JP2003273494A - 回路基板用部材および回路基板の製造方法 - Google Patents

回路基板用部材および回路基板の製造方法

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JP2003273494A JP2002071657A JP2002071657A JP2003273494A JP 2003273494 A JP2003273494 A JP 2003273494A JP 2002071657 A JP2002071657 A JP 2002071657A JP 2002071657 A JP2002071657 A JP 2002071657A JP 2003273494 A JP2003273494 A JP 2003273494A
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孝義 赤松
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱、湿度、外力の影響で寸法変化を起こしやす
い可撓性フイルムの変形を抑制し、少なくとも片面に特
に高精度な回路パターンを形成した回路基板を製造す
る。 【解決手段】補強板と可撓性フイルムとを剥離可能な有
機物層を介して貼り合わせ、次いで、可撓性フイルムの
補強板と貼り合わされていない方の面に回路パターンを
形成する回路基板の製造方法であって、可撓性フイルム
の周縁部が剥離可能な有機物層に貼り合わされていて、
かつ、補強板上に形成した有機物層の面積が可撓性フイ
ルムの面積とほぼ同じか、補強板上に形成した有機物層
の面積が可撓性フイルムの面積より大きいことを特徴と
する回路基板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高精度な回路パタ
ーンを有するとともに生産性に優れた可撓性フイルムを
用いた回路基板用部材およびその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】エレクトロニクス製品の軽量化、小型化
に伴い、プリント回路基板のパターニングの高精度化が
求められている。中でも可撓性フイルム基板は、その可
撓性ゆえに三次元配線ができ、エレクトロニクス製品の
小型化に適していることから需要が拡大している。例え
ば、液晶ディスプレイパネルへのIC接続に用いられる
TAB(Tape Automated Bondin
g)技術は、35〜70mmと比較的狭幅の長尺ポリイ
ミドフイルム基板を加工することで樹脂基板としては最
高レベルの微細パターンを得ることができるが、微細化
の進展に関しては限界に近づきつつある。微細化にはラ
イン幅やライン間のスペース幅で表される指標と基板上
のパターンの位置で表される指標がある。後者の指標、
いわゆる累積精度は、回路基板とICなどの電子部品と
を接続する際の電極パッドと回路基板パターンとの位置
合わせに係わり、ICの多ピン化の進展に従い要求され
る精度が厳しくなってきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記累積精度の点にお
いて、TAB技術を含む可撓性フイルム基板は改良が難
しい状況になりつつある。回路基板加工プロセスでは、
乾燥やキュアなどの熱処理プロセス、エッチングや現像
などの湿式プロセスがあり、可撓性フイルムは、膨張と
収縮を繰り返す。このときのヒステリシスは、基板上の
回路パターンの位置ずれを引き起こす。また、アライメ
ントが必要なプロセスが複数ある場合、これらのプロセ
スの間に膨張、収縮があると、形成されるパターン間で
位置ずれが発生する。可撓性フイルムの膨張と収縮によ
る変形は、比較的大面積の基板寸法で加工を進めるFP
C(フレキシブルプリント基板)の場合には更に大きな
影響を及ぼす。また、位置ずれは引っ張りや捻れなどの
外力でも引き起こされ、柔軟性を上げるために薄い基板
を使う場合は、基板のハンドリングが難しく、特に注意
を要している。
【0004】本発明の目的は、上記のような問題点を解
決し、高精度な可撓性フイルム回路基板を安定して製造
できる方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的を達成
するために、本発明は以下の構成からなる。
【0006】(1)補強板上に、剥離可能な有機物層、
少なくとも剥離可能な有機物層と貼り合わされた面とは
反対側の面に配線回路が形成された可撓性フィルムが、
この順に積層された回路基板用部材であって、可撓性フ
イルムの周縁部が剥離可能な有機物層に貼り合わされて
いて、かつ、補強板上に形成した有機物層の面積が可撓
性フイルムの面積とほぼ同じであるか、補強板上に形成
した有機物層の面積が可撓性フイルムの面積より大きい
ことを特徴とする回路基板用部材。
