JP2005330393A - オレフィン重合触媒およびポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

オレフィン重合触媒およびポリオレフィンの製造方法 Download PDF

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直樹 松岡
Koichi Hasebe
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Abstract

【課題】未反応残渣または副生物の混入による触媒性能の低下や触媒製造に要する負荷等を抑制し、かつ単位触媒量当たりの活性が非常に高いオレフィン重合触媒および該触媒成分を用いたポリオレフィンの製造方法の提供。
【解決手段】固体触媒成分[A]および有機金属化合物成分[B]からなるオレフィン重合触媒であり、固体触媒成分[A]が、特定の有機マグネシウム化合物とSi−H結合を有する塩化珪素化合物を反応させた固体に有機金属化合物を反応させ、さらにチタン化合物を担持することによって得られるオレフィン重合触媒および該触媒成分を用いたポリオレフィンの製造方法。
【選択図】選択図なし。

Description

本発明はオレフィン重合触媒およびこれを用いたポリオレフィンの製造方法に関する。さらに詳しくは、アルコール類による担体処理を経ずにチタン化合物を担持化し、かつ従来公知の技術と比較して単位触媒量当たりの活性が非常に高いオレフィン重合触媒およびこれを用いたポリオレフィンの製造方法に関する。
オレフィン重合触媒として、周期律表第4〜6族の遷移金属化合物と周期律表第1族、第2族、第3族、および第13族からなる群に含まれる有機金属化合物からなるチーグラー触媒系が一般に知られている。以前は活性が低かったため、残存触媒を除去する工程が必要不可欠であったが、塩化マグネシウム担体を用いて大幅に活性を向上させる技術が一般的となったため、この工程は必要無くなった。触媒あたりの活性が高い場合には、ポリオレフィンを生産する際の使用触媒量を削減することができるため、効率的な生産には活性の向上が非常に有効である。
高活性を有するオレフィン重合触媒としては、有機マグネシウム化合物を原料とした触媒系が多数提案されている。しかし、最終的に担体の主成分となる塩化マグネシウムは高結晶性であり、通常は表面積も小さいため、活性金属種とそのまま加熱反応してもほとんど担持することができない。このような課題を解決するため、これまで様々な担持方法が検討されてきた。例えば、特許文献1においては、アルミニウムハロゲン化合物、チタン化合物、および有機マグネシウム化合物を反応させる際に、混合前、混合時、または混合後にアルカノール、アルケノール、アルカノラート、アルケノラート、カルボン酸、カルボン酸のエステルまたは塩、アルデヒド、またはケトンを添加する方法が記載されている。また、特許文献2〜6等においては、有機マグネシウム化合物から得られる担体に、アルコール類による処理を施したオレフィン重合触媒が記載されている。
有機マグネシウム化合物を原料とした触媒系は、このような担持技術の進歩によって優れたオレフィン重合性能を示すようになった。しかし、製造過程において添加する化合物の未反応残渣や副生物が重合系内に混入した場合には、予期せぬ触媒性能の低下を招く問題を抱えている。また、精製分離に要する負荷も高く、触媒製造に要する単位操作が多い事も難点として挙げられる。さらに、活性も工業触媒として未だ十分とはいえず、現在でもなお高活性化に対する要望は強く存在している。
特公昭46−31968号公報 特公平2−42366号公報 特開平10−204116号公報 特許第3192997号公報 特開2003−246814号公報 特開2004−67731号公報
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであって、アルコール類による担体処理を経ずにチタン化合物を担持化することにより、未反応残渣または副生物の混入による触媒性能の低下や触媒製造に要する負荷等を抑制し、かつ従来公知の技術と比較して単位触媒量当たりの活性が非常に高いオレフィン重合触媒および該触媒成分を用いたポリオレフィンの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の有機マグネシウム化合物とSi−H結合を有する塩化珪素化合物を反応させた固体に有機金属化合物を反応させ、さらにチタン化合物を担持することによって、未反応残渣または副生物の混入による触媒性能の低下や触媒製造に要する負荷等を抑制し、かつ単位触媒量当たりの活性が非常に高くなることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は下記の通りである。
(1)固体触媒成分[A]および有機金属化合物成分[B]からなるオレフィン重合触媒であり、固体触媒成分[A]が下記に示した固体触媒成分であることを特徴とするオレフィン重合触媒。
(固体触媒成分[A])
(イ)
[化1]
αMgβ p q(OR・・・・・・・・(1)
(一般式(1)中、Mは周期律表第1族、第2族、第3族、第12族および第13族からなる群に含まれる金属原子、R、R、およびRは炭素数2〜20の炭化水素基、α、β、p、q、およびrは、α≧0、β>0、p≧0、q≧0、r>0、p+q>0、0.5<r/(α+β)≦2、kα+2β=p+q+r(kはMの原子価)を満たす数である。)
