JP2005336402A - 薬物送達用高分子ドラッグキャリヤーシステム - Google Patents

薬物送達用高分子ドラッグキャリヤーシステム Download PDF

Info

Publication number
JP2005336402A
JP2005336402A JP2004159872A JP2004159872A JP2005336402A JP 2005336402 A JP2005336402 A JP 2005336402A JP 2004159872 A JP2004159872 A JP 2004159872A JP 2004159872 A JP2004159872 A JP 2004159872A JP 2005336402 A JP2005336402 A JP 2005336402A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
poly
alkyl
group
phenyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004159872A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4344279B2 (ja
Inventor
Masayuki Yokoyama
昌幸 横山
Mitsuo Okano
光夫 岡野
Yoshie Yonetani
芳枝 米谷
Hisami Kawano
久美 川野
Opanasopit Praneet
プラニート・オパナソピット
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanagawa Academy of Science and Technology
Original Assignee
Kanagawa Academy of Science and Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanagawa Academy of Science and Technology filed Critical Kanagawa Academy of Science and Technology
Priority to JP2004159872A priority Critical patent/JP4344279B2/ja
Publication of JP2005336402A publication Critical patent/JP2005336402A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4344279B2 publication Critical patent/JP4344279B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】 安定に非水溶性薬物を封入できる薬物送達用の高分子ドラッグキャリヤーシステムの提供。
【解決手段】AB型のブロックコポリマーであって、カルボキシル基を側鎖に担持するポリマー鎖セグメントの、カルボキシル基のエステル化によって、効率よく高分子ドラッグキャリヤーシステムに使用できる、ブロックコポリマーの製造、及び該ポリマーの有効な使用が提供される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、薬物送達用のキャリヤーとして有用な高分子、特に、親水性ポリマー鎖セグメントとポリアミノ酸誘導体セグメントを含むブロックコポリマー、及びその使用、並びにそのブロックコポリマーの製造方法に関する。
薬物送達もしくはターゲティングとは、「薬物治療が必要な部位に選択的に薬物を送りこみ働かせること」と定義され、該ターゲティングによって、薬物治療が必要な部位での薬物濃度が高められるために、目的とする薬理作用が増強される一方、他の部位への送達量を少なくすることで副作用を著しく軽減することが可能となる。特に、副作用が大きいことが治療上の重大な問題になっている、抗がん剤などにおいて薬物ターゲティングの必要性が認識されている。薬物ターゲティングは薬物を標的に運搬するキャリヤーを用いて薬物を治療が必要な部位に送達して働かせることによって達成される。このようなキャリヤーの中で、高分子ミセルは数々の優れた特長を有していることで注目を集めている。高分子ミセルとは、主としてAB型のブロックコポリマーなどが多数会合して形成されるもので、内核(またはコア)と外殻(シェル)の2相構造となっていて、通常、水性媒質中でサブミクロンの直径を有する球状の構造体である。
高分子ミセルドラッグキャリヤーシステムの数々の特長の中でも、医学での応用に際して重要なことには、疎水性もしくは非水溶性薬物への適用性があり、疎水性または非水溶性もしくは難水溶性薬物を含量高く、システムの水溶性を失うことなく封入できることである。封入方法には、内核構成高分子鎖に薬物分子を化学的に結合する方法と、疎水性内核に薬物を封入する方法がある。疎水性や非水溶性もしくは難水溶性薬物のミセル内核への物理的な封入は、内核構成高分子鎖と薬物の相互作用により達成される。この相互作用は疎水性相互作用が主たるものと考えられるが、これに加えて水素結合やπーπ相互作用なども封入に寄与することが考えられている。
このような高分子ミセルを形成する典型的なAB型のブロックコポリマーとしては、親水性ポリマー鎖セグメントがポリ(エチレンオキシド)からなり、疎水性ポリマー鎖セグメントが疎水性ポリアミノ酸からなるもが挙げられる(例えば、特許文献1及び2参照)。これらでは、高分子ミセルの内核を構成するポリマー鎖の疎水性の強さが薬物封入についての重要な因子として認識されている。特に、特許文献2では、特許文献1における疎水性セグメントを構成するポリ(ベンジルアスパラギン酸)のベンジル基を酸触媒の存在下に高級アルコールで部分的にエステル交換して高分子ミセルの内核の疎水性を高め、タキソールやカンプトテシン等の難水溶性薬物の高分子ミセル内核への物理的な封入を行っている。他方、特許文献2とは異なり、カンプトテシン誘導体であるN,N−ジメチルアミノメチル基を導入して水溶性を高めたトポテカンを高分子ミセル内核へ物理的に封入するのに、ポリ(ベンジルアスパラギン酸)セグメント(αアミド型)のベンジル基を酸部分加水分解して一部のカルボキシル基を遊離型にしたものを使用することも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特許第2777530号公報(第4頁、式〔III〕) 特開平11−335267号公報(第8頁) 特開2003−342167号(第7頁)
以上に述べた特許文献2及び3からは、ポリマー側鎖のカルボキシル基のエステルの形態及びカルボキシル基の割合により薬物の高分子ミセル内核への封入特性が変動しうることが示唆される。しかし、例えば、特許文献2及び3に記載のポリ(ベンジルアスパラギン酸)セグメントのベンジル基の部分加水分解では、必ずしも、所望のエステル部分加水分解率を達成することが困難なことがよくある。また、こうような部分加水分解により得られるポリマー組成物は、ポリマーの分子レベルで考慮すると、例えば、100%のエステルが加水分解したものと未分解のままの分子の混合物として、見かけ上一定の加水分解率を示すこともあるようである。
他方、従来、一般的にポリマーの側鎖のカルボキシル基にエステル形成するためには、カルボジイミド類のカップリング剤によって、ポリマー側鎖のカルボキシル基を反応性の高い活性状態にしておき、それに対して水酸基を持った化合物を反応させていた。しかし、この従来法では、2つのカルボキシル基がカップリング剤によって反応して酸無水物となる過程が含まれるが、高分子であることでポリマー側鎖の全て或いは大多数のカルボキシル基が酸無水物を経てエステルとなることは困難である。なぜなら、エステル化反応が進行してポリマー上に未反応のカルボキシル基が少なくなってくると、一つのポリマー分子上の反応すべき二つのカルボキシル基の距離が大きくなり、その二つが近づいて反応する確率が小さくなる。また、異なる2本のポリマー中のカルボキシル基が近づいて反応することは、ポリマー鎖の拡散が低分子に比べて著しく遅いことから、困難である。
ところが、ここに、有機強塩基を触媒に用いてハロゲン化合物の置換反応を行うことにより高エステル化率のポリマーを製造しうることを見出した。
また、こうして得られた一定のエステル化率を有するポリマーは、遊離のカルボキシル基が存在していても、非水溶性もしくは難水溶性薬物のミセル内核への物理的な封入を効率よく達成することができ、しかも生理学的条件下で安定に維持できる薬物内包ミセルを提供できることも見出した。
こうして、本発明によれば、一般式(1)

X−<H.philic>−block−<Carbo-E>−Z (1)

