JP2005336405A - 水分散型ポリウレタン組成物及びこれを用いた水性接着剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポリウレタン(A)、親水基としてポリエチレンオキサイド鎖を有し、エチレンオキサイドの含有量が40〜99質量%であり、数平均分子量が3000〜40000であるノニオン性界面活性剤(N)を含有してなるノニオン性乳化剤成分(B)、及び水(C)からなり、硬化剤であるポリイソシアネート誘導体(D)と混合又は接触させることで接着剤として使用する接着剤用水分散型ポリウレタン組成物。
【選択図】 なし
Description
これらのフィルムの接着剤としては、通常、有機溶剤を用いた接着剤が使用されているが、作業環境、大気汚染の環境面の問題や、火災の危険性、作業時の曝露、貯蔵等の安全面の問題を有している。そのため、ポリウレタン系の水分散型樹脂を用いた水性接着剤が検討されている。
また、特許文献2には、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物からなるノニオン性界面活性剤を使用した水系ポリウレタン樹脂を用いたポリアミドフィルム用接着剤が報告されている。
また、特許文献3には、高分子ポリオール、カルボキシル基含有化合物、ポリイソシアネート、中和剤から得られるポリウレタンエマルジョンを用いた水性接着剤が報告されている。
また、本発明の第2は、ノニオン性界面活性剤のエチレンオキサイドの含有量が60〜99質量%である第1の発明に記載の接着剤用水分散型ポリウレタン組成物を提供する。
また、本発明の第3は、ノニオン性界面活性剤がポリアルキレングリコールのエチレンオキサイド付加物である第1又は第2の発明に記載の接着剤用水分散型ポリウレタン組成物を提供する。
また、本発明の第4は、ポリアルキレングリコールが炭素数2〜8のアルキレングリコールのプロピレンオキサイド付加物である第3の発明に記載の接着剤用水分散型ポリウレタン組成物を提供する。
また、本発明の第5は、ポリウレタン(A)が、ジイソシアネートを必須成分とし、他のポリイソシアネート化合物を任意成分としてなるポリイソシアネート成分(a)、数平均分子量300〜5000のジオール化合物を必須成分とし、他のポリオール化合物を任意成分としてなるポリオール成分(b)から得られるものである第1〜4の発明のいずれかに記載の接着剤用水分散型ポリウレタン組成物を提供する。
また、本発明の第6は、第1〜5の発明のいずれかに記載の水分散型ポリウレタン組成物及び硬化剤であるポリイソシネート誘導体(D)からなる水性接着剤を提供する。
本発明に係るノニオン性乳化剤成分(B)は、必須成分としてノニオン性界面活性剤(N)を1種類又は2種類以上含有してなるものであり、必要に応じて他のノニオン性活性剤(N’)を任意成分として含有してもよい。
ノニオン型界面活性剤(N)は、親水基としてポリエチレンオキサイド鎖を有し、エチレンオキサイドの含有量が40〜99質量%、数平均分子量が3000〜40000である。エチレンオキサイドの含有量や数平均分子量が上記範囲外であるとポリウレタン(A)に対して良好な分散性を与えることができず、得られる水性接着剤のポットライフも低下する。
ノニオン性界面活性剤(N)のエチレンオキサイドの含有量は、より良好な分散性を与えるために、60〜99質量%が好ましく、70〜99質量%がより好ましい。
数平均分子量は、より良好な分散性を与えるために、3000〜30000が好ましく、4000〜20000がより好ましい。
直鎖又は分岐を有してもよく、二重結合及び又は三重結合を有してもよいモノアルコール化合物のエチレンオキサイド付加物、直鎖又は分岐を有してもよく、二重結合及び又は三重結合を有してもよいポリオール化合物のエチレンオキサイド付加物、置換基を有してもよいモノ又はポリヒドロキシアリール化合物のエチレンオキサイド付加物、直鎖又は分岐を有してもよく、二重結合及び又は三重結合を有してもよいモノアミン化合物に炭素数3〜8のアルキレンオキサイドを付加させたものに更にエチレンオキサイドを付加させたもの、直鎖又は分岐を有してもよく、二重結合及び又は三重結合を有してもよいモノアミン化合物のエチレンオキサイド付加物、直鎖又は分岐を有してもよく、二重結合及び又は三重結合を有してもよいポリアミン化合物のエチレンオキサイド付加物、直鎖又は分岐を有してもよく、二重結合及び又は三重結合を有してもよいポリアミン化合物に炭素数3〜8のアルキレンオキサイドを付加させたものに更にエチレンオキサイドを付加させたもの。