で示される炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物と、
(ロ)
[化2]
SiCl 4−(a+b)・・・・・・・・・・(2)
(一般式(2)中、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、aとbは、a>0、b>0、a+b≦4を満たす数である。)
で示されるSi−H結合を有する塩化珪素化合物とを反応させて得られた担体[A−1]に対して、
(ハ)
[化3]
t−s・・・・・・・・・・・・・・・(3)
(一般式(3)中、Mは周期律表第1族、第2族、第3族、および第13族からなる群に含まれる金属原子、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、QはOR、OSiR、NR1011、SR12、およびハロゲンから選ばれた官能基、R、R、R、R、R10、R11、およびR12は水素原子または炭化水素基、tはMの原子価、sはs>0を満たす数である。)
で示される有機金属化合物を反応させて得られた修飾固体[A−2]に、
(ニ)
[化4]
Ti(OR134−u・・・・・・・・・・・・(4)
(一般式(4)中、R13は炭化水素基、Xはハロゲン、uは0≦u≦4を満たす数である。)
で示されるチタン化合物を、
(ホ)
[化5]
14 w−v・・・・・・・・・・・・(5)
(一般式(5)中、Mは周期律表第1族、第2族、第3族、および第13族からなる群に含まれる金属原子、R14は炭素数1〜20の炭化水素基、QはOR15、OSiR161718、NR1920、SR21、およびハロゲンから選ばれた官能基、R15、R16、R17、R18、R19、R20、およびR21は水素原子または炭化水素基、wはMの原子価、vはv>0を満たす数である。)
で示される有機金属化合物の存在下で担持させて得られた固体触媒成分。
(2)一般式(1)で示される有機マグネシウム化合物(イ)が、α>0、0.5≦β/α≦10、0.7≦r/(α+β)≦1.3である、(1)に記載のオレフィン重合触媒。
(3)固体触媒成分[A]において、一般式(4)で示されるチタン化合物(ニ)を、一般式(5)で示される有機金属化合物(ホ)の存在下で担持させることを特徴とする、(1)または(2)に記載のオレフィン重合触媒。
(4)固体触媒成分[A]において、担体[A−1]と反応させる有機金属化合物(ハ)と、チタン化合物(ニ)を担持させる際に存在させる有機金属化合物(ホ)が異なる有機金属化合物であることを特徴とする、(1)から(3)のいずれかに記載のオレフィン重合触媒。
(5)エチレンの単独重合あるいはエチレンと炭素数が3以上のα−オレフィンとを共重合する際に、(1)から(4)のいずれかに記載のオレフィン重合触媒を用いることを特徴とする、ポリオレフィンの製造方法。
本発明の方法によれば、アルコール類による担体処理を経ずにチタン化合物を担持化することにより、未反応残渣または副生物の混入による触媒性能の低下や触媒製造に要する負荷等を抑制し、しかも非常に活性の高いオレフィン重合触媒を提供することができ、ポリオレフィンを製造する上で工業的に極めて生産性の高い運転が可能となる。
以下、本願発明について具体的に説明する。
本発明は、固体触媒成分[A]および有機金属化合物成分[B]からなるオレフィン重合触媒に関するものである。固体触媒成分[A]が、担体[A−1]と有機金属化合物を反応させて得られる修飾担体[A−2]にチタン化合物を担持させて得られた固体触媒成分であることが特徴である。
本発明に用いられる有機マグネシウム化合物は、一般式(1)(式中、Mは周期律表第1族、第2族、第3族、第12族、および第13族からなる群に含まれる金属原子、R、R、およびRは炭素数2〜20の炭化水素基、α、β、p、q、およびrは、α≧0、β>0、p≧0、q≧0、r>0、p+q>0、0.5<r/(α+β)≦2、kα+2β=p+q+r(kはMの原子価)を満たす数である。)で表される。なお、周期律表の族番号は、IUPAC(国際純正および応用化学連合)無機化学命名法で1989年に定められた命名法を用いた。この化合物は、不活性炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウムの錯化合物の形として示されているが、ジヒドロカルビルマグネシウム化合物およびこの化合物と他の金属化合物との錯体の全てを包含するものである。記号α、β、p、q、rの関係式kα+2β=p+q+rは、金属原子の原子価と置換基との化学量論性を示している。なお、本発明における不活性炭化水素溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、または、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素等が挙げられる。
上記の式中RおよびRで表される炭化水素基は、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、シクロヘキシル、フェニル基等が挙げられ、Rはアルキル基であることが好ましい。α>0の場合、金属原子Mとしては、周期律表第1族、第2族、第3族、第12族、および第13族からなる群に含まれる金属元素を使用することができ、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ベリリウム、亜鉛、ホウ素、アルミニウム等が挙げられるが、特にアルミニウム、ホウ素、ベリリウム、亜鉛が好ましい。
