JP2005337465A - 管端面の防食構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 切断されて端面の地肌が露出している金属管の切断面に防食処置を施し、かつ、この外周に外周突部を迅速かつ容易に形成できる管端面の防食構造を提供する。
【解決手段】 内面にモルタルライニング6を有する管が切断されてその切断面3bの金属部分3cの地肌と保護層部分3dとが露出している端部に、金属部分3cを覆って防食する被覆部13aおよび被覆部13aから管軸方向奥側に迫り出した状態で保護層部分3dに接触可能な突起部13bを有する端面防食部13と、端面防食部13から形成されて管の外周面3eに接触する外周面接触部14とを有する防食部材11が装着され、管の外周において挿口突部4をなし、外周面接触部14を外周面3eに押さえ付ける接触部押圧部17と、端面防食部13を切断面3b側に押圧する防食部押圧部18とを有する挿口リング12が、前記管の端部の外周に外ばめされている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、管端面の防食構造に関する。
近年、上水道などの管路において、継手部に離脱防止機能や伸縮機能を有さない管路から、継手部に離脱防止機能および伸縮機能を有する管路への布設替えが行われている。
この離脱防止機能および伸縮機能(以下、耐震機能と記す)を有する管継手は、例えば、図5に示すように、受口1の内周に芯出し状態でロックリング2が配置され、この受口1内に、端部の外周に挿口突部4を有する挿口3が挿入され、挿口3が受口1から抜け出そうとするときには、挿口3の挿口突部4がロックリング2の位置まで移動してロックリング2にかかり合うことで挿口3の離脱防止が図られ、また、継手部に伸縮力が作用するときには、挿口突部4が、ロックリング2と受口1の奥端面5との間を移動することで伸縮可能とされている。なお、挿口突部4の先端側の外周にはテーパ面4aが形成されており、挿口3を受口1に挿入する際に、挿口突部4が受口1内に配置されているロックリング2などを容易に拡径できるようにされている。また、受口1および挿口3のそれぞれの内面には、管内面を防食するための保護層としての、例えば、モルタルライニング6が形成されている。
一方、このような耐震機能を有する管路を布設する際に、配管施工現場においては、布設する管路の長さの都合上、管を所定の長さに切断することがある。例えば、図6に示すように、挿口3が所定の切断位置7で切断され、挿口突部4を有さない管(以下、残管と記す)3aが残される。この場合、この残管3aを用いて管路を構成するためには、図中の仮想線にて示すように、この残管3aの端部に新たな挿口突部4を形成する必要がある。しかも、この残管3aがダクタイル鋳鉄管などの金属製の管である場合、管の表面には防食のための塗装が施されているが、管が切断されると、その切り口である切断面3bにおいて金属の地肌が露出するので、この切断面3bに対して防食処置を施す必要がある。
このような中、特許文献1〜3のそれぞれには、管の切断面3bに防食処置を施す技術が記載されている。具体的に、特許文献1には、管の切断面側の端部に、管の内側から防食部材を装着して切断面を防食する技術が記載されており、特許文献2には、管の外周面から切断面にかけて熱収縮チューブを被せ、この熱収縮チューブを収縮させることで切断面を防食する技術が記載されている。さらに、特許文献3には、管の切断面に防食塗料を刷毛塗りする技術が記載されている。
実開平5−3789号公報 特開2001−12684号公報 特開平5−287224号公報
しかし、特許文献1に記載されている技術によれば、管の切断面側の端部に、管の内側から防食部材を装着するだけであるので、例えば、残管の外周に環状溝を形成し、この環状溝に挿口リングを外ばめして挿口突部を形成する場合に、加工面が露出する環状溝に対して防食処置を施すことができない。
また、特許文献2に記載されている技術によれば、熱収縮チューブを加熱するための熱源が必要であり、水場での作業が困難になってしまう。
さらに、特許文献3に記載されている技術によれば、例えば、寒冷時などにおいては、防食塗料が乾くまでに時間がかかってしまい、また、水場での作業には適さない。