【0007】(2)補強板と可撓性フイルムとを剥離可
能な有機物層を介して貼り合わせ、次いで、可撓性フイ
ルムの補強板と貼り合わされていない方の面に回路パタ
ーンを形成する回路基板の製造方法であって、可撓性フ
イルムの周縁部が剥離可能な有機物層に貼り合わされて
いて、かつ、補強板上に形成した該有機物層の面積が可
撓性フイルムの面積とほぼ同じか、補強板上に形成した
有機物層の面積が可撓性フイルムの面積より大きいこと
を特徴とする回路基板の製造方法。
【0008】(3)補強板がガラスである(1)または
(2)記載の回路基板用部材または回路基板の製造方
法。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の回路基板用部材は、補強
板上に、剥離可能な有機物層、可撓性フィルム、配線回
路がこの順で積層されたものである。また可撓性フィル
ムの両面に配線回路が形成されていてもよい。
【0010】本発明において可撓性フイルムとしては、
プラスチックフイルムであって、回路パターン製造工程
および電子部品実装での熱プロセスに耐えるだけの耐熱
性を備えていることが望ましく、ポリカーボネート、ポ
リエーテルサルファイド、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルフ
ァイド、ポリイミド、ポリアミド、液晶ポリマーなどの
フイルムを採用することができる。中でもポリイミドフ
イルムは、耐熱性に優れるとともに耐薬品性にも優れて
いるので好適に採用される。また、低誘電損失など電気
的特性が優れている点で、液晶ポリマーが好適に採用さ
れる。可撓性のガラス繊維補強樹脂板を採用することも
可能である。ガラス繊維補強樹脂板の樹脂としては、エ
ポキシ、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレン
エーテル、マレイミド、ポリアミド、ポリイミドなどが
挙げられる。
【0011】可撓性フイルムの厚さは、電子機器の軽量
化、小型化、あるいは微細なビアホール形成のためには
薄い方が好ましく、一方、機械的強度を確保するためや
平坦性を維持するためには厚い方が好ましい点から、
7.5μmから125μmの範囲が好ましい。
【0012】本発明において、回路パターンを形成する
方法は特に限定されず、例えば、銅箔などの金属箔を接
着剤層で貼り付けて形成することができる他、スパッタ
やメッキ、あるいはこれらの組合せで形成することがで
きる。また、銅などの金属箔の上に可撓性フイルムの原
料樹脂あるいはその前駆体を塗布、乾燥、キュアするこ
とで、金属層付き可撓性フイルムを得ることもできる。
【0013】本発明において補強板として用いられる基
板は、ソーダライムガラス、ホウケイ酸系ガラス、石英
ガラスなどのガラス類、ステンレススチール、インバー
合金、チタンなどの金属、アルミナ、ジルコニア、窒化
シリコンなどのセラミックスやガラス繊維補強樹脂板な
どが採用できる。いずれも線膨張係数や吸湿膨張係数が
小さい点で好ましいが、回路パターン製造工程の耐熱
性、耐薬品性に優れている点や大面積で表面平滑性が高
い基板が安価に入手しやすい点や塑性変形しにくい点で
ガラス類からなる基板が好ましい。中でもアルミノホウ
ケイ酸塩ガラスに代表されるホウケイ酸系ガラスは、高
弾性率でかつ線膨張係数が小さいため特に好ましい。ま
た、剥離可能な有機物層が紫外線照射で接着力、粘着力
が減少するタイプのものである場合は、紫外線を通す基
板であることが好ましい。特に、具体例は後述するが、
プロセス中にフイルム両面に補強板が貼り合わせられた
構成をとり、片側の補強板だけを剥離したいときには剥
離可能な有機物層が紫外線照射で接着力、粘着力が減少
するタイプであり、かつ補強板が紫外線を通す基板であ
ることが好ましい。
【0014】金属やガラス繊維補強樹脂を補強板に採用
する場合は、長尺連続体での製造もできるが、位置精度
を確保しやすい点で、本発明の回路基板の製造方法は枚
葉式で行うことが好ましい。枚葉とは、長尺連続体でな
く、個別のシート状でハンドリングされる状態を言う。
【0015】補強板に用いられるガラス基板は、ヤング
率が小さかったり、厚みが小さいと可撓性フイルムの膨
張・収縮力で反りやねじれが大きくなり、平坦なステー
ジ上に真空吸着したときにガラス基板が割れることがあ
る。また、真空吸着・脱着で可撓性フイルムが変形する
ことになり位置精度の確保が難しくなる傾向がある。一
方、ガラス基板が厚いと、肉厚ムラにより平坦性が悪く
なることがあり、露光精度が悪くなる傾向がある。ま
た、ロボット等によるハンドリング時に負荷が大きくな
り、素早い取り回しが難しくなって生産性が低下する要
因になる他、運搬コストも増大する傾向がある。この点
から、補強板に用いられるガラス基板のヤング率(kg