金属原子Mに対するマグネシウムの比β/αは、任意に設定可能であるが、0.1〜30の範囲が好ましく、0.5〜10の範囲が特に好ましい。また、α=0となる有機マグネシウム化合物を用いる場合、例えば、Rが1−メチルプロピル等の場合には不活性炭化水素溶媒に可溶性であり、このような化合物も本発明に好ましい結果を与える。一般式(1)
[化6]
αMgβ p q(OR・・・・・(1)
において、α=0の場合のR、Rは、以下に示す三つの群(i)、(ii)、(iii)のいずれか一つであることが推奨される。
(i)R、Rの少なくとも一方が炭素原子数4〜6である二級または三級のアルキル基であること、好ましくはR、Rがともに炭素原子数4〜6であり、少なくとも一方が二級または三級のアルキル基であること。
(ii)R、Rが、炭素原子数の互いに相異なるアルキル基であること、好ましくはRが炭素原子数2または3のアルキル基であり、Rが炭素原子数4以上のアルキル基であること。
(iii)R、Rの少なくとも一方が炭素原子数6以上の炭化水素基であること、好ましくはR、Rがに含まれる炭素原子数を加算すると12以上になるアルキル基であること。
以下にこれらの基を具体的に示す。(i)において炭素原子数4〜6である二級または三級のアルキル基としては、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、2−メチルブチル基、2−エチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、2−メチルペンチル基、2−エチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2−メチル−2−エチルプロピル基等が用いられ、1−メチルプロピル基が特に好ましい。次に(ii)において炭素原子数2または3のアルキル基としては、エチル基、1−メチルエチル基、プロピル基等が挙げられ、エチル基が特に好ましい。また炭素原子数4以上のアルキル基としては、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられ、ブチル基、ヘキシル基が特に好ましい。
さらに、(iii)において炭素原子数6以上のアルキル基としては、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、フェニル基、2−ナフチル基等が挙げられ、炭化水素基の中ではアルキル基が好ましく、ヘキシル基、オクチル基が特に好ましい。一般に、アルキル基に含まれる炭素原子数が増えると不活性炭化水素溶媒に溶けやすくなるが、溶液の粘性が高くなるため、溶解性を満足させる範囲で炭素原子数の少ないアルキル基を用いることが好ましい。なお、上記有機マグネシウム化合物は不活性炭化水素溶液として用いられるが、該溶液中に微量のエーテル、エステル、アミン等のコンプレックス化剤がわずかに含有されあるいは残存していても差し支えなく用いることができる。
次に、アルコキシ基(OR)について説明する。Rで表される炭化水素基としては、炭素原子数1〜12のアルキル基またはアリール基が好ましく、特に3〜10のアルキル基またはアリール基が好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基、ブチル基、1−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−メチルペンチル基、2−エチルブチル基、2−エチルペンチル基、2−エチルヘキシル基、2−エチル−4−メチルペンチル基、2−プロピルヘプチル基、2−エチル−5−メチルオクチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルペンチル基および2−エチルヘキシル基が特に好ましい。
これらの有機マグネシウム化合物は、一般式RMgXおよびR Mg(Rは前述の意味であり、Xはハロゲンである)からなる群に属する有機マグネシウム化合物と、一般式M およびM k−1H(M、R、kは前述の意味である)からなる群に属する有機金属化合物とを不活性炭化水素溶媒中、室温〜150℃の間で反応させ、必要な場合には続いてRで表される炭化水素基を有するアルコールまたは不活性炭化水素溶媒に可溶な上記Rで表される炭化水素基を有するアルコキシマグネシウム化合物、および/またはアルコキシアルミニウム化合物と反応させる方法により合成される。
このうち、不活性炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物とアルコールとを反応させる場合、反応の順序については、有機マグネシウム化合物中にアルコールを加えていく方法、アルコール中に有機マグネシウム化合物を加えていく方法、または両者を同時に加えていく方法のいずれの方法も用いることができる。本発明において不活性炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物とアルコールとの反応比率については特に制限はないが、反応の結果、得られるアルコキシ基含有有機マグネシウム化合物における、全金属原子に対するアルコキシ基のモル組成比r/(α+β)の範囲は0.5<r/(α+β)≦2であり、0.7≦r/(α+β)≦1.3が特に好ましい。
