JP2005335210A - 積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高剛性の熱可塑性樹脂からなる層と、前記の層と良好な接着性を有し、軟質性に優れる熱可塑性樹脂組成物からなる層とを有する積層体を提供する。
【解決手段】 (A)と(B)とを溶融混練して得られ、重量比((A)/(B))が98/2〜50/50である熱可塑性樹脂組成物からなる層Iと、AS系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂およびポリアミド系樹脂から選ばれた少なくとも一種の熱可塑性樹脂からなる層IIとを有する積層体。
(A):不飽和グリシジル化合物および(a−3)からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物に由来する構造単位の含有量が22重量%以上、α−オレフィンに由来する構造単位が78重量%以下であるオレフィン共重合体。
(a−3)α、β−不飽和カルボン酸エステルおよびビニルエステルからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物
(B):ポリカーボネート樹脂
【選択図】 なし
【解決手段】 (A)と(B)とを溶融混練して得られ、重量比((A)/(B))が98/2〜50/50である熱可塑性樹脂組成物からなる層Iと、AS系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂およびポリアミド系樹脂から選ばれた少なくとも一種の熱可塑性樹脂からなる層IIとを有する積層体。
(A):不飽和グリシジル化合物および(a−3)からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物に由来する構造単位の含有量が22重量%以上、α−オレフィンに由来する構造単位が78重量%以下であるオレフィン共重合体。
(a−3)α、β−不飽和カルボン酸エステルおよびビニルエステルからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物
(B):ポリカーボネート樹脂
【選択図】 なし
Description
本発明は、積層体に関するものである。さらに詳しくは、アクリロニトリル−スチレン系樹脂(以下、AS系樹脂と称する)、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂等の高剛性の熱可塑性樹脂からなる層と、前記の高剛性の熱可塑性樹脂からなる層と良好な接着性を有し、軟質性に優れる熱可塑性樹脂組成物からなる層とを有する積層体に関するものである。
AS系樹脂、ポリカーボネート系、ポリオレフィン系、ポリアミド系樹脂等の高剛性の熱可塑性樹脂は、自動車の内外装材、家電製品、OA機器、住宅建材、日用品などに幅広く使用されている。
近年、前記の高剛性の熱可塑性樹脂からなる成形品の表面に柔軟性やクッション性を付与することが要望されており、柔軟性やクッション性を有する樹脂としては、オレフィン系熱可塑性エラストマー等が知られている。
例えば、特開平11−80448号公報には、ポリカーボネートやABS樹脂等の高い極性値をもつ熱可塑性樹脂に対して熱接着が可能で、柔軟性に優れる熱接着性熱可塑性エラストマーとして、特定のオレフィン系熱可塑性エラストマーと、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルおよび酢酸ビニルエステルからなる群から選ばれたいずれか一以上の特定モノマーを10〜30重量%含むエチレン系共重合体とからなる組成物、および、その組成物が積層された積層板が記載されている。
上記の特開平11−80448号公報に記載の熱接着性熱可塑性エラストマーは、これをAS系樹脂、ポリカーボネート系、ポリオレフィン系、ポリアミド系樹脂等の高剛性の熱可塑性樹脂に熱融着する時の接着性が、必ずしも十分とは云えず、さらに高度な接着性が要求される積層体等へ適用するためには、さらなる接着性および軟質性の改良が求められていた。
かかる状況の下、本発明の目的は、AS系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂等の高剛性の熱可塑性樹脂からなる層と、前記の高剛性の熱可塑性樹脂からなる層と良好な接着性を有し、軟質性に優れる熱可塑性樹脂組成物からなる層とを有する積層体を提供することにある。
本発明者等は、鋭意検討の結果、本発明が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
下記の成分(A)と成分(B)とを溶融混練して得られ、成分(A)と成分(B)の重量比((A)/(B))が98/2〜50/50である熱可塑性樹脂組成物からなる層Iと、AS系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂およびポリアミド系樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一種の熱可塑性樹脂からなる層IIとを有する積層体に係るものである。
成分(A):下記の(a−2)および(a−3)からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物と、下記の(a−1)とを重合して得られるオレフィン共重合体であって、(a−1)に由来する構造単位の含有量が78重量%以下であり、(a−2)および(a−3)からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物に由来する構造単位の含有量の全量が22重量%以上であるオレフィン共重合体(ただし、オレフィン共重合体(成分A)の全重量を100重量%とする)