また、上記のポリオール化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、イソプレングリコール(3−メチル−1,3−ブタンジオール)、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、オクタンジオール(2−エチル−1,3−ヘキサンジオール)、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、1,2−デカンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,2−ヘキサデカンジオール、1,2−オクタデカンジオール、1,12−オクタデカンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA、ソルバイド、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン等の低分子ジオール;これらの低分子ジオールに炭素数3〜8のアルキオキサイドを付加させたポリエーテルジオール;グリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、2,3,4−ヘキサントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、トリメチロールプロパン、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、ペンタメチルグリセリン(2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール)、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ペンタエリスリトール、1,2,3,4−ペンタンテトロール、2,3,4,5−ヘキサンテトロール、1,2,4,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ソルビタン、N,N,N',N'−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラキス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、アドニトール、アラビトール、キシリトール、トリグレセリン、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、イノシトール、ダルシトール、タロース、アロース等の低分子ポリオール;これらの低分子ポリオールに炭素数3〜8のアルキレンオキサイドを付加させたポリエーテルポリオールが挙げられる。
また、上記のモノ又はポリヒドロキシアリール化合物としては、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、t−ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、スチレン化フェノール、パラクミルフェノール、フェノール、クレゾール、ジメチルフェノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ターシャリブチルフェノール、ペンチルフェノール、ヘキシルフェノール、ヘプチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ジノニルフェノール、デシルフェノール、ウンデシルフェノール、ドデシルフェノール、フェニルフェノール、ベンジルフェノール、スチレン化フェノール、p−クミルフェノール、ビスフェノールA、臭素化ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,3−トリス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニルブタン等が挙げられる。
また、上記のポリアミン化合物としては、上記例示の低分子ポリオールのヒドロキシル基がアミン基になったものが挙げられる。
また、本発明の接着剤用ポリウレタン組成物には、必要に応じて、上記のノニオン性界面活性剤(N)以外のノニオン性界面活性剤(N’)を用いてもよい。他のノニオン性活性剤(N’)としては、例えば、上記例示の構造を有し親水基であるポリエチレンオキサイド鎖の含有量が40質量%未満であり数平均分子量が3000〜40000のノニオン性界面活性剤、上記例示の構造を有し親水基であるポリエチレンオキサイド鎖の含有量が40〜99質量%であり数平均分子量が3000未満のノニオン性界面活性剤、上記例示の構造を有し親水基であるポリエチレンオキサイド鎖の含有量が40〜99質量%であり数平均分子量が40000を超えるノニオン性界面活性剤が挙げられる。他のノニオン性界面活性剤(N’)の使用量は、ノニオン性界面活性剤(N)に対して80質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。
