JP3310000B2 - 水溶性高分子抗癌剤及び薬物担持用担体 - Google Patents

水溶性高分子抗癌剤及び薬物担持用担体

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昌幸 横山
隆 ▲勢▼藤
好美 山田
久雄 浴本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、親水性高分子構造部分
と、側鎖に抗癌性物質を結合せしめたポリグルタミン酸
構造部分とを有するブロック共重合体からなる水溶性高
分子抗癌剤及び、薬物担持用担体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の低分子の抗癌剤の多くは、その強
烈な副作用のため投与量が制限され、充分な治療効果を
あげることが困難である。また固形癌や薬剤耐性癌に対
する有効な抗癌剤が無いこと等多くの治療上の問題点が
ある。
【0003】低分子抗癌剤を高分子に結合させることに
より、抗癌剤の体内動態を改善し、副作用を抑える等、
治療上の有用性を増す試みは幾つかなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、それらの試み
に使用された高分子は単一成分からなるホモポリマーか
不均一な共重合体であり、有用な高分子抗癌剤に利用で
きる高分子担体とはいえない。例えば、Makromo
l.Chem.,Rapid Commun.8,43
1−435(1987)に示されるポリエチレングリコ
ール−ポリアスパラギン酸ブロック共重合体を担体とし
た場合は構造が単一ではない等、従来の共重合体の高分
子担体には、その均一性が充分ではないという欠点があ
る。また多くの高分子担体は、薬効を上げるために抗癌
性物質(低分子抗癌剤)の結合量を多くすると、抗癌性
物質が疎水性であるため高分子抗癌剤の水溶性が低下す
るという欠点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の高
分子抗癌剤の持つ欠点を解決するために鋭意検討した結
果、親水性高分子構造部分と側鎖に抗癌性物質を結合せ
しめたポリグルタミン酸構造部分とを有するブロック共
重合体からなる高分子抗癌剤は、親水性高分子構造部分
を外側に、疎水性の抗癌性物質結合ポリグルタミン酸構
造部分を内側にしたミセルを形成することで、抗癌性物
質の結合量を多くしてもその水溶性は低下しないこと、
化学構造的に均一性が良いこと等を見いだし本発明を完
成した。即ち、本発明は、 (1)親水性高分子構造部分と、側鎖に抗癌性物質を結
合せしめたポリグルタミン酸構造部分とを有するブロッ
ク共重合体からなる水溶性高分子抗癌剤, (2)抗癌性物質結合ポリグルタミン酸構造部分を内側
に、親水性高分子構造部分を外側とするミセルを形成す
るものである上記(1)記載の水溶性高分子抗癌剤, (3)親水性高分子構造部分が、ポリエチレングリコー
ル構造を有する上記(1)又は(2)記載の水溶性高分
子抗癌剤, (4)抗癌性物質がアドリアマイシンである上記
(1)、(2)又は(3)記載の水溶性高分子抗癌剤, (5)下記式(1)で表される上記(1)記載の水溶性
高分子抗癌剤,
【0006】
【化4】 (式中、R1 は低級アルキル基を表し、R2 は結合基を
表し、またRはそれぞれ独立して水酸基又は抗癌性物質
の残基を表し、nは5〜1,000、mは1〜300の
整数を示すが、Rの少なくとも1つは抗癌性物質の残基
を表すものとする。) (6)抗癌性物質の残基が、
【0007】
【化5】 である上記(5)記載の水溶性高分子抗癌剤, (7)R1 がメチル基である上記(5)又は(6)記載
の水溶性高分子抗癌剤, (8)R2 が炭素数2〜4のアルキレン基である上記
(5)、(6)又は(7)記載の水溶性高分子抗癌剤, (9)親水性高分子構造部分と、ポリグルタミン酸構造
部分とを有するブロック共重合体からなる薬物担持用担
体, (10)下記式(3)で表される上記(9)記載の薬物
担持用担体,
【0008】
【化6】 (式中、R1 は低級アルキル基を表し、R2 は結合基を
表し、nは5〜1,000、mは1〜300の整数を示
す。) (11)R1 がメチル基である上記(10)記載の薬物
担持用担体, (12)R2 が炭素数2〜4のアルキレン基である上記
