JP2005343870A - ペースト状害虫駆除剤、及びペースト状害虫駆除剤入り容器 - Google Patents

ペースト状害虫駆除剤、及びペースト状害虫駆除剤入り容器 Download PDF

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Abstract

【課題】 害虫の喫食をより容易になさしめる駆除剤、及びこの駆除剤の施用を容易に行える駆除剤入り容器を提供する。
【解決手段】 本発明は、殺虫有効成分と、昆虫誘引成分である一種類又は複数種類の人間用食材とを含み、これらをペースト状に加工してなることを特徴とするペースト状害虫駆除剤、並びにこのペースト状害虫駆除剤を収容した本体チューブと、本体チューブに設けられ、本体チューブに圧力が加えられた場合にペースト状害虫駆除剤を外部に出す口部とを有する、ペースト状害虫駆除剤を押出し可能な容器である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ペースト状害虫駆除剤、及びペースト状害虫駆除剤入り容器に関する。
一般に、ヒトの住む環境、とりわけ害虫の餌が豊富にある厨房などの環境によく出没する害虫の代表例としてゴキブリ、アリなどが挙げられる。これらの環境に於いては衛生面及び顧客の保護の観点から、これらを駆除したいという要請・要求が非常に高い。そこで、様々な駆除剤が提案され市販されている。この様な要請に応じた従来の害虫駆除剤では、害虫である対象をおびき寄せ、駆除剤を喫食させる手段として、フェロモンやその他の昆虫誘引物質を混入している。
しかし、厨房のような食材を扱う環境に於いては、害虫を引きつける食物が豊富に存在し、調理工程の際にどうしても発生してしまう野菜くずや、肉片、魚のアラなどが床に落ちたり、厨房機器の隙間に入ったりして、害虫を引きつける食物が管理者の目の届かないところに残ってしまうことが少なくない。
このように、野菜くずなど害虫にとって魅力的な食材が存在している環境に於いては、害虫は駆除剤による誘引物質よりこれらの食材に引きつけられ、その結果、害虫に駆除剤を喫食させることが難しいという問題点があった。そのため、このような環境に於いては、従来の駆除剤では害虫の増殖を押さえることさえ難しかった。
本発明の目的は、害虫の喫食をより容易になさしめる駆除剤、及びこの駆除剤の施用を容易に行える駆除剤入り容器を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決する手段として以下の様な特徴を有している。
本発明の第1の態様は、ペースト状害虫駆除剤として提案される。このペースト状害虫駆除剤は、殺虫有効成分と、昆虫誘引成分である一種類又は複数種類の人間用食材とを含み、これらをペースト状に加工してなることを特徴としている。
本発明によれば、厨房の様な害虫の餌が豊富にある環境に於いても、害虫の喫食を一層容易になさしめる害虫駆除剤を提供することが可能となる。
このペースト状害虫駆除剤において、人間用食材の少なくとも一種類は生鮮食料品としてもよい。食材の鮮度がよいことにより、昆虫を誘引する香りが十分にあり、また十分な水分を有するペースト状害虫駆除剤を提供できる。
また、このペースト状害虫駆除剤は、このペースト状害虫駆除剤が周囲に流れ出さない程度の分量の液体であって、前記殺虫有効成分の溶媒となり得る液体を含有しているようにしてもよい。
駆除対象となる昆虫には、餌の水分を吸引するという食餌行動を取るタイプがおり、この様なタイプに対しては乾燥した駆除剤に比べて、有効な駆除効果を示すことができる。
また、このペースト状害虫駆除剤に含有される液体として、前述の昆虫誘引成分である食材に含まれる水分を用いる様にしても良い。
本発明の第2の態様は、ペースト状害虫駆除剤を押出し可能な容器として提案される。この、ペースト状害虫駆除剤を押出し可能な容器は、ペースト状害虫駆除剤を収容した本体チューブと、前記本体チューブに設けられ、本体チューブに圧力が加えられた場合に前記ペースト状害虫駆除剤を外部に出す口部とを有することを特徴としている。