本発明に係るポリウレタン(A)は、乳化剤成分(B)の作用により安定に水に分散することが可能であり、硬化剤であるポリイソシアネート誘導体(D)の作用により硬化して接着機能を有するものであれば特に制限を受けず、アニオン性基、カチオン性基等のイオン性基等の親水基を有していてもよく、鎖延長剤により高分子化されたものでもよい。
ジイソシアネート化合物としては、2,4−及び/又は2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、トランス−1,4−シクロヘキシルジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−及び/又は2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リシンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。
ジオール化合物及びヒドロキシル基を3個以上有するポリオール化合物としては、低分子ポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリエステルポリカーボネートポリオール類、結晶性又は非結晶性のポリカーボネートポリオール類、ポリブタジエンポリオール、シリコーンポリオールが挙げられる。
水(C)としては、蒸留水、イオン交換水、限外ろ過水、市水、工業用水などが挙げられる。
本発明の水分散型ポリウレタン組成物の製造方法については、特に制限を受けず、周知一般の方法を適用することができる。製造方法としては、水との親和性を有する溶媒中でポリウレタン(A)を合成し、これとノニオン性乳化剤成分(B)及び水を混合して、ポリウレタンを乳化分散させる方法が好ましい。また、鎖延長反応やイオン性基中和は、ポリウレタン(A)を乳化分散する前に行っても、乳化分散と同時に行ってもよい。
また、本発明の水分散型ポリウレタン組成物中の水(C)の使用量は、特に制限を受けず任意の量を使用することができるが、ポリウレタン(A)100に対する質量比で10より小さいと安定した乳化を示さない場合があり、1000を超えるとの接着時間の遅延等の接着剤としての機能が低下する場合があるので、10〜1000が好ましく、50〜500がより好ましい。
本発明に使用する硬化剤は、ポリイソシアネート誘導体からなるものであり、ポリイソシアネート誘導体としては前記ポリイソシアネート成分(a)に例示のポリイソシアネート、水分散型ポリイソシアネートが挙げられる。これらポリイソシアネート誘導体は、水性接着剤の使用方法や硬化時間等により任意に選択することができる。また、接着剤として使用する場合は、ポリイソシアネート誘導体の他に、水、有機溶剤、界面活性剤、上記の水分散型ポリウレタン組成物で例示の各種添加剤等を用いた硬化剤組成物として用いてもよい。硬化剤組成物として使用する際の硬化剤の含有率は5質量%以上、好ましくは10質量%以上である。
プラスチックは、非発泡体又は発泡体であってもよく、立体形状又はシートやフィルムなどの平面状成形体であってもよい。特にシート又はフィルムに好適である。
フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、アイオノマーなどのオレフィン系ポリマーフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル(特にポリアルキレンテレフタレートフィルム)、ナイロンフィルム、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体などのスチレン系フィルム、脂肪族ポリエステル系生分解性フィルム、ポリカーボネートフィルム、酢酸セルロースなどのセルロース系フィルム、これらのフィルムにポリ塩化ビニリデン系樹脂をコートしたフィルムが挙げられる。
また、これらのフィルムにはコロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理表面、ラビング処理等の接着性改善のための表面処理が施されていてもよい。
以下、製造実施例、製造比較例、評価例、実施例等をもって本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例等によって何ら制限を受けるものではない。
以下、平均分子量は数平均分子量を示す。
ウレタン結合濃度はポリウレタン固形分1000g当たりのウレタン結合のモル数で、合成配合からの算出値である。
平均粒径は、レーザー回折法によって測定した。
