップ[ステップ6]、熱処理するステップ[ステップ7]、中間溶体化熱処理するステップ[ステップ8]、冷間圧延するステップ[ステップ9]、時効析出熱処理するステップ[ステップ10]、仕上げ冷間圧延するステップ[ステップ11]、調質焼鈍するステップ[ステップ12]の各ステップを記載順に施し、
ここで、前記熱間圧延するステップ[ステップ3]は500℃以上で50%以上の加工率で行い、前記熱処理するステップ[ステップ7]は400〜800℃で5秒〜20時間の範囲で行い、かつ、前記冷間圧延するステップ[ステップ9]での加工率をR1(%)、前記仕上げ冷間圧延するステップ[ステップ11]での加工率をR2(%)としたとき、R1+R2の値を5〜65%の範囲とすることを特徴とする銅合金材料の製造方法。
ここで、単に粒子という場合には、母材(マトリックス)中に析出した析出物(金属間化合物)の粒子をいい、母材の結晶粒とは区別される。
本発明の銅合金材料、好ましくは銅合金板材は、強度、曲げ加工性、導電率、耐応力緩和特性の各特性に優れ、電気・電子機器の部品の用途に好適である。
本発明の電気・電子機器部品は、前記銅合金材料を用いてなるため、より小さい半径で曲げ加工が施されても対応可能な優れた効果を奏する。
さらに、本発明の銅合金材料の製造方法は、前記銅合金材料を製造する方法として好適である。
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、適宜添付の図面を参照して、下記の記載からより明らかになるであろう。
図1(a)及び図1(b)は、耐応力緩和特性の試験方法の説明図であり、図1(a)は熱処理前、図1(b)は熱処理後の状態をそれぞれ示す。
本発明の銅合金材料の好ましい実施の態様について、詳細に説明する。ここで、「銅合金材料」とは、(加工前であって所定の合金組成を有する)銅合金素材が所定の形状(例えば、板、条、箔、棒、線など)に加工されたものを意味する。なお、実施形態として板材、条材について説明する。
本発明において、銅(Cu)に添加する第1の添加元素群であるニッケル(Ni)とコバルト(Co)とケイ素(Si)について、それぞれの添加量を制御することにより、Ni−Si、Co−Si、Ni−Co−Siの化合物を析出させて銅合金の強度を向上させることができる。その添加量は、NiとCoの中から1種または2種を合計で0.4〜5.0mass%、好ましくは0.6〜4.5mass%、さらに好ましくは0.8〜4.0mass%である。Niの添加量は好ましくは0.4〜3.0mass%、さらに好ましくは0.5〜2.8mass%であり、一方、Coの添加量は好ましくは0.2〜1.5mass%、さらに好ましくは0.3〜1.2mass%である。NiおよびCoの添加量は合計で5.0mass%よりも多いと導電率を低下させ、また、合計で0.4mass%よりも少ないと強度が不足する。また、Siの含有量は0.1〜1.5mass%、好ましくは0.2〜1.2mass%である。
銅合金材料の曲げ加工性を改善するために、本発明者らは曲げ加工部に発生するクラックの発生原因について調査した。その結果、曲げ加工性に劣る材料の特徴として、傾角の大きい結晶粒界の周辺で転位や加工硬化が局所的に蓄積し、応力が集中してクラックに至っていることが解った。その対策として、傾角の大きい結晶粒界の割合を低減するために、結晶方位を揃えることが有効であることを知見した。すなわち、S方位{2 3 1}<3 4 6>からの方位のずれ角度が30°以内である結晶粒の面積率が60%以上の場合に、良好な曲げ加工性を示すことを見い出した。この単方位性が高いほど曲げ加工性に優れ、この面積率は好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上である。なお、本明細書における面積率の定義は後述する。
本明細書における結晶方位の表示方法は、材料の圧延方向(RD)をX軸、板幅方向(TD)をY軸、圧延法線方向(ND)をZ軸の直角座標系を取り、材料中の各領域がZ軸に垂直な(圧延面に平行な)結晶面の指数(h k l)と、X軸に平行な結晶方向の指数[u v w]とを用いて、(h k l)[u v w]の形で示す。また、(1 3 2)[6 −4 3]と(2 3 1)[3 −4 6]などのように、銅合金の立方晶の対称性のもとで等価な方位については、ファミリーを表すカッコ記号を使用し、{h k l}<u v w>と示す。