式中、<H.philic> はポリ(エチレンオキシド)、ポリ(ビニルアルコール)及びポリ(ビニルピロリドン)からなる群より選ばれるポリマーの親水性ポリマー鎖セグメントを表し、<Carbo-E> はポリ(αアミド型−アスパラギン酸)、ポリ(βアミド型−アスパラギン酸)、ポリ(αアミド型,βアミド型−アスパラギン酸)、ポリ(αアミド型−グルタミン酸)及びポリ(γアミド型−グルタミン酸)から選ばれるポリマーのアミノ酸ポリマー鎖セグメントであって、総カルボキシル基の少なくとも40%が式
Figure 2005336402
(ここで、Rは水素原子もしくはフェニル基を表し、RはC−C17アルキル、フェニル、p-,m-もしくはo-ビフェニル、または1もしくは2−ナフチルを表し、フェニル及びナフチルのベンゼン環はC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、フッ素、塩素、ジアゾ、カルバモイル、ヒドロキシ、カルボキシ、C−Cアルコキシカルボニル、アミノ及びモノ−もしくはジ−C−Cアルキルアミノからなる群より選ばれる置換基1乃至4個まで置換されていてもよく、aは0乃至4の整数を表す)のエステル結合を形成しているアミノ酸ポリマー鎖セグメントを表し、
Xは水素原子、C−Cアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシ−C−Cアルキル、アセタールもしくはケタール化ホルミル、アセタールもしくはケタール化ホルミル−C−Cアルキル、アミノ、アミノ−C−Cアルキルまたはベンジル基を表し、そして
Zは水素原子、C−Cアルキル、フェニル−C−Cアルキル、C−Cアルキルフェニル、C−Cアルコキシカルボニル、フェニル−C−Cアルコキシカルボニル、C−Cアルキルアミノカルボニル、またはフェニル−C−Cアルキルアミノカルボニル基を表す、
のブロックコポリマーの製造方法であって、
一般式(1

X−<H.philic−Pre>−block−<Carbo>−Z (1

式中、<H.philic−Pre> はポリ(エチレンオキシド)、ポリ(ビニルアルコール)もしくはポリ(酢酸ビニル)及びポリ(ビニルピロリドン)からなる群より選ばれるポリマーの親水性ポリマー鎖セグメントまたはその前駆セグメントを表し、<Carbo> はポリ(αアミド型−アスパラギン酸)、ポリ(βアミド型−アスパラギン酸)、ポリ(αアミド型及びβアミド型−アスパラギン酸)、ポリ(αアミド型−グルタミン酸)及びポリ(γアミド型−グルタミン酸)から選ばれるポリマーのアミノ酸ポリマー鎖セグメントを表し、そしてX及びZは一般式(1)について定義したのと同義である、
のブロックコポリマーを、溶液中、有機強塩基の存在下で、一般式(2)
Figure 2005336402
式中、haloは塩素、臭素またはヨウ素を表し、R,R及びaは一般式(1)について定義したのと同義である、
のハロゲン化物と反応させることを特徴とする一般式(1)で表されるブロックコポリマーの製造方法が提供される。
また、別の態様の本発明として、都合よくは前記の方法で製造される、上記の一般式(1)で表されるブロックコポリマーを含んでなる薬物担持用キャリヤーも提供される。
さらなる別の態様の本発明として、 式(1A−1)及び(1A−2):
Figure 2005336402
上記各式中、Xは水素原子、C−Cアルキル、ヒドロキシ−C−Cアルキル、アセタールもしくはケタール化ホルミル−C−Cアルキル、アミノ−C−Cアルキルまたはベンジル基を表し、そして
Zは水素原子、C−Cアルキル、フェニル−C−Cアルキル、C−Cアルキルフェニル、C−Cアルコキシカルボニル、フェニル−C−Cアルコキシカルボニル、C−Cアルキルアミノカルボニル、またはフェニル−C−Cアルキルアミノカルボニル基を表す、
Rは水素原子または式(3):
Figure 2005336402
(ここで、Rは水素原子もしくはフェニル基を表し、RはC−C17アルキル、フェニル、p-,m-もしくはo-ビフェニル、または1もしくは2−ナフチルを表し、フェニル及びナフチルのベンゼン環はC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、フッ素、塩素、ジアゾ、カルバモイル、ヒドロキシ、カルボキシ、C−Cアルコキシカルボニル、アミノ及びモノ−もしくはジ−C−Cアルキルアミノからなる群より選ばれる置換基1乃至4個まで置換されていてもよく、aは0乃至4の整数を表す)の基を表し、式(3)の基は総Rの少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%、より好ましく少なくとも55%を占め、p及びqは相互に独立して1乃至300の整数であるが、p+qは350までであり、Yは−NH−または−R−(CH)−R−を表し、RはOCO、OCONH、NHCO、NHCONH、COOまたはCONHを表し、RはNHまたはOを表し、YはCOまたは−R−(CH)−R−を表し、RはOCO、OCONH、NHCO、NHCONH、COOまたはCONHを表し、RはCOを表し、そしてrは1乃至6の整数を表し、そしてsは0乃至6の整数を表す、のブロックコポリマーも提供される。
[発明の効果]
本発明のブロックコポリマーの製造方法は、ポリマー側鎖のカルボキシル基のエステル化を効果的に行うことが出来、また、当該ブロックコポリマー、特に、ポリマーそれ自体の提供を意図するブロックコポリマー、を含んでなる薬物担持用キャリヤーでは、未だ、遊離のカルボキシル基が残存していても、非水溶性もしくは難水溶性薬物、特に、ベンゼン環に富んだ構造を有する薬物を効率よく封入でき、しかも薬物内包高分子ミセルの生理学的条件下での安定性を有意に高めることができる。
このことは、理論により本発明を限定するものではないが、次のように理解できる。上記したとおり、薬物を高分子ミセルの内核に封入する際には、ポリマー鎖と薬物の疎水性相互作用、水素結合またはπ−π相互作用の寄与が考えられてきた。しかし、ミセル内核構成ポリマー鎖の、疎水性以外の物性(例えばポリマー鎖の流動性など)や、疎水基の配置や薬物分子との形状とのかみ合せなどの立体的要因も重要である可能性がある。本発明によれば、高分子ミセルの内核を形成するポリマー鎖の化学構造を系統的に変化させることで、疎水性薬物の物理的封入に寄与する要因のうち、疎水性の強さ以外の要因にもよる物理的封入がより好ましいブロックコポリマー構造が提供される。具体的には、例えば、ベンゼン環に富んだ構造を有するカンプトテシンを封入する場合に、ベンゼン環を疎水基として有するブロックコポリマーのベンゼン環の配置を調整することによりカンプトテシンの封入安定性が高い高分子ミセルが得られる。また、ミセル内核構成高分子鎖の疎水基の立体配置については、β−アミド型のアスパラギン酸残基に富むブロックコポリマーを用いることで、疎水基のベンジル基の高分子鎖上の間隔をαーアミド型の場合よりも大きくすることで安定にカンプトテシンを封入することができたものと理解できる。