/mm2)と厚さ(mm)の3乗の積が、850kg・
mm以上860000kg・mm以下の範囲であること
が好ましく、1500kg・mm以上190000kg
・mm以下の範囲であることがさらに好ましく、240
0kg・mm以上110000kg・mm以下の範囲が
特に好ましい。なおガラス基板のヤング率は、JIS
R1602によって求められる値とする。
【0016】補強板に金属基板を用いる場合、金属基板
のヤング率が小さかったり、厚みが薄いと可撓性フイル
ムの膨張力や収縮力で金属基板の反りやねじれが大きく
なり、平坦なステージ上に真空吸着できなくなったり、
また、金属基板の反りやねじれの分、可撓性フイルムが
変形することにより、位置精度の保持が難しくなる。ま
た、金属基板に折れがあると、その時点で不良品にな
る。一方、金属基板が厚いと、肉厚ムラにより平坦性が
悪くなることがあり、露光精度が悪くなる。また、ロボ
ット等によるハンドリング時に負荷が大きくなり、素早
い取り回しが難しくなって生産性が低下する要因になる
他、運搬コストも増大する。この点から、補強板として
用いられる金属基板のヤング率(kg/mm2)と厚さ
(mm)の3乗の積は、2kg・mm以上162560
kg・mm以下の範囲であることが好ましく、10kg
・mm以上30000kg・mm以下の範囲であること
がさらに好ましく、15kg・mm以上20500kg
・mm以下の範囲であることが特に好ましい。
【0017】本発明に用いられる剥離可能な有機物層は
接着剤または粘着剤からなるものであって、可撓性フイ
ルムを該有機物層を介して補強板に貼り付けて加工後、
可撓性フイルムを剥離しうるものであれば特に限定され
ない。このような接着剤または粘着剤としては、アクリ
ル系またはウレタン系の再剥離粘着剤と呼ばれる粘着剤
を挙げることができる。また、分子設計が容易に行える
ことや耐溶剤性が優れることから、接着剤または粘着剤
の主剤と硬化剤を混合する架橋型と呼ばれるものが好ま
しい。可撓性フイルム加工中は十分な接着力があり、剥
離時は容易に剥離でき、可撓性フイルム基板に歪みを生
じさせないために、弱粘着と呼ばれる領域の粘着力のも
のが好ましい。シリコーン樹脂膜は離型剤として用いら
れることがあるが、タック性があるものは本発明におい
て剥離可能な有機物層として使用することができる。そ
の他、タック性があるエポキシ系樹脂膜を剥離可能な有
機物層として使用することも可能である。
【0018】本発明に用いられる可撓性フイルムは周縁
部が剥離可能な有機物層に貼り合わされていて、かつ、
補強板上に形成した有機物層の面積が可撓性フイルムの
面積とほぼ同じか、補強板上に形成した有機物層の面積
が可撓性フイルムの面積より大きいことが重要である。
有機物層の面積が可撓性フイルムの面積よりも小さい場
合、ウエット工程後のエアーナイフによる薬液の除去工
程、熱風オーブンによる乾燥あるいは加熱工程、薬液シ
ャワーなどの現像あるいは洗浄工程、薬液中の移動工程
等で、可撓性フイルム周縁部が補強板から剥離する恐れ
がある。可撓性フイルム上の配線回路形成部分が補強板
から剥離すると剥離部とその周辺の配線回路の寸法精度
が悪くなり微細パターンが得られない。また、可撓性フ
イルムの剥離により有機物層の間に隙間ができると、ウ
エット工程でこの間に薬液が入り込み、後の工程への不
純物持ち込みによる不具合発生の原因となる。可撓性フ
イルムの面積が有機物層の面積の70%未満である場
合、有機物層が暴露していることから薬液への不純物溶
出や搬送治具などの接触による有機物層の脱離の可能性
があり工程中で汚染やパターン欠陥の原因となる。ま
た、生産性が低下するので好ましくない。この点から、
可撓性フイルムの面積が有機物層の面積の70%以上1
00%以下であることが好ましく、可撓性フイルムの面
積が有機物層の面積の80%以上100%以下であるこ
とがさらに好ましく、可撓性フイルムの面積が有機物層
の面積の85%以上100%以下であることが特に好ま
しい。ただし、2mm程度であれば可撓性フイルムが有
機物層の周縁部からはみ出していても本発明の予定する
効果は得られる。
【0019】本発明においては、上記に説明したように
補強板上に形成した有機物層の面積が可撓性フイルムの
面積とほぼ同じであるか、補強板上に形成した有機物層
の面積が可撓性フイルムの面積より大きいことを満たし
ていれば、有機物層および可撓性フイルムの各々の形
状、また2つの貼り合わせられた形状はいずれも限定さ
れるものではない。例えば、貼り合わせられた有機物層
と可撓性フイルムの位置は、剥離可能な有機物層の周縁
部より可撓性フイルムの周縁部の方が0mm以上50m
m以下の間で内側にあってもよい。また、可撓性フイル
ムの周縁部の一部であれば、有機物層の周縁部より50
mm以上内側に入り込んでいてもよい。あるいは可撓性
フイルムの周縁部の一部が有機物層の周縁部より2mm
