JP2005343879A - 低級炭化水素の芳香族化触媒反応方法および芳香族化触媒反応装置ならびに芳香族化合物および水素の製造方法 - Google Patents

低級炭化水素の芳香族化触媒反応方法および芳香族化触媒反応装置ならびに芳香族化合物および水素の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005343879A
JP2005343879A JP2004190537A JP2004190537A JP2005343879A JP 2005343879 A JP2005343879 A JP 2005343879A JP 2004190537 A JP2004190537 A JP 2004190537A JP 2004190537 A JP2004190537 A JP 2004190537A JP 2005343879 A JP2005343879 A JP 2005343879A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrogen
gas
lower hydrocarbon
reaction
catalytic reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004190537A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaru Ichikawa
勝 市川
Ayaichi Kojima
綾一 小島
Koto Ba
洪涛 馬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2004190537A priority Critical patent/JP2005343879A/ja
Publication of JP2005343879A publication Critical patent/JP2005343879A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】 メタンなどの低級炭化水素から芳香族化合物と水素とを効率よく、しかも経時的に安定して反応させることができる触媒反応方法を提供する。
【解決手段】 多孔質メタロシリケート上に金属元素または金属元素化合物を担持した触媒20を用いて低級炭化水素ガスから芳香族と水素とを直接併産する触媒反応に際し、原料低級炭化水素ガス中に水素と水蒸気の混合ガスを1〜20体積%添加して前記触媒20に接触させる触媒反応に供することで、触媒反応において副次反応として触媒表面上に生成される炭素を触媒表面から除去して、反応速度を大きく低下させること無しに触媒寿命を向上させて低級炭化水素から芳香族化合物および水素を効率よく製造できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、天然ガスやバイオガスなどのメタンを含有するガスから、化学工業薬品工業などで原料として使用されるベンゼン及びナフタレン類を主成分とする芳香族化合物と、燃料電池用の燃料、あるいは半導体工業で使用される水素とを効率的に製造するための触媒反応に関するものであり、芳香族化合物の高分子樹脂農医薬などの合成化学分野への用途展開、メタンから水素を生成する改質分野、ひいてはプロセスCOを排出しないことから環境保全分野に関連する発明である。
従来、メタンを一段階の反応で直接芳香族化する触媒として、特許文献1〜6に示されるように、多孔質メタロシリケートの孔径と担持する金属種の最適化によりメタンを直接芳香族化して水素を並産する触媒、およびその芳香族化合物と水素との製造法が発明者によって開発されてきた。
これらの特許文献では、メタンや天然ガスなどの原料ガスを触媒反応容器に直接導入し、触媒反応により芳香族化合物と水素とを同時に生成する方法である。しかし、このような有機化合物を高温で反応させる場合、目的とする反応以外に有機物が炭素と水素に熱分解する反応が並行して生じるために、この生成炭素が触媒上に沈着し、触媒性能を低下させるという問題があった。このような問題に対して一酸化炭素あるいは二酸化炭素を0.01〜30体積%、あるいは水素ガスを1〜20体積%をメタンなどの原料ガスに添加することにより、炭素の生成、沈着を緩和し、触媒の寿命を延命する方法が提案されている(特許文献3〜7)。
特開平10−272366号公報 特開平11−47606号公報 特開平11−60514号公報 特開平2001−334151号公報 特開2001−334152号公報 特開2002−336704号公報 特願2003−061014