そこで本発明はこのような問題を解決するもので、切断されて端面の地肌が露出している金属管の切断面に防食処置を施すとともに、この管の端部の外周に外周突部を形成する作業を、容易かつ迅速に行うことができる管端面の防食構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために請求項1記載の発明は、内面に防食用の保護層を有する金属管が切断されてその切断面における金属部分の地肌と保護層部分とが露出している前記管の端部に、少なくとも前記切断面における金属部分を覆って前記金属部分を防食する被覆部および前記被覆部よりも前記管の管径方向内向きに、かつ、管軸方向奥側に迫り出して前記保護層部分に突き当たった状態で接触可能な突起部を有する端面防食部と、前記端面防食部から前記管の端部の外周面へと形成されて前記管の端部の外周面に接触する外周面接触部とを有するとともに弾性部材により形成されている環状の第1の部材が装着され、前記管の端部の外周において外周突部をなすとともに、前記管の端部の外周面から前記管の切断面に相対する位置にかけて設けられ、前記外周面接触部を前記管の端部の外周面に管径方向内向きに押さえ付ける接触部押圧部と、前記端面防食部を前記管の切断面側に押圧する防食部押圧部とを有するとともに金属製の部材により形成されている環状の第2の部材が、前記管の端部の外周に外ばめされているものである。
このような構成によれば、第1の部材の端面防食部における被覆部が少なくとも管の切断面における金属部分を覆うことができ、前記端面防食部における突起部が前記切断面における保護層部分に突き当たった状態で接触し、この状態の端面防食部を第2の部材における防食部押圧部により前記切断面側に押圧することで、前記突起部を前記保護層部分に強く押し付け、前記突起部で前記保護層部分をシールすることができ、さらに、前記第2の部材における接触部押圧部により前記第1の部材における外周面接触部を前記管の端部の外周面に管径方向内向きに押さえ付けることで、前記外周面接触部で前記管の端部の外周面をシールすることができる。これにより、前記被覆部が前記切断面における金属部分を覆っている状態、すなわち、前記被覆部が前記金属部分を防食している状態を保持させることができる。したがって、前記管の切断面における金属部分に確実な防食処置を施すことができる。また、前記外周面接触部が、前記接触部押圧部により前記管の端部の外周面に管径方向内向きに押さえ付けられることで、前記管の端部に装着されている状態の前記第1の部材を安定させることができる。これにより、この第1の部材が、前記管の端部から脱落することを防止することができる。さらに、前記第2の部材が、前記管の端部の外周において外周突部をなすことで、前記管の端部の外周に、外周突部を容易かつ迅速に形成することができる。
請求項2記載の発明は請求項1記載の管端面の防食構造において、第1の部材が、端面防食部から管の管軸方向に、外周面接触部とは逆方向に突出した状態で、かつ、周方向に沿って形成され、第2の部材における防食部押圧部の内周面に接触可能とされた突出部を有し、前記突出部が前記端面防食部よりも厚肉に形成されているものである。
このような構成によれば、第1の部材が、端面防食部から管の管軸方向に、外周面接触部とは逆方向に突出した状態で、かつ、周方向に沿って形成され、第2の部材における防食部押圧部の内周面に接触可能とされた突出部を有し、前記突出部が前記端面防食部よりも厚肉に形成されていることにより、第2の部材が外ばめされた際に、前記突出部が、例えば、径方向に変形するのを防止することができる。これにより、前記突出部が接続されている前記端面防食部についてもその変形を抑制することができるので、前記端面防食部における被覆部が前記管の切断面における金属部分を防食している状態を良好に保持することができ、前記管の切断面における金属部分に確実な防食処置を施すことができる。
請求項3記載の発明は請求項2記載の管端面の防食構造において、端面防食部における突起部が前記管の切断面から捲れようとするのに伴って突出部が前記端面防食部との接続部を基準として管径方向外側に傾斜するのを、第2の部材における防食部押圧部の内周面が受けることで、前記突起部が前記管の切断面から捲れることを防止することが可能とされているものである。
