JP2005343497A - ロービング巻体包装用包被材およびロービング包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ロービング包装体の提供。
【解決手段】 包装するロービング巻体の軸方向の熱収縮率が15%以下、円周方向の熱収縮率が30%以上である熱収縮性ポリオレフィン系フィルムまたはチューブでできた、包装するためにロービング巻体を入れるのに十分大きなサイズの開口をもち、包装するロービング巻体の軸方向に少なくとも2本のシール部が延在し、各シール部にはその少なくとも一部分に両面が熱接着性を有する材料の崩落防止材が袋内部に突出するようにして装着されている、ロービングが円筒状に巻かれたロービング巻体を包装するための袋状の包被材。ロービングが円筒状に巻かれたロービング巻体と上記包被材を熱収縮させてなる包装材と、最外層のロービングと該包装材の内面の双方に貼着されている崩落防止材と、を備えることを特徴とするロービング包装体。
【選択図】 図1

Description

ドーナツ状に巻かれたガラスファイバー等(ロービング巻体)を包装するための熱収縮性包被材およびそれを用いて包装したロービング包装体に関する。
FRP(繊維強化プラスチック)の補強材等として使用されるロービングは、通常、両端面が円形な中空の円筒状に巻き取った巻体を、包被材を熱収縮させた包装材で包装して保管されている。ロービングの利用に際しては、円筒の内側すなわち中空部分からロービングを引き出すことになる。ロービングの巻体の包装材に用いられる包被材は、ダイオキシン対策としてポリ塩化ビニルの使用を避ける傾向にある。さらに、ロービング包装体において、ロービング巻体の形態は両端面が円形な円筒状であり、一方の端面には包装材の開口部が位置しており、この開口部がロービング巻体と同軸状になることが望まれている。ロービング巻体の中心軸と包装材の開口部の中心とがほぼ一致すれば、ロービングをスムーズに引き出せることになる。
特許文献1には、かかる背景の下でなされた、ポリ塩化ビニルを使用せず、且つロービング巻体の中心軸と包装材の開口部の中心とがほぼ一致したロービング包装体が提案されている。
特許文献1によると、ロービング巻体と熱収縮性チューブの間に崩落防止材を介在させる技術が記載されている(請求項6、段落番号0040〜0044)。
崩落防止材を用いる目的について説明すると、包装されたロービング巻体は通常芯部から引き出して用いるが、残り少なくなってくると巻体が崩れ、縺れてしまい最後まで使い切れないという問題があった。これを解決したのがその請求項6に係る発明である。これはロービング巻体と熱収縮フィルムとの間にエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などからなる崩落防止材を位置させて収縮させるため、熱収縮時にEVAが熱収縮フィルムとロービング巻体の双方に接着し、巻体が残り少なくなってきても巻体が崩落せず、最後まで使い切れるというものである。具体的な手段として、「ロービング巻体20の外周面に粘着テープなどの適当な手段で崩落防止材50を仮止めする。」(段落番号0043)ことが開示されているだけである。
特開2004−67118号
上記特許文献1においては、ロービング巻体20の外周面に粘着テープなどの適当な手段で崩落防止材50を仮止めするという発想が示されているだけである。
また、現在ユーザーにおいて取られている方法は、崩落防止材を固定するために粘着テープなどを用いるのではなく崩落防止材をコヨリ状にしてロービング巻体と熱収縮フィルムとの間に位置させて熱収縮させるというものである。この方法の場合、コヨリ状にした崩落防止材が安定してロービング巻体と熱収縮フィルムとの間に安定して位置するためには、ロービング巻体と熱収縮フィルムとの間隔を比較的狭くしなければなかった。この場合、熱収縮フィルムがシール部を有しているものであると収縮力によりシール部が裂けてしまうという問題があった。
そこで、本発明は、熱収縮フィルムに最初から崩落防止材を固定しておくという発想のもとに、ロービング巻体を熱収縮チューブ内に収納する作業性が向上するとともに、収縮時においては収縮力によりシール部が裂けてしまうという問題もないロービング巻体を包装するための熱収縮性フィルムまたはチューブでできた包被材、ならびに、それを用いて包装したロービング包装体の提供を目的とする。
