JP2005334364A - シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 車両の衝突などでフレームが破損した場合に、乗員に対する安全性を確保するようにしたシートを提供する。
【解決手段】 このシート1におけるフレーム4は、CFRP(炭素繊維強化樹脂)8を積層することで構成され、通常使用時においては、十分な耐久性を有している。しかしながら、このようなCFRP8は、車両の衝突などによってフレーム4が破壊するときにその場所や破壊後の状態を制御することが求められている。そこで、フレーム4の非露出部分S1に脆弱部A1を設けて破断位置をコントロールし、フレーム4の破断部分が外部に露出しないようにして、乗員の安全性を高めている。
【選択図】 図2


Description

本発明は、複数枚の繊維強化複合材料の積層によりフレームが構成されているシートに関するものである。
従来、このような分野の技術として、特開平5−115329号公報がある。この公報に記載されたシートはパネルタイプのシートフレームを有し、このシートフレームはFRPにより形成され、軽量化と剛性とを同時に満足させるようにしている。これとは別に、近年、剛性特性及び軽量特性に格段優れた繊維強化複合材料(例えば、炭素繊維強化樹脂)が登場し、この素材は、競技用車両などのボディに利用されている。
特開平5−115329号公報 特開平7−217689号公報 特開平9−226039号公報 WO98/47693 特開平4−1029号公報
しかしながら、前述した従来のシートには、次のような課題が存在している。すなわち、繊維強化複合材料を車両用シートのフレームに採用した場合、車両の衝突などでフレームが破壊するときにその破壊する場所や破壊後の状態を制御することで乗員の安全性をより高めることが求められている。
本発明は、特に、車両の衝突などでフレームが破損した場合に、乗員に対する安全性を確保するようにしたシートを提供することを目的とする。
本発明に係るシートは、複数枚の繊維強化複合材料を積層することにより横方向の力を受け持つように構成されたフレームを備え、フレームには、フレームを覆う部材が設けられている非露出部分に脆弱部が設けられていることを特徴とする。
このシートにおけるフレームは、繊維強化複合材料を積層することで構成され、通常使用時においては、十分な耐久性を有している。しかしながら、このような繊維強化複合材料は、車両の衝突などによってフレームが破壊するときにその場所や破壊後の状態を制御することが求められている。そこで、フレームの非露出部分に脆弱部を設けて破壊位置をコントロールし、フレームの破壊部分が外部に露出しないようにして、乗員の安全性を高めるようにしている。
また、フレームを覆う部材がヘッドレストであり、脆弱部は、繊維強化複合材料の積層枚数が他の部分に比べて少ないと好適である。この構成によって、破断位置を容易にコントロールすることができる。
また、フレームを覆う部材がヘッドレストであり、脆弱部には、繊維強化複合材料の突合せ継ぎ目が離間状態で設けられていると好適である。この構成によって、破断位置を容易にコントロールすることができる。
また、フレームを覆う部材がシートバックであり、脆弱部は、繊維強化複合材料の積層枚数が他の部分に比べて少ないと好適である。この構成によって、破断位置を容易にコントロールすることができる。
また、フレームを覆う部材がシートバックであり、脆弱部には段差が設けられていると好適である。この構成によって、破断位置を容易にコントロールすることができる。
また、フレームを覆う部材がシートバックであり、脆弱部は、フレームの長手方向を基準とした繊維強化複合材料の繊維の方向により調整されていると好適である。この構成によって、破断位置を容易にコントロールすることができる。
本発明に係るシートは、複数枚の繊維強化複合材料を積層することにより横方向の力を受け持つように構成されたフレームを備え、フレームが露出している部分には、塑性的変形部位が設けられていることを特徴とする。