(a−1)α−オレフィン
(a−2)不飽和グリシジル化合物
(a−3)α、β−不飽和カルボン酸エステルおよびビニルエステルからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物
(B):ポリカーボネート樹脂
すなわち、本発明は、
下記の成分(A)と成分(B)とを溶融混練して得られ、成分(A)と成分(B)の重量比((A)/(B))が98/2〜50/50である熱可塑性樹脂組成物からなる層Iと、AS系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂およびポリアミド系樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一種の熱可塑性樹脂からなる層IIとを有する積層体に係るものである。
成分(A):下記の(a−2)および(a−3)からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物と、下記の(a−1)とを重合して得られるオレフィン共重合体であって、(a−1)に由来する構造単位の含有量が78重量%以下であり、(a−2)および(a−3)からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物に由来する構造単位の含有量の全量が22重量%以上であるオレフィン共重合体(ただし、オレフィン共重合体(成分A)の全重量を100重量%とする)
(a−1)α−オレフィン
(a−2)不飽和グリシジル化合物
(a−3)α、β−不飽和カルボン酸エステルおよびビニルエステルからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物
(B):ポリカーボネート樹脂
本発明によれば、AS系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂等の高剛性の熱可塑性樹脂からなる層と、前記の高剛性の熱可塑性樹脂からなる層と良好な接着性を有し、軟質性に優れる熱可塑性樹脂組成物からなる層とを有する積層体を得ることができる。
本発明の積層体の層Iに用いられる成分(A)は、下記の(a−2)および(a−3)からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物と、下記の(a−1)とを重合して得られるオレフィン共重合体である。
(a−1)α−オレフィン
(a−2)不飽和グリシジル化合物
(a−3)α、β−不飽和カルボン酸エステルおよびビニルエステルからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物
(a−1)α−オレフィン
(a−2)不飽和グリシジル化合物
(a−3)α、β−不飽和カルボン酸エステルおよびビニルエステルからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物
成分(A)に用いられる(a−1)α−オレフィンとは、ビニル基を有する炭素数2〜20の炭化水素化合物あり、具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、ビニルシクロヘキサン、スチレン等が列挙される。(a−1)α−オレフィンとして、好ましくはエチレンである。
成分(A)に用いられる(a−2)不飽和グリシジル化合物の具体例としては、不飽和グリシジルエーテルや不飽和グリシジルエステル等が挙げられる。不飽和グリシジルエーテルとしては、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル等が挙げられ、不飽和グリシジルエステルとしては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、イタコン酸グリシジルエステル等が挙げられる。
成分(A)に用いられる化合物(a−3)のうち、α、β−不飽和カルボン酸エステルとしては、炭素数が3〜8のアルキル基を有するα、β−不飽和カルボン酸アルキルエステルが挙げられ、具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル及びメタクリル酸イソブチル等が挙げられる。
また、成分(A)に用いられる化合物(a−3)のうち、ビニルエステルとしては、炭素数2〜8のカルボン酸から誘導されるビニルエステル等が挙げられ、具体例としては、酢酸ビニル、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、イソノナン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げられる。
成分(A)に用いられる化合物(a−3)として、好ましくは、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチルである。
成分(A)に用いられる化合物(a−3)として、好ましくは、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチルである。
本発明で用いられるオレフィン共重合体(成分(A))に含有される(a−1)に由来する構造単位の含有量は78重量%以下であり、(a−2)および(a−3)からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物に由来する構造単位の含有量の全量は22重量%以上である。ただし、オレフィン共重合体(成分A)の全重量を100重量%とする。