以上はみ出していても、上記面積の比率を満たすもので
あれば許容されるものである。
【0020】本発明に用いられる可撓性フイルムの面積
は、可撓性フイルムの幅と長さの積によって求める。た
だし、可撓性フイルムの一部に出っ張りや凹みが存在
し、その面積が可撓性フイルムの全面積に対して十分小
さい場合は出っ張りや凹みの面積を勘案しなくてもよ
い。
【0021】本発明に用いられる剥離可能な有機物層の
面積は、剥離可能な有機物層の塗布幅と塗布長さの積に
よって求める。ただし、剥離可能な有機物層の一部に出
っ張りや凹みが存在し、その面積が剥離可能な有機物層
の全面積に対して十分小さい場合は出っ張りや凹みの面
積を勘案しなくてもよい。
【0022】本発明において剥離力は、有機物層を介し
て補強板と貼り合わせた1cm幅の可撓性フイルムを剥
離するときの180°方向ピール強度で測定される。こ
こで、剥離力を測定するときの剥離速度は300mm/
分とした。剥離力の測定装置は特に限定されず、強度や
伸度の測定などで一般に使用される”テンシロン”が好
適に採用できる。ここで、弱粘着領域とは、上記の条件
で測定したときの剥離力が0.1g/cmから100g
/cmの範囲を言う。
【0023】接着剤または粘着剤の粘着力を弱粘着と呼
ばれる領域に制御するためには、接着剤または粘着剤の
主剤と硬化剤の一方あるいは両方を高分子量化すること
により、架橋後の流動性を小さくし、接着剤または粘着
剤の可撓性フイルムへの投錨性を制御することができ
る。一方、接着剤または粘着剤の耐熱性を向上するため
にも、接着剤または粘着剤の主剤と硬化剤の一方あるい
は両方を高分子量化することが好ましい。また、接着剤
または粘着剤の粘着力を弱粘着と呼ばれる領域に制御す
るためには、接着剤または粘着剤の主剤の分子鎖に導入
する官能基数を増やすことにより硬化剤との架橋部位を
増やすことも有効であり、さらに、主剤と硬化剤の混合
比を変えることで、剥離力を調整することができ好まし
い。また、接着剤または粘着剤の粘着力を弱粘着と呼ば
れる領域に制御するために、接着剤または粘着剤の可撓
性フイルムへの投錨性を制御する方法として、接着剤ま
たは粘着剤の厚みを適性化することが比較的容易に行
え、有効である。
【0024】有機物層の厚みは、薄すぎると平面性が悪
くなる他、可撓性フイルムの有機物層との貼り合わせ面
に形成された配線回路の埋め込み性が低下する。一方、
厚すぎると接着剤または粘着剤の可撓性フイルムへの投
錨性が良くなるために粘着力が強くなりすぎる。この点
から有機物層の厚みは、0.1μmから30μmまでの
範囲であることが好ましく、0.3μmから20μmま
での範囲であることがさらに好ましい。
【0025】剥離の界面は、補強板と有機物層との界面
でも有機物層と可撓性フイルムとの界面でもどちらでも
良いが、可撓性フイルムから有機物層を除去する工程が
省略できるので、有機物層と可撓性フイルムとの界面で
剥離する方が好ましい。
【0026】補強板と有機物層との接着力を向上させる
ために、補強板にシランカップリング剤塗布などのプラ
イマー処理を行っても良い。プライマー処理以外に紫外
線処理、紫外線オゾン処理などによる洗浄や、ケミカル
エッチング処理、サンドブラスト処理あるいは微粒子分
散層形成などの表面粗化処理なども好適に用いられる。
【0027】その他、低温領域で接着力、粘着力が減少
するもの、紫外線照射で接着力、粘着力が減少するもの
や加熱処理で接着力、粘着力が減少するものも好適に用
いられる。これらの中でも紫外線照射によるものは、接
着力、粘着力の変化が大きく好ましい。紫外線照射で接
着力、粘着力が減少するものの例としては、2液架橋型
のアクリル系粘着剤が挙げられる。また、低温領域で接
着力、粘着力が減少するものの例としては、結晶状態と
非結晶状態間を可逆的に変化するアクリル系粘着剤が挙
げられる。
【0028】本発明に使用する可撓性フイルムには、補
強板との貼り付けに先立って、貼り付け面である一方の
面に回路パターンが形成されていても良い。この場合、
該パターン形成と同時に、もう一方の面に形成される回
路パターンとの位置合わせ用マークを形成することが好
ましい。貼り合わせ面とは反対側の面に形成する高精細
パターンの高精細さを活かすために位置合わせマークを
設けて位置合わせすることは高精細パターンの作製に非
常に有効である。位置合わせマーク読みとり方法は特に
限定されず、例えば、光学的な方法、電気的な方法等を
用いることができる。位置合わせマークは、可撓性フイ
ルムを補強板と貼り合わせる際の位置合わせにも利用す
ることができる。位置合わせマークの形状は特に限定さ
れず、露光機などで一般に使用される形状が好適に採用
できる。
【0029】可撓性フイルムを補強板に貼り付けた後
に、可撓性フイルムの該貼り付け面とは反対面に形成さ
れる回路パターンは、補強板により加工時に生じる可撓