ポリオール成分(b)として平均分子量1000のポリプロピレングリコール0.50モル、ポリイソシアネート成分(a)としてトリレンジイソシアネート2.00モルを反応フラスコに仕込み、窒素気流中で90℃、2時間反応させた後、40℃まで冷却した。これに溶媒として第三ブチルアルコール60gを加え、さらに1,4−ブタンジオール1.67モルを加え、窒素気流中、85℃でイソシアネートが消失するまで攪拌し、ポリウレタン混合物を得た。
これにノニオン性乳化剤成分(B)として、下記に示したノニオン性乳化剤成分(B1)28gと水467gを加え攪拌混合して、水分散型ポリウレタン組成物:No.1を得た。
水分散型ポリウレタン組成物:No.1は、ウレタン結合濃度4、平均粒径2.4μmであった。
(ノニオン性乳化剤成分(B1))
アデカプルロニックP−84(旭電化工業社製:ポリプロピレングリコールのエチレンオキサイド付加物、平均分子量4200、エチレンオキサイド含有量40質量%)とアデカプルロニックF−108(旭電化工業社製:ポリプロピレングリコールのエチレンオキサイド付加物、平均分子量15500、エチレンオキサイド含有量80質量%)との質量比1:1の混合物。
ポリオール成分(b)として、平均分子量1000のポリプロピレングリコールに換えて、3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸から得た平均分子量1000のポリエステルポリオールを用いた以外は、上記の製造実施例1と同様の配合、方法により水分散型ポリウレタン組成物:No.2を得た。
水分散型ポリウレタン組成物:No.2は、ウレタン結合濃度4、平均粒径5.1μmであった。
ポリオール成分(b)として、平均分子量1000のポリプロピレングリコールに換えて、ネオペンチルグリコールとアジピン酸から得た平均分子量1000のポリエステルポリオールを用いた以外は、上記の製造実施例1と同様の配合、方法により水分散型ポリウレタン組成物:No.3を得た。
水分散型ポリウレタン組成物:No.3は、ウレタン結合濃度4、平均粒径6.0μmであった。
ポリオール成分(b)として、平均分子量1000のポリプロピレングリコールに換えて、平均分子量1000のポリカプロラクトンジオールを用いた以外は、上記の製造実施例1と同様の配合、方法により水分散型ポリウレタン組成物:No.4を得た。
水分散型ポリウレタン組成物:No.4は、ウレタン結合濃度4、平均粒径8.9μmであった。
ポリオール成分(b)として、平均分子量1000のポリプロピレングリコールに換えて、平均分子量1000のポリテトラメチレングリコールを用いた以外は、上記の製造実施例1と同様の配合、方法により水分散型ポリウレタン組成物:No.5を得た。
水分散型ポリウレタン組成物:No.5は、ウレタン結合濃度4、平均粒径3.8μmであった。
ノニオン性乳化剤成分(B1)を、C12〜C14の混合二級モノアルコールのエチレンオキサイド100モル付加物(B2)(理論分子量4610、エチレンオキサイド含有量96%)に換えた以外は、実施例1と同様の配合、方法により水分散型ポリウレタンNo.6を得た。
水分散型ポリウレタン組成物:No.6は、ウレタン結合濃度4、平均粒径4.6μmであった。
ノニオン性乳化剤成分(B1)を、ソフタール500(日本触媒社製:C12〜C14混合二級モノアルコールのエチレンオキサイド50モル付加物、理論分子量2400、エチレンオキサイド含有量92%)に換えた以外は、製造実施例1と同様の配合、方法により水分散型ポリウレタン組成物:比較用1を得た。
水分散型ポリウレタン組成物:比較用1は、ウレタン結合濃度4、平均粒径が15μmであった。
ノニオン性乳化剤成分(B1)を、NP−1100(旭電化工業社製:ノニルフェノールのエチレンオキサイド50モル付加物、平均分子量2400、エチレンオキサイド含有量91%)に換えた以外は、製造実施例1と同様の配合、方法により水分散型ポリウレタン組成物:比較用2を得た。
水分散型ポリウレタン組成物:比較用2は、ウレタン結合濃度4、平均粒径14μmであった。
ノニオン性乳化剤成分(B1)を、アデカプルロニックP−103(旭電化工業社製:ポリプロピレングリコールのエチレンオキサイド付加物、平均分子量4900、エチレンオキサイド含有量30質量%)に換えた以外は、製造実施例1と同様の配合、方法により水分散型ポリウレタン組成物:比較用3を得た。
水分散型ポリウレタン組成物:比較用3は、ウレタン結合濃度4、平均粒径18μmであった。