本発明は、包装するロービング巻体の軸方向の熱収縮率が15%以下、円周方向の熱収縮率が30%以上である熱収縮性ポリオレフィン系フィルムまたはチューブでできた、包装するためにロービング巻体を入れるのに十分大きなサイズの開口をもち、包装するロービング巻体の軸方向に少なくとも2本のシール部が延在し、各シール部にはその少なくとも一部分に両面が熱接着性を有する材料の崩落防止材が袋内部に突出するようにして装着されている、ロービングが円筒状に巻かれたロービング巻体を包装するための袋状の包被材を要旨とする。
本発明は、包装するロービング巻体の軸方向の熱収縮率が15%以下、円周方向の熱収縮率が30%以上である熱収縮性ポリオレフィン系フィルムまたはチューブでできた、包装するためにロービング巻体を入れるのに十分大きなサイズの開口をもち、包装するロービング巻体の軸方向に少なくとも2本のシール部が延在し、各シール部にはその少なくとも一部分に両面が熱接着性を有する材料の崩落防止材が袋内部に突出するようにして装着されており、該各シール部に装着されている崩落防止材は、包被材の熱収縮時、包被材の熱収縮温度にて表面が軟化し、包被材の収縮力により、ロービング巻体の外周面と包被材が収縮してできた包装材に押し付けられ、最外層のロービングと該包装材の内面の双方に貼着されることで、崩落防止機能を発揮する部材である、ロービングが円筒状に巻かれたロービング巻体を包装するための袋状の包被材を要旨とする。
また、本発明は、ロービングが円筒状に巻かれたロービング巻体と、包装するロービング巻体の軸方向の熱収縮率が15%以下、円周方向の熱収縮率が30%以上である熱収縮性ポリオレフィン系フィルムまたはチューブでできた、包装するためにロービング巻体を入れるのに十分大きなサイズの開口をもち、包装するロービング巻体の軸方向に少なくとも2本のシール部が延在し、各シール部にはその少なくとも一部分に両面が熱接着性を有する材料の崩落防止材が袋内部に突出するようにして装着されている、ロービングが円筒状に巻かれたロービング巻体を包装するための袋状の包被材を熱収縮させてなる包装材と、最外層のロービングと該包装材の内面の双方に貼着されている崩落防止材、より具体的には包被材の熱収縮時、包被材の熱収縮温度にて表面が軟化し、包被材の収縮力により、ロービング巻体の外周面と包被材が収縮してできた包装材に押し付けられ、最外層のロービングと該包装材の内面の双方に貼着されている崩落防止材と、を備えることを特徴とするロービング包装体を要旨とする。
本発明によると、あらかじめ崩落防止材をシールにより熱収縮フィルムまたはチューブに装着させているため、ロービング巻体よりも十分大きなサイズの熱収縮フィルムまたはチューブでできた袋状の包被材を採用することができ、ロービング巻体を熱収縮チューブ内に収納する作業性が向上して作業者の負担を軽減化することができる。
また、ロービング巻体と、熱収縮フィルムまたはチューブでできた包被材との間隔を広くとることができるため、収縮時においては収縮力によりシール部が裂けてしまうという問題がない。本発明に係るロービング包装体では、収縮率がロービング巻体の軸方向よりも円周方向の方が大きい包被材を熱収縮して包装している。従って、包被材の縦方向の収縮率が小さいことから包装材の開口部がロービング巻体の中心軸にほぼ一致し、且つ、巾方向の収縮率が大きいことから包装材をロービング巻体に密着させることができる。また、包装材を焼却処理する際、ポリオレフィン系材料で形成しているので、ダイオキシン発生の問題も無くなる。
さらに、ロービング巻体の内側からロービングを引き出し、巻体の残りが最外層付近のみになった場合であっても、崩落防止材によって、ロービングが保持されるので、ロービング巻体の崩れを防止できる。そのため、ロービングを最後までスムーズに引き出すことができる。しかも、最外層のロービングを崩落防止材から剥がして引き出した場合、そのロービングには崩落防止材の熱接着性材料は殆ど付着せず、ロービングの品質低下を抑制できる。また、包被材の縦方向にシール部を延在させることにより、ロービングがほとんどなくなっても包装材の型崩れを抑制することができ、最後まで一層スムーズにロービングを引き出すことができる。
