JP2005336286A - 水性インク、並びに、インクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 - Google Patents

水性インク、並びに、インクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 インクジェット記録用に好適であり、特に普通紙に対して優れた記録特性を示す水性インク等の提供。
【解決手段】 着色剤と、20℃の水に対する溶解度が0.2〜4.5質量%であるポリオール化合物と、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩から選択される界面活性剤を含有する水性インクである。該ポリオール化合物が2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール及び2−エチル−1,3−ヘキサンジオールのいずれかである態様、前記界面活性剤が下記一般式(2)で表される態様などが好ましい。
−O−(CO)SO−M ・・・一般式(2)
前記一般式(2)中、Rは、炭化水素基を表す。Mは、アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、及びアルカノールアミンから選択されるいずれかを表す。nは、4〜21の整数である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ピエゾ方式、サーマル方式等のオンディマンド法、荷電制御方式等の連続噴射法などのインクジェット記録用に好適であり、特に普通紙に対して優れた記録特性を示す水性インク、並びに、該水性インクを用いたインクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法に関する。
液体インクをノズル等から吐出し、紙、布、フィルム等の被記録媒体上に記録を行うインクジェット方式の記録装置は、小型かつ安価であり、静寂性等の利点を有するため、家庭、学校、職場等において幅広く用いられている。
近年、レポート用紙、コピー用紙、再生紙等の普通紙に良好な印字品質が得られる黒色の単色インクジェットプリンターだけでなく、フルカラー記録が行えるフルカラーインクジェットプリンターが数多く市販されている。該フルカラーインクジェットプリンターにおいても普通紙に印刷した際の品質、特に、高画像品質(画像の滲みがないこと)であり、かつ高発色であることが要求されている。
そこで、画像の滲みを防止する方法としては、例えば、湿潤剤としてグリコールエーテル類を用いたインク(特許文献1参照)、水溶性有機溶剤を用いたインク(特許文献2参照)、及び染料溶解促進剤を用いたインク(特許文献3参照)、などが提案されている。
また、画像の堅牢性も要求され、色材として染料の代りに顔料を用い、グリコールエーテル類を利用して画像の滲みを改善したインクが提案されている(特許文献4参照)。しかし、顔料インクは染料インクに比べて保存安定性に劣り、長期保存により顔料粒子の凝集が生じてしまうという問題がある。
また、顔料粒子の分散安定性を改善するため、顔料粒子表面を改質する方法としては、例えば、カーボンブラックに水可溶化基を含む置換基をアゾカップリングする方法(特許文献5参照)、水溶性モノマー等をカーボンブラック表面に重合させる方法(特許文献6参照)、カーボンブラックを酸化処理する方法(特許文献7参照)、などが提案されている。また、表面改質した顔料とグリコールエーテル類を組み合わせて使用することにより画像の滲みを改善したインクが提案されている(特許文献8参照)。また、水溶性染料と水と、特定構造のベンジルエーテルとからなる水性記録インクが提案されている(特許文献9参照)。しかしながら、これらのインクは、安全性に問題があり、かつ環境温度により、油状物質や水難溶性、微溶性溶剤、ベンジルエーテルなどが分離してしまい、安定性が劣るという問題がある。
また、色素と液媒体とを含み、該液媒体中に60質量%以上の水及び0.2〜30質量%の炭素数7〜10のアルキレングリコールを含有するインクが提案されている(特許文献10参照)。前記炭素数7〜10のアルキレングリコールとしては、例えば、1,7−ヘプタンジオール、2,6−ヘプタンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、3−エチル−1,3−ペンタンジオール、等が挙げられる。これらの化合物をインク中に含むことにより、普通紙上におけるインクの滲み、乾燥性及び浸透性を改善し、滲みと浸透性とのバランスがとれ、目詰まり防止性においても信頼性が高いインクを提供できるとされている。しかし、これら化合物の添加では、インクの浸透性改善が不十分であり、乾燥性が低く、また紙種によっては滲みが発生しやすいという問題がある。
また、少なくとも6個の炭素原子を有し、かつ25℃の水100質量部に4.5質量部の溶解度を有する特定構造の脂肪族ジオール化合物を含有するインクが提案されている(特許文献11参照)。該脂肪族ジオール化合物としては、例えば、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオール、などが挙げられる。しかし、前記脂肪族ジオール化合物を添加したインクは十分な浸透性を有さず、カラーブリードやフェザリングが生じてしまうという問題がある。
このような状況において、本願出願人は、先に、浸透性を高める目的で2−エチル−1,3−ヘキサンジオールを含有する水性インク及びそれを用いた記録方法を提案している(特許文献12参照)。この提案によれば、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールを添加することにより、インクジェットインクとしての諸特性を満たし、浸透性、及び乾燥性に優れ、かつ画質劣化の改良された水性インク組成物が得られ、該インク組成物を用いて良好な画像形成することができる記録方法を提供することができる。
ところで、近年のめまぐるしい技術の進歩により、インクジェットプリンターの出力速度は上昇の一途であり、今後もさらなる高速化が進むことが予測される。このような状況下、インクはより一層の高速印字においても、カラーブリードを起こさず、出力後、こすっても手指を汚すことなく、即座に乾燥するものが求められる。
一般に、乾燥性の高いインクは、紙への浸透性を向上させる一方、着色剤が紙の厚み方向に侵入することにより、画像濃度の低下、裏抜け濃度が増大するという欠点を有している。とりわけ、インクジェットプリンターの発展と環境問題としての紙消費の点から、両面印字が必須になることは明らかであり、高乾燥性の一方で、両面印字を可能とする裏抜けの少ない水性インクが求められている。
このように、現在においても、インクジェットインクとしての諸特性を満足し、着色剤種や紙種に関わらず浸透性、及び乾燥性に優れ、かつ画質ならびに裏抜けの改良された水性インクジェットインクへの希求は依然として存在している。
近年、バーコード印刷、郵便などの消印印刷などの分野において、通常は視認不可能でありながら、赤外線や紫外線により記録情報を読み取ることのできるシステムも実用化されている。環境汚染の点から、これらに用いられるインクも水性化が検討されてきており、かつ、このようなシステムに必須の高速処理に対応するためには、水性でありながら、高浸透性のインクが必要である。
しかしながら、高速処理に対応するためには、インクがノズル近傍で乾燥して固着することを防止し、粘度の上昇した状態でもノズル面に付着することなく、流動性があり、目詰り、噴射方向曲がりが少なく、クリーニングして復帰させる回数を極力減らすことができるインクの開発が必要である。
また、インクジェットシステムには、泡の発生に関する問題がある。通常インクジェットインクには界面活性剤が添加されているため、インクのカートリッジへの充填時、ヘッドへのカートリッジ装着時及び装着後のインク吸引時、あるいは印字中、印字休止時に気泡を巻き込みやすく、それが原因となって、吐出不良を引き起こすことがある。
このため、気泡発生又は巻き込みを防止する目的として、例えば、JIS K3362に基づく5分後の泡の安定度が0mm(1分後の泡の安定度が5mm未満)であるインクが提案されている(特許文献13参照)。この提案によれば、吐出安定性が確保できるとされているが、炭素数5以下の低級アルキルアルコールを含有することに限定されており、汎用性がなく、またこのインク処方は浸透性が低めであり、高速印字時の画質が劣るという問題がある。
また、特定のアセチレングリコール系の界面活性剤を用いることで高浸透性を保ちつつ、かつ泡立ちの少ないインクが提案されている(特許文献14参照)。この界面活性剤は着色剤の種類によっては、着色剤と疎水性相互作用を生じるため乾燥速度が向上せず、またカーボンブラックなどの顔料を用いたインクでは顔料が凝集しやすく、ノズルの目詰まりの発生やインク噴射方向の曲がりなどが発生しやすいという問題がある。
また、界面活性剤を添加することなく乾燥速度を向上させる方法として、例えば、染料と水溶性グリコールエーテル類を含むインクが提案されている(特許文献15参照)。顔料と、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルなどのグリコールエーテル類と、水とからなるインク組成物が提案されている(特許文献16参照)。
しかし、いずれの提案においても、乾燥速度を向上させるためには大量のグリコールエーテル類の添加が必要であり、インクの臭気や安全性の面で劣るという問題がある。
また、特許文献17には、特定のグリコール系溶剤を含有させたカーボンブラックインクにおいて、消泡効果が得られると記載されているが、この処方のインクでは浸透性が不充分であり、画質に問題がある。同様に、特許文献18に記載の処方のインクも、消泡効果はあるものの、界面活性剤等を含有していないため、紙に対する浸透性が遅く、画質が良くないという問題がある。
したがって、従来の水性インク及びインクジェットプリンターは、吐出安定性、特に印字中又は印字休止時の気泡巻き込み等による吐出不良が必ずしも充分に改善されたものではなく、また吐出不良が起こった際にも簡単な回復機構で信頼性が維持でき、高画質であり、かつノズル目詰まりのない水性インク及びその関連技術の開発が強く望まれているのが現状である。
特公平2−2907号公報 特公平1−15542号公報 特公平2−3837号公報 特許第3102304号公報 特表平10−510862号公報 特開平8−81646号公報 特開平8−3498号公報 特開平10−95941号公報 特開平2−138374号公報 特許第2894568号公報 特許第2714482号公報 特開平6−157959号公報 特公平7−26049号公報 特開2000−144026号公報 特開平8−113739号公報 特開平10−95941号公報 特開平7−331142号公報 特開平9−31380号公報
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、顕著な彩度向上が図られ、カラーの発色性に優れ、吐出安定性が高く、かつ、高品位な画像形成が可能である水性インク、並びに、該水性インクを用いたインクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> (A)着色剤と、(B)20℃の水に対する溶解度が0.2〜4.5質量%であるポリオール化合物と、(C)ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩から選択される界面活性剤を含有することを特徴とする水性インクである。該<1>に記載の水性インクにおいては、20℃の水に対する溶解度が0.2質量%以上4.5質量%未満のポリオール化合物と、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩から選択される界面活性剤を含有することにより、着色剤や紙種によらず浸透性、乾燥性に優れ、かつ滲みが少ないなど画質が改良され、更にインクジェットの高速化に伴い大きな課題となっていた目詰り、噴射方向曲がりについても、インクがノズル近傍で乾燥し固着することを防止し、粘度の上昇した状態でもノズル面に付着することなく、流動性があり、目詰り、噴射方向曲がりのないインクを得ることができ、クリーニングし復帰させる回数を極力減らすことのできる水性インクが提供できる。
<2> (B)成分のポリオール化合物が、下記一般式(1)で表される化合物である前記<1>に記載の水性インクである。該<2>に記載の水性インクにおいては、前記(B)成分のポリオール化合物として、下記一般式(1)で示す1,3−ジオールを用いることで、インク中に少ない含有量で高浸透特性が得られ、安全面、臭気の面で優れたインクが提供できる。
Figure 2005336286
ただし、前記一般式(1)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子又はアルキル基を表す。なお、R及びRが同時に水素原子であることはない。Rは、アルキル基を表す。R、R及びRの合計炭素数は3〜9である。
<3> (B)成分のポリオール化合物が、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール及び2−エチル−1,3−ヘキサンジオールのいずれかである前記<1>から<2>のいずれかに記載の水性インクである。該<3>に記載の水性インクにおいては、前記(B)成分のポリオール化合物として、少なくとも2−エチル−1,3−ヘキサンジオール又は2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールのいずれかを含むことにより、高い浸透特性、優れた画質に加え、高い安全性や保存安定性ならびに安価なインクが提供可能となる。
