JPH1038611A - 温度特性補償回路及び該温度特性補償回路を用いた磁電変換素子の駆動装置 - Google Patents

温度特性補償回路及び該温度特性補償回路を用いた磁電変換素子の駆動装置

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JPH1038611A
JPH1038611A JP8197709A JP19770996A JPH1038611A JP H1038611 A JPH1038611 A JP H1038611A JP 8197709 A JP8197709 A JP 8197709A JP 19770996 A JP19770996 A JP 19770996A JP H1038611 A JPH1038611 A JP H1038611A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】温度特性補償回路としてより幅広い温度範囲に
おいて且つより高い補償精度、補償能力を有して各種素
子や回路の温度特性を補償する。 【解決手段】分圧回路1によって分圧された基準電圧V
1が入力される演算増幅器Aは帰還増幅回路2を構成す
る。その帰還路には、抵抗R3とダイオードD1との直
列回路からなる帰還電流制御回路3が接続され、また同
帰還路中にはダイオードD2と抵抗R4との直列回路か
らなる出力電圧制御回路4が配設される。ダイオードD
1及びD2の順方向電圧は共に負の温度特性を有する
が、こうした回路構成を採用することにより、R3>R
4なる条件で、帰還増幅回路2の出力V2は逆の正の温
度特性を持つようになる。すなわち同温度特性補償回路
によれば、抵抗R3及びR4の設定により、正負の極性
も含め、演算増幅器Aを通じて出力される信号の温度特
性を任意に変えることができるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、各種素子や回路
の温度特性を電気的に補償する温度特性補償回路、及び
ホール素子等の磁電変換素子に生じる不平衡電圧を該温
度特性補償回路を用いて補正する磁電変換素子の駆動装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば車載用内燃機関のスロットル開度
センサとして、ホール効果に基づき同スロットル開度を
非接触にて検出するセンサが知られている。図10に、
該ホール効果を利用したスロットル開度センサの一例に
ついてその概要を示す。
【0003】すなわち同スロットル開度センサにあって
は、スロットルバルブ(図示せず)の回転軸に連動して
回転するロータ11に対しその回転軸と直交する方向に
着磁された同心円筒状の永久磁石12が設けられ、この
永久磁石12の中空部内に、ロータ11の回転軸に沿っ
た面に平行且つ回転軸を中心に対称に、永久磁石12の
磁界方向を検出するためのホール素子10が配設され
る。
【0004】そして、スロットルバルブの回動に伴い永
久磁石12がホール素子10の周りを同図10に示され
る態様で回転することによりホール素子10の感磁面に
対する磁界方向が変化し、その変化した角度θに対応し
た電気信号すなわちホール電圧VHが、 VH = KH・B・Rd・I・sinθ = VA・sinθ …(1) といったかたちで、同ホール素子10から出力されるよ
うになる。
【0005】ここで、値VAは、値「KH・B・Rd・
I」に対応した定数であり、図11に示されるように、
ロータ11が「−90(=θ)」度から「+90(=
θ)」度まで回転する間に、上記ホール電圧VHは、
「−VA」から「+VA」へと正弦波上を連続的に変化
する。なお、同(1)式において、KHはホール素子1
0の感度であり、Bは磁石12の磁束密度であり、Rd
はホール素子10の内部抵抗であり、Iはホール素子1
0の駆動電流である。
【0006】同スロットル開度センサでは、ホール素子
10からこうした態様で出力されるホール電圧VHを所
要に処理して、上記スロットルバルブの開度に対応した
電気信号を出力する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記ホール
素子からは、原理的に上記(1)式の態様でホール電圧
VHが出力されるとはいえ、実際には、僅かながら、温
度に依存した不平衡電圧(ドリフト)が生じる。
【0008】この不平衡電圧は通常、同(1)式の電圧
に対する平行電圧として現れるものであり、図11に実
線にて示される特性が例えば25℃でのホール電圧出力
特性であるとすると、例えば80℃でのホール電圧出力
特性は、同図11に破線にて示される態様の特性とな
る。すなわち、それら温度差(80℃−25℃)をΔt
とすると、実際のホール電圧VHは、 VH = VA・sinθ+VHO・Δt …(2) といったかたちで出力されることとなる。なおここで、
値VHOは、角度θが0度のときのホール電圧VHであ
る。
【0009】そして通常、こうしたホール電圧VHは信
号処理回路を通じて増幅されて出力されるため、上記不
平衡電圧VHO・Δtも併せて増幅されることとなり、
その温度に依存した出力誤差も無視できないものとな
る。
【0010】すなわち、上記信号処理回路による出力電
圧をVout、同回路による増幅率をG、また同回路に
おいて所望の出力レンジを得るために付与されるオフセ
ット電圧をVoffsetとしたとき、例えば25℃の
ときの出力Vout(25)が Vout(25) = VH×G+Voffset …(3) であり、図12に実線にて示される特性になるとする
と、例えば80℃のときの同出力Vout(80)は、 Vout(80) = VH×G+Voffset+ΔV …(4) ただし、ΔV=VHO・Δt×G=VHO・(80℃−
25℃)×G となり、図12に破線にて示されるように、25℃のと
きの出力特性とは大きく異なったものとなる。
【0011】なお従来、温度に依存するこうした出力変
動を抑制すべく、 (i)ホール素子の駆動回路側には感度調整部を設け、
信号処理回路側には2つの抵抗による温度傾斜設定機能
を有するオフセット調整部を設ける(例えば特開平6−
74975号公報参照)。 (ii)ホール素子の駆動回路側には定電流回路を設
け、信号処理回路側にはその差動増幅段の一部の抵抗を
アンバランスさせた温度補償手段を設ける(例えば特開
昭58−19506号公報参照)。 (iii)ホール素子の駆動回路側には定電流回路を設
け、信号処理回路側には直流オフセットの温度特性が正
負の何れであっても対処可能なように2段のオフセット
設定回路を設ける(例えば特開平3−170073号公
報参照)。 等々の提案もなされてはいる。
【0012】しかし、これらは何れも、上記温度特性の
補償を抵抗のみによって行うものであることから、幅広
い温度範囲には対応することができず、またその補償精
度、補償能力も自ずと低いものとなっている。
【0013】この発明は、こうした実情に鑑みてなされ
たものであり、より幅広い温度範囲において且つ、より
高い補償精度、補償能力を有して各種素子や回路の温度
特性を補償することのできる温度特性補償回路を提供す
ることを目的とする。
【0014】またこの発明は、上記ホール素子などの磁
電変換素子を利用して磁界の強さに対応した電気信号を
得るにあたり、その温度に依存する出力変動をより的確
に抑制することのできる磁電変換素子の駆動装置を提供
することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】こうした目的を達成する
ため、この発明では、請求項1に記載のように、 (a)温度に応じて降下電圧が変化する第1の電圧降下
素子とこれに直列接続される第1の抵抗とを有して第1
の温度特性を有する信号を生成する第1の信号生成回
路。 (b)同じく温度に応じて降下電圧が変化する第2の電