また、Zhangらは同様に芳香族と水素とを併産する反応において、原料メタンと水素とを交互に反応器に導入することで触媒の劣化が抑えられることを報告している(非特許文献1)。
第12回北海道大学触媒化学センター国際シンポジウム、2001年11月18〜20日、札幌。予稿集p15〜16
しかしこれらの従来技術のうち、原料ガスをそのまま触媒上で反応させる方法では、前述のように触媒性能の経時的な劣化が著しく、実用上の問題が大きかった。一方、一酸化炭素や二酸化炭素あるいは水素ガスを交互にあるいは同時に、メタンガスなどの原料ガス中に添加する方法は、確かに触媒寿命を延長する効果はあるが、添加する一酸化炭素や二酸化炭素の量に非常に敏感であり、ほんの少し添加量が変るだけで触媒の反応特性、寿命特性が大きく変化するため、実規模のプラントに適用する場合、添加量を厳密に管理しなければならず、操作上の困難があった。また、水素ガスを原料ガス中に添加する方法では、確かに触媒寿命を延長し触媒活性の安定化に効果があるが、反応時間の経過によりなお触媒活性の低下を完全には除去することはできない。また、これら一酸化炭素や二酸化炭素などの酸素を含有する添加物を用いた場合、生成ガス中に一酸化炭素が含まれることになる。生成する水素を燃料電池の燃料として使用する場合には、燃料電池の電極を被毒する一酸化炭素濃度を極力低いレベルに抑える必要があるため、この方法で芳香族と水素とを生産しても、この水素を燃料電池用燃料として使用するためにはさらに一酸化炭素を取り除く装置を追加する必要があった。
他方、原料メタンと水素とを交互に反応器に導入する方法は、操作が煩雑となることはもちろんであるが、触媒寿命の延長には効果があるように見えるがメタンと短時間反応させた直後に水素で触媒上に生成した炭素を除去する再生工程を入れているに過ぎず、時間あたりの芳香族生成量が少ないこと、および目的とする反応で生成する水素ガス量に比べて再生工程で消費する水素量が多いこと、などから実用的な方法とは言い難い。
この発明は、上記のような従来方法による触媒性能の劣化、生成物の水素の消費といった問題を解決するためになされたものであり、装置的に簡便で、かつ炭素の析出による触媒性能の効率的な劣化を抑えることが可能で、大規模の実プラントに適用し得る低級炭化水素の芳香族化触媒反応方法および芳香族化触媒反応装置ならびに芳香族化合物および水素の製造方法を提供することを目的としている。
従来技術であるCOなどを原料ガスに添加する方法あるいは交互に水素を導入する方法は、メタンの熱分解反応により生成する炭素を酸化することにより、ガス状物質として触媒表面から取り去る方法であるが、COなどを添加する場合にはその反応の制御が困難であり、生成ガス中に一酸化炭素が含まれるという欠点があった。また、水素を交互に導入あるいは1〜20体積%でメタンなどの原料ガスに添加して触媒寿命の安定やこまめに触媒再生する方法は、水素の消費量が多く、また、芳香族化合物および水素を生成する反応効率が大きく低下するために実用的ではない。これに対して発明者らは、目的とする芳香族と水素とを製造する反応(下記、化学式1)およびメタンの熱分解反応(下記、化学式2)の生成物である水素と少量の水蒸気(HO)が、目的とする反応を生じさせている最中でもメタン熱分解の逆反応により触媒表面に生成した炭素と反応する(下記、化学式3、化学式4)ことに着目し本発明を完成するに至った。
化1
6CH→C+9H
化2
CH→C+2H
化3
C+2H→CH
化4
C+2HO→CO+2H
すなわち、本発明の低級炭化水素の芳香族化触媒反応方法のうち、請求項1記載の発明は、多孔質メタロシリケート上に金属元素または金属元素化合物を担持した触媒を用いて低級炭化水素ガスから芳香族と水素とを直接併産する触媒反応方法において、原料低級炭化水素ガス中に水素と水蒸気を1〜20体積%添加して前記触媒反応に供することを特徴とする。
請求項2記載の低級炭化水素の芳香族化触媒反応方法の発明は、請求項2記載の発明において、前記水素の一部または全部が、前記低級炭化水素ガスの触媒反応によって生成されたものであることを特徴とする。
請求項3記載の低級炭化水素の芳香族化触媒反応方法の発明は、請求項2記載の発明において、前記低級炭化水素ガスの触媒反応を経たガスから水素を分離し、該水素を原料炭化水素ガスと水蒸気の混合ガスを添加することを特徴とする。
請求項4記載の低級炭化水素の芳香族化触媒反応方法の発明は、請求項3記載の発明において、前記水素が未反応低級炭化水素ガス中に残存するものであることを特徴とする。
請求項5記載の芳香族化合物および水素の製造方法の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の触媒反応方法によって低級炭化水素ガスから芳香族化合物および水素を得ることを特徴とする。
