JP2005340525A - 配線板用基材保持具、配線板用中間材、及び配線板の製造方法 - Google Patents

配線板用基材保持具、配線板用中間材、及び配線板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】保持具本体の表面に接着性を有する有機物層を形成した配線板用基材保持具において、有機物層と保持具本体との密着性を向上すると共に、有機物層を形成するための樹脂の組成を変更することなく有機物層の接着性を調整することができ、且つ有機物層に接着性の異なる領域を複数形成する場合でもその厚み調整を正確に行うことができる配線板用基材保持具を提供する。
【解決手段】保持具本体の表面に接着性を有する有機物層を形成した配線板用基材保持具に関する。前記保持具本体の、有機物層が形成される面に、有機物層の接着性を調整する接着性調整成分を含有する下地処理剤による下地処理を施す。
【選択図】なし

Description

本発明は、配線板を製造するにあたって、配線板用基材に配線形成や部品実装等の加工を施す際に配線板用基材を保持することで作業性を向上するために配線板用基材を保持する配線板用基材保持具、この配線板用基材保持具に配線板用基材を保持させた配線板用中間材、及びこの配線板用基材保持具を用いた配線板の製造方法に関するものであり、特に可撓性の高いフィルム基材から形成される配線板用基材を用いてフレキシブル配線板を高精度且つ生産性良く製造するために好適な技術に関するものである。
近年、エレクトロニクス製品の軽量化、小型化に伴い、プリント回路基板のパターニングの高精度化が求められている。中でも可撓性フイルム基板は、エレクトロニクス製品の小型化に適していることから需要が拡大している。この分野においてポリイミドフィルムと配線用導体を積層成形したフレキシブルプリント配線基板(以降FPC基板(Flexible Printed Circuit Boards)と略す)が使用されている。このようなFPC基板は、フィルム状基材へパターン形成し、積層やソルダーレジスト処理工程、更に実装工程を経ることにより、製造される。
上記FPC基板を製造するにあたり、基材として薄肉で可撓性の高いフィルム状基材が用いられることから、いわゆるロール・トゥ・ロールでフィルム状基材を搬送しながら順次加工処理を施す連続工程が採用されている。
しかし、従来のプリント配線板の製造工程においては、枚葉状の基材を搬送しながら加工処理を施していたため、上記の連続工程を採用するためには新たな設備投資が必要となり、また従来の設備が無駄になってしまうものである。
そのため、フィルム状の基材を補強材(配線板用基材保持具)に保持させることで補強し、この状態で従来の枚葉状のプリント配線板の製造と同様の工程にて加工処理を施すことで、FPC基板を製造することも行われている。このような工法において、フィルム状の基材を配線板用基材保持具に保持させるにあたって、例えば板材の表面に接着性のある有機物層を形成して配線板用基材保持具を形成し、その接着力を利用していた。
しかし、板材の表面に直接接着性のある有機物層を形成するだけでは、有機物層を板材に十分な密着強度で形成することは困難であり、例えば使用後の配線板用基材保持具を洗浄して接着性を回復させたりする場合や、配線板用基材保持具に対して機械的な負荷がかかった場合などに、有機物層の剥離が生じるおそれがあった。
また、有機物層の接着性を調整したり、有機物層に接着性の異なる部分を形成したりする場合には、有機物層を形成するための樹脂の組成を変更しなければならなかった。また、特に一つの配線板用基材における有機物層に接着性の異なる領域をパターン状に形成する場合には、有機物層を複数回のパターニング成形により形成しなければならないものであり、このときパターニングごとに厚みの制御を正確に行うことが困難となって、例えば有機物層を平面状に形成したい場合でも接着性の異なる領域ごとに厚みが異なるように形成されるおそれがあった。
特開平3−262194号公報 特開2001−144430号公報
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、保持具本体の表面に接着性を有する有機物層を形成した配線板用基材保持具において、有機物層と保持具本体との密着性を向上すると共に、有機物層を形成するための樹脂の組成を変更することなく有機物層の接着性を調整することができ、且つ有機物層に接着性の異なる領域を複数形成する場合でもその厚み調整を正確に行うことができる配線板用基材保持具、及び配線板用中間材、並びにこの配線板用中間材を用いた配線板の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係る配線板用基材保持具は、保持具本体の表面に接着性を有する有機物層を形成した配線板用基材保持具において、前記保持具本体の、有機物層が形成される面に、樹脂成分と、有機物層の接着性を調整する接着性調整成分とを含有する下地処理剤の塗布による下地処理がなされていることを特徴とするものである。
