JP2005337861A - 磁気検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】温度の上昇に伴ってセンサ素子の感度が低下するような場合であれ、磁界の変化に対する検出精度を好適に維持することのできる磁気検出装置を提供する。
【解決手段】磁気ベクトルの変化を検出するセンサ部は、磁気抵抗素子MRE11〜MRE14を備え、電気的にはブリッジ回路11として形成されている。これら磁気抵抗素子MRE11〜MRE14は、ロータの回転に起因して生ずるバイアス磁界のベクトル変化に伴って抵抗値が変化するようになっている。磁気抵抗素子MRE11〜MRE14のこうした抵抗値変化は、ブリッジ回路11の中点電位VaおよびVbの変化としてセンサ部から取り出され、検出信号として演算増幅器OP1およびOP2に各別に出力される。ここで、演算増幅器OP1およびOP2の増幅率a1、a2には、温度の上昇に伴う素子感度の低下が補償されるような温度係数が設定されている。
【選択図】 図1
【解決手段】磁気ベクトルの変化を検出するセンサ部は、磁気抵抗素子MRE11〜MRE14を備え、電気的にはブリッジ回路11として形成されている。これら磁気抵抗素子MRE11〜MRE14は、ロータの回転に起因して生ずるバイアス磁界のベクトル変化に伴って抵抗値が変化するようになっている。磁気抵抗素子MRE11〜MRE14のこうした抵抗値変化は、ブリッジ回路11の中点電位VaおよびVbの変化としてセンサ部から取り出され、検出信号として演算増幅器OP1およびOP2に各別に出力される。ここで、演算増幅器OP1およびOP2の増幅率a1、a2には、温度の上昇に伴う素子感度の低下が補償されるような温度係数が設定されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、磁気抵抗素子やホール素子などの磁気検出素子を用いて、例えばロータなどの被検出回転体の回転に起因して生ずる磁界の変化を検出する磁気検出装置に関する。
従来、この種の磁気検出装置としては、例えば特許文献1に記載されている装置が知られている。この磁気検出装置は、例えばエンジンのクランク軸、もしくは、カム軸に設けられた被検出回転体である磁性体からなるロータの回転に起因して生ずる磁界の変化を検出することにより同ロータの回転情報、すなわちクランク軸、カム軸の回転情報を得るための回転検出装置として設けられている。図5に、この特許文献1に記載されている回転検出装置の概要を示す。
同図5に示すように、この回転検出装置は、磁界の変化を検出するセンサ部およびその処理回路の一部が1つのICチップ1として集積回路化され、被検出回転体である磁性体からなるロータRTに対向するように設けられている。そして、このICチップ1は、樹脂などからなるモールド材2によってシームレスにモールドされた状態でその電源端子T1、出力端子T2、およびGND(接地)端子T3といった各端子が引き出される構造となっている。これら各端子のうち、上記出力端子T2は、例えば車両の点火時期制御を行う電子制御装置に接続され、該制御装置に上記ロータRTの回転情報を提供する。
また、このICチップ1の内部に組み込まれている上記センサ部は同特許文献1にも記載のように、付与される磁気ベクトルの向きにより抵抗値が変化する磁気抵抗素子(MRE)から構成されている。そして、この磁気抵抗素子にバイアス磁界を付与するかたちで、上記ICチップ1の周囲には円筒状のバイアス磁石MGが配設されている。
このような構成により、上記ロータRTの回転に伴ってその突起部がICチップ1内に組み込まれた上記センサ部近傍を通過するたびに、上記バイアス磁石MGから付与されている磁気ベクトルが同突起部に引きづられるかたちで変化するようになる。そして、こうした磁気ベクトルの変化が上記磁気抵抗素子を備えるセンサ部を通じて抵抗値の変化として検出され、その対応する電気信号が適宜に増幅されるなどして、上記出力端子T2から出力される。
一方、図6は、このような回転検出装置を構成するICチップ1の特に上記センサ部の等価回路を示したものであり、以下、同図6を併せ参照して、上記センサ部の電気的な動作をさらに説明する。
同図6に示されるように、上記センサ部は、電気的には磁気抵抗素子MRE1〜MRE4からなるブリッジ回路3として構成されている。このブリッジ回路3の一方端には図示しない定電圧回路から定電圧「+V」が印加され、他方端は接地されている。そして、上述した磁気ベクトルの変化に伴う各磁気抵抗素子MRE1〜MRE4の抵抗値変化は、このブリッジ回路3における各中点電位VaおよびVbの変化として取り出され、これら中点電位VaおよびVbの変化が、差動増幅器4によって差動増幅される。また、この差動増幅された信号(ポイントP2の信号)は比較器5を通じて2値化され、この2値化信号(パルス信号)がクランク軸の位置に対応する信号として上記出力端子T2を介して取り出される。そして、この2値化信号が上記電子制御装置内で適宜に処理されることにより上記車両の点火時期制御が行われることとなる。
特開平2001−153683号公報
ところで、上記ブリッジ回路3を構成する磁気抵抗素子MRE1〜MRE4にはそれらの抵抗値に所定の温度係数があり、通常は、温度の上昇に伴ってそれら各抵抗値が大きくなる傾向にある。一方、それら各抵抗値の上記磁気ベクトルの変化に伴う変化量は温度に依存しないため、磁気抵抗素子MRE1〜MRE4の抵抗値の変化率(抵抗値の変化量/抵抗値)は、温度の上昇に伴って小さくなる。換言すれば、温度の上昇に伴って当該回転検出装置としてのセンサ素子の感度が低下する。そして、こうしてセンサ素子の感度が低下するようなことがあると、同感度の低下分だけ、上記差動増幅器4を通じて差動増幅される信号の上記磁気ベクトルの変化に伴う変化量(振幅値)も小さくなる。すなわちこのことは、上記差動増幅された信号が比較器5を通じて2値化されるような場合、同比較器5に設定される閾値電圧Vthとのかね合いいかんでは誤パルスが生じかねないことを意味する。
なお、上記磁気抵抗素子を用いた磁気検出装置に限らず、例えば磁界強度の変化に伴いホール電圧が変化するホール素子を用いて磁界の変化を検出する磁気検出装置にあっても、上述と同様、温度の上昇に伴ってその出力信号の磁界の変化に伴う変化量(振幅値)は小さくなる。すなわち、温度の上昇に伴って磁界の変化に対する検出精度が低下する傾向は、このようなホール素子を用いた磁気検出装置においても概ね共通したものとなっている。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、温度の上昇に伴ってセンサ素子の感度が低下するような場合であれ、磁界の変化に対する検出精度を好適に維持することのできる磁気検出装置を提供することにある。
