JP2005331888A - 蛍光顕微鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】暗室内に設置しなくとも蛍光観察が可能で、かつコントラストを維持したまま倍率を変更可能な蛍光顕微鏡を提供する。
【解決手段】蛍光顕微鏡は、フィルタセットと試料裁置部との間に配置された固定式の対物レンズと、少なくとも試料裁置部と対物レンズとフィルタセットとを覆って外部から試料裁置部に入射する光を遮断する遮光空間を構成する区画部と、フィルタセットの吸収フィルタの出射面に配置され、作動距離を連続的に変化可能なズームレンズで構成された結像レンズ52と、試料に励起光源から励起光をフィルタセットの励起フィルタを介して照射し、試料から発する蛍光を吸収フィルタを介して結像レンズ52で受光された蛍光像を結像するための撮像部22とを備える。これによって、試料やレンズ面を破損する事態を回避し、外乱光の影響を抑えたコントラストの高い蛍光像観察が可能となる。
【選択図】図1
【解決手段】蛍光顕微鏡は、フィルタセットと試料裁置部との間に配置された固定式の対物レンズと、少なくとも試料裁置部と対物レンズとフィルタセットとを覆って外部から試料裁置部に入射する光を遮断する遮光空間を構成する区画部と、フィルタセットの吸収フィルタの出射面に配置され、作動距離を連続的に変化可能なズームレンズで構成された結像レンズ52と、試料に励起光源から励起光をフィルタセットの励起フィルタを介して照射し、試料から発する蛍光を吸収フィルタを介して結像レンズ52で受光された蛍光像を結像するための撮像部22とを備える。これによって、試料やレンズ面を破損する事態を回避し、外乱光の影響を抑えたコントラストの高い蛍光像観察が可能となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、試料の蛍光像を撮像して表示する機能を備えた蛍光顕微鏡に関する。
従来より、細胞の微細構造や分子の局在等を観察するために、蛍光顕微鏡やレーザ顕微鏡が使用されている。蛍光顕微鏡では、試料内の注目する特定の分子に特異的に結合する蛍光分子(蛍光プローブ等と呼ばれ、例えば注目するタンパク質の抗体に蛍光分子を共有結合させたものなどが使用される)を付けて、この分子の分布や動きを観察する。落射蛍光顕微鏡の一例を、図9に基づいて説明する。落射照明は、光源光を対物レンズ950を通して照射し、試料Wからの蛍光をその対物レンズ950を通して観察する照明法である。照明光(励起光)と観察光(蛍光)が対物レンズ950の同じ光路を使用し、対物レンズ950はコンデンサを兼用している。図9において、落射照明による観察を実現する構成を達成するために、落射蛍光顕微鏡はダイクロイックミラー914を用いている。ダイクロイックミラー914は一般にダイクロイックキューブ(フィルタセット)と呼ばれる箱状体に、励起フィルタ912と吸収(バリア)フィルタ916と共にセットされている。光源の照射光は、まず励起フィルタ912で余分な波長の光がカットされ、使用する蛍光染料の蛍光分子が吸収する波長の光のみ通過させる。これによって観察の障害となる背景光が減衰される。この励起光は光軸に対して約45°に傾いたダイクロイックミラー914で直角に反射されて対物レンズ950を通して試料Wに到達する。試料Wから発する蛍光は、励起光と逆向きに進んで対物レンズ950を通してダイクロイックミラー914に到着する。ダイクロイックミラー914は、特定波長以下の光を反射して、それ以上長い波長の光を通過する性質を持つので、蛍光はこのミラーを透過する。蛍光を通過した後に、吸収フィルタ916により、注目する蛍光以外の波長をカットし、背景ができるだけ暗くなるようにした後、経過光を接眼レンズ9に導く(特許文献1参照)。
このような蛍光観察においては、試料が発する蛍光の強度が励起光の強度に比べて極めて小さいため、顕微鏡照明系以外に外部から入射される光を排除する必要がある。このため、従来は暗室等に蛍光顕微鏡を設置して観察が行われていた。しかしながら、暗室内での作業は面倒であり、また蛍光顕微鏡と接続したコンピュータやモニタなどの画像表示装置が発する光によって蛍光像の像質が低下するという問題があった。これに対して、試料を裁置するステージの周囲をプレートで囲んで遮光部110を構成した顕微鏡が開発されている(特許文献2参照)。この顕微鏡は、図10に示すように、遮光部947として、ステージ928の前面および両側面からそれぞれステージ928上の空間を覆う板状部材947a、947b、947cと、これらを開閉可能にステージ928に取り付ける接合部材945と、開状態の板状部材947a、947b、947cの主平面をステージ928の主平面と同一平面に支持するための支柱とを備える。このように遮光部947は、ステージ928の周囲にプレートを配置して、外部からステージ928に入射する光を遮断することで、暗室に蛍光顕微鏡を設置しなくとも使用でき、また顕微鏡に撮像装置やコンピュータ等を接続した場合であっても観察像の像質低下を防止することを可能としている。