請求項6記載の芳香族化触媒反応装置は、原料低級炭化水素ガス導入部とガス排出部とを有し、内部に多孔質メタロシリケート上に金属元素または金属元素化合物を担持した触媒を収容する触媒反応容器と、前記排出部に連結され、排出ガス中から水素を分離可能とした生成物分離手段と、該生成物分離手段から分離された水素または該水素と水蒸気の混合ガスを未反応低級炭化水素ガスとを前記ガス導入部に送って原料低級炭化水素ガスと混合するガス還流路とを備えることを特徴とする。
発明の効果
本発明によれば、適量の水素ガスと水蒸気(スチーム)の混合ガスを予め原料メタンガスに添加することにより、目的とする触媒反応の進行を妨げるという作用があるが、反応速度を著しく低下させるものではなく、その一方で、触媒活性低下の原因となる生成炭素による触媒表面のコーティングを抑制する効果がある。
さらに、その作用について具体的に見ると、例えば原料メタン中に生成物の水素が混入することにより、前記の反応式1で表される目的とする反応は、水素の存在により平衡が左側に移動するため、反応の進行が抑制される。一方で、水素と水蒸気(HO)の混合ガスをメタン等の原料ガスに添加することにより、触媒性能劣化の原因となる望ましくない反応(前記、化学式2)の進行も抑制することができ、析出したコークの水素化反応(前記、化学式3)と炭素除去反応(前記、化学式4)が並発して効率的に触媒劣化の要因であるコーク(炭素)を除き、触媒寿命の延長や、触媒活性の安定化ができる。
一方、実際の触媒反応塔を考えた場合、触媒が充填された層の一方から原料ガスを導入し、反応後のガスを他方の出口から排出する形態をとる。このため、反応初期においてはガス入り口付近で反応が活発に進行し、時間の経過によりこの部分の触媒が劣化するとともに次第に活発な反応域が出口方向に移動していくような反応形態をとる。原料としてメタンガスのみを使用した場合は炭素の析出により劣化した触媒はそのままの状態を保つが、水素と水蒸気(HO)を添加したメタンガスを用いた場合には、その水素と水蒸気が析出炭素と反応することにより、メタンガスや酸化炭素の形で触媒表面から炭素を取り去り、再び触媒活性を引き出すことが可能になる。この領域でメタンとなったガスは、より活性な触媒層の後段で原料のメタンとともに目的とする反応を生じさせることができるため、触媒反応塔全体としては芳香族や水素の生成速度を大きく低下させることなしに、触媒寿命を大幅に延長することが可能となる。さらに、炭素の水素化反応と水蒸気との反応での炭素除去過程はかなりの発熱が生じるため、目的とするメタンの芳香族化反応(吸熱反応)の省エネルギー化に貢献する。このため全体として触媒反応効率が向上し、さらに長期に亘って安定した反応効率を示す。
この方法は従来のCOやHなどを単独で添加する方法と比べて、反応速度の添加量依存性が小さいため、添加量を厳密に設定する必要がないため、実装置でのガスの混合を簡便な装置で容易に行えるという効果もある。また、従来技術の原料メタンと水素とを交互導入する方法に比べて操作が簡単であり、また水素の消費量が少なく、より経済的な触媒寿命の向上方法である。
一般に触媒反応では反応が100%進行しない場合には、得られる反応ガスから生成物を取り除き、未反応の原料ガスを再度反応塔に戻す循環方式の反応装置が用いられる。芳香族と水素とを生産する触媒反応では、反応塔出口ガスから生成物である芳香族と水素とを分離して、残った未反応メタンを再び原料ガスとして反応塔に循環させる方法が取られる。この反応性生物の分離を考えた場合、ベンゼンやナフタレンなどの芳香族は沸点が低いために冷却することで簡単に分離除去可能であるが、メタンと水素を完全に分離するには大がかりな装置が必要となり、プラントの建設費用、運転費用がかさむことになる。
しかし、この発明によれば触媒寿命を向上させる目的で原料メタン中に水素を添加しているため、反応ガス中のメタンと水素との分離を完全に行う必要がなく、簡便なPSA(Pressure Swing Absorption)等を用いて水素を含んだメタンリッチガスを循環させることで原料メタンへの水素添加が可能になるという効果がある。このため、生成する水素ガスの一部を添加することで、別途添加ガスを用意する必要がなくなるとともに、反応後のガスの分離度を低く抑えることによる装置費用、運転費用を低減できる効果もある。
本発明では触媒の担体として多孔質メタロシリケートが用いられる。該多孔質メタロシリケートとしては、種々の組成から成るシリカ及びアルミナからなる多孔質担体やリン酸を主成分とする多孔質担体、シリカ及びチタニアから成るチタノシリケート等の多孔質担体を用いることができる。該多孔質メタロシリケートは、ミクロ細孔やメソ細孔を有しており、実質的に径4.5〜5.5Åのものが例示される。