(a−1)に由来する構造単位の含有量が78重量%を超えた場合や、(a−2)および(a−3)からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物に由来する構造単位の含有量の全量が22重量%未満の場合、AS系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂等との熱接着性が不十分となることがある。
(a−1)に由来する構造単位の含有量として、好ましくは50〜70重量%であり、(a−2)および(a−3)からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物に由来する構造単位の含有量の全量として、好ましくは30〜50重量%である。
また、(a−2)に由来する構造単位の含有量として、好ましくは1〜50重量%であり、(a−3)に由来する構造単位の含有量として、好ましくは1〜50重量%である。
(a−1)に由来する構造単位の含有量が78重量%を超えた場合や、(a−2)および(a−3)からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物に由来する構造単位の含有量の全量が22重量%未満の場合、AS系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂等との熱接着性が不十分となることがある。
(a−1)に由来する構造単位の含有量として、好ましくは50〜70重量%であり、(a−2)および(a−3)からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物に由来する構造単位の含有量の全量として、好ましくは30〜50重量%である。
また、(a−2)に由来する構造単位の含有量として、好ましくは1〜50重量%であり、(a−3)に由来する構造単位の含有量として、好ましくは1〜50重量%である。
本発明の積層体の層Iに用いられるポリカーボネート系樹脂(成分(B))は、芳香族ジヒドロキシ化合物とホスゲンとを反応させることによって製造される芳香族ポリカーボネート系樹脂、芳香族ジヒドロキシ化合物と少量のポリヒドロキシ化合物とホスゲンとを反応させることによって製造される芳香族ポリカーボネート系樹脂、芳香族ジヒドロキシ化合物を炭酸ジエステルでエステル交換反応して製造される芳香族ポリカーボネート系樹脂、または、芳香族ジヒドロキシ化合物と少量のポリヒドロキシ化合物を炭酸ジエステルでエステル交換反応して製造される芳香族ポリカーボネート系樹脂である。前記の芳香族ポリカーボネート系樹脂の製造においては、必要に応じて、分岐剤としての三官能化合物や分子量調節剤を用いても良い。
本発明の積層体の層Iに用いられるポリカーボネート系樹脂(成分(B))は、分岐している芳香族ポリカーボネート系樹脂であっても良く、分岐していない芳香族ポリカーボネート系樹脂であっても良い。
本発明の積層体の層Iに用いられるポリカーボネート系樹脂(成分(B))は、分岐している芳香族ポリカーボネート系樹脂であっても良く、分岐していない芳香族ポリカーボネート系樹脂であっても良い。
成分(B)に用いられる芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下ビスフェノールAと略記する)、テトラメチルビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−イソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等が挙げられ、好ましくはビスフェノールAである。
分岐している芳香族ポリカーボネート樹脂は、前記の芳香族ジヒドロキシ化合物の一部(例えば、前記の芳香族ジヒドロキシ化合物の0.1〜2モル%)を、ポリヒドロキシ化合物、3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール〔=イサチン(ビスフェノールA)〕、5−クロロイサチン、5,7−ジクロルイサチン、5−ブロモイサチン等で置換することによって製造される。
ポリヒドロキシ化合物としては、例えば、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプチン、2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4, 6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン、3,2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン等が例示される。
成分(B)の分子量を調節するために用いられる分子量調節剤としては、一価芳香族ヒドロキシ化合物が挙げられ、例えば、m−メチルフェノール、p−メチルフェノール、m−プロピルフェノール、p−プロピルフェノール、p−ブロモフェノール、p−第3級−ブチルフェノール、p−長鎖アルキル置換フェノール等が挙げられる。
成分(B)として用いられる芳香族ポリカーボネート樹脂としては、例えば、特開昭63−30524号公報、特開昭56−55328号公報、特公昭55−414号公報、特公昭60−25049号公報、特公平3−49930号公報等に記載されている芳香族ポリカーボネート樹脂が挙げられる。好ましくは、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン系化合物を主原料として製造される芳香族ポリカーボネート樹脂、少なくとも2種の芳香族ジヒドロキシ化合物を併用して製造される芳香族ポリカーボネート共重合体、3価のフェノール系化合物を少量併用して製造される分岐化ポリカーボネート樹脂であり、より好ましくは、ビスフェノールAを主原料として製造される芳香族ポリカーボネート樹脂である。また、成分(B)としては、芳香族ポリカーボネート樹脂を単独で用いてもよく、少なくとも2種を混合物として用いてよい。