性フイルムの変形を防止できるため、特に高精度なパタ
ーンを形成することができる。
【0030】両面配線であることのメリットとしては、
スルーホールを介しての配線交差ができ、配線設計の自
由度が増すこと、太い配線で接地電位を必要な場所の近
傍まで伝搬することで高速動作するLSIのノイズ低減
ができること、同様に太い配線で電源電位を必要な場所
の近傍まで伝搬することにより、高速スイッチングでも
電位の低下を防ぎ、LSIの動作を安定化できること、
電磁波シールドとして外部ノイズを遮断することなどが
挙げられ、LSIが高速化し、また、多機能化による多
ピン化が進む中で非常に重要である。
【0031】さらに本発明では、可撓性フイルムの両面
の加工時に共に補強板を使用し、両面とも特に高精度な
パターンを形成することも可能である。例えば、第1の
補強板と可撓性フイルムの第2の面とを有機物層を介し
て貼り合わせて、可撓性フイルムの第1の面に回路パタ
ーンを形成してから、第1の面と第2の補強板とを有機
物層を介して貼り合わせた後、可撓性フイルムを第1の
補強板から剥離し、次いで可撓性フイルムの第2の面に
回路パターンを形成してから、可撓性フイルムを第2の
補強板から剥離する方法が挙げられ、両面共に高精度の
回路パターン加工を実現することができる。
【0032】本発明により製造した回路基板とICなど
の電子部品とを接続する工程は、補強板から回路基板を
剥離する工程よりも前にあることが好ましい。補強板か
ら回路基板を剥離した後に、回路基板とICなどの電子
部品とを接続する場合に比べて、接続時の温度や湿度の
条件による可撓性フイルムの寸法変化の影響を受けず良
好な接続精度を得ることが容易である。
【0033】本発明の回路基板の製造方法の一例を以下
に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0034】厚さ0.7mmのアルミノホウケイ酸塩ガ
ラスにスピンコーター、ブレードコーター、ロールコー
ター、バーコーター、ダイコーター、スクリーン印刷な
どで、弱粘着性再剥離剤を塗布する。間欠的に送られて
くる枚葉基板に均一に塗布するためには、ダイコーター
の使用が好ましい。再剥離剤塗布後、加熱乾燥や真空乾
燥などにより乾燥し、厚みが14μmの再剥離剤層を得
る。塗布した再剥離剤層にポリエステルフイルム上にシ
リコーン樹脂層を設けた離型フイルムからなる空気遮断
用フイルムを貼り付けて約1週間放置する(熟成期
間)。空気遮断用フイルムを貼り合わせる代わりに、窒
素雰囲気中や真空中で保管することもできる。弱粘着性
再剥離剤を長尺フイルム基体に塗布、乾燥後、枚葉基板
に転写することも可能である。
【0035】次に上記空気遮断用フイルムを剥がしてポ
リイミドフイルムを貼り付ける。ポリイミドフイルムの
厚さは7.5μmから125μmが好ましい。前述のよ
うに、ポリイミドフイルムの片面または両面に金属層が
あらかじめ形成されていても良い。ポリイミドフイルム
はあらかじめ所定の大きさのカットシートにしておいて
貼り付けても良いし、長尺ロールから巻きだしながら、
貼り付けと切断をしてもよい。このような貼り付け作業
には、ロール式ラミネーターや真空ラミネーターを使用
することができる。
【0036】該ポリイミドフイルムの貼り合わせ面にあ
らかじめ金属層が設けられていない場合は、フルアディ
ティブ法やセミアディティブ法で金属層を形成すること
ができる。
【0037】フルアディティブ法は、以下のようなプロ
セスである。金属層を形成する面にパラジウム、ニッケ
ルやクロムなどの触媒付与処理をし、乾燥する。ここで
言う触媒とは、そのままではメッキ成長の核としては働
かないが、活性化処理をすることでメッキ成長の核とな
るものである。次いでフォトレジストをスピンコータ
ー、ブレードコーター、ロールコーター、バーコータ
ー、ダイコーター、スクリーン印刷などで塗布して乾燥
する。フォトレジストを所定パターンのフォトマスクを
介して露光、現像して、メッキ膜が不要な部分にレジス
ト層を形成する。この後、触媒の活性化処理をしてか
ら、硫酸銅とホルムアルデヒドの組合せからなる無電解
メッキ液に、ポリイミドフイルムを浸漬し、厚さ2μm
から20μmの銅メッキ膜を形成して、回路パターンを
得る。
【0038】セミアディティブ法は、以下のようなプロ
セスである。金属層を形成する面に、クロム、ニッケ
ル、銅またはこれらの合金をスパッタし、下地層を形成
する。下地層の厚みは1nmから1000nmの範囲で
ある。下地層の上に銅スパッタ膜をさらに50nmから
3000nm積層することは、後に続く電解メッキのた
めに十分な導通を確保したり、金属層の接着力向上やピ
ンホール欠陥防止に効果がある。下地層形成に先立ち、
ポリイミドフイルム表面に接着力向上のために、プラズ
マ処理、逆スパッタ処理、プライマー層塗布、接着剤層