上記製造実施例1で得た水分散型ポリウレタン組成物:No.1の100質量部に対して、硬化剤(D)として、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート化3量体のイソシアネート基の1つに数平均分子量400のメトキシポリエチレングリコールを付加させた水分散性イソシアネート化合物を6質量部混合して、水性接着剤:No.1を得た。同様に上記製造実施例2〜6で得た水分散型ポリウレタン組成物:No.2〜6それぞれについて、水性接着剤:No.2〜6を得た。
また上記製造実施例1で得た水分散型ポリウレタン組成物:No.1の100質量部に対して、硬化剤(D)として、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート3量体を6質量部混合して、水性接着剤:No.7を得た。
上記製造実施例1〜6及び製造比較例1〜3で得た水分散型ポリウレタン組成物を密閉容器に入れ、50℃での保存安定性を評価した。その結果、水分散型ポリウレタン組成物:No.1〜6は、30日経っても沈殿は観察されなかったが、水分散型ポリウレタン組成物:比較用1〜3は24時間後に沈殿を生じていた。この結果、本発明の水分散型ポリウレタン組成物は保存安定性が良好であることが確認できた。
上記製造実施例7で得た水性接着剤:No.1、上記製造実施例8で得た水性接着剤:No.7、及び1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート3量体のイソシアネート基の1つに平均分子量400のメトキシポリエチレングリコールを付加させた水分散性イソシアネートの12質量%水分散液(水性イソシアネート系硬化剤:C1)についてそれぞれ、製造直後と、これらを製造してから25℃で2時間放置したもののイソシアネート(NCO)基をIRにより測定し、2時間放置後のNCO基残存率(=2時間後のNCOmol/製造直後のNCOmol)を測定した。
下記表1に示す結果から、本発明の水性接着剤は、ロングポットライフを与えることが確認できた。すなわち、硬化剤と水の系である水性イソシアネート系硬化剤C1のみの場合のNCO基残存率よりも、本発明の水分散型ポリウレタン組成物に係る接着剤の方がNCO基残存率が高いことが分かる。
上記水性接着剤:No.1及び水性接着剤:No.7について、以下の方法により、接着性評価を行った。結果を表2に示す。
(評価方法)
コロナ放電処理した延伸ポリプロピレンフィルムの処理面に、バーコーダーを用いて上記水性接着剤を乾燥膜厚が3μmになるように塗工後、ヘアドライヤーを用いて15秒乾燥した。これにコロナ放電処理した未延伸キャストポリプロピレンフィルムの処理面を重ねた後、50℃、0.3MPa、30秒の条件で圧着し、40℃、3日間放置して接着サンプルを得た。水性接着剤:No.1を用いた接着サンプルをS1、水性接着剤:No.7を用いた接着サンプルをS7とする。
得られた接着サンプルについて、ボイル試験(沸騰水中30分)とレトルト試験(120℃水蒸気中30分)を行った後の180°T型剥離試験(JIS K6854−3;サンプル幅:25mm、引張速度:100mm/分、測定雰囲気:25℃×50%RH))を行った。
この結果、本発明の水性接着剤は、充分な接着強度を与えることが確認できた。
Claims (6)
- ポリウレタン(A)、親水基としてポリエチレンオキサイド鎖を有し、エチレンオキサイドの含有量が40〜99質量%であり、数平均分子量が3000〜40000であるノニオン性界面活性剤(N)を含有してなるノニオン性乳化剤成分(B)、及び水(C)からなり、硬化剤であるポリイソシアネート誘導体(D)と混合又は接触させることで接着剤として使用する接着剤用水分散型ポリウレタン組成物。
- ノニオン性界面活性剤(N)のエチレンオキサイドの含有量が60〜99質量%である請求項1に記載の接着剤用水分散型ポリウレタン組成物。
- ノニオン性界面活性剤(N)がポリアルキレングリコールのエチレンオキサイド付加物である請求項1又は2に記載の接着剤用水分散型ポリウレタン組成物。
- ポリアルキレングリコールが炭素数2〜8のアルキレングリコールのプロピレンオキサイド付加物である請求項3に記載の接着剤用水分散型ポリウレタン組成物。
- ポリウレタン(A)が、ジイソシアネート化合物を必須成分とし、他のポリイソシアネート化合物を任意成分としてなるポリイソシアネート成分(a)、数平均分子量300〜5000のジオール化合物を必須成分とし、他のポリオール化合物を任意成分としてなるポリオール成分(b)から得られるものである請求項1〜4のいずれかに記載の接着剤用水分散型ポリウレタン組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の水分散型ポリウレタン組成物及び硬化剤であるポリイソシネート誘導体(D)からなる水性接着剤。
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