次に、本発明に用いられる塩化珪素化合物について説明する。担体[A−1]の合成に使用される塩化珪素化合物は、一般式(2)HSiCl 4−(a+b)(式中、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、aとbは、a>0、b>0、a+b≦4を満たす数である。)で表される。上記の式中Rで表される炭化水素基は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロヘキシル基、フェニル基等が挙げられ、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基等の低級アルキル基が特に好ましい。
また、aおよびbはa+b≦4の関係を満たす0より大きな数であり、bが2または3であることが特に好ましい。これらの化合物としては、HSiCl、HSiClCH、HSiCl、HSiCl、HSiCl(1−CH)、HSiCl、HSiCl、HSiCl(4−Cl−C)、HSiClCH=CH、HSiClCH、HSiCl(1−C10)、HSiClCHCH=CH、HSiClCH、HSiClC、HSiCl(CH、HSiCl(C、HSiClCH(1−CH)、HSiClCH(C)、HSiCl(C等が挙げられ、これらの化合物またはこれらの化合物から選ばれた二種類以上の混合物からなる塩化珪素化合物が使用される。塩化珪素化合物としては、トリクロロシラン、モノメチルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、エチルジクロロシランが好ましく、トリクロロシラン、モノメチルジクロロシランが特に好ましい。
次に、有機マグネシウム化合物と塩化珪素化合物との反応について説明する。反応に際しては、塩化珪素化合物をあらかじめ反応溶媒、例えば、不活性炭化水素溶媒、1,2−ジクロロエタン、o−ジクロロベンゼン、ジクロロメタン等の塩素化炭化水素溶媒、もしくはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、あるいはこれらの混合溶媒を用いて希釈した後利用することが好ましい。さらに、触媒の性能上、不活性炭化水素溶媒が特に好ましい。反応の温度については特に制限されないが、反応の進行上、好ましくは塩化珪素化合物の沸点以上もしくは40℃以上で実施される。有機マグネシウム化合物と塩化珪素化合物との反応比率にも特に制限はないが、有機マグネシウム化合物1モルに対し、塩化珪素化合物0.01〜100モルの範囲が好ましく、0.1〜10モルの範囲が特に好ましい。
反応方法については、有機マグネシウム化合物と塩化珪素化合物とを同時に反応器に導入しつつ反応させる同時添加の方法、もしくは塩化珪素化合物を事前に反応器に仕込んだ後に有機マグネシウム化合物を反応器に導入させる方法、または有機マグネシウム化合物を事前に反応器に仕込んだ後に塩化珪素化合物を反応器に導入させる方法等があるが、塩化珪素化合物を事前に反応器に仕込んだ後に有機マグネシウム化合物を反応器に導入させる方法が好ましい。上記反応によって得られる担体[A−1]は、ろ過またはデカンテーション法により分離した後、不活性炭化水素溶媒を用いて充分に洗浄し、未反応物あるいは副生成物等を除去することが好ましい。
有機マグネシウム化合物と塩化珪素化合物との反応を、無機担体の存在下に行うこともできる。無機担体としては、無機酸化物、無機炭酸塩、無機珪酸塩、無機硫酸塩、無機水酸化物、無機ハロゲン化物、およびこれらの無機化合物からなる群のうち少なくとも2成分以上からなる複塩、固溶体または混合物等が挙げられる。無機担体の具体例としては、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、水和アルミナ、マグネシア、トリア、チタニア、シリカチタニア、ジルコニア、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、珪酸マグネシウム、マグネシウム・カルシウム・アルミニウムシリケート[(Mg・Ca)O・Al・5SiO・nH0]、珪酸カリウム・アルミニウム[KO・3Al・6SiO・2HO]、珪酸マグネシウム鉄[(Mg・Fe)SiO]、珪酸アルミニウム[Al・SiO]、炭酸カルシウム、塩化マグネシウム、よう化マグネシウム等が挙げられるが、シリカ、シリカアルミナ、または塩化マグネシウムが特に好ましい。無機担体の比表面積は、好ましくは20m/g以上、特に好ましくは90m/g以上である。
次に、上記反応によって得られる担体[A−1]と反応させる有機金属化合物について説明する。この有機金属化合物は、一般式(3)M t−s(式中、Mは周期律表第1族、第2族、第3族、および第13族からなる群に含まれる金属原子、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、QはOR、OSiR、NR1011、SR12、およびハロゲンから選ばれた官能基、R、R、R、R、R10、R11、およびR12は水素原子または炭化水素基、tはMの原子価、sはs>0を満たす数である。)で表される。Mは周期律表第1族、第2族、第3族、および第13族からなる群に含まれる金属原子であり、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ベリリウム、マグネシウム、ホウ素、アルミニウム等が挙げられるが、マグネシウム、ホウ素、アルミニウムが特に好ましい。Rで表される炭化水素基はアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロヘキシル基、フェニル基等が挙げられ、アルキル基が特に好ましい。QはOR、OSiR、NR1011、SR12、およびハロゲンから選ばれた官能基を表し、R、R、R、R、R10、R11、およびR12は水素原子または炭化水素基であり、Qはハロゲンであることが特に好ましい。