圧降下素子とこれに直列接続される第2の抵抗とを有し
て第2の温度特性を有する信号を生成する第2の信号生
成回路。 (c)これら生成される第1及び第2の温度特性を有す
る信号に基づき所定の演算を実行して所望の温度特性を
有する信号を生成する演算回路。 をそれぞれ具えて温度特性補償回路を構成する。
【0016】ここで、上記第1及び第2の信号生成回路
によれば、各々ダイオード等の電圧降下素子と抵抗との
直列回路を通じて、それぞれ温度特性としては同一なが
ら、相当に広い範囲で上記第1或いは第2の温度特性を
有する信号を生成することができるようになる。
【0017】このため、これら生成される第1及び第2
の温度特性を有する信号に基づき、上記演算回路を通じ
て例えば帰還増幅演算や四則演算等の所定の演算を実行
する温度特性補償回路としてのこのような構成によれ
ば、如何なる温度条件であろうとも、正負任意の温度特
性を有する信号を高精度に生成することができるように
なる。すなわち同温度特性補償回路によれば、より幅広
い温度範囲において且つより高い補償精度、補償能力を
有して各種素子や回路の温度特性を補償することができ
るようになる。
【0018】なお、温度特性補償回路としてのこうした
構成において、更に請求項2記載の発明によるように、 ・前記第1及び第2の抵抗の少なくとも一方が可変抵抗
からなる。 といった構成によれば、上記所望の温度特性を有する信
号の生成がより柔軟に行われることとなってその自由度
が増すとともに、該所望の温度特性を実現する上での微
調整等も容易となる。
【0019】また、請求項3記載の発明によるように、 ・前記可変抵抗がトリミング抵抗である。 といった構成によれば、例えば同温度特性補償回路の主
要な部分をモノシリックICとして半導体チップ化する
場合であっても、上記請求項2記載の発明に準じた温度
特性の微調整が可能になる。
【0020】また、これら温度特性補償回路としてより
具体的には、例えば請求項4記載の発明によるように、 (c1)前記演算回路は、基準電圧を帰還増幅する帰還
増幅回路である。 (a1)前記第1の信号生成回路は、前記第1の電圧降
下素子とこれに直列接続される第1の抵抗とが前記帰還
増幅回路の帰還路に接続されて同帰還路を流れる電流を
制御する帰還電流制御回路である。 (b1)前記第2の信号生成回路は、前記第2の電圧降
下素子とこれに直列接続される第2の抵抗とが前記帰還
増幅回路の帰還路中に配設されて同帰還増幅回路の出力
電圧を制御する出力電圧制御回路である。 といった構成が有効である。
【0021】因みに、ダイオード等の電圧降下素子を有
する上記第1及び第2の信号生成回路からは通常、負の
温度特性を有する信号が生成されることとなる。このた
め、上記出力電圧制御回路がその帰還路中に配設される
帰還増幅回路にあっては、その出力として、上記基準電
圧が該出力電圧制御回路による電圧制御を通じて所要レ
ベルに安定化された信号が生成されるようになるが、該
生成される信号も通常、負の温度特性を持つようにな
る。
【0022】しかし、同請求項4記載の発明の上記構成
によるように、帰還電流制御回路をこの帰還増幅回路の
帰還路に更に接続するようにすれば、それら帰還電流制
御回路及び出力電圧制御回路による電流、電圧制御量を
通じて、正負の極性も含めてこの帰還増幅回路の出力と
して生成される信号の温度特性を任意に変えることがで
きるようになる。例えば、上記第1の抵抗と上記第2の
抵抗とを 第1の抵抗の抵抗値 > 第2の抵抗の抵抗値 なる関係に設定すれば、上記帰還増幅回路の出力に正の
温度特性を持たせることができるようになる。
【0023】また、同温度特性補償回路としては、請求
項5記載の発明によるように、 (c2)前記演算回路は、前記第1の温度特性を有する
信号から前記第2の温度特性を有する信号を減算する減
算回路である。 といった構成も有効である。
【0024】この場合も、ダイオード等の電圧降下素子
を有する上記第1及び第2の信号生成回路からは通常、
負の温度特性を有する信号が生成されることとなるが、
上記減算回路を有する同温度特性補償回路によれば、そ
れら第1及び第2の温度特性を有する信号の大小関係を
通じて、正負の極性も含め、その減算出力される信号の
温度特性を任意に変えることができるようになる。
【0025】なおこの場合、上記第1及び第2の信号生
成回路の構成、或いは上記第1及び第2の温度特性を有
する信号の極性によっては、加算回路や乗算回路、更に
は除算回路等、他の四則演算回路によって同演算回路を
構成することもできる。
【0026】一方、この発明では、請求項6に記載のよ
うに、 (A)磁界の強さに対応した電気信号を出力する磁電変
換素子に駆動信号を供給する駆動回路。 (B)この駆動信号の供給に基づき磁電変換素子から出
力される電気信号を所要に増幅する増幅回路。 (C)この増幅される磁電変換素子の出力信号に所定の
オフセット電圧を付与するとともに、その際、(a)温
度に応じて降下電圧が変化する第1の電圧降下素子とこ
れに直列接続される第1の抵抗とを有して第1の温度特
性を有する信号を生成する第1の信号生成回路と、
(b)同じく温度に応じて降下電圧が変化する第2の電
圧降下素子とこれに直列接続される第2の抵抗とを有し
て第2の温度特性を有する信号を生成する第2の信号生
成回路と、(c)これら生成される第1及び第2の温度
特性を有する信号に基づき所定の演算を実行して所望の
温度特性を有する信号を生成する演算回路とを具える温
度特性補償回路を有して、前記付与する所定のオフセッ
ト電圧を該生成される所望の温度特性を有する信号によ
り補正するオフセット回路。をそれぞれ具えて、或いは
請求項7に記載のように、 (A)磁界の強さに対応した電気信号を出力する磁電変
換素子に駆動信号を供給する駆動回路。 (B)この駆動信号の供給に基づき磁電変換素子から出
力される電気信号を所要に増幅する増幅回路。 (C’)この増幅される磁電変換素子の出力信号に所定
のオフセット電圧を付与するオフセット回路。 (D)(a)温度に応じて降下電圧が変化する第1の電
圧降下素子とこれに直列接続される第1の抵抗とを有し
て第1の温度特性を有する信号を生成する第1の信号生
成回路と、(b)同じく温度に応じて降下電圧が変化す
る第2の電圧降下素子とこれに直列接続される第2の抵
抗とを有して第2の温度特性を有する信号を生成する第
2の信号生成回路と、(c)これら生成される第1及び
第2の温度特性を有する信号に基づき所定の演算を実行
して所望の温度特性を有する信号を生成する演算回路と
を具える温度特性補償回路を有し、前記増幅された磁電
変換素子の出力信号を該生成される所望の温度特性を有
する信号により補正する出力補正回路。 をそれぞれ具えて磁電変換素子の駆動装置を構成する。
【0027】このようにオフセット回路としてであれ、
或いは出力補正回路としてであれ、磁電変換素子から出
力される電気信号を処理する回路側に上記温度特性補償
回路を設けることにより、例えば先の図12に一点鎖線
で付記するような「−ΔV」といった温度特性をその出
力電圧(Vout)に持たせることができるようにな
る。
【0028】しかも、この温度特性補償回路は上述のよ
うに、より幅広い温度範囲において且つより高い補償精
度、補償能力を有して各種素子や回路の温度特性を補償
することのできる回路であることから、こうした出力電
圧(Vout)の温度に依存した変動についてもこれを
より的確に抑制することができるようになる。
【0029】そしてこの場合には、同信号処理回路を構
成する増幅器等の温度誤差も併せて補正することができ
るようにもなる。この意味においては、温度特性補償回
路をより後段に具える上記請求項7記載の発明の構成が
より有利となる。
【0030】また更に、こうした磁電変換素子の駆動装
置において、請求項8記載の発明によるように、 (A1)前記駆動回路も、前記磁電変換素子の温度特性