本態様によれば、この容器を手に持ち容器本体部を握ったり押したりすることにより、所望量のペースト状害虫駆除剤を簡単且つ迅速に押出して、所望の場所・面に駆除剤を設置することを可能にする。また、比較的腐敗しやすい食材を材料とする本ペースト状害虫駆除剤を簡易且つ衛生的に冷蔵庫などの冷暗所に保管することを可能とする。
この容器において、口部は、細長いテーパー形状のパイプとしてもよい。かかる構成とすれば、狭い場所や障害物の多い場所であって、手により駆除剤を設置することが難しい場所であっても、容易且つ迅速に所望の場所・面に駆除剤を設置することを可能にする。
本発明によれば、害虫の喫食を一層容易になさしめるペースト状害虫駆除剤、及びこのペースト状害虫駆除剤の施用を迅速且つ容易に行える、ペースト状害虫駆除剤入り容器を提供できる。
また、本発明にかかるペースト状害虫駆除剤は、餌の水分を吸引する食餌行動を取る害虫に対して、殺虫有効成分を有効量喫食させることができ、特にゴキブリなどの駆除に顕著な有効性を示す利点がある。
また、内容物を押出し可能な容器であって、本発明にかかるペースト状害虫駆除剤を収容した容器は、この容器を手に持ち容器本体部を握ったり押したりすることにより、所望量のペースト状害虫駆除剤を簡単且つ迅速に押出して、所望の場所・面に駆除剤を設置することを可能にするという利点がある。
[1. 本実施の形態にかかるペースト状害虫駆除剤]
以下に、本実施の形態にかかるペースト状害虫駆除剤の構成例について説明する。
本実施の形態にかかるペースト状害虫駆除剤は、殺虫有効成分と、昆虫誘引成分である一種類又は複数種類の人間用食材とを含み、これらをペースト状に加工してなることを特徴とする。このペースト状害虫駆除剤は、少なくともこの駆除剤が施用されたときに、周囲に流れ出さない程度の分量の液体であって、前記殺虫有効成分の溶媒となり得る液体を含有しており、害虫がこの液体を吸うことにより殺虫有効成分の摂取をおこなわせる。
本発明の発明者の観察によれば、対象となる害虫は餌をかじって食するより、その液体成分を吸い取って食餌行動をすることが多いことがわかった。そこで、本発明では、その液体成分を吸い取って食餌行動をするという特徴に応じて、害虫に殺虫有効成分をとけ込ませた液体を吸わせることにより、駆除を図らんとしている。
[1.1. 殺虫有効成分]
本実施の形態に用いる殺虫有効成分は、後述するような駆除対象となる害虫駆除に有効な成分を適宜に採用すればよいので、特に限定されるものではないが、例えば以下のような成分を例示できる。
すなわち、殺虫有効成分としては、有機リン系の殺虫有効成分として知られる化学物質、カーバメート系の殺虫有効成分として知られる化学物質、昆虫成長抑制剤として知られる化学物質など、あるいはホウ砂、ホウ酸、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、フィプロニルなどが挙げられる。
[1.2. 昆虫誘引成分]
本実施の形態にかかるペースト状害虫駆除剤に含まれる昆虫誘引成分は、人間が食することが可能であって、かつ昆虫が食する物であればどのようなものでも良い。例えば、野菜、肉(内臓肉含む)、骨、乳製品などである。これらの昆虫誘引成分はできる限り新鮮な物であることが好ましい。新鮮なものほど、香りが強く昆虫を引きつけるからである。
[1.3. 液体成分]
本実施の形態にかかるペースト状害虫駆除剤に含まれる昆虫誘引成分は、前記殺虫有効成分の溶媒となる物であればどのようなものでも良く、たとえば水、油、果実汁、牛乳、などである。また、いわゆる有機溶媒の様な化学合成による液体であっても構わないが、人体への悪影響を考慮れば、できる限り自然の物、天然のものである液体成分を用いることが好ましい。
また、この液体成分として特に何らかの液体を、殺虫有効成分及び昆虫誘引成分以外に加える必要は必ずしもなく、前記昆虫誘引成分である食材に含まれる水分を液体成分として使用しても良い。
[2. ペースト状害虫駆除剤入り容器]
次に、本実施の形態にかかるペースト状害虫駆除剤入り容器について説明する。
この実施の形態にかかるペースト状害虫駆除剤の好ましい使用形態は、押出しチューブや周知の押出し容器に充填し、所要量を害虫の通り道や、巣、これらの近傍、床面、壁面、家具その他の駆除対象面に少量ずつ付着させるようにする。