<4> (B)成分のポリオール化合物の前記水性インクにおける含有量が0.1〜8質量%である前記<1>から<3>のいずれかに記載の水性インクである。該<4>に記載の水性インクにおいては、(B)成分のポリオール化合物の含有量を0.1質量%以上8質量%以下とすることで、浸透特性が高く、かつ、画質に優れ、相分離を起こさず、安定なインクを提供することができる。
<5> (C)成分の界面活性剤が、下記一般式(2)で表される前記<1>から<4>のいずれかに記載の水性インクである。
−O−(CO)SO−M ・・・一般式(2)
ただし、前記一般式(2)中、Rは、炭化水素基を表す。Mは、アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、及びアルカノールアミンから選択されるいずれかを表す。nは、4〜21の整数である。
<6> (C)成分の界面活性剤の前記水性インクにおける含有量が0.01〜4質量%である前記<1>から<5>のいずれかに記載の水性インクである。
<7> (A)成分の着色剤が顔料である前記<1>から<6>のいずれかに記載の水性インクである。該<7>に記載の水性インクにおいては、(A)成分の着色剤として顔料を用いることで、高い浸透特性でありながら、画像濃度も高く、裏抜けの少ない優れたインクを提供することができる。
<8> 顔料の平均粒径が10〜200nmである前記<7>に記載の水性インクである。該<8>に記載の水性インクにおいては、顔料の平均粒径を10〜200nmとすることで、分散安定性に優れ、よって保存安定性やインクジェット記録方法における吐出安定性に優れるとともに、画像の裏抜けが少ない優れたインクが提供できる。
<9> 顔料が、分散剤の存在下で水分散性及び水溶性の少なくともいずれかを示す前記<7>から<8>のいずれかに記載の水性インクである。
<10> 分散剤が表面にカルボキシル基を有している前記<9>に記載の水性インクである。
<11> 顔料が少なくとも1種の親水基を有し、分散剤の不存在下で水分散性及び水溶性の少なくともいずれかを示す前記<7>から<8>のいずれかに記載の水性インクである。該<11>に記載の水性インクにおいては、顔料の表面が改質され親水基が結合された顔料を用いることにより、保存安定性、信頼性の極めて高いインクを提供することができる。
<12> 親水基が、カルボキシル基、スルホン基、カルボニル基、及びヒドロキシル基から選択される少なくとも1種である前記<11>に記載の水性インクである。該<12>に記載の水性インクにおいては、顔料に結合された親水基がカルボキシル基、スルホン基、カルボニル基又はヒドロキシル基である表面改質された顔料を用いることで、より一層高画像濃度で低裏抜け濃度となるうえに、滲みの少ない極めて高品位な画像を形成するインクを提供することができる。
<13> 消泡剤を含有し、該消泡剤がシリコーン系消泡剤である前記<1>から<12>のいずれかに記載の水性インクである。
<14> シリコーン系消泡剤が、自己乳化型及びエマルジョン型のいずれかである前記<13>に記載の水性インクである。
前記<13>及び<14>のいずれかに記載の水性インクにおいては、シリコーン系の消泡剤を含むことで、従来のインクジェット水性インク及びインクジェットプリンターで問題となっていた、インクのカートリッジへの充填時、ヘッドへのカートリッジ装着時及び装着後のインク吸引時、あるいは印字中、印字休止時に気泡の巻き込みによる吐出不良を起こしにくく、また吐出不良が起こった際にも簡単な回復機構で信頼性が維持でき、高画質でかつノズル目詰まりのないインクジェットインクが提供できる。更に、自己乳化型もしくはエマルジョン型を用いることで、水系での使用の場合、信頼性を確保する上で更に望ましいインクジェットインクが提供できる。
<15> 水溶性有機溶剤を含有し、該水溶性有機溶剤が、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール及び2−ピロリドンから選択される少なくとも1種である前記<1>から<14>のいずれかに記載の水性インクである。該<15>に記載の水性インクにおいては、所定の水溶性有機溶剤を含有することにより、インクジェット記録装置に用いた場合、ノズル近傍での水分蒸発による目詰まりの発生を未然に防ぎ、また、ポリオール化合物やポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩から選択される界面活性剤の溶解助剤として働くことで、より一層保存安定性を高め、更にはインクの噴射安定性を更に高めたインクが提供できる。
<16> シアンインク、マゼンタインク、イエローインク及びブラックインクから選択される少なくとも1種である前記<1>から<15>のいずれかに記載の水性インクである。
<17> 前記<1>から<16>のいずれかに記載の水性インクを容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジである。
<18> 前記<1>から<16>のいずれかに記載の水性インクに刺激を印加し、該水性インクを飛翔させて画像を形成するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置である。該<18>に記載のインクジェット記録装置においては、このように高浸透特性で、かつ高い信頼性、安全性と優れた画像特性が可能となるインクを収容したインクカートリッジ及びこのカートリッジを具備した記録装置が提供できる。
<19> 前記<1>から<16>のいずれかに記載の水性インクに刺激を印加し、該水性インクを飛翔させて画像を形成するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法である。該<19>に記載のインクジェット記録方法においては、相分離せず、凝集や増粘なども起きないインクを用いているので、微細な吐出口より液滴として吐出、飛翔させ記録媒体に画像を形成する記録方法に適している。とりわけ、熱エネルギーを作用させて画像形成する方法においては、熱素子への濡れ性が改良されるため特に適しており、吐出安定性、周波数安定性に優れた記録方法を提供できる。
<20> 記録媒体上に前記<1>から<16>のいずれかに記載の水性インクを用いて形成された画像を有してなることを特徴とするインク記録物である。該<19>に記載のインク記録物においては、本発明のインクの高い浸透性を利用して、非常に高速で、かつ高画質の画像を記録する方法及び印字された画像形成物が提供できる。
本発明の水性インクは、(A)着色剤と、(B)20℃の水に対する溶解度が0.2〜4.5質量%であるポリオール化合物と、(C)ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩から選択される界面活性剤を含有してなる。前記(B)成分の水に対する溶解度が0.2〜4.5質量%のポリオール化合物は、水を主成分とするインク中で表面に吸着しやすく、かついわゆる界面活性剤と比べ、分子量が比較的小さいため、表面への吸着速度が著しく高い。即ち、(B)成分のポリオール化合物が表面に吸着することで、界面活性剤のように液体の表面張力を速やかに低下させることができる。しかし、(B)成分のポリオール化合物は界面活性剤に比べ、親水性・疎水性の差が小さいため、(B)成分のポリオール化合物のみで高い浸透性を得るためには、多量に添加しなければならなかった。このとき、(B)成分のポリオール化合物を多量に添加したインクは、安全性、相分離、着色剤への吸着そして凝集、場合によっては臭気などの問題があり、好ましくはなかった。一方、(C)成分のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩から選択される界面活性剤も表面張力を下げ、浸透性を向上させることが知られているが、界面活性剤分子の大きさあるいはその形状から、表面への吸着速度は必ずしも高くはないため、十分な浸透性を得ることができなかった。
そこで、本発明においては、(B)成分のポリオール化合物と(C)成分の界面活性剤とを併用すると、相乗効果によりごく少量の使用で著しく高い浸透特性が得られる。更に、インクジェットの高速化に伴い大きな課題となっていた目詰り、噴射方向曲がりについても、(B)成分のポリオール化合物と(C)成分の界面活性剤とを併用することで、インクがノズル近傍で乾燥し固着することを防止し、粘度の上昇した状態でもノズル面に付着することなく、流動性があり、目詰り、噴射方向曲がりのないインクを得ることができ、クリーニングし復帰させる回数を極力減らすことができる。
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記記録用インクを容器中に収容してなる。該インクカートリッジは、インクジェット記録方式によるプリンター等に好適に使用される。該インクカートリッジに収容されたインクを用いて記録を行うと、顕著な彩度向上が図られ、カラーの発色性に優れ、吐出安定性が高く、滲みが少ない高画質が得られる。
本発明のインクジェット記録装置は、本発明の前記記録用インクにエネルギーを印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を形成するインク飛翔手段を少なくとも有する。該インクジェット記録装置においては、前記インク飛翔手段が、本発明の前記記録用インクにエネルギーを印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を形成する。その結果、顕著な彩度向上が図られ、カラーの発色性に優れ、吐出安定性が高く、かつ、高品位な画像形成が可能である。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明の前記記録用インクにエネルギーを印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を形成するインク飛翔工程を少なくとも含む。該インクジェット記録方法においては、前記インク飛翔工程において、本発明の前記記録用インクにエネルギーを印加し、該記録用インクを飛翔させて画像が形成される。その結果、顕著な彩度向上が図られ、カラーの発色性に優れ、吐出安定性が高く、かつ、高品位な画像形成が可能である。
本発明のインクジェット記録物は、記録媒体上に本発明の前記記録用インクを用いて形成された画像を有してなる。該インクジェット記録物においては、滲みが少ない高画質が前記記録媒体に保持される。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、顕著な彩度向上が図られ、カラーの発色性に優れ、吐出安定性が高く、かつ、高品位な画像形成が可能である水性インク、並びに、該水性インクを用いたインクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法を提供できる。
(水性インク)
本発明の水性インクは、(A)着色剤と、(B)20℃の水に対する溶解度が0.2〜4.5質量%であるポリオール化合物と、(C)ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩から選択される界面活性剤を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
−(B)成分のポリオール化合物−
前記(B)成分のポリオール化合物は、20℃の水に対する溶解度が0.2〜4.5質量%であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2005336286
ただし、前記一般式(1)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子又はアルキル基を表す。なお、R及びRが同時に水素原子であることはない。Rは、アルキル基を表す。R、R及びRの合計炭素数は3〜9である。
20℃の水に対する溶解度が0.2〜4.5質量%のポリオール化合物が上記一般式(1)で表される1,3−ジオールであると、浸透特性の改善がより効果的であり、少量の添加ですむため、安全面、臭気などの点から、更に好ましい。この理由は定かでないが、前記一般式(1)のような1,3−ジオールは分子構造上、非対称でかつ分岐構造を有しているため、表面への吸着効率、速度を向上させ、よって浸透性を効率良く改善できると考える。
そして、水に対する溶解度が低く、単独にインク中に添加した場合には環境条件により分離しやすいポリオール化合物をポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩から選択される界面活性剤が相溶化することで安定なインクを得ることができる。インクの安定性のみならず、ポリオール化合物とポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩から選択される界面活性剤との混合が相乗効果を発揮し、それぞれを単独で含有したインクに比べ、少量の添加で高い浸透性と、目詰りや噴射方向曲がりの無い優れたインクを得ることができる。即ち、従来の多価アルコールのエーテル類などを多量に加えて浸透性をあげたインクに比べ、インク中への添加量が少ない状態で効果が得られるため、溶剤臭が少ない、インク自体の安全性も高いなどの利点もある。
また、インクに熱エネルギーを付与して微細孔から液滴としてインクを吐出させて記録を行ういわゆるバブルやサーマル方式等の記録方法において、吐出安定性を得るために従来では2−プロパノールを添加する方法が有るが、その替りに前記ポリオール化合物を添加することによって、熱素子への濡れ性が改良され、少量の添加量でも吐出安定性及び周波数安定性が得られ、2−プロパノールの使用に伴う安全性に関する問題も改善される。
前記(B)成分のポリオール化合物としては、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール(20℃における水に対する溶解度:2質量%)、及び2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(20℃における水に対する溶解度:4.2質量%)から選ばれる少なくとも一つであることが、得られるインクの安全性や保存安定性の点から好ましい。また、いずれも工業的に有用な材料であり、比較的大量に扱われているため、比較的低コストでインクの製造が可能という利点もある。
前記(B)成分のポリオール化合物の前記水性インクにおける含有量は0.1〜8質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。前記含有量が0.1質量%未満であると、浸透性の改善が不十分となることがあり、8質量%を超えると、インク中で安定に溶解せず、インクの保存安定性、インクジェットでの噴射安定性に問題を生じることがある。
−(C)ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩から選択される界面活性剤−
前記(C)成分の界面活性剤としては、例えば、下記一般式(2)で表されるものが好適である。
−O−(CO)SO−M ・・・一般式(2)
前記一般式(2)中、Rは、炭化水素基を表し、炭素数8〜22のアルキル基、又はアルキルフェニル基であるのが好ましい。
Mは、アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、及びアルカノールアミンから選択されるいずれかを表し、第4級アンモニウムが好ましい。nは、4〜21の整数である。
前記(C)成分のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩界面活性剤としては、以下のものが好適である。
式(2−1):C17O(CO)SONH
式(2−2):C1021O(CO)SONa
式(2−3):C1837O(CO)18SO−(CHOH
式(2−4):C2245O(CO)21SONH
式(2−5):CH−(CH−CH=CH(CH−CH−O(CO)SONH
式(2―6):CH−(CH−CH=CH(CH−CH−O(CO)12SO(COH)
式(2−7):CH−(CH−CH=CH(CH−CH−O(CO)18SONH
前記(C)成分のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩界面活性剤としては、以下のものが好適である。
式(2−8):C−C−O(CO)SONH
式(2−9):C11−C−O(CO)SONC12
式(2−10):C19−C−O(CO)SONH
式(2−11):C19−C−O(CO)SONH
式(2−12):C19−C−O(CO)SONa
式(2−13):C1225−C−O(CO)18SON−(COH)
式(2−14):C19−C−O(CO)21SONH
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記(C)成分の界面活性剤としては、市販品を使用してもよく、該市販品としては、ハイテノールN−07、ハイテノールN−08、ハイテノールN−17、ハイテノールNE−05、ハイテノールNE−15、ハイテノールNF−13、ハイテノール08E、ハイテノール12、ハイテノール18E(いずれも第一工業製薬株式会社製)などが挙げられ、これらは、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせてもよい。
前記(C)成分の界面活性剤の前記水性インクにおける含有量は0.01〜4質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましい。前記含有量が0.01質量%未満であると、浸透性の改善が不十分となることがあり、4質量%を超えると、インク中に安定に溶解しない、あるいは溶解しても粘度が高くなり、インクの保存安定性、インクジェットでの噴射安定性に問題を生じることがある。
本発明によれば、上記(C)成分の界面活性剤とともに、20℃の水に対する溶解度が0.2〜4.5質量%のポリオール化合物を含むことにより、極めて高い浸透性を有し、かつ液中で分離することなく安定で、安全性の高い水性インクを得ることができる。
−(A)着色剤−
前記(A)成分の着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、顔料、染料、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、記録画像に耐光性や耐水性を付与可能な点で、顔料が好ましい。
前記顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機顔料、有機顔料のいずれであってもよい。
前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックなどが好ましい。なお、前記カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたものが挙げられる。
前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などがより好ましい。なお、前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、などが挙げられる。前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料、などが挙げられる。前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート、などが挙げられる。
前記着色剤の色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色用のもの、カラー用のもの、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記黒色用のものとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料、などが挙げられる。
前記カラー用のものとしては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、408、109、110、117、120、128、138、150、151、153、183、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、などが挙げられる。
これらの顔料のうち、水と親和性の良いものが好ましく用いられる。
ブラック用の顔料はカーボンブラックであることが好ましい。ブラックインクとしてカーボンブラックは色調に優れるとともに、耐水性、退光性、分散安定性に優れ、且つ安価である。
その他顔料(例えば、カーボン)の表面を樹脂等で処理し、水中に分散可能としたグラフト顔料や、顔料(例えば、カーボン)の表面にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加し水中に分散可能とした加工顔料等が使用できる。
また、顔料をマイクロカプセルに包含させ、該顔料を水中に分散可能なのものとしたものであっても良い。
前記顔料は、染料に比べ、インク中で溶解せず、粒子として分散しているので、同じ浸透特性のインクであっても紙の奥深くに浸透しにくく、よって、画像濃度も高く、裏抜けの少ない良好な画質を得ることが可能になる。
前記顔料の平均粒径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、体積累積パーセントが50%の値で、10〜200nmが好ましく、20〜150nmがより好ましい。前記平均粒径が10nm未満であると、着色剤である顔料が紙の奥深くに浸透してしまい、よって画像濃度が低く、裏抜けがおおきくなってしまうこがあり、また、インク中の分散安定性が損なわれ、印字の際に画像濃度が低くなってしまうことがあり、200nmを超えると、画像の定着性等に劣り、分散安定性が悪く長期保存時に凝集等で粒径が大きくなり、目詰り等が生じ易くなることがある。
ここで、前記平均粒径は、例えば、インク中のブラウン運動を行っている粒子にレーザー光を照射し、粒子から戻ってくる光(後方散乱光)の振動数(光の周波数)の変化量から粒子径を求める動的光散乱法(ドップラー散乱光解析)などにより測定することができる。
前記(A)成分の着色剤として前記顔料を使用する場合、該顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、少なくとも1種の親水基を有し、分散剤の不存在下で水分散性及び水溶性の少なくともいずれかを示す自己分散型顔料が好ましい。
この場合、該自己分散型顔料は、表面に前記親水基(カルボキシル基、スルホン基など)が存在し表面が改質されているため、分散剤の不存在下でも水中に分散可能であり、前記水性インク中での分散性、分散安定性に優れ、また、該自己分散型顔料を含む前記水性インクは、保存安定性、吐出安定性(例えば、間欠吐出安定性)等に優れ、乾燥後の再分散性に優れるため、長期間印字を休止してヘッドのノズル付近のインクの水分が蒸発しても、目詰まり等が生ずることがなく、簡単なクリーニングを行うだけで容易に、高品質な印字乃至画像を得ることができ、かつ記録後の記録物の耐水性をより向上させることができる点で有利である。
前記親水基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水との相互作用が強い有極性の基乃至原子団などが挙げられ、具体的には、−SOH、−SOM、−OSOH、−OSOM、−COOM、−COOH、−NRX、−NH、−OH、−CN、などが挙げられる(ただし、前記Rは、アルキル基を表し、前記Mは、アルカリ金属又は−NHを表し、前記Xは、ハロゲン原子を表す)。これらの中でも、分散安定性及び印字後の画像の耐水性等の点で、スルホン基(−SOH)、カルボキシル基(−COOH)が好ましい。
前記自己分散型顔料は、前記顔料の表面に前記親水基(例えば、スルホン基、カルボキシル基等)を化学的に結合させる方法、前記顔料を次亜ハロゲン酸及びその塩の少なくともいずれかを用いて湿式酸化処理する方法、などにより製造することができる。
前記自己分散型顔料は、相乗効果により、間欠吐出安定性等に優れ、高品質な印字乃至画像を記録可能な点で、前記界面活性剤、前記浸透剤等と併用してもよい。
前記染料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸性染料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、などが挙げられる。
前記酸性染料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、食用染料として知れらているものなどが挙げられ、例えば、C.I.アシッド・イエロー17、23、42、44、79、142;C.I.アシッド・レッド1、8、13、14、18、26、27、35、37、42、52、82、87、89、92、97、106、111、114、115、134、186、249、254、289;C.I.アシッド・ブルー9、29、45、92、249;C.I.アシッド・ブラック1、2、7、24、26、94;C.I.フード・イエロー2、3、4;C.I.フード・レッド7、9、14;C.I.フード・ブラック1、2、などが挙げられる。
前記直接性染料としては、例えば、C.I.ダイレクト・イエロー1、12、24、26、33、44、50、120、132、142、144、86;C.I.ダイレクト・レッド1、4、9、13、17、20、28、31、39、80、81、83、89、225、227;C.I.ダイレクト・オレンジ26、29、62、102;C.I.ダイレクト・ブルー1、2、6、15、22、25、71、76、79、86、87、90、98、163、165、199、202;C.I.ダイレクト・ブラック19、22、32、38、51、56、71、74、75、77、154、168、171、などが挙げられる。
前記塩基性染料としては、例えば、C.I.ベーシック・イエロー1、2、11、13、14、15、19、21、23、24、25、28、29、32、36、40、41、45、49、51、53、63、465、67、70、73、77、87、91;C.I.ベーシック・レッド2、12、13、14、15、18、22、23、24、27、29、35、36、38、39、46、49、51、52、54、59、68、69、70、73、78、82、102、104、109、112;C.I.ベーシック・ブルー1、3、5、7、9、21、22、26、35、41、45、47、54、62、65、66、67、69、75、77、78、89、92、93、105、117、120、122、124、129、137、141、147、155;C.I.ベーシック・ブラック2、8、などが挙げられる。
前記反応性染料としては、例えば、C.I.リアクティブ・ブラック3、4、7、11、12、17;C.I.リアクテイブ・イエロー1、5、11、13、14、20、21、22、25、40、47、51、55、65、67;C.I.リアクティブ・レッド1、14、17、25、26、32、37、44、46、55、60、66、74、79、96、97;C.I.リアクティブ・ブルー1、2、7、14、15、23、32、35、38、41、63、80、95、などが挙げられる。
前記染料としては、特に酸性染料及び直接性染料が好ましく用いることができ、本発明インクの溶解安定性の向上や、色調、耐水性、耐光性で優れた効果が得られる。
前記(A)成分の着色剤の前記水性インクにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.5〜25質量%が好ましく、2〜15質量%がより好ましい。前記含有量が0.5質量%未満であると、画像の濃度が薄く、コントラストのない画像となることがあり、25質量%を超えると、前記着色剤の分散安定性を確保することが難しく、ノズル等の目詰まりが生じ易く、信頼性が悪くなることがある。
なお、前記(A)成分の着色剤としては、分散剤の存在下、水分散性乃至水溶性であるもの、換言すれば、該分散剤の存在によって水分散性乃至水溶性を発現するものも好ましい。この場合、前記分散剤により、前記水性インク中における該着色剤の分散性を向上させることができ、高品質な印字乃至画像が得られ、記録後の記録物の耐水性をより向上させることができ、裏抜け等を効果的に防止することができる点で有利である。
前記分散剤としては、特に制限はなく、顔料分散液の調製時に用いられる分散剤などが好適に挙げられ、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、表面にカルボキシル基を有しているものが好ましい。この場合、前記カルボキシル基の解離定数が他の酸基に比較して小さいため、前記着色剤が記録媒体に付着した後、水性インクのpHの低下や、前記記録媒体の表面近傍に存在するカルシウム等の多価金属イオンとの相互作用などにより、該分散剤自体の溶解度が低下したり、該分散剤や前記顔料が凝集してしまうことがないため、普通紙等の比較的サイズ度の大きな記録媒体に印字乃至画像形成した際でも、十分な乾燥速度が得られ、かつ裏抜けが少ない点で有利である。
前記分散剤の重量平均分子量(Mw)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、3,000〜50,000が好ましく、5,000〜30,000がより好ましく、7,000〜15,000が特に好ましい。
前記分散剤の重量平均分子量(Mw)が、3,000未満であると、分散安定性が十分でないことがあり、50,000を超えると、該分散剤自体の増粘で前記水性インクの吐出安定性が悪くなることがある。
前記着色剤と前記分散剤との質量比(着色剤:分散剤)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1:0.06〜1:3が好ましく、1:0.125〜1:3がより好ましい。
前記質量比における前記分散剤の量が、少なすぎると、分散効果が十分でないことがあり、多すぎると、水性インクの粘度が高くなることがある。
前記インク中の分散剤はカルボキシル基が結合していることが好ましい。分散剤にカルボキシル基が結合していると、分散安定性が向上するばかりではなく、高品位な印字品質が得られるとともに、印字後の記録媒体の耐水性がより向上する。更に、上記の裏抜けを防止する効果が得られる。特に、カルボキシル基が結合している分散剤で分散した顔料と、(B)成分のポリオール化合物と、(C)成分の界面活性剤とを併用した場合においては、普通紙などの比較的サイズ度の高い記録媒体に印字した場合においても、十分な乾燥速度が得られ、且つ、裏抜けが少ないという効果が得られる。これは、カルボン酸の解離定数が他の酸基に比較して小さいため、顔料が記録媒体に付着した後、インクのpH価の低下や、記録媒体表面近傍に存在するカルシウムなどの多価金属イオンとの相互作用などにより、分散剤自体の溶解度が低下し、分散剤自体や顔料が凝集するためと推定される。
また、より好ましい別の形態としては、インク中の顔料が表面改質されカルボキシル基、スルホン基、カルボニル基又はヒドロキシル基が直接顔料に結合され水中に分散されている形態が挙げられる。この形態にする方法としては、顔料に、酸処理、塩基処理、カップリング剤処理、ポリマーグラフト処理、プラズマ処理又は酸化又は還元処理等の表面改質処理を施すことにより、顔料粒子表面にカルボキシル基、スルホン基、カルボニル基又はヒドロキシル基有する自己分散可能な顔料を製造することができる。このような表面処理を行うことにより、水に対する親水化基を通常の顔料より多く含むようになり、自己分散が可能となる。これら処理方法の中では、いろいろ化学修飾が可能な親水基を有するジアゾニウム塩を顔料粒子表面にカップリングさせて結合させる方法が好ましい。この製造方法は、特表平10−510862号公報に記載されている方法で実施することができる。
本発明の自己分散可能な顔料は、市販の自己分散可能な顔料をそのまま使用することができる。このような市販の顔料の例としては、ブラック顔料としてCAB−O−JET−200、CAB−O−JET−300、IJX−55、(以上、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク社製)、Microjet Black CW−1(オリエント化学株式会社製)等が挙げられ、シアン顔料としてはCAB−O−JET−250C、マゼンタ顔料としてはCAB−O−JET−260M、イエロー顔料としてはCAB−O−JET−270Y(以上、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク社製)が挙げられる。
この場合、顔料が表面改質されカルボキシル基、スルホン基、カルボニル基又はヒドロキシル基が結合しているために、分散安定性が向上するばかりではなく、上述と同様な作用により高品位な印字品質が得られるとともに、印字後の記録媒体の耐水性がより向上する。またこの形態のインクは乾燥後の再分散性に優れるため、長期間印字を休止し、インクジェットヘッドのノズル付近のインクの水分が蒸発した場合も目詰まりをより起こしにくく簡単なクリーニング動作で容易に良好な印字が行えるようになる。なかでも、カルボキシル基が結合したタイプは印字後の記録媒体の耐水性がより向上し更に、裏抜けを防止する効果からより好ましい。
また、近年急速に普及しつつある不可視インクによるバーコード印刷、消印印刷への適用も可能である。この場合、通常の染料や、顔料のかわりに、可視領域に吸収を持たず、赤外線や紫外線に吸収をもつ赤外線吸収剤あるいは紫外線吸収剤をインク中に添加する。
−消泡剤−
前記消泡剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル消泡剤、脂肪酸エステル消泡剤などが好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点でシリコーン系消泡剤が好ましい。
前記シリコーン系消泡剤としては、例えば、オイル型シリコーン系消泡剤、コンパウンド型シリコーン系消泡剤、自己乳化型シリコーン系消泡剤、エマルジョン型シリコーン系消泡剤、変性シリコーン系消泡剤、などが挙げられる。該変性シリコーン系消泡剤としては、例えば、アミノ変性シリコーン消泡剤、カルビノール変性シリコーン消泡剤、メタクリル変性シリコーン消泡剤、ポリエーテル変性シリコーン消泡剤、アルキル変性シリコーン消泡剤、高級脂肪酸エステル変性シリコーン消泡剤、アルキレンオキサイド変性シリコーン消泡剤、などが挙げられる。これらの中でも、水系媒体である前記水性インクへの使用を考慮すると、前記自己乳化型シリコーン系消泡剤、前記エマルジョン型シリコーン系消泡剤などが好ましい。
前記消泡剤としては、市販品を使用してもよく、該市販品としては、信越化学工業(株)製のシリコーン系消泡剤(KS508、KS531、KM72、KM85等)、東レ・ダウ・コーニング(株)製のシリコーン系消泡剤(Q2−3183A、SH5510等)、日本ユニカー(株)製のシリコーン系消泡剤(SAG30等)、旭電化工業(株)製の消泡剤(アデカネートシリーズ等)、などが挙げられる。
前記消泡剤の前記水性インクにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.001〜3質量%が好ましく、0.005〜0.5質量%がより好ましい。
前記消泡剤が前記水性インク中に含有されていると、特に経時の保存安定性や吐出安定性に優れ、前記含有量が、0.001質量%未満であると、含有効果が十分でないことがあり、3質量%を超えると、目詰まりの原因となり易く、前記水性インクの信頼性が悪くなることがある。
−湿潤剤(水溶性有機溶媒)−
本発明の水性インクには、インクの乾燥による目詰まりの防止、及びのインクの溶解安定性をより向上する目的で湿潤剤を5〜50質量%含有することにより、インクジェットヘッドの吐出口で、インク中の水分が蒸発した場合でも目詰まりを起こしにくく正常な印字を行うことができ、仮に目詰まりを起こしても簡単なクリーニング操作で正常な印字状態に回復できる。
前記湿潤剤としては、低揮発性水溶性有機溶媒が好ましい。該低揮発性水溶性有機溶媒は、本発明の水性インクにおけるポリオール化合物及びポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩から選択される界面活性剤の溶解助剤として働くことで、より一層インクの保存安定性、噴射安定性を高めることができる。
前記低揮発性水溶性有機溶媒としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミイダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール、チオジグリコール等の含硫黄化合物類;プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等である。これらの溶媒は、水とともに単独もしくは、複数混合して用いられる。
これらの中でも、特に、前記(C)成分の界面活性剤、及び前記(B)成分のポリオール化合物との相溶性に優れている点から、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンが好ましい。これらの中でも、安全性、価格などの点からグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、2−ピロリドンが特に好ましい。
前記2−ピロリドンをインクに添加すると、画像濃度の向上とともに裏抜けを防止する上で優れた効果が得られる。これは、2−ピロリドンを含有することで、紙表面に対してインクが濡れ拡がりやすくなり、相対的に紙の厚み方向への浸透が抑えられるため、紙表面近傍に着色剤がとどまりやすくなるためであると推測される。
前記低揮発性水溶性有機溶媒の添加量は、5〜50質量%が好ましく、8〜30質量%がより好ましい。前記添加量が5質量%未満であると、インク中の水分蒸発抑制効果が不十分であり、また、インク中の前記(C)成分の界面活性剤、及び前記(B)成分のポリオール化合物の含有量によっては、溶解助剤としての効果も不十分となり、インクの保存安定性、噴射安定性を損ねるなど不具合を生じることがある。一方、50質量%を超えると、粘度の上昇によるインクジェットでの噴射安定性が劣る、印字後の画像部のコックリングが悪化することがある。
−界面活性剤−
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、両性界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記インクジェット記録方法で、高画質を得るためには、インクジェットヘッドを構成する部材に対するインクの濡れ性の調節が重要である。このように、濡れ性の調節などのため、本発明のインクに、更に界面活性剤を添加することも可能である。
前記両性界面活性剤としては、例えば、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン、などが挙げられる。
前記アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、等が挙げられる。
前記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、等が挙げられる。アセチレングリコール系界面活性剤は、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール系(例えば、エアープロダクツ社(米国)のサーフィノール104、82、465、485あるいはTG等)を用いることができるが、特にサーフィノール465、104やTGが良好な印字品質を示す。前記界面活性剤は、単独又は2種以上を混合して用いることができる。インクを所望の物性になるように添加されることが望ましい。
前記カチオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等アミン塩型界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等の四級アンモニウム塩型界面活性剤、などが挙げられる。
前記界面活性剤として、フッ素含有界面活性剤を使用してもよく、該フッ素含有界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤、フルオロアルキル基を有するカチオン界面活性剤、などが好適である。
前記フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(C〜C11)オキシ]−1−アルキル(C〜C)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(C〜C)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸又はその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C〜C13)又はその金属塩、パーフルオロアルキル(C〜C12)スルホン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C〜C16)エチルリン酸エステル、などが挙げられる。
前記フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−29(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−l02、(タイキン工業社製)、メガファックF−ll0、F−l20、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、l03、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)、などが挙げられる。
前記フルオロアルキル基を有するカチオン界面活性剤としては、例えば、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級又は二級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、などが挙げられる。
前記フルオロアルキル基を有するカチオン界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−l21(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−l32(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)、などが挙げられる。
また、水溶性界面活性剤を顔料分散剤として使用することも可能である。この場合、その使用量に対するインク粘度の上昇が高分子分散剤を使用した場合よりも小さく、インクジェット記録法に用いたときに良好な吐出特性の顔料インクを得やすい。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えば、樹脂エマルジョン、糖類、アルギン酸ナトリウム、防腐防黴剤、pH調整剤、防錆剤、キレート試薬、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、などが挙げられる。
前記樹脂エマルジョンは、増粘・凝集する性質を持ち、着色成分の紙深さ方向への浸透を抑制し、更に記録媒体への定着を促進する効果を有する。また、樹脂エマルジョンの種類によっては記録媒体上で皮膜を形成し、印刷物の耐擦性をも向上させる効果を有する。
前記樹脂エマルジョンとは、連続相が水であり、分散相が次の様な樹脂成分であるエマルジョンを意味する。分散相の樹脂成分としてはアクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂などが挙げられる。この樹脂は親水性部分と疎水性部分とを併せ持つ重合体であるのが好ましい。また、これらの樹脂成分の粒子径はエマルジョンを形成する限り特に限定されないが、150nm程度以下が好ましく、より好ましくは5〜100nm程度である。
これらの樹脂エマルジョンは、樹脂粒子を、場合によって界面活性剤とともに水に混合することによって得ることができる。
前記樹脂エマルジョンとしては、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、マイクロジェルE−1002、E−5002(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001(アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、SAE−1014(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ゼオン株式会社製)、サイビノールSK−200(アクリル系樹脂エマルジョン、サイデン化学株式会社製)、などが挙げられる。
前記樹脂エマルジョンの含有量は、その樹脂成分がインクの0.1〜40質量%が好ましく、1〜25質量%がより好ましい。
前記糖類としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類及び四糖類を含む)及び多糖類が挙げられ、例えばグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、などが好適に挙げられる。ここで、前記多糖類とは、広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味である。
また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(一般式:HOCH(CHOH)CHOH(ここで、nは2〜5の整数を表す)で表される)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ酸などが挙げられる。これらの中でも、特に糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビットなどが挙げられる。
前記糖類の前記インクにおける含有量は、0.1〜40質量%が好ましく、0.5〜30質量%がより好ましい。
前記アルギン酸ナトリウムは、褐藻類にのみ含まれる物質であり、主に細胞膜或いは細胞間隙物質として存在する親水性高分子電解質である。化学的にはβ−1,4結合するD−Mannuronic acid〔M〕と、α−1,4結合するL−Guluronic acid〔G〕の重合体である。増粘作用、安定化作用、分散作用、ゲル化作用、フィルム形成作用等の効果がある。インクジェットインクに添加すると、pHによる粘度変化、塩類による析出、多価陽イオンとのゲル化により、単色の滲み(フェザリング)や異なる色間の滲み(カラーブリード)が改善できる。
前記防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、等が挙げられる。
前記pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響をおよぼさずにpHを所望の値に調整できるものであれば、任意の物質を使用することができる。
前記pH調整剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、等が挙げられる。
前記キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム、等が挙げられる。
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、等が挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、りん系酸化防止剤などが、挙げられる。
前記フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)としては、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトライキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3',5'−ジ−tert−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、などが挙げられる。
前記アミン系酸化防止剤としては、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチル−フェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ジヒドロキフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、等が挙げられる。
前記硫黄系酸化防止剤としては、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルβ,β’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイド等が挙げられる。
前記リン系酸化防止剤としては、トリフェニルフォスファイト、オクタデシルフォスファイト、トリイソデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイト、等が挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、等が挙げられる。
前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2'−ヒドロキシ−5'−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−4'−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、等が挙げられる。
前記サリチレート系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート、等が挙げられる。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、エチル−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、ブチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、等が挙げられる。
前記ニッケル錯塩系紫外線吸収剤としては、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−n−ブチルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)トリエタノールアミンニッケル(II)、等が挙げられる。
本発明の水性インクの物性としては、特に制限はないが、例えば、表面張力、粘度、導電率、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
前記表面張力としては、20℃で、25〜55mN/mが好ましい。前記表面張力が、25mN/m未満であると、紙上での滲みが顕著になり、安定した噴射が得られないことがあり、55mN/mを超えると、紙へのインク浸透が十分に起らず、乾燥時間の長時間化を招くことがある。
前記粘度としては、25℃で、2〜20mPa・sが好ましく、3〜10mPa・sがより好ましい。前記粘度が、2mPa・s未満であると、画像に滲みが生ずることがあり、20mPa・sを超えると、吐出安定性の確保が困難になることがある。
前記導電率としては、例えば、0.5S/m以下が好ましく、0.005〜0.4S/mがより好ましい。
前記pHとしては、例えば、7〜11が好ましい。
本発明の水性インクの着色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどが挙げられる。これらの着色を2種以上併用したインクセットを使用して記録を行うと、多色画像を形成することができ、全色併用したインクセットを使用して記録を行うと、フルカラー画像を形成することができる。
本発明のインクは、水性インクを微細な吐出口より液滴として吐出、飛翔させ記録媒体にカラー画像を形成するインクジェット記録方法にとりわけ好適に用いられるが、水性ペン、水性マーカー、水性ボールペンなどの一般の筆記用具や記録計、ペンプロッター用のインクとして使用できることは云うまでもない。また、本発明のインクは、上記用途に限定されるものではない。
前記インクジェット記録方法に使用する場合、インク粘度を所望の値に調節する必要がある。ヘッドの吐出力に依存するものの、一般にインクの粘度は20mPa・s以下であることが好ましい。20mPa・sより大きいとインクジェットにて十分な吐出が行えず、画像不良の問題が発生する場合が多い。
本発明のインクを用いて記録を行うのに好適な方法としては、インクに、記録信号に対応した熱エネルギーを与え、該熱エネルギーにより液滴を発生させ、記録媒体に画像を形成する方法が挙げられる。
本発明のインクは、浸透性が高く、かつにじみのない高品質な画像と、吐出安定性、特に印字中あるいは印字休止時の気泡巻き込み等による吐出不良を起こしにくく、また吐出不良が起こった際にも簡単な回復機構で信頼性が維持できるインクが得られるため、通常では困難であった高速記録プロセスへの適用が可能である。即ち、記録媒体上で画素領域の少なくとも一部が重なるように、同一あるいは別個の吐出口より複数のインク液滴を吐出、飛翔させ記録媒体に画像を形成する記録方法において、記録媒体上で重なりを生じる二つのインク液滴の吐出時間差を短くすることが可能となるため、非常に高速記録が可能になる。近年、インクジェットプリンターに間する技術は目覚しい進歩をとげ、印字速度も向上しているものの、ある程度の高画質を維持するためには、隣接する位置関係にあるドットは連続で形成せず、一方が紙中に染み込むまで、もう一方のインク着弾させなかった。即ち、いわゆるマルチパス印字と呼ばれる方法により、印字速度を犠牲にさせながら、高画質印字を達成していると言える。本発明のインクは、非常に高い浸透特性を示すため、従来では成し得なかったシングルパスでの高画質印字が可能となった。更には、ラインヘッドによる4色以上のカラー印刷でも、印字速度を犠牲にすることなく、高画質印字を達成することができる。
本発明の水性インクは、インクジェットヘッドとして、インク流路内のインクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの(特開平2−51734号公報参照)、あるいは、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させるいわゆるサーマル型のもの(特開昭61−59911号公報参照)、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで,インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のもの(特開平6−71882号公報参照)などいずれのインクジェットヘッドを搭載するプリンタにも良好に使用できる。
本発明の水性インクは、各種分野において好適に使用することができ、インクジェット記録方式による画像形成装置(プリンタ等)において好適に使用することができ、例えば、印字又は印字前後に被記録用紙及び前記水性インクを50〜200℃で加熱し、印字定着を促進する機能を有するもののプリンタ等に使用することもでき、以下の本発明のインクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法に特に好適に使用することができる。
(インクカートリッジ)
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記水性インクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材等を有してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを少なくとも有するもの、などが好適に挙げられる。
次に、インクカートリッジについて、図1及び図2を参照して説明する。ここで、図1は、記録装置に装填する前のインクカートリッジの外観斜視図を示し、図2はインクカートリッジの正断面図を示す。
インクカートリッジ7は、図2に示すように、カートリッジ本体41内に所要の色のインクを吸収させたインク吸収体42を収容してなる。カートリッジ本体41は、上部に広い開口を有するケース43の上部開口に上蓋部材44を接着又は溶着して形成したものであり、例えば、樹脂成型品からなる。また、インク吸収体42は、ウレタンフォーム体等の多孔質体からなり、カートリッジ本体41内に圧縮して挿入した後、インクを吸収させている。
カートリッジ本体41のケース43底部には記録ヘッド6へインクを供給するためのインク供給口45を形成し、このインク供給口45内周面にはシールリング46を嵌着している。また、上蓋部材44には大気開放口47を形成している。そして、カートリッジ本体41には、装填前の状態で、インク供給口45を塞ぐと共に装填時や輸送時などのカートリッジ取扱い時、或いは真空包装時による幅広側壁に係る圧力でケース43が圧縮変形されて内部のインクが漏洩することを防止するため、キャップ部材50を装着している。
また、大気開放口47は、図1に示すように、酸素透過率が100ml/m以上のフィルム状シール部材55を上蓋部材44に貼着してシールしている。このように大気開放口47を酸素透過率が100ml/m以上のシール部材55でシールすることで、インクカートリッジ7を透気性のないアルミラミネートフィルム等の包装部材を用いて減圧状態で包装することにより、インク充填時やインク吸収体42とカートリッジ本体41との間に生じる空間A(図2参照)にある大気のためにインク中に気体が溶存したときでも、シール部材55を介してインク中の空気が真空度の高いカートリッジ本体41外の包装部材との間の空間に排出され、インクの脱気度が向上する。
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記水性インク(インクセット)を収容し、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いることができ、また、後述する本発明のインクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いるのが特に好ましい。
(インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法)
本発明のインクジェット記録装置は、インク飛翔手段を少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、刺激発生手段、制御手段等を有してなる。
本発明のインクジェット記録方法は、インク飛翔工程を少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、刺激発生工程、制御工程等を含む。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェット記録装置により好適に実施することができ、前記インク飛翔工程は前記インク飛翔手段により好適に行うことができる。また、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
−インク飛翔工程及びインク飛翔手段−
前記インク飛翔工程は、前記本発明の水性インクに、刺激を印加し、該水性インクを飛翔させて画像を形成する工程である。
前記インク飛翔手段は、前記本発明の水性インクに、刺激を印加し、該水性インクを飛翔させて画像を形成する手段である。該インク飛翔手段としては、特に制限はなく、例えば、インク吐出用の各種のノズル、などが挙げられる。
前記刺激は、例えば、前記刺激発生手段により発生させることができ、該刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱(温度)、圧力、振動、光、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適に挙げられる。
なお、前記刺激発生手段としては、例えば、加熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライト、などが挙げられ、具体的には、例えば、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ等、などが挙げられる。
前記水性インクの飛翔の態様としては、特に制限はなく、前記刺激の種類等応じて異なり、例えば、前記刺激が「熱」の場合、記録ヘッド内の前記水性インクに対し、記録信号に対応した熱エネルギーを例えばサーマルヘッド等を用いて付与し、該熱エネルギーにより前記水性インクに気泡を発生させ、該気泡の圧力により、該記録ヘッドのノズル孔から該水性インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。また、前記刺激が「圧力」の場合、例えば記録ヘッド内のインク流路内にある圧力室と呼ばれる位置に接着された圧電素子に電圧を印加することにより、圧電素子が撓み、圧力室の容積が縮小して、前記記録ヘッドのノズル孔から該水性インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。
前記飛翔させる前記水性インクの液滴は、その大きさとしては、例えば、3〜40plとするのが好ましく、その吐出噴射の速さとしては5〜20m/sとするのが好ましく、その駆動周波数としては1kHz以上とするのが好ましく、その解像度としては300dpi以上とするのが好ましい。
なお、前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
次に、図面を参照して本発明の水性インクをインクカートリッジに収容し、このインクカートリッジをインクジェットプリンターに装着して、微細な吐出口より液滴として吐出、飛翔させ記録媒体に画像を形成する方法について説明する。
図3は、本発明のインクを収容したインク収容部を備えたインクカートリッジを搭載するシリアル型インクジェット記録装置の機構部の概略正面図である。
このインクジェット記録装置の機構部は、両側の側板1、2間に主支持ガイドロッド3及び従支持ガイドロッド4を略水平な位置関係で横架し、これらの主支持ガイドロッド3及び従支持ガイドロッド4でキャリッジユニット5を主走査方向に摺動自在に支持している。
キャリッジユニット5には、それぞれイエロー(Y)インク、マゼンタ(M)インク、シアン(C)インク、ブラック(Bk)インクをそれぞれ吐出する4個のヘッド6を、その吐出面(ノズル面)6aを下方に向けて搭載し、またキャリッジユニット5のヘッド6の上側には4個のヘッド6に各々インクを供給するための各色のインク供給体である4個のインクカートリッジ7y、7m、7c、7kを交換可能に搭載している。
そして、キャリッジユニット5は主走査モータ8で回転される駆動プーリ(駆動タイミングプーリ)9と従動プーリ(アイドラプーリ)10との間に張装したタイミングベルト11に連結して、主走査モータ8を駆動制御することによってキャリッジ5、即ち4個のヘッド6を主走査方向に移動するようにしている。
また、側板1、2を繋ぐ底板12上にサブフレーム13、14を立設し、このサブフレーム13、14間に用紙16を主走査方向と直交する副走査方向に送るための搬送ローラー15を回転自在に保持している。そして、サブフレーム14側方に副走査モータ17を配設し、この副走査モータ17の回転を搬送ローラー15に伝達するために、副走査モータ17の回転軸に固定したギヤ18と搬送ローラー15の軸に固定したギヤ19とを備えている。
更に、側板1とサブフレーム12との間には、ヘッド6の信頼性維持回復機構(以下、「サブシステム」という。)21を配置している。サブシステム21は、各ヘッド6の吐出面をキャッピングする4個のキャップ手段22をホルダ23で保持し、このホルダ23をリンク部材24で揺動可能に保持して、キャリッジユニット5の主走査方向の移動でホルダ23に設けた係合部25にキャリッジユニット5が当接することで、キャリッジユニット5の移動に従ってホルダ23がリフトアップしてキャップ手段22でインクジェットヘッド6の吐出面6aをキャッピングし、キャリッジユニット5が印写領域側へ移動することで、キャリッジユニット5の移動に従ってホルダ23がリフトダウンしてキャップ手段22がインクジェットヘッド6の吐出面6aから離れるようにしている。
なお、キャップ手段22は、それぞれ吸引チューブ26を介して吸引ポンプ27に接続すると共に、大気開放口を形成して、大気開放チューブ及び大気開放バルブを介して大気に連通している。また、吸引ポンプ27は吸引した廃液を、ドレインチューブ等を介して図示しない廃液貯留槽に排出する。
更に、ホルダ23の側方には、インクジェットヘッド6の吐出面6aをワイピングする繊維部材、発泡部材あるいはゴム等の弾性部材からなるワイピング手段であるワイパブレード28をブレードアーム29に取付け、このブレードアーム29は揺動可能に軸支し、図示しない駆動手段で回動されるカムの回転によって揺動させるようにしている。
次に、図4は、本発明のインクを収容したインク収容部と、インク滴を吐出させるためのヘッド部を備えた記録カートリッジ(記録ユニット)の構成例を示す。以下に記録ユニットについて説明する。
記録ユニット30は、シリアルタイプのものであり、ヘッド6と、このヘッド6に供給されるインクを収容するインクタンク33と、このインクタンク33内を密閉する蓋部材34とで主要部が構成される。
記録ユニット30のヘッド6には、インクを吐出するための多数のノズル32が形成されている。インクはインクタンク33から、図示を省略しているインク供給管を介して、共通液室(不図示)へと導かれ、電極31より入力される記録装置本体からの電気信号に応じて、ノズル32より吐出される。このようなタイプの記録ユニット30は、構成上、安価に製造できるタイプのヘッド、いわゆるサーマル方式、バブル方式と呼ばれる、熱エネルギーを駆動の動力源とするヘッドに適した構造である。本発明のインクは、バブルやサーマル方式等の記録方法において、優れた浸透性を有するインクを用いるため、熱素子への濡れ性が改良され、吐出安定性及び周波数安定性が得られ、かつ安全性も高く、非常に適している。
ここでは、前記シリアル型インクジェット記録装置を説明したが、本発明のインクは、ノズルを千鳥など任意の配列で、目的とする画像の解像度と同じか数分の1程度の密度に集積し、記録媒体の幅以上に配列させた、いわゆるラインヘッドを有する記録装置に適用することも可能である。
なお、キャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)インクジェット記録装置に適用した例で説明したが、ライン型ヘッドを備えたライン型インクジェット記録装置にも同様に適用することができる。
また、本発明のインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、などに特に好適に適用することができる。
(記録物)
本発明のインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により記録された記録物は、本発明の記録物である。本発明の記録物は、記録媒体上に本発明の前記水性インクを用いて形成された画像を有してなる。
前記記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像の記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
−インクセットの調製−
下記処方のBKインク、Cインク、Mインク、及び、Yインクを組み合わせて、実施例1のインクセットを調製した。
<BKインク(ブラックインク)の調製>
C.I.ダイレクト・ブラック168 4.5質量%、エチレングリコール4質量%、グリセリン6質量%、下記式(2−6)の界面活性剤0.3質量%、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール2質量%、シリコーン系消泡剤SAG30(エマルジョン型、日本ユニカー株式会社製)0.03質量%、及びイオン交換水 残量を室温にて十分に攪拌した後、pHが8.0になるように水酸化リチウム5質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.2μmのメンブレンフィルターにて濾過を行った。以上により、BKインクを作製した。
<式(2―6)>
CH−(CH−CH=CH(CH−CH−O(CO)12SO(COH)
<Cインク(シアンインク)の調製>
C.I.ダイレクト・ブルー199 3質量%、チオジグリコール8質量%、下記式(2−11)の界面活性剤1.0質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール3質量%、シリコーン系消泡剤KS508(自己乳化型、信越化学工業株式会社製)0.03質量%、及びイオン交換水 残量を室温にて十分に攪拌した後、pHが8.0になるように水酸化リチウム5質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.2μmのメンブレンフィルターにて濾過を行った。以上により、Cインクを作製した。
<式(2−11)>
19−C−O(CO)SONH
<Mインク(マゼンタインク)の調製>
C.I.ダイレクト・レッド227 3質量%、1,3−ブタンジオール3質量%、グリセリン7質量%、下記式(2−2)の界面活性剤0.1質量%、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール5質量%、シリコーン系消泡剤KS537(自己乳化型、信越化学工業株式会社製)0.03質量%、及びイオン交換水 残量を室温にて十分に攪拌した後、pHが8.0になるように水酸化リチウム5質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.2μmのメンブレンフィルターにて濾過を行った。以上により、Mインクを作製した。
<式(2−2)>
1021O(CO)SONa
<Yインク(イエローインク)の調製>
C.I.ダイレクト・イエロー142 3.0質量%、グリセリン15質量%、下記式(2−4)の界面活性剤4.5質量%、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール0.5質量%、シリコーン系消泡剤KM73E(エマルジョン型、信越化学工業株式会社製)0.5質量%、及びイオン交換水 残量を室温にて十分に攪拌した後、pHが8.0になるように水酸化リチウム5質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.2μmのメンブレンフィルターにて濾過を行った。以上により、Yインクを作製した。
<式(2−4)>
2245O(CO)21SONH
(実施例2)
−インクセットの調製−
下記処方のBKインク、Cインク、Mインク、及び、Yインクを組み合わせて、実施例2のインクセットを調製した。
<BKインク(ブラックインク)の調製>
スルホン酸基結合型カーボンブラック分散液(固形分18質量%、平均粒径104nm)33質量%、ジエチレングリコール15質量%、グリセリン12質量%、下記式(2−4)の界面活性剤3.0質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール5質量%、シリコーン系消泡剤KS537(自己乳化型、信越化学工業株式会社製)0.005質量%、及びイオン交換水 残量を室温にて十分に攪拌した後、pHが8.0になるように水酸化リチウム5質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターにて濾過を行った。以上により、BKインクを調製した。
<式(2−4)>
2245O(CO)21SONH
<Cインク(シアンインク)の作製>
−顔料分散液の調製−
C.I.ピグメントブルー15:3(平均粒径87nm)15質量%、スチレン−アクリレート−メタクリル酸ジエタノールアミン塩共重合体3質量%、及びイオン交換水 残量をビーズミルを用い、分散して顔料分散液を調製した。
−インク処方の調製−
前記顔料分散液26.7質量%、トリエチレングリコール4質量%、エチレングリコール14質量%、下記式(2−2)の界面活性剤0.3質量%、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール4質量%、及びイオン交換水 残量を混合攪拌した後、pHが8になるように水酸化リチウム5質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行った。以上により、Cインクを調製した。
<式(2−2)>
1021O(CO)SONa
<Mインク(マゼンタインク)の調製>
−顔料分散液の調製−
C.I.ピグメントレッド122(平均粒径32nm)15質量%、スチレン−アクリレート−メタクリル酸ジエタノールアミン塩共重合体3質量%、及びイオン交換水 残量をビーズミルを用い、分散して顔料分散液を調製した。
−インク処方の調製−
前記顔料分散液23.3質量%、ジエチレングリコール17質量%、下記式(2−14)の界面活性剤0.5質量%、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール0.1質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール1質量%、シリコーン系消泡剤SAG30(エマルジョン型、日本ユニカー株式会社製)0.03質量%、及びイオン交換水 残量を混合攪拌した後、pHが8になるように水酸化リチウム5質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行った。以上により、Mインクを調製した。
<式(2−14)>
19−C−O(CO)21SONH
<Yインク(イエローインク)の作製>
−顔料分散液の調製−
C.I.ピグメントイエロー74(平均粒径174nm)15質量%、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物3質量%、及びイオン交換水 残量をビーズミルを用い、分散して顔料分散液を調製した。
−インク処方の調製−
前記顔料分散液26.7質量%、ジエチレングリコール15質量%、グリセリン20質量%、下記式(2−5)の界面活性剤1.5質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール0.8質量%、シリコーン系消泡剤KS531(自己乳化型、信越化学工業株式会社製)0.03質量%、及びイオン交換水 残量を混合攪拌した後、pHが8になるように水酸化リチウム5質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行った。以上により、Yインクを調製した。
<式(2−5)>
CH−(CH−CH=CH(CH−CH−O(CO)SONH
(実施例3)
−インクセットの調製−
下記処方のBKインク、Cインク、Mインク、及び、Yインクを組み合わせて、実施例3のインクセットを調製した。
<BKインク(ブラックインク)の調製>
カルボキシル基結合型カーボンブラック分散液(固形分16.4質量%、均粒径123nm)30.5質量%、2−ピロリドン2質量%、グリセリン20質量%、下記式(2−7)の界面活性剤0.8質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール1.5質量%、シリコーン系消泡剤KS531(自己乳化型、信越化学工業株式会社製)0.03質量%、イオン交換水 残量を室温にて十分に攪拌した後、pHが8.5になるように水酸化ナトリウム5質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径1.2μmのメンブレンフィルターにて濾過を行った。以上により、BKインクを調製した。
<式(2−7)>
CH−(CH−CH=CH(CH−CH−O(CO)18SONH
<Cインク(シアンインク)の調製>
スルホン酸基結合型シアン顔料(CAB−O−JET−250C、固形分10質量%、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク製)30.0質量%、1,3−ブタンジオール12質量%、グリセリン8質量%、下記式(2−10)の界面活性剤1.0質量%、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール9質量%、シリコーン系消泡剤KS508(自己乳化型、信越化学工業株式会社製)0.03質量%、イオン交換水 残量を室温にて十分に攪拌した後、pHが8.5になるように水酸化ナトリウム5質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径1.2μmのメンブレンフィルターにて濾過を行った。以上により、Cインクを調製した。
<式(2−10)>
19−C−O(CO)SONH
<Mインク(マゼンタインク)の調製>
スルホン酸基結合型シアン顔料(CAB−O−JET−250C、固形分10質量%、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク製)45.0質量%、1,3−ブタンジオール12質量%、エチレングリコール6質量%、下記式(2−5)の界面活性剤1.5質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール9質量%、シリコーン系消泡剤SAG30(エマルジョン型、日本ユニカー株式会社製)0.03質量%、及びイオン交換水 残量を室温にて十分に攪拌した後、pHが8.5になるように水酸化ナトリウム5質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径1.2μmのメンブレンフィルターにて濾過を行った。以上により、Mインクを調製した。
<式(2−5)>
CH−(CH−CH=CH(CH−CH−O(CO)SONH
<Yインク(イエローインク)の調製>
スルホン酸基結合型シアン顔料(CAB−O−JET−250Y、固形分10質量%、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク製)35.0質量%、1,3−ブタンジオール14質量%、ジエチレングリコール1質量%、下記式(2−7)の界面活性剤4質量%、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール1質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール0.1質量%、シリコーン系消泡剤KS537(自己乳化型、信越化学工業株式会社)3質量%、及びイオン交換水 残量を室温にて十分に攪拌した後、pHが8.5になるように水酸化ナトリウム5質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径1.2μmのメンブレンフィルターにて濾過を行った。以上により、Yインクを調製した。
<式(2−7)>
CH−(CH−CH=CH(CH−CH−O(CO)18SONH
(比較例1)
−インクセットの調製−
実施例1のインクセットにおいて、BK、C、M、及びYインクにそれぞれ添加されている上記式(2−6)、上記式(2−11)、上記式(2−2)、及び上記式(2―4)の界面活性剤を除き、更にBK及びCインクから消泡剤を除いた以外は、実施例1と同様にして、比較例1のインクセットを調製した。
(比較例2)
−インクセットの調製−
下記処方のBKインク、Cインク、Mインク、及び、Yインクを組み合わせて、比較例2のインクセットを調製した。
<BKインク(ブラックインク)の調製>
スルホン酸基結合型カーボンブラック分散液(固形分18質量%、平均粒径104nm)33質量%、ジエチレングリコール15質量%、グリセリン12質量%、下記式(2−4)の界面活性剤3.0質量%、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール5質量%、シリコーン系消泡剤KS537(自己乳化型、信越化学工業株式会社製)0.005質量%、及びイオン交換水 残量を室温にて十分に攪拌した後、pHが8.0になるように水酸化リチウム5質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターにて濾過を行った。以上により、BKインクを調製した。
<式(2−4)>
2245O(CO)21SONH
<Cインク(シアンインク)の作製>
−顔料分散液の調製−
C.I.ピグメントブルー15:3(平均粒径87nm)15質量%、スチレン−アクリレート−メタクリル酸ジエタノールアミン塩共重合体3質量%、及びイオン交換水 残量をビーズミルを用い、分散して顔料分散液を調製した。
−インク処方の調製−
前記顔料分散液26.7質量%、トリエチレングリコール4質量%、エチレングリコール14質量%、下記式(2−2)の界面活性剤0.3質量%、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール4質量%、及びイオン交換水 残量を混合攪拌した後、pHが8になるように水酸化リチウム5質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行った。以上により、Cインクを調製した。
<式(2−2)>
1021O(CO)SONa
<Mインク(マゼンタインク)の調製>
−顔料分散液の調製−
C.I.ピグメントレッド122(平均粒径32nm)15質量%、スチレン−アクリレート−メタクリル酸ジエタノールアミン塩共重合体3質量%、及びイオン交換水 残量をビーズミルを用い、分散して顔料分散液を調製した。
−インク処方の調製−
前記顔料分散液23.3質量%、ジエチレングリコール17質量%、下記式(2−14)の界面活性剤0.5質量%、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール0.1質量%、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール1質量%、及びイオン交換水 残量を混合攪拌した後、pHが8になるように水酸化リチウム5質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行った。以上により、Mインクを調製した。
<式(2−14)>
19−C−O(CO)21SONH
<Yインク(イエローインク)の作製>
−顔料分散液の調製−
C.I.ピグメントイエロー74(平均粒径174nm)15質量%、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物3質量%、及びイオン交換水 残量をビーズミルを用い、分散して顔料分散液を調製した。
−インク処方の調製−
前記顔料分散液26.7質量%、ジエチレングリコール15質量%、グリセリン20質量%、上記式(2−5)の界面活性剤1.5質量%、及びイオン交換水 残量を混合攪拌した後、pHが8になるように水酸化リチウム5質量%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行った。以上により、Yインクを調製した。
(比較例3)
−インクセットの調製−
実施例3のインクセットにおいて、BK、C、M、及びYインクにそれぞれ添加されている上記式(2−7)、上記式(2−10)、上記式(2−5)、及び上記(2−7)の界面活性剤を除き、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール及び2−エチル−1,3−ヘキサンジオールを除き、消泡剤を除いた以外は、実施例3と同様にして、比較例3のインクセットを調製した。
次に、得られた実施例及び比較例の各インクついて、以下のようにして、画像の鮮明性、画像の乾燥性、裏抜け、擦過性、画像の埋まり、保存性、初期充填性、及び回復性を評価した。結果を表1に示す。
<画像の鮮明性>
インクジェットプリンターEM−900(セイコーエプソン株式会社製)にて、ヘッドの駆動電圧、周波数、パルス幅を変え、下記(1)〜(3)の各記録媒体に印刷を行った。印字条件は、Mjが35pl、Vjが20m/sec、周波数が1kHz、記録密度は360dpi、ワンパス印字とした。印刷パターンは、100%dutyでのベタ、及び文字、各インクの2色重ね部境界を含む一般文書画像を印刷した。
印字乾燥後、2色重ね部境界の滲み、画像滲み、色調、画像濃度を目視及び反射型カラー分光測色濃度計(X−Rite社製)を用いて総合的に調べ、下記評価基準にしたがって判定した。
〔記録媒体〕
(1)マイペーパー(株式会社NBSリコー製)
(2)紙源S・再生紙(株式会社NBSリコー製)
(3)Xerox 4024紙(富士ゼロックスオフィスサプライ株式会社製)
〔判定基準〕
◎:全紙鮮明な印刷である。
○:一部の用紙(再生紙)に滲みの発生がある。
△:全紙に滲みの発生がある。
×:文字の輪郭や2色重ね部境界がはっきりしないほど滲みが発生している。
<画像の乾燥性>
上記(1)〜(3)の各記録媒体にベタ画像を印字後、得られた画像に0.1kgf/cmの圧力で濾紙を押しつけインクが濾紙に転写しなくなるまでの時間を測定し、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
○:いずれの紙でも3秒未満で乾燥した。
△:いずれの紙でも3〜20秒で乾燥した。
×:いずれの紙でも20秒超で乾燥した。
<裏抜け>
記録媒体(Xerox 4024紙、富士ゼロックスオフィスサプライ株式会社製)に反射型カラー分光測色濃度計(X−Rite社製)で測定した各インク色での濃度が1.0となるようにベタ画像を形成した。この画像を裏面から目視観察し、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
×:ベタ画像の着色剤が裏面まで抜けており、両面印字に使用できないレベルである。
△:ベタ画像の着色剤が裏面までは抜けていないが、ベタ画像と白地部分の境界がやや不明確で、両面印字に使用しても支障の無いレベルである。
○:ベタ画像と白地部分の境界がほとんど不明確で両面印字に使用しても支障のないレベルである。
◎:ベタ画像と白地部分の境界が完全に不明確で両面印字に使用しても支障のないレベルである。
<擦過性>
記録媒体(Xerox 4024紙、富士ゼロックスオフィスサプライ株式会社製)に各インクで形成された画像を、印字30秒後に指、布、消しゴム、及びマーキングペンで擦過し、擦過後の様子を目視にて観察し下記基準で評価した。
〔評価基準〕
○:擦過による画像の変化が発生なし。
×:擦過による画像の変化が発生した。
<画像の埋まり>
記録媒体(Xerox 4024紙、富士ゼロックスオフィスサプライ株式会社製)に各インクで形成した乾燥後のベタ画像を観察し、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:拡大して観察してもインクで均一に記録媒体が着色している。
○:目視で観察する限りインクで均一に記録媒体が着色している。
×:目視で地肌が見えるような不均一に記録媒体が着色している。
<保存性>
各インクをインクジェットプリンター(IPSiO JET 300、株式会社リコー製)にセットしたまま、60℃にて7日間放置し、その後、従来公知のインクジェットプリンターのクリーニング操作1回で復帰可能ならば○、2回〜5回で復帰可能ならば△、5回でも復帰しなければ×とした。
<初期充填性>
各インクを脱気してカートリッジに充填し、インクジェットプリンター(IPSiO JET 300、株式会社リコー製)に装填後、初期充填動作を行い、その後、ノズルチェックパターンを印字させ、初期充填性能を下記基準で評価した。
〔評価基準〕
○:ノズル抜けが無くなるまでに行った初期充填動作が1回で充填できた。
×:ノズル抜けが無くなるまでに行った初期充填動作が2回以上必要であった。
<回復試験>
各インクを充填したインクジェットプリンター(IPSiO JET 300、株式会社リコー製)を用い、各色毎にベタ画像を打たせ、ノズル抜けが生じたら、回復動作を行い、1色につき、20枚のA4サイズの記録媒体((Xerox 4024紙、富士ゼロックスオフィスサプライ株式会社製)に印字させた。印字前後のカートリッジの質量を測定し、使用したインクの量(g)を算出した。また、印字中に行った回復動作の回数を測定した。
Figure 2005336286
本発明の水性インクは、水性インクを微細な吐出口より液滴として吐出、飛翔させ記録媒体にカラー画像を形成するインクジェット記録方法にとりわけ好適に用いられるが、水性ペン、水性マーカー、水性ボールペンなどの一般の筆記用具や記録計、ペンプロッター用のインクとして幅広く用いることができる。
図1は、本発明の記録装置に装填する前のインクカートリッジの一例を示す外観斜視図である。 図2は、図1のインクカートリッジの正断面図である。 図3は、本発明を適用したインクを収容するインクカートリッジを搭載するシリアル型インクジェット記録装置の一例を示す概略正面図である。 図4は、記録ヘッドと一体化された記録ユニットの一例を示す外観斜視図である。
符号の説明
1 側板
2 側板
3 主支持ガイドロッド
4 従支持ガイドロッド
5 キャリッジユニット
6 ヘッド
6a 吐出面(ノズル面)
7 インクカートリッジ
7y インクカートリッジ
7m インクカートリッジ
7c インクカートリッジ
7k インクカートリッジ
8 主走査モータ
9 駆動プーリ(駆動タイミングプーリ)
10 従動プーリ(アイドラプーリ)
11 タイミングベルト
12 底板
13 サブフレーム
14 サブフレーム
15 搬送ローラー
16 用紙
17 副走査モータ
18 ギヤ
19 ギヤ
21 サブシステム
22 キャップ手段
23 ホルダ
24 リンク部材
25 係合部
26 吸引チューブ
27 吸引ポンプ
28 ワイパブレード
29 ブレードアーム
30 記録ユニット
31 電極
32 ノズル
33 インクタンク
41 カートリッジ本体
42 インク吸収体
43 ケース
44 上蓋部材
45 インク供給口
46 シールリング
47 大気開放口
50 キャップ部材
55 シール部材
A 空間

Claims (20)

  1. (A)着色剤と、(B)20℃の水に対する溶解度が0.2〜4.5質量%であるポリオール化合物と、(C)ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩から選択される界面活性剤を含有することを特徴とする水性インク。
  2. (B)成分のポリオール化合物が、下記一般式(1)で表される化合物である請求項1に記載の水性インク。
    Figure 2005336286
    ただし、前記一般式(1)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子又はアルキル基を表す。なお、R及びRが同時に水素原子であることはない。Rは、アルキル基を表す。R、R及びRの合計炭素数は3〜9である。
  3. (B)成分のポリオール化合物が、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール及び2−エチル−1,3−ヘキサンジオールのいずれかである請求項1から2のいずれかに記載の水性インク。
  4. (B)成分のポリオール化合物の前記水性インクにおける含有量が0.1〜8質量%である請求項1から3のいずれかに記載の水性インク。
  5. (C)成分の界面活性剤が、下記一般式(2)で表される請求項1から4のいずれかに記載の水性インク。
    −O−(CO)SO−M ・・・一般式(2)
    ただし、前記一般式(2)中、Rは、炭化水素基を表す。Mは、アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、及びアルカノールアミンから選択されるいずれかを表す。nは、4〜21の整数である。
  6. (C)成分の界面活性剤の前記水性インクにおける含有量が0.01〜4質量%である請求項1から5のいずれかに記載の水性インク。
  7. (A)成分の着色剤が顔料である請求項1から6のいずれかに記載の水性インク。
  8. 顔料の平均粒径が10〜200nmである請求項7に記載の水性インク。
  9. 顔料が、分散剤の存在下で水分散性及び水溶性の少なくともいずれかを示す請求項7から8のいずれかに記載の水性インク。
  10. 分散剤が表面にカルボキシル基を有している請求項9に記載の水性インク。
  11. 顔料が少なくとも1種の親水基を有し、分散剤の不存在下で水分散性及び水溶性の少なくともいずれかを示す請求項7から8のいずれかに記載の水性インク。
  12. 親水基が、カルボキシル基、スルホン基、カルボニル基、及びヒドロキシル基から選択される少なくとも1種である請求項11に記載の水性インク。
  13. 消泡剤を含有し、該消泡剤がシリコーン系消泡剤である請求項1から12のいずれかに記載の水性インク。
  14. シリコーン系消泡剤が、自己乳化型及びエマルジョン型のいずれかである請求項13に記載の水性インク。
  15. 水溶性有機溶剤を含有し、該水溶性有機溶剤が、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール及び2−ピロリドンから選択される少なくとも1種である請求項1から14のいずれかに記載の水性インク。
  16. シアンインク、マゼンタインク、イエローインク及びブラックインクから選択される少なくとも1種である請求項1から15のいずれかに記載の水性インク。
  17. 請求項1から16のいずれかに記載の水性インクを容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジ。
  18. 請求項1から16のいずれかに記載の水性インクに刺激を印加し、該水性インクを飛翔させて画像を形成するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  19. 請求項1から16のいずれかに記載の水性インクに刺激を印加し、該水性インクを飛翔させて画像を形成するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
  20. 記録媒体上に請求項1から16のいずれかに記載の水性インクを用いて形成された画像を有してなることを特徴とするインク記録物。
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