本発明の積層体の層Iに用いられる熱可塑性樹脂組成物は、上記の成分(A)と成分(B)とを溶融混練して得られる熱可塑性樹脂組成物であり、層Iに用いられる熱可塑性樹脂組成物に含有される成分(A)と成分(B)の重量比((A)/(B))は98/2〜50/50であり、好ましくは、90/10〜60/40である。
成分(A)が過少な場合、本発明の積層体の層Iと、AS系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂およびポリアミド系樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一種の熱可塑性樹脂からなる層IIとの接着性が低下することがあり、成分(B)が過多な場合、本発明の積層体の層Iに用いられる熱可塑性樹脂組成物の柔軟性が乏しくなることがある。
成分(A)が過少な場合、本発明の積層体の層Iと、AS系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂およびポリアミド系樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一種の熱可塑性樹脂からなる層IIとの接着性が低下することがあり、成分(B)が過多な場合、本発明の積層体の層Iに用いられる熱可塑性樹脂組成物の柔軟性が乏しくなることがある。
本発明の積層体の層Iに用いられる熱可塑性樹脂組成物の製造方法としては、上記の成分(A)と成分(B)を混合し、混練する方法が挙げられる。混練に用いられる装置としては、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、熱ロール等が挙げられる。混練の温度は、通常、170〜300℃であり、混練の時間は、通常、1〜20分である。また、上記の成分(A)と成分(B)の混練は同時に行ってもよく、分割して行ってもよい。上記の成分(A)と成分(B)を分割して混練する場合、混練の順序は任意であって、必要に応じて、適宜決定される。
また、本発明の積層体の層Iに用いられる熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じて、他の熱可塑性樹脂、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、帯電防止剤、銅害防止剤、難燃剤、中和剤、発泡剤、可塑剤、造核剤、気泡防止剤、架橋剤、滑剤等の添加剤を配合しても良い。
本発明の積層体の層IIに用いられる熱可塑性樹脂は、AS系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂から選ばれた少なくとも一種の熱可塑性樹脂である。
本発明の積層体の層IIに用いられるAS系樹脂とは、アクリロニトリル−スチレン系ランダム共重合体であり、アクリロニトリルから誘導される繰り返し単位とスチレンから誘導される繰り返し単位とがランダムに共重合したものである。アクリロニトリルから誘導される繰り返し単位の含有量は、通常2〜50重量%(すなわち、スチレンから誘導される繰り返し単位の含有量は、通常98〜50重量%)であり、好ましくは20〜30重量%(すなわち、スチレンから誘導される繰り返し単位の含有量は、好ましくは80〜70重量%)である(ただし、アクリロニトリル−スチレン系ランダム共重合体に含有される繰り返し単位の合計を100重量%とする)。
また、AS系樹脂としては、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)やアクリロニトリル−EPゴム−スチレン樹脂(AES樹脂)等が挙げられる。ABS樹脂としては、例えば、アクリロニトリル−スチレン系ランダム共重合体にポリオレフィン系ゴム(例えば、ポリブタジエンゴム)を40重量%以下程度にグラフト重合した樹脂が挙げられる。また、AES樹脂としては、例えば、アクリロニトリル−スチレン系ランダム共重合体にエチレン−プロピレン共重合体ゴム(例えば、EPゴム)を40重量%以下程度グラフト重合した樹脂が挙げられる。
AS系樹脂の分子量は、目的に応じて定めればよく、一般に温度230℃および荷重21.2Nの条件で測定したメルトフローレート(MFR)で表わした場合、通常0.01〜400g/10分であり、好ましくは0.1〜60g/10分である。
AS系樹脂の製造方法としては、例えば、溶融反応法、溶液法、エマルジョン法およびオートクレーブ法によって製造する方法が挙げられる。
本発明の積層体の層IIに用いられるポリオレフィン樹脂とは、α−オレフィンや環状オレフィン等のオレフィン類の単独重合体または共重合体である。α−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、3−メチルブテン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1、テトラデセン−1、ヘキサデセン−1、オクタデセン−1、エイコセン−1等が挙げられ、環状オレフィンとしては、例えば、特開平2−115248号公報に記載の環状オレフィンが挙げられる。
また、本発明の積層体の層IIに用いられるポリオレフィン樹脂としては、上記のオレフィン類と少量の他の不飽和単量体を共重合した共重合体も挙げられる。そして、上記のオレフィン類の単独重合体、上記のオレフィン類の共重合体、または、上記のオレフィン類と少量の他の不飽和単量体を共重合した共重合体を酸化やスルホン化して得られる変性物も挙げられる。