<発明の具体的な説明>
本発明の説明に関して使用するC−CアルキルまたはC−Cアルコキシ等の基中のアルキル部分は、炭素原子数が1乃至6のアルキルであり、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−ヘキシル等を意味する。また、本明細書で用いる結合または連結基は、示されている方向性を以って各基またはセグメントもしくはブロックを結合または連結しているものと理解されている。また、前記のRについて定義に関してとることのできるC18までのアルキル基の例は、上記のものに加えて、分岐していてもよいオクタデカン、ヘプタデカン、テトラデカン、ウンデカン、ノナン等を挙げることができる。
本明細書で用いる結合または連結基は、示されている方向性を以って各基またはセグメントもしくはブロックが結合もしくは連結されているものと理解される。例えば、式(1A −1)を参照すれば、(CH−Y−(CO におけるYが−R−(CH)−R−を表す場合、Rが(CHに結合することを意味する。
一般式(1)で表されるブロックコポリマーを製造するのに使用できる一般式(1)で表されるブロックコポリマーは、X−<H.philic−Pre>に相当する、場合により片末端がXに対応するように修飾されたポリ(エチレンオキシド)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(酢酸ビニル)またはポリ(ビニルピロリドン)を用意し、他方、<Carbo>−Zに相当する、場合により片末端がZに対応するように修飾されたポリ(αアミド型−アスパラギン酸)、ポリ(βアミド型−アスパラギン酸)、ポリ(αアミド型及びβ型−アスパラギン酸)、ポリ(αアミド型−グルタミン酸)またはポリ(γアミド型−グルタミン酸)を用意し、両者をそれ自体公知の結合反応に供して取得できる。他方、親水性ポリマー鎖セグメントに対応するポリマーを用意し、必要により適当な官能基をω−末端に導入した後、その末端官能基を利用して、それ自体公知の、逐次的な鎖長の伸長反応を実施して、所期のポリマミノ酸が導入された一般式(1)で表されるブロックコポリマーを取得できる。例えば、特許文献1に記載の方法で取得した各アミノ酸の対応するベンジルエステル化物を、アルカリまたは酸化水分解に供して実質的に全てのベンジル基を脱離させて遊離のカルボン酸とすることにより一般式(1)で表されるブロックコポリマーを提供することができる。なお、ポリ(γアミド型−グルタミン酸)は、バチルス属(Bacillus)の細菌が生産するものを、利用してもよい。
ポリ(β―ベンジル アスパラギン酸)のポリマー鎖は、ベンジルエステル結合をアルカリ化水分解すると、通常、主鎖の約75%がβ−アミド化し、例えば、式(1A −1)のRが水素原子を表すような、αアミド型−アスパラギン酸単位とβアミド型−アスパラギン酸単位とがランダムに混在するポリマー鎖になる。他方、上記のアルカリ加水分解に代え、酸加水分解すると、αアミド型−アスパラギン酸単位のみからなる一般式(1)で表されるブロックコポリマーを提供することができる。
また、ポリ(ビニルアルコール)は公知方法で製造したポリ(酢酸ビニル)からの加水分解により得たものを利用するか、場合によっては、ポリ(酢酸ビニル)のポリマー鎖のまま、もう一方のアミノ酸のポリマー鎖のエステル化を行った後にポリ(ビニルアルコール)化してもよい。また、ポリ(ビニルピロリドン)もそれ自体公知のラジカル重合により得たものを利用できる。これらのポリマーの片末端に各種のX基を担持させるには、例えば、アセタールもしくはケタール化ホルミル等は、WO96/33233に記載の方法を参考にすることができる。
こうして用意されるブロックコポリマーを、溶液中、有機強塩基の存在下で、一般式(2)
Figure 2005336402
式中、haloは塩素、臭素またはヨウ素を表し、R,R及びaは一般式(1)について定義したのと同義である、
のハロゲン化物と適当な条件下で反応させることにより、総カルボキシル基の少なくとも40%をエステル化することができる。このような条件は、限定されるものでないが、好ましくは、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、等の双極性非プロトン性溶媒(場合により、クロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素を混合してもよい)を用い、溶媒の沸点以下の温度で、上記の所望のエステル化が進行するまで反応させる。
本反応で、必須であるのは、触媒として、有機強塩基を使用することである。有機強塩基としては、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0] 7−ウンデセン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン―5−エン(DBN)、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(TBD)、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(MTBD)、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(TMP)等を挙げることができる。
一般式(2)で表されるハロゲン化物の典型的なものとしては、限定されるものでないが、臭化ベンジル、臭化n−ブチル、ヨウ化n−ブチル、臭化ラウリル、(2−ブロモメチル)ナフタレン、(2−ブロモエチル)ベンゼン、1−ブロモ−3−フェニルプロパン、4−フェニルベンジルクロリド、4−ブロモビフェニル、ブロモジフェニルメタン、2−フェニルベンジルブロミドを挙げることができる。
こうして得られる一般式(1)のブロックコポリマーは、具体的には、<Carbo-E>−Zが、式(A−1)、式(A−2)、式(B−1)、式(B−1)、式(C−1)、式(C−1)、式(D−1)及び式(D−2):
Figure 2005336402
Figure 2005336402
〔上記各式中、Rは水素原子または式(3):
Figure 2005336402
の基を表し(ここで、R、R及びaは、上記の一般式(1)について定義したのと同義である)、式(3)の基は総Rの少なくとも40%、好ましくは少なくとも50、より好ましくは少なくとも55%、最も好ましくは少なくとも60%を占め、p及びqは相互に独立して1乃至300の整数であるが、p+qは350までであり、そしてZは一般式(1)について定義したのと同義である〕で表されるポリアミノ酸ブロックからなる群より選ばれるものである(<Carbo-E>−Zに対応する<Carbo>−Zを有する一般式(1)の出発原料を用いる)。
さらに具体的には、一般式(1)のX−<H.philic> が、式(E):