該多孔質シリケートには、触媒材料として金属元素または金属元素化合物が担持される。触媒材料としては、モリブテン、レニウム、タングステン、亜鉛、ガリウム、鉄、鋼およびコバルト、ロジウム、ルテニウムなどの金属またはその化合物が例示され、これらの混合物であってもよい。本発明としては、上記触媒材料をメタロシリケートに担持させる際の担持量に特に制限はなく、触媒材料の種別等に応じて適切な量を選定すればよい。
上記触媒材料をメタロシリケートに担持させる方法としては、触媒材料の前駆体等をメタロシリケートに含浸担持させたり、イオン変換法により担持させたりする方法が例示される。ただし、本発明としては触媒材料の担持方法については特に制限されない。
上記により得られる本発明の触媒は、粉末状又はペレット状及びその他の形状のいずれの形状であってもよく、形状が特に限定されるものでもない。該触媒は、通常、触媒反応容器に収容して低級炭化水素ガスと接触させて触媒反応に供する。
該触媒との反応に供する原料低級炭化水素は、適量の水素と水蒸気を混合して触媒反応させることによって上記作用を得ることができる。なお、原料低級炭化水素に添加する水素は、好適には目的とする触媒反応によって生成されたものを使用することができる。なお、この場合、上記生成物以外の水素を用いることもでき、また、生成物における水素とその他の水素を混合して添加することもできる。さらに、該水素は、常時、連続的に原料低級炭化水素の混合して触媒反応に供してもよく、断続的に原料低級炭化水素に添加して触媒反応に供するようにしてもよい。
原料低級炭化水素に水素と水蒸気を添加する場合、その添加量は、1〜20体積%の範囲内とする。1体積%未満では、触媒活性低下の原因となる生成炭素による触媒表面のコーティングを抑制する作用が十分に得られず、経時的な触媒性能の劣化を十分に抑制できない。一方、水素と水蒸気の添加量が20体積%を越えると、目的とする触媒反応の進行を妨げるという作用が強くなり、十分な反応効率が得られなくなる。したがって水素と水蒸気の添加量を上記範囲に限定する。なお、上記と同様の理由で下限を5体積%、上限を15体積%とするのが望ましい。また水素と水蒸気(HO)との体積比は、特に制約はないが過剰量の水蒸気による触媒活性の低下があることからH:HO=99〜80:1〜20とするのが望ましい。
また、上記触媒反応に供する低級炭化水素としては、代表的には炭素数が1のメタンが示されるが、この他に炭素数が1〜5の炭化水素を反応対象とすることができる。
以下に、本発明における芳香族化触媒反応装置の一実施形態を、図1に基づいて説明する。
触媒反応容器10内には、多孔質メタロシリケートに所定の触媒材料を担持した触媒20が収容されており、該触媒反応容器10には、原料低級炭化水素と所定量の水蒸気をガス導入管13から加えたガス導入部11とガス排出部12とが設けられている。ガス排出部12には、生成した芳香旅化合物を分類する分類手段29とそこからガスを排出するガス排出部28が設けられており、ガス排出部28にはPSA(圧力変動吸着)を利用した生成物分離手段30が連結されており、該生成物分離手段30には、水素を送出する反応物送出路31と、水素が含まれる未反応低級炭化水素を送出する還流管40とが接続されている。上記還流管40は、流量制御弁41を介して前記ガス導入部11に接続されており、水素と未反応低級炭化水素に所定量の水蒸気をガス導入部13から添加供給することができる。また流量制御弁51を介して水素と水蒸気の添加量比を調整することができる。
次に、上記芳香族化触媒反応装置を用いた低級炭化水素の芳香族化触媒反応方法について説明する。
原料と低級炭化水素をガス導入部11を通して触媒反応容器10内に導入し、触媒20と接触させて触媒反応を起こす。該反応によって低級炭化水素から芳香族化合物と水素とが生成され、これら生成物は、触媒反応容器10を通ってガス排出部12から排出されて芳香族分離手段29に至る。芳香族分離手段29では、芳香族化合物が反応物送出路27を通して取り出される。この芳香族分離手段29で芳香族化合物と分離された生成ガスはガス排出部28を通って生成物分離手段30に至る。一方、生成物分離手段30では、水素ガスが反応物送出路31、未反応の低級炭化水素と水素の一部が還流路40に送り出される。還流路40では、流量制御弁41で流量を制御して、ガス導入部11を通して触媒反応容器10内に導入されるガスに、ガス導入管13を通じて1〜20体積%の割合で水素と水蒸気を混入する。また流量制御弁51で水蒸気流量を制御して、水素と水蒸気の原料低級炭化水素との添加量を調整してガス導入管13を通じて触媒反応容器10内に導入する。