本発明における上記結晶方位の解析には、EBSD法を用いた。EBSD法とは、Electron Back Scatter Diffraction(電子後方散乱回折)の略で、走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)内で試料に電子線を照射したときに生じる反射電子菊池線回折(菊池パターン)を利用した結晶方位解析技術のことである。ここでは、結晶粒を200個以上含む、500μm四方の試料面積に対し、0.5μmのステップでスキャンし、方位を解析した。
本発明においては、前記S方位の集合組織方位成分をもつ結晶粒とその原子面の面積を、以下に述べる所定のずれ角度の範囲内にあるかどうかで規定する。
上記指数で示される理想方位からのずれ角度については、(i)各測定点の結晶方位と、(ii)対象となる理想方位としてのS方位とについて、(i)と(ii)に共通の回転軸を中心に回転角を計算し、ずれ角度とした。例えば、S方位(2 3 1)[6 −4 3]に対して、(1 2 1)[1 −1 1]は(20 10 17)方向を回転軸にして、19.4°回転した関係になっており、この角度をずれ角度とした。前記共通の回転軸は40以下の3つの整数であるが、その内で最も小さいずれ角度で表現できるものを採用した。全ての測定点に対してこのずれ角度を計算して小数第一位までを有効数字とし、S方位から30°以内の方位を持つ結晶粒の面積を全測定面積で除し、S方位を有する原子面の面積率とした。
EBSDによる方位解析において得られる情報は、電子線が試料に侵入する数10nmの深さまでの方位情報を含んでいるが、測定している広さに対して充分に小さいため、本明細書中では面積率として記載した。また、方位分布は板厚方向で異なるため、EBSDによる方位解析は板厚方向に何点かを任意にとり、平均を取ることが好ましい。
次に、銅合金の結晶方位を、S方位を中心とした方位に集積させる方法について説明する。ここでは、析出型銅合金の板材(条材)を例に挙げて説明する。
一般に、析出型銅合金は、均質化熱処理した鋳塊を熱間と冷間の各ステップで薄板化し、700〜1020℃の温度範囲で中間溶体化熱処理を行って溶質原子を再固溶させた後に、時効析出熱処理と仕上げ冷間圧延によって必要な強度を満足させるように製造される。銅合金の集合組織については、この一連のステップの中の中間溶体化熱処理中に起きる再結晶によってそのおおよそが決定し、仕上げ圧延中に起きる方位の回転により、最終的に決定される。
ここで、銅合金の集合組織中の結晶方位に関して、本発明者らは以下の知見を得た。この知見とは、例えば銅合金の圧延材について、(1)最終状態の圧延材における、S方位を中心としてその30°以内の範囲の結晶方位の割合が高いことが曲げ特性の向上のために重要であること、(2)前記(1)の前提として、S方位とその30°以内の範囲の結晶方位が、中間溶体化熱処理を行う前の圧延材において多く含まれていること、および中間溶体化熱処理における再結晶において、圧延材の結晶方位を保存することが、最終状態のS方位とその30°以内の範囲の結晶方位を増加させることに重要であること、である。
そして、中間溶体化熱処理において圧延材の結晶方位を保存するためには、50〜100nmの直径の粒子を10個/mm〜10個/mmの密度になるように溶体化熱処理材中に分散させることが有効であることを見出した。これは、圧延材が中間溶体化熱処理により再結晶する際に、この粒子が再結晶界面の移動を抑制し、結晶粒成長によってCube方位などのS方位とずれ角度の大きな結晶方位の発達を抑制するためと考えられる。
粒子の大きさが50nm未満の場合や、粒子の密度が10個/mm未満の場合は結晶粒界の移動を抑制する効果が不足するため、好ましくない。また、粒子の大きさが1000nmを超える場合や、粒子の密度が10個/mmを超える場合は、曲げ加工変形において粒子が応力集中ポイントとなってクラックが発生する原因となるため、好ましくない。粒子の大きさは、さらに好ましくは、75〜800nm、粒子の密度は、さらに好ましくは、5×10個/mm〜5×10個/mmである。