このシートにおけるフレームは、繊維強化複合材料を積層することで構成され、通常使用時においては、十分な耐久性を有している。しかしながら、このような繊維強化複合材料は、車両の衝突などでフレームが破壊するときにその破壊する場所や破壊後の状態を制御することで乗員の安全性をより高めることが求められている。そこで、所定以上の荷重により延伸するような塑性的変形を起こさせる部分をフレームに設けることで破断部分は柔軟な状態で破断するので、フレームの露出部分であっても繊維強化複合材料を利用することができる。これによって乗員の安全性が確保できる。
また、塑性的変形部位は、フレームの長手方向を基準とした繊維強化複合材料の繊維の方向により調整されていると好適である。塑性的変形部位をこのように構成することで、破断部分は柔軟な状態で破断する。
また、塑性的変形部位には、少なくとも一層のアラミド繊維層またはアラミド・カーボン混織層が設けられていると好適である。塑性的変形部位をこのように構成にすることで、フレームのアラミド繊維層と母材となるFRP層の間、あるいはアラミド混繊層と母材となるFRP層の間で塑性変形が発生し、破断部分は柔軟な状態で破断する。
本発明に係るシートは、複数枚の繊維強化複合材料を積層することにより横方向の力を受け持つように構成されたフレームを備え、積層された繊維強化複合材料間に離型フィルムを配置したことを特徴とする。
このシートにおけるフレームは、繊維強化複合材料を積層することで構成され、通常使用時においては、十分な耐久性を有している。しかしながら、このような繊維強化複合材料は、車両の衝突などによってフレームが破壊するときにその場所や破壊後の状態を制御することが求められている。そこで繊維強化複合材間に離型フィルムを介在させることで、離型フィルムと母材となる繊維層の間で塑性変形が発生し、破断部分が柔軟な状態で破断する。
本発明によれば、車両の衝突などでフレームが破損した場合に、乗員に対する安全性を確保することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明に係るシートの好適な実施形態について詳細に説明する。だだし、同一又は同等な構成部分には同一符号を付す。また、明細書中の「横方向」とは、車両前後方向に対して直交する方向、すなわち側突されたときの方向である。
[第1の実施形態]
図1に示すように、車両用シート1は、床面に対してスライド調整機構を介して取り付けられたシートクッション2と、このシートクッション2に対してリクライニング機構を介して取り付けられたシートバック3とを備えている。このシートバック3は、パイプ状のフレーム4によって保持され、このフレーム4の上部には、U字状のベッドレストフレーム部4aが一体的に成形されている。そして、このヘッドレストフレーム部4aには、ヘッドレスト5が固定されている。
このようなシート1に利用されるフレーム4は、複数枚の繊維強化複合材料を積層することにより横方向の力を受け持つように構成され、通常使用時において十分な耐久性を備えている。ここでの繊維強化複合材料は、CFRP(炭素繊維強化樹脂)であり、美しい布目模様をもっているので意匠的に優れており、一部を露出させて利用することが望まれている。
このCFRPでパイプ状のフレーム4を成形するにあたっては、カーボン繊維に熱硬化性の樹脂を染み込ませた素材としてウエットカーボンが利用される。先ず、所定長さのウエットカーボンの端部を重ね合わせながらフレーム成形に必要な長さを作り出し、平らな状態でウエットカーボンを密着させながら積層することで、所望の厚みのウエットカーボン層を作り出す。その後、積層状態のウエットカーボン層をパイプ状に丸めながら焼型内で形を整えて、フレーム4の形状を作り出す。そして、焼型を所定温度で加熱することで、ウエットカーボン層を硬化させ、図1に示すようなフレーム4が成形される。なお、ウエットカーボンとしては、縦方向のカーボン繊維と横方向のカーボン繊維とで綾織り又は平織りされた双方向性のプリプレグと、一方向のカーボン繊維を有する一方向性のプリプレグとがあるが、フレーム4の剛性を考慮して、双方向性のプリプレグが主として利用されている。
しかしながら、このような繊維強化複合材料は、車両の衝突などでフレームが破壊するときにその破壊する場所や破壊後の状態を制御することで乗員の安全性をより高めることが求められている。この時、破壊面や塑性変形部をフレームの非露出部分で発生するようにコントロールすると、破断面や塑性変形部が露出しないため、乗員に対する安全性をより高めることができる。この場合、フレーム4の非露出部分を生じさせる部材、すなわちフレーム4を覆うための部材はシートバック3やヘッドレスト5である。
ここで、破断位置をコントロールする対策として、図2に示すように、パイプ状フレーム4の非露出部分S1(図1参照)に脆弱部A1が設けられている。この脆弱部A1では、双方向性のCFRP(炭素繊維強化樹脂)8の積層枚数が他の部分に比べて少なくなっている。例えば、フレーム4が所定厚みになるように、同一厚のCFRP8を10枚積層してフレーム4の全体を成形する場合、脆弱部A1において外側の3枚のCFRP8を減じる。これによって、脆弱部A1では、肉厚が他の部分に比べ3分の2になる。従って、この脆弱部A1で破断を起こすことができるので、非露出部分S1で破断位置をコントロールすることができる。
また、図3に示すように、同一厚のCFRP8を10枚積層してフレーム4の全体を成形する場合、脆弱部A2において内側の3枚のCFRP8を減じる。これによって、脆弱部A2では、肉厚を他の部分に比べ3分の2にすることができる。
なお、このような脆弱部A1を成形するにあたっては、通常使用時において十分な耐久性を備なえる条件下で、フレーム4全体の平均的肉厚に対して、脆弱部A1の肉厚を2/3以下にすることで、初期の目的を達成することができる。また、横方向の荷重を受け持つように横方向に掛け渡された横ビーム部4b(図1参照)に前述した脆弱部A1,A2を設けると、車両の衝突時に横ビーム部4bで破断させ易くなる。
[第2の実施形態]
破断位置をコントロールする対策として、図4及び図5に示すように、パイプ状フレーム4の非露出部分S1(図1参照)における脆弱部A3には、CFRP8の突合せ継ぎ目Pが離間状態で設けられている。この突合継ぎ目Pでは、CFRP8の端部同士の隙間が約10ミリ程度である。そして、同一厚のCFRP8を8枚積層してフレーム4の全体を成形する場合、脆弱部A3では、4箇所の突合せ継ぎ目Pが設けられる。この突合せ継ぎ目Pは、厚み方向において同一直線上に配置される。これによって、脆弱部A3では、肉厚が他の部分に比べ2分の1になる。従って、この脆弱部A3で破断を起こすことができるので、非露出部分S1で破断位置をコントロールすることができる。
また、図6に示すように、同一厚のCFRP8を8枚積層してフレーム4の全体を成形する場合、脆弱部A4での突合せ継ぎ目Pは、厚み方向において、2mm程度の精度誤差をもって同一直線上に配置されてもよい。また、図7に示すように、脆弱部A5では、連続した一枚のCFRP8を介装させるようにして、突合せ継ぎ目Pを階段状に形成させてもよい。この場合、脆弱部A5での突合せ継ぎ目Pは、厚み方向において2mm程度の精度誤差をもって同一直線上に配置される。
なお、このような脆弱部A3〜A5の突合せ継ぎ目Pの箇所は、通常使用時において十分な耐久性を備なえる条件下で、CFRP8の全積層枚数の1/4位以上が好適である。また、横方向の荷重を受け持つように横方向に掛け渡された横ビーム部4b(図1参照)に前述した脆弱部A3〜A5を設けると、車両の衝突時に横ビーム部4bで破断させ易くなる。
[第3の実施形態]
破断位置をコントロールする対策として、図8に示すように、パイプ状フレーム4の非露出部分S1(図1参照)において脆弱部A6は縮径され、脆弱部A6の両端には段差R1が設けられている。そして、同一厚のCFRP8を8枚積層してフレーム4の全体を成形する場合、脆弱部A6では、応力が集中し易くなるようにテーパ状の段差R1が形成されている。従って、この脆弱部A6で破断を容易に引き起こすことができるので、非露出部分S1で破断位置をコントロールすることができる。
また、図9に示すように、同一厚のCFRP8を8枚積層してフレーム4の全体を成形する場合、脆弱部A7では、応力が集中し易くなるようにL字状の段差R2が形成されている。また、図10に示すように、脆弱部A8では、応力が集中し易くなるようにV字状の段差R3が形成されている。
なお、段差R1〜R3の段差深さDは、通常使用時において十分な耐久性を備なえる条件下で、肉厚の3分の1以上にする。また、横方向の荷重を受け持つように横方向に掛け渡された横ビーム部4b(図1参照)に前述した脆弱部A6〜A8を設けると、車両の衝突時に横ビーム部4bで破断させ易くなる。
[第4の実施形態]
図1に示されたシート1におけるフレーム4は、CFRP(炭素繊維強化樹脂)8を積層することで構成され、通常使用時においては、十分な耐久性を有している。しかしながら、このような繊維強化複合材料は、車両の衝突などによってフレームが破壊するときにその場所や破壊後の状態を制御することが求められている。
そこで、露出部分S2で破断位置をコントロールする対策として、所定以上の荷重により延伸するような塑性的変形を起こさせる部位B1をフレーム4に設けることで、破断部分が柔軟な状態で破断する。よって、ベッドレストフレーム部4aにおける露出部分S2(図11参照)であっても、フレーム4にCFRP(炭素繊維強化樹脂)8を利用することができる。これによって、乗員の安全性を確保している。特に、CFRP8は、美しい布目模様をもっているので意匠的に優れており、露出させて利用することが望まれている。
図12に示すように、塑性的変形部位B1において、積層されたCFRP(炭素繊維強化樹脂)8間に離型フィルム9を配置する。この離型フィルム9は、100μm以下の厚みをもつ素材(PP,PE,PTFEなど)からなる。そして、横方向の荷重を受け持つように横方向に掛け渡された横ビーム部4b(図1参照)に前述した塑性的変形部位B1を設けると、フレーム4自体の剛性を落とすことなく圧縮強度を低下させ、車両衝突時にフレーム4内部で破断させ易くなる。このように塑性変形はフレームの内部で発生し、フレーム表面の変形が抑制され、塑性変形部が表面に露出しないのでより安全性が高くなるという効果がある。
また、ベッドレストフレーム部4aにおける露出部分S2(図11参照)に前述した塑性的変形部位B1を設けることで、図13に示すように、横方向の衝突荷重が加わると、フレーム4の上部のコーナ部Cで延伸するように変形し、この部分Cで衝撃エネルギを吸収することができる。このとき、コーナ部Cにおいて、各CFRP8の炭素繊維が、ほぐれるようにバラバラになるため、破断しても各層に分かれたFRP層は柔軟なのでより安全性が高くなるという効果がある。
[第5の実施形態]
ベッドレストフレーム部4aにおける露出部分S2(図11参照)において、破断位置をコントロールする対策として、図14に示すように、塑性的変形部位B2において、積層された10枚のCFRP(炭素繊維強化樹脂)8のうちの中程の一層に、アラミド繊維層またはアラミド・カーボン混織層からなる中間層10を設ける。このようなアラミド繊維層やアラミド・カーボン混織層は、伸びが大きいため、フレーム4に横方向の衝撃荷重が加わると、上部のコーナ部C(図13参照)で延伸するように変形し、この部分Cで衝撃エネルギを吸収することができる。このとき、コーナ部Cにおいて、各CFRP8の炭素繊維が、ほぐれるようにバラバラになるため、破断しても各層に分かれたFRP層は柔軟なのでより安全性が高くなるという効果がある。
[第6の実施形態]
脆弱部A9または塑性的変形部位B3,B4は、フレーム4の長手方向を基準としたCFRP(炭素繊維強化樹脂)7の繊維の方向により調整することで容易に作り出される。
例えば、図15に示すように、非露出部分S1において、横方向の荷重を受け持つように横方向に掛け渡された横ビーム部4b(図1参照)を脆弱部A9として利用する場合、この横ビーム部4bにおいては、一方向性のCFRP7が10枚積層される。このとき、フレーム4における横ビーム部4bの長手方向Lを基準として、各CFRP7の繊維は、0°の方向すなわち長手方向Lに沿った方向に配置される。また、繊維の0°又は90°配置は、横ビーム部4bにおいて引張り変形し難いが圧縮には弱くなる。これにより、剛性の低下なしに強度だけを落とすことがでる。従って、この脆弱部A9すなわち横ビーム部4bで破断を起こすことができるので、非露出部分S1で破断位置をコントロールすることができる。
また、図16に示すように、脆弱部A10すなわち横ビーム部4bにおいて、積層された10枚の一方向性CFRP(炭素繊維強化樹脂)7のうちの中程の一層を、斜め配置の中間CFRP12に変えても良い。この中間CFRP12の繊維は、フレーム4における横ビーム部4bの長手方向Lを基準として、20°〜60°の範囲内に配置される。この中間CFRP12の繊維は、長手方向Lに対して斜めに配置されるので、伸びる性質が得られるが、脆弱部A9すなわち横ビーム部4bで破断を起こすことが必要であるから、中間CFRP12の厚みは、横ビーム部4bの肉厚において10%以下が好ましい。例えば、CFRP7の厚みに対して薄型の中間CFRP12を利用することで、中間CFRP12の厚みを、横ビーム部4bの肉厚において容易に10%以下にすることができる。
なお、繊維の配置方向は、長手方向Lに対して90°であってもよい。また、双方向性のCFRP(炭素繊維強化樹脂)8を積層してもよい。双方向性のCFRP(炭素繊維強化樹脂)8を利用する場合、0°−90°に配置された繊維の量に対して20°〜60°の範囲に配置された繊維の量を所定の割合にすることで、初期の目的を達成することができる。
[第7の実施形態]
図17に示すように、ベッドレストフレーム部4aにおける露出部分S2(図11参照)を塑性的変形部位B3として利用する場合、この露出部分S2には、一方向性のCFRP7が10枚積層される。このとき、フレーム4における露出部分S2の長手方向Lを基準として、各CFRP7の繊維は、45°の方向に配置される。このような繊維の配置によって、露出部分S2において伸びを大きくすることができる。これにより、フレーム4に横方向の衝撃荷重が加わると、上部のコーナ部C(図13参照)で延伸するように変形し、この部分Cで衝撃エネルギを吸収することができる。
また、図18に示すように、塑性的変形部位B4すなわちベッドレストフレーム部4aにおける露出部分S2(図11参照)において、長手方向Lを基準として繊維の方向が45°で配置された一方向性のCFRP7が10枚をもって積層されるが、このうちの中程の一層は、繊維の配置方向が、長手方向Lに対して20°以下の中間CFRP14に変えても良い。この中間CFRP14の繊維は、長手方向Lに略沿うような配置であるため、中間CFRP14は引張り変形し難いが圧縮には弱くなる。そこで、衝撃荷重時に、上部のコーナ部C(図13参照)で延伸するような変形を引き起こす必要であるから、中間CFRP14の厚みは、露出部分S2の肉厚において10%以下が好ましい。例えば、CFRP7の厚みに対して薄型の中間CFRP14を利用することで、中間CFRP14の厚みを、露出部分S2の肉厚において容易に10%以下にすることができる。
なお、双方向性のCFRP(炭素繊維強化樹脂)8を積層してもよい。双方向性のCFRP(炭素繊維強化樹脂)8を利用する場合、45°に配置された繊維の量に対して20°以下に配置された繊維の量を所定の割合にすることで、初期の目的を達成することができる。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。例えば、塑性的変形部位B1〜B4を非露出部分S1に設けてもよい。
本発明に係るシートの一実施形態を示す正面図である。 本発明に係るシートに適用する脆弱部の第1の例を示す図であり、(a)は外観を示す斜視図、(b)は積層状態を示す斜視図である。 本発明に係るシートに適用する脆弱部の第2の例を示す斜視図である。 本発明に係るシートに適用する脆弱部の第3の例を示す図であり、(a)は外観を示す斜視図、(b)は一点鎖線の円で囲んだ部分の断面図である。 図4に示した脆弱部での積層状態を示す斜視図である。 本発明に係るシートに適用する脆弱部の第4の例を示す断面図である。 本発明に係るシートに適用する脆弱部の第5の例を示す断面図である。 本発明に係るシートに適用する脆弱部の第6の例を示す図であり、(a)は外観を示す斜視図、(b)は一点鎖線の円で囲んだ部分の断面図である。 本発明に係るシートに適用する脆弱部の第7の例を示す断面図である。 本発明に係るシートに適用する脆弱部の第8の例を示す断面図である。 フレームにおける露出部分を示す正面図である。 本発明に係るシートに適用する塑性的変形部位の第1の例を示す斜視図である。 フレームにおける露出部分での変形状態を示す正面図である。 本発明に係るシートに適用する塑性的変形部位の第2の例を示す斜視図である。 本発明に係るシートに適用する脆弱部の第9の例を示す斜視図である。 本発明に係るシートに適用する脆弱部の第10の例を示す斜視図である。 本発明に係るシートに適用する塑性的変形部位の第3の例を示す斜視図である。 本発明に係るシートに適用する塑性的変形部位の第4の例を示す斜視図である。
符号の説明
1…シート、3…シートバック、4…フレーム、5…ヘッドレスト、7…一方向性のCFRP(炭素繊維強化樹脂),8…双方向性のCFRP(炭素繊維強化樹脂)、9…離型フィルム、10…アラミド繊維層、アラミド・カーボン混織層、A1〜A10…脆弱部、B1〜B4…塑性的変形部位、R1〜R3…段差、S1…非露出部分、S2…露出部分、P…突合せ継ぎ目、L…フレームの長手方向。

Claims (10)

  1. 複数枚の繊維強化複合材料を積層することにより横方向の力を受け持つように構成されたフレームを備え、
    前記フレームには、前記フレームを覆う部材が設けられている非露出部分に脆弱部が設けられていることを特徴とするシート。
  2. 前記フレームを覆う部材がヘッドレストであり、前記脆弱部は、前記繊維強化複合材料の積層枚数が他の部分に比べて少ないことを特徴とする請求項1記載のシート。
  3. 前記フレームを覆う部材がヘッドレストであり、前記脆弱部には、前記繊維強化複合材料の突合せ継ぎ目が離間状態で設けられていることを特徴とする請求項1記載のシート。
  4. 前記フレームを覆う部材がシートバックであり、前記脆弱部は、前記繊維強化複合材料の積層枚数が他の部分に比べて少ないことを特徴とする請求項1記載のシート。
  5. 前記フレームを覆う部材がシートバックであり、前記脆弱部には段差が設けられていることを特徴とする請求項1記載のシート。
  6. 前記フレームを覆う部材がシートバックであり、前記脆弱部は、前記フレームの長手方向を基準とした前記繊維強化複合材料の繊維の方向により調整されていることを特徴とする請求項1記載のシート。
  7. 複数枚の繊維強化複合材料を積層することにより横方向の力を受け持つように構成されたフレームを備え、
    前記フレームが露出している部分には、塑性的変形部位が設けられていることを特徴とするシート。
  8. 前記塑性的変形部位は、前記フレームの長手方向を基準とした前記繊維強化複合材料の繊維の方向により調整されていることを特徴とする請求項7記載のシート。
  9. 前記塑性的変形部位には、少なくとも一層のアラミド繊維層またはアラミド・カーボン混織層が設けられていることを特徴とする請求項7記載のシート。
  10. 複数枚の繊維強化複合材料を積層することにより横方向の力を受け持つように構成されたフレームを備え、
    積層された前記繊維強化複合材料間に離型フィルムを配置したことを特徴とするシート。
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