触媒反応容器10内では、触媒反応によって目的とする芳香族化合物と水素とが製造されるとともに、一部の低級炭化水素では、炭素を生成して該反応に伴って触媒表面に炭素が付着する現象がある。しかし、原料ガスに水素と水蒸気を混入させておけば、炭素が生成される反応を抑制し、また、上記反応によって生成した炭素を還元して炭化水素の形で触媒表面から除去する作用が得られ、触媒の経時劣化が抑制される。なお、水素と水蒸気の混入によって芳香族化合物と水素とが製造される反応も抑制されるが、触媒劣化を抑える作用によって全体としては反応効率が向上すると同時に高い触媒性能が長期間にわたり安定に保持できる。
以下に本発明の実施例を比較例と比較しつつ説明する。
(触媒調整および実験条件) 450℃、5時間焼成して水を除いたハネカム型ZSM−5(細孔経5.4〜5.6Å)を、モリブデン酸アンモン水溶液に浸漬してMoを担持し、秤量後、真空乾燥、500℃、5時間焼成して触媒を調整した。この6wt%Mo/HZSM−5触媒10gを内径20mm、高さ130mmのSUS製反応管に入れ、650℃で30分炭化後、750℃、3気圧、メタンSV=2520ml/MFI−g/hの条件で反応を開始した。
(実施例1) 上記触媒調整および実験条件での実験において、メタンに6体積%の水素と1.2%水蒸気とを添加した混合ガスを反応原料ガスとして用いて10時間の触媒反応を行わせた。この際、反応管出口のガスを分析することにより、生成する主要芳香族であるベンゼンの生成速度を測定した。
(比較例1) 実施例1と同様の実験において、水素を添加しない純メタンを原料ガスとして用いて10時間の触媒反応を行わせた。この際、反応管出口のガスを分析することにより、生成する主要芳香族であるベンゼンの生成速度を測定した。
(比較例2) 上記実験において、メタンに6体積%の水素を添加した混合ガスを反応原料ガスとして用いて10時間の触媒反応を行わせた。この際、反応管出口のガスを分析することにより、生成する主要芳香族であるベンゼンの生成速度を測定した。
上記実施例1、比較例1及び比較例2の試験結果に基づいて、触媒の反応活性を示す指標であるベンゼンの生成速度の経時変化を図2にまとめて示した。原料メタンに水素と水蒸気を添加することにより、実施例1の場合で10時間の反応経過後には最大反応速度は約5%の低下を示すが、その性能は長時間安定して発揮された。10時間後のベンゼン生成速度が比較例1ではメタンのみでの芳香族化反応では最大値の25%まで低下するのに比べて、メタンに6体積%Hを添加した比較例2では10時間後のベンゼン生成速度が最大値の85%を維持した。メタンに6体積%Hと1.2体積%HOを添加した実施例1では10時間後のベンゼン生成速度が最大値の95%を維持することができた。
(触媒調整および実験条件) 450℃、5時間焼成して水を除去したペレット型ZSM−5をモリブデン酸アンモン((NH)6Mo24)と塩化ロジウム(RhCl)あるいは硝酸コバルト(Co(NO)水溶液に浸漬してMoとRhを担持し、真空乾燥、500℃、5時間焼成して触媒を調整した。この6wt%Mo−1.0wt%Rh/HZSM−5触媒及び6wt%Mo−1.0wt%Co/HZSM−5触媒を各々10gを内径20mm、高さ130mmのSUS製反応管に入れ650℃で30分間炭化処理後、750℃、3気圧メタンSV=2520ml/MFI−g/h、8体積%と1.5体積%水蒸気の条件で反応を行った。比較例としてメタンのみとメタンに8体積%Hを添加して実験を行った。
上記実験例2の試験結果に基づいて触媒の反応活性を示す指標であるベンゼンの生成速度の経時変化を下記の表1にまとめて示した。
原料メタンに水素と水蒸気を添加することにより、6wt%Mo−1.0wt%Rh/HZSM−5触媒では3000分後の反応経過後でも最大反応速度の約8%の低下に保持された。6wt%Mo−1.0wt%Co/HZSM−5触媒では3000分後の反応経過後では最大反応速度の約15%の低下に保持された。50時間後のベンゼン生成速度は比較例であるメタンのみでの芳香族化反応では最大値の2%以下に低下するのに比べて、メタンに8体積%Hを添加した場合には50時間後のベンゼン生成速度は最大値の60〜65%を維持した。メタンに8体積%Hと1.5体積%HOを添加した実施例2では50時間後のベンゼン生成速度が最大値の92%〜85%に維持された。
Figure 2005343879
本願発明は、上記の説明に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本願発明の範囲内に包含されることはいうまでもない。