上記のオレフィン類と少量の他の不飽和単量体を共重合した共重合体に用いられる他の不飽和単量体としては、例えば、不飽和有機酸またはその誘導体、ビニルエステル、芳香族ビニル化合物、ビニルシラン、非共役ジエン等が挙げられる。
不飽和有機酸またはその誘導体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、アリールマレイン酸イミド、アルキルマレイン酸イミド等が挙げられ、ビニルエステルとしては、酢酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられ、芳香族ビニル化合物としては、スチレン、メチルスチレン等が挙げられ、ビニルシランとしては、ビニルトリメチルメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、非共役ジエンとしては、ジシクロペンタジエン、4−エチリデン−2−ノルボルネン、4−メチル1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン等が挙げられる。
不飽和有機酸またはその誘導体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、アリールマレイン酸イミド、アルキルマレイン酸イミド等が挙げられ、ビニルエステルとしては、酢酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられ、芳香族ビニル化合物としては、スチレン、メチルスチレン等が挙げられ、ビニルシランとしては、ビニルトリメチルメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、非共役ジエンとしては、ジシクロペンタジエン、4−エチリデン−2−ノルボルネン、4−メチル1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン等が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂として、好ましくは、エチレン、プロピレン、ブテン−1、3−メチルブテン−1および4−メチルペンテン−1から選ばれる少なくとも一種のオレフィンを、50重量%以上含有する単独重合体または共重合体であり、より好ましくは結晶性プロピレン系重合体であり、さらに好ましくはプロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、または、これらの混合物である。
ポリオレフィン樹脂の分子量は、目的に応じて定めればよく、一般に温度230℃および荷重21.2Nの条件で測定したメルトフローレート(MFR)で表わした場合、通常0.01〜400g/10分であり、好ましくは0.1〜60g/10分である。
ポリオレフィン樹脂の製造方法としては、従来から公知の重合によって製造する方法や変性によって製造する方法が挙げられる。例えば、米国特許第4900706号公報や同第4820775号公報等に記載の方法が挙げられる。また、市販品を、適宜選んで使用しても良い。
本発明の積層体の層IIに用いられるポリアミド系樹脂とは、ラクタムまたはアミノカルボン酸を重合して製造されるポリアミド樹脂、ラクタムを自己縮合させることによって製造されるポリアミド樹脂、炭素原子数4〜12個を含む飽和脂肪族ジカルボン酸と、等モル量の炭素原子数2〜12個を含む脂肪族ジアミンとを結合させることによって製造されるポリアミド樹脂から選ばれた少なくとも一種のポリアミド樹脂である。
炭素原子数4〜12個を含む飽和脂肪族ジカルボン酸と、等モル量の炭素原子数2〜12個を含む脂肪族ジアミンとを結合させることによって製造されるポリアミド樹脂に用いられる飽和脂肪族ジカルボン酸としては、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等が挙げられ、脂肪族ジアミンとしては、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン等が挙げられる。
炭素原子数4〜12個を含む飽和脂肪族ジカルボン酸と、等モル量の炭素原子数2〜12個を含む脂肪族ジアミンとを結合させることによって製造されるポリアミド樹脂の製造において、所望に応じて、脂肪族ジアミンを過剰に用いることによって、ポリアミド樹脂に含有されるカルボキシル末端基よりアミン末端基が過剰になるように調整することができ、また、過剰の二塩基性酸を用いることによって、ポリアミド樹脂に含有されるアミン末端基よりカルボキシル基末端基が過剰になるよう調整することもできる。
そして、本発明の積層体の層IIに用いられるポリアミド系樹脂としては、飽和脂肪族ジカルボン酸の誘導体(例えば、エステルや酸塩化物等)と、脂肪族ジアミンの誘導体(例えば、アミン塩等)とから製造されるポリアミド樹脂も挙げられる。
炭素原子数4〜12個を含む飽和脂肪族ジカルボン酸と、等モル量の炭素原子数2〜12個を含む脂肪族ジアミンとを結合させることによって製造されるポリアミド樹脂の例としては、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンアゼラミド(ナイロン69)、ポリヘキサメチレンセバサミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカノアミド(ナイロン612)、ポリ−ビス−(p−アミノシクロヘキシル)メタンドデカノアミド、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46、ナイロン6、ナイロン10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6/66)共重合体等が挙げられる。これらのナイロンを単独で用いてもよく、少なくとも2種を、任意の割合で混合して用いてもよい。