50〜1000nmの直径の粒子を10個/mm〜10個/mmの密度で中間溶体化熱処理材中に分散させる方法について、例えば、添加元素を添加する方法と、中間溶体化熱処理の前に焼鈍工程を導入する製造プロセスによる方法の二つの方法がある。これらは、どちらか一方でも粒子を中間溶体化熱処理材中に分散させることができる。また、それらを併用しても粒子を中間溶体化熱処理材中に分散させることができる。
第1の添加元素群の元素を使用する場合は、他の添加元素を使用することなく製造プロセスにより粒子を集合組織中に分散させることができる。粒子の構成元素はNi−Si、Co−Si、Ni−Co−Si、Ni−Cu−Si、Co−Cu−Si、Ni−Co−Cu−Siなどである。
また、第1の添加元素群の元素と異なる第2の添加元素群の元素を使用することで、粒子を集合組織中に分散させることができる。この場合の第2の添加元素群の元素としては、B、P、Cr、Fe、Ti、Zr、Mn、AlおよびHfが有効である。第2の添加元素群の元素を用いて粒子を集合組織中に分散させる場合には、(a)第2の添加元素群の元素が単体で粒子を構成する場合、(b)第2の添加元素群の元素が他の添加元素と化合物を形成して粒子を構成する場合、(c)第2の添加元素群の元素がCu−Zr、Cu−Hfなどのように銅と化合物を形成して粒子を構成する場合、が含まれる。また、(b)の場合として、例えば、(b1)第1の添加元素群の元素と第2の添加元素群の元素が化合物を形成する場合、(b2)第2の添加元素群の元素同士が化合物を形成する場合、がある。前述の(b1)の場合とは、Cr−Ni−Si、Co−Cr−Si、Ni−Zr、Ni−Mn−Zr、Ni−Ti、Co−Ti、Ni−Co−Ti、Fe−Ni−Si、Fe−Si、Mn−Si、Ni−Mn−P、Ni−P、Fe−Ni−P、Ni−B、Ni−Cr−B、Ni−Co−B、Ni−Co−Hf−Si、Ni−Co−Al、Co−Ni−Pなどの化合物を形成している場合である。同様に、前述の(b2)の場合とは、Fe−P、Fe−Zr、Mn−B、Fe−B、Cr−B、Mn−Fe−B、Mn−Zr、Fe−Mn−Zr、Mn−Zr、Al−Hf、Al−Zr、Al−Crなどの化合物を形成している場合である。
また、第2の添加元素群の元素を使用する場合には、前述の(b1)(b2)などの化合物を形成する添加元素を添加する方法に加えて、中間溶体化熱処理の前に焼鈍熱処理に付す製造プロセスによる方法を合わせて施すことにより、粒子がより一層中間溶体化熱処理材中に分散しやすくなる。
第2の添加元素群の元素は、総量で1.0mass%を超えると導電率を低下させる弊害を生じるため好ましくない。添加効果を充分に活用し、かつ導電率を低下させないためには、総量で0.005〜1.0mass%であることが必要で、好ましくは0.01mass%〜0.9mass%、さらに好ましくは0.03mass%〜0.8mass%である。
次に、本発明による銅合金材料の製造方法について説明する。本発明のS方位からのずれ角度が30°以内である結晶粒の面積率が60%以上になる状態は、例えば、本発明の製造方法によって得ることができる。
一般に、析出型銅合金の製造方法は、銅合金素材を鋳造[ステップ1]し鋳塊を得て、これを均質化熱処理[ステップ2]し、その後熱間圧延等の熱間加工[ステップ3]を行い、水冷[ステップ4]、面削[ステップ5]、冷間圧延[ステップ6]をこの順に行い薄板化し、700〜1020℃の温度範囲で中間溶体化熱処理[ステップ8]を行って溶質原子を再固溶させた後に、時効析出熱処理[ステップ10]と仕上げ冷間圧延[ステップ11]によって必要な強度を満足させるものである。この一連のステップの中で、材料の集合組織は、中間溶体化熱処理中に起きる再結晶によっておおよそが決定し、仕上げ圧延中に起きる方位の回転により、最終的に決定される。