[ロービング包装体]
図1は、本発明のロービング包装体1を示す斜視図である。ロービング包装体1は、ガラスロービングを円筒状に巻いて形成され、両端面が円形状のロービング巻体と、このロービング巻体を包装する包装材2と、ロービング巻体と包装材に装着された崩落防止材3と、を備えている。
[ロービング巻体]
ロービング巻体は、ケーキから引き出したストランドを合わせて巻き取ったものでもよいし、或いは紡糸した繊維を集束して直接巻き取ったものであってもよい。また、ロービング巻体の重量は特に限定されないが、70kg以上の大型サイズのものが好適で、更には100kg〜200kg程度のものが好ましい。また、ロービングは、本実施形態ではガラス繊維としているが、この他炭素繊維等でもよい。
[包装体]
包装材2は、熱収縮性のポリオレフィン系材料によって形成され、ロービング巻体を覆うように、ロービング巻体よりも十分大きなサイズの袋状にされている包被材4を熱収縮して形成されている。包装体1は、あらかじめ袋状の包被材4にシールし、包被材を熱収縮させるに際し、ロービング巻体と包装材に装着された崩落防止材3を備えることを特徴とする。
また、包装体1には、ロービング巻体の軸方向の上端面に相当する箇所に開口部5が形成されており、この開口部5からロービング巻体のロービングが引き出される。ロービングは、ロービング巻体の内側の中空部から引き出される。
なお、ガラスロービングの引き出しをスムーズにするため、および、ロービング包装体1の保型性を確保するために、開口部5の面積は、ロービング巻体の円形端面の面積に対して20〜60%であることが好ましい。
[包装材]
包装材2は包被材4を熱収縮して形成されているが、この包被材は、ポリプロピレン層・ポリエチレン層・ポリプロピレン層の3層からなるポリオレフィン系のフィルム材に対してテンター方式またはインフレーション方式による延伸処理を施し、包装するロービング巻体の軸方向の熱収縮率が15%以下、円周方向の熱収縮率が30%以上である熱収縮性ポリオレフィン系フィルムまたはチューブ端部を接着することにより、袋状の包被材を得ることができる。例えば、包被材4の製造方法は、上記の製造方法以外に長尺フィルムから連続的に製造することもでき、フィルム材は必ずしも3層構造にする必要はなく、2層以下、或いは4層以上でもよい。
包装材2をポリオレフィン系材料で形成することで、焼却処理におけるダイオキシン発生の問題を解消できる。
包被材は、たとえば2枚のフィルム材を4辺の重ね合わせ部が形成されるように重ねて構成され、4辺の重ね合わせ部のうち3辺の重ね合わせ部がシールされて袋状にされるとともに、シールされていない1辺の重ね合わせ部は、上記開口部となる。フィルム材の端部をシールするとき、崩落防止材用のフィルムも一緒にシールする。熱収縮フィルムまたはチューブでできた袋状の包被材4の各シール部には、その少なくとも一部分に両面が熱接着性を有する材料の崩落防止材が袋内部に突出するようにして装着される。
また、シール時の押し圧により中間層である崩落防止材用フィルムが押しつぶされて、両外層同士が融着しているケースも考えられるし、崩落防止材がシール部の外側最終端に達していることもあるが、シール部に装着されている崩落防止材が、包被材の熱収縮時、包被材の熱収縮温度にて表面が軟化し、包被材の収縮力により、ロービング巻体の外周面と包被材が収縮してできた包装材に押し付けられ、最外層のロービングと該包装材の内面の双方に貼着する機能をもつ限り、シールの形態は問わない。
包被材を形成するためのフィルム材の端部をシールする方法は、超音波シール、接着剤による接着、ヒートシールなど、特に限定するものではないが、超音波シールはシール面に凸凹を生じさせ、接着部分の包装材のコシを特に強くさせることができ、包装材自身の型崩れを特に抑制するために好ましい。