しかしながら、このような顕微鏡においては、試料の観察中に倍率を変更する際に暗室を開放して対物レンズ951を切り替える必要があるため、この際に外部の光が試料に照射されて暗室状態を維持できなくなるという問題があった。すなわち、図10に示す蛍光顕微鏡においては、対物レンズをレボルバに装着して、複数の対物レンズを切り替えることによって倍率を変更している。レボルバを手動で回転させる構成では、どうしても暗室内に手を挿入しなければならず、暗室の密閉空間が維持されなくなる。試料に外部から光が差し込むと蛍光像が乱れてコントラストが低下し、また褪色しやすい試料の場合には、これらの光よって試料の褪色が始まってしまう。これを防止するには、結局のところ蛍光顕微鏡を暗室に設置する必要があり、暗室を不要として使い易くした蛍光顕微鏡を実現することができない。
一方、レボルバを電動式とするなどの方法により、自動で対物レンズを切り替える方法も考えられるが、この場合は対物レンズの切り替えによってレンズの先端が試料や試料を裁置したプレパラートに接触してこれらを破損したり、対物レンズのレンズ面を傷付けるおそれがある。対物レンズは、開口率が高くまた高倍率となるほど、レンズ長が長くなる傾向にある。さらに、対物レンズが高倍率となるほど試料と対物レンズとの間の作動距離が短くなる。特に高倍率になると作動距離は1mm以下となるため、高倍率の観察で対物レンズを切り替えようとすれば、対物レンズの先端が試料やプレパラートに接触してこれらを破損したり、レンズを傷付けるおそれが高くなる。このため、対物レンズの切り替えは対物レンズの先端がプレパラートに接触しないよう、作業者が確認しながら手動で慎重に行っていた。また手動での切り替えの際には、手を挿入するため暗室を開口する必要があり、このとき暗室が失われてしまい、外乱光によって観察像のコントラストが低下する。さらに、暗い暗室内では対物レンズと試料との距離が目視しづらいため、対物レンズが接触したかどうかが確認し難く使い勝手が悪いという問題もあった。このように、高いコントラストを維持したまま倍率をスムーズに変更することは困難であり、暗室状態を維持しながら自動で倍率を変化できる蛍光顕微鏡は従来存在しなかった。
特開2000−227556号公報
特開2002−207177号公報
本発明は、従来のこのような問題点を解決するためになされたものである。本発明の主な目的は、暗室内に設置しなくとも蛍光観察が可能で、かつコントラストを維持したまま倍率を変更可能な蛍光顕微鏡を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の蛍光顕微鏡は、観察対象である試料を裁置するための試料裁置部と、光学系を構成する光学部材として、所定の励起フィルタ、ダイクロイックミラーおよび吸収フィルタとを備えるフィルタセットと、フィルタセットと試料裁置部との間に配置された固定式の対物レンズと、少なくとも試料裁置部と対物レンズとフィルタセットとを覆って外部から試料裁置部に入射する光を遮断する遮光空間を構成する区画部と、試料に照射する励起光を発する励起光源と、フィルタセットの吸収フィルタの出射面に配置された結像レンズと、試料に励起光源から励起光をフィルタセットの励起フィルタを介して照射し、試料から発する蛍光を吸収フィルタを介して結像レンズで受光された蛍光像を結像するための撮像部とを備える。この蛍光顕微鏡では、結像レンズが、作動距離を連続的に変化可能なズームレンズで構成されている。この構成によって、対物レンズを固定式とすることでレボルバやスライダ等による切り替え機構を排除し、対物レンズの切り替え時に試料裁置部上の試料やプレパラートに対物レンズの先端が接触して破損したりレンズ面を傷付ける事態を回避できる。さらにズームレンズを採用することで、対物レンズを切り替えることなく倍率を変更できる。特にズームレンズによって連続的な倍率変更が可能となり、対物レンズ切り替えによる離散的な倍率変更でなくシームレスに倍率を変更して視野探しを容易に行える。さらにまた、区画部で遮光空間を構成することにより、外乱光の影響を抑えたコントラストの高い蛍光像観察が可能となり、特にズームレンズによる自動的な倍率変更を可能とすることによって、レボルバ等の手動切り替え時に遮光状態が損なわれて外乱光による影響を受けることなく、高いコントラストを維持したまま高画質での倍率変更を行うことができる。
また本発明の他の蛍光顕微鏡は、さらに撮像部で撮像された蛍光像を表示する表示部を備える。これによって、目視用の接眼レンズを備えることなく蛍光像を観察できるので、接眼レンズに関する部材を省略して構成を簡素化でき、コンパクトで安価な蛍光顕微鏡を実現できる。
さらに本発明の他の蛍光顕微鏡は、撮像部がCCDカメラである。CCDカメラによって蛍光像を結像して表示できる。特に人間の目よりも高感度なCCDカメラを使用すれば、目で認識できない蛍光像でも表示させて観察することが可能となる。