本発明の積層体の層IIに用いられるポリアミド系樹脂として、好ましくは、ナイロン46、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12であり、より好ましくは、ナイロン6、ナイロン66、またはナイロン6とナイロン66とを任意の比率で混合した混合物である。
また、本発明の積層体の層IIに用いられるポリアミド系樹脂として、好ましくは、末端官能基としてアミン末端を多く含有するポリアミド樹脂、末端官能基としてカルボキシ末端を多く含有するポリアミド樹脂、アミン末端とカルボキシ末端がバランスしたポリアミド樹脂、または、これらのポリアミド樹脂を任意の比率で混合した混合物が挙げられる。
また、本発明の積層体の層IIに用いられるポリアミド系樹脂として、好ましくは、末端官能基としてアミン末端を多く含有するポリアミド樹脂、末端官能基としてカルボキシ末端を多く含有するポリアミド樹脂、アミン末端とカルボキシ末端がバランスしたポリアミド樹脂、または、これらのポリアミド樹脂を任意の比率で混合した混合物が挙げられる。
また、本発明の積層体の層IIに用いられるポリアミド系樹脂としては、芳香族成分を含有する芳香族ポリアミド樹脂も挙げられ、例えば、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)等が挙げられる。上記の芳香族成分としては、芳香族アミノ酸や芳香族ジカルボン酸等が挙げられ、例えば、パラアミノメチル安息香酸、パラアミノエチル安息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸等が挙げられる。
また、上記の芳香族ポリアミド樹脂は、上記の芳香族成分を主要な構成成分として、溶融重合によって製造されるポリアミド樹脂である。
また、上記の芳香族ポリアミド樹脂は、上記の芳香族成分を主要な構成成分として、溶融重合によって製造されるポリアミド樹脂である。
上記の芳香族ポリアミド樹脂には、必要に応じて、その他の構成成分としてジアミンを含有させてもよく、例えば、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(3−メチル、4−アミノシクロヘキシル)メタン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
また、ジアミンの代わりにイソシアネート類を用いても良く、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートやトリレンジイソシアネート等が挙げられる。
また、ジアミンの代わりにイソシアネート類を用いても良く、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートやトリレンジイソシアネート等が挙げられる。
また、本発明の積層体の層IIに用いられるポリアミド系樹脂には、必要に応じて、共重合成分を含有させても良く、共重合成分としては、ラクタムから誘導される化合物(例えば、ε−カプロラクタムやω−ラウロラクタム等)、炭素原子4〜12個のω−アミノ酸から誘導される化合物(例えば、11−アミノウンデカン酸や12−アミノドデカン酸等)、炭素原子4〜12個の脂肪族ジカルボン酸から誘導される化合物、炭素原子2〜12個の脂肪族ジアミンから誘導される化合物(例えば、前記の各種ジアミンと等モルのアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等から得られる塩等)が挙げられる。
また、本発明の積層体の層IIに用いられるポリアミド系樹脂は結晶性のポリアミド樹脂であっても良く、非晶性のポリアミド樹脂であっても良く、前記の結晶性のポリアミド樹脂と非晶性のポリアミド樹脂を任意の割合で混合した混合物であっても良い。
本発明の積層体は、上記の成分(A)と成分(B)とを溶融混練して得られる熱可塑性樹脂組成物からなる層Iと、アクリロニトリル−スチレン系樹脂(AS系樹脂)、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂およびポリアミド系樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一種の熱可塑性樹脂からなる層IIとを有する積層体である。
本発明の積層体(層I+層II)の全体の厚みに対する層Iの比率(層Iの厚み/積層体の厚み)は、積層体の強度を高めるという観点や、積層体の表面のクッション性や柔軟性を高めるという観点から、好ましくは0.01〜0.6である。
また、本発明の積層体は、使用目的に応じて、その他の層を有する多層構造からなる積層体であっても良く、積層体の表面のクッション性や柔軟性を高めるという観点から、好ましくは層Iを最外層に有する積層体である。
本発明の積層体の製造方法としては、例えば、多層押出し成形、多層ブロー成形、多層プレス成形、多色射出成形、インサート射出成形等の貼合成形法によって、層Iと層IIとを積層する方法が挙げられ、好ましくは多層押出し成形やインサート射出成形である。
本発明の積層体の用途としては、例えば、手すり、パイプ、柱等の建築・土木用途、アニマルガード、ルーフレール、スポイラー等の自動車用途、耐熱性が求められる用途等が挙げられる。