X―(OCHCH)―(CH)− (E)

〔式中、Xは上記で一般式(1)について定義したのと同義であり、nは10乃至10,000の整数を表し、そしてsは0乃至6の整数を表す〕の親水性ポリマーブロックである、上記のブロックコポリマーが得られる(X−<H.philic>に対応するX−<H.philic−Pre>を有する一般式(1)の出発原料を用いる)。
より具体的には、上記の式(A−1)、式(A−2)、式(B−1)、式(B−1)、式(C−1)、式(C−1)、式(D−1)及び式(D−2)と、式(E)との組み合わせからなり、上記のYまたはYで表される連結基を有する下記の式(1A−1)、(1A−2)、(1B−1)、(1B−2)、(1C−1)、(1C−2)、(1D−1)及び(1D−2)からなる群より選ばれる下記の式で表されるブロックコポリマーが上記の方法により得られる。
Figure 2005336402
Figure 2005336402
上記各式中、X、Z、R、Y、 Y、n、p、q、sは上記のとおりである。
こうして都合よく取得できる、ブロックコポリマーは、薬物担持用キャリヤーとして有用である。
かような薬物としては、カンプトテシン及びその誘導体、ビンクリスチン、ビンプラスチン、ビンデシン、タキソール及びタキソレート等のその誘導体、エトポシド、マイトマイシンC、ブレオマイシン、ペプロマイシン、メソオレキセート、6−メルカプトプリン、インドメタシンを初めとする難水溶性の抗炎症剤、テトラサイクリン系抗生物質、バンコマイシンを初めとするペプチド系抗生物質、及びキノロン系抗菌剤からなる群より選ばれる薬物を挙げることができる。
したがって、本発明によれば、好ましくは、該ブロックコポリマーと該薬物を含んでなり、かかる薬物が高分子ミセルの内核に封入乃至は内包された薬物内包高分子ミセルを含んでなる組成物も提供される。薬物として、都合よく使用できるのは、ベンゼン環を含むカンプトテシン及びその誘導体(例えば、カンプトテシンの19位のエチル基が、メチル、2−ヒドロキシエチル、2−ブロモエチル基に置き換わったもの、またはカンポトテシンの9位、10位、11位、12位のいずれかの水素原子がアミノ、ヒドロキシまたはニトロに置換されたもの、10位と12位の水素原子が一緒になってメチレンジオキシによって置換されたもの、その他、特許文献3に記載のもの等)、タキソール及びタキソレート等のその誘導体を挙げることができる。
本発明によれば、具体的には後述する具体例に示すとおり、生理学的条件下で安定に保持することができ、薬物の封入率を高めた薬物内包高分子ミセルを提供できる。
該ブロックコポリマーの形成する高分子ミセルに該薬物を封入する方法はそれ自体公知の方法、例えば、具体的には後述する、(i)透析法、(ii)エマルション法、(iii)エバポレータ法、が使用できる。
また、式(1A−1)及び(1A−2)で表されるブロックコポリマーは、上記の薬物の封入に特に好ましく使用でき、また、新規な物質でもある。したがって、本発明によれば、式(1A−1)及び(1A−2)で表されるブロックコポリマーそれ自体も提供される。
こうして提供される薬物内包高分子ミセルの作用効果について、カンプトテシンを参照にさらなる説明を行う。カンプトテシンは、通常、E環と称されている位置にラクトン環を有し、ラクトン体とそれが加水分解したオープン体の両方で存在し、この2つの形態はpHに依存した平衡関係にあり、pH7.4では大部分がオープン体で存在する。この2つの形態のうちラクトン体のみに抗がん活性があり、もう一つのオープン体には抗がん活性が存在しない。本発明によれば、高分子ミセル内にカンプトテシンを封入することにより非水溶性のカンプトテシンを水溶性、つまり血液内に容易に注射できるものとし、さらにがんにターゲティングして抗がん効果を飛躍的に増大させることができる。加えて、体内に投与した後にカンプトテシンの血液中での加水分解を抑制し、その抗がん作用をもたらす活性体であるラクトン体を安定に保ことによっても抗がん効果を高めることができる。
以下、本発明の具体例を挙げながらより具体的に説明するが、本発明をこれらの具体的な態様に限定することを意図するものでない。
例1:ベンジルエステルの加水分解
(1)−1アルカリ加水分解
ポリエチレングリコールーポリ(β−ベンジル L−アスパルテート)ブロックコポリマー(以下、PEG−PBLAと略記する)のポリエチレングリコールの分子量が5,000でβ−ベンジル L−アスパルテートの重合度が27のもの3.00gを取り、0.5Nの水酸化ナトリウム水溶液をβ−ベンジル L−アスパルテートユニットに対し1.5倍モル等量加えて15分撹拌した。15分程で溶液が透明になったところで、6N塩酸をβ−ベンジル L−アスパルテートユニットに対し10倍モル等量加えた。その後、この混合液を0.1N塩酸、ついで蒸留水中で透析した。最後に凍結乾燥して、ポリエチレングリコールーポリ(アスパラギン酸)ブロックコポリマー(PEG−P(Asp))を得た。このアルカリ加水分解によって、ポリエチレングリコールーポリ(アスパラギン酸)のポリ(アスパラギン酸)部分の主鎖の約75%がβ−アミド化することが当該技術分野で確認されている。
(1)−2 酸加水分解
ポリエチレングリコールーポリ(β−ベンジル L−アスパルテート)ブロックコポリマー(以下、PEG−PBLAと略記する)のポリエチレングリコールの分子量が5,000でβ−ベンジル L−アスパルテートの重合度が27のもの0.50gを取り、5mLのトリフルオロ酢酸に溶解させた。これに、β−ベンジル L−アスパルテートユニットに対し10倍モル等量のトリフルオロメタスルホン酸、チオアニソール、m−クレゾールを加えて0℃で4時間撹拌した。反応液をその10倍容量のジエチルエーテルに滴下し、再沈した高分子を回収して、水に対して透析した。最後に凍結乾燥して、ポリエチレングリコールーポリ(アスパラギン酸)ブロックコポリマー(PEG−P(Asp))を得た。この酸加水分解によって得られたPEG−P(Asp)の、ポリアスパラギン酸部分のアミドの構造はほぼ100%(95%以上)α−アミドであることが1H−NMR測定によって確認された。
以下の例においては、断りのない限り、アルカリ加水分解で得られたポリエチレングリコールーポリ(アスパラギン酸)をエステル形成反応、カンプトテシン封入に用いている。
例2.エステル形成反応
ポリエチレングリコールーポリ(アスパラギン酸)ブロックコポリマー(PEG−P(Asp))のポリエチレングリコールの分子量が5,000でアスパラギン酸の重合度が27のもの200.0mgを取り、N,N,-ジメチルホルムアミド2.7mLに溶かした。この溶液に、臭化ベンジル116.9mgと1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]7-ウンデセン(DBU)103.9mgを加え、50℃で一晩反応させた。反応液をその約10倍の容積量のジエチルエーテルに滴下して、再沈した高分子をろ過によって回収した。この回収ポリマーを少量のジメチルスルホキシドに溶かし、アスパラギン酸残基に対し10倍量の6N HClを加えてから、水に対して透析し、凍結乾燥した。収量144.0mg。これと同様の手順で表1に示す様々なエステル化を行なった。
Figure 2005336402
表1に示すように、各種鎖長のブロックコポリマーに対し、様々な疎水性の基をエステル形成で導入することができた。特に、ベンジル基の場合に75%のエステル形成率が達成されたように、ブロックコポリマー側のアスパラギン酸残基に対して極めて高いエステル形成率が得られた。
例3.下記の3種の高分子ミセルの形成方法によるカンプトテシンの高分子ミセルへの封入効率の比較
(1)透析法
ブロックコポリマー5.0mgとカンプトテシン0.5 mgを1.0 mLのジメチルホルムスルホキシドに溶かし、蒸留水に対して1晩透析した。透析膜内に残った溶液をろ紙でろ過してミセル溶液を得た。
(2)エマルション法
ブロックコポリマー5.0mgとカンプトテシン0.5 mgを0.5 mLの塩化メチレンに溶かし、2.0 mLの蒸留水中に撹拌しながら加えた。塩化メチレンが蒸発させた後、水溶液をろ紙でろ過してミセル溶液を得た。
(3)エバポレーション法
ブロックコポリマー5.0mgとカンプトテシン0.5 mgを0.5 mLのクロロホルムに溶かして、ガラス容器に入れた。これに撹拌しながら、乾燥窒素ガスを吹き付けた。クロロホルムを蒸発させた後、蒸留水3.0mLを入れて、超音波照射を2分間行なった(Sonics&Materials社製model VC100)。この水溶液をろ紙でろ過してミセル溶液を得た。
以上の3方法で得られた高分子ミセル溶液中のカンプテテシン量を370nmの光の吸光度から600nmの光の吸光度を引いた値から求めた(モル吸光係数としては19,900を用いた)。表2にカンプトテシンの収量を示す。透析法、エマルション法の両方法では、カンプトテシンの収量は様々なブロックコポリマーを用いても低く、最高で36%であった。これに対してエバポレーション法では高い60%という値が得られた。なお、ブロックコポリマーの立て欄に記載の、例えば、「ベンジル−25」は、アスパラギン酸単位の約25%がベンジルエステルの形態にあることを意味する。以下、同様。
Figure 2005336402
例4.エバポレーション法によるカンプトテシン封入の最適化
例3で、エバポレーション法で高いカンプトテシン収率が得られたので、エバポレーション法に絞って封入効率、封入安定性を測定した。
ブロックコポリマー7.5 mgとカンプトテシン0.75 mgを0.75 mLのクロロホルムまたは0.75 mLのクロロホルムと0.5mLのアセトニトリルの混合溶媒に溶かして、ガラス容器に入れた。これに撹拌しながら、乾燥窒素ガスを吹きつけた。クロロホルムを蒸発させた後、蒸留水3.0mLを入れて、超音波照射を2分間行なった(S onics&Materials社製model VC100)。この水溶液を遠心分離し(3,000rpm,10分間)、沈んだ凝集物を除いて上澄みのみをディスク型ろ過装置(Puradisc 25NYL, Whatman社製)を通して、高分子ミセル溶液を得た。高分子ミセル溶液中のカンプテテシン量は、DMSO:蒸留水=9:1(体積割合)中で、365nmの光の吸光度から600nmの光の吸光度を引いた値から求めた。(モル吸光係数としては20,860を用いた)また、カンプトテシン封入の安定性は、ゲルろ過クロマトグラフィーによって評価した。