さらにまた本発明の他の蛍光顕微鏡は、蛍光顕微鏡を倒立型の蛍光顕微鏡としている。正立顕微鏡では試料を生きたまま観察することが困難であるが、倒立型の蛍光顕微鏡とすることにより、試料を生きたままで観察することが可能となる。さらに倒立型の蛍光顕微鏡では一般に、倒立して試料の下型に配置された対物レンズを介して得られた蛍光を、観察者の目の高さまで上向きに偏光する必要があるため、偏光ミラー等でU字状の光路を構成するためにシステムが大型化、複雑化し、高価になるという欠点があった。これに対して、目視用の接眼レンズを設けない構成を採用することで接眼レンズや光軸変更のためのミラーなどの部材を省略でき、よりコンパクトな倒立型蛍光顕微鏡を実現できるという利点が得られる。
さらにまた本発明の他の蛍光顕微鏡は、区画部が蛍光顕微鏡の光学経路を覆う矩形状に構成されている。これによって、矩形状の区画部内部に光学経路を構成する各部材を配置して、光学経路に外部からの光が干渉しないよう遮光状態を維持できる。
さらにまた本発明の他の蛍光顕微鏡は、区画部の一部に、試料を出し入れするための開口部を備えている。これによって、開口部を開口して試料を試料裁置部に裁置あるいは交換することができ、試料をセットした後は開口部を閉塞して区画部内部を遮光された遮光空間に維持して、高コントラストで倍率を変更しながら試料を観察できる。
さらにまた本発明の他の蛍光顕微鏡は、試料裁置部上の試料に対して励起光を発する励起光源と、試料に対して照明光を照射するための顕微鏡照明系とを備える。
本発明の蛍光顕微鏡によれば、試料を外部の光から遮光することにより暗室内に設置しなくとも高いコントラストで蛍光像観察が可能で、さらに余計な退光も防止できる。加えて、従来の蛍光顕微鏡では倍率変更のために対物レンズをレボルバやスライダ等で手動により切り替える必要があり、その際に遮光空間が損なわれてコントラスト低下を生じ、また倍率変更に手間がかかり、さらに切り替えの際に対物レンズで試料などを破損しないよう慎重に行わねばならないといった問題があったが、これに対して本発明の蛍光顕微鏡ではズームレンズを使用することにより自動で倍率変更が可能であり、一旦試料をセットして遮光空間を構成すれば、遮光状態を維持したまま倍率変更が容易に行え、高いコントラストを維持しつつ、また対物レンズを固定式とすることで倍率変更時に試料に接触するおそれもなく、安全にかつ高画質で観察できるという優れた利点が得られる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための蛍光顕微鏡を例示するものであって、本発明は蛍光顕微鏡を以下のものに特定しない。特に本明細書は、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
(倒立型蛍光顕微鏡)
(倒立型蛍光顕微鏡)
図1に、本発明の一実施の形態に係る蛍光顕微鏡のブロック図を示す。この図に示す蛍光顕微鏡は倒立型の蛍光顕微鏡を示している。以下の例では、蛍光顕微鏡を用いて、試料W(標本、検体、サンプル等とも呼ばれる)に複数の蛍光染料(蛍光色素)を導入して多色で染色、発現させる多色蛍光観察を行う例について説明する。この図に示す蛍光顕微鏡100は、励起光源48、コレクタレンズ54、フィルタセット1、対物レンズ50、結像レンズ52、撮像部22を備える。これらの部材は一定の光路上に配置される。励起光源48は蛍光染料を励起する励起光を発する。例えば高圧水銀ランプや高圧キセノンランプなどが用いられる。これらは、幅広い波長の光を放出する。また励起光源48として、低消費電力で小型、高効率の発光ダイオードを用いることもできる。また励起光源などの部材はユニット化し、ユニットを組み合わせて蛍光顕微鏡システムを構成することもできる。ユニット化することにより、蛍光顕微鏡システムの設置や運搬、メンテナンスが容易になる。これらの励起光源48からの照明光は、コレクタレンズ54でほぼ平行な光束にされてフィルタセット1に励起光として導入される。コレクタレンズ54は、落射照明の場合蛍光落射照明レンズ等が利用できる。なお以下の例では試料の照明を落射照明型とするが、同様に透過型照明や全反射照明型等他の照明方法についても本発明は適用可能である。
フィルタセット1は、特定の蛍光染料の観察に適した波長の光を選択的に透過するシングルパスのフィルタおよびミラーの組み合わせであり、図に示すように励起フィルタ12と吸収フィルタ16とダイクロイックミラー14を備える。さらにフィルタセット1は、複数種類が切り替え可能に構成されている。各フィルタセット1は、使用する蛍光染料に応じた励起フィルタ12と吸収フィルタ16とダイクロイックミラー14の組み合わせからなり、これらを切り替えることでそれぞれ異なる単色画像を撮像できる。複数のフィルタセット1はフィルタホルダ56にセットされ、フィルタ切替部18で切り替えられる。フィルタセット1の励起フィルタ12で選択された励起光はダイクロイックミラー14で反射され、対物レンズ50を通過して試料Wに投射される。