(10)又は(11)記載の薬物担持用担体, に関する。
【0009】本発明における親水性高分子構造部分の構
造としては、例えばポリエチレングリコール、ポリサッ
カライド、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミ
ド、ポリアミノ酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル
酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、キ
トサン等の構造が挙げられるが、親水性高分子構造であ
れば特に限定されない。特に好ましい構造は、ポリエチ
レングリコール構造である。
【0010】ポリグルタミン酸構造部分に結合させる抗
癌性物質としては、アドリアマイシン、ダウノマイシ
ン、ピノルビン、メトトレキセート、マイトマイシン
C、エトポシド、シスプラチン等の抗癌性物質及びその
誘導体が挙げられるがこれらに限定されるものではな
い。
【0011】上記式(1)及び式(3)において、R2
は、本発明の水溶性高分子抗癌剤の水溶性を損なわない
限り(好ましくは、更にミセル形成能を損なわない限
り)、特に限定されず、親水性高分子構造部分の末端に
ポリグルタミン酸構造部分を形成させる際、親水性高分
子構造部分を構成することになる化合物の末端を該形成
に適した構造に変換させるために使用した方法及び化合
物に対応した構造をとり、例えばエチレン基(−CH2
CH2 −)、プロピレン基(−CH(CH3 )CH
2 −)、トリメチレン基(−CH2 CH2 CH2 −)、
ブチレン基(−CH2 CH(CH3 )CH2 −等)等の
炭素数2〜8、好ましくは炭素数2〜4のアルキレン基
等が挙げられるが特に限定されない。
【0012】本発明の水溶性高分子抗癌剤は、水溶性で
ある限りその分子量は特に限定されないが、好ましくは
1,000〜100,000、特に好ましくは5,00
0〜50,000である。
【0013】本発明の水溶性高分子抗癌剤中の、親水性
高分子構造部分と側鎖に抗癌性物質を結合せしめたポリ
グルタミン酸構造部分の割合は本発明の高分子抗癌剤の
水溶性が保たれる限り特に限定されないが、好ましくは
1:0.1〜10(重量比)、特に好ましくは1:0.
2〜5(重量比)である。前記式(1)の水溶性高分子
抗癌剤及び式(3)の薬物担持用担体において、R1
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の低級ア
ルキル基を表すが、好ましいものはメチル基である。ま
た、nは5〜1,000であるが、好ましくは15〜2
50であり、mは1〜300であるが、好ましくは10
〜100である。
【0014】本発明において、ポリグルタミン酸構造の
側鎖に結合させる抗癌性物質の量は特に限定されず、任
意の結合量とすることが可能であるが、本発明の水溶性
高分子抗癌剤中に含まれる上記側鎖に結合した抗癌性物
質の量は、通常3〜80重量%であり、好ましくは5〜
60重量%である。しかしながら、本発明の高分子抗癌
剤の水溶性が損なわれない限り、可能な限り多く結合さ
せることになんら問題はない。
【0015】本発明の水溶性高分子抗癌剤及び薬物担持
用担体は種々の方法により製造することができる。例え
ば、親水性高分子構造部分を構成することになる化合物
(例えば、ポリエチレングリコール、ポリサッカライ
ド、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリ
アミノ酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルピロリドン、キトサンある
いはこれらの誘導体)もしくはその末端を変性したもの
にグルタミン酸誘導体を重合反応させ保護基を含む場合
はその後保護基を除去するか、又は親水性高分子構造部
分を構成することになる化合物もしくはその末端を変性
したものとポリグルタミン酸もしくはグルタミン酸誘導
体のポリマーを反応させ、保護基を含む場合は保護基を
除去すること等により薬物担持用担体が得られる。
【0016】親水性高分子構造部分を構成することにな
る化合物の末端の変性は公知の方法によって行うことが
でき、例えば、水酸基をアミノ基に変換する方法として
エチレンイミン等を反応させる方法、アクリロニトリル