を補償する温度特性補償回路を具えて構成される。とい
った構成によれば、磁電変換素子の温度に依存する感度
特性についてもこれを該駆動回路を通じて予め補償して
おくことができ、同磁電変換素子の駆動装置としての温
度補償精度、温度補償能力を更に高めることができるよ
うになる。
【0031】そして、請求項9記載の発明によるよう
に、 (A11)前記駆動回路の温度特性補償回路も、(a)
温度に応じて降下電圧が変化する第1の電圧降下素子と
これに直列接続される第1の抵抗とを有して第1の温度
特性を有する信号を生成する第1の信号生成回路と、
(b)同じく温度に応じて降下電圧が変化する第2の電
圧降下素子とこれに直列接続される第2の抵抗とを有し
て第2の温度特性を有する信号を生成する第2の信号生
成回路と、(c)これら生成される第1及び第2の温度
特性を有する信号に基づき所定の演算を実行して所望の
温度特性を有する信号を生成する演算回路とを具える。
といった構成によれば、上記磁電変換素子の温度に依存
する感度補償も上述したより幅広い温度範囲において且
つより高い補償精度、補償能力を有して各種素子や回路
の温度特性を補償することのできる温度特性補償回路を
通じてなされることとなり、より的確な感度補償が実現
されるようになる。
【0032】また、これら磁電変換素子の駆動装置にお
いて、請求項10記載の発明によるように、 ・前記磁電変換素子は、被検出部材の操作角度に応じて
磁束方向が変化する磁界中に置かれるものであり、前記
増幅回路は、この磁電変換素子から出力される前記被検
出部材の角度情報を増幅出力するものである。といった
構成によれば、前述したスロットル開度センサ等の角度
センサとして、温度に依存しない極めて精度の高い角度
検出信号を生成出力することができるようになる。
【0033】そして、これら磁電変換素子の駆動装置に
あっても、請求項11記載の発明によるように、 ・前記温度特性補償回路における前記第1及び第2の抵
抗の少なくとも一方が可変抵抗からなる。といった構成
よれば、上記請求項2記載の発明に準じて、その温度補
償に関する自由度が増すこととなり、ひいては所望の温
度特性を実現する上での微調整等も容易となり、また、
請求項12記載の発明によるように、 ・前記可変抵抗がトリミング抵抗である。といった構成
によれば、上記請求項3記載の発明に準じて、例えば同
駆動装置の主要な部分をモノシリックICとして半導体
チップ化する場合であっても、こうした温度特性の微調
整が可能になる。
【0034】また、これら磁電変換素子の駆動装置に適
用される温度特性補償回路としても具体的には、例えば
請求項13記載の発明によるように、 ・(c1)前記演算回路は、基準電圧を帰還増幅する帰
還増幅回路であり、(a1)前記第1の信号生成回路
は、前記第1の電圧降下素子とこれに直列接続される第
1の抵抗とが前記帰還増幅回路の帰還路に接続されて同
帰還路を流れる電流を制御する帰還電流制御回路であ
り、(b2)前記第2の信号生成回路は、前記第2の電
圧降下素子とこれに直列接続される第2の抵抗とが前記
帰還増幅回路の帰還路中に配設されて同帰還増幅回路の
出力電圧を制御する出力電圧制御回路である。といった
構成、或いは請求項14記載の発明によるように、 ・(c2)前記演算回路は、前記第1の温度特性を有す
る信号から前記第2の温度特性を有する信号を減算する
減算回路である。といった構成が、それぞれ上記請求項
4記載の発明、或いは請求項5記載の発明に準じて、正
負の極性も含め、その演算出力する信号の温度特性を任
意に変えることのできる構成として有効である。
【0035】
【発明の実施の形態】はじめに図1を参照して、この発
明にかかる温度特性補償回路の温度特性補償原理につい
て説明する。
【0036】図1に例示する温度特性補償回路におい
て、抵抗R1及び抵抗R2の直列回路からなる分圧回路
1は、電源電圧Vccを所要に分圧して基準電圧V1を
生成する回路である。この生成された基準電圧V1は、
演算増幅器Aの非反転入力端子(+端子)に与えられ
る。
【0037】この基準電圧V1が与えられる演算増幅器
Aは同温度特性補償回路において、温度特性補償電圧V
2を出力する帰還増幅回路2を構成する。帰還増幅回路
2は、その出力端子と反転入力端子(−端子)とを結ぶ
帰還路に対し、抵抗R3とダイオードD1との直列回路
からなる帰還電流制御回路3が図示の如く接続されると
ともに、同帰還路中には、ダイオードD2と抵抗R4と
の直列回路からなる出力電圧制御回路4を具える構成と
なっている。
【0038】さて、こうした構成を有する温度特性補償
回路において、これら帰還電流制御回路3及び出力電圧
制御回路4に各々配設されるダイオードD1及びD2の
順方向電圧(端子間電圧)をそれぞれVF1及びVF
2、また電源電圧をVccとすると、これら帰還電流制
御回路3及び出力電圧制御回路4を流れる電流I1及び
I2は、それぞれ I1 = (Vcc−V1−VF1)/R3 …(5) I2 = I1+IA …(6) となる。
【0039】ここで、該(6)式におけるIAは、帰還
増幅回路2(演算増幅器A)のオフセット電流であり、
通常同電流は、数十n(ナノ)〜数百nアンペア程度の
電流となる。したがって、上記電流I1を10μアンペ
ア以上に設定することができれば、電流I2の値は、実
質的に I2 = I1 …(6)’ と考えることができるようになる。すなわち、以下に説
明する温度特性補償精度が、このオフセット電流IAの
ばらつき等に起因して悪化するようなことはなくなる。
【0040】他方、同温度特性補償回路の上記構成によ
れば、帰還増幅回路2の出力である上記温度特性補償電
圧V2は、 V2 = V1(1+R4/R3) −Vcc(R4/R3) +VF1(R4/R3) −VF2 …(7) となる。
【0041】ここで、分圧回路1の出力である基準電圧
V1は、 V1 = (R2/(R1+R2))Vcc …(8) であり、また、ダイオードD1及びD2の順方向電圧V
F1及びVF2は、それぞれ VF1 = VF1(25){1−K1(T−25)} …(9) VF2 = VF2(25){1−K2(T−25)} …(10) ただし、 VF1(25)、VF2(25):温度25℃時の順方向電圧 K1、K2 :温度係数 T :温度 として表される負の温度特性を持っている。
【0042】そこで、これら(8)式〜(10)式を
(7)式に代入して整理すると、 V2 = Vcc{(R2/(R1+R2))×(1+R4/R3) −R4/R3} +VF1(25){1−K1(T−25)}(R4/R3) −VF2(25){1−K2(T−25)} …(11) となる。
【0043】またここで、上記ダイオードD1及びD2
が同回路中に近接して設けられるとすると、上記順方向
電圧VF1(25)及びVF2(25)はVF(25)として、また
上記温度係数K1及びK2はKとして、それぞれ同一の
値にて表すことができるようになる。このため、上記
(11)式も、結局は V2 = Vcc{(R2/(R1+R2))×(1+R4/R3) −(R4/R3)} +VF(25){1−K(T−25)}(R4/R3−1) …(12) として表されるようになる。
【0044】ところで、上記ダイオードD1及びD2の
順方向電圧VF1及びVF2が負の温度特性を有してい
ることは上述した通りであるが、同温度特性補償回路に
よれば、上記温度特性補償電圧V2に正の温度特性を持
たせることもできる。
【0045】すなわち、上記帰還電流制御回路3及び出
力電圧制御回路4を構成するダイオードD1及びD2が
負の温度特性を有しているとはいえ、上記(7)式によ
るように、それらダイオードによる電圧降下分(右辺の
第3項及び第4項)は互いに逆極性となっていることか
ら、上記抵抗R3及びR4を R3 > R4 …(13) といった関係に設定することで、上記(12)式の項 VF(25){1−K(T−25)} にかかる「(R4/R3−1)」の部分が負の値にな