塗布が行われることは適宜許される。中でもエポキシ樹
脂系、アクリル樹脂系、ポリアミド樹脂系、ポリイミド
樹脂系、NBR系などの接着剤層塗布は接着力改善効果
が大きく好ましい。これらの処理や塗布は、ガラス基板
貼り付け前に実施されても良いし、ガラス基板貼り付け
後に実施されても良い。ガラス基板貼り付け前に長尺の
ポリイミドフイルムに対してロールツーロールで連続処
理されることは生産性向上が図れ好ましい。このように
して形成した下地層上にフォトレジストをスピンコータ
ー、ブレードコーター、ロールコーター、ダイコータ
ー、スクリーン印刷などで塗布して乾燥する。フォトレ
ジストを所定パターンのフォトマスクを介して露光、現
像して、メッキ膜が不要な部分にレジスト層を形成す
る。次いで下地層を電極として電解メッキをおこなう。
電解メッキ液としては、硫酸銅メッキ液、シアン化銅メ
ッキ液、ピロ燐酸銅メッキ液などが用いられる。厚さ2
μmから20μmの銅メッキ膜を形成後、さらに必要に
応じて金、ニッケル、錫などのメッキを施し、フォトレ
ジストを剥離し、続いてスライトエッチングにて下地層
を除去して、回路パターンを得る。
【0039】上記ガラス基板上の空気遮断用フイルムを
剥がして、ポリイミドフイルムをガラス基板に貼り付け
た後、上述のセミアディティブ法、フルアディティブ
法、もしくはサブトラクティブ法で貼り合わせ面と反対
側の面に高精細な回路パターンを形成する。
【0040】なお、サブトラクティブ法とは、ポリイミ
ドフイルムにベタの金属層が形成されている場合、フォ
トレジストとエッチング液を使って回路パターンを形成
する方法であり、製造プロセスが短く、低コストな方法
である。
【0041】特に高精細な回路パターンを得るために
は、セミアディティブ法、フルアディティブ法の採用が
好ましい。
【0042】さらに、ポリイミドフイルムに接続孔を設
けることができる。すなわち、ガラス基板との貼り合わ
せ面側に設けた金属層との電気的接続を取るビアホール
を設けたり、ボールグリッドアレーのボール設置用の孔
を設けたりすることができる。接続孔の設け方として
は、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、エキシマレー
ザーなどのレーザー孔開けやケミカルエッチングを採用
することができる。レーザーエッチングを採用する場合
は、エッチングストッパ層として、ポリイミドフイルム
のガラス基板貼り付け面側に金属層があることが好まし
い。
【0043】ポリイミドフイルムのケミカルエッチング
液としては、ヒドラジン、水酸化カリウム水溶液などを
採用することができる。また、ケミカルエッチング用マ
スクとしては、パターニングされたフォトレジストや金
属層が採用できる。電気的接続を取る場合は、接続孔形
成後、前述の金属層パターン形成と同時にメッキ法で孔
内面を導体化することが好ましい。電気的接続をとるた
めの接続孔は、直径が15μmから200μmが好まし
い。ボール設置用の孔は、直径が80μmから800μ
mが好ましい。特に、可撓性フイルムのガラス基板との
貼り合わせ面の反対面から接続孔を形成することが好ま
しい。
【0044】次に回路パターンが形成されたポリイミド
フイルムをガラス基板から剥離する。回路パターンへの
電子部品マウント装置などで取り扱い易いように、レー
ザー、高圧水ジェットやカッターなどを用いて、剥離前
に個片または個片の集合体に回路パターン付きポリイミ
ドフイルムを切り分けておくことが好ましい。さらに、
電子部品との接続の位置精度を保つために、ポリイミド
フイルム上の回路パターンへ電子部品を接続後にフイル
ムをガラス基板から剥離することがさらに好ましい。電
子部品との接続方法としては、ハンダ接続、異方導電性
フイルムによる接続、金属共晶による接続、非導電性接
着剤による接続、ワイヤーボンディング接続などが採用
できる。
【0045】本発明の製造方法によって得られる回路基
板は、電子機器の配線板、ICパッケージ用インターポ
ーザー、ウエハレベルバーンインソケット用基板などに
好ましく使用される。回路パターンに抵抗素子や容量素
子を入れ込むことは適宜許される。
【0046】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、本発明においてヤング率は、JIS R16
02によって求められる値とする。
【0047】<剥離力測定方法>ポリイミドフイルムの
剥離力の測定は次の方法で行なった。補強板上に形成し
た再剥離剤層上にポリイミドフイルムを貼り合わせた
後、ポリイミドフイルムを10mm幅に裁断した。TM
I社製”テンシロン”を用いて300mm/minの剥
離速度で10mm幅のポリイミドフイルムを180゜方
向に剥離するときの力を剥離力とした。
【0048】実施例1 金属層接着力向上のための接着剤を以下のようにして用