上記下地処理剤は、接着剤調整成分としてカップリング剤とを含有することができ、このときカップリング剤としては、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤から選択される一種以上のものであることが好ましい。
また、上記下地処理剤は、粘着付与剤を含有するようにしても良い。
また、上記下地処理剤は、接着剤調整成分として有機物層を構成する樹脂の硬化反応を促進する成分を含むようにしても良い。
更に、上記下地処理剤は、接着剤調整成分として有機物層を構成する樹脂の硬化反応を阻害する成分を含むようにしても良い。
また、上記下地処理剤は、保持具本体にパターン状に塗布するようにしても良い。
また、本発明に係る配線板用中間材は、上記のような配線板用基材保持具の有機物層の表面に、配線板用基材を接着して保持して成ることを特徴とするものである。
また、本発明に係る配線板の製造方法は、上記のような配線板用中間材における配線板用基材に対して加工処理を施した後、前記配線板用基材を剥離する工程を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、配線板用基材を配線板用基材保持具に保持させた状態で配線板形成のための加工処理を施すことができて、作業性が向上し、特にフィルム状・薄板の配線板用基材を用いて配線板を製造する際に好適なものとなり、またこのようなフィルム状・薄板の配線板用基材の枚葉式の加工が可能となるものである。またこのとき配線板用基材は接着により保持されることから、導体配線の形成や部品実装等における加工精度が向上し、精密加工が可能となるものである。
また、本発明では、保持具本体に接着性調整成分を含有する下地処理剤による下地処理がなされていることから、有機物層を形成するための樹脂の組成を変更することなく有機物層の接着性を調整することができて、同一の組成の樹脂にて種々の接着性を有する有機物層を形成することができ、更に、保持具本体に対して複数の下地処理剤による下地処理を施すことで、有機物層に接着性の異なる領域を複数形成することが容易なものとなると共にこのような場合でも有機物層の厚み調整を正確に行うことができるものである。
また、下地処理剤には樹脂成分を含有させると、この樹脂成分によっても有機物層の接着性を調整することができ、またこの樹脂成分を含有することによって適度な粘度が付与されて塗布性が向上し、適宜のパターン状に塗布することも容易なものである。
また、特に接着性調整成分としてシランカップリング剤を用いると、下地処理が施された面に形成された有機物層の接着性を向上するように有機物層の接着性を調整することができると共に、保持具本体の下地処理が施された面と有機物層との密着性を向上して有機物層の剥離を防止し、例えば使用後の配線板用基材保持具を洗浄して接着性を回復させたりする場合や、配線板用基材保持具に対して機械的な負荷がかかった場合などにおける有機物層の剥離を防止することができるものである。
また、接着性調整成分として粘着付与剤を用いると、下地処理が施された面から粘着付与剤を有機物層に移動させて、有機物層の可塑性を向上するなどして、その接着性を向上することができる。
また、接着性調整成分として有機物層を構成する樹脂の硬化反応を促進する成分を用いると、下地処理が施された面から前記成分を有機物層に移動させてその硬化反応を促進し、これにより接着性を抑制あるいは増大することができる。
また、接着性調整成分として有機物層を構成する樹脂の硬化反応を阻害する成分を用いると、下地処理が施された面から前記成分を有機物層に移動させてその硬化反応を阻害することで、接着性を抑制あるいは増大させることができる。
また、上記下地処理を施すにあたり、上記下地処理剤を、保持具本体にパターン状に塗布するようにすると、有機物層に接着性の異なる領域が複数形成され、有機物層の所望の領域の接着性が調整された配線板用基材保持具を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
配線板用基材保持具(以下、「保持具」と略称することがある)は、平板状の保持具本体の一面に、接着性を有する有機物層を形成したものであり、このとき前記有機物層の表面は、配線板用基材(以下、「基材」と略称することがある)が保持される保持面として形成される。
上記保持具本体としては、配線板の製造工程に耐え得るものであれば種々の材質のものを用いることができるが、充分な耐熱性と寸法安定性とを有し、且つ塑性変形しにくい材質のものを用いることが好ましい。例えばソーダライムガラス、ホウケイ酸系ガラス、石英ガラスなどの無機ガラス類;インバー合金、ステンレススチール、チタン、アルミ、鉄、ステンレスなどの金属;アルミナ、ジルコニア、窒化シリコンなどのセラミックス;ポリカーボネートのような(硬質)プラスチック;ガラス繊維補強樹脂のような繊維強化プラスチック(FRP)等の材質から形成されるものが好適に用いられ、これら線膨張係数や吸湿膨張係数が小さく、導体配線の形成時における耐熱性、耐薬品性に優れ、また大面積化や表面平滑化が容易であり、また塑性変形しにくい点で好ましい。