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、被検出運動体の運動に起因して生ずる磁界の変化を検出する磁気検出素子と、第1の抵抗素子およびこの第1の抵抗素子より抵抗値の大きい第2の抵抗素子の各々の抵抗値比に基づいて決定される増幅率をもって前記磁気検出素子による検出信号を増幅する増幅器とを備え、この増幅器による増幅信号に基づいて前記被検出運動体の運動情報を検出する磁気検出装置として、前記第1の抵抗素子を、前記第2の抵抗素子よりも温度係数の小さい抵抗材料とすることとした。
上記第2の抵抗素子に対し、上記第1の抵抗素子の温度係数を小さく設定する上記構成によれば、上記増幅器の増幅率には、同増幅率が温度の上昇に伴って増大するような温度係数が設定されることとなる。このため、温度の上昇に伴って上記磁気検出素子の感度(素子感度)が低下する場合であれ、こうした増幅器の増幅率の増大を通じて、当該磁気検出装置としての磁界の変化に対する検出精度も自ずと高く維持されるようになる。
なお、上記磁気検出素子の温度係数を補償するうえでは、第1の抵抗素子の温度係数を、第2の抵抗素子の温度係数に対して積極的に小さく設定することがより望ましい。第1および第2の抵抗素子の温度係数のこのような関係によれば、増幅器による増幅信号の上記素子感度の低下に起因する減少分をより高い余裕度をもって補い得るような温度係数を上記増幅器の増幅率に設定することができるようになる。
また、このような構成において、請求項2に記載の発明によるように、前記磁気検出素子が、前記被検出運動体の運動に起因して生ずる磁気ベクトルの変化を抵抗値の変化として検出する磁気抵抗素子からなり、この抵抗値の変化を前記検出信号として出力するものであり、前記増幅器による増幅信号の前記磁気ベクトルの変化に伴う変化量を、前記磁気抵抗素子の前記磁気ベクトルの変化量に対する抵抗値の変化のしやすさである素子感度および前記磁気抵抗素子に付与される磁気ベクトルの変化量および前記増幅器の増幅率の乗算値として表わすとき、温度の上昇に伴う前記素子感度の低下に起因して減少する前記増幅信号の変化量の減少分が前記増幅器の増幅率の増大により補償されるように、前記第1および第2の抵抗素子の温度係数を各々設定するようにすれば、磁気抵抗素子を用いた磁気検出装置として、高温領域を含めた広い温度領域にわたって、被検出運動体の運動情報を安定して検出することができるようになる。
すなわち、このような磁気検出装置にあっては、増幅器による増幅信号の上記磁気ベクトルの変化に伴う変化量(振幅値)は、基本的には、上記素子感度および磁気抵抗素子に付与される磁気ベクトルの変化量および増幅器の増幅率の乗算値として表される。そしてこのうち、素子感度には温度係数があり、上記増幅器による増幅信号にもこの素子感度の温度特性が反映されるようになる。この点、上記構成では、温度の上昇に伴う上記素子感度の低下に起因して減少する上記増幅信号の変化量の減少分を上記増幅器の増幅率の増大により補償するかたちで上記第1および第2の抵抗素子の温度係数、すなわち増幅器の増幅率の温度係数を設定することとしている。このため、温度の上昇に伴う素子感度の低下に起因して減少する上記増幅信号の変化量の減少分が、増幅器の増幅率の増大によって増加する同増幅信号の変化量の増加分と相殺されるようになり、温度の上昇に伴って素子感度が低下する場合であれ、磁気抵抗素子を用いた磁気検出装置としての磁気ベクトルの変化に対する検出精度を好適に維持することができるようになる。
また、この場合には特に、請求項3に記載の発明によるように、温度の上昇に伴う磁界強度の減少に起因して減少する前記増幅信号の変化量の減少分がさらに補償されるかたちで、前記第1および第2の抵抗素子の温度係数を各々設定することで、当該磁気検出装置としての磁気ベクトルの変化に対する検出精度のさらなる向上を図ることができるようになる。
すなわち上述の通り、磁気抵抗素子を用いた磁気検出装置にあって、増幅器による増幅信号の振幅値は、基本的には、上記素子感度および磁気抵抗素子に付与される磁気ベクトルの変化量および増幅器の増幅率の乗算値として表されるものの、温度の上昇に伴って磁気抵抗素子に付与される磁界の強度(磁気ベクトルの大きさ)が減少し、磁気抵抗素子が磁気的に飽和される領域から外れるようになると、こうした関係も変化することがある。すなわちこのような状態にあっては、増幅器による増幅信号の振幅値は、温度の上昇に伴う磁界強度の減少にも起因して減少するようになり、これによって当該磁気検出装置としての磁気ベクトルの変化に対する検出精度も低下するようになる。ちなみにこのような状態は、上記磁気抵抗素子に磁気ベクトルを付与する磁石がフェライト磁石である場合などに比較的生じやすい。
この点、上記構成によれば、温度の上昇に伴う素子感度の低下はもとより、温度の上昇に伴う磁界強度の減少をも補償するかたちで、前記第1および第2の抵抗素子の温度係数、すなわち増幅器の増幅率の温度係数が設定されるため、温度の上昇に伴って素子感度が低下し、且つ、磁界の強度も減少するような場合であれ、このような磁気検出装置としての磁気ベクトルの変化に対する検出精度をより好適に維持することができるようになる。
一方、請求項1に記載の構成において、請求項4に記載の発明によるように、前記磁気検出素子が、前記被検出運動体の運動に起因して生ずる磁界強度の変化をホール電圧の変化として検出するホール素子からなり、このホール電圧の変化を前記検出信号として出力するものであり、前記増幅器による増幅信号の前記ホール電圧の変化に伴う変化量を、前記ホール素子の前記磁界強度の変化量に対するホール電圧の変化のしやすさである素子感度および前記ホール素子に付与される磁界の強度の変化量および前記増幅器の増幅率の乗算値として表わすとき、温度の上昇に伴う前記素子感度の低下と前記ホール素子に付与される磁界の強度の減少とに起因して減少する前記増幅信号の変化量の減少分が前記増幅器の増幅率の増大により補償されるように、前記第1および第2の抵抗素子の温度係数を各々設定するようにすれば、ホール素子を用いた磁気検出装置として、高温領域を含めた広い温度領域にわたって被検出運動体の運動情報を安定して検出することができるようになる。
すなわち、ホール素子を用いて磁界強度の変化を検出する磁気検出装置の場合、増幅器による増幅信号の上記磁界強度の変化に伴う変化量(振幅値)は、上記素子感度および磁界強度の変化量および増幅器の増幅率の乗算値として表される。このうち、素子感度には温度係数があり、上記増幅器による増幅信号にもこの素子感度の温度特性が反映される。また通常、上記ホール素子には例えばフェライト磁石や希土類磁石などのバイアス磁石による磁界が付与されることから、上記磁界強度にも、温度の上昇に伴い減少するような温度係数があり、上記増幅器による増幅信号には、この磁界強度の温度特性も同様に反映される。
この点、上記構成によれば、温度の上昇に伴う素子感度の低下とホール素子に付与される磁界の強度の減少とが補償されるかたちで上記第1および第2の抵抗素子の温度係数、すなわち増幅器の増幅率の温度係数が設定されるため、温度の上昇に伴う素子感度の低下と磁界強度の減少とに起因して減少する上記増幅信号の変化量の減少分が、増幅器の増幅率の増大によって増加する同増幅信号の変化量の増加分と相殺されるようになる。すなわち、温度の上昇に伴って素子感度が低下し、磁界の強度が減少するような場合であれ、ホール素子を用いた磁気検出装置としての磁界強度の変化に対する検出精度を好適に維持することができるようになる。