このような構成によれば、端面防食部における突起部が管の切断面から捲れようとする際には、前記突起部の動きに伴って突出部が前記端面防食部との接続部を基準として管径方向外側に傾斜しようとするが、前記突出部が傾斜しようとするのを、第2の部材における防食部押圧部の内周面が受けることで、このときの反力により、前記突起部が前記管の切断面から捲れることを防止することができる。
請求項4記載の発明は請求項1〜3の何れか1項記載の管端面の防食構造において、管の端部における外周に環状溝が形成され、第2の部材が前記環状溝にはまり込む内周突起部を有するとともに、前記第2の部材における外周面に前記管の管軸方向に沿った先細り状のテーパ面が形成されているものである。
このような構成によれば、管の端部における外周に環状溝が形成され、第2の部材が前記環状溝にはまり込む内周突起部を有することで、前記第2の部材が前記管に確実にかかり合うことができ、したがって、前記第2の部材により、第1の部材における端面防食部を前記管の切断面における少なくとも金属部分に効果的に押さえ付けることができる。さらに、前記第2の部材が外面に前記管の軸方向に沿った先細り状のテーパ面を有することにより、例えば、前記管を他の管内に挿入して接合する際に、前記管を案内することができるとともに、前記他の管の内面に配置されている部材を容易に拡径することができ、前記管と前記他の管とを容易に接合することができる。
請求項5記載の発明は、内面に防食用の保護層を有する金属管の切断面における金属部分の地肌と保護層部分とが露出している前記管の端部に装着されるとともに、弾性部材により環状に形成されている管端面の防食部材であって、少なくとも前記切断面における金属部分を覆って前記金属部分を防食する被覆部および前記被覆部よりも前記管の管軸方向奥側に迫り出して前記保護層部分に突き当たった状態で接触可能な突起部を有する端面防食部と、前記端面防食部から前記管の端部の外周面へと形成されて前記管の端部の外周面に接触する外周面接触部と、前記端面防食部から前記管の管軸方向に、かつ、前記外周面接触部とは逆方向に突出して形成されているとともに、前記端面防食部よりも厚肉に形成されている突出部とを有するものである。
以上のように本発明によれば、切断されて端面の地肌が露出している金属管の切断面に確実な防食処置を施すことができるとともに、この管の端部の外周に外周突部を容易かつ迅速に形成することができる。
本発明の管端面の防食構造の実施の形態を、図1〜図4を参照しながら説明する。以下においては、金属管がダクタイル鋳鉄製の管(以下、管と記す)である場合を説明する。この管の表面には、あらかじめ、防食のための塗装が施されている。なお、図5および図6を用いて説明した箇所と同じ箇所については、図5および図6にて使用した符号と同じ符号を付すことで、その詳細な説明を省略する。
本実施の形態の管端面の防食構造は、図1に示すように、内面に防食用のモルタルライニング6を有する管が配管施工現場において切断されてその残管3aの切断面3bにおける金属部分3cの地肌と保護層部分3dとが露出している端部に、前記金属部分3cを防食する環状の第1の部材としての管端面の防食部材11が装着され、この防食部材11を覆うようにして残管3aの端部の外周に、環状の第2の部材としての挿口リング12が外ばめされて構成されている。なお、残管3aの外周には、環状溝19が形成されている。
図1および図2(a)、(b)に示すように、管端面の防食部材11は、残管3aの切断面3bにおける少なくとも金属部分3c、本実施の形態の場合であれば単に金属部分3cを覆ってこの金属部分3cを防食する被覆部13aおよび被覆部13aよりも残管3aの管径方向内向きに、かつ、管軸方向奥側に迫り出して保護層部分3dに突き当たった状態で接触可能な突起部13bを有する端面防食部13と、端面防食部13から残管3aの端部の外周面3eへと形成されてこの外周面3eに接触する外周面接触部14と、例えば端面防食部13における被覆部13aと突起部13bとの接続部から残管3aの管軸方向に、外周面接触部14とは逆方向に突出した状態で、かつ、周方向に沿って形成されて、後述する挿口リング12における防食部押圧部18の内周面18aに接触可能とされた突出部としてのベース部15とを有する。ベース部15は、端面防食部13よりも厚肉に形成されており、端面防食部13における被覆部13aは、外周面接触部14よりも厚肉に形成されている。さらに、突起部13bは、被覆部13aよりも薄肉に形成され、かつ、その先端側に向かって薄肉になるように形成されている。