(対物レンズ50)
(対物レンズ50)
対物レンズ50は、コンデンサレンズを兼用している。この対物レンズ50は、従来のように複数の対物レンズをレボルバなどにより択一的に切り替える方式とせず、一種類の対物レンズを固定している。なお、対物レンズ50はネジ止めや係止片などの固定手段により固定されているが、固定手段を解除して脱着できるので、観察目的に応じて対物レンズ50を外して交換することは可能である。例えば位相差観察用、微分干渉観察用、明視野観察、暗視野観察用等の専用の対物レンズに交換でき、油浸対物レンズや水浸レンズ、ドライレンズ、カバースライド標本用、ノンカバースライド用等、観察目的や用途に応じて適切な対物レンズを装着できる。図の例においては対物レンズ50をネジ止め式に固定しており、ネジを緩めて対物レンズ50を取り外し、取り替えることで様々な用途に応じた対物レンズ50に交換できる。
(遮光空間46)
(遮光空間46)
試料Wは、試料載置部28に載置される。一般に蛍光試料などの微弱光試料の観察は、外乱光を排除する必要があるため暗室で行われる。本実施の形態に係る蛍光顕微鏡100は、試料載置部28および対物レンズ50、フィルタセット1を外乱光から遮断された遮光空間に配置し、この遮光空間46を暗室状態とすることにより、暗室を用意することなく蛍光観察を行える蛍光顕微鏡とし、使い勝手を改善している。試料載置部28はXYステージなどが利用でき、X軸、Y軸方向に移動可能である。また試料載置部28は上下方向(Z軸方向)にも移動可能とすることにより、光学系10との相対距離を変化させてフォーカスの調整を可能としている。
(区画部47)
(区画部47)
遮光空間を構成する区画部47は、図2に示すように箱状に構成する。この図に示すように、箱状の区画部47で試料載置部28および対物レンズ50、フィルタセット1を覆うことにより、外部からの光を確実に遮光できる。図2(a)に示す区画部47は、蛍光顕微鏡全体を覆うように構成しているが、図1のブロック図に示すように蛍光顕微鏡の内、試料載置部28、対物レンズ50、フィルタセット1の部分のみを覆うように、プレート等で囲むこともできる。また、試料の装着や交換を行うために、区画部47の一部には開口可能な開口部47bを形成している。開口部47bは、図2(b)および(c)に示すように蓋の一部をクランク式に回動させて前方にせり出した状態から下方に移動される。これにより試料をセットしたプレパラートなどを試料裁置部28に裁置し交換できる。開口部47bは、このように蓋部分をクランク式に回動させる方式の他、上下方向にスライド式に開口させる方式や、左右にスライドする引き戸式としたり、開口部47bの側面に設けたヒンジで扉部分を開閉可能とする開き戸式、開口部分を閉塞するパネルを取り外す方式等としてもよい。また、図2(b)の例では区画部47の正面側壁の一部に開口部47bを設けているが、一面全体を開閉させるように構成してもよい。また区画部の形状は、中空の直方体状とする他、円柱状、半円柱状、三角柱などの角柱状とすることもでき、また適宜面取するなどの変形を加えてもよい。
このように、試料を試料裁置部にセットあるいは交換する際は開口部47bを開口でき、試料を一旦セットした後は開口部47bを閉塞して区画部47内部を遮光された遮光空間に維持できるので、蛍光顕微鏡を暗室内に設置することなく高コントラストでの蛍光観察が可能となる。例えば蛍光顕微鏡に接続したコンピュータやモニタの光によって蛍光が影響を受けることなく、また褪色し易い試料の褪色を防止し、さらに暗室内での作業を不要とすることで設置の自由度が高まり、加えて手元が明るく操作や作業が行い易くなる。さらにまた、後述するようにズームレンズを採用することで暗室を維持したまま倍率変更が行え、高像質の蛍光像を観察しながら所望の倍率に調整できるという優れた操作環境が実現される。
試料Wに含まれる蛍光染料の内、照射された励起光に対応する蛍光染料が蛍光を発し、この蛍光が対物レンズ50を通過してフィルタセット1に入射され、ダイクロイックミラー14を通過する。このようにダイクロイックミラー14は、照明光を反射して蛍光を透過する。さらに吸収フィルタ16で蛍光を通過し、照明光等蛍光以外の光成分を選択的に吸収する。吸収フィルタ16はバリアフィルタとも呼ばれ、ダイクロイックミラー14よりも蛍光像の形成面側に配置される。フィルタセット1を出た光は結像レンズ52を通過して撮像部22に入射される。撮像部22は対物レンズ50の焦点面と共役な位置に配置される。この撮像部22は蛍光を電気信号に変換し、この信号に基づいて画像が生成され、表示部24にて表示される。このため撮像部22は撮像素子で構成され、CCDカメラ等の半導体撮像素子が好適に利用できる。CCDカメラは2次元上に配列されており、レーザ顕微鏡のように画面を順次走査することなく一画面を同時に撮像できる。CCDカメラは冷却することでノイズ特性を向上できるので、ペルチエ素子や液体窒素等で冷却する機構を備えるCCDカメラを使用してもよい。以上のように蛍光顕微鏡は、シングルパスのフィルタセット1をフィルタ切替部18によって自動で切り替えでき、各フィルタセット1で撮像した単色画像と、これらを重ね合わせた重ね合わせ画像を、同時に表示できる。