なお、これらいずれの場合であれ、前記第1および第2の抵抗素子の抵抗材料としてはそれぞれ、請求項5に記載の発明によるように、第1の抵抗素子としては薄膜抵抗を用い、第2の抵抗素子としては拡散抵抗を用いることが、実用上より望ましい。
すなわち、例えば集積回路チップ等において演算増幅器の増幅率を決定する抵抗は通常、半導体基板のエピタキシャル層に用いられるような拡散抵抗(例えば、1000〜5000ppm/℃程度)から形成される。この点、上記構成によれば、第2の抵抗素子をこのような拡散抵抗から形成する一方、第1の抵抗素子についてはこれを、例えばクロムシリコンなどの薄膜抵抗(例えば、50ppm/℃以下)から形成するだけの極めて簡易な構造を通じて、第1の抵抗素子の温度係数を、第2の抵抗素子の温度係数に対して積極的に小さく設定することができるようになる。
また、これら請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の構成において、請求項6に記載の発明によるように、前記増幅器が差動増幅器を構成するかたちで2つ設けられるとき、それら増幅器の各々前記第1の抵抗素子および前記第2の抵抗素子を互いに同一の抵抗値を持つ同一の抵抗材料によって形成するようにすれば、上記2つの増幅器を通じて差動増幅される信号にオフセットが生じるようなことも好適に抑制されるようになる。
(第1の実施の形態)
以下、この発明にかかる磁気検出装置の第1の実施の形態について、図1および図2を参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態にかかる磁気検出装置も、例えばエンジンのクランク軸、もしくは、カム軸に設けられた被検出運動体である磁性体からなるロータの回転に起因して生ずる磁界の変化を検出することにより同ロータの回転情報、すなわちクランク軸、カム軸の回転情報を得るための回転検出装置として用いられる磁気検出装置を想定している。すなわち、この磁気検出装置も、基本的には先の図5に例示したような態様でモールドされるとともに、バイアス磁界が付与された状態でロータに対向して配設されている。そして、この磁気検出装置では、上記従来のICチップ1に代えて、図1に示す回路を有するICチップを備えることとしている。
以下、この発明にかかる磁気検出装置の第1の実施の形態について、図1および図2を参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態にかかる磁気検出装置も、例えばエンジンのクランク軸、もしくは、カム軸に設けられた被検出運動体である磁性体からなるロータの回転に起因して生ずる磁界の変化を検出することにより同ロータの回転情報、すなわちクランク軸、カム軸の回転情報を得るための回転検出装置として用いられる磁気検出装置を想定している。すなわち、この磁気検出装置も、基本的には先の図5に例示したような態様でモールドされるとともに、バイアス磁界が付与された状態でロータに対向して配設されている。そして、この磁気検出装置では、上記従来のICチップ1に代えて、図1に示す回路を有するICチップを備えることとしている。
すなわち、同図1に示されるように、この回路は、大きくは、付与される磁気ベクトルの変化を検出するセンサ部と、このセンサ部による検出信号を増幅する演算増幅器(増幅器)OP1、OP2と、演算増幅器OP1、OP2による信号を2値化する比較器15とを有して構成されている。
ここで、センサ部は、磁気検出素子として、全て同じ抵抗材料からなる磁気抵抗素子MRE11〜MRE14を備え、電気的にはブリッジ回路11として形成されている。そしてこのうち、磁気抵抗素子MRE11およびMRE13の共通接続部には、図示しない定電圧回路から定電圧「+V(例えば5V)」が例えばダイオードDを介して印加され、また磁気抵抗素子MRE12およびMRE14の共通接続部は接地されている。このような構成により、ロータRTの回転に起因して生ずる上記バイアス磁界の変化、すなわちここでは、磁気ベクトルの変化は、このセンサ部において、磁気抵抗素子MRE11〜MRE14の抵抗値の変化として感知されるようになる。そして、磁気抵抗素子MRE11〜MRE14のこうした抵抗値の変化は、ブリッジ回路11における中点電位VaおよびVbの変化としてセンサ部から取り出され、上記検出信号として演算増幅器OP1およびOP2に各別に出力される。
一方、演算増幅器OP1およびOP2は、差動増幅器を構成するかたちで設けられている。また、これら演算増幅器OP1およびOP2は、いずれも帰還増幅器を構成しており、このうち、演算増幅器OP1には、その第1および第2の抵抗素子として抵抗R1およびR2が、また演算増幅器OP2には、同じく第1および第2の抵抗素子として抵抗R3およびR4がそれぞれ接続されている。そして、演算増幅器OP1においてはほぼ「R2/R1(ただし、R2>R1)」によって、また演算増幅器OP2においてはほぼ「R4/R3(ただし、R4>R3)」によってそれぞれその増幅率が決定されている。このため、センサ部から取り出される上記中点電位VaおよびVbは、これら演算増幅器OP1およびOP2の各増幅率をもって各々増幅されることとなる。そして、これら演算増幅器OP1およびOP2において、各増幅信号の互いの差分がさらに演算されることによって上記中点電位VaおよびVbが差動増幅される。また、この差動増幅された信号(ポイントP12の信号)は、比較器15を通じて2値化され、この2値化信号(パルス信号)がクランク軸の位置に対応する信号として上記出力端子T2を介して取り出される。なお、この比較器15では、上記定電圧「+V(例えば5V)」の抵抗R7およびR8の分圧値を基準として、上記ポイントP12の信号の2値化が行われる。そして、これも前述のように、この2値化信号が上記電子制御装置内で適宜に処理されることにより上記車両の点火時期制御が行われることとなる。
ただし、この実施の形態では、上記ポイントP12の信号に誤差(オフセット)が生じることを抑制すべく、各々上記抵抗R1およびR3と上記抵抗R2およびR4とを、互いに同一の抵抗値を持つ同一の抵抗材料によって形成するようにしている。また、上記抵抗R1の接地側には、抵抗R5およびR6による定電圧「+V」の分圧値が印加され、これによっても上記オフセットの調整が図られている。
ところで、上記演算増幅器OP1、OP2による各増幅信号の上記磁気ベクトルの変化に伴う変化量(振幅値)Am1、Am2はそれぞれ、基本的には、
Am1=Sv1×ΔMv1×a1 ・・・(1)
Am2=Sv2×ΔMv2×a2 ・・・(2)
ただし、
Sv1:磁気抵抗素子MRE11およびMRE12の磁気ベクトルの変化量に対する抵抗値の変化のしやすさ(素子感度)