やメタクリロニトリル等にマイケル付加後ニトリル基を
還元しアミノ基に変換する方法、水酸基をハロゲン基に
置換した後エタノールアミン等のアルコールアミンを反
応する方法、水酸基を直接ニトリル基に変換後還元しア
ミノ基に変換する方法等で行うことができる。
【0017】また、保護基を除去する方法は、アルカリ
による方法、酸による方法及び還元による方法が可能で
あり、公知の方法により行うことができる。なお、酸に
よる方法及び還元による方法では光学活性体の共重合体
が得られる。
【0018】この薬物担持用担体に、前記側鎖に結合さ
せる抗癌性物質を反応させることにより本発明の水溶性
高分子抗癌剤が得られる。この反応は、ペプチド結合生
成法として知られる公知の常法に準じて行うことができ
る。例えば、酸塩化物法、酸無水物法、カップリング法
等が使用できるが、縮合剤を使用するカップリング法が
望ましい。ここで使用する縮合剤としては、1−エチル
−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
(EDC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプ
ロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC.HCl)、ジ
シクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、カルボニル
ジイミダゾール(CDI)、1−エトキシカルボニル−
2−エトキシ−1,2−ジヒドロキシキノリン(EED
Q)、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)等が使
用できる。この際、N−ヒドロキシサクシンイミド(H
ONSu)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HO
Bt)、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−
ジカルボン酸イミド(HONB)等中間体として活性エ
ステル構造をとることにより反応を早めさせる物質を共
存させてもよい。
【0019】以下に、ポリエチレングリコール誘導体由
来の親水性高分子構造部分とポリグルタミン酸構造部分
とからなるブロック共重合体で、アドリアマイシンをポ
リグルタミン酸の側鎖に結合させた高分子抗癌剤の場合
を例にとり、本発明をさらに詳細に説明する。
【0020】この水溶性高分子抗癌剤の合成は、以下の
反応式に示すごとく行うことができる。即ち、γ−ベン
ジル−L−グルタメート−N−カルボン酸無水物(BL
G−NCA)を、片末端にメトキシ基等のアルコキシ基
を有し、他の片末端に1級アミノ基を有するポリエチレ
ングリコール(好ましくは分子量250〜20,00
0)を開始剤として、ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキシド、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラ
ヒドロフラン、アセトニトリル、ジオキサン等の溶媒中
で開環重合させ、ポリエチレングリコール−ポリ(γ−
ベンジル−L−グルタメート)ブロック共重合体(PE
G−PBLG)を得、次いでこのPEG−PBLGのベ
ンジルエステルを加水分解して本発明の薬物担持用担体
であるポリエチレングリコール−ポリグルタミン酸ブロ
ック共重合体(PEG−P(Glu.))を得る。この
PEG−P(Glu.)に抗癌性物質のアドリアマイシ
ン塩酸塩とEDC,DCC等の縮合剤を加え、溶媒中で
反応させることにより、アドリアマイシンの1級アミノ
基とポリグルタミン酸の側鎖カルボキシル基とをアミド
結合で結合させ、水溶性高分子抗癌剤(PEG−P(G
lu.)ADR)を得る。
【0021】
【化7】 (式中、Rは水酸基あるいは
【0022】
【化8】 を表し、nは5〜1,000、mは1〜300の整数を
示すが、Rの少なくとも1つは、前記式(2)を表すも
のとする。)ポリグルタミン酸(P(Glu.))部分
の分子量は、好ましくは129から50,000まで可
変であり、また、アドリアマイシンの置換率(ポリグル
タミン酸部分のカルボキシル基の数のうちのアドリアマ
イシンが結合したカルボキシル基の割合)は例えば0.