すなわち、高分子ミセル溶液を、Tosoh TSKgel G3000PWXLのカラムを装着した高速液体クロマトグラフ装置に注入し、その351nmの吸収で検出した3.3 mL〜4.0 mLに流出する高分子ミセルピークの大きさを求め、カンプトテシン濃度で割った値(ピーク面積/カンプトテシン濃度)の大きさで評価した。この値が大きい程封入安定性が高いことになる。
表3に示すように、用いるブロックコポリマーによってカンプトテシン収率,ピーク面積/カンプトテシン濃度の値は大きく異なった。その中でベンジル−61,ベンジル−69,(2−メチル)ナフチル−64が封入安定性が高かった(ピーク面積/カンプトテシン濃度の値が大きかった)。またこれらのポリマーではカンプトテシン収率も37%以上と良好であった。さらに、Run11とRun12で有機溶媒をクロロホルムのみと(クロロホルム+アセトニトリル)混合物の結果を比べてみると、アセトニトリルを添加したRun12の方が、カンプトテシン封入効率と封入安定性の両者で高い値が得られた。よって、以後の封入はクロロホルムとアセトニトリルの混合溶媒で行なった。
Figure 2005336402
表3に示すように、用いるブロックコポリマーによってカンプトテシン収率,ピーク面積/カンプトテシン濃度の値は大きく異なった。その中でベンジル−61,ベンジル−69,(2−メチル)ナフチル−64を用いた場合に封入安定性が高かった(ピーク面積/カンプトテシン濃度の値が大きかった)。またこれらのポリマーではカンプトテシン収率も37%以上と良好であった。さらに、Run11とRun12で有機溶媒をクロロホルムのみと(クロロホルム+アセトニトリル)混合物の結果を比べてみると、アセトニトリルを添加したRun12の方が、カンプトテシン封入効率と封入安定性の両者で高い値が得られた。よって、以後の封入はクロロホルムとアセトニトリルの混合溶媒で行なった。
次に、ベンジル−61,ベンジル−69,(2−メチル)ナフチル−64で得られた高い封入安定性が、ポリアスパラギン酸残基に含まれるβーアミドの効果であることを確かめる実験を行なった。有機溶媒の条件は表3Run12と同じ条件を用いた。結果を表4に示す。
Figure 2005336402
表4では、トリフルオロ酢酸を用いて全ポリアスパラギン酸残基の95%以上をαーアミドで占めているブロックコポリマーにベンジルエステルを66%導入したブロックコポリマーとカンプトテシンの封入挙動を比較した。封入時のカンプトテシン/ブロックコポリマーの重量比を5%、10%、20%、40%と変えたすべての場合において、封入安定性を示す値(ピーク面積/カンプトテシン濃度)はβ−アミドを約75%含むブロックコポリマー(A)の方が高かった。このブロックコポリマー(A)のベンジルエステル導入率は69%なので、β−アミドのアスパラギン酸残基は必ずベンジルエステル化している。(ベンジルエステル化しているβ−アミドアスパラギン酸残基の割合は全アスパラギン酸残基の44%〜69%の範囲である)一方,ブロックコポリマー(A)ではその95%以上がα−アミドである。以上より、βーアミド体であるベンジルエステル化アスパラギン酸残基がカンプトテシンの封入安定化に大きく寄与していることがわかる。
次に、カンプトテシン収率と封入安定性が比較的よかったベンジルエステル導入ブロックコポリマーを用いて、薬物とブロックコポリマーの比を5%〜40%に変えて、カンプトテシン収率を評価した。結果を表5に示す。ブロックコポリマーはすべて5.0 mgを使用。溶媒はCHCl3 0.5 mLとCH3CN 0.33 mLの混合溶媒を用いた。ベンジルエステルの含量が増えると、カンプトテシン収率が顕著に上昇し、ベンジル−69では非常に高い値が得られ、仕込みのカンプトテシン量がブロックコポリマーの5〜20%の範囲では95%以上であった。また、仕込み量が40%でも84%という高い収率が得られた。このrun12の場合、ブロックコポリマーが100%回収されたと仮定したときに、得られた高分子ミセルでのカンプトテシン/ブロックコポリマーの比は34%にも及ぶ。よって得られたカンプトテシン封入高分子ミセルは、34%以上という大変に大きな量のカンプトテシンを封入しながらも、良好な水溶性を有していたことは、非水溶性の薬物を安全に投与できる観点からたいへん有益な結果である。
Figure 2005336402
例5.in vitro薬物放出試験
いずれもポリエチレングリコールの分子量が5,000でアスパラギン酸の重合度が27のもののベンジル−44、ベンジル−57、ベンジル−69、ベンジル−75(以上3つのブロックコポリマーは表4に示したもの)、PEG−PBLAの5種類のブロックコポリマーを用い、表4で行なった条件のうちカンプトテシン/ブロックコポリマーの比が40%でカンプトテシンを封入したものを用いて薬物放出実験を行なった。カンプトテシン封入高分子ミセル溶液1.0mLを透析チューブ(Spectrapor 4)に入れ、pH7.4のリン酸生理緩衝液100mLに対して透析する。チューブ外の液を適時サンプリングし、その液内のカンプトテシン量は、DMSO:蒸留水=9:1(体積割合)中で、365nmの光の吸光度から600nmの光の吸光度を引いた値から求めた(モル吸光係数としては20,860を用いた)。このサンプル液内カンプトテシン量を薬物が高分子ミセルから放出した量とした。結果を図1にしめす。
PEG−PBLAでは薬物放出は非常に早く、封入しているカンプトテシン換算で7と70μg/mLの濃度で12時間以内に80%以上の薬物が放出する。一番高い400μg/mLでも24時間以内に80%以上の薬物が放出する。ベンジル−44ではPEG−PBLAよりも放出は遅く、ベンジル−57になるとさらに遅くなる。ベンジル−57で特徴的なのは薬物の放出速度が高分子ミセルの初期濃度に依存することである。初期濃度がカンプトテシン7μg/mLに比べて、553μg/mLの高濃度では顕著に放出が遅い。しかし、ベンジル−75では初期濃度に関わらず放出速度はほぼ一定であり、24時間で約50%の放出量となっている。このようなゆっくりとした放出速度は、体内で長時間血液中を循環しながらがん組織に運搬される高分子ミセルキャリヤーシステムには好適の性質と考えられる。
例6.カンプトテシンの活性体の保持効果
上述したとおり、カンプトテシンはラクトン体に抗がん活性があり、もう一つのオープン体には抗がん活性がない。これらラクトン体とオープン体の間はpHに依存した平行関係が成り立っており、pH7.4では大部分がオープン体で存在する。図2に示す様に、カンプトテシン単独ではpH7.4リン酸緩衝液中、50%牛胎児血清を含むpH7.4リン酸緩衝液中の両方で、急速にオープン体に変化してゆく。それに対して、ベンジル−69からなる高分子ミセルに封入したカンプトテシンはその活性体であるラクトン体がpH7.4リン酸緩衝液中、50%牛胎児血清を含むpH7.4リン酸緩衝液中の両方で長時間にわたって保持される。以上のことより、高分子ミセルに封入することで抗がん活性を示すラクトン体が非活性のオープン体に変換することを大幅に抑制することができることがわかった。
例7.マウスでの血液循環性測定
体重25g程度のddy雄性マウスの尾静脈にカンプトテシン50μgに相当する量を投与し、4時間後に血液を採取し、そこから血清を作成した。血清にpH1.6のリン酸を加えて酸性にして、クロロホルム:メタノール=4:1(体積)でカンプトテシンを抽出し、その量をTSK-gel ODS-80Tsカラムを用いた逆相高速液体クロマトグラフで測定した。
表6に示すように、カンプトテシンをそのまま投与した場合(非水溶性のカンプトテシンを均一溶液として投与するために脂質でエマルションにする.これは(polyethylene glycol 400 : propylene glycol : Tween80=40:58:2 , volume ratio) にCPT濃度0.26mg/mLで溶かし,超音波をかけて調製した)は、4時間後には血中には、投与量のわずか0.099%という量が血液中を循環しているにすぎない。これに対し、高分子ミセルのベンジル−57(ポリエチレングリコールの分子量が5,000でアスパラギン酸の重合度が27のもの)に封入したものでは、封入仕込み量が5、10、20%いずれの量でも3.1%から5.0%と圧倒的に多い量が血液中を循環していた。これは、高分子ミセルに内封することで、血液循環性を飛躍的に増大させた。このことは、固形がんへのターゲティングに充分な性質を有するもの考えられる。
Figure 2005336402
本発明に従い、提供されるブロックコポリマーの製造方法は、所望の含有率のカルボン酸エステルを担持させることができ、また、こうして得られるブロックコポリマーは、薬物送達用高分子ドラッグキャリヤーとして有用な特有の特長を示す。したがって、本発明は、医薬の製造産業において、好ましく、利用できる。
本発明に従う、または比較の薬物内包高分子ミセルからのin vitroでの薬物放出挙動を示す図である。図中、×印は7μg/mLの、白抜き丸印は70μg/mLの、黒塗り丸印は、それぞれ500μg/mL(ベンジル―44)、553μg/mL(ベンジル―57)、512μg/mL(ベンジル―75)及び400μg/mL(PEG-PBLA)の初期薬物濃度に関するデータによる。 本発明に従う、または比較の薬物(カンプトテシン)内包高分子ミセルを用いる活性体の保持効果を示す図である。図中、黒塗り丸印はPBS中の高分子ミセル封入カンプトテシンについての、黒塗り四角印は50%牛胎児血清中の高分子ミセル封入カンプトテシンについての、白抜き丸印はPBS中のカンプトテシン単独についての、そして白抜き四角印は50%牛胎児血清中のカンプトテシン単独についてのデータによる。