なお、幼児やペットに対して誤食を防止する必要がある場合には、この発明の害虫駆除剤が容易に取り出せないように例えば、駆除対象害虫のみが出入り可能な開口部を有する容器を使用することが好ましい。
上記容器を用いて駆除対象箇所に付着させる場合の害虫駆除方法の実施の形態を、以下に添付図面に基づいて説明する。
図1(A)は、本実施の形態にかかるペースト状害虫駆除剤を押出し可能な容器の一例の斜視図である。この容器1は、ポリエチレンなどのプラスチック製の本体チューブ2の内部に、このペースト状害虫駆除剤が充填されており、本体チューブ2の端部には、ペースト状害虫駆除剤が棒状に絞り出される短パイプ状の口部3が一体成形により設けられており、口部3にはキャップ4が螺合して、非使用時にペースト状害虫駆除剤の飛び出しや乾燥を防止する。
図1(B)は、容器1からペースト状害虫駆除剤を出して、所望の場所に塗布する状態を示している。本体チューブ2を手で押圧すると、本体チューブ2内部からペースト状害虫駆除剤5が押し出されて、小板6上に絞り出される。これにより、床面などの駆除対象面に所望量を簡単且つ迅速に塗布することができる。
図2(A)は、本実施の形態にかかるペースト状害虫駆除剤を押出し可能な容器の別の例の斜視図である。この容器21は、ポリエチレンなどのプラスチック製の本体チューブ22の内部に、このペースト状害虫駆除剤が充填されており、本体チューブ22の端部には、ペースト状害虫駆除剤が棒状に絞り出される細長いテーパーとなったパイプ状の口部23がネジにより着脱可能に取り付けられている。口部23にはキャップ24が着脱可能に設けられており、非使用時にペースト状害虫駆除剤の飛び出しや乾燥を防止する。
図2(B)は、容器21からペースト状害虫駆除剤を出して、所望の場所に塗布する状態を示している。図1の例と同様に、本体チューブ22を手で押圧すると、本体チューブ22内部からペースト状害虫駆除剤6が押し出されて、小板7上に絞り出される。これにより、床面などの駆除対象面に所望量を簡単且つ迅速に塗布することができる。
とりわけ、この例の容器では、細長いテーパーとなったパイプ状の口部23により、手の届かない狭い場所であっても床面などの駆除対象面に所望量を簡単且つ迅速に塗布することができる。
図3(A)は、本実施の形態にかかるペースト状害虫駆除剤を押出し可能な容器のさらに別の例を示す斜視図である。この容器31は、本体ポット32と、この本体ポット32の開口部に螺合する蓋部33と、この蓋部33に一体成形により設けられたノズル34を挿入し、ノズル口を閉鎖するノズルキャップ35とで構成される。
ポリエチレンなどのプラスチック製の本体ポット32は、その内部が空洞になっており、このペースト状害虫駆除剤が充填されている。本体ポット32の開口部38にはネジが形成され、蓋部33の内壁に形成されたネジと螺合する。ペースト状害虫駆除剤を容器31に充填するには、蓋部33を本体ポット32から取り外し、開口部38からペースト状害虫駆除剤を詰め込むようにする。
蓋部33に形成されたノズル34はノズル口39に通じる貫通通路(図略)を有しており、貫通通路の他端の開口は本体ポット32の内部に面しており、本体ポット32内部のペースト状害虫駆除剤は、この貫通通路を通じてノズル口39から容器31外部へ射出されるようになっている。
キャップ35はノズル34と結合して、ペースト状害虫駆除剤の漏出・乾燥などを防ぐ。
図31(B)は、容器31からペースト状害虫駆除剤を出して、所望の場所に塗布する状態を示している。本体ポット32を手で押圧すると、本体ポット32内部からペースト状害虫駆除剤5が押し出されて、小板6上に絞り出される。これにより、床面などの駆除対象面に所望量を簡単且つ迅速に塗布することができる。
上述のようなペースト状害虫駆除剤入り容器によれば、生餌である昆虫誘引成分を含む、本発明にかかるペースト状害虫駆除剤を、容器ごと冷蔵庫などの冷暗所に保管することも容易にできる。
以下に、本実施の形態にかかるペースト状害虫駆除剤の成分の具体例を示す。
(1) ホウ酸 … 約2グラム (約2.5重量%)
(2) 生玉葱 … 約90グラム(約74.4重量%)
(3) 砂糖 … 約20グラム(約16.5重量%)
(4) 粉ミルク … 約5グラム (約4.1重量%)
(5) ナチュラルチーズ … 約3グラム (約2.5重量%)
上記(1)から(5)をミキサー、フードプロセッサ、乳鉢などでペースト状になるまで破砕・攪拌混合することにより本実施の形態にかかるペースト状害虫駆除剤が完成する。
なお、上記(1)から(5)の他に、液体成分兼昆虫誘引成分として牛乳を加えても良いし、またペースト状害虫駆除剤の防腐剤(ゾルビン酸など)を加えても構わない。
上記分量は一回分の調合で約10坪程度の調理場に、10カ所くらいにペースト状害虫駆除剤を小分けして施用するに適した分量である。
小分けされたペースト状害虫駆除剤は、直接床などの設置面に塗布しても良いし、あるいは紙、プラスチックなどの小板(約3センチ四方の板)をまず床などの設置面に載置し、その小板の上に小分けされたペースト状害虫駆除剤を塗布する様にしても良い。この様な小板を使えば、施用したペースト状害虫駆除剤が古くなったり、乾燥したりして使用に適さなくなった場合などにおいて、その場所の清掃を行う必要なく、簡単且つ迅速にペースト状害虫駆除剤の撤去が可能となる。
図4は、小分けされたペースト状害虫駆除剤41が厨房42内に塗布された状態を示す図であり、図5は、その拡大図である。この例では、ゴキブリの通り道となる段差43に、小板44をおき、その上に前述の容器1、21、31から絞り出したペースト状害虫駆除剤が乗せられた状態である。
図6は、ペースト状害虫駆除剤が厨房内の別の場所に塗布された状態を示す図である。その他、冷蔵庫の下や裏など、ゴキブリがいる又は通過すると思われる適宜の場所に設置する。
本発明の発明者の観察によれば、この様に施用された本発明にかかるペースト状害虫駆除剤にゴキブリが近寄ってきて、吸引食し、その結果脱水症状を起こし口渇によりほぼ干物状態で死亡したことを確認した。
(A)は、本実施の形態にかかるペースト状害虫駆除剤を押出し可能な容器の一例の斜視図、(B)は、容器からペースト状害虫駆除剤を出して、所望の場所に塗布する状態を示す図 (A)は、本実施の形態にかかるペースト状害虫駆除剤を押出し可能な容器の別の例の斜視図、(B)は、容器からペースト状害虫駆除剤を出して、所望の場所に塗布する状態を示す図 (A)は、本実施の形態にかかるペースト状害虫駆除剤を押出し可能な容器の別のさらに別の例の斜視図、(B)は、(A)の容器からペースト状害虫駆除剤を出して、所望の場所に塗布する状態を示す図 ペースト状害虫駆除剤が厨房内に塗布された状態を示す図 図4の部分拡大図 ペースト状害虫駆除剤が厨房内の別の場所に塗布された状態を示す図
符号の説明
1、21、31 … 容器
2、22 … 本体チューブ
3、23 … 口部
4、24 … キャップ
5 … ペースト状害虫駆除剤
6 … 小板

Claims (6)

  1. 殺虫有効成分と、昆虫誘引成分である一種類又は複数種類の人間用食材とを含み、これらをペースト状に加工してなることを特徴とするペースト状害虫駆除剤。
  2. 前記人間用食材は生鮮食料品であることを特徴とする、請求項1に記載のペースト状害虫駆除剤。
  3. 前記ペースト状害虫駆除剤は、このペースト状害虫駆除剤が周囲に流れ出さない程度の分量の液体であって、前記殺虫有効成分の溶媒となり得る液体を含有していることを特徴とする、請求項1に記載のペースト状害虫駆除剤。
  4. 前記液体は、前記昆虫誘引成分である食材に含まれる水分であることを特徴とする、請求項3に記載のペースト状害虫駆除剤。
  5. 請求項1から4までのいずれかに記載のペースト状害虫駆除剤を収容した本体チューブと、前記本体チューブに設けられ、本体チューブに圧力が加えられた場合に前記ペースト状害虫駆除剤を外部に出す口部とを有する、ペースト状害虫駆除剤を押出し可能な容器。
  6. 前記口部は、細長いテーパー形状のパイプであることを特徴とする、請求項5に記載の容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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