例えば、ベース部15の肉厚は2.0〔mm〕〜5.0〔mm〕で、端面防食部13の被覆部13aの肉厚は0.3〜2.0〔mm〕程度で、外周面接触部14の肉厚は0.15〜1.0〔mm〕程度とされている。
突起部13bは、図2(a)に示すように、防食部材11が残管3aの切断面3bに装着されていない状態では、被覆部13aとの境界箇所を基準として、残管3aの管軸方向奥側へと少し傾斜するように形成されている。また、この防食部材11は弾性部材、例えば、SBR、NBR、CR、EPDMといったゴム製であり、その硬度は、例えば、50〜95度程度のものを用いている。
挿口リング12は、図1および図2(c)に示すように、残管3aの端部の外周に外ばめされることで、この外周において外周突部としての挿口突部4をなすとともに、残管3aの端部の外周面3eから残管3aの切断面3bに相対する位置にかけて設けられており、図示は省略しているが、周方向に一つ割に形成されている。また、その材質は、例えば、残管3aと同様に、ダクタイル鋳鉄である。
この挿口リング12は、残管3aの端部の外周に外ばめされたときに防食部材11における外周面接触部14を、その内面17aで、残管3aの端部の外周面3eに沿って管径方向内向きに押さえ付ける接触部押圧部17と、防食部材11における端面防食部13を残管3aの切断面3b側に押圧する防食部押圧部18と、接触部押圧部17の内側から径方向内向きに、かつ、周方向に沿って形成され、残管3aの外周に形成されている環状溝19にはまり込む内周突起部20とを有する。この内周突起部20の内面には、溝加工により塗装が剥がれている環状溝19を防食するためのゴム輪21が装着されており、この内周突起部20が環状溝19にはまり込むことで、環状溝19の防食処置が図られている。また、挿口リング12における挿口突部4の外面には、残管3aの管軸方向に沿った先細り状のテーパ面4aが形成されている。このようにテーパ面4aが形成されていることで、例えば、残管3aを他の管の受口内に挿入して接合する際に、この残管3aを案内することができるとともに、他の管の受口内に配置されているロックリング等の部材を容易に拡径することができる。
挿口リング12が、その内周突起部20が残管3aにおける環状溝19にはまり込んだ状態で、残管3aの端部の外周に外ばめされると、上述したように、挿口リング12における接触部押圧部17がその内面17aで、防食部材11における外周面接触部14を、残管3aの端部の外周面3eに沿って管径方向内向きに押さえ付け、かつ、防食部押圧部18で、防食部材11における端面防食部13を残管3aの切断面3b側に押圧するが、これにより、外周面接触部14で残管3aの外周面3eをシールすることができ、かつ、突起部13bで切断面3bにおける金属部分3cをシールすることができる。したがって、被覆部13aが切断面3bにおける金属部分3cを覆っている状態、すなわち、被覆部13aが金属部分3cを防食している状態を保持させることができる。これにより、残管3aの切断面3bにおける金属部分3cに確実な防食処置を施すことができる。
また、このとき、内周突起部20が環状溝19にはまり込んで、挿口リング12が残管3aの管軸方向に対して固定されることで、防食部押圧部18が端面防食部13を切断面3b側を押圧している状態を維持することができる。さらにこのとき、防食部押圧部18における内周面18aは、防食部材11におけるベース部15と接触しており、防食部材11における突起部13bが管内を流れる流体等の影響を受けて残管3aの切断面3bから捲れようとするときに、この突起部13bの動きに伴ってベース部15が端面防食部13との接続部を基準として管径方向外側に傾斜するのを、挿口リング12における防食部押圧部18の内周面18aが受けることで、このベース部15が上記のように傾くことを防止し、このときの反力により、突起部13bが残管3aの切断面3bから捲れることを防止することができる。