意した。フラスコ内を窒素雰囲気に置換し、N,N−ジ
メチルアセトアミド228重量部を入れ、1,1,3,
3−テトラメチル−1,3−ビス(3−アミノプロピ
ル)ジシロキサン19.88重量部を溶解した。次い
で、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸二無水物25.76重量部を加え、窒素雰囲気下で
10℃、1時間撹拌した。続いて50℃で3時間撹拌し
ながら反応させ、ポリイミド前駆体ワニスからなる接着
剤を得た。
【0049】コンマコーターを用いて、ヤング率930
kg/mm2、厚さ25μm、幅300mmの長尺のポ
リイミドフイルム(”ユーピレックス”宇部興産(株)
製)の片面に接着剤を連続的に塗布した。次いで、80
℃で10分間、130℃で10分間、150℃で15分
間乾燥し、250℃で5分間キュアした。キュア後の接
着剤層の膜厚は1μmであった。ポリイミドフイルムは
ロット違いのもの5点を用意した。
【0050】厚さ0.7mm、300mm角のアルミノ
ホウケイ酸塩ガラスの全面にダイコーターで、アクリル
系の弱粘着性再剥離剤”オリバイン”EXK01−25
7(東洋インキ製造(株)製)と硬化剤BXX5134
(東洋インキ製造(株)製)を100:9で混合したも
のを塗布し、100℃で30秒間乾燥した。乾燥後の再
剥離剤厚みを15μmとした。次いで再剥離剤層に、ポ
リエステルフイルム上に離型容易なシリコーン樹脂層を
設けたフイルムからなる空気遮断用フイルムを貼り付け
て(アルミノホウケイ酸塩ガラス/再剥離剤層/シリコ
ーン樹脂層/ポリエステルフイルムの構成)1週間おい
た。
【0051】上記ポリエステルフイルムとシリコーン樹
脂層からなる空気遮断用フイルムを剥がしつつ、ガラス
基板の再剥離剤層が形成されている側にロール式ラミネ
ーターでポリイミドフイルムを貼り付けた。ポリイミド
フイルムは300mm角に切り揃え、再剥離剤層とポリ
イミドフイルムの面積を同じにした(面積比率は100
%)。また、貼り付け後測定したところ、周縁部は再剥
離剤層の外縁から±1mmの範囲に密着されていた。
【0052】スパッタにて厚さ50nmのクロム−ニッ
ケル合金膜と厚さ100nmの銅膜をこの順に貼り合わ
せ面とは反対側の面に設けられた接着剤層上に積層し
た。銅膜上にポジ型フォトレジストをスピンコーターで
塗布して80℃で10分間乾燥した。フォトレジストを
フォトマスクを介して露光した。フォトレジストを現像
して、メッキ膜が不要な部分に厚さ10μmのレジスト
層を形成した。テスト用フォトマスクパターンは、線幅
10μmで、ピッチが500μmの格子状パターンとし
た。現像後、120℃で10分間ポストベークした。次
いで銅膜を電極として電解メッキをおこなった。電解メ
ッキ液は、硫酸銅メッキ液とした。厚さ6μmの銅メッ
キ膜を形成後、フォトレジストをフォトレジスト剥離液
で剥離し、続いて塩化鉄水溶液によるソフトエッチング
にてレジスト層の下にあった金属膜およびクロム−ニッ
ケル合金膜を除去して、格子状金属パターンを得た。格
子状金属パターンを形成したポリイミドフイルムを真空
吸着し、周縁部から徐々に補強板を剥離した。ポリイミ
ドフイルムの剥離力は9g/cmであった。回路パター
ン形成中にポリイミドフイルムが再剥離剤層から剥離す
ることはなかった。また、ポリイミドフイルムは、再剥
離剤層との界面で剥離し、カールすることはなかった。
【0053】測長機SMIC−800(ソキア(株)
製)にて、交差する金属膜線の中心線が交わる点として
該格子状金属パターンの交点の位置を測定した。対角方
向に本来約283mm離れた2点(x方向に200m
m、y方向に200mm離れた点)の距離を測定したと
ころ、ロット違いポリイミドフイルム5点ともフォトマ
スクパターンに対して±5μm以内にあり、非常に良好
であった。
【0054】実施例2 紫外線照射による硬化で粘着力が低下するアクリル系の
粘着剤”SKダイン”SW−11A(綜研化学(株)
製)と硬化剤L45(綜研化学(株)製)を50:1で
混合したものをガラス基板に塗布し、80℃で2分乾燥
し、乾燥後の粘着剤厚みを20μmとすると共に、補強
板から剥離する前に、ガラス基板側から紫外線を500
0mJ/cm2照射したことと、ポリイミドフイルムを
260mm角に切り揃え、ポリイミドフイルムの面積を
粘着剤層の塗布面積の75%とし、粘着剤層が暴露して
いる4辺の幅が20mmであること以外は実施例1と同
様にして金属パターンを形成した。金属パターンを形成
したポリイミドフイルムを真空吸着し、周縁部から徐々
に補強板から剥離した。ポリイミドフイルムの剥離力は
2g/cmであった。回路パターン形成中にポリイミド
フイルムが粘着剤層から剥離することはなかった。ま
た、ポリイミドフイルムは、粘着剤層との界面で剥離
し、カールすることはなかった。