り、同項の温度係数−Kは正の値をとるようになる。
【0046】このように、同図1に例示した温度特性補
償回路によれば、抵抗R3及びR4の設定により、正負
の極性も含め、演算増幅器Aを通じて出力される信号の
温度特性を任意に変えることができるようになる。
【0047】また、同温度特性補償回路によれば、上記
ダイオードと抵抗との直列回路からなる帰還電流制御回
路3及び出力電圧制御回路4を通じて相当に広い範囲で
上記負の温度特性を有する信号を生成することができる
ため、より幅広い温度範囲において且つより高い補償精
度、補償能力を有して、各種素子や回路の温度特性を補
償することができるようにもなる。
【0048】なお、同温度特性補償回路は、この図1に
例示した構成に限られるものではなく、基本的には、 (a)温度に応じて降下電圧が変化する第1の電圧降下
素子とこれに直列接続される第1の抵抗とを有して第1
の温度特性を有する信号を生成する第1の信号生成回
路。 (b)同じく温度に応じて降下電圧が変化する第2の電
圧降下素子とこれに直列接続される第2の抵抗とを有し
て第2の温度特性を有する信号を生成する第2の信号生
成回路。 (c)これら生成される第1及び第2の温度特性を有す
る信号に基づき所定の演算を実行して所望の温度特性を
有する信号を生成する演算回路。を具えるものであれば
よい。
【0049】すなわち、上記演算回路として例えば上記
第1の温度特性を有する信号から上記第2の温度特性を
有する信号を減算する減算回路を採用する場合であって
も、それら第1及び第2の温度特性を有する信号の大小
関係を通じて、上述と同様、正負の極性も含めて、その
演算出力される信号の温度特性を任意に変えることがで
きるようになる。もっとも、上記第1及び第2の信号生
成回路の構成、或いは上記第1及び第2の温度特性を有
する信号の極性によっては、加算回路や乗算回路、更に
は除算回路等、他の四則演算回路によって同演算回路を
構成することもできる。
【0050】(第1実施形態)図2に、こうした原理に
基づき構成したこの発明にかかる磁電変換素子の駆動装
置についてその第1の実施形態を示す。
【0051】この実施形態の駆動装置は、例えば前述し
たスロットル開度センサ(図10)等の角度センサにあ
って、ホール素子から先の(2)式に示される態様で出
力されるホール電圧VHを処理する際、前記付与するオ
フセット電圧を通じてその温度に依存する出力変動を抑
制する装置として構成されている。
【0052】はじめに、図2を参照して、同駆動装置の
構成について説明する。図2に示されるように、この駆
動装置は、ホール素子10に駆動信号を供給する駆動回
路20と、この駆動信号の供給によってホール素子10
から出力されるホール電圧VHを処理する処理回路30
とを有して構成されている。
【0053】ここで、駆動回路20は、その駆動信号と
して例えば定電流制御された信号をホール素子10の端
子a−b間に供給する回路である。このときホール素子
10の端子c−d間からは通常、先の(2)式に示され
る態様で不平衡電圧が含まれるホール電圧VHが出力さ
れるようになる。
【0054】一方、処理回路30は、該出力されるホー
ル電圧VHを増幅するなどしてこれを所要に処理する回
路であり、具体的には、同図2に併せ示される以下の回
路を有する構成となっている。
【0055】まず、上記ホール電圧VHがそれぞれ非反
転入力端子に入力される演算増幅器A31及びA32と
抵抗R31〜R33とを有して構成されるバッファ回路
31は、同ホール電圧VHを高入力インピーダンス受入
してこれを安定化するための回路である。
【0056】このバッファ回路31の出力は、抵抗R3
4及びR35と演算増幅器A33、並びにその帰還抵抗
R37と入力抵抗R36とを有して構成される差動増幅
回路33に入力される。そして、この差動増幅された信
号が、同角度センサのセンサ出力Voutとして端子T
3から出力されるようになる。なお、コンデンサC1及
びC2は、端子T1及びT3に生じるノイズ、サージ等
を除去するためのコンデンサである。
【0057】また同処理回路30において、オフセット
回路32は、当該角度センサとしての所望の出力レンジ
を得るために、上記差動増幅されるバッファ回路31の
出力(ホール電圧VH)に対し先の図12に示される態
様でオフセット電圧Voffsetを付与する回路であ
る。
【0058】ただしこのとき、周囲の温度条件によって
は、先の(4)式に示されるような温度に依存した電圧
変動ΔVが生じ、同図12に破線にて示されるような大
きく異なったセンサ出力(出力電圧)Voutが得られ
るようになる。
【0059】そこで、同実施形態の駆動装置にあって
は、このオフセット回路32として、図3に示すオフセ
ット回路32aを採用することにより、該温度に依存し
た電圧変動ΔVを除去するようにしている。
【0060】以下、この図3を併せ参照して、同第1の
実施形態の駆動装置による温度特性補償構造について詳
述する。同図3に示されるように、このオフセット回路
32aは、先の図1に例示した温度特性補償回路321
と、抵抗R321及びR322の分圧回路によって構成
されるオフセット電圧生成回路322、そして抵抗R3
23〜R326及び演算増幅器A321によって構成さ
れる加算回路323を有して構成されている。
【0061】ここで、加算回路323は、上記オフセッ
ト電圧生成回路322を通じて生成されるオフセット電
圧V3に上記温度特性補償回路321を通じて生成され
る温度特性補償電圧V2を加算する回路である。
【0062】したがってこの場合、 (1)オフセット電圧生成回路322では、そのオフセ
ット電圧V3として、該角度センサとしての所望の出力
レンジを得るための先の図12に示されるようなオフセ
ット電圧Voffsetを生成する。 (2)一方の温度特性補償回路321では、その温度特
性補償電圧V2として、同図12に一点鎖線にて付記す
るような負の温度特性を有する電圧「−ΔV」を生成す
る。 といった条件にてそれぞれ上記オフセット電圧V3並び
に上記温度特性補償電圧V2を生成することで、同オフ
セット回路32aからは、そのオフセット電圧Voff
set(=V3+V2)として、上記温度に依存した電
圧変動ΔVを相殺しうる電圧が生成出力されるようにな
る。
【0063】そしてこのため、同オフセット電圧Vof
fsetを基準電圧としてバッファ回路31の出力(ホ
ール電圧VH)を差動増幅する上記差動増幅回路33か
らも、その出力Voutとして、温度に依存しない高精
度の角度情報が出力されるようになる。
【0064】なお上記温度特性補償回路321が、その
抵抗R3及びR4の設定を通じて、正負の極性も含め、
その温度特性補償電圧V2に任意の温度特性を持たせる
ことのできる回路であることは、先の原理の説明におい
て既述した通りである。
【0065】以上説明したように、同第1の実施形態に
かかる磁電変換素子の駆動装置によれば、 (イ)先の(4)式に現れるような温度に依存した電圧
変動ΔVを的確に抑制して、より精度の高い角度情報を
出力することができる。 (ロ)バッファ回路31の後段のオフセット回路32に
おいて温度特性の補償に基づく上記電圧補正を行うもの
であることから、同バッファ回路31を構成する演算増
幅器A31及びA32の温度誤差も併せて除去すること
ができる。 等々、優れた効果が奏せられるようになる。
【0066】(第2実施形態)図4に、同原理に基づき
構成したこの発明にかかる磁電変換素子の駆動装置の第
2の実施形態を示す。
【0067】この第2の実施形態の駆動装置も、例えば
スロットル開度センサ(図10)等の角度センサにあっ
て、ホール素子から先の(2)式に示される態様で出力
されるホール電圧VHを処理する際、前記付与するオフ
セット電圧を通じてその温度に依存する出力変動を抑制