包被材4の熱収縮率は、110℃のグリセリンバス中で測定した際、包被材40の袋の深さ方向が15%以下であることが必要であり、更に3〜10%であることが好適である。また、包被材40の袋の巾方向は30%以上であることが必要であり、好ましくは30%〜70%、更に40〜60%であることが好適である。言い換えると、このような熱収縮率になるように、フィルム材40の延伸温度や延伸倍率などの延伸条件を設定し、かつ包被材を熱収縮させる温度、時間を設定することが好ましい。
[崩落防止材]
崩落防止材3は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリ酢酸ビニル樹脂など、加熱処理時に接着性を示す両面が熱接着性を有する材料のフィルムが使用される。
ロービング包装体1は、ロービング巻体と包装材2に装着された崩落防止材3を備えている。フィルムまたはチューブ端部をシールする段階で崩落防止材も一緒にシールすることで、熱収縮フィルムまたはチューブでできた袋状の包被材4には最初から崩落防止材を装着しておく。
包装材は、袋の深さ方向に少なくとも2本のシール部を形成する。袋の底部の径方向(幅方向)にも1本のシール部を形成することができる。ロービング巻体の軸方向に少なくとも2本のシール部が延在するか、またはロービング巻体の底部の径方向にさらに1本のシール部が延在する。包装するロービング巻体の軸方向に少なくとも2本のシール部が延在し、各シール部にはその少なくとも一部分に両面が熱接着性を有する材料の崩落防止材が袋内部に突出するようにして装着されている。
崩落防止材が各シール部の一部分に装着する態様として、図4のような形態では、崩落防止材がロービングの上部、下部に融着しないので好ましい。
上記の各シール部に装着されている崩落防止材は、包被材の熱収縮時、包被材の熱収縮温度にて表面が軟化し、包被材の収縮力により、ロービング巻体の外周面と包被材が収縮してできた包装材に押し付けられ、最外層のロービングと該包装材の内面の双方に貼着される。このため、ロービング巻体からロービングの多くを引き出した場合でも、包装材の型崩れを抑えられる。袋の両側端から延在する2辺の重ね合わせ部をシールした包装材であり、ロービング巻体の軸方向に少なくとも2本のシール部が延在するため、型崩れをより効果的に防止でき、ロービングを最後までスムーズに引き出すことができる。
また、包装材は、底部に少なくとも1本のシール部と袋の深さ方向に少なくとも2本のシール部を有する態様においても、ロービング軸方向に少なくとも2本のシール部と底部に少なくとも1本のシール部が延在する。そのため、包装材の型崩れを効果的に抑制し得る。
一枚のフィルム材における各シール部のシール方法は異なっていてもよいが、強度のばらつきを小さくするためにも生産性の効率を上げるためにも、同一であることが好ましい。図2においては、超音波シールにより接着している。つまり、超音波によってフィルム材および崩落防止材の端部を溶かし、これにより接着を図っている。
崩落防止材3は、その両面が熱接着性を有しており、最外層のロービングと包装材2の内面の双方に貼着されている。更に、包被材4の熱収縮時に同時に崩落防止材3の貼着が行えるように、包被材4の収縮温度で接着性を発現し得る材料が好ましい。このような材料としては、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
また、ロービング巻体の最外層のロービングは、崩落防止材3に保持されているが、この接着は化学的な接着というよりは、崩落防止材3の軟化した部分がロービングに押し付けられて単糸間に食い込むことにより生ずる物理的な結合となっている。このため、接着強度はさほど大きくなく、崩落防止材3に接着した最外層のロービングを引き出す際に、容易に剥がすことができる。
[ロービング包装体の作製]
ロービング包装体1を作製するには、崩落防止材3の端部を挟んで袋状にシールした包被材4に、ロービング巻体を収容し、これをヒートセット炉に入れる。ロービング巻体の収容に際しては、包被材4の開放端部にロービング巻体の一方の円形端面が位置するようにする。これにより、包被材の熱収縮率は、ロービング巻体の軸方向に沿う方向は小さく、円周方向に沿う方向が大きくなる。包被材4を熱収縮させる温度は、90℃〜130℃であることが好ましく、さらに105℃〜115℃にすることが好適である。上記範囲の上限よりも温度が高いと、ガラス繊維表面に付着している集束剤が変質し、ロービングがスムーズに引き出せなくなることがある。一方、上記範囲の下限よりも温度が低いと、ポリオレフィン系材料で形成した包被材4が熱収縮し難い。