(フィルタセット1)
(フィルタセット1)
フィルタセット1は、一般にダイクロイックキューブと呼ばれる箱状体に、励起フィルタ12と吸収フィルタ16とダイクロイックミラー14の組を含んでいる。フィルタセット1は、試料Wに導入する蛍光染料に応じて励起フィルタ12、ダイクロイックミラー14、吸収フィルタ16の組み合わせが決定される。蛍光染料で発現される色のみが正しく観察できるように、所望の波長成分の光を抽出し他の波長成分を排除するよう、シングルパスのバンドパスフィルタの組み合わせが決定される。したがって、使用される蛍光染料に応じて、使用されるフィルタセット1は決定される。一般には各々蛍光色の異なるフィルタセット1が使用され、例えばRGB、CMYなど、蛍光色素に応じた色の組み合わせが適宜採用できる。ここで、フィルタセットの組み合わせとして代表的な蛍光色素とその励起フィルタ、吸収フィルタの組み合わせの一覧を図3に示す。図3において、蛍光色素の試薬名(通称)とその励起光の波長、および吸収光の波長を、帯域中の主要なピーク値で示している。複数のフィルタセット1はフィルタ切替部18により切り替え可能に構成されている。複数のフィルタセット1はフィルタホルダ56にセットされ、フィルタ切替部18により複数のフィルタセット1のいずれか一を光路上にセットさせる。フィルタ切替部18は、モータなどの駆動により回転式あるいはスライド式にフィルタセット1を切り替えるターレットなどが利用できる。フィルタ切替部18の制御は切替設定部20により設定される。フィルタセット1を使用して必要な組の励起フィルタ12、吸収フィルタ16、ダイクロイックミラー14を一括して切り替えることができ、切り替え動作部分を一箇所にまとめて高速動作やメンテナンスを容易にすることができる。ただ、励起フィルタ、吸収フィルタ、ダイクロイックミラーが組になったフィルタセットを使用することなく、複数の励起フィルタ、吸収フィルタ、ダイクロイックミラーをそれぞれ個別に切り替える個別の切替手段を設け、各切替手段を連動して制御することによって所定の組の励起フィルタ、吸収フィルタ、ダイクロイックミラーを光路上に配置する構成としてもよい。さらには、フィルタ類を移動させることなく、ミラーなどで光路を変更することでも実質的にフィルタ類を切り替えて撮像することが可能である。
また蛍光顕微鏡を利用して多色蛍光観察を行う方法としては、蛍光顕微鏡にCCDカメラなどの撮像素子を装着して、複数の蛍光色素を同時に観察できるデュアル、トリプルバンドパスフィルタを使用する方法や、使用する蛍光色素それぞれに対応したシングルパス(単色用)のフィルタセットを切り替えて使用する方法等も適宜利用できる。
(表示部24)
(表示部24)
表示部24は、光学系10で撮像された画像を表示するディスプレイである。表示部24を構成するディスプレイは、高解像度表示が可能なモニタであり、CRTや液晶パネル等が利用される。表示部24は、蛍光顕微鏡に組み込みあるいは外付けされたモニタの他、図4に示すように蛍光顕微鏡200に接続された外部接続機器58で表示させるようにしてもよい。例えば外部接続機器58としてコンピュータ58Aを使用する場合、コンピュータ58Aのモニタ24Aにて表示部の機能を実現することができる。もちろん、蛍光顕微鏡200側および外部接続機器58側の両方で複数の表示部を利用することもできる。
次に、表示部24の表示画面の一例を図5に示す。図5は、蛍光顕微鏡画像表示プログラムのGUIイメージを示す一例である。この図に示すように、表示部24は複数の画像表示領域Gを備えており、各画像表示領域Gで異なる画像を表示し、複数の画像を同時に表示して対比させることができる。特に、本実施の形態においては画像表示領域Gの一を重ね合わせ画像表示領域Oとして、各フィルタセットで観察された画像を重ね合わせた重ね合わせ画像を表示することができる。これにより、各フィルタセットで観察された画像と、これらの重ね合わせ画像とを同一画面で比較することができる。特に後述するように、本実施の形態においてはほぼリアルタイムで各画像を表示できるため、様々な条件での試料の状態を容易に観察することが可能となる。図5の例では4枚の画像表示領域Gとし、その内の1枚を重ね合わせ画像表示領域Oとしている。もちろん、画像表示領域は3枚以下、あるいは5枚以上とすることもできる。好ましくは、フィルタホルダにセットされたフィルタセットの数に、重ね合わせ画像表示用を加えた数の画像表示領域とすることで、すべてのフィルタセットとこれらの重ね合わせ画像を一画面で同時に観察できる。もちろん、選択した任意の画面を拡大表示したり、拡大表示画面を各フィルタセット毎、あるいは重ね合わせ画像に切り替えて表示させることもできる。またすべての画像を同一画面で表示させる必要はなく、各画像毎に別ウィンドウで表示させたり、あるいは全画面表示に切り替えることもできる。このように表示の態様は、フィルタセットの数や観察目的、ユーザの嗜好等に応じて適宜変更できる。図5の例においては、蛍光染料1〜3にそれぞれ対応した3つのフィルタセットをフィルタホルダ56にセットし、これらを切り替えて撮像した各単色画像と、単色画像を重ね合わせた重ね合わせ画像を表示する例を示している。