本発明によれば、多孔質メタロシリケート上に金属元素または金属元素化合物を担持した触媒を用いて低級炭化水素ガスから芳香族と水素とを直接併産する触媒反応方法において、原料低級炭化水素ガス中に水素と水蒸気の混合ガスを1〜20体積%添加して前記触媒反応に供するので、芳香族化合物と水素とを生産する触媒反応において副次反応として生成する炭素を触媒表面から除去して、反応速度を大きく低下させること無しに触媒寿命を向上させることができ、また、芳香族化合物および水素を効率よく製造することができる。また、本発明の芳香族化触媒反応装置によれば、上記作用を容易かつ確実に実現することができる。
本発明の一実施形態の芳香族化触媒反応装置を示す概略図である。 本発明の実施例における試験結果(ベンゼンの生成速度の経時変化)を示すグラフである。
符号の説明
10 触媒反応容器
11 ガス導入部
12 ガス排出部
13 ガス導入部
20 触媒
27 反応物送出路
28 ガス排出部
29 芳香族分離手段
30 生成物分離手段
31 反応物送出路
40 還流管
41 流量制御弁
51 流量制御弁

Claims (6)

  1. 多孔質メタロシリケート上に金属元素または金属元素化合物を担持した触媒を用いて低級炭化水素ガスから芳香族と水素とを直接併産する触媒反応方法において、原料低級炭化水素ガス中に水素と水蒸気(HO)の混合ガスを1〜20体積%添加して前記触媒反応に供することを特徴とする低級炭化水素の芳香族化触媒反応方法
  2. 前記水素の一部または全部は、前記低級炭化水素ガスの触媒反応によって生成されたものであることを特徴とする請求項1記載の低級炭化水素の芳香族化触媒反応方法
  3. 前記低級炭化水素ガスの触媒反応を経たガスから水素を分離し、該水素を原料炭化水素ガスに添加することを特徴とする請求項2記載の低級炭化水素の芳香族化触媒反応方法
  4. 前記水素は未反応低級炭化水毒ガス中に残存するものであることを特徴とする請求項3記載の低級炭化水素の芳香族化触媒反応方法
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の触媒反応方法によって低級炭化水素ガスから芳香族化合物および水素を得ることを特徴とする芳香族化合物および水素の製造方法
  6. 原料低級炭化水素ガス導入部とガス排出部とを有し、内部に多孔質メタロシリケート上に金属元素または金属元素化合物を担持した触媒を収容する触媒反応容器と、前記排出部に連結され、排出ガス中から水素を分離可能とした生成物分離手段と、該生成物分離手段から分離された水素または該水素と未反応低級炭化水素ガスとを前記ガス導入部に送って原料低級炭化水素ガスと混合するガス還流路とを備えることを特徴とする芳香族化触媒反応装置。
JP2004190537A 2004-05-31 2004-05-31 低級炭化水素の芳香族化触媒反応方法および芳香族化触媒反応装置ならびに芳香族化合物および水素の製造方法 Pending JP2005343879A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004190537A JP2005343879A (ja) 2004-05-31 2004-05-31 低級炭化水素の芳香族化触媒反応方法および芳香族化触媒反応装置ならびに芳香族化合物および水素の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004190537A JP2005343879A (ja) 2004-05-31 2004-05-31 低級炭化水素の芳香族化触媒反応方法および芳香族化触媒反応装置ならびに芳香族化合物および水素の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005343879A true JP2005343879A (ja) 2005-12-15

Family

ID=35496578

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004190537A Pending JP2005343879A (ja) 2004-05-31 2004-05-31 低級炭化水素の芳香族化触媒反応方法および芳香族化触媒反応装置ならびに芳香族化合物および水素の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005343879A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009020045A1 (ja) 2007-08-03 2009-02-12 Mitsui Chemicals, Inc. 芳香族炭化水素の製造方法