このような構成において、配管施工現場で残管3aの端部の外周に挿口突部4を形成するとともに、この残管3aの切断面3bに防食処置を施すには、図3(a)に示すように、残管3aの端部の所定の位置の外周に環状溝19を形成する。そして、防食部材11における外周面接触部14を切断面3bとは逆側に折り返し、図3(b)に示すように、端面防食部13を切断面3bの金属部分3cに対応させたうえで、外周面接触部14を切断面3b側に折り返し、この外周面接触部14を残管3aの外周面3eに接触させ、かつ、未装着の状態で切断面3b側に傾斜している突起部13bを、切断面3bにおける保護層部分3dに押し当てて、防食部材11を残管3aの切断面3bに装着する。このとき、傾斜している状態の突起部13bを切断面3bにおける保護層部分3dに押し当てているので、端面防食部13と切断面3bとの間には隙間22が形成されている。
そして、次に、挿口リング12の分割部を図示しない拡径治具により広げ、挿口リング12を拡径して残管3aの端部に配置し、図3(c)に示すように、挿口リング12における内周突起部20を残管3aにおける環状溝19にはまり込ませつつ、防食部材11を覆うようにして、挿口リング12を残管3aの端部の外周に外ばめする。
挿口リング12を外ばめする際には、挿口リング12における接触部押圧部17の内面17aにより、防食部材11における外周面接触部14を残管3aの外周面3eに押し付け、かつ、防食部押圧部18により、端面防食部13と切断面3bとの間の隙間22(図3(b)参照)を押しつぶして、端面防食部13と切断面3bにおける金属部分3cとを接触させる。また、挿口リング12における防食部押圧部18における内周面18aとベース部15とが接触するようにする。なお、上記においては、防食部押圧部18により、端面防食部13と切断面3bとの間の隙間22(図3(b)参照)を押しつぶす説明をしているが、この隙間22が完全に押しつぶれていなくても、すなわち、被覆部13aと切断面3bにおける金属部分3cとが接触していなくても、被覆部13aが切断面3bにおける金属部分3cを覆っている状態であればそれでよい。
このとき、防食部材11の口径が、残管3aの口径よりも若干大きい場合、挿口リング12が残管3aの端部の外周に外ばめされて、防食部材11が挿口リング12から径方向内向きの締め付け力を受けると、防食部材11は、径方向内向きに変形しようとするが、防食部材11において最も厚肉なベース部15が周方向に沿って形成されていることで、防食部材11の径方向の強度を強くすることができ、防食部材11が径方向に変形するのを防止することができる。これにより、端面防食部13が切断面3bにおける金属部分3cを防食している状態を良好に保つことができ、この金属部分3cに確実な防食処置を施すことができる。
挿口リング12を残管3aの端部の外周に外ばめすると、図示は省略するが、挿口リング12と残管3aとをタッピンねじ等を用いてねじ止めし、挿口リング12を残管3aの外周に固定する。なお、環状溝19における挿口リング12の分割部に対応する箇所の防食は、塗装などの適宜の方法で行っておく。このようにして、管端面の防食構造10を構成する。
以上のような構成によれば、防食部材11の端面防食部13における被覆部13aが残管3aの切断面3bにおける金属部分3cを覆うことができ、端面防食部13における突起部13bが切断面3bにおける保護層部分3dに突き当たった状態で接触し、この状態の端面防食部13を挿口リング12における防食部押圧部18により切断面3c側に押圧することで、突起部13bを保護層部分3dに強く押し付け、突起部13bで保護層部分3dをシールすることができ、さらに、挿口リング12における接触部押圧部17により防食部材11における外周面接触部14を残管3aの端部の外周面3eに管径方向内向きに押さえ付けることで、外周面接触部14でこの外周面3eをシールすることができる。これにより、被覆部13aが切断面3bにおける金属部分3cを覆っている状態、すなわち、被覆部13aが金属部分3cを防食している状態を保持させることができる。したがって、残管3aの切断面3bにおける金属部分3cに確実な防食処置を施すことができる。また、外周面接触部14が、接触部押圧部17により外周面3eに管径方向内向きに押さえ付けられることで、残管3aの端部に装着されている状態の防食部材11を安定させることができる。これにより、この防食部材11が、残管3aの端部から脱落することを防止することができる。さらに、挿口リング12が、残管3aの端部の外周において挿口突部4をなすことで、残管3aの端部の外周に、挿口突部4を容易かつ迅速に形成することができる。