(画像調整部40)
(画像調整部40)
また、図5に示す設定画面は、撮像された画像を調整する画像調整部40を備えている。この図に示す設定画面の例においては、画像調整部40として視野移動のための位置、高さ、倍率、明るさ、コントラスト等の画像調整パラメータを調整するためのスイッチ類を、画像表示領域Gの右側に設けている。またこれらの画像調整パラメータは、ユーザが調整する他、自動的に最適に設定することもできる。例えば露光時間を自動的に調整する「ワンタッチ・オート」ボタンや、焦点を自動調整する「ワンタッチ・フォーカス」ボタンなどを備える。各画像調整パラメータの調整の内、位置の調整はXY方向への移動であり、表示中の画像の視点を移動できる。例えば画像表示領域Gの画面で任意の位置をマウスでドラッグし、所望の方向に移動させることによって位置すなわち視点を移動できる。マウスの移動量に従って、試料載置部28はXY方向に移動される。また上下左右ボタンや十字ボタンを用いて移動させることもできる。さらに現在表示中の視点が、表示可能な領域のどの部分に位置するかを表示するガイドを設けることもできる。
また高さの調整はZ方向すなわち試料Wと光学系10(対物レンズ50)の相対距離であり、これによって画像のフォーカスが調整される。高さ指定部で高さを調整することにより、試料載置部28を上下に移動させる。高さや倍率などの調整は、スライダやレベルメータ、スケール等を使用して連続的、視覚的に調整できる。図5の例では高さ指定部としてスライダ32Aを使用している。なお、いずれの場合も試料載置部28を移動させて調整しているが、光学系10を移動させても同様の結果が得られることはいうまでもない。
(ズームレンズ)
(ズームレンズ)
倍率の調整は、結像レンズ52によって行われる。結像レンズ52は、フィルタセット1の吸収フィルタ16からの蛍光を結像させるレンズであり、フィルタセット1と撮像部22との間に配置されている。この例では結像レンズ52をズーム変倍レンズとしており、一の結像レンズ52を使って例えば倍率を10倍〜100倍に連続的に可変することができる。なお対物レンズ及び結像レンズの倍率、開口数、作動距離等は、観察目的や条件に応じて適切な値に設定される。結像レンズ52により結像された蛍光像は撮像部22に投影され、電気信号に変換されて外部接続された表示部24に表示される。また、蛍光像の画像データは、コンピュータ58A等の外部接続機器58に取り込まれて処理される。処理条件や処理結果は、コンピュータ58Aのディスプレイに表示される。なおコンピュータディスプレイ58Aと表示部を兼用することもできる。観察者は、表示部により蛍光像を観察でき、さらにコンピュータ58Aを操作して、蛍光像に所望の処理を施し、その結果を表示部やディスプレイで観察できる。
(接眼レンズの排除)
(接眼レンズの排除)
図1に示すように、本発明の倒立型の蛍光顕微鏡においては、目視用の接眼レンズを省略することで、倒立型蛍光顕微鏡の構成を簡素化することができる。従来の倒置型蛍光顕微鏡では、試料裁置部の下方に設けられた対物レンズやフィルタセットを介して得られる蛍光を、偏光ミラーなどで上向きに光路を偏光することで使用者の目の高さに接眼レンズを配置するよう構成しており、このように光路を折曲して延長させるために構成が複雑になり、システムが大型化しコストアップの要因となっていた。そこでこのような接眼レンズを排除し、撮像部で撮像された画像を表示する表示部を外部に接続する構成とすることで、システムを簡素化して装置の小型化を実現している。
一方で、従来の蛍光顕微鏡では、対物レンズの視野範囲の中で撮像部で撮像できる視野範囲は小さくなるため、程よい倍率で高いNAの対物レンズをバランスよく選択すれば、大きなNAでかつ視野範囲を確保できる。本システムでは使用頻度の高い10〜60倍観察を実現するため、20倍でNA0.75のアポクロマート対物レンズを選択し、ズームレンズでは0.5倍(縮小)〜3倍(拡大)の倍率に設定して、標準仕様10〜60倍のNAとほぼ同等の性能を実現した。
(他の実施の形態)
(他の実施の形態)