本発明で用いられる上記の成分(A)と成分(B)とを溶融混練して得られる熱可塑性樹脂組成物や、アクリロニトリル−スチレン系樹脂(AS系樹脂)、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂およびポリアミド系樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一種の熱可塑性樹脂には、必要に応じて、上記の樹脂組成物または樹脂を混練する時、または本発明の積層体を成形する時に、慣用の添加剤(例えば、顔料、染料や補強剤(炭素繊維等))、充填剤、耐熱剤、耐候剤、滑剤、離型剤、結晶核剤、可塑剤、流動性改良剤、帯電防止剤、安定剤(例えば、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤や重合禁止剤)等を添加しても良い。
以下、実施例および比較例に基づいて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下に実施例および比較例で使用した樹脂(略号の意味)を示した。
(1)オレフィン共重合体(本発明の成分(A)に該当する。)
PO1:エチレン−グリシジルメタアクリレート−アクリル酸メチル共重合体
(a−1)エチレン単位含有量64wt%
(a−2)グリシジルメタアクリレート6wt%
(a−3)アクリル酸メチル30wt%
PO2:エチレン−グリシジルメタアクリレート−アクリル酸メチル共重合体
(a−1)エチレン単位含有量67wt%
(a−2)グリシジルメタアクリレート3wt%
(a−3)アクリル酸メチル30wt%
PO3:エチレン−グリシジルメタアクリレート共重合体
(a−1)エチレン単位含有量88wt%
(a−2)グリシジルメタアクリレート12wt%
PO4:エチレン−メチルメタクリレート共重合体
(a−1)エチレン単位含有量80wt%
(a−3)メチルメタクリレート20wt%
以下に実施例および比較例で使用した樹脂(略号の意味)を示した。
(1)オレフィン共重合体(本発明の成分(A)に該当する。)
PO1:エチレン−グリシジルメタアクリレート−アクリル酸メチル共重合体
(a−1)エチレン単位含有量64wt%
(a−2)グリシジルメタアクリレート6wt%
(a−3)アクリル酸メチル30wt%
PO2:エチレン−グリシジルメタアクリレート−アクリル酸メチル共重合体
(a−1)エチレン単位含有量67wt%
(a−2)グリシジルメタアクリレート3wt%
(a−3)アクリル酸メチル30wt%
PO3:エチレン−グリシジルメタアクリレート共重合体
(a−1)エチレン単位含有量88wt%
(a−2)グリシジルメタアクリレート12wt%
PO4:エチレン−メチルメタクリレート共重合体
(a−1)エチレン単位含有量80wt%
(a−3)メチルメタクリレート20wt%
(2)ポリカーボネート樹脂(本発明の成分(B)に該当する。)
PC1:ポリカーボネート樹脂、商標:カリバー301−10 住友ダウ製
PC1:ポリカーボネート樹脂、商標:カリバー301−10 住友ダウ製
(3)層IIに用いた熱可塑性樹脂
AS1:AS樹脂、商標ライタック−A 100PCF 日本エイアンドエル製
PC1:ポリカーボネート樹脂、商標:カリバー301−10 住友ダウ製
PP1:ポリオレフィン系樹脂
プロピレンとエチレンとのランダム共重合体部分の割合が14.5重量%であり、プロピレンとエチレンとのランダム共重合体部分中のエチレンから誘導される構造単位の含量が40重量%であり、プロピレンとエチレンとのランダム共重合体部分の固有粘度([η]EP)が4.3dl/gであり、プロピレンの単独重合体の固有粘度([η]P)が1.1dl/gであり、MFR(メルトフローレート、測定条件:230℃、荷重21.2N)が30g/10分であるブロックコポリマー
PA1:ポリアミド樹脂、商標:ユニチカナイロン6 1030BRL ユニチカ製
AS1:AS樹脂、商標ライタック−A 100PCF 日本エイアンドエル製
PC1:ポリカーボネート樹脂、商標:カリバー301−10 住友ダウ製
PP1:ポリオレフィン系樹脂
プロピレンとエチレンとのランダム共重合体部分の割合が14.5重量%であり、プロピレンとエチレンとのランダム共重合体部分中のエチレンから誘導される構造単位の含量が40重量%であり、プロピレンとエチレンとのランダム共重合体部分の固有粘度([η]EP)が4.3dl/gであり、プロピレンの単独重合体の固有粘度([η]P)が1.1dl/gであり、MFR(メルトフローレート、測定条件:230℃、荷重21.2N)が30g/10分であるブロックコポリマー
PA1:ポリアミド樹脂、商標:ユニチカナイロン6 1030BRL ユニチカ製
次に実施例および比較例における物性値等の評価方法を以下に示した。
流動性
ASTM−D1238に準拠し、190℃、21N荷重でのメルトフローレート(MFR)を測定した。MFRの値が大きいほど、流動性が良好であることを示す。
流動性
ASTM−D1238に準拠し、190℃、21N荷重でのメルトフローレート(MFR)を測定した。MFRの値が大きいほど、流動性が良好であることを示す。
接着性
表1に示した配合で得られた熱可塑性樹脂組成物のペレット、AS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂またはポリアミド樹脂のそれぞれを熱プレス成形し、縦150mm×横150mmのシートを作成した。
表1に示した層Iと層IIの組み合わせで、縦150mm×横150mmの金型枠に入れて、200℃に加熱したプレス機で1.5MPaの圧力をかけ、5分間加熱圧着し、積層体を作成し、得られた積層体を、20mm幅に切断し試料とした。