Sv2:磁気抵抗素子MRE13およびMRE14の磁気ベクトルの変化量に対する抵抗値の変化のしやすさ(素子感度)
ΔMv1:磁気抵抗素子MRE11およびMRE12に付与される磁界のベクトル変化量(磁気ベクトルの変化量)
ΔMv2:磁気抵抗素子MRE13およびMRE14に付与される磁界のベクトル変化量(磁気ベクトルの変化量)
a1:演算増幅器OP1の増幅率
a2:演算増幅器OP2の増幅率
といった関係式にて表わされる。ただし、上記式(1)、(2)において、素子感度Sv1、Sv2には温度係数がある。すなわち、これら素子感度Sv1、Sv2の温度特性を図2に示すように、素子感度Sv1、Sv2は温度の上昇に伴って低下する。そして、こうして素子感度Sv1、Sv2が低下するようなことがあると、これら素子感度Sv1、Sv2の低下分だけ、演算増幅器OP1、OP2を通じて差動増幅される信号(ポイントP12の信号)の上記磁気ベクトルの変化に伴う変化量(振幅値)も小さくなり、ひいては、この磁気検出装置としての回転態様の検出精度が低下するようになる。なお、この図2から明らかなように、この実施の形態では、上記磁気抵抗素子MRE11〜MRE14が全て同じ抵抗材料から形成されているため、これら素子感度Sv1、Sv2の温度特性も同一の特性となっている。
Am1=Sv1×ΔMv1×a1 ・・・(1)
Am2=Sv2×ΔMv2×a2 ・・・(2)
ただし、
Sv1:磁気抵抗素子MRE11およびMRE12の磁気ベクトルの変化量に対する抵抗値の変化のしやすさ(素子感度)
Sv2:磁気抵抗素子MRE13およびMRE14の磁気ベクトルの変化量に対する抵抗値の変化のしやすさ(素子感度)
ΔMv1:磁気抵抗素子MRE11およびMRE12に付与される磁界のベクトル変化量(磁気ベクトルの変化量)
ΔMv2:磁気抵抗素子MRE13およびMRE14に付与される磁界のベクトル変化量(磁気ベクトルの変化量)
a1:演算増幅器OP1の増幅率
a2:演算増幅器OP2の増幅率
といった関係式にて表わされる。ただし、上記式(1)、(2)において、素子感度Sv1、Sv2には温度係数がある。すなわち、これら素子感度Sv1、Sv2の温度特性を図2に示すように、素子感度Sv1、Sv2は温度の上昇に伴って低下する。そして、こうして素子感度Sv1、Sv2が低下するようなことがあると、これら素子感度Sv1、Sv2の低下分だけ、演算増幅器OP1、OP2を通じて差動増幅される信号(ポイントP12の信号)の上記磁気ベクトルの変化に伴う変化量(振幅値)も小さくなり、ひいては、この磁気検出装置としての回転態様の検出精度が低下するようになる。なお、この図2から明らかなように、この実施の形態では、上記磁気抵抗素子MRE11〜MRE14が全て同じ抵抗材料から形成されているため、これら素子感度Sv1、Sv2の温度特性も同一の特性となっている。
そこで、この実施の形態では、同図2に示すように、温度の上昇に伴う上記素子感度Sv1、Sv2の低下が補償されるように、演算増幅器OP1、OP2の各増幅率a1、a2にも積極的に温度係数を設定することとしている。これにより、上記式(1)、(2)より明らかなように、温度の上昇に伴う素子感度Sv1、Sv2の低下に起因して減少する上記各増幅信号の変化量Am1、Am2の減少分がそれぞれ、演算増幅器OP1、OP2の増幅率a1、a2の増大によって増加する同増幅信号の変化量Am1、Am2の増加分と相殺されるようになる。すなわち、温度の上昇に伴って素子感度Sv1、Sv2が低下する場合であれ、演算増幅器OP1、OP2による上記各増幅信号の変化量Am1、Am2は、高温領域を含めた広い温度領域にわたって安定するようになり、磁気抵抗素子を用いた磁気検出装置としての回転態様の検出精度も好適に維持されるようになる。なお、この実施の形態では、素子感度Sv1、Sv2の温度特性が互いに等しいため、演算増幅器OP1、OP2の増幅率a1、a2の温度特性も互いに同一の特性に設定されることとなる。
ここで、演算増幅器OP1の増幅率a1を例にとり、そこに設定される温度係数の求め方の一例について説明する。
この実施の形態において、演算増幅器OP1の増幅率a1には、上記素子感度Sv1の負の温度係数に対して正であって且つ、同素子感度Sv1の温度係数の絶対値よりもやや大きい温度係数を割り当てる。これにより、温度の上昇に伴う素子感度Sv1の低下が補償されるかたちで、上記演算増幅器OP1の増幅率a1に温度係数を設定することができるようになる。
この実施の形態において、演算増幅器OP1の増幅率a1には、上記素子感度Sv1の負の温度係数に対して正であって且つ、同素子感度Sv1の温度係数の絶対値よりもやや大きい温度係数を割り当てる。これにより、温度の上昇に伴う素子感度Sv1の低下が補償されるかたちで、上記演算増幅器OP1の増幅率a1に温度係数を設定することができるようになる。
例えばいま、素子感度Sv1の温度係数が「−3200ppm/℃」であり、25℃においてこの素子感度Sv1が「10」であり、演算増幅器OP1の増幅率a1が「50」であるとする。すなわちこの場合、温度が仮に100℃まで上昇したとすると、素子感度Sv1は「7.6」まで低下することになる。そこでこの場合には、演算増幅器OP1の増幅率a1に設定すべき温度係数を、上記条件のもとに例えば「4210ppm/℃」として求める。これにより、温度の上昇に伴う素子感度Sv1の低下に起因して減少する上記増幅信号の変化量Am1の減少分が演算増幅器OP1の増幅率a1の増大分と相殺されるようになり、温度が仮に100℃まで上昇したとしても、素子感度Sv1はほぼ「10」に維持されるようになる。なお、素子感度Sv1の温度係数については、例えば磁気抵抗素子MRE11およびMRE12に対し、バイアス磁界をベクトル変化させることなく一定の磁界強度にて付与し、この状態で、温度の上昇に対する上記中点電位Vaの変化量を測定することによって得ることができる。
そして、こうして演算増幅器OP1、OP2の増幅率a1、a2に設定すべき温度係数が求められると、次に、この求められた温度係数を同演算増幅器OP1、OP2の増幅率a1、a2に実際に設定することとなる。ここで上述の通り、演算増幅器OP1、OP2の増幅率a1、a2はそれぞれ、ほぼ「R2/R1」、「R4/R3」によって決定される。このため、増幅率a1、a2の温度係数は、各々抵抗R1に対する抵抗R2の温度係数と、抵抗R3に対する抵抗R4の温度係数とを互いに異ならしめることで設定することができる。
そこでこの実施の形態では、演算増幅器OP1の増幅率a1に設定すべき温度係数が求められると、この求められた温度係数を温度係数TCGとするとき、上記抵抗R1およびR2にそれぞれ割り当てる温度係数TCR1およびTCR2を、この温度係数TCGに基づき、
TCG=TCR2−TCR1 ・・・(3)
といった関係式に基づいてそれぞれ決定する。このような手法によれば、演算増幅器OP1の増幅率a1に所望の温度係数を設定するために必要とされる抵抗R1およびR2の温度係数TCR1およびTCR2の関係を容易に決定することができるようになる。そして、この決定された温度係数TCR1およびTCR2の関係を持つ2種の抵抗材料によって抵抗R1、R2(抵抗R3、R4)を各々形成することで、上記演算増幅器OP1の増幅率a1に所望の温度係数が設定されるようになる。
TCG=TCR2−TCR1 ・・・(3)
といった関係式に基づいてそれぞれ決定する。このような手法によれば、演算増幅器OP1の増幅率a1に所望の温度係数を設定するために必要とされる抵抗R1およびR2の温度係数TCR1およびTCR2の関係を容易に決定することができるようになる。そして、この決定された温度係数TCR1およびTCR2の関係を持つ2種の抵抗材料によって抵抗R1、R2(抵抗R3、R4)を各々形成することで、上記演算増幅器OP1の増幅率a1に所望の温度係数が設定されるようになる。
例えば、上述のように、素子感度Sv1の温度係数が「−3200ppm/℃」であり、25℃における同素子感度Sv1が「10」であり、演算増幅器OP1の増幅率a1が「50」であるとしたとき、同増幅率a1に設定すべき温度係数として上述の「4210ppm/℃」といった値が求められる。そこで、この求められた温度係数TCGを上記式(3)に代入すれば、抵抗R1の温度係数TCR1と抵抗R2の温度係数TCR2との関係を、例えば抵抗R1の温度係数TCR1が「50ppm/℃」、また抵抗R2の温度係数TCR2が「4260ppm/℃」としてそれぞれ決定することができる。そしてこれにより、演算増幅器OP1の増幅率a1に、ほぼ「4210ppm/℃」の温度係数が実際に設定されるようになる。
なお、上記式(3)に基づいて抵抗R1およびR2の温度係数TCR1およびTCR2の関係を決定することができる原理については未だ明確ではない。ただし、少なくとも−30℃〜150℃の温度領域においては、この式(3)に基づき抵抗R1およびR2の温度係数TCR1およびTCR2の関係が決定される限り、上記演算増幅器OP1の増幅率a1にも、上記求められた温度係数TCGに対して誤差の少ない温度係数が実際に設定されることが発明者によって確認されている。
すなわち、上記演算増幅器OP1の増幅率a1に実際に設定される温度係数TCGTは、
TCGT=((R21/R11)−(R20/R10))/(ΔT×(R20/R10)) ・・・(4)
ただし、
R10:基準温度における抵抗R1の抵抗値
R20:基準温度における抵抗R2の抵抗値
ΔT:基準温度からの温度の変化量
R11:基準温度からΔTだけ温度が変化した温度における抵抗R1の抵抗値
R21:基準温度からΔTだけ温度が変化した温度における抵抗R2の抵抗値
といった関係式に基づいて算出することができる。また、この式(4)において、基準温度からΔTだけ温度が変化した温度における抵抗R1の抵抗値R11、および基準温度からΔTだけ温度が変化した温度における抵抗R2の抵抗値R21はそれぞれ、
R11=R1×(1+TCR1×ΔT) ・・・(5)
R21=R2×(1+TCR2×ΔT) ・・・(6)
といった関係式に基づいて算出される。そこで、いま、例えば基準温度25℃から温度が100℃まで上昇したとして「ΔT=75」、さらに上記決定した「TCR1=50」、「TCR2=4260」を上記式(4)〜(6)に各々代入して演算すれば、「TCGT≒4210」といった上述の結果が得られることがわかる。
TCGT=((R21/R11)−(R20/R10))/(ΔT×(R20/R10)) ・・・(4)
ただし、
R10:基準温度における抵抗R1の抵抗値
R20:基準温度における抵抗R2の抵抗値
ΔT:基準温度からの温度の変化量
R11:基準温度からΔTだけ温度が変化した温度における抵抗R1の抵抗値
R21:基準温度からΔTだけ温度が変化した温度における抵抗R2の抵抗値
といった関係式に基づいて算出することができる。また、この式(4)において、基準温度からΔTだけ温度が変化した温度における抵抗R1の抵抗値R11、および基準温度からΔTだけ温度が変化した温度における抵抗R2の抵抗値R21はそれぞれ、
R11=R1×(1+TCR1×ΔT) ・・・(5)
R21=R2×(1+TCR2×ΔT) ・・・(6)
といった関係式に基づいて算出される。そこで、いま、例えば基準温度25℃から温度が100℃まで上昇したとして「ΔT=75」、さらに上記決定した「TCR1=50」、「TCR2=4260」を上記式(4)〜(6)に各々代入して演算すれば、「TCGT≒4210」といった上述の結果が得られることがわかる。
なお、この実施の形態では、抵抗R2(抵抗R4)を拡散抵抗から形成する一方、抵抗R1(抵抗R3)についてはこれを、例えばクロムシリコンなどの薄膜抵抗(例えば、50ppm/℃以下)から形成するようにしている。すなわち、例えば集積回路チップ等において演算増幅器の増幅率を決定する抵抗は通常、半導体基板のエピタキシャル層に用いられるような拡散抵抗(例えば、1000〜5000ppm/℃程度)から形成される。このため、抵抗R1およびR2の材料のこのような選択によれば、温度の上昇に伴う素子感度Sv1の低下を補償すべく、抵抗R1の温度係数TCR1を抵抗R2の温度係数TCR2に対して積極的に小さく設定することも容易となる。
以上説明したように、この実施の形態にかかる磁気検出装置によれば、以下に記載するような優れた効果が得られるようになる。
(1)温度の上昇に伴う素子感度Sv1、Sv2の低下に起因して減少する上記各増幅信号の変化量Am1、Am2の減少分を演算増幅器OP1、OP2の増幅率の増大によりそれぞれ補償するかたちで、抵抗R1〜R4の温度係数TCR1、TCR2を各々設定することとした。このため、温度の上昇に伴って素子感度Sv1、Sv2が低下するような場合であれ、ロータの回転に伴う磁気ベクトルの変化に対する検出精度を好適に維持することができるようになる。
(1)温度の上昇に伴う素子感度Sv1、Sv2の低下に起因して減少する上記各増幅信号の変化量Am1、Am2の減少分を演算増幅器OP1、OP2の増幅率の増大によりそれぞれ補償するかたちで、抵抗R1〜R4の温度係数TCR1、TCR2を各々設定することとした。このため、温度の上昇に伴って素子感度Sv1、Sv2が低下するような場合であれ、ロータの回転に伴う磁気ベクトルの変化に対する検出精度を好適に維持することができるようになる。
(2)演算増幅器OP1の増幅率a1の温度係数として、素子感度Sv1の負の温度係数に対して正、且つ、同素子感度Sv1の温度係数の絶対値よりもやや大きい温度係数を割り当てることとした。これにより、演算増幅器OP1の増幅率a1に、温度の上昇に伴う素子感度Sv1の低下を補償するような温度係数を設定することが容易にできるようになる。
(3)抵抗R1、R2の温度係数TCR1、TCR2の関係を、上記式(3)に基づいて決定するようにした。これにより、演算増幅器OP1の増幅率a1に所望の温度係数を設定するために必要とされる抵抗R1およびR2の温度係数TCR1およびTCR2の関係を、容易に決定することができるようになる。