図6に、本発明の他の実施の形態に係る倒立型蛍光顕微鏡のブロック図を示す。この図において、図1と同一の部材名についてはほぼ同一の部材を採用しており、詳細説明を省略する。図6の構成において図1との主な相違点は、結像レンズ52Bの光軸の偏光である。図1に示す構成では、略水平方向から照射される励起光に対して、蛍光を略垂直方向に配置していたため、水平方向と垂直方向に共に延長された構成となり、蛍光顕微鏡装置の外形が大きくなる。これに対して図6の構成では、蛍光を受ける結像レンズ52Bを水平方向に配置して、その先に撮像部としてCCDカメラ22Cを配置することにより、垂直方向への突出を抑えることができ、蛍光顕微鏡装置全体のサイズをコンパクトにできる利点が得られる。特に水平方向には励起光の経路が配されている構成上本来的に長くなるため、これに合わせて蛍光の取り出し経路も水平方向に配置することにより、水平方向にのみ長く、垂直方向への突出を抑制できる。なお、水平方向と垂直方向を入れ替えることも可能であることはいうまでもなく、励起光および蛍光の光路を垂直方向とすることで垂直方向に長く、水平方向への突出を抑えたコンパクトな蛍光顕微鏡を構成することができる。あるいは斜め方向に励起光及び蛍光の光路を揃えることも可能である。なお、励起光及び蛍光の経路は平行とせず、ねじれの位置となるように配置して交差しないようにすることが好ましい。これらを平行に配置すると、励起光と蛍光が干渉して、クロストークにより正しい結像が得られなくなるおそれがあるため、これらをねじれの位置となるよう配置することで、干渉を防止し、かつ離間させることなく近接して配置でき、装置の小型化、コンパクト化に寄与し得る。
(正立型蛍光顕微鏡)
(正立型蛍光顕微鏡)
なお上記の例では、倒立型の蛍光顕微鏡について説明したが、正立型の蛍光顕微鏡においても本発明を適用できることはいうまでもない。図7に、本発明のさらに他の実施の形態に係る蛍光顕微鏡として、正立型の蛍光顕微鏡を示す。この図に示すように、正立型蛍光顕微鏡は試料裁置部の上方に対物レンズ50及びフィルタセット1を配置している。またこの蛍光顕微鏡では、光学系10の光路をすべて区画部47で囲んで遮光空間を構成し、区画部47を蛍光顕微鏡全体を覆う箱状のケースとしている。これによって顕微鏡照明系以外の外乱光を完全に遮断でき、高品質な蛍光画像観察が可能となる。
(制御系64)
(制御系64)
次に蛍光顕微鏡の制御系64を構成するブロック図の一例を、図8に示す。なおこの図においては光学系10の詳細表示を省略している。この図に示すように、蛍光顕微鏡は撮像系66として、試料Wを載置する試料載置部28の一形態であるステージ28Aと、ステージ28Aを移動させるステージ昇降器30Aと、励起光源48(図8に図示せず)からステージ28A上に載置された試料Wに対して照射された励起光により蛍光染料を励起し、蛍光を撮像部22上に結像させる光学系10と、撮像部22の一形態として、ステージ28Aに固定された試料Wから光学系10を介して入射される蛍光を2次元状に配置された画素毎に電気的に読み取るCCD22Aと、CCD22Aを駆動制御するCCD制御回路22Bとを備える。ステージ昇降器30Aは、高さ調整部30の一形態であり、例えばステッピングモータ30aと、ステッピングモータ30aの昇降を制御するモータ制御部30bで構成される。ステッピングモータ30aは、光軸方向のZ軸方向、および光軸方向と垂直な面内であるXY方向にステージ28Aを移動させる。
また、これらの撮像系66を制御する制御系64として、撮像系66とデータ等の電気信号を通信などの手段によりやりとりするためのインターフェイス部68と、撮像部22によって電気的に読み取られた画像データを保持するためのメモリ部34と、撮像、合成された画像や各種設定等を表示するための表示部24と、表示部24上に表示される画面に基づいて入力、設定その他の操作を行うための操作部70と、操作部70で設定された条件に従い撮像系66を制御して撮像を行うと共に、取得された画像データを合成して立体画像を生成、あるいは画像処理その他の各種処理を行う制御部26とを備える。以上の撮像系66と制御系64は、蛍光顕微鏡に含めることで蛍光顕微鏡装置のみで動作を完結させることもできるし、図4に示すように、コンピュータ58Aなどの外部接続機器58を蛍光顕微鏡200に接続し、蛍光顕微鏡200で撮像系を、外部接続機器58で制御系を機能させることもできる。また撮像系と制御系は構成部材を厳密に区別するものでなく、例えばメモリ部を撮像系に持たせたり、逆にCCD制御回路やモータ制御部を制御系に持たせてもよい。
操作部70は蛍光顕微鏡システムを構成する蛍光顕微鏡もしくはコンピュータと有線もしくは無線で接続され、あるいはコンピュータに固定されている。一般的な操作部としては、例えばマウスやキーボード、スライドパッド、トラックポイント、タブレット、ジョイスティック、コンソール、ジョグダイヤル、デジタイザ、ライトペン、テンキー、タッチパッド、アキュポイント等の各種ポインティングデバイスが挙げられる。またこれらの操作部は、蛍光顕微鏡画像表示プログラムの操作の他、蛍光顕微鏡やその周辺機器の操作にも利用できる。さらに、インターフェース画面を表示するディスプレイ自体にタッチスクリーンやタッチパネルを利用して、画面上をユーザが手で直接触れることにより入力や操作を可能としたり、または音声入力その他の既存の入力手段を利用、あるいはこれらを併用することもできる。図8の例では、操作部70はマウスを備える(図4参照)。マウスによって、高さ指定部32であるスライダ32Aを操作したり、画像に対して合焦点位置合わせ等の各種操作を行える。このように表示部24で画像と共に操作メニューや設定などを表示させ、イメージ上で操作項目を選択したり操作を行うことによりユーザは操作内容や状態などを正確に把握でき、操作ミスも防止でき、また感覚的で操作しやすい操作体系が実現される。