【0055】測長機SMIC−800(ソキア(株)
製)にて、交差する金属膜線の中心線が交わる点として
該格子状金属パターンの交点の位置を測定した。対角方
向に本来約283mm離れた2点(x方向に200m
m、y方向に200mm離れた点)の距離を測定したと
ころ、ロット違いポリイミドフイルム5点ともフォトマ
スクパターンに対して±5μm以内にあり、非常に良好
であった。
【0056】実施例3 ポリイミドフイルムを240mm角に切り揃え、ポリイ
ミドフイルムの面積を再剥離剤層の塗布面積の64%と
し、再剥離剤層が暴露している4辺の幅が30mmであ
ること以外は実施例1と同様にして金属パターンを形成
した。金属パターンを形成したポリイミドフイルムを真
空吸着し、周縁部から徐々に補強板から剥離した。ポリ
イミドフイルムの剥離力は9g/cmであった。回路パ
ターン形成中にポリイミドフイルムが再剥離剤層から剥
離することはなかった。また、ポリイミドフイルムは、
再剥離剤層との界面で剥離し、カールすることはなかっ
た。
【0057】測長機SMIC−800(ソキア(株)
製)にて、交差する金属膜線の中心線が交わる点として
格子状金属パターンの交点の位置を測定した。対角方向
に本来約283mm離れた2点(x方向に200mm、
y方向に200mm離れた点)の距離を測定したとこ
ろ、ロット違いポリイミドフイルム5点ともフォトマス
クパターンに対して±5μm以内にあり、非常に良好で
あった。しかし、生産能力は、ポリイミドフイルムの面
積と再剥離剤層の塗布面積を同じにしたときと比べて6
4%に低下し、生産性が損なわれた。また、暴露してい
る再剥離剤層の一部が回路パターン形成中に欠けた。
【0058】比較例1 ポリイミドフイルムを310mm角に切り揃え、ポリイ
ミドフイルムの面積を再剥離剤層の塗布面積の107%
とし、ポリイミドフイルムの周縁部が再剥離剤層の4辺
からそれぞれ5mmの幅で均等にはみ出していること以
外は実施例1と同様にして金属パターンを形成したポリ
イミドフイルムを真空吸着し、周縁部から徐々に補強板
から剥離した。ポリイミドフイルムの剥離力は9g/c
mであった。一部の回路基板用部材はエアーナイフによ
る薬液の除去工程でポリイミドフイルムが剥離して加工
が続けられなくなった。一方、最終工程を通過した回路
基板用部材は、回路パターン形成中にポリイミドフイル
ムの一部が再剥離剤層から剥離したことでレジストパタ
ーンが欠け、回路パターンにも欠けが発生した。また、
ポリイミドフイルムの剥離した部分は湿式プロセスで膨
張し、永久歪みが残った。
【0059】
【発明の効果】本発明の回路基板用部材を用いて回路基
板を製造すると、加工工程での熱処理プロセス、湿式プ
ロセスによる膨張と収縮、あるいは引っ張りや捻れなど
の外力による可撓性フイルムの変形を抑制して、より設
計値に近い微細加工が可能となる。特に、ICなどの電
子部品を接続する際の電極パッドと回路基板パターンと
の位置合わせ精度に係わる累積精度の改善に寄与するも
のである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】補強板上に、剥離可能な有機物層、少なく
    とも剥離可能な有機物層と貼り合わされた面とは反対側
    の面に配線回路が形成された可撓性フィルムの3種が、
    この順に積層された回路基板用部材であって、可撓性フ
    イルムの周縁部が剥離可能な有機物層に貼り合わされて
    いて、かつ、補強板上に形成した有機物層の面積が可撓
    性フイルムの面積とほぼ同じであるか、補強板上に形成
    した有機物層の面積が可撓性フイルムの面積より大きい
    ことを特徴とする回路基板用部材。
  2. 【請求項2】補強板と可撓性フイルムとを剥離可能な有
    機物層を介して貼り合わせ、次いで、可撓性フイルムの
    補強板と貼り合わされていない方の面に回路パターンを
    形成する回路基板の製造方法であって、可撓性フイルム
    の周縁部が剥離可能な有機物層に貼り合わされていて、
    かつ、補強板上に形成した有機物層の面積が可撓性フイ
    ルムの面積とほぼ同じであるか、補強板上に形成した有
    機物層の面積が可撓性フイルムの面積より大きいことを
    特徴とする回路基板の製造方法。
  3. 【請求項3】補強板がガラスである請求項1または2記
    載の回路基板用部材または回路基板の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005340525A (ja) * 2004-05-27 2005-12-08 Goo Chemical Co Ltd 配線板用基材保持具、配線板用中間材、及び配線板の製造方法
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