(4)抵抗R2を拡散抵抗から形成する一方、抵抗R1を薄膜抵抗から形成することとしたため、抵抗R1の温度係数を、抵抗R2の温度係数よりも積極的に小さく設定することが容易となる。
(5)各々上記抵抗R1およびR3と、上記抵抗R2およびR4とを、互いに同一の抵抗値を持つ同一の抵抗材料によって形成することとした。このため、演算増幅器OP1およびOP2を通じて差動増幅された信号(ポイントP12の信号)にオフセットが生じることが好適に抑制されるようになる。
(第2の実施の形態)
次に、この発明にかかる磁気検出装置の第2の実施の形態について、図3を参照しつつ説明する。なお、この実施の形態にかかる磁気検出装置も、例えばエンジンのクランク軸、もしくは、カム軸に設けられた被検出運動体である磁性体からなるロータの回転に起因して生ずる磁界の変化を検出することにより同ロータの回転情報、すなわちクランク軸、カム軸の回転情報を得るための回転検出装置として用いられる磁気検出装置を想定している。
(第2の実施の形態)
次に、この発明にかかる磁気検出装置の第2の実施の形態について、図3を参照しつつ説明する。なお、この実施の形態にかかる磁気検出装置も、例えばエンジンのクランク軸、もしくは、カム軸に設けられた被検出運動体である磁性体からなるロータの回転に起因して生ずる磁界の変化を検出することにより同ロータの回転情報、すなわちクランク軸、カム軸の回転情報を得るための回転検出装置として用いられる磁気検出装置を想定している。
すなわち、この磁気検出装置も、同図3にその内部回路を示すように、大きくは、センサ部と、このセンサ部による検出信号を増幅する演算増幅器OP1、OP2と、演算増幅器OP1、OP2による信号を2値化する比較器15とを有して構成されている。ただし、この実施の形態にかかるセンサ部は、磁気検出素子として、磁界強度の変化をホール電圧、すなわち同図3においては端子c−d間の電位の変化として感知するホール素子21を備えている。なお、このホール素子21の端子a−b間には定電圧「+V(例えば5V)」が例えばダイオードDを介して印加されている。そして、このセンサ部による端子c−d間の電位の変化は、上記検出信号として演算増幅器OP1およびOP2に各別に出力され、これら演算増幅器OP1およびOP2を通じて差動増幅されることとなる。また、この実施の形態においても同様、差動増幅された信号(ポイントP22の信号)は比較器15を通じて2値化され、この2値化信号が出力端子T2を介して取り出される。なお、この回路において、
・演算増幅器OP1には、その第1および第2の抵抗素子として抵抗R1およびR2が、また演算増幅器OP2には、同じく第1および第2の抵抗素子として抵抗R3およびR4がそれぞれ接続されている点。
・各々上記抵抗R1およびR3と上記抵抗R2およびR4とが、互いに同一の抵抗値を持つ同一の抵抗材料によって形成される点。
は、先の第1の実施の形態における回路(図1)と同様である。
・演算増幅器OP1には、その第1および第2の抵抗素子として抵抗R1およびR2が、また演算増幅器OP2には、同じく第1および第2の抵抗素子として抵抗R3およびR4がそれぞれ接続されている点。
・各々上記抵抗R1およびR3と上記抵抗R2およびR4とが、互いに同一の抵抗値を持つ同一の抵抗材料によって形成される点。
は、先の第1の実施の形態における回路(図1)と同様である。
ところで、このホール素子を用いた磁気検出装置において、上記演算増幅器OP1またはOP2による各増幅信号の上記磁界強度の変化に伴う変化量(振幅値)Am3、Am4はそれぞれ、
Am3=Sf1×ΔMf1×a1・・・(7)
Am4=Sf2×ΔMf2×a2・・・(8)
ただし、
Sf1:ホール素子の磁界強度の変化量に対する端子cの電位の変化のしやすさ(素子感度)
Sf2:ホール素子の磁界強度の変化量に対する端子dの電位の変化のしやすさ(素子感度)
ΔMf1:ホール素子に付与される磁界の強度の変化量(磁界強度の変化量)
ΔMf2:ホール素子に付与される磁界の強度の変化量(磁界強度の変化量)
といった関係式にて表わされる。ただし、上記式(7)、(8)において、素子感度Sf1、Sf2には温度係数があり、これら素子感度Sf1、Sf2は温度の上昇に伴って低下するようになる。このため、演算増幅器OP1、OP2による各増幅信号の変化量Am3、Am4にはこうした素子感度Sf1、Sf2の温度特性が反映される。一方、通常、上記ホール素子21には例えばフェライト磁石や希土類磁石などのバイアス磁石による磁界が付与される。このため、上記磁界強度の変化量ΔMf1、ΔMf2にも、温度の上昇に伴い減少するような温度係数があり、演算増幅器OP1、OP2による各増幅信号の変化量Am3、Am4には、この磁界強度の温度特性も同様に反映される。なお、この実施の形態にあって、各々上記素子感度Sf1およびSf2の温度特性と、上記磁界の強度の変化量ΔMf1およびΔMf2の温度特性とは同一の特性となっている。
Am3=Sf1×ΔMf1×a1・・・(7)
Am4=Sf2×ΔMf2×a2・・・(8)
ただし、
Sf1:ホール素子の磁界強度の変化量に対する端子cの電位の変化のしやすさ(素子感度)
Sf2:ホール素子の磁界強度の変化量に対する端子dの電位の変化のしやすさ(素子感度)
ΔMf1:ホール素子に付与される磁界の強度の変化量(磁界強度の変化量)
ΔMf2:ホール素子に付与される磁界の強度の変化量(磁界強度の変化量)
といった関係式にて表わされる。ただし、上記式(7)、(8)において、素子感度Sf1、Sf2には温度係数があり、これら素子感度Sf1、Sf2は温度の上昇に伴って低下するようになる。このため、演算増幅器OP1、OP2による各増幅信号の変化量Am3、Am4にはこうした素子感度Sf1、Sf2の温度特性が反映される。一方、通常、上記ホール素子21には例えばフェライト磁石や希土類磁石などのバイアス磁石による磁界が付与される。このため、上記磁界強度の変化量ΔMf1、ΔMf2にも、温度の上昇に伴い減少するような温度係数があり、演算増幅器OP1、OP2による各増幅信号の変化量Am3、Am4には、この磁界強度の温度特性も同様に反映される。なお、この実施の形態にあって、各々上記素子感度Sf1およびSf2の温度特性と、上記磁界の強度の変化量ΔMf1およびΔMf2の温度特性とは同一の特性となっている。
そこで、この実施の形態では、温度の上昇に伴う素子感度Sf1、Sf2の低下と上記磁界強度の変化量ΔMf1およびΔMf2の減少とが補償されるように、抵抗R1〜R4の温度係数、すなわち上記演算増幅器OP1、OP2の増幅率a1、a2の温度係数を各々設定するようにしている。これにより、温度の上昇に伴う素子感度Sf1、Sf2の低下と上記磁界強度の減少とに起因して減少する上記増幅信号の変化量Am3、Am4の減少分が、演算増幅器OP1、OP2の増幅率a1、a2の増大を通じて補償されるようになる。すなわち、温度の上昇に伴って素子感度Sf1、Sf2が低下し、磁界強度が減少するような場合であれ、演算増幅器OP1、OP2による各増幅信号の変化量Am3、Am4は高温領域を含めた広い温度領域にわたって安定するようになり、当該装置としての磁界強度の変化に対する検出精度も好適に維持することができるようになる。なお、この実施の形態にあっても、演算増幅器OP1、OP2の増幅率a1、a2の温度係数は互いに同一の特性に設定されることとなる。