本発明の蛍光顕微鏡は、例えば患者の血清と細胞核とを反応させ、蛍光標識を加えて蛍光顕微鏡で坑核坑体を観察し、坑核坑体の蛍光により陽性、陰性を判定する蛍光抗体検査等に利用可能である。
100、200…蛍光顕微鏡
1…フィルタセット
9…接眼レンズ
10…光学系
12…励起フィルタ
14…ダイクロイックミラー
16…吸収フィルタ
18…フィルタ切替部
20…切替設定部
22…撮像部
22A…CCD;22B…CCD制御回路;22C…CCDカメラ
24…表示部;24A…モニタ
26…制御部
28…試料載置部;28A…ステージ
30…高さ調整部;30A…ステージ昇降器
30a…ステッピングモータ;30b…モータ制御部
32…高さ指定部;32A…スライダ
34…メモリ部
40…画像調整部
44…インジケータ
46…暗室空間
47…区画部;47b…開口部
48…励起光源
50…対物レンズ
52、52B…結像レンズ
54…コレクタレンズ;56…フィルタホルダ
58…外部接続機器;58A…コンピュータ
64…制御系;66…撮像系;68…インターフェイス部
70…操作部
912…励起フィルタ;914…ダイクロイックミラー
916…吸収フィルタ;928…ステージ
945…接合部材;947…遮光部;947a、947b、947c…板状部材
950、951…対物レンズ
W…試料;G、G1〜G4…画像表示領域;O…重ね合わせ画像表示領域
1…フィルタセット
9…接眼レンズ
10…光学系
12…励起フィルタ
14…ダイクロイックミラー
16…吸収フィルタ
18…フィルタ切替部
20…切替設定部
22…撮像部
22A…CCD;22B…CCD制御回路;22C…CCDカメラ
24…表示部;24A…モニタ
26…制御部
28…試料載置部;28A…ステージ
30…高さ調整部;30A…ステージ昇降器
30a…ステッピングモータ;30b…モータ制御部
32…高さ指定部;32A…スライダ
34…メモリ部
40…画像調整部
44…インジケータ
46…暗室空間
47…区画部;47b…開口部
48…励起光源
50…対物レンズ
52、52B…結像レンズ
54…コレクタレンズ;56…フィルタホルダ
58…外部接続機器;58A…コンピュータ
64…制御系;66…撮像系;68…インターフェイス部
70…操作部
912…励起フィルタ;914…ダイクロイックミラー
916…吸収フィルタ;928…ステージ
945…接合部材;947…遮光部;947a、947b、947c…板状部材
950、951…対物レンズ
W…試料;G、G1〜G4…画像表示領域;O…重ね合わせ画像表示領域
Claims (7)
- 観察対象である試料を裁置するための試料裁置部と、
光学系を構成する光学部材として、所定の励起フィルタ、ダイクロイックミラーおよび吸収フィルタとを備えるフィルタセットと、
フィルタセットと試料裁置部との間に配置された固定式の対物レンズと、
少なくとも試料裁置部と対物レンズとフィルタセットとを覆って外部から前記試料裁置部に入射する光を遮断する遮光空間を構成する区画部と、
試料に照射する励起光を発する励起光源と、
フィルタセットの吸収フィルタの出射面に配置された結像レンズと、
試料に励起光源から励起光をフィルタセットの励起フィルタを介して照射し、試料から発する蛍光を吸収フィルタを介して結像レンズで受光された蛍光像を結像するための撮像部と、
を備える蛍光顕微鏡であって、
前記結像レンズが、作動距離を連続的に変化可能なズームレンズで構成されてなることを特徴とする蛍光顕微鏡。 - 請求項1に記載の蛍光顕微鏡であって、さらに前記撮像部で撮像された蛍光像を表示する表示部を備えることを特徴とする蛍光顕微鏡。
- 請求項2に記載の蛍光顕微鏡であって、前記撮像部がCCDカメラであることを特徴とする蛍光顕微鏡。
- 請求項1から3のいずれかに記載の蛍光顕微鏡であって、前記蛍光顕微鏡が倒立型の蛍光顕微鏡であることを特徴とする蛍光顕微鏡。
- 請求項1から4のいずれかに記載の蛍光顕微鏡であって、前記区画部が蛍光顕微鏡の光学経路を覆う矩形状に構成されてなることを特徴とする蛍光顕微鏡。
- 請求項5に記載の蛍光顕微鏡であって、前記区画部の一部に、試料を出し入れするための開口部を備えてなることを特徴とする蛍光顕微鏡。
- 請求項1から6のいずれかに記載の蛍光顕微鏡であって、さらに
試料裁置部上の試料に対して励起光を発する励起光源と、
試料に対して照明光を照射するための顕微鏡照明系と、
を備えることを特徴とする蛍光顕微鏡。
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