3〜100%まで可能である。また、アドリアマイシン
の薬物担持用担体への結合率(反応器に仕込んだアドリ
アマイシンのうち反応したアドリアマイシンの割合)
は、ポリエチレングリコール−ポリアスパラギン酸ブロ
ック共重合体を用いた場合の33.3%に比べ95%以
上と著しく改良され(実施例1)、高価なアドリアマイ
シンの損失なしに本発明の水溶性高分子抗癌剤を調製す
ることができる。
【0023】本発明の水溶性高分子抗癌剤は、高いアド
リアマイシン置換率にもかかわらず良好な水溶性を有し
ており、凍結乾燥したり濃縮してもその水溶性は保たれ
ている。
【0024】本発明の水溶性高分子抗癌剤の抗癌活性
は、表1に示すように元のアドリアマイシン自体よりも
高いものである。又、アドリアマイシン結合ポリエチレ
ングリコール−ポリアスパラギン酸ブロック共重合体に
比べ低い投与量で高い抗癌活性を示す。しかもその高い
抗癌活性はアドリアマイシンよりも少ない副作用の範囲
で達成される。本発明の水溶性高分子抗癌剤は、一般的
に使用される種々の剤型、例えば固形剤、軟膏、液剤等
の形で使用しうるが、通常注射剤として使用され、その
投与量は、1週間当り1〜3回投与で、総量100〜
1,000mg/m2 /週程度である。
【0025】
【実施例】次に実施例、参考例、比較例により本発明を
具体的に説明する。
【0026】実施例1 γ−ベンジル−L−グルタメート−N−カルボン酸無水
物(BLG−NCA)5.0gをN,N′−ジメチルホ
ルムアミド(DMF)10ml、クロロホルム45mlに溶
解した。片末端メトキシ基、片末端アミノ基のポリエチ
レングリコール(分子量5,100)をクロロホルム4
5mlに溶解し、その溶液をBLG−NCA溶液に加え
た。室温で70時間反応させた後に、反応混合液をイソ
プロピルエーテル2リットルに滴下した。沈澱したポリ
マーを濾過で回収し、イソプロピルエーテルで洗浄した
後に真空乾燥してポリエチレングリコール−ポリ(γ−
ベンジル−L−グルタメート)ブロック共重合体(PE
G−PBLG)8.97g(収率98.0%)を得た。
【0027】PEG−PBLG3.5gを1N水酸化ナ
トリウムに懸濁しながら室温でベンジルエステルを加水
分解した。コポリマーが溶解した後、酢酸でpHを酸性
とし、透析膜(分画分子量=1,000)を用いて水中
で透析した。膜内の溶液を凍結乾燥してポリエチレング
リコール−ポリグルタミン酸ブロック共重合体(PEG
−P(Glu.))1.95g(収率63%)を得た。
得られた薬物担持用担体であるPEG−P(Glu.)
は前記式(3)の構造を有し、R1 はメチル基、R2
エチレン基、n=116、m=42である。
【0028】このPEG−P(Glu.)810mgを水
に溶解した。アドリアマイシン塩酸塩300mgをDMF
に溶解し、トリエチルアミン113μlを加えアドリア
マイシンを遊離させた後、PEG−P(Glu.)水溶
液を加えた。この混合溶液に1−エチル−3−(3−ジ
メチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)18
7μlを加えて、0℃で4時間反応させた。反応混合液
を透析膜(分画分子量=1,000)を用いて0.1M
酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)中で3時間透析し
た。透析後、ADVANTEC UK−10(分画分子
量=10,000)の限外濾過膜で限外濾過して、未反
応のアドリアマイシンやその他の低分子物質を除いた。
その後、膜上の溶液を凍結乾燥しアドリアマイシン結合
ポリエチレングリコール−ポリグルタミン酸(PEG−
P(Glu.)ADR)1.05gを得た。
【0029】得られた水溶性高分子抗癌剤であるPEG
−P(Glu.)ADRは前記式(1)の構造を有し、
1 はメチル基、R2 はエチレン基、n=116、m=
42でRの一部は水酸基で残りは前記残基(2)であ
り、PEG−P(Glu.)ADR中のアドリアマイシ
ンの含有率は、PEG−P(Glu.)ADRの全重量
に対して26.0重量%であり、アドリアマイシンの結
合率(使用した原料アドリアマイシン中の結合したアド
リアマイシンの割合)は99.8%であった(紫外分光
光度計で485nmの吸収より)。本ブロック共重合体を
使用した場合、公知のポリエチレングリコール−ポリア
スパラギン酸ブロック共重合体(Makromol.C
hem.Rapid Commun.8,431−43
5(1987))を担体として使用した場合の結合率3
3.3%に比べ大幅な改良が可能となった。
【0030】また、本方法でアドリアマイシンの仕込み
量を600mg及び150mgに変えることによりアドリア
マイシン結合量(含有率)がPEG−P(Glu.)A
DRの全量に対し、40.1重量%及び14.5重量%
のものを合成した。アドリアマイシン結合量の多いもの