この際、円形な端面を有する円筒状のロービング巻体の側面においては、包被材4の巾方向の熱収縮率が大きいことから、包被材4が円筒状のロービング巻体の側面に密着した包装材2を形成することができる。さらに、端面においても、ロービング巻体に密着した包装材2を形成することができる。すなわち、包被材3の高さ方向の熱収縮率が小さいため、ロービング巻体の軸方向の熱収縮は小さい。従って、ロービング巻体の端面から突き出ている包被材4のフィルムの熱収縮後における長さは、熱収縮前に比してさほど短くならず、熱収縮後の該突き出し量を所望量に設定しやすい。このため、ロービング巻体の円形状の端面から突き出ている包被材4のフィルムの長さを調整することにより、ロービング巻体の一方の円形端面に開口部5を設けることができ、しかも開口部の位置ずれが抑えられ、開口部5がロービング巻体の中心軸にほぼ一致する。なお、包被材4の巾方向の熱収縮率が大きいので、一方の端面に開口部を有し、端面にも密着した包装材2を形成することができる
そして、包被材4の熱収縮温度まで昇温すると、包被材4は熱収縮してロービング巻体を包装する包装材2となり、ロービング包装体1を得ることができる。包被材の熱収縮温度にて崩落防止材3の表面が軟化し、且つ、包被材4の収縮力により、崩落防止材3はロービング巻体の外周面と包装材2に押し付けられて貼着し、ロービング包装体1が完成する。崩落防止材3は、その両面が熱接着性を有しており、最外層のロービングと包装材2の内面の双方に貼着されている。
次いで具体的な崩落防止材の取り付け方について説明する。図3(a)に示す包被材4aは、一枚のフィルムを端部が重なり合うように折り曲げ、または二枚のフィルムを端部が重なり合うように重ね、包装するロービング巻体の軸方向にあたる二つの辺に崩落防止材の端部を挟んでシールしたものである。二枚のフィルムを用いた場合には、底辺についてはそのままでシールする。これにより、熱収縮処理後に開口部5となる開放端部が形成される。この包被材4aから得られる包装材2は、該包装材とロービング巻体とに固定した崩落防止材である接着部が2本ロービング巻体の軸方向に延在するものである。
図3(b)に示す包被材4bは、熱収縮性チューブを二枚のフィルムが重なるように折りたたみ、同時に、包装するロービング巻体の軸方向にあたるこれらの折りたたみ部に崩落部材を挟んでシールし、底辺に当たる部分はそのままでシールしたものである。これにより、熱収縮処理後に開口部5となる開放端部が形成される。この包被材4bから得られる包装材2は、該包装材とロービング巻体とに固定した崩落防止材である接着部が2本ロービング巻体の軸方向に延在するものである。
図3(c)に示す包被材4cは、一枚のフィルムを端部が重なり合うように折り曲げ、または二枚のフィルムを端部が重なり合うように重ね、包装するロービング巻体の軸方向にあたる二つの辺に折り畳んだ崩落部材を開放端を内方に向けて挟んでシールしたものである。二枚のフィルムを用いた場合には、底辺についてはそのままでシールする。これにより、熱収縮処理後に開口部5となる開放端部が形成される。この包被材4aから得られる包装材2は、該包装材とロービング巻体とに固定した崩落防止材である接着部が2本ロービング巻体の軸方向に延在するものである(図2参照)。
図3(a)〜(c)に示すような構成を採用することで、包装材は、ロービング巻体の軸方向に少なくとも1本の接着部が延在することになる。接着部分の包装材はコシが強くなるため、ロービングの多くを引き出して包装材の中味が殆ど空になっても型崩れしにくくなり、ロービングを最後まで引き出しやすくすることができる。サイド部両側にシール部を有し、この部分で厚みが厚くなっているため上記の効果が発現する。
以下本発明を実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
次の3種類の寸法のガラス繊維からなるロービング巻体を包装して評価した。
(1)直径:φ540mm、高さ:540mm
(2)直径:φ520mm、高さ:520mm
(3)直径:φ480mm、高さ:480mm