ここで、この実施の形態にかかる演算増幅器OP1の増幅率a1を例にとり、そこに設定される温度係数の求め方の一例について説明する。
ここではまず、素子感度Sf1および磁界強度の変化量ΔMf1の乗算値、すなわち端子cの電位の温度係数を実験等により明らかにする。そして、端子cの電位の温度係数を明らかにした時点で、端子cの電位の負の温度係数に対して正であって且つ、同端子cの電位の温度係数の絶対値よりもやや大きい温度係数を上記演算増幅器OP1の増幅率a1に割り当てる。これにより、温度の上昇に伴う素子感度Sv1の低下と磁界強度の変化量ΔMf1の減少とが補償されるかたちで、上記演算増幅器OP1の増幅率a1に温度係数を設定することができるようになる。
ここではまず、素子感度Sf1および磁界強度の変化量ΔMf1の乗算値、すなわち端子cの電位の温度係数を実験等により明らかにする。そして、端子cの電位の温度係数を明らかにした時点で、端子cの電位の負の温度係数に対して正であって且つ、同端子cの電位の温度係数の絶対値よりもやや大きい温度係数を上記演算増幅器OP1の増幅率a1に割り当てる。これにより、温度の上昇に伴う素子感度Sv1の低下と磁界強度の変化量ΔMf1の減少とが補償されるかたちで、上記演算増幅器OP1の増幅率a1に温度係数を設定することができるようになる。
なお、演算増幅器OP1の増幅率a1に所望の温度係数を実際に設定するために必要とされる抵抗R1およびR2(抵抗R3およびR4)の温度係数TCR1およびTCR2の関係については、先の第1の実施の形態の式(3)に基づいて決定することができる。またこの実施の形態にあっても、抵抗R1およびR3は同一の抵抗値を持つ同種の薄膜抵抗によって形成され、抵抗R2およびR4は同一の抵抗値を持つ同種の拡散抵抗によって形成されている。
以上説明したように、この第2の実施の形態によれば、以下に記載するような優れた効果が得られるようになる。
(1)温度の上昇に伴う素子感度Sf1、Sf2の低下と上記磁界強度の変化量ΔMf1、ΔMf2の減少とに起因して減少する上記増幅信号の変化量Am3、Am4の減少分を演算増幅器OP1、OP2の増幅率の増大により補償するかたちで、抵抗R1〜R4の温度係数を各々設定することとした。このため、温度の上昇に伴って素子感度Sf1、Sf2が低下し、上記磁界強度が減少した場合であれ、スロットルバルブの開閉に伴う磁界強度の変化の検出精度を好適に維持することができるようになる。
(1)温度の上昇に伴う素子感度Sf1、Sf2の低下と上記磁界強度の変化量ΔMf1、ΔMf2の減少とに起因して減少する上記増幅信号の変化量Am3、Am4の減少分を演算増幅器OP1、OP2の増幅率の増大により補償するかたちで、抵抗R1〜R4の温度係数を各々設定することとした。このため、温度の上昇に伴って素子感度Sf1、Sf2が低下し、上記磁界強度が減少した場合であれ、スロットルバルブの開閉に伴う磁界強度の変化の検出精度を好適に維持することができるようになる。
(2)演算増幅器OP1の増幅率a1の温度係数として、素子感度Sf1および磁界強度の変化量ΔMf1の乗算値の負の温度係数に対して正であって且つ、同乗算値の温度係数の絶対値よりもやや大きい温度係数を割り当てることとした。これにより、演算増幅器OP1の増幅率a1に、温度の上昇に伴う素子感度Sv1の低下と磁界強度の変化量ΔMf1の減少とを補償するような温度係数を設定することも容易にできるようになる。
(3)抵抗R1およびR2の温度係数TCR1およびTCR2の関係を、先の第1の実施の形態の式(3)に基づいて決定することとした。これにより、演算増幅器OP1の増幅率a1に所望の温度係数を設定するために必要とされる抵抗R1およびR2の温度係数TCR1およびTCR2の関係を、容易に決定することができるようになる。
(4)抵抗R2を拡散抵抗から形成する一方、抵抗R1を薄膜抵抗から形成することとしたため、抵抗R1の温度係数を、抵抗R2の温度係数に対して積極的に小さく設定することが容易となる。
(5)各々上記抵抗R1およびR3と、上記抵抗R2およびR4とを、互いに同一の抵抗値を持つ同一の抵抗材料によって形成することとした。このため、演算増幅器OP1およびOP2を通じて差動増幅された信号(ポイントP22の信号)にオフセットが生じることが好適に抑制されるようになる。
(他の実施の形態)
なお、上記各実施の形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・上記第1の実施の形態において、抵抗R1(R3)、R2(R4)の温度係数TCR1、TCR2については、温度の上昇に伴う磁界強度の減少に起因して減少する演算増幅器OP1による増幅信号の変化量Am1の減少分をさらに補償するように設定してもよい。すなわち、図4に、磁界強度と、演算増幅器OP1による増幅信号の変化量Am1との特性を示すように、この増幅信号の変化量Am1は、磁気抵抗素子MRE1〜MRE4に付与される磁界の強度が大きくなるにつれて大きくなる。ただし、この増幅信号の変化量Am1は、磁界強度がある大きさを超えて後の領域ではほぼ一定になって飽和するようになる。そして通常は、この飽和磁界領域にて上記磁気ベクトルの変化を検出するため、温度の上昇に伴う磁界強度の減少については、増幅信号の変化量Am1に基づいて磁気ベクトルの変化量を検出する上では無視することができる。しかし、磁気抵抗素子にバイアス磁界を付与するバイアス磁石が例えばフェライト磁石であるような場合には、温度の上昇に伴って磁界強度(磁気ベクトルの大きさ)が大きく減少すると上記飽和磁界領域から外れるようなことも生じかねない。すなわちこのような状態にあっては、演算増幅器OP1による増幅信号の変化量Am1は、温度の上昇に伴う磁界強度の減少にも起因して減少する。そこで、温度の上昇に伴う磁界強度の減少に起因して減少する演算増幅器OP1による増幅信号の変化量Am1の減少分をさらに補償するように抵抗R1、R2の温度係数TCR1、TCR2を各々設定するようにすれば、上記増幅信号の変化量Am1のさらなる安定化を図ることができるようになる。