も良好な水溶性を示した。
【0031】実施例2 実施例1で合成した水溶性高分子抗癌剤PEG−P(G
lu.)ADRのミセル径を、レーザー光散乱法により
測定した。PEG−P(Glu.)ADR(PEGの分
子量5,100、P(Glu.)の分子量5,360、
アドリアマイシンの結合量26重量%)の水中でのミセ
ル径は、50nmであった。またこの試料を2分間超音波
処理した場合、元のピークはほとんど1nmと低分子側に
移動することより、本水溶性高分子抗癌剤が水系溶媒中
でミセルを形成することが判る。
【0032】参考例1 CDF1メスのマウスの背側部皮下にマウス大腸癌Co
lon26細胞を移植し、腫瘍の体積が100mm3 前後
に達した時点から実施例1で得たPEG−P(Gl
u.)ADR(ADR結合量14.5重量%のもの)又
はアドリアマイシン塩酸塩(ADR)を4日間隔1回、
計3回静脈内に投与し、進行癌に対する効果を検討し
た。各薬剤は生理食塩水に用時溶解して用いた。なお、
PEG−P(Glu.)ADRはアドリアマイシン塩酸
塩に換算した投与量を用いた。薬剤の抗腫瘍効果は、コ
ントロールに対する各群のメディアン生存日数の比T/
C(%)と腫瘍増殖曲線から判定した。結果を表1と図
1に示す。
【0033】
【表1】 図1から明らかなように、アドリアマイシン塩酸塩(A
DR)を投与した場合、移植した腫瘍の増殖抑制効果は
認められるが腫瘍の縮小はほとんど認められないのに対
し、本発明の水溶性高分子抗癌剤を100mg/kg/
day(1回当り)投与した場合、投与30日後には5
匹中5匹で移植した腫瘍が消失した。また、後述の比較
例1との比較から明らかなように、アドリアマイシン結
合ポリエチレングリコール−ポリアスパラギン酸(PE
G−P(Asp.)ADR)に比べ、本発明の水溶性高
分子抗癌剤の場合は、半分の投与量で同様な効果が得ら
れる。
【0034】比較例1 Makromol.Chem.Rapid Commu
n.8,431−435(1987)と同様にして、ア
ドリアマイシン結合ポリエチレングリコール−ポリアス
パラギン酸(PEG−P(Asp.)ADR)を得、こ
れを用いて参考例1と同様な方法でPEG−P(As
p.)ADRの抗腫瘍効果を検討した。結果を表2と図
2に示した。
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明の水溶性高分子抗癌剤は、構造的
に均一性が良く、抗癌性物質の結合量を多くしても良好
な水溶性を有している。しかも遊離の抗癌性物質に比較
して低い毒性の範囲で高い抗腫瘍効果を示すことより、
本発明により極めて有用な医薬を提供できるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】アドリアマイシン塩酸塩又はPEG−P(Gl
u.)ADRを投与した場合のマウス大腸癌Colon
26の腫瘍増殖曲線。
【図2】アドリアマイシン塩酸塩又はPEG−P(As
p.)ADRを投与した場合のマウス大腸癌Colon
26の腫瘍増殖曲線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 則子 東京都板橋区前野町6−10 前野町ハイ ツ1−601 (72)発明者 井上 祥平 東京都豊島区千早4−18−5−206 (72)発明者 横山 昌幸 千葉県松戸市新松戸3−170、MBSハ イツB−201 (72)発明者 ▲勢▼藤 隆 群馬県前橋市下川町45−3 (72)発明者 山田 好美 群馬県多野郡新町1393−2 (72)発明者 浴本 久雄 東京都北区志茂2−11−1−803 (72)発明者 柴崎 千恵子 東京都北区東十条6−5−19−203 (56)参考文献 特開 平2−300133(JP,A) 特開 平5−117385(JP,A) 特開 平5−124969(JP,A) 特開 平3−287545(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 31/33 - 33/44 A61K 47/00 - 47/48 CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、Rは低級アルキル基を表し、Rは結合基を
    表し、またRはそれぞれ独立して水酸基又は下記式
    (2) 【化2】 を表し、Rの少なくとも1つは上記式(2)を表し、n
    は5〜1,000、mは1〜300の整数を示す)で表
    される水溶性高分子抗癌剤。
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Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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