また、有機物層は、適宜の接着剤形成用の樹脂組成物にて形成することができる。有機物層を形成するための樹脂組成物としては、特に限定されないが、例えば適宜の熱硬化性や活性エネルギー線硬化性(紫外線硬化性、電子線硬化性等)の樹脂組成物を成形することで形成することができる。このとき、例えばウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリサルファイド樹脂、シリコーン樹脂等を含む樹脂組成物を用いて有機物層を形成することができる。このうち耐熱性が必要とされる場合にはシリコーン樹脂系の樹脂組成物を用いることが好ましい。
本発明では、保持具本体の、有機物層が形成される面に、予め下地処理を施しておくものである。下地処理は、有機物層の接着性を調整する接着性調整成分を含有する下地処理剤を塗布することによりなされる。
下地処理剤は、接着性調整成分のみで構成しても良いが、溶剤等を含有するようにしても良い。溶剤としては、接着性調整成分或いは更に後述の樹脂成分が均一に溶解若しくは分散するものであれば良く、極性、非極性を問わずほとんどの溶剤、或いはそれらの誘導体が適宜使用可能であるが、乾燥が容易な沸点300℃以下程度のものが望ましい。溶剤としては複数種を組み合わせて使用することも可能である。
また、下地処理剤中には、樹脂成分を含有させると、この樹脂成分によっても有機物層の接着性を調整することができ、またこの樹脂成分を含有することによって適度な粘度が付与されて塗布性が向上し、適宜のパターン状に塗布することも容易なものとなる。この樹脂成分としては適宜のものが用いられるが、例えばアクリル系、ウレタン系、エポキシ系、ポリサルファイド系、ポリイミド系、ポリアミン、シリコーン系、ポリエステル系等の各種の樹脂やエラストマーを用いることができる。特にシリコーン系の樹脂は耐熱性が高い。これらの樹脂成分は、保持具本体の材質、有機物層の組成、下地処理剤に含有されるカップリング剤等の成分などに応じて、適宜選択することができる。また、近年開発されている有機−無機ハイブリッド材料を使用しても良い。
特に、樹脂成分としては、有機物層を構成する樹脂と重合可能なもの、例えば有機物層としてシリコーン系の樹脂からなるものを用いる場合に下地処理剤の樹脂成分としてシリコーン系の樹脂を用いるなど、有機物層と下地処理剤とで共に同種の樹脂を用いると、有機物層と保持具本体との密着性向上に寄与する。
また、下地処理剤中には、含有される樹脂成分の種類や反応性に応じ、必要により適宜硬化剤を加える。例えば光硬化性の樹脂成分に対して、不飽和二重結合を有する化合物、熱硬化性のエポキシ樹脂に対して、水酸基、カルボキシル基を有する化合物や酸無水物など、イソシアネート基を有する樹脂成分に対して水酸基を有する化合物、シリコーン等を配合する場合などが、挙げられる。これらの硬化剤は、保持具の使用条件や、下地と有機物層との接着性、コスト等を考慮した上で、適度な架橋性反応性を発揮するように選択することができる。
また、下地処理剤中には、更に必要に応じて、硬化触媒を加えることもできる。硬化触媒としては、樹脂成分の反応系に応じて、酸触媒、アミン系触媒、白金等の金属・金属塩系触媒などを用いることができる。例えばエポキシ樹脂と、水酸基、カルボキシル基を有する化合物との反応系においては、アミン系触媒等を用い、またイソシアネート基を有する樹脂成分と、水酸基を有する化合物との反応系では金やアミン系の触媒を用いることができる。
また、接着性調整成分としては、各種のものを用いることができるが、その一つにカップリング剤を挙げることができ、この場合は保持具本体の下地処理が施された面と有機物層との間の密着性を向上すると共に、この下地処理が施された面に形成された有機物層の接着性を向上することができる。これは、下地処理剤からカップリング剤が有機物層に移動して有機物層を可塑化させたり有機物層の硬化を阻害したりすることで、その接着性が増大するためと考えられる。また、カップリング剤を直接保持具本体に塗布した場合には液状で粘度が低いためにパターン状の塗布が難しいが、樹脂成分を含む下地処理剤にカップリング剤を含有させた下地処理剤を塗布すると、パターン形成が容易となる
上記のカップリング剤としてはシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤等を挙げることができる。
このカップリング剤のうち、シランカップリング剤としては、例えばビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
また、チタネート系カップリング剤としては、味の素株式会社製のプレンアクトシリーズ「KR TTS」、「KR38S」等を挙げることができる。
また、アルミネート系カップリング剤としては、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート(味の素株式会社製、プレンアクトシリーズ「AL−M」)等を挙げることができる。
このようなカップリング剤を接着性調整成分として用いる場合の下地処理が施される面への付着量は特に制限されず、有機物層に所望の特性を付与することができるように適宜調整されるが、下地処理が施された領域におけるカップリング剤の面積あたりの付着量が0.001〜10g/m2、特には0.01〜5g/m2の範囲となるようにすることが好ましい。
また、接着性調整成分として、シリコーンオイル、シリコーン樹脂(下地処理剤の樹脂成分がシリコーン樹脂の場合はこの樹脂成分よりも分子量の小さいもの)、消泡剤やレベリング剤、湿潤調整剤、分散助剤等として市販されている各種変性シリコーン樹脂やその他の有機化合物、低ガラス転移温度(例えば−100〜40℃)のアクリル樹脂、各種エラストマー、その他の粘着付与剤(タッキファイヤー)等を挙げることもできる。これらのような粘着付与剤を含有させると、有機物層の可塑性を向上するなどして、その接着性を向上することができる。
このような粘着付与剤を接着性調整成分として用いる場合の下地処理が施される面への付着量は特に制限されず、有機物層に所望の特性を付与することができるように適宜調整されるが、下地処理が施された領域における粘着付与剤の面積あたりの付着量が好ましくは0.1〜10g/m2、特に好ましくは0.2〜5g/m2の範囲となるようにする。
また、接着性調整成分として、有機物層を構成する樹脂の硬化反応を促進する成分を用いることもできる。このような成分としては、有機物層を構成する樹脂と反応する多官能の低分子化合物や、この樹脂の重合反応の触媒として作用するものを挙げることができる。すなわち、有機物層を構成する樹脂の反応系において、多官能モノマー、架橋剤、硬化剤、硬化促進剤に相当する化合物を用いることができるものである。このような成分を含有する下地処理剤を用いると、下地処理が施された面に形成された有機物層の硬化反応を促進することでその接着性を抑制あるいは増大することができる。
このような硬化反応を促進する成分を接着性調整成分として用いる場合の下地処理が施される面への付着量は特に制限されず、有機物層に所望の特性を付与することができるように適宜調整されるが、下地処理が施された領域における硬化反応を促進する成分の面積あたりの付着量が好ましくは0.001〜10g/m2、特に好ましくは0.01〜5g/m2の範囲となるようにする。
また、接着性調整成分として、有機物層を構成する樹脂の硬化反応を阻害する成分を用いることもできる。このような成分としては、有機物層を構成する樹脂と反応する単官能の低分子化合物(反応停止剤)を挙げることができる。また、有機物層を構成する樹脂がビニルシリル基やヒドロシリル基を有するシリコーン樹脂の場合に、その反応を阻害する物質としてチッソ化合物、リン化合物、イオウ化合物等を用いることができる。このような化合物を用いると、下地処理が施された面に形成された有機物層の硬化反応を阻害することでその接着性を増大させることができる。
このような硬化反応を阻害する成分を接着性調整成分として用いる場合の下地処理が施される面への付着量は特に制限されず、有機物層に所望の特性を付与することができるように適宜調整されるが、下地処理が施された領域における硬化反応を阻害する成分の面積あたりの付着量が好ましくは0.001〜10g/m2、特に好ましくは0.01〜5g/m2の範囲となるようにする。
これらの接着性調整成分は、一種のみを用いるだけでなく、二種以上を併用することもできる。例えば下地処理剤に接着性調整成分としてカップリング剤を含有させることで特に有機物層と保持具本体との間の密着性を向上し、これに他の接着性調整成分を含有させることで有機物層の接着性を更に調整することができる。
上記の有機物層を構成する樹脂、下地処理剤を構成する樹脂成分及び下地処理剤を構成する接着性調整成分の組み合わせは、適宜設定されるものであるが、例えば有機物層を構成する樹脂がシリコーン樹脂である場合には、接着性調整成分としては、樹脂の硬化反応を阻害する成分として、窒素化合物、燐化合物、硫黄化合物等の反応阻害剤や、アルケニルアルコール等のアルコール類などの付加反応抑制剤、あるいはシリコーン樹脂に対して慣用されている適宜の硬化遅延剤などを用いることができ、また樹脂の硬化反応を促進する成分としてはシリコーン樹脂に対して慣用されている適宜の硬化促進剤を用いることができる。ここで、下地処理剤における樹脂成分がアクリル樹脂等のようなシリコーン樹脂以外の樹脂の場合には、上記のような接着性調整成分を下地処理剤に含有させてこれにより下地処理を施すようにすれば良いが、特にこれらの接着性調整成分が下地処理剤から有機物層へと移行しやすいような組み合わせであることが好ましい。また、下地処理剤における樹脂成分がシリコーン樹脂である場合も前記と同様であるが、特に硬化促進剤や硬化遅延剤を含有させる場合には、下地処理の際の下地処理剤の硬化反応を途中で停止させることにより下地処理剤中に未反応の硬化促進剤や硬化遅延剤が残存するようにし、次いで有機物層を形成することにより未反応の硬化促進剤や硬化遅延剤を有機物層に移行させるようにすることで、有機物層の接着性を調整することができる。またこのとき、下地処理剤中に過剰の硬化促進剤や硬化遅延剤を含有させることで未反応の硬化促進剤や硬化遅延剤が残存させるようにし、これを有機物層へ移行させるようにしても良い。
また、下地処理剤は、フィラーとして、シリカ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化チタン等やこれらのナノ粒子タイプ、微粉有機フィラー等のような有機、無機物質を含有しても良く、この場合、塗膜強度や耐熱性が向上する。また、樹脂の耐熱性や密着性向上が見込めるだけでなく、場合によっては導電性(静電防止性)や熱伝導性(加熱・放熱性)の調整のためにカーボンやカーボンナノチューブ、銀などの金属といった導電性フィラー等も使用可能であり、目的に応じて使い分けることができる。近年に開発されてきている有機−無機ハイブリッド材料を使用しても良く、また一部架橋性を有するものでも良い。このようなフィラーの含有量も適宜調整されるが、例えば90質量%以下、好ましくは1〜50質量%の範囲で含有させることができる。
上記のような下地処理剤による下地処理を行うにあたっては、保持具本体における有機物層が形成される面の全面に一種類の下地処理剤を塗布することができる。
また、上記の有機物層が形成される面において、下地処理剤を所定のパターン状に塗布することもできる。この場合は、一種類の下地処理剤を用いるほか、二種以上の下地処理剤を用いて、それぞれパターン状に塗布することができる。このとき、保持具本体における有機物層が形成される面の全面に下地処理剤を塗布しても良く、またこの面に下地処理剤が塗布されていない部分があっても良い。また、下地処理剤をパターン状に塗布する場合に、下地処理剤が塗布されてない領域に、下地処理剤に用いられている樹脂成分のみを塗布するようにしても良い。ここで、下地処理剤中には樹脂成分を含有させていると、下地処理剤をパターン状に塗布することが容易なものである。ここで、下地処理剤は刷毛塗り、スプレー、各種印刷方式(グラビア、平版、凸版、凹版、スクリーン等)、ロールコータ、リップコータ類等の各種コータ類等の種々の手法で塗布することができるものであり、樹脂成分は下地処理剤がこのような塗布方法に応じた適切な粘度となるように適宜の割合で配合することができるが、好ましくは下地処理剤の粘度が0.01〜1000Pa・s程度の範囲となるようにすることが好ましい。
この下地処理剤は、必要に応じて熱硬化や光硬化等により硬化させる。
ここで、上記下地処理剤を塗布する際には、保持具本体と下地処理剤の塗膜との間に、この間の接着性だけを改善するためのアンカーコートとしての成分を塗布することもできる。
そして、下地処理剤が塗布された後、保持具本体に有機物層形成用の樹脂組成物を塗布成形し、必要に応じ、この樹脂組成物の成分組成に応じて熱硬化又は光硬化させて、有機物層を形成するものである。
このようにすると、下地処理剤が塗布された部分に形成される有機物層は、下地処理剤によってその接着性が向上され或いは低減されるなどのように、接着性が調整され、これにより有機物層の接着性を所望のものとなるように調整することができる。
また、このとき下地処理は、保持具本体の所望の位置に適宜塗布して下地処理することができ、有機物層の所望の箇所に所望の接着性を付与することが容易なものである。特に下地処理剤を上記のようにパターン状に形成すると、有機物層に所望の接着性を有する領域を所望のパターン状に形成することができる。
また、有機物層に接着性の異なる複数の領域を形成するにあたり、有機物層をパターン状に形成するのではなく下地処理剤をパターン状に形成すればよいことから、有機物層は一種類の樹脂組成物を塗布成形するだけで、接着性の異なる複数の領域が形成される。
ここで、例えば有機物層を形成するために複数種の樹脂組成物をパターン状に塗布成形することで接着性の異なる複数の領域を形成する場合には、一つの有機物層を形成するために複数回に分けて樹脂組成物の塗布成形を行わなければならず、有機物層に継ぎ目が生じたり、接着性の異なる領域ごとに厚みが異なるものになったりして、有機物層の表面を平滑に形成するのが困難なものであるが、本発明では、上記のように下地処理の後は一種類の樹脂組成物を塗布成形するだけで接着性の異なる複数の領域を有する有機物層を形成することができるため、有機物層の表面を平滑に形成することが容易なものである。勿論、この有機物層には、必要に応じて厚みの異なる複数の領域を意図的に形成しても良く、例えば表面に凹凸を有する基材を保持する場合には、その凹凸パターンに合致する逆パターンの凹凸パターンを、有機物層に形成するようにしても良い。
上記の下地処理における下地処理剤の塗布厚みは特に制限されないが、有機物層と保持具本体との間の密着性や、有機物層の接着性の調整に寄与するためにはある程度の厚みを有することが好ましく、また厚みが過大であると下地処理後の有機物層の形成時に有機物層の厚みを調整することが困難になるため、好ましくは0.01〜500μm、より好ましくは0.1〜200μm、更に好ましくは0.5〜20μmの範囲となるようにする。
また、有機物層の厚みも特に制限されないが、厚みが厚すぎると下地処理による接着性の調整が十分になされないおそれがあり、また薄すぎると塗膜形成性に問題が生じたり、十分な膜強度が得られなくなるおそれあるため、好ましくは1〜500μm、更に好ましくは5〜200μmの範囲となるようにする。
上記のようにして有機物層の接着性を調整するにあたっては、基板の不要部分と密着する領域が比較的大きい剥離強度を有し、基板の必要部分と密着する領域が比較的弱い剥離強度を有する(或いは剥離強度が0となる)ようにすることが好ましい。すなわち、比較的大きい剥離強度を有する領域によって、基板を保持具に充分な保持力で保持し、位置ずれが生じないようにすることができるものである。また基板を保持具から脱離する際には、基板の必要部分が比較的弱い剥離強度又は剥離強度が0の領域と接していることから、基板を保持面から剥離する際に基板の必要部分に過度の引っ張り応力がかかることを抑制し、変形を防止して高い寸法精度を達成することができるものである。
ここで、上記の基板の不要部分とは、基板における最終的に切断廃棄される部位や、導体配線の形成、部品実装等がなされず高い寸法精度が要求されない部位のことをいう。例えば配線板の製造工程において基材の外縁部を最終的に切断破棄する場合には、この基材の外縁部に対応する保持具の表面の外縁部の有機物層に比較的剥離強度の大きい領域を形成し、他の部分に比較的剥離強度が弱い或いは剥離強度が0となる領域を形成するものである。また、一つの基材から複数の配線板を多数個取りで形成する場合には、基材における複数の配線板の形成部位の間に不要部分が例えば格子状に形成されるものであり、この場合は、この基材の格子状の不要部分に相当する保持具の表面に、比較的剥離強度の大きい領域を形成し、配線板が形成される位置に相当する保持具の表面に比較的剥離強度が弱い或いは剥離強度が0となる領域を形成するものである。
ここで、剥離強度が最も大きい領域を保持具本体表面の外縁部の全周に亘って形成すると、特に加工処理時における基材の浮き上がりや基材と保持面との間への薬液の侵入などが防止され得る。
有機物層の剥離強度の値は、基材の剥離時の作業性や、保持具に保持された基材に対して施される加工処理の種類等によって適宜設定されるものであるが、少なくとも加工処理中に保持具に対して基材が位置ズレしたり浮き上がったりしない程度の剥離強度が必要とされ、且つ剥離時に過度の応力がかからない程度の剥離強度であることが望ましい。また、加圧されたり湿式処理が施されたりする場合には、このような処理中においても基材の位置ずれや浮き上がりが生じないように、やや大きい剥離強度を付与しておくことが望ましい。ここで、配線板製造工程における湿式処理を施す工程としては、レジスト現像工程、めっき工程、エッチング工程、洗浄工程等があり、また加熱処理を施す工程としては、フォトレジストの乾燥・熱硬化工程、ソルダーレジストの乾燥・熱硬化・はんだ処理等がある。
具体的には、例えば代表的な基材であるポリイミドフィルムを用いる場合での保持領域の剥離強度は、0.001〜1N/cmの範囲で適宜調整することが好ましく、特に剥離強度の高い保持領域においては0.1〜0.5N/cmの範囲で調整し、また剥離強度の低い保持領域においては0.1N/cm以下の範囲で調整し、あるいは剥離強度を0とすることが好ましい。
このような保持具を用いた配線板の製造方法について説明する。
基材としては、可撓性フィルムが好適に用いられる。この可撓性フィルムとしては、プラスチックフィルムであって、導体配線の形成工程及び電子部品の実装工程における熱プロセスに耐えるだけの耐熱性を有するものであることが好ましく、具体的な材質としては、ポリカーボネート、ポリエーテルサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリアミド、液晶ポリマー等を挙げることができる。このうち特にポリイミドフイルムは、耐熱性に優れるとともに耐薬品性にも優れているので好適に採用される。また、低誘電損失など電気的特性が優れている点で、液晶ポリマーも好適に採用される。また、可撓性のガラス繊維補強樹脂板を採用することも可能であり、この場合のガラス繊維補強樹脂板の樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、マレイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。
この配線板用基材の寸法、厚み等は特に制限されず、所望の最終製品の形態に応じた適宜のものが採用される。ここで、長尺の基材を用いて連続工程にて製造もできるが、位置精度を確保しやすい点で、枚葉状の基材を用いることが好ましい。枚葉とは、長尺連続体でなく、個別のシート状でハンドリングされる状態のものをいう。
また、予め導体配線が形成されている基材を用いる場合の、基材に対する導体配線の形成方法は特に制限されず、例えば、銅箔などの金属箔を接着剤層で貼り付けて形成することができる他、スパッタやメッキ、あるいはこれらの組合せで形成することができる。また、銅などの金属箔の上に可撓性フイルムなどの原料樹脂あるいはその前駆体を塗布、乾燥、キュアすることで、金属層付き可撓性フイルム・薄板を得ることもできる。
このような基材に対して、配線板製造のための加工処理を施すにあたり、まず上記の保持具の保持面に基材を接着して保持することで配線板用中間材(以下、「中間材」と略称することがある)を作製し、この中間材における基材に対して加工処理を施すことができる。
保持具に基材を保持させるにあたっては、基材を有機物層の上面に配置してその自重によって貼り付けたり、あるいは更にその上から指で軽く押さえる程度の荷重をかけることによって行うことができ、また、貼り付け用の設備、例えばロール式ラミネーターや真空ラミネーター等を用いることも可能であるが、基材の高い寸法精度を維持するためには、過大な圧力で貼り付けを行うことは避けるようにすることが好ましい。このとき、基材は所定の大きさにカットしてから保持具に保持させても良く、また長尺ロールから繰り出しながら保持具への保持と切断とを行っても良い。
このように形成される中間材に対して、配線板製造用の加工処理を施すことにより、配線板が製造される。
例えば、基材の表面に導体配線を形成する場合は、この基材の表面に予め金属層が設けられていない場合は、フルアディティブ法やセミアディティブ法等で導体配線を形成することができ、また金属層が予め設けられている場合にはサブトラクティブ法等により導体配線を形成することができる。導体配線を形成する際には、同時に例えば位置合わせ用のマークを形成することも可能である。
次に、導体配線が形成された基材表面にソルダーレジスト膜を形成することができる。このとき、導体配線を微細なパターンに形成している場合には、感光性のソルダーレジストを用いることが好ましい。ソルダーレジスト膜形成にあたっては、例えばスピンコーター、ブレードコーター、ロールコーター、バーコーター、ダイコーター、スクリーン印刷機などで基材表面に感光性ソルダーレジストを塗布し、乾燥させた後、所定のフォトマスクを介して紫外線露光・現像してパターン形成し、100〜200℃で熱硬化を行うものである。
次に、必要に応じて部品実装や切断加工を施す。部品実装は、作業性向上や実装位置精度向上のためには、中間材の状態のまま、すなわち基材を保持具に保持させた状態で行うことが好ましい。部品実装方法は、適宜の手法を採用でき、例えばハンダ接続、異方導電性フイルムによる接続、金属共晶による接続、非導電性接着剤による接続、ワイヤーボンディング接続等を採用できる。
また、切断加工は、レーザー光、高圧水ジェット、カッター等を用いて行うことができ、これにより基材から個片の配線板、又は配線板の集合体を切り出すことができる。この切断加工は、中間材の状態のまま、すなわち基材を保持具に保持させた状態で行うこともできるが、通常は基材を保持具から剥離した後に行うようにする。
また、上記のように配線板を製造するにあたっては、基材の一面と他面とに順次導体配線を形成する際に、この基材の一面側に導体配線を形成する際と、他面側に導体配線を形成する際とで、それぞれ上記の工法にて加工処理を行うことができる。このとき例えば、まず両面共に導体配線が形成されていない基材を用いて中間材を形成し、この基材の一面に導体配線を形成した後、保持具から基材を剥離する。次に、この基材を、導体配線が形成されている面を保持面と接触させるように保持具に保持させて、中間材を形成した後、この基材の他面に導体配線を形成するものである。
上記のようにして配線板の製造を行うようにすれば、保持具の製造の簡略化、設備投資の軽減、基材に対する加工処理時の歩留まりアップ・高精度化が達成される。ここで、設備投資の軽減については、例えば、基材として可撓性のフィルムや薄板状のものを用いる場合でも、従来からあるリジットタイプのプリント配線板の製造工程をそのまま用い、或いは若干の改造を施すだけで、配線板製造のための加工処理を行うことができるようになり、可撓性のフィルムや薄板状の基材を加工するための新たな設備を導入する必要がなくなって莫大な設備投資を削減することができ、またこのようなリジッドタイプのプリント配線板の製造と同様の製造工程にて加工処理を施すようにしても、基材の取扱性が向上し、歩留まりのアップや高精度化が可能なものである。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜6)