する装置として構成されている。
【0068】また、同実施形態の駆動装置にあっても、
その駆動装置としての基本構成は図2に例示した第1の
実施形態の駆動装置と同様であり、そのオフセット回路
32として、同図4に示されるオフセット回路32bを
採用していることのみが先の第1の実施形態にかかる駆
動装置と相違する。
【0069】以下、この図4を参照して、同第2の実施
形態の駆動装置による温度特性補償構造について詳述す
る。同図4に示されるように、このオフセット回路32
bは、先の図1に例示した温度特性補償回路321と、
抵抗R321及びR322の分圧回路によって構成され
るオフセット電圧生成回路322、そして抵抗R32
7、R328及び演算増幅器A322によって構成され
る減算回路324を有して構成されている。
【0070】ここで、減算回路324は、上記オフセッ
ト電圧生成回路322を通じて生成されるオフセット電
圧V3から上記温度特性補償回路321を通じて生成さ
れる温度特性補償電圧V2を減算する回路である。
【0071】したがってこの場合には、 (1)オフセット電圧生成回路322では、そのオフセ
ット電圧V3として、該角度センサとしての所望の出力
レンジを得るための先の図12に示されるようなオフセ
ット電圧Voffsetを生成する。 (2)一方の温度特性補償回路321では、その温度特
性補償電圧V2として、同図12に破線にて付記するよ
うな正の温度特性を有する電圧「ΔV」を生成する。 といった条件にてそれぞれ上記オフセット電圧V3並び
に上記温度特性補償電圧V2を生成することで、同オフ
セット回路32bからは、そのオフセット電圧Voff
set(=V3−V2)として、前記温度に依存した電
圧変動ΔVを相殺しうる電圧が生成出力されるようにな
る。
【0072】そしてこのため、同オフセット電圧Vof
fsetを基準電圧としてバッファ回路31の出力(ホ
ール電圧VH)を差動増幅する前記差動増幅回路33
(図2)からも、その出力Voutとして、温度に依存
しない高精度の角度情報が出力されるようになる。
【0073】このように、同第2の実施形態にかかる磁
電変換素子の駆動装置によっても、先の第1の実施形態
にかかる駆動装置と同様、 (イ)先の(4)式に現れるような温度に依存した電圧
変動ΔVを的確に抑制して、より精度の高い角度情報を
出力することができる。 (ロ)バッファ回路31の後段のオフセット回路32に
おいて温度特性の補償に基づく上記電圧補正を行うもの
であることから、同バッファ回路31を構成する演算増
幅器A31及びA32の温度誤差も併せて除去すること
ができる。 等々の優れた効果が奏せられるようになる。
【0074】(第3実施形態)図5に、これも上述の原
理に基づき構成したこの発明にかかる磁電変換素子の駆
動装置の第3の実施形態を示す。
【0075】この第3の実施形態の駆動装置も、上記第
1及び第2の実施形態の駆動装置と同様、例えばスロッ
トル開度センサ(図10)等の角度センサにあって、ホ
ール素子から先の(2)式に示される態様で出力される
ホール電圧VHを処理する際、前記付与するオフセット
電圧を通じてその温度に依存する出力変動を抑制する装
置として構成されている。
【0076】また、同実施形態の駆動装置にあっても、
その駆動装置としての基本構成は図2に例示した第1の
実施形態の駆動装置と同様であり、そのオフセット回路
32として、同図5に示されるオフセット回路32cを
採用していることのみが先の第1或いは第2の実施形態
にかかる駆動装置と相違する。
【0077】以下、この図5を参照して、同第3の実施
形態の駆動装置による温度特性補償構造について詳述す
る。同図5に示されるように、このオフセット回路32
cにあって、温度特性補償回路321’は、ダイオード
D3及び抵抗R5の直列回路と抵抗6との分圧回路から
なって負の第1の温度特性を有する電圧V4を生成する
第1の信号生成回路、同じくダイオードD4及び抵抗R
7の直列回路と抵抗8との分圧回路からなって負の第2
の温度特性を有する電圧V5を生成する第2の信号生成
回路、そして抵抗R9〜R11と共にこれら電圧V4か
ら電圧V5を減算する減算回路を構成する演算増幅器A
324とによって構成されている。
【0078】先の原理の説明でも触れたように、こうし
た構成にあっても、上記第1の温度特性を有する電圧V
4から上記第2の温度特性を有する電圧V5を減算する
ことで、それら電圧V4及びV5の大小関係を通じて、
先の図1に例示した温度特性補償回路(温度特性補償回
路321)と同様、正負の極性も含めて、その演算出力
される電圧(V4−V5)の温度特性を任意に変えるこ
とはできる。
【0079】一方、同オフセット回路32cにあって、
抵抗R321及びR322の分圧回路によって構成され
るオフセット電圧生成回路322は、これまでの実施形
態と同様、オフセット電圧V3を生成する回路であり、
電流の逆流阻止用のバッファ回路を構成する演算増幅器
A323も含めて上記演算増幅器A324は、加減算回
路325をも併せて構成する。
【0080】すなわち、同オフセット回路32cにあっ
ては、そのオフセット電圧Voffsetとして、「V
3+V4−V5」といった電圧が上記加減算回路325
を通じて生成出力されるようになる。
【0081】したがってこの場合、 (1)オフセット電圧生成回路322では、そのオフセ
ット電圧V3として、該角度センサとしての所望の出力
レンジを得るための先の図12に示されるようなオフセ
ット電圧Voffsetを生成する。 (2)一方の温度特性補償回路321’では、その温度
特性補償電圧「V4−V5」として、同図12に一点鎖
線にて付記するような負の温度特性を有する電圧「−Δ
V」を生成する。 といった条件にてそれぞれ上記オフセット電圧V3並び
に上記温度特性補償電圧「V4−V5」を生成すること
で、同オフセット回路32cからは、そのオフセット電
圧Voffset(=V3+V4−V5)として、この
場合も前記温度に依存した電圧変動ΔVを相殺しうる電
圧が生成出力されるようになる。
【0082】そしてこのため、同オフセット電圧Vof
fsetを基準電圧としてバッファ回路31の出力(ホ
ール電圧VH)を差動増幅する前記差動増幅回路33
(図2)からも、その出力Voutとして、温度に依存
しない高精度の角度情報が出力されるようになる。
【0083】なお、上記温度特性補償回路321’にあ
って、上記第1及び第2の信号生成回路の構成、或いは
上記第1及び第2の温度特性を有する電圧V4、V5の
極性によっては、上記減算回路に代え、加算回路や乗算
回路、更には除算回路等の演算回路も適宜採用すること
ができることは前述した。
【0084】このように、同第3の実施形態にかかる磁
電変換素子の駆動装置によっても、先の第1或いは第2
の実施形態にかかる駆動装置と同様、 (イ)先の(4)式に現れるような温度に依存した電圧
変動ΔVを的確に抑制して、より精度の高い角度情報を
出力することができる。 (ロ)バッファ回路31の後段のオフセット回路32に
おいて温度特性の補償に基づく上記電圧補正を行うもの
であることから、同バッファ回路31を構成する演算増
幅器A31及びA32の温度誤差も併せて除去すること
ができる。 等々の優れた効果が奏せられるようになる。
【0085】なお、この第3の実施形態にあって、上記
オフセット回路32cにおける電流逆流阻止用バッファ
回路(演算増幅器A323)は、先の第1の実施形態の
オフセット回路32aに用いられている抵抗R324に
代えることもできる。また逆に、先の第1の実施形態の
オフセット回路32aに用いられている抵抗R324を
このバッファ回路(演算増幅器A323)に代えること
もできる。回路規模の縮小を図る意味では抵抗が有利で
あるが、電流の逆流阻止機能を確実ならしめる意味では
このバッファ回路が有利となる。
【0086】(第4実施形態)図6に、同じく上述の原