なお、上記各実施の形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・上記第1の実施の形態において、抵抗R1(R3)、R2(R4)の温度係数TCR1、TCR2については、温度の上昇に伴う磁界強度の減少に起因して減少する演算増幅器OP1による増幅信号の変化量Am1の減少分をさらに補償するように設定してもよい。すなわち、図4に、磁界強度と、演算増幅器OP1による増幅信号の変化量Am1との特性を示すように、この増幅信号の変化量Am1は、磁気抵抗素子MRE1〜MRE4に付与される磁界の強度が大きくなるにつれて大きくなる。ただし、この増幅信号の変化量Am1は、磁界強度がある大きさを超えて後の領域ではほぼ一定になって飽和するようになる。そして通常は、この飽和磁界領域にて上記磁気ベクトルの変化を検出するため、温度の上昇に伴う磁界強度の減少については、増幅信号の変化量Am1に基づいて磁気ベクトルの変化量を検出する上では無視することができる。しかし、磁気抵抗素子にバイアス磁界を付与するバイアス磁石が例えばフェライト磁石であるような場合には、温度の上昇に伴って磁界強度(磁気ベクトルの大きさ)が大きく減少すると上記飽和磁界領域から外れるようなことも生じかねない。すなわちこのような状態にあっては、演算増幅器OP1による増幅信号の変化量Am1は、温度の上昇に伴う磁界強度の減少にも起因して減少する。そこで、温度の上昇に伴う磁界強度の減少に起因して減少する演算増幅器OP1による増幅信号の変化量Am1の減少分をさらに補償するように抵抗R1、R2の温度係数TCR1、TCR2を各々設定するようにすれば、上記増幅信号の変化量Am1のさらなる安定化を図ることができるようになる。
・演算増幅器OP1(演算増幅器OP2)の増幅率a1、a2に設定すべき温度係数の求め方や、抵抗R1およびR2(抵抗R3およびR4)の温度係数TCR1およびTCR2の関係を決定する手法は任意である。例えば、抵抗R1およびR2の温度係数TCR1およびTCR2については、上記式(4)〜(6)に基づいて計算によって決定することもできる。
・抵抗R1〜R4の抵抗材料は任意である。ただし、先の各実施の形態における上記(4)の効果を得る意味では、抵抗R2およびR4を、半導体基板のエピタキシャル層に用いられるような拡散抵抗(例えば、1000〜5000ppm/℃程度)またはポリシリコン抵抗(1800ppm/℃)によって形成する。そして、抵抗R1およびR3についてはこれを、クロムシリコン、ニッケルクロムなどの薄膜抵抗(例えば、50ppm/℃以下)によって形成することがより望ましい。
・差動増幅器を構成するかたちで演算増幅器を2つ備える必要はない。磁気検出装置として要は、センサ部とこのセンサ部による検出信号を増幅する増幅器とを備え、この増幅器の増幅率に温度の上昇とともにその増幅率が増大するような温度係数を設定するようにすれば、少なくともこうした増幅率の増大を通じて磁界の変化の検出精度も自ずと高く維持されるようになる。
・センサ部を構成する磁気検出素子としては、例えば、磁気抵抗素子、巨大磁気抵抗素子、ホール素子など、磁界の変化を検出可能な素子であればよい。
・図1および図3の回路では、ブリッジ回路11またはホール素子21に対してダイオードDを介して定電圧を印加する構成としたが、同ダイオードDに代えて、所定の抵抗を介して定電圧を印加する構成としてもよい。この場合、これら回路における消費電力を低減することができるようになる。また、図1および図3の回路において、ダイオードDを省略することも可能であり、この場合には上記ポイントP12、22の信号の変化量を大きくすることができるようになる。ただし、図1および図3の回路の温度上昇に対する安定化を図る上では、上記ダイオードDを設けるようにすることが実用上より望ましい。
・図1および図3の回路では、ブリッジ回路11またはホール素子21に対してダイオードDを介して定電圧を印加する構成としたが、同ダイオードDに代えて、所定の抵抗を介して定電圧を印加する構成としてもよい。この場合、これら回路における消費電力を低減することができるようになる。また、図1および図3の回路において、ダイオードDを省略することも可能であり、この場合には上記ポイントP12、22の信号の変化量を大きくすることができるようになる。ただし、図1および図3の回路の温度上昇に対する安定化を図る上では、上記ダイオードDを設けるようにすることが実用上より望ましい。
11…ブリッジ回路、21…ホール素子、MRE11〜MRE14…磁気抵抗素子、R1〜R4…抵抗、OP1、OP2…演算増幅器、T2…出力端子、D…ダイオード。
Claims (6)
- 被検出運動体の運動に起因して生ずる磁界の変化を検出する磁気検出素子と、第1の抵抗素子およびこの第1の抵抗素子より抵抗値の大きい第2の抵抗素子の各々の抵抗値比に基づいて決定される増幅率をもって前記磁気検出素子による検出信号を増幅する増幅器とを備え、この増幅器による増幅信号に基づいて前記被検出運動体の運動情報を検出する磁気検出装置において、
前記第1の抵抗素子が、前記第2の抵抗素子よりも温度係数の小さい抵抗材料からなる
ことを特徴とする磁気検出装置。 - 前記磁気検出素子が、前記被検出運動体の運動に起因して生ずる磁気ベクトルの変化を抵抗値の変化として検出する磁気抵抗素子からなり、この抵抗値の変化を前記検出信号として出力するものであり、前記増幅器による増幅信号の前記磁気ベクトルの変化に伴う変化量を、前記磁気抵抗素子の前記磁気ベクトルの変化量に対する抵抗値の変化のしやすさである素子感度および前記磁気抵抗素子に付与される磁気ベクトルの変化量および前記増幅器の増幅率の乗算値として表わすとき、温度の上昇に伴う前記素子感度の低下に起因して減少する前記増幅信号の変化量の減少分を前記増幅器の増幅率の増大により補償するかたちで、前記第1および第2の抵抗素子の温度係数が各々設定されてなる
請求項1に記載の磁気検出装置。 - 温度の上昇に伴う磁界強度の減少に起因して減少する前記増幅信号の変化量の減少分がさらに補償されるかたちで、前記第1および第2の抵抗素子の温度係数が各々設定されてなる
請求項2に記載の磁気検出装置。 - 前記磁気検出素子が、前記被検出運動体の運動に起因して生ずる磁界強度の変化をホール電圧の変化として検出するホール素子からなり、このホール電圧の変化を前記検出信号として出力するものであり、前記増幅器による増幅信号の前記ホール電圧の変化に伴う変化量を、前記ホール素子の前記磁界強度の変化量に対するホール電圧の変化のしやすさである素子感度および前記ホール素子に付与される磁界の強度の変化量および前記増幅器の増幅率の乗算値として表わすとき、温度の上昇に伴う前記素子感度の低下と前記ホール素子に付与される磁界の強度の減少とに起因して減少する前記増幅信号の変化量の減少分を前記増幅器の増幅率の増大により補償するかたちで前記第1および第2の抵抗素子の温度係数が各々設定されてなる
請求項1に記載の磁気検出装置。 - 前記第1の抵抗素子が薄膜抵抗からなり、前記第2の抵抗素子が拡散抵抗からなる
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の磁気検出装置。 - 前記増幅器が差動増幅器を構成するかたちで2つ設けられ、それら増幅器の各々前記第1の抵抗素子および前記第2の抵抗素子が互いに同一の抵抗値および同一の抵抗材料からなる
請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の磁気検出装置。
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