300mm×300mm×1.6mmの寸法のガラスエポキシ樹脂基板(FR−4タイプ)を保持具本体として用い、その一面に二つの領域を設定して、一方の領域(A領域)に熱硬化性シリコーン樹脂(互応化学工業株式会社製、「ETS−18」)に対して下記表1に記載した添加剤(接着性調整成分)を含有させた下地処理剤を厚み10μmとなるように塗布し、他方の領域(B領域)に添加剤を含まない前記熱硬化性シリコーン樹脂のみを厚み10μmとなるように塗布した。これを熱風乾燥機中で150℃で20分間熱処理を行い、冷却後、更にその上に全面的に添加剤を含まない上記熱硬化性シリコーン樹脂を厚み15μmとなるように塗布した後、再度150℃で20分間熱処理を行った。
このようにして得られた二つの領域(A領域及びB領域にそれぞれ該当する領域)を有する接着性の有機物層の表面に、幅25mm、長さ30cm、厚み25μmのポリイミドフィルムを軽く押し付けて貼着させ、有機物層とポリイミドフィルムとの間の180°ピール強度(線剥離強度)を測定した。それによると、B領域については線剥離強度は0.035N/cmであり、またA領域については下記表1に示す結果が得られた。
Figure 2005340525
(実施例7〜9)
上記と同様の保持具本体を用い、A領域には熱硬化性シリコーン樹脂(互応化学工業株式会社製、「ETS−18」)に対して表2に記載した添加剤(接着性調整成分)を含有させた下地処理剤をこの表に示した厚みとなるように塗布し、B領域には何ら塗布を行わないようにした。これを熱風乾燥機中で150℃で20分間熱処理を行い、冷却後、更にその上に全面的に添加剤を含まない上記熱硬化性シリコーン樹脂を厚み15μmとなるように塗布した後、再度150℃で20分間熱処理を行った。
このようにして得られた二つの領域(A領域及びB領域にそれぞれ該当する領域)を有する接着性の有機物層について、上記実施例1〜6と同様にして180°ピール強度(線剥離強度)を測定した。それによると、B領域については線剥離強度は0.029N/cmであり、またA領域については下記表2に示す結果が得られた。
また、形成された有機物層には、A領域に下地処理剤の塗布を行っているが、基材の接着に影響を及ぼすような段差は形成されなかった。
Figure 2005340525

Claims (10)

  1. 保持具本体の表面に接着性を有する有機物層を形成した配線板用基材保持具において、前記保持具本体の、有機物層が形成される面に、有機物層の接着性を調整する接着性調整成分を含有する下地処理剤による下地処理がなされていることを特徴とする配線板用基材保持具。
  2. 上記接着性調整成分が、樹脂成分を含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の配線板用基材保持具。
  3. 上記下地処理剤が、上記接着性調整成分としてカップリング剤を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の配線板用基材保持具。
  4. 上記カップリング剤が、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤から選択される一種以上のものであることを特徴とする請求項3に記載の配線板用基材保持具。
  5. 上記下地処理剤が、上記接着性調整成分として粘着付与剤を含有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の配線板用基材保持具。
  6. 上記下地処理剤が、上記接着性調整成分として有機物層を構成する樹脂の硬化反応を促進する成分を含有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の配線板用基材保持具。
  7. 上記下地処理剤が、上記接着性調整成分として有機物層を構成する樹脂の硬化反応を阻害する成分を含有することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の配線板用基材保持具。
  8. 上記下地処理剤が、保持具本体にパターン状に塗布されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の配線板用基材保持具。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の配線板用基材保持具の有機物層の表面に、配線板用基材を接着して保持して成ることを特徴とする配線板用中間材。
  10. 請求項9に記載の配線板用中間材における配線板用基材に対して加工処理を施した後、前記配線板用基材を剥離する工程を有することを特徴とする配線板の製造方法。
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