理に基づき構成したこの発明にかかる磁電変換素子の駆
動装置の第4の実施形態を示す。
【0087】この実施形態の駆動装置は、例えばスロッ
トル開度センサ(図10)等の角度センサにあって、ホ
ール素子から先の(2)式に示される態様で出力される
ホール電圧VHを処理する際、前記オフセット電圧では
なく、差動増幅出力を通じてその温度に依存する出力変
動を抑制する装置として構成されている。
【0088】図2に示した第1の実施形態にかかる駆動
装置の構成と一部重複するも、はじめに、図6を参照し
て、同第4の実施形態にかかる駆動装置の構成について
説明する。
【0089】図6に示されるように、この駆動装置は、
ホール素子10に駆動信号を供給する駆動回路20と、
この駆動信号の供給によってホール素子10から出力さ
れるホール電圧VHを処理する処理回路30、そしてそ
の処理された出力電圧を更に補正する出力補正回路40
を有して構成されている。
【0090】ここで、駆動回路20は、その駆動信号と
して例えば定電流制御された信号をホール素子10の端
子a−b間に供給する回路であり、このときホール素子
10の端子c−d間からは通常、先の(2)式に示され
る態様で不平衡電圧が含まれるホール電圧VHが出力さ
れるようになることは前述した通りである。
【0091】一方、処理回路30は、該出力されるホー
ル電圧VHを増幅するなどしてこれを所要に処理する回
路であり、具体的には、同図6に併せ示される以下の回
路を有する構成となっている。
【0092】まず、上記ホール電圧VHがそれぞれ非反
転入力端子に入力される演算増幅器A31及びA32と
抵抗R31〜R33とを有して構成されるバッファ回路
31は、同ホール電圧VHを高入力インピーダンス受入
してこれを安定化するための回路である。
【0093】このバッファ回路31の出力は、抵抗R3
4及びR35と演算増幅器A33、並びにその帰還抵抗
R37と入力抵抗R36とを有して構成される差動増幅
回路33に入力される。そして、この差動増幅された信
号が、同角度センサのセンサ出力Voutとして端子T
3から一旦出力され、後に詳述する出力補正回路40に
入力されるようになる。なおここでも、コンデンサC1
及びC2は、端子T1及びT3に生じるノイズ、サージ
等を除去するためのコンデンサである。
【0094】また同処理回路30において、オフセット
回路32は、当該角度センサとしての所望の出力レンジ
を得るために、上記差動増幅されるバッファ回路31の
出力(ホール電圧VH)に対し先の図12に示される態
様でオフセット電圧Voffsetを付与する回路であ
る。ここでは、抵抗R321及びR322の分圧回路か
らなるオフセット電圧生成部と、電流の逆流阻止用のバ
ッファ回路を構成する演算増幅器A34とを具える構成
となっている。
【0095】ところで前述のように、上記ホール電圧V
Hに先の(2)式に示される態様で不平衡電圧が含まれ
る場合、上記差動増幅されたセンサ出力Voutには、
先の(4)式に示されるような温度に依存した電圧変動
ΔVが生じ、ひいては同出力Voutとして、先の図1
2に破線にて示されるような大きく異なった値が得られ
るようになる。
【0096】そこで、同実施形態の駆動装置にあって
は、上記出力補正回路40として図7に例示する回路を
採用することにより、該温度に依存した電圧変動ΔVを
除去するようにしている。
【0097】以下、この図7を併せ参照して、同第4の
実施形態の駆動装置による温度特性補償構造について詳
述する。同図7に示されるように、この出力補正回路4
0は、先の図1に例示した温度特性補償回路41と、電
流の逆流阻止用のバッファ回路を構成する演算増幅器A
41、そして抵抗R41〜R44及び演算増幅器A42
によって構成される加算回路42を有して構成されてい
る。
【0098】ここで、加算回路42は、上記処理回路3
0による出力電圧Voutに上記温度特性補償回路41
を通じて生成される温度特性補償電圧V2を加算する回
路である。
【0099】したがってこの場合、 ・温度特性補償回路41では、その温度特性補償電圧V
2として、図12に一点鎖線にて付記するような負の温
度特性を有する電圧「−ΔV」を生成する。 といった条件にて上記温度特性補償電圧V2を生成する
ことで、同出力補正回路40からは、その出力補正電圧
Vout’(=Vout+V2)として、上記温度に依
存した電圧変動ΔVの相殺された電圧が生成出力される
ようになる。
【0100】すなわちこの場合も、出力補正回路40か
らは、その出力補正電圧Vout’として温度に依存し
ない高精度の角度情報が出力されるようになる。なお上
記温度特性補償回路41も、その抵抗R3及びR4の設
定を通じて、正負の極性も含め、その温度特性補償電圧
V2に任意の温度特性を持たせることのできる回路であ
ることは、先の原理の説明において既述した通りであ
る。
【0101】以上説明したように、同第4の実施形態に
かかる磁電変換素子の駆動装置によっても、 (イ)先の(4)式に現れるような温度に依存した電圧
変動ΔVを的確に抑制して、より精度の高い角度情報を
出力することができる。 (ロ’)処理回路30の後段の出力補正回路40におい
て温度特性の補償に基づく上記電圧補正を行うものであ
ることから、バッファ回路31を構成する演算増幅器A
31及びA32や差動増幅回路33を構成する演算増幅
器A33の温度誤差も併せて除去することができる。 等々、優れた効果が奏せられるようになる。
【0102】なお、同第4の実施形態において、出力補
正回路40に採用する温度特性補償回路や演算回路は上
記温度特性補償回路41や加算回路42に限られること
なく任意であり、他に例えば先の第2の実施形態に準じ
た減算回路、或いは先の第3の実施形態に準じた温度特
性補償回路並びに加減算回路なども適宜採用することが
できる。
【0103】(第5実施形態)ところで、先の図10に
例示したスロットル開度センサ等の角度センサにあって
は、そのホール素子10及び磁石12が通常、負の温度
特性を持つことから、周囲の温度に応じてその駆動条件
が変化し、上記出力されるホール電圧VHにもそれら温
度特性に応じた変動が来たすようになる。
【0104】因みにこうした変動は、先の(2)式にお
ける右辺第1項、すなわち(1)式として示した電圧成
分に対して生じるものであり、同変動は通常、先の図1
1における角度θ=0を中心としたホール電圧出力特性
の傾きの変化、すなわち感度変化として現れる。そして
勿論、ホール電圧VHにこのような感度変化が来たす場
合、その処理信号である信号Voutの信頼性も自ずと
低いものとなる。
【0105】そこで、この発明にかかる磁電変換素子の
駆動装置の第5の実施形態として、ホール素子のこうし
た感度変化をも併せて抑制することのできる駆動装置を
図8に示す。
【0106】はじめに、同第5の実施形態の駆動装置に
ついて、図8に基づき、その構成を説明する。同図8に
示されるように、この駆動装置は、ホール素子10の駆
動回路20として、先の図1に例示した温度特性補償回
路21と、その温度特性補償電圧V2が非反転入力端子
に加えられる演算増幅器A21及びホール素子10に直
列に接続される抵抗R21を有して同ホール素子10に
供給する駆動信号を定電流制御する定電流制御回路22
とを具える構成となっている。
【0107】定電流制御回路22では、抵抗R21の電
圧降下と上記温度特性補償電圧V2との比較のもとに、
同抵抗R21の電圧降下が一定となるよう、ホール素子
10に印加される電圧を制御する。この結果ホール素子
10には、その駆動電流Iとして、 I = (V2/R21) …(14) なる一定の電流が供給されるようになる。
【0108】一方、同駆動装置において、ホール素子1
0から出力されるホール電圧VHを増幅するなどしてこ
れを所要に処理する処理回路30は、先の第1〜第4の