JP2010137173A (ja) * 2008-12-12 2010-06-24 Meidensha Corp 低級炭化水素芳香族化触媒及びその触媒の製造方法
JP2010184893A (ja) * 2009-02-12 2010-08-26 Meidensha Corp 芳香族炭化水素製造方法及び芳香族炭化水素製造装置
JP2011516518A (ja) * 2008-04-08 2011-05-26 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア メタン含有混合物を相応する貴金属不含触媒の再生下に脱水素環化する方法
CN102093155A (zh) * 2010-12-27 2011-06-15 山东东方宏业化工有限公司 一种低碳烃芳构化制备芳烃的工艺方法及装置
JP2011195529A (ja) * 2010-03-23 2011-10-06 Mitsui Chemicals Inc 単環芳香族炭化水素の製造方法
JP2011528652A (ja) * 2008-05-21 2011-11-24 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア C1〜c4アルカンからベンゼン、トルエン(及びナフタレン)を水素の別個の場所での同時配量により製造する方法
JP2013503828A (ja) * 2009-09-03 2013-02-04 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア メタンからのベンゼンの製造法
US8951929B2 (en) 2008-01-16 2015-02-10 Agency For Science, Technology And Research Catalyst preparation and methods of using such catalysts
CN108636445A (zh) * 2018-04-27 2018-10-12 陕西延长石油(集团)有限责任公司研究院 一种高稳定性低碳烷烃芳构化催化剂的制备方法及其应用

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009020045A1 (ja) 2007-08-03 2009-02-12 Mitsui Chemicals, Inc. 芳香族炭化水素の製造方法
US8951929B2 (en) 2008-01-16 2015-02-10 Agency For Science, Technology And Research Catalyst preparation and methods of using such catalysts
JP2011516518A (ja) * 2008-04-08 2011-05-26 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア メタン含有混合物を相応する貴金属不含触媒の再生下に脱水素環化する方法
JP2011528652A (ja) * 2008-05-21 2011-11-24 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア C1〜c4アルカンからベンゼン、トルエン(及びナフタレン)を水素の別個の場所での同時配量により製造する方法
US8785704B2 (en) 2008-05-21 2014-07-22 Basf Se Process for obtaining benzene, toluene (and naphthalene) from C1-C4-alkanes with co-dosage of hydrogen at a separate location
JP2010137173A (ja) * 2008-12-12 2010-06-24 Meidensha Corp 低級炭化水素芳香族化触媒及びその触媒の製造方法
JP2010184893A (ja) * 2009-02-12 2010-08-26 Meidensha Corp 芳香族炭化水素製造方法及び芳香族炭化水素製造装置
US9358536B2 (en) 2009-02-12 2016-06-07 Meidensha Corporation Method for producing aromatic hydrocarbon and apparatus for producing aromatic hydrocarbon