本発明の銅合金材料の製造方法としては、例えば、所定の合金成分組成から成る銅合金素材を高周波溶解炉により溶解し、これを鋳造して鋳塊を得て[ステップ1]、該鋳塊を900〜1020℃で3分〜10時間の均質化熱処理に施し[ステップ2]、500℃以上1020℃以下の温度範囲で50%〜99%の加工率で熱間圧延し[ステップ3]、水冷[ステップ4]、面削[ステップ5]、加工率50%以上99.8%以下の冷間圧延[ステップ6]、400〜800℃5秒〜20時間保持する(焼鈍)熱処理[ステップ7]、750〜1020℃5秒〜1時間保持する中間溶体化熱処理[ステップ8]、加工率R1が2.5%〜50%の冷間加工[ステップ9]、400〜700℃5分〜10時間の時効析出熱処理[ステップ10]、加工率R2が2.5%〜35%の仕上げ圧延[ステップ11]、200〜600℃5秒〜10時間の調質焼鈍[ステップ12]の各工程を行うことにより、前記[ステップ1]〜[ステップ12]をこの順序で行なうことによって本発明の銅合金材料を得る方法が挙げられる。
本発明の銅合金板材は上記の実施態様の製造方法により製造することが好ましいが、EBSD測定における結晶方位解析において、前記S方位を有する結晶粒の原子面の面積率が規定の条件を満足するならば、上記[ステップ1]〜[ステップ12]をこの順にすべて行うことに必ずしも拘束されるものではない。
熱間圧延[ステップ3]の終了温度が低い場合には、析出速度が遅くなるため、水冷[ステップ4]は必ずしも必要ではない。どの温度以下で熱間圧延を終了すれば、水冷が不要になるかは、合金濃度や熱間圧延中の析出量によって異なり、適宜選択すれば良い。面削[ステップ5]は、熱間圧延後の材料表面のスケールによっては、省かれる場合もある。また、酸洗浄などによる溶解によって、スケールを除去しても良い。
本発明の製造方法においては、前記熱間圧延等の熱間加工[ステップ3]は500℃以上で50%以上の加工率範囲で行い、前記冷間圧延[ステップ6]と前記中間溶体化熱処理[ステップ8]との間に、400〜800℃で5秒〜20時間の範囲で行う熱処理[ステップ7]を加えることによって、前記中間溶体化熱処理[ステップ8]での再結晶集合組織においてS方位から30°以内の結晶方位領域の面積率が増加する。
そして、前記中間溶体化熱処理[ステップ8]の再結晶中に粒界移動を抑制する粒子を析出させることが重要である。前記熱処理[ステップ7]は前記中間溶体化熱処理[ステップ8]と比較して低温になるように、400〜800℃で5秒〜20時間で行うことが好ましい。さらに好ましくは、450〜750℃で30秒〜5時間である。この条件以外では、粒子の析出が不十分になってしまう。
また、前記熱間圧延[ステップ3]の条件は、前記熱処理[ステップ7]で一定密度の粒子を析出させるために、過飽和固溶体に近い状態が得られる条件とする必要がある。また、前記熱間圧延[ステップ3]上がりの結晶粒径が40μm以上などのように粗大な場合は、前記冷間圧延[ステップ6]でS方位から30°以内の結晶方位が発達しにくくなるため、好ましくない。前記熱間圧延[ステップ3]時の材料温度が500℃未満の場合は析出が進行してしまうため好ましくない。また、加工率50%未満の場合は、前記熱間圧延[ステップ3]上がりの結晶粒径が粗大になるため好ましくない。以上の観点から、前記熱間圧延[ステップ3]は、材料温度500℃以上で加工率50%以上の圧延を行うことが好ましい。さらに好ましくは、材料温度550℃以上で加工率60%以上である。
また、前記中間溶体化熱処理[ステップ8]後には、冷間圧延[ステップ9]、前記時効析出熱処理[ステップ10]、前記仕上げ冷間圧延[ステップ11]および、調質焼鈍[ステップ12]を施す。ステップ6の冷間圧延とステップ9の冷間圧延とを区別するために、ステップ6を「熱間圧延後の冷間圧延」、ステップ9を「中間溶体化熱処理後の冷間圧延」とすることがある。ここで、前記中間溶体化熱処理後の冷間圧延[ステップ9]と前記仕上げ冷間圧延[ステップ11]のそれぞれの加工率R1とR2の合計は、5〜65%の範囲であることが好ましい。さらに好ましくは、加工率R1とR2の合計は、10〜50%である。加工率R1とR2の合計が5%より低い場合、加工硬化量が少なく、強度が不十分であり、加工率R1とR2の合計が65%より高い場合、過剰に材料を加工硬化させるために曲げ加工性が著しく劣化する。
なお、加工率R1とR2の算出は下記の通り行った。
R1(%)=(t[8]−t[9])/t[9]*100
R2(%)=(t[9]−t[11])/t[11]*100
ここで、t[8]、t[9]、t[11]はそれぞれ前記中間溶体化熱処理[ステップ8]後の板厚、前記中間溶体化熱処理後の冷間圧延[ステップ9]後の板厚、前記仕上げ冷間冷間圧延[ステップ11]後の板厚である。