実施形態として例示した何れかの回路として構成されて
いる。
【0109】したがって、先の(2)式、或いは(4)
式に現れるホール素子10の不平衡電圧に起因する電圧
変動分は、該処理回路30(或いは処理回路30+出力
補正回路40)を通じて好適に相殺されるようになる。
【0110】図9は、上記駆動回路20によるホール電
圧VHの感度補償態様を示したものであり、次に、同図
9を併せ参照して、この第5の実施形態の駆動装置とし
てのホール電圧VHの感度補償構造について更に詳述す
る。
【0111】ホール素子10及び磁石12(図10参
照)が負の温度特性を有していることは上述した。すな
わち、先の(1)式に示されるホール素子10の感度K
H及び内部抵抗Rd、更には磁石12の磁束密度Bは、
温度が高くなるにつれて低い値を示すようになる。
【0112】また、ホール素子10の出力であるホール
電圧VHは、同(1)式に示されるように、上記駆動電
流Iに比例する。したがって、ホール素子10及び磁石
12の上記負の温度特性を補償するためには、上記駆動
電流Iすなわち上記温度特性補償電圧V2に、これとは
逆の正の温度特性を持たせればよいことになる。
【0113】そして、上記温度特性補償回路21にあっ
ては、その抵抗R3及びR4を先の(13)式に示され
る如く、 R3 > R4 といった関係に設定することで、該温度特性補償電圧V
2に正の温度特性を持たせることができるようになるこ
とも、先の原理の説明において既述した。
【0114】さて、図9に示されるように、ホール素子
10の感度KH及び内部抵抗Rdが特性線L1のような
負の温度特性を示し、磁石12の磁束密度Bが特性線L
2のような同じく負の温度特性を示すとすると、ホール
素子10と磁石12とでは、それらが合成された特性と
して、特性線L3のような温度特性(感度)を示すよう
になる。
【0115】ホール素子10と磁石12とのこうした負
の温度特性に対し、温度特性補償回路21では、抵抗R
3及びR4を先の(13)式の関係に設定するととも
に、同抵抗R3及びR4の比の大きさを通じて、更には
先の(12)式に含まれる (R2/(R1+R2)) といった関係を通じて、同図9に特性線L4として示さ
れるような正の温度特性を、上記温度特性補償電圧V2
(駆動電流I)に持たせるようにする。
【0116】その結果、ホール素子10から出力される
ホール電圧VHは、その温度特性が同図9に特性線L5
として示される態様で補正されるようになり、周囲温度
の如何なる変化に対しても、常に適正な値(感度)を示
すようになる。
【0117】このように、同第5の実施形態にかかる磁
電変換素子の駆動装置によれば、上記第1〜第4の実施
形態の駆動装置による前記(イ)、(ロ)、或いは
(ロ’)として示した効果に更に加えて、 (ハ)ホール素子や磁石の温度特性(感度特性)も好適
に補償される。 (ニ)しかも、その感度の補償量(図9の特性線L4の
傾き)を、温度特性補償回路21における抵抗比「R4
/R3」に応じて、或いは分圧比「R2/(R1+R
2)」に応じて任意に設定することができため、ホール
素子や磁石の温度特性に如何なるばらつきがあったとし
ても、それらばらつきに容易に対処することができる。 等々の効果も併せ奏せられるようになる。
【0118】なお、同第5の実施形態にあっては、上記
温度特性補償回路21を通じてホール素子や磁石の温度
特性(感度特性)を補償することとしたが、こうした温
度特性補償回路としては他に、先の第3の実施形態のオ
フセット回路32cに用いられている温度特性補償回路
321’に準じた構成のものなども適宜採用することが
できる。
【0119】ところで、これら第1〜第5の実施形態の
駆動装置としての上記構成によれば、駆動回路20及び
処理回路30を含めてこれを1個のモノシリックICと
して実現することも容易である。
【0120】そして、同駆動装置をこうしたモノシリッ
クICとして構成する場合には、上記各温度特性補償回
路を構成する抵抗R1〜R4(図3、図4、図7、図
8)、或いは抵抗R5〜R8(図5)についてこれらを
可変抵抗、より望ましくはトリミング抵抗として構成す
ることによって、それら抵抗値の微調整が可能となり、
ひいては上記所望の温度特性を実現する上での微調整等
も容易となる。
【0121】また、上記各実施形態の駆動装置をこうし
てIC化することにより、例えばダイオードD1及びD
2なども同IC中に自ずと近接して設けられることとな
り、前記(12)式への変換、すなわち ・順方向電圧VF1(25)及びVF2(25)をVF(25)とす
る。 ・温度係数K1及びK2をKとする。 として同一化したことが意味を持つようになる。
【0122】また、ダイオードD1及びD2、或いはダ
イオードD3及びD4は、単に同一特性というだけでは
なく、半導体装置としての製造プロセスを通じて物性的
にも高精度に管理されるため、製品間のばらつきも極め
て少ないものとなる。すなわち、駆動対象となるホール
素子や磁石自体が負の一定の温度特性を有するものであ
れば、製品によらずに、極めて高い精度で上述した温度
特性補償機能が維持されるようにもなる。
【0123】なお、上記各実施形態においては、ダイオ
ードD1及びD2、或いはダイオードD3及びD4の順
方向電圧を利用して温度特性の補償を行うこととした
が、これら温度特性を補償するために使用することので
きる素子はダイオードには限られない。
【0124】すなわち、温度に応じて降下電圧が変化す
る電圧降下素子であればよく、上記ダイオードに代えて
適宜のトランジスタを用いることもできる。例えばNP
N接合されるトランジスタにあっては、そのベース−エ
ミッタ間の電圧(VBE)が、それらダイオードの順方向
電圧VFと同様、温度に応じて降下電圧が変化する。こ
のため、同トランジスタのベース−エミッタ間電圧を利
用して上記温度特性の補償を行う構成とすることもでき
る。
【0125】また、上記各実施形態では便宜上、スロッ
トル開度センサ等の角度センサに対してこの発明にかか
る駆動装置を適用する場合について示したが、同駆動装
置が、ホール素子や磁気抵抗効果素子等の磁電変換素子
を駆動して且つその得られる電気信号を所要に処理する
装置の全てに適用できるものであることは云うまでもな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の温度特性補償回路の原理構成を示す
回路図。
【図2】ホール素子の駆動装置の第1の実施形態を示す
ブロック図。
【図3】同実施形態のオフセット回路の構成を示す回路
図。
【図4】ホール素子の駆動装置の第2の実施形態を示す
回路図。
【図5】ホール素子の駆動装置の第3の実施形態を示す
回路図。
【図6】ホール素子の駆動装置の第4の実施形態を示す
ブロック図。
【図7】同実施形態の出力補正回路の構成を示す回路
図。
【図8】ホール素子の駆動装置の第5の実施形態を示す
回路図。
【図9】同実施形態の回路による感度補償態様を示すグ
ラフ。
【図10】ホール素子によるスロットル開度の検出原理
を示す略図。
【図11】同検出原理におけるホール素子の出力特性を
示すグラフ。
【図12】同じくホール電圧処理回路の出力特性を示す
グラフ。
【符号の説明】
1…分圧回路、2…帰還増幅回路、3…帰還電流制御回
路、4…出力電圧制御回路、10…ホール素子、11…
ロータ、12…磁石(永久磁石)、20…駆動回路、2
1…温度特性補償回路、22…定電流制御回路、30…
信号処理回路、31…バッファ回路、32、32a、3
2b、32c…オフセット回路、321、321’…温
度特性補償回路、322…オフセット電圧生成回路(分
圧回路)、323…加算回路、324…減算回路、32
5…加減算回路、33…差動増幅回路、40…出力補正
回路、41…温度特性補償回路、42…加算回路、T1
〜T4…端子、A、A21、A31〜A34、A321