Claims (14)

  1. 一般式(1)

    X−<H.philic>−block−<Carbo-E>−Z (1)

    式中、<H.philic> はポリ(エチレンオキシド)、ポリ(ビニルアルコール)及びポリ(ビニルピロリドン)からなる群より選ばれるポリマーの親水性ポリマー鎖セグメントを表し、<Carbo-E> はポリ(αアミド型−アスパラギン酸)、ポリ(βアミド型−アスパラギン酸)、ポリ(αアミド型,βアミド型−アスパラギン酸)、ポリ(αアミド型−グルタミン酸)及びポリ(γアミド型−グルタミン酸)から選ばれるポリマーのアミノ酸ポリマー鎖セグメントであって、総カルボキシル基の少なくとも40%が式
    Figure 2005336402
    (ここで、Rは水素原子もしくはフェニル基を表し、RはC−C17アルキル、フェニル、p-,m-もしくはo-ビフェニル、または1もしくは2−ナフチルを表し、フェニル及びナフチルのベンゼン環はC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、フッ素、塩素、ジアゾ、カルバモイル、ヒドロキシ、カルボキシ、C−Cアルコキシカルボニル、アミノ及びモノ−もしくはジ−C−Cアルキルアミノからなる群より選ばれる置換基1乃至4個まで置換されていてもよく、aは0乃至4の整数を表す)のエステル結合を形成しているアミノ酸ポリマー鎖セグメントを表し、
    Xは水素原子、C−Cアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシ−C−Cアルキル、アセタールもしくはケタール化ホルミル、アセタールもしくはケタール化ホルミル−C−Cアルキル、アミノ、アミノ−C−Cアルキルまたはベンジル基を表し、そして
    Zは水素原子、C−Cアルキル、フェニル−C−Cアルキル、C−Cアルキルフェニル、C−Cアルコキシカルボニル、フェニル−C−Cアルコキシカルボニル、C−Cアルキルアミノカルボニル、またはフェニル−C−Cアルキルアミノカルボニル基を表す、
    のブロックコポリマーの製造方法であって、
    一般式(1

    X−<H.philic−Pre>−block−<Carbo>−Z (1

    式中、<H.philic−Pre> はポリ(エチレンオキシド)、ポリ(ビニルアルコール)もしくはポリ(酢酸ビニル)及びポリ(ビニルピロリドン)からなる群より選ばれるポリマーの親水性ポリマー鎖セグメントまたはその前駆セグメントを表し、<Carbo> はポリ(αアミド型−アスパラギン酸)、ポリ(βアミド型−アスパラギン酸)、ポリ(αアミド型及びβアミド型−アスパラギン酸)、ポリ(αアミド型−グルタミン酸)及びポリ(γアミド型−グルタミン酸)から選ばれるポリマーのアミノ酸ポリマー鎖セグメントを表し、そしてX及びZは一般式(1)について定義したのと同義である、
    のブロックコポリマーを、溶液中、有機強塩基の存在下で、一般式(2)
    Figure 2005336402
    式中、haloは塩素、臭素またはヨウ素を表し、R,R及びaは一般式(1)について定義したのと同義である、
    のハロゲン化物と反応させることを特徴とする一般式(1)で表されるブロックコポリマーの製造方法。
  2. 一般式(1)の<Carbo-E>−Zが、式(A−1)、式(A−2)、式(B−1)、式(B−2)、式(C−1)、式(C−2)、式(D−1)及び式(D−2):
    Figure 2005336402
    Figure 2005336402
    上記各式中、Rは水素原子または式(3):
    Figure 2005336402
    の基を表し(ここで、R、R及びaは、請求項1の一般式(1)について定義したのと同義である)、式(3)の基は総Rの少なくとも40%を占め、p及びqは相互に独立して1乃至300の整数であるが、p+qは350までであり、そしてZは一般式(1)について定義したのと同義である、で表されるポリアミノ酸ブロックからなる群より選ばれる請求項1記載のブロックコポリマーの製造方法。
  3. 一般式(1)のX−<H.philic> が、式(E):

    X―(OCHCH)―(CH)− (E)

    式中、Xは、ヒドロキシ、アセタールもしくはケタール化ホルミル及びアミノが除かれること以外、一般式(1)について定義したのと同義であり、nは10乃至10,000の整数を表し、そしてsは0乃至6の整数を表す、の親水性ポリマーブロックである、請求項1または2に記載のブロックコポリマーの製造方法。
  4. 一般式(1)のブロックコポリマーが、式(1A−1)、(1A−2)、(1B−1)、(1B−2)、(1C−1)、(1C−2)、(1D−1)及び(1D−2):
    Figure 2005336402
    Figure 2005336402
    上記各式中、R、p、q及びZは式(A−1)、式(A−2)、式(B−1)、式(B−1)、式(C−1)、式(C−1)、式(D−1)及び式(D−2)について定義したのと同義であり、Xは、ヒドロキシ、アセタールもしくはケタール化ホルミル及びアミノが除かれること以外、一般式(1)について定義したのと同義であり、そしてn及びsは式(E)について定義したのと同義であり、Yは−NH−または−R−(CH)−R−を表し、RはOCO、OCONH、NHCO、NHCONH、COOまたはCONHを表し、RはNHまたはOを表し、YはCOまたは−R−(CH)−R−を表し、RはOCO、OCONH、NHCO、NHCONH、COOまたはCONHを表し、RはCOを表し、そしてrは1乃至6の整数を表す、請求項1記載のブロックコポリマーの製造方法。
  5. 一般式(1)

    X−<H.philic>−block−<Carbo-E>−Z (1)