次に、耐応力緩和特性などの特性(二次特性)を向上させる添加元素の効果について示す。好ましい添加元素としては、Sn、Zn、Ag、Mgが挙げられる。添加効果を充分に活用し、かつ導電率を低下させないためには、添加する場合に総量で0.005〜2.0mass%であることが必要で、好ましくは0.01〜0.9mass%、さらに好ましくは、0.03〜0.8mass%である。これらの添加元素が総量で1mass%を超えると導電率を低下させる弊害を生じるため好ましくない。なお、これらの添加元素が総量で0.005mass%より少ない場合は、これらの元素を添加した効果がほとんど発揮されない。
以下に、各元素の添加効果を示す。Mg、Sn、Znは、Cu−Ni−Si系、Cu−Ni−Co−Si系、Cu−Co−Si系銅合金に添加することで耐応力緩和特性が向上する。それぞれを単独で添加した場合よりも併せて添加した場合に相乗効果によってさらに耐応力緩和特性が向上する。また、半田脆化を著しく改善する効果がある。また、Agを含めると、固溶効果により強度が向上する効果がある。
上記内容を満たすことで、例えばコネクタ用銅合金板材に要求される特性を十分に満足することができる。
なお、本発明の銅合金材料を板材として得る場合、その板厚には特に制限はないが、例えば、0.05〜0.6mmの範囲とすることが好ましい。
以下、実施例に基づき本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
(実施例1)
第1の添加元素を表1および表2に示す割合で含有するように配合し、残部がCuと不可避不純物から成る合金を高周波溶解炉により溶解し、これを0.1〜100℃/秒の冷却速度で鋳造[ステップ1]して鋳塊を得た。これを900〜1020℃で3分〜10時間の均質化熱処理[ステップ2]後、500〜1020℃で加工率50〜95%の熱間圧延[ステップ3]を行った後に水焼き入れ(水冷[ステップ4]に相当)を行い、酸化スケール除去のために面削[ステップ5]を行った。その後に、加工率80%から99.8%の冷間圧延[ステップ6]、400〜800℃で5秒〜20時間の範囲の熱処理[ステップ7]、750〜1020℃で5秒〜1時間の中間溶体化熱処理[ステップ8]、加工率が3〜35%の冷間圧延(中間溶体化熱処理の冷間圧延)[ステップ9]、400〜700℃で5分〜10時間の時効析出熱処理[ステップ10]、加工率3〜25%の仕上げ冷間圧延[ステップ11]、200〜600℃で5秒〜10時間の調質焼鈍[ステップ12]を行って供試材とした。供試材の厚さは0.15mmとした。これらの供試材の組成および特性を、本発明例については表1に、比較例については表2にそれぞれ示す。各熱処理や圧延の後に、材料表面の酸化や粗度の状態に応じて酸洗浄や表面研磨を、形状に応じてテンションレベラーによる矯正を行った。
なお、表2中の比較例1−5、1−6、1−7、1−8は上記工程内の熱間圧延[ステップ3]を500℃未満で行い、熱処理[ステップ7]を400℃未満で行い、製造した。
この供試材について下記の特性調査を行った。
a.S方位からのずれ角度が30°以内の領域の面積率[S方位]:
EBSD法により、測定面積が500μm、スキャンステップが0.5μmの条件で測定を行った。測定面積は結晶粒を200個以上含むことを基準として調整した。上述した様に、理想方位であるS方位から30°以内のずれ角度を有する結晶粒の原子面について、該当する原子面の面積を求めて合計し、さらに、この合計値を全測定面積で割ることにより、面積率(%)を算出した。
b.曲げ加工性:
圧延方向に垂直に幅10mm、長さ35mmに切出し、これに曲げの軸が圧延方向に垂直になるようにW曲げしたものをGW(Good Way)、圧延方向に平行になるようにW曲げしたものをBW(Bad Way)とし、曲げ部を50倍の光学顕微鏡で観察し、クラックの有無を調査した。クラックのないものを良と判定し○印を、クラックのあるものを不良と判定して×印を、それぞれ表(本実施例では表1および表2)に記載した。各曲げ部の曲げ角度は90°、角曲げ部の内側半径は0.15mmとした。
c.0.2%耐力[YS]:
圧延平行方向から切り出したJIS Z2201−13B号の試験片をJIS Z2241に準じて3本測定し、その平均値を示した。
d.導電率[EC]:
20℃(±0.5℃)に保たれた恒温槽中で四端子法により比抵抗を計測して導電率を算出した。なお、端子間距離は100nmとした。
e.第2相の粒径と分布密度[粒子の大きさと密度]:
供試材を直径3mmの円形に打ち抜き、ツインジェット研磨法を用いて薄膜研磨を行って観察試験片を作製した。加速電圧300kVの透過型電子顕微鏡で2000倍と40000倍の写真を任意で10視野ずつ撮影して、第2相の大きさと密度を測定した。視野中の粒子の個数を測定し、これを単位面積当たりの個数(/mm)へ演算した。化合物の同定にはTEM付属のEDX分析装置を使用した。
f.応力緩和率[SR]:
日本伸銅協会技術標準JCBA T309:2001に準じて測定した。図1(a)および1(b)は耐応力緩和特性の試験方法の説明図である。図1(a)に示すように、試験台4に片持ちで保持した試験片1に、耐力の80%の初期応力を負荷したときの試験片1の位置は、基準からδの距離である。これを150℃の恒温槽に1000時間保持(前記試験片1の状態での熱処理)し、負荷を除いた後の試験片2の位置は、図1(b)に示すように基準からHの距離である。試験片3は応力を負荷しなかった場合の試験片であり、その位置は基準からHの距離である。応力緩和率(%)は、下記式
SR(%)={(H−H)/(δ−H)}×100
により算出した。
g.特性の判定基準
0.2%耐力(YS)が600MPa以上、曲げ加工性が90°W曲げ試験においてクラックなく曲げ加工が可能な最小曲げ半径(r)を板厚(t)で割った値(r/t)が1以下、導電率(EC)が35%IACS以上、耐応力緩和特性が応力緩和率(SR)30%以下の特性を示すものを、良好な特性を示す銅合金材料であるとする。
表1に示すように、本発明例1−1〜本発明例1−19は、曲げ加工性、耐力、導電率、耐応力緩和特性のすべてに優れた。
しかし、表2に示すように、本発明の規定を満たさない場合は、特性が劣る結果となった。すなわち、比較例1−1は、NiとCoの総量が少ないために、析出硬化に寄与する析出物の密度が低下し強度が劣った。また、NiまたはCoと化合物を形成しないSiが金属組成中に過剰に固溶し導電率が劣った。比較例1−2は、NiとCoの総量が多いために、導電率が劣った。比較例1−3は、Siが少ないために強度が劣った。比較例1−4は、Siが多いために導電率が劣った。比較例1−5と1−6と1−7と1−8は、S方位からのずれ角度が30°以内の割合が少ないために曲げ加工性が劣った。
(実施例2)
第1の添加元素と第2の添加元素を表3および表4に示す割合で含有するように配合し、残部がCuと不可避不純物からなる銅合金を用いて、実施例1に記載の製造方法と同様の製造方法で本発明例2−1〜本発明例2−19および比較例2−1〜比較例2−3を得、実施例1に記載の測定方法と同様の測定方法で特性調査を行った。その結果を表3および表4に示す。
表3に示すように、本発明例2−1〜本発明例2−19は、曲げ加工性、耐力、導電率、耐応力緩和特性のすべてに優れた。
しかし、表4に示すように、本発明の規定を満たさない場合は、特性が劣った。すなわち、比較例2−1、2−2、2−3は、その他の元素の添加量が多いため、導電率が劣った。
(実施例3)
第1の添加元素と第2の添加元素と第3の添加元素を表5および表6に示す割合で含有するように配合し、残部がCuと不可避不純物からなる銅合金を用いて、実施例1に記載の製造方法と同様の製造方法で本発明例3−1〜本発明例3−19および比較例3−1〜比較例3−3を得、実施例1に記載の測定方法と同様の測定方法で特性調査を行った。その結果を表5および表6に示す。
表5に示すように、本発明例3−1〜本発明例3−19は、曲げ加工性、耐力、導電率、耐応力緩和特性のすべてに優れた。
しかし、表6に示すように、本発明の規定を満たさない場合は、特性が劣った。すなわち、比較例3−1、3−2、3−3は、その他の元素の添加量が多いために、導電率が劣った。
(実施例4)
表7の組成(単位はmass%)の銅合金を用いて、熱間圧延[ステップ3]、熱処理[ステップ7]、冷間圧延[ステップ9]と仕上げ冷間圧延[ステップ11]については、表8、表9に示す条件、その他のステップについては実施例1に記載の条件で製造し、本発明例4−1〜本発明例4−12および比較例4−1〜比較例4−10を得た。得られた本発明例および比較例について実施例1に記載の測定方法と同様の測定方法で、特性調査を行った。その結果を表8および表9に示す。なお、表8、表9において、「[ステップ3]」等は単に「[3]」と、「[ステップ7]」等は単に「[7]」と、「[ステップ9]」等は単に「[9]」と、「[ステップ11]」等は単に「[11]」と表記している。
表8に示すように、本発明例4−1〜本発明4−12は曲げ加工性、耐力、導電率、耐応力緩和特性のすべてに優れた。
しかし、本発明の規定を満たさない場合は、特性が劣った。すなわち、比較例4−1は熱間圧延[ステップ3]の温度が低すぎたために、S方位からのずれ角度30°以内の方位の発達が不十分になり、また、粒子が粗大化し、曲げ加工性が劣った。比較例4−2は熱間圧延[ステップ3]の加工率が低いためにS方位からのずれ角度30°以内の方位の発達が不十分になり曲げ加工性が劣った。比較例4−3は熱処理[ステップ7]が低温すぎたために、比較例4−4は熱処理[ステップ7]が高温すぎたために、比較例4−5は熱処理[ステップ7]が短時間すぎたために、比較例4−6は熱処理[ステップ7]が長時間すぎたために、S方位からのずれ角度30°以内の方位の発達が不十分になり、それぞれ曲げ加工性が劣った。比較例4−7、4−8は加工率R1と加工率R2の合計が低すぎるために強度が劣った。比較例4−9、4−10は加工率R1と加工率R2の合計が高すぎるために曲げ加工性が劣った。
このように、上記実施例中の特性調査により、0.2%耐力が600MPa以上、曲げ加工性が90°W曲げ試験においてクラックなく曲げ加工が可能な最小曲げ半径を板厚で割った値が1以下(曲げ半径を板厚で割った値が1(r/t=1)の状態で曲げ試験を行ってクラックが発生しなかった)、導電率が35%IACS以上、耐応力緩和特性が応力緩和率30%以下の良好な特性を実現できることが本発明の利点である。
本発明をその実施態様とともに説明したが、我々は特に指定しない限り我々の発明を説明のどの細部においても限定しようとするものではなく、添付の請求の範囲に示した発明の精神と範囲に反することなく幅広く解釈されるべきであると考える。
本願は、2008年10月22日に日本国で特許出願された特願2008−271967に基づく優先権を主張するものであり、これはここに参照してその内容を本明細書の記載の一部として取り込む。
1 初期応力を負荷した時の試験片
2 負荷を除いた後の試験片
3 応力を負荷しなかった場合の試験片
4 試験台

Claims (10)

  1. NiとCoの中から1種または2種を合計で0.4〜5.0mass%、Siを0.1〜1.5mass%含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる合金組成を有する銅合金材料であって、EBSD測定における結晶方位解析で、S方位{2 3 1}<3 4 6>からの方位のずれ角度が30°以内である結晶粒の面積率が60%以上であることを特徴とする銅合金材料。
  2. Ni、Co、Siからなる第1の添加元素群のうちのいずれか2種以上の元素で構成される50〜1000nmの直径の粒子が10個/mm〜10個/mmの密度で存在することを特徴とする請求項1に記載の銅合金材料。
  3. NiとCoの中から1種または2種を合計で0.4〜5.0mass%、Siを0.1〜1.5mass%含有し、B、P、Cr、Fe、Ti、Zr、Mn、AlおよびHfからなる第2の添加元素群から選ばれる少なくとも1種の元素を合計で0.005〜1.0mass%含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる合金組成を有する銅合金材料であって、EBSD測定における結晶方位解析で、S方位{2 3 1}<3 4 6>からの方位のずれ角度が30°以内である結晶粒の面積率が60%以上であることを特徴とする銅合金材料。