試料の180度剥離試験を引張り速度200mm/minで行い、チャートより応力を求め、試料の幅で割った値を接着強度とした。接着強度の値が大きいほど接着性が良好であることを示す。
表1に示した配合で得られた熱可塑性樹脂組成物のペレット、AS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂またはポリアミド樹脂のそれぞれを熱プレス成形し、縦150mm×横150mmのシートを作成した。
表1に示した層Iと層IIの組み合わせで、縦150mm×横150mmの金型枠に入れて、200℃に加熱したプレス機で1.5MPaの圧力をかけ、5分間加熱圧着し、積層体を作成し、得られた積層体を、20mm幅に切断し試料とした。
試料の180度剥離試験を引張り速度200mm/minで行い、チャートより応力を求め、試料の幅で割った値を接着強度とした。接着強度の値が大きいほど接着性が良好であることを示す。
硬度(ショアーAスケール)
JIS−K−7215に準拠して測定した。すなわち、表1に示した配合で得られた熱可塑性樹脂組成物のペレットを熱プレス成形し、厚み3mm、縦150mm×横150mmのシートを作成した。得られたプレスシートを縦50mm×横50mmに切削する。切削したシートを2枚重ねて厚みを6mmとし、上島製作所製スプリング式硬度計を用いて測定を行った。値が小さいものほど柔らかく柔軟性に富むことを示す。
JIS−K−7215に準拠して測定した。すなわち、表1に示した配合で得られた熱可塑性樹脂組成物のペレットを熱プレス成形し、厚み3mm、縦150mm×横150mmのシートを作成した。得られたプレスシートを縦50mm×横50mmに切削する。切削したシートを2枚重ねて厚みを6mmとし、上島製作所製スプリング式硬度計を用いて測定を行った。値が小さいものほど柔らかく柔軟性に富むことを示す。
実施例1
表1に示した配合割合(重量部)の各成分を、シリンダー温度250℃、スクリュー回転数80rpmに設定した連続二軸混練機(東洋精機製2D25S)のホッパーから投入した後、これらの成分を溶融混練してペレット状の樹脂組成物を得た。得られたペレットを40℃×2時間オーブンで乾燥したのち、200℃に加熱した熱プレス成形機で接着性測定用および硬度測定用のシートを作成し、物性測定を実施した。結果を表1に示した。
表1に示した配合割合(重量部)の各成分を、シリンダー温度250℃、スクリュー回転数80rpmに設定した連続二軸混練機(東洋精機製2D25S)のホッパーから投入した後、これらの成分を溶融混練してペレット状の樹脂組成物を得た。得られたペレットを40℃×2時間オーブンで乾燥したのち、200℃に加熱した熱プレス成形機で接着性測定用および硬度測定用のシートを作成し、物性測定を実施した。結果を表1に示した。
実施例2〜3および比較例1〜3
実施例1と同様に試験片を作成し、物性測定を実施した。結果を表1に示した。
実施例1と同様に試験片を作成し、物性測定を実施した。結果を表1に示した。
本発明の要件を充足する実施例1〜3は、接着性および柔軟性に優れる積層体であることが分かる。
これに対して、本発明の要件を満たさないPO3を用いた比較例1、本発明の要件を満たさないPO4を用いた比較例2、また、本発明の成分(A)と成分(B)の重量比の要件を満たさない比較例3は、いずれも接着性および柔軟性が不充分な積層体であることが分かる。
これに対して、本発明の要件を満たさないPO3を用いた比較例1、本発明の要件を満たさないPO4を用いた比較例2、また、本発明の成分(A)と成分(B)の重量比の要件を満たさない比較例3は、いずれも接着性および柔軟性が不充分な積層体であることが分かる。
Claims (3)
- 下記の成分(A)と成分(B)とを溶融混練して得られ、成分(A)と成分(B)の重量比((A)/(B))が98/2〜50/50である熱可塑性樹脂組成物からなる層Iと、アクリロニトリル−スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂およびポリアミド系樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一種の熱可塑性樹脂からなる層IIとを有する積層体。
成分(A):下記の(a−2)および(a−3)からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物と、下記の(a−1)とを重合して得られるオレフィン共重合体であって、(a−1)に由来する構造単位の含有量が78重量%以下であり、(a−2)および(a−3)からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物に由来する構造単位の含有量の全量が22重量%以上であるオレフィン共重合体(ただし、オレフィン共重合体(成分A)の全重量を100重量%とする)。
(a−1)α−オレフィン
(a−2)不飽和グリシジル化合物
(a−3)α、β−不飽和カルボン酸エステルおよびビニルエステルからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物
(B):ポリカーボネート樹脂 - 層IIの曲げ弾性率が1000MPa以上である請求項1に記載の積層体。
- 層IのショアA硬度が90以下である請求項1に記載の積層体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004157237A JP2005335210A (ja) | 2004-05-27 | 2004-05-27 | 積層体 |
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