    式中、<H.philic> はポリ(エチレンオキシド)、ポリ(ビニルアルコール)及びポリ(ビニルピロリドン)からなる群より選ばれるポリマーの親水性ポリマー鎖セグメントを表し、<Carbo-E> はポリ(αアミド型−アスパラギン酸)、ポリ(βアミド型−アスパラギン酸)、ポリ(αアミド型,βアミド型−アスパラギン酸)、ポリ(αアミド型−グルタミン酸)及びポリ(γアミド型−グルタミン酸)から選ばれるポリマーのアミノ酸ポリマー鎖セグメントであって、総カルボキシル基の少なくとも40%が式
    Figure 2005336402
    (ここで、Rは水素原子もしくはフェニル基を表し、RはC−C17アルキル、フェニル、p-,m-もしくはo-ビフェニル、または1もしくは2−ナフチルを表し、フェニル及びナフチルのベンゼン環はC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、フッ素、塩素、ジアゾ、カルバモイル、ヒドロキシ及びアミノからなる群より選ばれる置換基1乃至4個まで置換されていてもよく、aは0乃至4の整数を表す)のエステル結合を形成しているポリマーのアミノ酸ポリマー鎖セグメントを表し、
    Xは水素原子、C−Cアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシ−C−Cアルキル、アセタールもしくはケタール化ホルミル、アセタールもしくはケタール化ホルミル−C−Cアルキル、アミノ、アミノ−C−Cアルキルまたはベンジル基を表し、そして
    Zは水素原子、C−Cアルキル、フェニル−C−Cアルキル、C−Cアルキルフェニル、C−Cアルコキシカルボニル、フェニル−C−Cアルコキシカルボニル、C−Cアルキルアミノカルボニル、またはフェニル−C−Cアルキルアミノカルボニル基を表す、
    のブロックコポリマーを含んでなる薬物担持用キャリヤー。
  6. ブロックコポリマーが、一般式(1)における<Carbo-E>−Zが、式(A−1)、式(A−2)、式(B−1)、式(B−1)、式(C−1)、式(C−1)、式(D−1)及び式(D−2):
    Figure 2005336402
    Figure 2005336402
    上記各式中、Rは水素原子または式(3):
    Figure 2005336402
    の基を表し(ここで、R、R及びaは、請求項1の一般式(1)について定義したのと同義である)、式(3)の基は総Rの少なくとも40%を占め、p及びqは相互に独立して1乃至300の整数であるが、p+qは350までであり、そしてZは一般式(1)について定義したのと同義である、で表されるポリアミノ酸ブロックからなる群より選ばれる、請求項5に記載の薬物担持用キャリヤー。
  7. ブロックコポリマーが、一般式(1)におけるX−<H.philic> が、式(E):

    X―(OCHCH)―(CH)− (E)

    式中、Xは、ヒドロキシ、アセタールもしくはケタール化ホルミル及びアミノが除かれること以外、一般式(1)について定義したのと同義であり、nは10乃至10,000の整数を表し、そしてsは0乃至6の整数を表す、の親水性ポリマーブロックである、請求項5に記載の薬物担持用キャリヤー。
  8. ブロックコポリマーが、式(1A−1)、(1A−2)、(1B−1)、(1B−2)、(1C−1)、(1C−2)、(1D−1)及び(1D−2):
    Figure 2005336402
    Figure 2005336402
    上記各式中、R、p、q及びZは式(A−1)、式(A−2)、式(B−1)、式(B−1)、式(C−1)、式(C−1)、式(D−1)及び式(D−2)について定義したのと同義であり、X、n及びsは式(E)について定義したのと同義であり、Yは−NH−または−R−(CH)−R−を表し、RはOCO、OCONH、NHCO、NHCONH、COOまたはCONHを表し、RはNHまたはOを表し、YはCOまたは−R−(CH)−R−を表し、RはOCO、OCONH、NHCO、NHCONH、COOまたはCONHを表し、RはCOを表し、そしてrは1乃至6の整数を表す、のブロックコポリマーからなる群より選ばれる請求項5に記載の薬物担持用キャリヤー。
  9. ブロックコポリマーが、式(1A−1)及び(1A−2):
    Figure 2005336402
    上記各式中、R、p、q及びZは式(A−1)及び式(A−2)について定義したのと同義であり、X、n及びsは式(E)について定義したのと同義であり、Yは−NH−または−R−(CH)−R−を表し、RはOCO、OCONH、NHCO、NHCONH、COOまたはCONHを表し、RはNHまたはOを表し、YはCOまたは−R−(CH)−R−を表し、RはOCO、OCONH、NHCO、NHCONH、COOまたはCONHを表し、RはCOを表し、そしてrは1乃至6の整数を表す、のブロックコポリマーからなる群より選ばれる請求項5に記載の薬物担持用キャリヤー。
  10. 薬物が、カンプトテシン及びその誘導体、ビンクリスチン、ビンプラスチン、ビンデシン、タキソール及びその誘導体、エトポシド、マイトマイシンC、ブレオマイシン、ペプロマイシン、メソオレキセート、6−メルカプトプリン、インドメタシンを初めとする難水溶性の抗炎症剤、テトラサイクリン系抗生物質、バンコマイシンを初めとするペプチド系抗生物質、及びキノロン系抗菌剤からなる群より選ばれる請求項5に記載の薬物担持用キャリヤー。
  11. 薬物が高分子ミセルの内核領域に担持される形態になる請求項10に記載の薬物担持用キャリヤー。
  12. 式(1A−1)及び(1A−2):
    Figure 2005336402
    上記各式中、Xは水素原子、C−Cアルキル、ヒドロキシ−C−Cアルキル、アセタールもしくはケタール化ホルミル−C−Cアルキル、アミノ−C−Cアルキルまたはベンジル基を表し、そして
    Zは水素原子、C−Cアルキル、フェニル−C−Cアルキル、C−Cアルキルフェニル、C−Cアルコキシカルボニル、フェニル−C−Cアルコキシカルボニル、C−Cアルキルアミノカルボニル、またはフェニル−C−Cアルキルアミノカルボニル基を表す、
    Rは水素原子または式(3):
    Figure 2005336402
    (ここで、Rは水素原子もしくはフェニル基を表し、RはC−C17アルキル、フェニル、p-,m-もしくはo-ビフェニル、または1もしくは2−ナフチルを表し、フェニル及びナフチルのベンゼン環はC、C−Cアルコキシ、フッ素、塩素、ジアゾ、カルバモイル、ヒドロキシ、カルボキシ、C−Cアルコキシカルボニル、アミノ及びモノ−もしくはジ−C−Cアルキルアミノからなる群より選ばれる置換基1乃至4個まで置換されていてもよく、aは0乃至4の整数を表す)の基を表し、式(3)の基は総Rの少なくとも40%を占め、p及びqは相互に独立して1乃至300の整数であるが、p+qは350までであり、Yは−NH−または−R−(CH)−R−を表し、RはOCO、OCONH、NHCO、NHCONH、COOまたはCONHを表し、RはNHまたはOを表し、YはCOまたは−R−(CH)−R−を表し、RはOCO、OCONH、NHCO、NHCONH、COOまたはCONHを表し、RはCOを表し、そしてrは1乃至6の整数を表し、そしてsは0乃至6の整数を表す、のブロックコポリマー。
  13. 式(3)の基が、総Rの少なくとも50%を占める請求項12に記載のブロックコポリマー。
  14. 式(3)の基が、ベンジルまたは2−ナフチルメチルであり、総Rの少なくとも55%を占める請求項12に記載のブロックコポリマー。
JP2004159872A 2004-05-28 2004-05-28 薬物送達用高分子ドラッグキャリヤーシステム Expired - Fee Related JP4344279B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004159872A JP4344279B2 (ja) 2004-05-28 2004-05-28 薬物送達用高分子ドラッグキャリヤーシステム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004159872A JP4344279B2 (ja) 2004-05-28 2004-05-28 薬物送達用高分子ドラッグキャリヤーシステム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005336402A true JP2005336402A (ja) 2005-12-08
JP4344279B2 JP4344279B2 (ja) 2009-10-14

