JP2005336948A - コンクリート矢板 - Google Patents
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Abstract
【課題】 他のコンクリート矢板を接合する際に、他のコンクリート矢板に跨って設けた接合部材を簡易に緊張させることができ、さらに、接合部材による緊張力を、接合部に対して効果的に作用させることにより、他のコンクリート矢板を強固に接合することができるコンクリート矢板を提供することを課題とする。
【解決手段】 コンクリート矢板10であって、接合面21aと、上下方向に延長されている凹溝14とが形成されているプレキャストコンクリートであり、他のコンクリート矢板10の接合方向と同一方向で、接合面21aから凹溝14内に連通している取付孔24を有し、取付孔24に挿通させたボルト部材50(接合部材)の一端を凹溝14内に定着させ、他端を他のコンクリート矢板10に定着させて、ボルト部材50を緊張させることにより、他のコンクリート矢板10を接合可能であることを特徴としている。
【選択図】 図3
【解決手段】 コンクリート矢板10であって、接合面21aと、上下方向に延長されている凹溝14とが形成されているプレキャストコンクリートであり、他のコンクリート矢板10の接合方向と同一方向で、接合面21aから凹溝14内に連通している取付孔24を有し、取付孔24に挿通させたボルト部材50(接合部材)の一端を凹溝14内に定着させ、他端を他のコンクリート矢板10に定着させて、ボルト部材50を緊張させることにより、他のコンクリート矢板10を接合可能であることを特徴としている。
【選択図】 図3
Description
本発明は、構造体の構築に用いられるコンクリート矢板に関する。
地下道路等の構造体の構築において、プレキャストコンクリートである複数のコンクリート矢板を一方向に並設して側壁を構築し、この側壁を土留め壁として用いて地盤を掘削する構成がある。
このとき、隣り合うコンクリート矢板の接合部における止水性を高めるとともに、接合部の強度を十分に確保するため、隣り合うコンクリート矢板を強固に接合する必要がある。そこで、図6(a)に示すように、平板状のプレキャスト部材である一方のコンクリート矢板100の外方側101から、平板状のプレキャスト部材である他方のコンクリート矢板102の内方側103に渡って斜めにボルト部材110を配置するとともに、一方のコンクリート矢板100の内方側104から、他方のコンクリート矢板102の外方側105に渡って斜めにボルト部材111を配置した構成がある。
この構成では、各ボルト部材110,111の両端部にナット部材112を螺着させて、各ボルト部材110,111を各コンクリート矢板100,102に定着させることにより、ボルト部材110,111の緊張力によって、各コンクリート矢板100,102を接合可能となっている(例えば、特許文献1参照)。
このとき、隣り合うコンクリート矢板の接合部における止水性を高めるとともに、接合部の強度を十分に確保するため、隣り合うコンクリート矢板を強固に接合する必要がある。そこで、図6(a)に示すように、平板状のプレキャスト部材である一方のコンクリート矢板100の外方側101から、平板状のプレキャスト部材である他方のコンクリート矢板102の内方側103に渡って斜めにボルト部材110を配置するとともに、一方のコンクリート矢板100の内方側104から、他方のコンクリート矢板102の外方側105に渡って斜めにボルト部材111を配置した構成がある。
この構成では、各ボルト部材110,111の両端部にナット部材112を螺着させて、各ボルト部材110,111を各コンクリート矢板100,102に定着させることにより、ボルト部材110,111の緊張力によって、各コンクリート矢板100,102を接合可能となっている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、前記したように、隣り合う各コンクリート矢板100,102に定着させたボルト部材110,111の緊張力によって、各コンクリート矢板100,102を接合する場合には、その緊張方向を各コンクリート矢板100,102の接合方向と同一にすることにより、ボルト部材110,111の緊張力による接合力を接合部に対して効果的に作用させて、各コンクリート矢板100,102を強固に接合することが好ましい。しかし、前記したコンクリート矢板100,102の接合では、平板状のコンクリート矢板100,102の外表面にボルト部材110,111の端部を露出させる必要があり、ボルト部材110,111の軸方向が接合方向に対して斜めに配置されるため、その緊張方向が各コンクリート矢板100,102の接合方向と異なってしまう。
そこで、図6(b)に示すように、一方のコンクリート矢板100の接合面106に複数の凹部120を設けるとともに、この各凹部120に対応するようにして、他方のコンクリート矢板102の接合面107に複数の凹部121を設け、さらに、各凹部120,121内に、各接合面106,107と同一面を有する接合金物122を定着させた構成がある。なお、対峙する接合金物122,122には、接合した際に連通する貫通孔が設けられている。
この構成では、隣り合うコンクリート矢板100,102の接合方向に軸方向を配置したボルト部材123を、対峙する接合金物122,122に挿通させ、凹部120,121内でボルト部材123の両端部にナット部材124を螺着させて、ボルト部材123を接合金物122に定着させることにより、ボルト部材123の緊張力によって、各コンクリート矢板100,102を接合可能となっている。
これにより、ボルト部材123の緊張方向を各コンクリート矢板100,102の接合方向と同一にすることができるため、ボルト部材123の緊張力による接合力を接合部に対して効果的に作用させることができる(例えば、特許文献2参照)。
特許第2709245号公報(段落0025、図8)
実公昭54−43525号公報(第1頁左欄第9〜12行目、図3)
この構成では、隣り合うコンクリート矢板100,102の接合方向に軸方向を配置したボルト部材123を、対峙する接合金物122,122に挿通させ、凹部120,121内でボルト部材123の両端部にナット部材124を螺着させて、ボルト部材123を接合金物122に定着させることにより、ボルト部材123の緊張力によって、各コンクリート矢板100,102を接合可能となっている。
これにより、ボルト部材123の緊張方向を各コンクリート矢板100,102の接合方向と同一にすることができるため、ボルト部材123の緊張力による接合力を接合部に対して効果的に作用させることができる(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、接合面106,107に凹部120,121を設ける構成では、凹部120,121を設けることによって、各コンクリート矢板100,102の強度が低下するため、凹部120,121を小さく形成する必要があるが、このようにすると、凹部120,121内におけるボルト部材123の緊張作業が煩雑になってしまうという問題がある。
さらに、ボルト部材123およびナット部材124は、接合金物122に定着されており、各コンクリート矢板100,102の接合力は、各コンクリート矢板100,102と各接合金物122との定着力によって決定されてしまうため、各コンクリート矢板100,102の接合力を十分に確保することが困難になってしまうという問題がある。
さらに、ボルト部材123およびナット部材124は、接合金物122に定着されており、各コンクリート矢板100,102の接合力は、各コンクリート矢板100,102と各接合金物122との定着力によって決定されてしまうため、各コンクリート矢板100,102の接合力を十分に確保することが困難になってしまうという問題がある。
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、他のコンクリート矢板を接合する際に、他のコンクリート矢板に跨って設けた接合部材を簡易に緊張させることができ、さらに、接合部材の緊張力による接合力を、接合部に対して効果的に作用させることにより、他のコンクリート矢板を強固に接合することができるコンクリート矢板を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、構造体の構築において、土留め壁として用いられるコンクリート矢板であって、他のコンクリート矢板が接合される接合面と、上下方向に延長されている凹溝とが形成されているプレキャストコンクリートによって構成されており、他のコンクリート矢板の接合方向と同一方向で、接合面から凹溝内に連通している取付孔を有し、取付孔に挿通させた接合部材の一端を凹溝内に定着させるとともに、接合部材の他端を他のコンクリート矢板に定着させて、接合部材を緊張させることにより、接合面に他のコンクリート矢板を接合可能であることを特徴としている。
ここで、プレキャストコンクリートとは、予め工場等で製造されたコンクリート製の部材であり、内部に鉄筋等の補強筋を配筋してもよく、コンクリート矢板に作用する応力に対応させて適宜に設定することが好ましい。
また、凹溝が形成されている矢板とは、平面視でU形状となる矢板であり、このような矢板を順次に並設することにより、平面視で波形の壁体を構築することができる。そして、凹溝が形成された矢板では、地盤からの水平応力が作用した際に、その応力方向が分散されるため、同じ厚さであれば平板状の矢板と比較して強度を大きくすることができる。また、中空杭と比較して構造が簡易化されており、同じ強度の中空杭よりも軽量化することができる。
また、凹溝が形成されている矢板とは、平面視でU形状となる矢板であり、このような矢板を順次に並設することにより、平面視で波形の壁体を構築することができる。そして、凹溝が形成された矢板では、地盤からの水平応力が作用した際に、その応力方向が分散されるため、同じ厚さであれば平板状の矢板と比較して強度を大きくすることができる。また、中空杭と比較して構造が簡易化されており、同じ強度の中空杭よりも軽量化することができる。
このように、本発明のコンクリート矢板では、他のコンクリート矢板の接合方向と同一方向で、接合面から凹溝内に連通している取付孔に接合部材を挿通させ、この接合部材の両端を隣り合うコンクリート矢板に定着させることにより、接合部材の緊張方向を他のコンクリート矢板の接合方向と同一にすることができる。これにより、接合部材の緊張力による接合力を、他のコンクリート矢板との接合部に対して効果的に作用させることができるため、他のコンクリート矢板を強固に接合することができる。
また、接合部材をコンクリート矢板に直接定着させることができるため、接合部に対して、接合部材の緊張力を効果的に伝達することができる。
さらに、接合部材の一端を凹溝内に定着させるように構成されていることから、例えば、本発明のコンクリート矢板による土留め壁を用いて掘削溝を構築する場合に、凹溝の開口部を掘削溝の内方に向けて配置することにより、掘削溝の内方から接合部材の定着作業を行うことができるため、接合部材を簡易に緊張させることができる。
また、本発明のコンクリート矢板は、予め工場等で製造されたプレキャストコンクリートによって構成されており、取付孔を精度良く形成することができるため、接合部材の緊張方向と、他のコンクリート矢板の接合方向とを確実に同一方向にすることができる。
また、接合部材をコンクリート矢板に直接定着させることができるため、接合部に対して、接合部材の緊張力を効果的に伝達することができる。
さらに、接合部材の一端を凹溝内に定着させるように構成されていることから、例えば、本発明のコンクリート矢板による土留め壁を用いて掘削溝を構築する場合に、凹溝の開口部を掘削溝の内方に向けて配置することにより、掘削溝の内方から接合部材の定着作業を行うことができるため、接合部材を簡易に緊張させることができる。
また、本発明のコンクリート矢板は、予め工場等で製造されたプレキャストコンクリートによって構成されており、取付孔を精度良く形成することができるため、接合部材の緊張方向と、他のコンクリート矢板の接合方向とを確実に同一方向にすることができる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のコンクリート矢板であって、接合部材はボルト部材であり、凹溝内に突出させたボルト部材の一端にナット部材を螺着させることにより、ボルト部材の一端が凹溝内に定着するように構成されていることを特徴としている。
このように、本発明のコンクリート矢板では、ボルト部材の一端にナット部材を螺着させることにより、ボルト部材を凹溝内に定着させることができるため、接合部材であるボルト部材を簡易に緊張することができる。さらに、コンクリート矢板を撤去したり、コンクリート矢板の位置を調整する場合には、ボルト部材からナット部材を取り外すことにより、他のコンクリート矢板との接合を簡易に解除することができる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のコンクリート矢板であって、接合面には、弾性体からなる止水部材を取り付け可能であることを特徴としている。
ここで、弾性体からなる止水部材とは、例えば、ゴム製のパッキンや水膨張シール材などであり、接合面に密着することによって、水の通過を防止する部材である。
前記したように、本発明のコンクリート矢板では、接合部材の緊張力による接合力を、接合部に対して効果的に作用させることにより、他のコンクリート矢板を強固に接合することができるため、接合面に止水部材を取り付けた場合には、接合面からの圧縮力によって、止水部材を確実に弾性変形させることができ、止水材と接合面との密着性を高めることができるため、接合部の止水性を高めることができる。
このようなコンクリート矢板によれば、隣り合うコンクリート矢板に定着された接合部材を簡易に緊張させることができ、さらに、その緊張方向を他のコンクリート矢板の接合方向と同一にすることができるため、接合部材の緊張力による接合力を、接合部に対して効果的に作用させることができる。これにより、他のコンクリート矢板を強固に接合することができるため、他のコンクリート矢板との接合部における止水性を高めることができるとともに、接合部の強度を十分に確保することができる。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態のコンクリート矢板を示した斜視図である。図2は、本実施形態のコンクリート矢板を示した図で、(a)は平面図、(b)は平面断面図である。
なお、コンクリート矢板の説明において、幅方向とは、図2(a),(b)の左右方向に対応している。
本実施形態では、地下道路を構築する際に用いられるコンクリート矢板を例として説明する。
なお、コンクリート矢板の説明において、幅方向とは、図2(a),(b)の左右方向に対応している。
本実施形態では、地下道路を構築する際に用いられるコンクリート矢板を例として説明する。
まず、コンクリート矢板10は、図1および図2に示すように、地下道路(請求項における「構造体」)の構築において、土留め壁として用いられた後に、地下道路の壁体として用いられる部材であり、予め工場等で製作されたコンクリート製のプレキャスト部材(以下、「プレキャストコンクリート」という場合がある)によって構成されている。
このコンクリート矢板10は、平面視で略台形状の部材であり、地下道路の外方に向けて配置される外方側12(図2(a),(b)における上側)から、地下道路の内方に向けて配置される内方側13(図2(a),(b)における下側)に向けて順次に拡幅されている。
このコンクリート矢板10は、平面視で略台形状の部材であり、地下道路の外方に向けて配置される外方側12(図2(a),(b)における上側)から、地下道路の内方に向けて配置される内方側13(図2(a),(b)における下側)に向けて順次に拡幅されている。
また、コンクリート矢板10の幅方向の中央には、内方側13が開口されている凹溝14が上下方向に延長されている。この凹溝14は、平面視で台形状に形成されており、外方側12から内方側13に向けて順次に拡幅されている。
なお、凹溝14が形成されているコンクリート矢板10では、外方側12から水平応力が作用した際に、その応力方向が分散されるため、同じ厚さであれば平板状の矢板よりも強度を大きくすることができる。また、中空杭と比較して構造が簡易化されており、同じ強度を有する中空杭よりも軽量化されているため、コンクリート矢板10を簡易に搬送することができる。
また、コンクリート矢板10の内方側13の幅方向における両端部には、他のコンクリート矢板10を並設するための継手部20a,20bが幅方向に突出している。すなわち、本実施形態のコンクリート矢板10は、凹溝14によって平面視で略U形状となっている部位と、U形となる部位の両端部から幅方向に突出している継手部20a,20bとが形成されている所謂U形の矢板である。
なお、継手部20a,20bにおいて、幅方向の側端面は、他のコンクリート矢板10が幅方向に接合される接合面21a,21bとなっており、一方の継手部20a(図2(a),(b)における右側)の接合面21aには凹部22が形成され、他方の継手部20b(図2(a),(b)における左側)の接合面21bには凸部23が形成されており、隣り合うコンクリート矢板10,10の接合面21a,21bの凹部22と凸部23とが嵌め合わされるように構成されている。そして、複数のコンクリート矢板10を並設することにより、平面視で波形の壁体を形成することができる。
なお、継手部20a,20bにおいて、幅方向の側端面は、他のコンクリート矢板10が幅方向に接合される接合面21a,21bとなっており、一方の継手部20a(図2(a),(b)における右側)の接合面21aには凹部22が形成され、他方の継手部20b(図2(a),(b)における左側)の接合面21bには凸部23が形成されており、隣り合うコンクリート矢板10,10の接合面21a,21bの凹部22と凸部23とが嵌め合わされるように構成されている。そして、複数のコンクリート矢板10を並設することにより、平面視で波形の壁体を形成することができる。
また、継手部20a,20bにおいて、接合面21a,21bの凹部22および凸部23よりも外方側12には、コンクリート矢板10の幅方向と同一方向で、各接合面21a,21bから凹溝14内に連通している取付孔24が設けられている。本実施形態では、複数の取付孔24がコンクリート矢板10の上下方向に所定間隔を空けて配置されている。さらに、取付孔24の凹溝14側の端部の周囲には、取付孔24の軸方向と直交するようにして、正方形の平面25が形成されている。
なお、コンクリート矢板10は、予め工場等で製造されたプレキャストコンクリートによって構成されているため、各取付孔24をコンクリート矢板10の幅方向と同一方向に精度良く形成することができる。
なお、コンクリート矢板10は、予め工場等で製造されたプレキャストコンクリートによって構成されているため、各取付孔24をコンクリート矢板10の幅方向と同一方向に精度良く形成することができる。
次に、本実施形態のコンクリート矢板10を用いた地下道路の構築について説明する。
図3は、本実施形態のコンクリート矢板と他のコンクリート矢板との接合部を示した平面断面図である。図4は、本発明のコンクリート矢板を用いて地下道路を構築する態様を示した図で、(a)はコンクリート矢板による側壁を構築した状態を示した正面断面図、(b)はコンクリート矢板による側壁を構築した状態を示した平面図である。図5は、本実施形態のコンクリート矢板を用いて構築した地下道路を示した正面断面図である。
なお、本実施形態において、幅員方向とは、図4(a)および図5の左右方向に対応しており、地下道路の延長方向とは、図4(b)の上下方向に対応している。
本実施形態では、本発明のコンクリート矢板10を用いて地下道路1を構築する場合を例として説明する。
図3は、本実施形態のコンクリート矢板と他のコンクリート矢板との接合部を示した平面断面図である。図4は、本発明のコンクリート矢板を用いて地下道路を構築する態様を示した図で、(a)はコンクリート矢板による側壁を構築した状態を示した正面断面図、(b)はコンクリート矢板による側壁を構築した状態を示した平面図である。図5は、本実施形態のコンクリート矢板を用いて構築した地下道路を示した正面断面図である。
なお、本実施形態において、幅員方向とは、図4(a)および図5の左右方向に対応しており、地下道路の延長方向とは、図4(b)の上下方向に対応している。
本実施形態では、本発明のコンクリート矢板10を用いて地下道路1を構築する場合を例として説明する。
[コンクリート矢板打設工程]
まず、図3に示すように、コンクリート矢板10の継手部20aにおける接合面21aの凹部22に沿って、ゴム製の円筒パッキン30(請求項における「止水部材」)を取り付ける。この円筒パッキン30は、凹部22内に挿入された状態で取り付けられるように形成されている。
また、他方の継手部20bでは、接合面21bの凸部23の側端面に沿って、ゴム製の平板パッキン31(請求項における「止水部材」)を取り付ける。
このようにして、本実施形態に用いられる各コンクリート矢板10の各継手部20a,20bにパッキン30,31を取り付ける。
まず、図3に示すように、コンクリート矢板10の継手部20aにおける接合面21aの凹部22に沿って、ゴム製の円筒パッキン30(請求項における「止水部材」)を取り付ける。この円筒パッキン30は、凹部22内に挿入された状態で取り付けられるように形成されている。
また、他方の継手部20bでは、接合面21bの凸部23の側端面に沿って、ゴム製の平板パッキン31(請求項における「止水部材」)を取り付ける。
このようにして、本実施形態に用いられる各コンクリート矢板10の各継手部20a,20bにパッキン30,31を取り付ける。
続いて、図4(a)に示すように、地下道路1(図5参照)の延長方向に延長させた掘削溝2を、幅員方向に所定間隔を空けて2箇所に掘削し、コンクリート矢板10の内方側13を各掘削溝2,2の間に向けた状態で、コンクリート矢板10を一方の掘削溝2内に挿入する。
[側壁構築工程]
さらに、図3に示すように、掘削溝2内に他のコンクリート矢板10を挿入し、隣り合うコンクリート矢板10,10の継手部20a,20bの凹部22と凸部23とが対峙するようにして並設する。このとき、凹部22には円筒パッキン30が取り付けられており、凸部23には平板パッキン31が取り付けられているため、各パッキン30,31が当接した状態となる。
さらに、図3に示すように、掘削溝2内に他のコンクリート矢板10を挿入し、隣り合うコンクリート矢板10,10の継手部20a,20bの凹部22と凸部23とが対峙するようにして並設する。このとき、凹部22には円筒パッキン30が取り付けられており、凸部23には平板パッキン31が取り付けられているため、各パッキン30,31が当接した状態となる。
このようにして、複数のコンクリート矢板10を並設することにより、図4(b)に示すように、複数のコンクリート矢板10による側壁40を掘削溝2内に配置する。さらに、側壁40と掘削溝2との隙間にコンクリート材を注入して、側壁40を掘削溝2内に固定する。
同様にして、他方の掘削溝2内にコンクリート矢板10による側壁40を固定することにより、幅員方向に所定間隔を空けて対峙している2体の側壁40,40を地盤内に構築する。
同様にして、他方の掘削溝2内にコンクリート矢板10による側壁40を固定することにより、幅員方向に所定間隔を空けて対峙している2体の側壁40,40を地盤内に構築する。
[掘削溝構築工程]
次に、図5に示すように、各側壁40,40を土留め壁と利用しながら、各側壁40,40の間を掘削して掘削溝3を構築する。ここで、側壁40,40は、平面視で波形の壁体となっており(図4(b)参照)、地盤から各側壁40,40に作用した水平応力の応力方向が分散されることから、側壁40,40の強度が十分に確保されているため、地盤の崩落を確実に防止することができる。
次に、図5に示すように、各側壁40,40を土留め壁と利用しながら、各側壁40,40の間を掘削して掘削溝3を構築する。ここで、側壁40,40は、平面視で波形の壁体となっており(図4(b)参照)、地盤から各側壁40,40に作用した水平応力の応力方向が分散されることから、側壁40,40の強度が十分に確保されているため、地盤の崩落を確実に防止することができる。
[コンクリート矢板接合工程]
また、掘削溝2の掘進に伴って、各コンクリート矢板10の継手部20a,20bの取付孔24,24が上方から順次に地盤から露出することになる。
そして、図3に示すように、隣り合うコンクリート矢板10,10の取付孔24,24にボルト部材50を挿通させ、ボルト部材50の両端部を各コンクリート矢板10,10の凹溝14,14内に突出させる。
さらに、ボルト部材50の両端部にナット部材51を螺着させて、ボルト部材50の両端部を凹溝14内に定着させることにより、ボルト部材50を緊張させる。このとき、 ナット部材51の螺着作業は、開口部が掘削溝2の内方に向けて配置されている凹溝14内で行うことができるため、ボルト部材50を簡易に緊張させることができる。
また、掘削溝2の掘進に伴って、各コンクリート矢板10の継手部20a,20bの取付孔24,24が上方から順次に地盤から露出することになる。
そして、図3に示すように、隣り合うコンクリート矢板10,10の取付孔24,24にボルト部材50を挿通させ、ボルト部材50の両端部を各コンクリート矢板10,10の凹溝14,14内に突出させる。
さらに、ボルト部材50の両端部にナット部材51を螺着させて、ボルト部材50の両端部を凹溝14内に定着させることにより、ボルト部材50を緊張させる。このとき、 ナット部材51の螺着作業は、開口部が掘削溝2の内方に向けて配置されている凹溝14内で行うことができるため、ボルト部材50を簡易に緊張させることができる。
このように、コンクリート矢板10の幅方向、すなわち、他のコンクリート矢板10の接合方向と同一方向で、接合面21a,21bから凹溝14内に連通している取付孔24にボルト部材50を挿通させ、このボルト部材50の両端を隣り合うコンクリート矢板10,10に定着させることにより、ボルト部材50の緊張方向が各コンクリート矢板10,10の接合方向と同一になる。これにより、ボルト部材50の緊張力による接合力を、接合部に対して効果的に作用させることができるため、隣り合うコンクリート矢板10,10を強固に接合することができる。
また、ボルト部材50をコンクリート矢板10,10に直接定着させることができるため、隣り合うコンクリート矢板10,10の接合部に対して、ボルト部材50の緊張力を効果的に伝達することができる。
また、ボルト部材50をコンクリート矢板10,10に直接定着させることができるため、隣り合うコンクリート矢板10,10の接合部に対して、ボルト部材50の緊張力を効果的に伝達することができる。
また、隣り合うコンクリート矢板10,10が強固に接合されることにより、接合面21a,21bからの圧縮力によって、接合面21a,21bに取り付けられている円筒パッキン30および平板パッキン31を確実に弾性変形させることができるため、各パッキン30,31と接合面21a,21bとの密着性を高めることができ、接合部の止水性を高めることができる。
このようにして、各側壁40,40の上方から順次に露出した各取付孔24にボルト部材50を挿通させて、隣り合うコンクリート矢板10,10に定着させることにより、各コンクリート矢板10,10を強固に接合する。
このようにして、各側壁40,40の上方から順次に露出した各取付孔24にボルト部材50を挿通させて、隣り合うコンクリート矢板10,10に定着させることにより、各コンクリート矢板10,10を強固に接合する。
[床体接合工程]
次に、図5に示すように、掘削溝3を所定深度まで掘削し、掘削溝3の底面にコンクリート材を打設して床体4を構築し、各側壁40,40と床体4とを剛接合した後に、床体4の上面に道路5を構築して地下道路1を完成させる。
次に、図5に示すように、掘削溝3を所定深度まで掘削し、掘削溝3の底面にコンクリート材を打設して床体4を構築し、各側壁40,40と床体4とを剛接合した後に、床体4の上面に道路5を構築して地下道路1を完成させる。
したがって、本実施形態のコンクリート矢板10を用いた地下道路1の構築では、図3に示すように、隣り合うコンクリート矢板10,10に跨って設けたボルト部材50の緊張方向を、各コンクリート矢板10の接合方向と同一にすることにより、ボルト部材50の緊張力による接合力を、接合部に対して効果的に作用させることができる。これにより、隣り合うコンクリート矢板10,10を強固に接合することができるため、接合部の止水性を高めることができるとともに、接合部の強度を十分に確保することができる。
すなわち、土留め壁として用いられるとともに、地下道路1の壁体として用いられる側壁40,40(図5参照)の止水性を高めることができ、強度を十分に確保することができるため、止水性および強度が十分に確保された地下道路1を構築することができる。
さらに、隣り合うコンクリート矢板10,10に跨って設けたボルト部材50を、掘削溝3(図5参照)の内方から緊張することができ、各コンクリート矢板10,10を簡易に接合することができるため、地下道路1の施工効率を高めることができる。
すなわち、土留め壁として用いられるとともに、地下道路1の壁体として用いられる側壁40,40(図5参照)の止水性を高めることができ、強度を十分に確保することができるため、止水性および強度が十分に確保された地下道路1を構築することができる。
さらに、隣り合うコンクリート矢板10,10に跨って設けたボルト部材50を、掘削溝3(図5参照)の内方から緊張することができ、各コンクリート矢板10,10を簡易に接合することができるため、地下道路1の施工効率を高めることができる。
なお、本実施形態では、図5に示すように、コンクリート矢板10による側壁40を、掘削溝3の構築後に撤去することなく、地下道路1の壁体として用いているが、本実施形態のコンクリート矢板10では、ボルト部材50からナット部材51を取り外すことにより、隣り合うコンクリート矢板10,10の接合を簡易に解除することができるため、掘削溝3の構築後にコンクリート矢板10を撤去する構成や、側壁40の構築後にコンクリート矢板10の位置を調整する構成に対応することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態には限定されるものではない。例えば、本実施形態では、隣り合うコンクリート矢板10,10の取付孔24,24に、接合部材としてボルト部材50を挿通させているが(図3参照)、接合部材をPC鋼線によって構成してもよく、隣り合うコンクリート矢板10,10の接合力を十分に確保することができるのであれば、接合部材の構成は限定されるものではない。
また、コンクリート矢板10の継手部20a,20bに設けられた取付孔24の数、およびその間隔は限定されるものではなく、隣り合うコンクリート矢板10,10が確実に接合されるようにして設定されるものである。
さらに、隣り合うコンクリート矢板10,10の接合部に取り付けられる止水部材は、ゴム製のパッキン30,31に限定されるものではなく、水膨張シール材など、各種材質を用いることができ、その形状や構成も限定されるものではない。
また、コンクリート矢板10の継手部20a,20bに設けられた取付孔24の数、およびその間隔は限定されるものではなく、隣り合うコンクリート矢板10,10が確実に接合されるようにして設定されるものである。
さらに、隣り合うコンクリート矢板10,10の接合部に取り付けられる止水部材は、ゴム製のパッキン30,31に限定されるものではなく、水膨張シール材など、各種材質を用いることができ、その形状や構成も限定されるものではない。
1 地下道路
2 掘削溝
10 コンクリート矢板
14 凹溝
20a 継手部
20b 継手部
21a 接合面
21b 接合面
24 取付孔
40 側壁
50 ボルト部材(接合部材)
51 ナット部材
2 掘削溝
10 コンクリート矢板
14 凹溝
20a 継手部
20b 継手部
21a 接合面
21b 接合面
24 取付孔
40 側壁
50 ボルト部材(接合部材)
51 ナット部材
Claims (3)
- 構造体の構築において、土留め壁として用いられるコンクリート矢板であって、
他のコンクリート矢板が接合される接合面と、
上下方向に延長されている凹溝と、が形成されているプレキャストコンクリートによって構成されており、
前記他のコンクリート矢板の接合方向と同一方向で、前記接合面から前記凹溝内に連通している取付孔を有し、
前記取付孔に挿通させた接合部材の一端を前記凹溝内に定着させるとともに、前記接合部材の他端を前記他のコンクリート矢板に定着させて、前記接合部材を緊張させることにより、前記接合面に前記他のコンクリート矢板を接合可能であることを特徴とするコンクリート矢板。 - 前記接合部材はボルト部材であり、
前記凹溝内に突出させた前記ボルト部材の一端にナット部材を螺着させることにより、前記ボルト部材の一端が前記凹溝内に定着するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート矢板。 - 前記接合面には、弾性体からなる止水部材を取り付け可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンクリート矢板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004160730A JP2005336948A (ja) | 2004-05-31 | 2004-05-31 | コンクリート矢板 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2005336948A true JP2005336948A (ja) | 2005-12-08 |
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ID=35490812
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JP2004160730A Withdrawn JP2005336948A (ja) | 2004-05-31 | 2004-05-31 | コンクリート矢板 |
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-
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- 2004-05-31 JP JP2004160730A patent/JP2005336948A/ja not_active Withdrawn
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