JP2013503828A (ja) * 2009-09-03 2013-02-04 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア メタンからのベンゼンの製造法
US8796496B2 (en) 2009-09-03 2014-08-05 Basf Se Process for preparing benzene from methane
JP2011195529A (ja) * 2010-03-23 2011-10-06 Mitsui Chemicals Inc 単環芳香族炭化水素の製造方法
CN102093155A (zh) * 2010-12-27 2011-06-15 山东东方宏业化工有限公司 一种低碳烃芳构化制备芳烃的工艺方法及装置
CN108636445A (zh) * 2018-04-27 2018-10-12 陕西延长石油(集团)有限责任公司研究院 一种高稳定性低碳烷烃芳构化催化剂的制备方法及其应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4565277B2 (ja) 低級炭化水素の芳香族化触媒反応方法および芳香族化触媒反応装置ならびに芳香族化合物および水素の製造方法
JP5592250B2 (ja) 二酸化炭素の合成ガスへの接触水素化
JP5411133B2 (ja) 二酸化炭素の合成ガスへの接触水素化
TWI428177B (zh) 水蒸氣改質用觸媒,氫製造裝置及燃料電池系統
US8558045B2 (en) Catalyst for aromatization of lower hydrocarbons and process for production of aromatic compounds
FI72273C (fi) Autotermisk reformerande katalysator och reformeringsfoerfarande.
JP2004522672A (ja) 水性ガス転換反応触媒によるメタン化活性の抑制
JP2005343879A (ja) 低級炭化水素の芳香族化触媒反応方法および芳香族化触媒反応装置ならびに芳香族化合物および水素の製造方法
KR20220094149A (ko) 탄화수소의 직접 분해 장치 및 직접 분해 방법
JP5593106B2 (ja) 水素製造方法、水素製造装置及び燃料電池システム
EA024259B1 (ru) Способ риформинга газа, полученного газификацией
KR20040055791A (ko) 수성 가스 이동 반응에 따른 수소 농후 가스 중의일산화탄소 제거용 촉매
WO2001047806A1 (en) Process for selective oxidation of carbon monoxide in a hydrogen containing stream
KR102225612B1 (ko) 바이오매스의 액상 개질용 불균일계 촉매, 그 제조방법, 및 이를 이용하는 고순도 수소 생산 방법
JP5114183B2 (ja) 水素製造用燃料油及びそれを用いた水素製造方法
KR101365799B1 (ko) 단일 공기 주입을 사용하는 2 단계 우선 산화 시스템
JP2016059845A (ja) 水素製造用触媒、その製造方法及び燃料電池システム
JP5270201B2 (ja) メタン含有ガス製造方法、及びメタン含有ガス製造用触媒
JP2013100298A (ja) プロピレンオキサイドの製造方法
RU2778109C2 (ru) Способ получения пропилена из пропана под действием сверхкритического CO2
JP2004000949A (ja) 水性ガスシフト反応に基づいて水素リッチガス中のcoを除去するための触媒、同触媒を用いた処理装置、およびその方法
WO2018020345A1 (en) Process for producing oxo-synthesis syngas composition by high-pressure hydrogenation of c02 over spent chromium oxide/aluminum catalyst
JP4886416B2 (ja) 一酸化炭素低減装置、一酸化炭素低減方法、水素製造装置および燃料電池発電システム
KR20110015284A (ko) 루테늄 촉매, 이의 제조방법, 및 이를 포함하는 연료전지
JP4970719B2 (ja) Co除去触媒とその製造方法