Family

ID=35490315

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004159872A Expired - Fee Related JP4344279B2 (ja) 2004-05-28 2004-05-28 薬物送達用高分子ドラッグキャリヤーシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4344279B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007043486A1 (ja) * 2005-10-05 2007-04-19 Tokyo Cro, Inc. 生体適合性ブロック共重合体、その用途および製造法
WO2007066781A1 (ja) * 2005-12-05 2007-06-14 Nanocarrier Co., Ltd. フッ素系有機溶媒を用いた薬物封入ポリマーミセルを含有する医薬組成物の製造方法
WO2008010341A1 (fr) * 2006-07-18 2008-01-24 Nanocarrier Co., Ltd. Polypeptide physiologiquement actif, micelle de polymère ayant une protéine enfermée dans celle-ci, et procédé d'obtention de la micelle de polymère
JP2009275007A (ja) * 2008-05-16 2009-11-26 Ichimaru Pharcos Co Ltd ポリマーミセルからの疎水性物質の徐放方法
JP2011162452A (ja) * 2010-02-05 2011-08-25 Nano Career Kk 易崩壊型ポリマーミセル組成物
CN103965455A (zh) * 2014-05-13 2014-08-06 中国科学院化学研究所 一种负载药物的可生物降解聚合物及其制备方法和应用
CN108752597A (zh) * 2018-05-31 2018-11-06 华南理工大学 一种缩醛键骨架的超支化聚磷酸酯材料及其制备方法与应用
CN115894905A (zh) * 2022-08-30 2023-04-04 山东华铂凯盛生物科技有限公司 一种高纯度窄分子量分布的甲氧基聚乙二醇-聚(l-谷氨酸钠)的制备方法和应用

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007043486A1 (ja) * 2005-10-05 2007-04-19 Tokyo Cro, Inc. 生体適合性ブロック共重合体、その用途および製造法
JP5046957B2 (ja) * 2005-12-05 2012-10-10 ナノキャリア株式会社 フッ素系有機溶媒を用いた薬物封入ポリマーミセルを含有する医薬組成物の製造方法
WO2007066781A1 (ja) * 2005-12-05 2007-06-14 Nanocarrier Co., Ltd. フッ素系有機溶媒を用いた薬物封入ポリマーミセルを含有する医薬組成物の製造方法
WO2008010341A1 (fr) * 2006-07-18 2008-01-24 Nanocarrier Co., Ltd. Polypeptide physiologiquement actif, micelle de polymère ayant une protéine enfermée dans celle-ci, et procédé d'obtention de la micelle de polymère
JP5294858B2 (ja) * 2006-07-18 2013-09-18 ナノキャリア株式会社 生理活性ポリペプチドまたはタンパク質内包高分子ポリマーミセルおよびその製造方法
US8147868B2 (en) 2006-07-18 2012-04-03 Nanocarrier Co., Ltd. Physiologically active polypeptide- or protein-encapsulating polymer micelles, and method for production of the same
JP2009275007A (ja) * 2008-05-16 2009-11-26 Ichimaru Pharcos Co Ltd ポリマーミセルからの疎水性物質の徐放方法
JP2011162452A (ja) * 2010-02-05 2011-08-25 Nano Career Kk 易崩壊型ポリマーミセル組成物
US8574601B2 (en) 2010-02-05 2013-11-05 Nanocarrier Co., Ltd. Sustained-release polymer micelle disruptable by HDL
CN103965455A (zh) * 2014-05-13 2014-08-06 中国科学院化学研究所 一种负载药物的可生物降解聚合物及其制备方法和应用
CN108752597A (zh) * 2018-05-31 2018-11-06 华南理工大学 一种缩醛键骨架的超支化聚磷酸酯材料及其制备方法与应用
CN115894905A (zh) * 2022-08-30 2023-04-04 山东华铂凯盛生物科技有限公司 一种高纯度窄分子量分布的甲氧基聚乙二醇-聚(l-谷氨酸钠)的制备方法和应用
CN115894905B (zh) * 2022-08-30 2023-08-08 山东华铂凯盛生物科技有限公司 一种高纯度窄分子量分布的甲氧基聚乙二醇-聚(l-谷氨酸钠)的制备方法和应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP4344279B2 (ja) 2009-10-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Ramalingam et al. Improved oral delivery of resveratrol from N-trimethyl chitosan-g-palmitic acid surface-modified solid lipid nanoparticles
AU2016231567B2 (en) Nano-sized particles comprising multi-headed amphiphiles for targeted drug delivery
Peng et al. Self-assembled star-shaped chlorin-core poly (ɛ-caprolactone)–poly (ethylene glycol) diblock copolymer micelles for dual chemo-photodynamic therapies
JP5349318B2 (ja) ステロイド類の高分子結合体
Wei et al. Biodegradable poly (ɛ-caprolactone)–poly (ethylene glycol) copolymers as drug delivery system
ES2365918T3 (es) Conjugados de poliacetal-fármaco como sistema de liberación.
KR0180334B1 (ko) 블럭 공중합체 미셀을 이용한 약물전달체 및 이에 약물을 봉입하는 방법
Dhanikula et al. Influence of molecular architecture of polyether-co-polyester dendrimers on the encapsulation and release of methotrexate
JP3310000B2 (ja) 水溶性高分子抗癌剤及び薬物担持用担体
Gheybi et al. Supramolecular anticancer drug delivery systems based on linear–dendritic copolymers
WO2007074604A1 (ja) 水溶性非ペプチド性低分子薬物含有ナノ粒子
JP2015034172A (ja) タキサン含有両親媒性ブロック共重合体ミセル組成物及びその製造方法
KR100502840B1 (ko) 약물 담지능력이 우수한 블록 공중합체 미셀 조성물
KR20090009241A (ko) 포도필로톡신류의 고분자 결합체
CN102600063A (zh) 一种高载药量姜黄素胶束的制备方法
JPH08310970A (ja) 水溶性高分子化医薬製剤
JP4344279B2 (ja) 薬物送達用高分子ドラッグキャリヤーシステム
CN101543632B (zh) 一种结构精确的两亲性聚合物为载体的抗肿瘤前药及合成方法
Liu et al. A ROS-stimulus-responsive nanocarrier loading with guanidine-modified hydroxycamptothecin prodrug for enhanced anti-tumor efficacy
Meng et al. A Smart Nano‐Prodrug Platform with Reactive Drug Loading, Superb Stability, and Fast Responsive Drug Release for Targeted Cancer Therapy
JP2006188699A (ja) 両親媒性ブロック共重合体およびこれを含む医薬組成物
Yang et al. Folate-modified poly (malic acid) graft polymeric nanoparticles for targeted delivery of doxorubicin: synthesis, characterization and folate receptor expressed cell specificity
KR101419137B1 (ko) 약물전달을 위한 기체생성 약물전달체 및 이의 제조방법
Rodríguez-Acosta et al. Polymer-dendrimer hybrids as carriers of anticancer agents
JP2018145170A (ja) エモジンを担持するためのナノ粒子の新規な調製方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070205

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20070205

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070223

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070223

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090203

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090406

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090623

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090710

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120717

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120717

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120717

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130717

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130717

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130717

Year of fee payment: 4

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130717

Year of fee payment: 4

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130717

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees