JP2005332750A - 線条構造物の予測形状計算方法、その装置及びそのプログラム - Google Patents

線条構造物の予測形状計算方法、その装置及びそのプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】障害物に接触して変形するワイヤーハーネス等の線条構造物の予測形状を出力することができる計算方法、その装置及びそのプログラムを提供する。
【解決手段】線条構造物の制御点n10を変位させたとき、予測形状1aが障害物モデル30aと交差するか否かが判定され(S5)、予測形状が障害物と交差したと判定された場合、制御点が交差直前に対応する位置に戻されると共に(S6)、障害物モデルと交差する節点である交差節点が、障害物モデルとの接触点に拘束される(S7)。そして、この拘束を維持しつつ、制御点を交差時の位置に戻したときの予測形状が出力される(S10)。
【選択図】図9

Description

本発明は、障害物に接触して変形する線条構造物の予測形状を有限要素法を利用して計算する方法、その装置及びそのプログラムに関する。
通常、車両等においては、複数の電装品が搭載されており、これらは、上記線条材として、複数の電線や通信線がインシュロック等の結束部材やテープ等の保護部材によって束ねられた、いわゆる、ワイヤーハーネスとよばれる線条構造物で接続されている。図1に示すように、ワイヤーハーネス1は、各端部に電装品等と接続されるコネクタ2a、2b、2c、2dが取り付けられている。また、その中間部には各種クリップ3a、3b、3c、3dが取り付けられ、更に、分岐点4を有している。なお、このようなワイヤーハーネス1は、基本的に、それぞれ構成線条材の数や種類が異なるので、各線の太さ、長さ、弾性、剛性等も様々である。
従来、このようなワイヤーハーネスを車両内の所定部位に配策することを想定して、形状予測する方法としては、CAD(Computer Aided Design)とCAE(Computer Aided Engineering)等を組み合わせたコンピュータによる支援システムが利用されることが多い。この支援システムの基本的な手法は、CADを用いて電線の太さ、長さ、種類等を反映したワイヤーハーネスの詳細形状をモデリングして描画させた後、所定の汎用CAEに必要データを数値入力して予測形状を計算させ、この計算結果を評価した後、再度、CADを用いて予測形状を描画させるようにしていた。そして、このようなサイクルがCADや汎用CAE等の操作に習熟した設計者によって試行錯誤的に繰り返されていた。
ここで、本明細書中で引用する文献を以下に示す。
B.ナス著「マトリックス有限要素法」ブレイン図書出版株式会社出版、1978年8月10日、p.7−15 安田仁彦著「モード解析と動的設計」株式会社コロナ社発行、1993年11月10日、p.54−56
ところで、実際的には、図1に示すように、ワイヤーハーネスの配策が想定される部位には、各種電装機器や出張り等のような障害物30が存在することが多い。そうすると、ワイヤーハーネスの変形にともない障害物30とワイヤーハーネスとの接触点も変化していくことになる。したがって、逐次変化していく障害物30とワイヤーハーネスとの接触点を計算したうえで、この接触点を反映させて経路予測することが望ましいが、ワイヤーハーネスは構成線条材の数や種類、各線の太さ、長さ、弾性、剛性等も様々であるため、たとえ障害物がないときでも、正確な経路予測が困難であると考えられており、このような変化していく接触点まで考慮した、ワイヤーハーネスの経路予測方法は提案されていない。
したがって、従来の設計方法では、障害物を無視して経路予測した後に、その予測経路上に障害物が存在するときには、この障害物を迂回するように、再度、経路予測したり、或いは、最初から障害物を迂回するように、ワイヤーハーネス上に適当に固定的な拘束点を設定して、経路予測せざるを得なかった。したがって、この点を改善してより正確に経路予測できる手法が待望されている。
よって本発明は、上述した現状に鑑み、障害物に接触して変形するワイヤーハーネス等の線条構造物の予測形状を出力することができる計算方法、その装置及びそのプログラムを提供することを課題としている。
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の線条構造物の予測形状計算方法は、障害物に接触して変形する線条構造物の予測形状を有限要素法を利用して計算する方法であって、前記線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が各節点で結合された弾性体として、有限要素モデルを作成する有限要素モデル作成工程と、前記有限要素モデルに与えられた前記線条構造物の物理特性及び拘束条件に応じた、このモデルの物理的に釣り合った状態である予測形状を計算する予測形状計算工程と、前記線条構造物の制御点を変位させたとき、前記予測形状が前記障害物を表す障害物モデルと交差するか否かを判定する交差判定工程と、前記予測形状が前記障害物と交差したと判定された場合、前記制御点を交差直前に対応する位置に戻すと共に、前記障害物モデルと交差する節点である交差節点を、前記障害物モデルとの接触点に拘束する節点拘束工程と、前記拘束を維持しつつ、前記制御点を交差時の位置に戻したときの前記予測形状を出力する予測形状出力工程と、を含むことを特徴とする。
また、上記課題を解決するためになされた請求項2記載の線条構造物の予測形状計算方法は、請求項1記載の線条構造物の形状予測方法において、前記節点拘束工程では、前記予測形状が前記障害物と交差したと判定された場合、前記制御点を交差直前に対応する位置に戻すと共に、前記障害物モデルと交差する節点である交差節点のうちで、少なくとも、前記障害物モデルに最初に接触した交差節点又は一番深く交差する交差節点を前記障害物モデルとの交差直前の接触点に拘束する、ことを特徴とする。
また、上記課題を解決するためになされた請求項3記載の線条構造物の予測形状計算方法は、請求項1又は請求項2記載の線条構造物の形状予測方法において、前記節点拘束工程における拘束を開放して、前記制御点を交差時の次の位置に変位させたときの前記予測形状を計算する第2予測形状計算工程、を更に含むことを特徴とする。
また、上記課題を解決するためになされた請求項4記載の線条構造物の予測形状計算方法は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の線条構造物の形状予測方法において、前記接触点で拘束される節点に接線方向にのみ自由度を与えて、前記制御点を交差時の次の位置に変位させたときの前記予測形状を計算する第3予測形状計算工程、を更に含むことを特徴とする。
また、上記課題を解決するためになされた請求項5記載の線条構造物の形状予測装置は、障害物に接触して変形する線条構造物の予測形状を有限要素法を利用して計算する装置であって、前記線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が各節点で結合された弾性体として、有限要素モデルを作成する有限要素モデル作成手段と、前記有限要素モデルに与えられた前記線条構造物の物理特性及び拘束条件に応じた、このモデルの物理的に釣り合った状態である予測形状を計算する予測形状計算手段と、前記線条構造物の制御点を変位させたとき、前記予測形状が前記障害物を表す障害物モデルと交差するか否かを判定する交差判定手段と、前記予測形状が前記障害物と交差したと判定された場合、前記制御点を交差直前に対応する位置に戻すと共に、前記障害物モデルと交差する節点である交差節点を、前記障害物モデルとの交差直前の接触点に拘束する節点拘束手段と、前記拘束を維持しつつ、前記制御点を交差時の位置に戻したときの前記予測形状を出力する予測形状出力手段と、を含むことを特徴とする。
また、上記課題を解決するためになされた請求項6記載の線条構造物の形状予測プログラムは、障害物に接触して変形する線条構造物の予測形状を有限要素法を利用して計算するために、コンピュータを、前記線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が各節点で結合された弾性体として、有限要素モデルを作成する有限要素モデル作成手段、前記有限要素モデルに与えられた前記線条構造物の物理特性及び拘束条件に応じた、このモデルの物理的に釣り合った状態である予測形状を計算する予測形状計算手段、前記線条構造物の制御点を変位させたとき、前記予測形状が前記障害物を表す障害物モデルと交差するか否かを判定する交差判定手段、前記予測形状が前記障害物と交差したと判定された場合、前記制御点を交差直前に対応する位置に戻すと共に、前記障害物モデルと交差する節点である交差節点を、前記障害物モデルとの交差直前の接触点に拘束する節点拘束手段、前記拘束を維持しつつ、前記制御点を交差時の位置に戻したときの前記予測形状を出力する予測形状出力手段、として機能させる、ことを特徴とする。
請求項1、請求項5及び請求項6記載の発明によれば、対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が各節点で結合された弾性体として、有限要素モデルが作成され、この有限要素モデルに与えられた線条構造物の物理特性及び拘束条件に応じた、このモデルの物理的に釣り合った状態である予測形状が計算される。また、線条構造物の制御点を変位させたとき、予測形状が障害物モデルと交差するか否かが判定され、予測形状が障害物と交差したと判定された場合、制御点が交差直前に対応する位置に戻されると共に、障害物モデルと交差する節点である交差節点が、障害物モデルとの接触点に拘束される。そして、拘束を維持しつつ、制御点を交差時の位置に戻したときの予測形状が出力される。
また、請求項2記載の発明によれば、予測形状が障害物と交差したと判定された場合、制御点を交差直前に対応する位置に戻すと共に、障害物モデルと交差する節点である交差節点のうちで、少なくとも、障害物モデルに最初に接触した交差節点又は一番深く交差する交差節点を障害物モデルとの交差直前の接触点に拘束するようにしている。
また、請求項3記載の発明によれば、節点拘束工程における拘束を開放して、制御点を交差時の次の位置に変位させたときの予測形状を計算する。
また、請求項4記載の発明によれば、接触点で拘束される節点に接線方向にのみ自由度を与えて、制御点を次の位置に変位させたときの予測形状を計算する。
請求項1、請求項5及び請求項6記載の発明によれば、対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が各節点で結合された弾性体として、有限要素モデルが作成され、この有限要素モデルに与えられた線条構造物の物理特性及び拘束条件に応じた、このモデルの物理的に釣り合った状態である予測形状が計算される。また、線条構造物の制御点を変位させたとき、予測形状が障害物モデルと交差するか否かが判定され、予測形状が障害物と交差したと判定された場合、制御点が交差直前に対応する位置に戻されると共に、障害物モデルと交差する節点である交差節点が、障害物モデルとの接触点に拘束される。そして、拘束を維持しつつ、制御点を交差時の位置に戻したときの予測形状が出力される。したがって、対象となる線条構造物が障害物に接触した状態に近似された予測形状を出力することができる。
また、請求項2記載の発明によれば、予測形状が障害物と交差したと判定された場合、制御点を交差直前に対応する位置に戻すと共に、障害物モデルと交差する節点である交差節点のうちで、少なくとも、障害物モデルに最初に接触した交差節点を障害物モデルとの交差直前の接触点に拘束するようにしている。したがって、障害物に接触して変形していく線条構造物を、より現実に近い形で近似して出力することが可能になる。
また、請求項3記載の発明によれば、節点設定工程における拘束を開放して、制御点を交差時の次の位置に変位させたときの予測形状を計算する。したがって、制御点の変位にともない、線条構造物がいったん障害物に交差した後に、障害物から離れた場合の予測形状も正確に計算して出力することができる。
また、請求項4記載の発明によれば、接触点で拘束される節点に接線方向にのみ自由度を与えて、制御点を次の位置に変位させたときの予測形状を計算する。したがって、対象となる線条構造物が障害物に接触した状態により近似された予測形状を出力することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。まず、図1及び図2を用いて、対象となる線条構造物としてのワイヤーハーネスの例及び代表的な支持部材について説明する。図1は、対象となるワイヤーハーネスの例を概略的に示す図である。図2は、ワイヤーハーネスに取り付けられる代表的な支持部材と拘束自由度との関係を示す図である。
ワイヤーハーネス1は、例えば、上述のように両端部に図示しない電装品と接続されるコネクタ2a、2b、2c、2dが取り付けられ、その中間部には各種クリップ3a、3b、3c、3dが取り付けられ、更に、分岐点4を有している。ワイヤーハーネス1の各枝線は、基本的に、それぞれ構成線条材の数や種類が異なるので、各枝線の太さ、長さ、弾性、密度等も異なる。
上記各コネクタ2a、2b、2c、2dは、電装品側の相手方コネクタの固定位置及びその装着方向に応じて所定の位置に着脱可能に固定され、ワイヤーハーネスの端部を完全拘束する。また、上記各クリップ3a、3b、3c、3dは、ワイヤーハーネスの所定部位を、車両のボディやステー等の所定位置に完全拘束又は回転拘束される。
ここで、クリップについて説明を加える。クリップには、基本的に、長穴クリップ及び丸穴クリップがある。丸穴クリップは、回転クリップともよばれ、ワイヤーハーネスを保持する台座部とステー等に設けられた丸穴形状の取付穴に挿入される支持脚とから構成される。丸穴クリップは、Z軸(取付部位に鉛直方向)廻りに回転可能である。
一方、長穴クリップは、固定クリップともよばれ、ワイヤーハーネスを保持する台座部とステー等に設けられた長穴形状の取付穴に挿入される支持脚とから構成される。この支持脚の断面形状は、取付穴と略同様の長穴形状をしている。長穴クリップは、Z軸廻りに回転不可能である。
更に、長穴クリップ及び丸穴クリップには、X軸(ワイヤーハーネスの長手方向)廻りに回転可能な、コルゲート長穴クリップ及びコルゲート丸穴クリップがある。このような各クリップの各軸方向及び各軸廻りの拘束自由度は図2に示す通りである。
図2において、X軸、Y軸及びZ軸は、ワイヤーハーネス上の各節点(又はノードともよぶ)における右手ローカル座標系での直行する3軸に対応する。例えば、Z軸をクリップ軸と一致するようにしているが、これらの決定方法は、使用する関数によって適宜変更可能である。なお、図中、参考のために、分岐点の拘束自由度についても示している。また、ここでは図示しないが、上記拘束点以外に任意に設定されたワイヤーハーネス上の節点は、基本的に、完全自由である。このような拘束自由度が、後述するように、予測経路の計算のために、各節点にそれぞれ、設定される。
次に、図3〜図5を参照しながら、本発明において前提となる仮定条件、利用される理論及び基本式の概略について説明する。図3(A)は、ワイヤーハーネスの外観を示す図であり、図3(B)は、図3(A)のワイヤーハーネスを離散化した様子を示す図であり、図3(C)は、図3(A)のワイヤーハーネスを梁要素と節点とで表した図である。図4は、梁要素と節点とで表したワイヤーハーネスにおける自由度を説明するための図である。図5(A)は、ワイヤーハーネスを3つの梁要素で表した図であり、図5(B)は、図5(A)の3つの梁要素を結合した状態を示す図である。
まず、本発明では、ワイヤーハーネスの設計に有限要素法を利用するに際し、以下のような仮定をする。
(1).ワイヤーハーネスを弾性体と仮定する。
(2).ワイヤーハーネスを梁要素が結合されたものと仮定する。
(3).各梁要素に直線性が保たれるものと仮定する。
なお、梁要素と仮定することは、ワイヤーハーネスを一様断面、すなわち、均質な断面であると仮定することも意味する。また、断面を円形と仮定しているが必ずしもその必要はない。但し、以降の説明では、ワイヤーハーネスを円形断面と想定して説明していく。
このような仮定をすることにより、従来なされていなかった、ワイヤーハーネスへの有限要素法の適用が可能になる。
まず、ワイヤーハーネスを離散化する。すなわち、図3(A)に示すように、複数の電線11がテープ12等の外装部材によって束ねられたワイヤーハーネス1は連続体とみなすことができる。次に、図3(B)に示すように、このようなワイヤーハーネス1を、いくつかの梁要素C1、C2、C3、…に分割(離散化)する。すなわち、ワイヤーハーネスは1本のロープのようなものなので、有限個の梁要素をつなげたものとみなすことができる。
したがって、図3(C)に示すように、ワイヤーハーネスは、複数の梁要素C1、C2、C3、…を複数のノードN1、N2、N3、…で結合したものとして表すことができる。梁要素に必要な特性値は以下の通りである。
長さl(図3(B)参照)
断面積A(図3(B)参照)
断面2次モーメントI
断面2次極モーメントJ(ねじり抵抗係数ともよばれている)
縦弾性係数E
横弾性係数G
なお、上記特性値に直接表されていないが、それらを求めるために密度ρやポアソン比μ等も用いられる。
なお、本明細書中、長さl、断面積A等のような、線条構造物等の外形を直接的に決定する物理特性に関するパラメータを外形パラメータとよび、それ以外の断面2次モーメントI、断面2次極モーメントJ、縦弾性係数E及び横弾性係数G、密度ρ、ポアソン比μ等のような物理特性に関するパラメータを非外形パラメータとよぶものとする。
そして、図4に示すように、各梁要素C(C1、C2、C3、…)はそれぞれ、2つの節点α及び節点βを有する。3次元空間においては、節点αは、3つの並進成分と3つの回転成分を持つため、合計6つの自由度を持つ。また、節点βも同様である。したがって、梁要素Cは12自由度を持つことになる。
なお、図中、
xi:i番要素のxi軸方向の節点力
yi:i番要素のyi軸方向の節点力
zi:i番要素のzi軸方向の節点力
xi:i番要素のxi軸周りの端モーメント(右ネジ方向を正とする)
yi:i番要素のyi軸周りの端モーメント(右ネジ方向を正とする)
zi:i番要素のzi軸周りの端モーメント(右ネジ方向を正とする)
xi:i番要素のxi軸方向の変位
yi:i番要素のyi軸方向の変位
zi:i番要素のzi軸方向の変位
θxi:i番要素のxi軸周りの角変位(右ネジ方向を正とする)
θyi:i番要素のyi軸周りの角変位(右ネジ方向を正とする)
θzi:i番要素のzi軸周りの角変位(右ネジ方向を正とする)
αは左側の節点、βは右側の節点
を示す。
ところで、ワイヤーハーネス等のような大変形をともなう構造力学では一般に有限要素法の平衡方程式は次式の形となる。
([K]+[KG]){x}={F}…(1)
ここで、[K]:全体剛性マトリックス、[KG]:全体幾何剛性マトリックス、{x}:
変位ベクトル、{F}:荷重ベクトル(力ベクトルともよぶ)
但し、式(1)は代数的には非線形連立方程式となっているため、実際の数値解析においてはそのままで解くことはできない。そのため、荷重値を細分化して逐次加算していく増分方法を採ることになる(強制変位の場合も同様)。よって、式(1)の平衡方程式も下記の増分形式で表現することになる。
([K]+[KG]){Δx}={ΔF}−{R}…(1)′
ここで、{ΔF}:荷重増分の値、{Δx}:増分ステップにおける増分変位、{R}:荷重ベクトルの補正ベクトル
そして、各増分区間では平衡方程式は線形方程式とみなして計算し、その際、生じる不平衡力(式(1)′中のベクトル{R})を次ステップに進む前に反復法により許容範囲まで減少させることになる。これら一連のアルゴリズムとしては、例えば、ニュートン・ラプソン法や弧長法といった公知の方法を利用する。
なお、形状予測のように強制変位を指定する場合には、平衡方程式左辺のうち、第2項の全体幾何剛性マトリックス[KG]を省く場合が良性となることも多く、本ケースでも省
いている。
また、左辺第1項の全体剛性マトリックス[K]は各増分ステップで時々刻々と座標値を変更させながら書き替えられる各要素の剛性マトリックスを全体座標系に変換して集計されたものである。この基本となる要素剛性マトリックスの具体的な表現内容が下記の式(2)である。
Figure 2005332750
ここで、適合条件と釣り合い条件について説明する。ここでは、簡単のために、図5(A)に示すように、ワイヤーハーネスを3つの梁要素C1、C2、C3で表すものとする。この場合、梁要素C1の節点1β及び梁要素C2の節点2αの変位は等しくなり、これら両節点に加わる力も釣り合うことになる。同様に、梁要素C2の節点2β及び梁要素C3の節点3αの変位も等しくなり、これら両節点に加わる力も釣り合うことになる。したがって、これら変位の連続性と力の釣り合いの条件を満たすことで、梁要素C1及びC2、梁要素C2及びC3を、図5(B)に示すように、結合することができる。
なお、図中、
xi:i番要素のxi軸方向の節点力
yi:i番要素のyi軸方向の節点力
zi:i番要素のzi軸方向の節点力
xi:i番要素のxi軸周りの端モーメント
yi:i番要素のyi軸周りの端モーメント
zi:i番要素のzi軸周りの端モーメント
xi:i番要素のxi軸方向の変位
yi:i番要素のyi軸方向の変位
zi:i番要素のzi軸方向の変位
θxi:i番要素のxi軸周りの角変位
θyi:i番要素のyi軸周りの角変位
θzi:i番要素のzi軸周りの角変位
を示し、
i=1α、1β、2α、2β、3α、3βである。
そして、図5(B)に示した梁要素C1、C2、C3における上記変位の連続性と力の釣り合いを上記式(2)と同様の形式で示すと、以下の式(3)のようになる。
Figure 2005332750
ここで、式(3)中の12行12列のマトリクスM1、M2及びM3は、上記式(2)で示したものと同様である。但し、マトリクスM1、M2及びM3が重なっている部分M12及びM23は、各マトリクスの各構成要素が足し合わされたものとなる。
なお、4つ以上の梁要素についても、同様に扱うことができる。このようにして、任意の数の梁要素に分割されるワイヤーハーネスの数式モデルを作成することができる。
ちなみに、上記式(3)を簡単に表すと、
[K]{x}={F}…(4)
となる。
したがって、上記(3)や式(4)に基づき、変位ベクトル{x}の各要素を求めることにより、経路、すなわち、ワイヤーハーネスの予測形状を計算することができる。なお、上記のような一般的なマトリックス有限要素法は、例えば、上記非特許文献1中でも紹介されている。
次に、本発明における形状予測に必要なポアソン比、縦弾性係数及び横弾性係数の求め方の一例について以下に示す。図6(A)は、断面2次モーメント及び縦弾性係数を測定する様子を示す図であり、図6(B)は、断面2次極モーメント及び横弾性係数を測定する様子を示す図である。
まず、長さl、断面積A及び密度ρは、対象となるワイヤーハーネスを作成し、ノギス、メジャー、重量計等を用いて計測した後、簡単な算出により求めることができる。
また、縦弾性係数Eは、図6(A)に示す測定方法を行う場合、次式(5)で表すことができる。
E=FL3/3XI…(5)
また、断面2次モーメントIは、上記のようにワイヤーハーネスを円形断面と仮定したので、次式(6)で表すことができる。
I=πD4/64…(6)
したがって、
E=64FL3/3XπD4…(7)
となる。
この測定では、
E=(F/X)×(64L3/3πD4
として、Fとxとの関係を測定することにより、縦弾性係数Eを求めることができる。
一方、横弾性係数Gは、図6(B)に示す測定方法を行う場合、次式(8)で表すことができる。
G=(TL/θJ)×2…(8)
断面2次極モーメントJは、ワイヤーハーネスが円形断面と仮定したので、次式(9)で表すことができる。
J=πD4/32…(9)
また、ねじる力は、
T=FS…(10)
となる。
よって、
G=(32FSL/θπD4)×2=(F/θ)(32SL/πD4)×2…(11)
したがって、Fとθの関係を測定することにより、横弾性係数Gを求めることができる。
なお、横弾性係数Gと縦弾性係数Eとは、次式(12)のような関係がある。
G=E/2(1+μ)…(12)
ここで、μ:ポアソン比
を示す。
なお、上記測定方法は一例であり、上記測定例以外の方法によって、横弾性係数G及び縦弾性係数E各値を取得するようにしてもよい。
次に、上記理論、基本式及び測定値を利用して後述する処理手順にしたがってワイヤーハーネスの予測形状を計算及び出力して設計支援する、本発明に係るハードウエア構成について説明する。図7は、本発明の一実施形態に係るハードウエア構成を示すブロック構成図である。
図7に示すように、本発明では、マイクロコンピュータ21、入力装置22、表示装置23、印字装置24、記憶装置25、通信インターフェース26及びリードライト装置27を含んで構成される、例えば、パーソナルコンピュータが用いられる。いうまでもなく、パーソナルコンピュータ以外のディスクトップコンピュータやスーパーコンピュータを用いてもよい。マイクロコンピュータ21は、CPU21a(中央演算装置)、ブートプログラム等を記憶するROM21b、各種処理結果を一時的に記憶するRAM21cを含む。入力装置22は上記各値等を入力するキーボード、マウス等であり、表示装置23は処理結果を表示するLCDやCRT等であり、印字装置24は処理結果を印字するプリンタである。
また、記憶装置25は、インストールされた本発明に係る予測形状計算プログラム29a、このプログラム29aによる処理結果等を記憶するハードディスクドライブであり、通信インターフェース26は外部装置との間で、例えば、インターネットやLAN回線等を用いてデータ通信を行うためのモデムボード等である。リードライト装置27は、CDやDVD等の記録媒体29に格納される本発明に係る予測形状計算プログラム29aを読み込んだり、この予測形状計算プログラム29aによる計算結果を記録媒体29に書き込む装置である。これらの各構成要素は、内部バス28を介して接続されている。
マイクロコンピュータ21は、リードライト装置27にて読み込まれた予測形状計算プログラム29aを記憶装置25にインストールする。また、電源が投入されると、マイクロコンピュータ21は、ROM21bに記憶されるブートプログラムにしたがって起動され、インストールされている予測形状計算プログラム29aを立ちあげる。そして、マイクロコンピュータ21は、予測形状計算プログラム29aにしたがって、障害物を考慮した形状予測に係る処理をしたり、処理結果を表示装置23や印字装置24から出力させたり、処理結果を記憶装置25や記録媒体29に保存させたりする。予測形状計算プログラム29aは、上記基本構成を有する他のパーソナルコンピュータ等にもインストール可能であり、インストール後は、そのコンピュータを配線設計支援装置として機能させる。なお、予測形状計算プログラム29aは、記録媒体29のみならず、インターネットやLAN等の通信回線を経由して提供されたものであってもよい。
続いて、図8、図9及び図10を用いて、本発明の一実施形態に係る処理手順について説明する。図8は、本発明の一実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。図9(A)〜図9(D)、並びに図10(A)〜図10(C)はそれぞれ、図8の各処理過程においてワイヤーハーネスが変形する状態を示す図である。
まず、図8に示すステップS1においては、上述した手法を用いて、図9(A)に示すように、設計対象となるワイヤーハーネスに対応する有限要素モデル1aが作成される。この有限要素モデル1aは、n0〜n10を節点とする複数の梁要素で構成される。なお、各節点は、均等間隔で割り当てられているものとする。なお、有限要素モデル1aと共に、該当する障害物の外形に対応した障害物モデル30aも作成される。ステップS1は、請求項中の有限要素モデル作成工程及び有限要素モデル作成手段に対応する。
次に、ステップS2においては、設計対象となるワイヤーハーネスの拘束条件、外形パラメータ、非外形パラメータ等が設定される。
拘束条件としては、有限要素モデル1aの各節点n0〜n10に対して、図2で示したような拘束種類(完全拘束、回転拘束、完全自由等)や座標等が設定される。具体的には、固定点及び制御点にそれぞれ対応する節点n0及びn10の拘束条件の種類は完全拘束とし、これ以外の節点n2〜n9の拘束条件の種類は完全自由とする。但し、制御点に対応する節点n10は逐次強制変位されるものとする。節点n10は、例えば、コネクタ等が取り付けられ、作業者に保持されつつ変位される部位に対応する。ここで設定される各値は、上記式(3)中の変位ベクトル{x}中の各要素に係わる。
また、外形パラメータとしては、上記長さl及び断面積Aがそれぞれ設定され、非外形パラメータとしては、上記断面2次モーメントI、断面2次極モーメントJ、ポアソン比μ、密度ρ、縦弾性係数E及び横弾性係数Gがそれぞれ設定される。
これらは、上記のようにして予め計測或いは求められている値が利用される。ここで設定される値は、上記式(3)中の剛性マトリクス[K]中の各要素に係わる。外形パラメータ及び非外形パラメータは、請求項中の物理特性に対応する。なお、図示しないが、この計算に係る各種制御値等も設定される。
なお、この段階では、制御点に対応する節点n10(以下、単に、制御点n10ともよぶ)は、初期形状に対応した位置にあるものとする。初期形状は、上述のような設定値に応じた、有限要素モデルの物理的に釣り合った状態である予測形状、すなわち、図9(A)の1aに示すような形状が計算される。初期形状としてはより現実に近い形状に設定しておくことが好ましい。
例えば、ワイヤーハーネスメーカからカーメーカへワイヤーハーネスを納入する際には、コンテナに梱包して納入されるが、コンテナから取り出したワイヤーハーネスを車両に配策する場合、コンテナの中でどのように折り曲げられていたかにより初期形状が変わってくる。このような折り曲げられた初期形状を出発点として予測形状に反映させることにより、より現実に即した初期形状を計算することが可能になる。
なお、初期形状を計算するためには、必ずしも有限要素法を利用する必要はなく、例えば、ワイヤーハーネスの材料特性に依存する最小曲げ半径やワイヤーハーネスを組み付ける際に作業者が通常の力で曲げることができる曲げ半径等を用いてもよい。いずれにしても、対象となるワイヤーハーネスの組み付け前の形状が反映された初期形状を設定することが好ましい。
次に、ステップS3においては、制御点n10が所定量だけ強制変位され、ステップS4においては、この制御点n10の位置に応じた、予測形状が計算される。この際、他の拘束条件、外形パラメータ、非外形パラメータは、ステップS2で設定した通りの値を採用する。予測形状は、上記各設定値に応じた、有限要素モデルの物理的に釣り合った状態を表す予測形状である。
次に、ステップS5においては、予測形状1aが障害物モデル30aと交差したか否かが判定される。ステップS5において、予測形状1aが障害物モデル30aと交差したと判定されると(ステップS5のY)、ステップS6及びステップS7に進む。図9(B)は、制御点がn10(1)〜n10(2)に変位したことにより、予測形状1a(1)が、障害物モデル30aに交差したことを示している。図中、1a(1)、n10(1)、n4(1)、n5(1)は、交差直前の予測形状1a、制御点n10、節点n4、n5を示し、1a(2)、n10(2)、n4(2)、n5(2)は、交差直後の予測形状1a、制御点n10、節点n4、n5を示す。ステップS5は、請求項中の交差判定工程及び交差判定手段に対応する。
なお、ステップS5において、予測形状1aが障害物モデル30aに交差していないと判定されると(ステップS5のN)、ステップS19に進んで、計算された予測形状が表示装置23に出力される。同時に、障害物モデル30aも出力される。以降の出力においても、これらは同時に出力される。予測形状は、表示装置23のみならず、印字装置24にも出力したり、記録媒体29に記録されるようにすることが好ましい。出力イメージは、例えば、図9(A)のような予測形状1aにワイヤーハーネスの太さやクランプの形状を肉付けされたものとすることが好ましい。
またなお、ステップS3、ステップS4、ステップS5及びステップS19の処理は、予測形状が障害物モデル30aと交差せず(ステップS5のN)、且つ制御点n10が目標点に到達しない限り繰り返される。この結果、例えば、図9(A)に示すように、制御点n10が矢印で示す方向に変位されるにともなって変形する予測形状1aが出力される。但し、制御点n10が目標点に到達すると、ステップS19終了後に、一連の処理は終了することになる。
ステップS6においては、制御点n10(2)を交差直前に対応する制御点n10(1)の位置に戻し、ステップS7においては、図9(C)に示すように、障害物モデル30aと交差する節点である交差節点n4(2)、n5(2)を、障害物モデル30aとの接触点n4(3)、n5(3)に強制的に拘束する。接触点n4(3)、n5(3)は、例えば、節点n4、n5が障害物モデル30aに交差する直前に通過する点とする。
なお、上記のように、交差節点n4(2)、n5(2)を共に、接触点n4(3)、n5(3)に強制的に拘束する替わりに、交差節点のうちで少なくともひとつの節点を接触点に強制的に拘束するようにしてもよい。例えば、上例において、障害物モデル30aに最初に接触した節点或いは一番深く交差している節点である点n4(2)を、接触点n4(3)に強制的に拘束するようにしてもよい。すなわち、実際的には、障害物モデル30aへの接触点は1箇所である場合が多いので、こうすることにより、より現実に近い形で近似することが可能になる。
次に、ステップS8においては、制御点n10(1)を交差時の制御点n10(2)の位置に戻し、ステップS9においては、図9(D)に示すように、このときの予測形状1a(3)を上述と同様の手法により計算する。そして、ステップS10において、計算された予測形状1a(3)が表示装置23に出力される。同時に、障害物モデル30aも出力される。但し、制御点n10が目標点に到達している場合には、ステップS10終了後に、一連の処理は終了することになる。ステップS6、ステップS7は、請求項中の節点拘束工程及び節点拘束手段に対応する。
次に、ステップS11において、上記ステップS7で節点n4、n5に与えられている上記拘束を開放し、ステップS12において、図10(A)に示すように、制御点n10(2)を次位置の制御点n10(3)に変位させ、ステップS13において、このときの予測形状1a(5)を上述と同様の手法により計算する。図10(A)において、n4(4)、n5(4)は、拘束を開放された節点n4、n5を示し、1a(4)はこのときの予測形状を示す。そして、ステップS14においては、上記拘束を開放された1a(4)が障害物モデル30aと交差したか否かが判定される。なお、ステップS11は、請求項中の拘束開放工程及び拘束開放手段に対応する。また、上記ステップS4、ステップS9、ステップS13は、請求項中の予測形状計算工程及び予測形状計算手段に対応する。また、ステップS11〜ステップS13は、請求項中の第2予測形状計算工程に対応する。
ステップS14において、予測形状1a(4)が障害物モデル30aと交差したと判定されると(ステップS14のY)、ステップ15〜T18に進む。また、予測形状1a(4)が障害物モデル30aと交差しないと判定されると(ステップS14のN)、ステップ19に戻って上記処理を繰り返す。
ステップS15においては、制御点及び予測形状を一旦ステップS9の状態に戻す。すなわち、図10(A)に示す制御点n10(3)及び予測形状1a(4)をそれぞれ、図9(D)に示す制御点n10(2)及び予測形状1a(3)に戻す。
次に、ステップS16において、図10(B)の矢印で示すように、上記接触点n4(4)、n5(4)で拘束される節点n4、n5に、接線方向にのみ自由度を与えて、ステップS17において、図10(C)に示すように、現在の制御点n10(2)を次位置の制御点n10(3)(ステップS12と同じ位置)に再度変位させ、ステップS18において、このときの予測形状1a(4)を上述と同様の手法により計算する。図10(B)及び図10(C)において、n4(4)、n5(4)は、接線方向に自由度が与えられた節点を示し、1a(4)はこのときの予測形状を示す。ステップS16〜ステップS18は、請求項中の第3予測形状計算工程に対応する。
そして、ステップS5に戻って、ステップS18において計算された予測形状1a(4)に対して、障害物モデル30aとの交差判定が行われる。なお、このときの交差判定では、上記接線方向に自由度が与えられた節点n4(4)、n5(4)以外の節点が、新たに交差したか否かが判定されることになる。そして、新たに交差した節点があれば、上記ステップS7以降の処理が繰り返される。このような処理が、制御点n10が目標点に到達したと判定されるまで繰り返される。
なお、上記ステップS11〜ステップS14の処理は、上記例示した段階とは別の段階で行うようにしてもよい。例えば、ステップS15〜ステップS18の処理の後に、ステップS11〜ステップS14の処理を行うようにしてもよい。但し、この場合にも、制御点及び予測形状をS9の状態に戻した後に、ステップS11〜ステップS14の処理を行うようにする。
以上のように、本発明の実施形態によれば、障害物に接触して変形するワイヤーハーネス等の線条構造物の予測形状を近似的に出力することができる。したがって、線条構造物の最適な配線に非常に有効となる。
なお、上記実施形態では強制変位による形状予測の計算例を示したが、所定節点に力を加えながら変形させていくときの形状予測にも適用可能である。
また、線条構造物として車両内に配線されるワイヤーハーネスを例示して説明したが、本発明は、このようなワイヤーハーネスのみならず、ワイヤーハーネスよりもシンプルな構造の車両外に配線されるホースやチューブ、或いは、一般電線や1本の電線等にも同様に適用可能であることはいうまでもない。すなわち、本発明の線条構造物とは、これらホース、チューブ、一般電線、1本の電線等も含むものである。また、本発明は、円形断面のみならず、矩形断面、円環断面、楕円断面、H字断面等の線条構造物に対しても、同様に適用可能である。すなわち、本発明が適用される線条構造物は、円形断面に限定されない。
対象となるワイヤーハーネスの例を概略的に示す図である。 ワイヤーハーネスに取り付けられる代表的な支持部材と拘束自由度との関係を示す図である。 図3(A)は、ワイヤーハーネスの外観を示す図であり、図3(B)は、図3(A)のワイヤーハーネスを離散化した様子を示す図であり、図3(C)は、図3(A)のワイヤーハーネスを梁要素と節点とで表した図である。 梁要素と節点とで表したワイヤーハーネスにおける自由度を説明するための図である。 図5(A)は、ワイヤーハーネスを3つの梁要素で表した図であり、図5(B)は、図5(A)の3つの梁要素を結合した状態を示す図である。 図6(A)は、断面2次モーメント及び縦弾性係数を測定する様子を示す図であり、図6(B)は、断面2次極モーメント及び横弾性係数を測定する様子を示す図である。 本発明の一実施形態に係るハードウエア構成の一例を示すブロック構成図である。 本発明の一実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。 図9(A)〜図9(D)はそれぞれ、図8の各処理過程においてワイヤーハーネスが変形する状態を示す図である。 図10(A)〜図10(C)はそれぞれ、図8の各処理過程においてワイヤーハーネスが変形する状態を示す図である。
符号の説明
1 ワイヤーハーネス(線条構造物)
2a、2b、2c、2d コネクタ
3a、3b、3c、3d クリップ
4 分岐点
21 マイクロコンピュータ
22 入力装置
23 表示装置
24 印字装置
25 記憶装置
26 通信インターフェース
27 リードライト装置
28 内部バス
30 障害物
C1〜C7 梁要素
N1〜N8 節点(ノード)

Claims (6)

  1. 障害物に接触して変形する線条構造物の予測形状を有限要素法を利用して計算する方法であって、
    前記線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が各節点で結合された弾性体として、有限要素モデルを作成する有限要素モデル作成工程と、
    前記有限要素モデルに与えられた前記線条構造物の物理特性及び拘束条件に応じた、このモデルの物理的に釣り合った状態である予測形状を計算する予測形状計算工程と、
    前記線条構造物の制御点を変位させたとき、前記予測形状が前記障害物を表す障害物モデルと交差するか否かを判定する交差判定工程と、
    前記予測形状が前記障害物と交差したと判定された場合、前記制御点を交差直前に対応する位置に戻すと共に、前記障害物モデルと交差する節点である交差節点を、前記障害物モデルとの交差直前の接触点に拘束する節点拘束工程と、
    前記拘束を維持しつつ、前記制御点を交差時の位置に戻したときの前記予測形状を出力する予測形状出力工程と、
    を含むことを特徴とする線条構造物の形状予測方法。
  2. 請求項1記載の線条構造物の形状予測方法において、
    前記節点拘束工程では、
    前記予測形状が前記障害物と交差したと判定された場合、前記制御点を交差直前に対応する位置に戻すと共に、前記障害物モデルと交差する節点である交差節点のうちで、少なくとも、前記障害物モデルに最初に接触した交差節点又は一番深く交差する交差節点を前記障害物モデルとの交差直前の接触点に拘束する、
    ことを特徴とする線条構造物の形状予測方法。
  3. 請求項1又は請求項2記載の線条構造物の形状予測方法において、
    前記節点拘束工程における拘束を開放して、前記制御点を交差時の次の位置に変位させたときの前記予測形状を計算する第2予測形状計算工程、
    を更に含むことを特徴とする線条構造物の形状予測方法。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の線条構造物の形状予測方法において、
    前記接触点で拘束される節点に接線方向にのみ自由度を与えて、前記制御点を交差時の次の位置に変位させたときの前記予測形状を計算する第3予測形状計算工程、
    を更に含むことを特徴とする線条構造物の形状予測方法。
  5. 障害物に接触して変形する線条構造物の予測形状を有限要素法を利用して計算する装置であって、
    前記線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が各節点で結合された弾性体として、有限要素モデルを作成する有限要素モデル作成手段と、
    前記有限要素モデルに与えられた前記線条構造物の物理特性及び拘束条件に応じた、このモデルの物理的に釣り合った状態である予測形状を計算する予測形状計算手段と、
    前記線条構造物の制御点を変位させたとき、前記予測形状が前記障害物を表す障害物モデルと交差するか否かを判定する交差判定手段と、
    前記予測形状が前記障害物と交差したと判定された場合、前記制御点を交差直前に対応する位置に戻すと共に、前記障害物モデルと交差する節点である交差節点を、前記障害物モデルとの交差直前の接触点に拘束する節点拘束手段と、
    前記拘束を維持しつつ、前記制御点を交差時の位置に戻したときの前記予測形状を出力する予測形状出力手段と、
    を含むことを特徴とする線条構造物の形状予測装置。
  6. 障害物に接触して変形する線条構造物の予測形状を有限要素法を利用して計算するために、コンピュータを、
    前記線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が各節点で結合された弾性体として、有限要素モデルを作成する有限要素モデル作成手段、
    前記有限要素モデルに与えられた前記線条構造物の物理特性及び拘束条件に応じた、このモデルの物理的に釣り合った状態である予測形状を計算する予測形状計算手段、
    前記線条構造物の制御点を変位させたとき、前記予測形状が前記障害物を表す障害物モデルと交差するか否かを判定する交差判定手段、
    前記予測形状が前記障害物と交差したと判定された場合、前記制御点を交差直前に対応する位置に戻すと共に、前記障害物モデルと交差する節点である交差節点を、前記障害物モデルとの交差直前の接触点に拘束する節点拘束手段、
    前記拘束を維持しつつ、前記制御点を交差時の位置に戻したときの前記予測形状を出力する予測形状出力手段、として機能させる、
    ことを特徴とする線条構造物の形状予測プログラム。
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