熱収縮性ポリオレフィン系フィルムとして、プロピレン−エチレンランダム共重合体/超低密度ポリエチレン/プロピレン−エチレンランダム共重合体 がこの順で25μm/50μm/25μmの厚み構成で積層された3層フィルム(110℃のグリセリンバス中で測定した際の収縮率 縦:7%、横:48%)を用いた。
・プロピレン−エチレンランダム共重合体(密度:0.89g/cm、MI:0.5g/10分)
・超低密度ポリエチレン(密度:0.902g/cm、MI:1g/10分)
崩落防止材として、酢酸ビニル含量15%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)からなり、厚みが90μm、幅が150mmの短冊状のものを用いた。なお、長さは袋の縦方向長さと同じとした。
包被材の形状は図3(a)に示したごとくとした。なおシールは、超音波シール機を用い、ステッチ状にシール(特開2004−67118号 図4の形態)した。なおこのシール方法は特に好ましいものである。
ロービング巻体を実際に包装した結果を表1に示す。
なお、本発明のロービング巻体包装用包被材は、ロービング巻体を入れるのに十分大きなサイズの開口を持っている旨述べたが、その意味するところは、ロービング巻体より十分広い巾サイズの包被材を用いることができるというものである。本発明において、この特性は、以下に定義される余裕率が7%上であること、好ましくは7〜30%であること、より好ましく8〜15%であることと言い換えることができる。
余裕率とは次のようにして求めたものである。
(例)直径φ540mmのロービングを幅900mmの袋で収縮包装する場合
540mm×π÷2≒850mm
100×(900mm−850mm)/900mm≒8.6%
また破袋性評価はロービング巻体を袋状包被材で包装し、110℃の部屋に5時間保った後のシール部の状態を下記の基準で評価した。
○:シール部において裂けが全くない
△:シール部においてわずかに裂けがあるが実用上問題がない
×:シール部においてかなりの裂けがあり実用上問題がある
さらに、ロービング包装体からガラス繊維を引き出し、ロービング巻体が残り少なくなった際、巻体が崩れるかどうかにより崩落防止効果を評価した。
Figure 2005343497
ロービング巻体を熱収縮チューブ内に収納する作業性が向上して作業者の負担を軽減化することができるため、収納するロービング巻体としていろいろの種類の物に応用できる。
本発明に係るロービング包装体を示す斜視図である。 崩落防止材を挟んで袋状にシールした包被材を説明する図面である。 崩落防止材を挟んで袋状にシールした包被材(a)、(b)、(c)の平面図である。 崩落防止材がロービングの上部、下部に融着しない、崩落防止材の一形態を説明する図面である。
符号の説明
1 ロービング包装体
2 包装材
3 崩落防止材
4 包被材
5 包装材の開口部

Claims (3)

  1. 包装するロービング巻体の軸方向の熱収縮率が15%以下、円周方向の熱収縮率が30%以上である熱収縮性ポリオレフィン系フィルムまたはチューブでできた、包装するためにロービング巻体を入れるのに十分大きなサイズの開口をもち、包装するロービング巻体の軸方向に少なくとも2本のシール部が延在し、各シール部にはその少なくとも一部分に両面が熱接着性を有する材料の崩落防止材が袋内部に突出するようにして装着されている、ロービングが円筒状に巻かれたロービング巻体を包装するための袋状の包被材。
  2. 上記の各シール部に装着されている崩落防止材は、包被材の熱収縮時、包被材の熱収縮温度にて表面が軟化し、包被材の収縮力により、ロービング巻体の外周面と包被材が収縮してできた包装材に押し付けられ、最外層のロービングと該包装材の内面の双方に貼着されることで、崩落防止機能を発揮する部材である請求項1の包被材。
  3. ロービングが円筒状に巻かれたロービング巻体と請求項1または2の包被材を熱収縮させてなる包装材と、最外層のロービングと該包装材の内面の双方に貼着されている崩落防止材と、を備えることを特徴とするロービング包装体。
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