  4. Ni、Co、Siからなる第1の添加元素群のうちのいずれか2種以上の元素で構成される50〜1000nmの直径の粒子、前記第1の添加元素群から選ばれる少なくとも1種の元素と前記第2の添加元素群から選ばれる少なくとも1種の元素とを構成元素に含む50〜1000nmの直径の粒子、および前記第2の添加元素群から選ばれる少なくとも2種以上の元素を構成元素に含む50〜1000nmの直径の粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種の粒子が、合計で10個/mm〜10個/mmの密度で存在することを特徴とする請求項3に記載の銅合金材料。
  5. NiとCoの中から1種または2種を合計で0.4〜5.0mass%、Siを0.1〜1.5mass%含有し、Sn、Zn、Ag、Mgからなる第3の添加元素群から選ばれる少なくとも1種の元素を合計で0.005〜2.0mass%含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる合金組成を有する銅合金材料であって、EBSD測定における結晶方位解析で、S方位{2 3 1}<3 4 6>からの方位のずれ角度が30°以内である結晶粒の面積率が60%以上であることを特徴とする銅合金材料。
  6. Ni、Co、Siからなる第1の添加元素群のうちのいずれか2種以上の元素で構成される50〜1000nmの直径の粒子が10個/mm〜10個/mmの密度で存在することを特徴とする請求項5に記載の銅合金材料。
  7. NiとCoの中から1種または2種を合計で0.4〜5.0mass%、Siを0.1〜1.5mass%含有し、B、P、Cr、Fe、Ti、Zr、Mn、AlおよびHfからなる第2の添加元素群から選ばれる少なくとも1種の元素を合計で0.005〜1.0mass%含有し、Sn、Zn、Ag、Mgからなる第3の添加元素群から選ばれる少なくとも1種の元素を合計で0.005〜2.0mass%含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる合金組成を有する銅合金材料であって、EBSD測定における結晶方位解析で、S方位{2 3 1}<3 4 6>からの方位のずれ角度が30°以内である結晶粒の面積率が60%以上であることを特徴とする銅合金材料。
  8. Ni、Co、Siからなる第1の添加元素群のうちのいずれか2種以上の元素で構成される50〜1000nmの直径の粒子、前記第1の添加元素群から選ばれる少なくとも1種の元素と前記第2の添加元素群から選ばれる少なくとも1種の元素とを構成元素に含む50〜1000nmの直径の粒子、および前記第2の添加元素群から選ばれる少なくとも2種以上の元素を構成元素に含む50〜1000nmの直径の粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種の粒子が、合計で10個/mm〜10個/mmの密度で存在することを特徴とする請求項7に記載の銅合金材料。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の銅合金材料が加工されて形成された電気電子部品。
  10. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の銅合金材料を製造する方法であって、
    前記合金組成を与える銅合金を鋳造し鋳塊を得るステップ[ステップ1]、前記鋳塊を均質化熱処理するステップ[ステップ2]、均質化熱処理された鋳塊を熱間圧延するステップ[ステップ3]、冷間圧延するステップ[ステップ6]、熱処理するステップ[ステップ7]、中間溶体化熱処理するステップ[ステップ8]、冷間圧延するステップ[ステップ9]、時効析出熱処理するステップ[ステップ10]、仕上げ冷間圧延するステップ[ステップ11]、調質焼鈍するステップ[ステップ12]の各ステップを記載順に施し、
    ここで、前記熱間圧延するステップ[ステップ3]は500℃以上で50%以上の加工率で行い、前記熱処理するステップ[ステップ7]は400〜800℃で5秒〜20時間の範囲で行い、かつ、前記冷間圧延するステップ[ステップ9]での加工率をR1(%)、前記仕上げ冷間圧延するステップ[ステップ11]での加工率をR2(%)としたとき、R1+R2の値を5〜65%の範囲とすることを特徴とする銅合金材料の製造方法。
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