なお、上記においては、挿口リング12における内周突起部20の内面に、環状溝19を防食するためのゴム輪21を装着した場合を説明したが、図4に示すように、内周突起部20の内面に、ゴム輪21に替わって、ゴム系塗料23を塗布しても良い。
本発明の実施の形態1の管端面の防食構造を示す図である。 (a)は、図1における端面防食部材の断面図、(b)は、端面防食部材の正面図、(c)は、挿口リング12の断面図である。 残管に端面防食部材および挿口リングを取り付ける方法を示す図である。 挿口リングにおける内周突起部の内面にゴム系塗料を塗布した状態を示す断面図である。 耐震機能を有する管継手を示す図である。 管が切断されている状態を示す図である。
符号の説明
3a 残管
3b 切断面
3c 金属部分
3d 保護層部分
3e 外面
4 挿口突部
6 モルタルライニング
11 管端面の防食部材
12 挿口リング
13 端面防食部
14 外周面接触部
17 接触部押圧部
18 防食部押圧部

Claims (5)

  1. 内面に防食用の保護層を有する金属管が切断されてその切断面における金属部分の地肌と保護層部分とが露出している前記管の端部に、少なくとも前記切断面における金属部分を覆って前記金属部分を防食する被覆部および前記被覆部よりも前記管の管径方向内向きに、かつ、管軸方向奥側に迫り出して前記保護層部分に突き当たった状態で接触可能な突起部を有する端面防食部と、前記端面防食部から前記管の端部の外周面へと形成されて前記管の端部の外周面に接触する外周面接触部とを有するとともに弾性部材により形成されている環状の第1の部材が装着され、前記管の端部の外周において外周突部をなすとともに、前記管の端部の外周面から前記管の切断面に相対する位置にかけて設けられ、前記外周面接触部を前記管の端部の外周面に管径方向内向きに押さえ付ける接触部押圧部と、前記端面防食部を前記管の切断面側に押圧する防食部押圧部とを有するとともに金属製の部材により形成されている環状の第2の部材が、前記管の端部の外周に外ばめされていることを特徴とする管端面の防食構造。
  2. 第1の部材が、端面防食部から管の管軸方向に、外周面接触部とは逆方向に突出した状態で、かつ、周方向に沿って形成され、第2の部材における防食部押圧部の内周面に接触可能とされた突出部を有し、前記突出部が前記端面防食部よりも厚肉に形成されていることを特徴とする請求項1記載の管端面の防食構造。
  3. 端面防食部における突起部が前記管の切断面から捲れようとするのに伴って突出部が前記端面防食部との接続部を基準として管径方向外側に傾斜するのを、第2の部材における防食部押圧部の内周面が受けることで、前記突起部が前記管の切断面から捲れることを防止することが可能とされていることを特徴とする請求項2記載の管端面の防食構造。
  4. 管の端部における外周に環状溝が形成され、第2の部材が前記環状溝にはまり込む内周突起部を有するとともに、前記第2の部材における外周面に前記管の管軸方向に沿った先細り状のテーパ面が形成されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載の管端面の防食構造。
  5. 内面に防食用の保護層を有する金属管の切断面における金属部分の地肌と保護層部分とが露出している前記管の端部に装着されるとともに、弾性部材により環状に形成されている管端面の防食部材であって、少なくとも前記切断面における金属部分を覆って前記金属部分を防食する被覆部および前記被覆部よりも前記管の管軸方向奥側に迫り出して前記保護層部分に突き当たった状態で接触可能な突起部を有する端面防食部と、前記端面防食部から前記管の端部の外周面へと形成されて前記管の端部の外周面に接触する外周面接触部と、前記端面防食部から前記管の管軸方向に、かつ、前記外周面接触部とは逆方向に突出して形成されているとともに、前記端面防食部よりも厚肉に形成されている突出部とを有することを特徴とする管端面の防食部材。
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