〜A324、A41〜A42…演算増幅器、C1、C2
…コンデンサ、D1、D2、D3、D4…ダイオード、
R1〜R11、R21、R31〜R37、R321〜R
328、R41〜R44…抵抗。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】温度に応じて降下電圧が変化する第1の電
    圧降下素子とこれに直列接続される第1の抵抗とを有し
    て第1の温度特性を有する信号を生成する第1の信号生
    成回路と、 同じく温度に応じて降下電圧が変化する第2の電圧降下
    素子とこれに直列接続される第2の抵抗とを有して第2
    の温度特性を有する信号を生成する第2の信号生成回路
    と、 これら生成される第1及び第2の温度特性を有する信号
    に基づき所定の演算を実行して所望の温度特性を有する
    信号を生成する演算回路と、 を具えることを特徴とする温度特性補償回路。
  2. 【請求項2】前記第1及び第2の抵抗の少なくとも一方
    が可変抵抗からなる請求項1記載の温度特性補償回路。
  3. 【請求項3】前記可変抵抗がトリミング抵抗である請求
    項2記載の温度特性補償回路。
  4. 【請求項4】請求項1〜3の何れかに記載の温度特性補
    償回路において、 前記演算回路は、基準電圧を帰還増幅する帰還増幅回路
    であり、 前記第1の信号生成回路は、前記第1の電圧降下素子と
    これに直列接続される第1の抵抗とが前記帰還増幅回路
    の帰還路に接続されて同帰還路を流れる電流を制御する
    帰還電流制御回路であり、 前記第2の信号生成回路は、前記第2の電圧降下素子と
    これに直列接続される第2の抵抗とが前記帰還増幅回路
    の帰還路中に配設されて同帰還増幅回路の出力電圧を制
    御する出力電圧制御回路であることを特徴とする温度特
    性補償回路。
  5. 【請求項5】請求項1〜3の何れかに記載の温度特性補
    償回路において、 前記演算回路は、前記第1の温度特性を有する信号から
    前記第2の温度特性を有する信号を減算する減算回路で
    あることを特徴とする温度特性補償回路。
  6. 【請求項6】磁界の強さに対応した電気信号を出力する
    磁電変換素子に駆動信号を供給する駆動回路と、 この駆動信号の供給に基づき磁電変換素子から出力され
    る電気信号を所要に増幅する増幅回路と、 この増幅される磁電変換素子の出力信号に所定のオフセ
    ット電圧を付与するオフセット回路とを具え、 前記オフセット回路は、温度に応じて降下電圧が変化す
    る第1の電圧降下素子とこれに直列接続される第1の抵
    抗とを有して第1の温度特性を有する信号を生成する第
    1の信号生成回路と、同じく温度に応じて降下電圧が変
    化する第2の電圧降下素子とこれに直列接続される第2
    の抵抗とを有して第2の温度特性を有する信号を生成す
    る第2の信号生成回路と、これら生成される第1及び第
    2の温度特性を有する信号に基づき所定の演算を実行し
    て所望の温度特性を有する信号を生成する演算回路とを
    具える温度特性補償回路を有して、前記付与する所定の
    オフセット電圧を該生成される所望の温度特性を有する
    信号により補正することを特徴とする磁電変換素子の駆
    動装置。
  7. 【請求項7】磁界の強さに対応した電気信号を出力する
    磁電変換素子に駆動信号を供給する駆動回路と、 この駆動信号の供給に基づき磁電変換素子から出力され
    る電気信号を所要に増幅する増幅回路と、 この増幅される磁電変換素子の出力信号に所定のオフセ
    ット電圧を付与するオフセット回路と、 温度に応じて降下電圧が変化する第1の電圧降下素子と
    これに直列接続される第1の抵抗とを有して第1の温度
    特性を有する信号を生成する第1の信号生成回路と、同
    じく温度に応じて降下電圧が変化する第2の電圧降下素
    子とこれに直列接続される第2の抵抗とを有して第2の
    温度特性を有する信号を生成する第2の信号生成回路
    と、これら生成される第1及び第2の温度特性を有する
    信号に基づき所定の演算を実行して所望の温度特性を有
    する信号を生成する演算回路とを具える温度特性補償回
    路を有し、前記増幅された磁電変換素子の出力信号を該
    生成される所望の温度特性を有する信号により補正する
    出力補正回路と、 を具えることを特徴とする磁電変換素子の駆動装置。
  8. 【請求項8】請求項6または7記載の磁電変換素子の駆
    動装置において、 前記駆動回路も、前記磁電変換素子の温度特性を補償す
    る温度特性補償回路を具えて構成されることをことを特
    徴とする磁電変換素子の駆動装置。
  9. 【請求項9】前記駆動回路の温度特性補償回路も、温度
    に応じて降下電圧が変化する第1の電圧降下素子とこれ
    に直列接続される第1の抵抗とを有して第1の温度特性
    を有する信号を生成する第1の信号生成回路と、同じく
    温度に応じて降下電圧が変化する第2の電圧降下素子と
    これに直列接続される第2の抵抗とを有して第2の温度
    特性を有する信号を生成する第2の信号生成回路と、こ
    れら生成される第1及び第2の温度特性を有する信号に
    基づき所定の演算を実行して所望の温度特性を有する信
    号を生成する演算回路とを具えて構成される請求項8記
    載の磁電変換素子の駆動装置。
  10. 【請求項10】請求項6〜9の何れかに記載の磁電変換
    素子の駆動装置において、 前記磁電変換素子は、被検出部材の操作角度に応じて磁
    束方向が変化する磁界中に置かれるものであり、 前記増幅回路は、この磁電変換素子から出力される前記
    被検出部材の角度情報を増幅出力するものであることを
    特徴とする磁電変換素子の駆動装置。
  11. 【請求項11】請求項6〜10の何れかに記載の磁電変
    換素子の駆動装置において、 前記温度特性補償回路における前記第1及び第2の抵抗
    の少なくとも一方が可変抵抗からなることを特徴とする
    磁電変換素子の駆動装置。
  12. 【請求項12】前記可変抵抗がトリミング抵抗である請
    求項11記載の磁電変換素子の駆動装置。
  13. 【請求項13】請求項6〜12の何れかに記載の磁電変
    換素子の駆動装置において、 前記温度特性補償回路における前記演算回路は、基準電
    圧を帰還増幅する帰還増幅回路であり、前記第1の信号
    生成回路は、前記第1の電圧降下素子とこれに直列接続
    される第1の抵抗とが前記帰還増幅回路の帰還路に接続
    されて同帰還路を流れる電流を制御する帰還電流制御回
    路であり、前記第2の信号生成回路は、前記第2の電圧
    降下素子とこれに直列接続される第2の抵抗とが前記帰
    還増幅回路の帰還路中に配設されて同帰還増幅回路の出
    力電圧を制御する出力電圧制御回路であることを特徴と
    する磁電変換素子の駆動装置。
  14. 【請求項14】請求項6〜12の何れかに記載の磁電変
    換素子の駆動装置において、 前記温度特性補償回路における前記演算回路は、前記第
    1の温度特性を有する信号から前記第2の温度特性を有
    する信号を減算する減算回路であることを特徴とする磁
    電変換素子の駆動装置。
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WO2022209719A1 (ja) * 2021-03-31 2022-10-06 株式会社村田製作所 センサー出力補償回路

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