これらの例としては、メチルリチウム、ブチルリチウム、メチルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムアイオダイド、エチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムアイオダイド、ブチルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムアイオダイド、ジブチルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、トリエチルホウ素、トリメチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムブロミド、ジメチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムメトキシド、メチルアルミニウムジクロリド、メチルアルミニウムセスキクロリド、トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジエチルアルミニウムエトキシド、エチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウム等が挙げられ、有機アルミニウム化合物が特に好ましい。また、上記から選ばれた有機金属化合物を2種以上混合した形で用いることも可能である。
担体[A−1]と反応させる有機金属化合物の使用量は、担体[A−1]に含まれるマグネシウム原子1モルに対して、0.005〜200モルの範囲が好ましく、0.05〜100モルの範囲が特に好ましい。反応温度については特に制限はないが、室温から反応溶媒の沸点未満の範囲が好ましい。
次に、上記反応によって得られる修飾担体[A−2]に担持させるチタン化合物について説明する。チタン化合物は、一般式(4)Ti(OR134−u(式中、R13は炭化水素基、Xはハロゲン、uは0≦u≦4を満たす数である。)で表される。R13で表される炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、アリル基等の脂肪族炭化水素基、シクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、シクロペンチル基等の脂環式炭化水素基、フェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基等が挙げられるが、脂肪族炭化水素基が特に好ましい。Xで表されるハロゲンとしては、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられるが、塩素が特に好ましい。また、上記から選ばれたチタン化合物を2種以上混合した形で用いることも可能である。
チタン化合物の総使用量は、修飾担体[A−2]に含まれるマグネシウム原子1モルに対して、0.01〜20モルの範囲が好ましく、0.05〜10モルの範囲が特に好ましい。反応温度については、特に制限はないが、室温〜150℃の範囲で行うことが好ましい。チタン化合物の担持は、不活性炭化水素溶媒中で行うことが好ましい。
チタン化合物を担持する際に、有機金属化合物を存在させることも可能である。この有機金属化合物は、一般式(5)M14 w−v(式中、Mは周期律表第1族、第2族、第3族、および第13族からなる群に含まれる金属原子、R14は炭素数1〜20の炭化水素基、QはOR15、OSiR161718、NR1920、SR21、およびハロゲンから選ばれた官能基、R15、R16、R17、R18、R19、R20、およびR21は水素原子または炭化水素基、wはMの原子価、vはv>0を満たす数である。)で表される。
は周期律表第1族、第2族、第3族、および第13族からなる群に含まれる金属原子であり、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ベリリウム、マグネシウム、ホウ素、アルミニウム等が挙げられるが、マグネシウム、ホウ素、アルミニウムが特に好ましい。R14で表される炭化水素基はアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロヘキシル基、フェニル基等が挙げられ、アルキル基が特に好ましい。
はOR15、OSiR161718、NR1920、SR21、およびハロゲンから選ばれた官能基を表し、R15、R16、R17、R18、R19、R20、およびR21は水素原子または炭化水素基であり、Qはハロゲンであることが特に好ましい。これらの例としては、メチルリチウム、ブチルリチウム、メチルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムアイオダイド、エチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムアイオダイド、ブチルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムアイオダイド、ジブチルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、トリエチルホウ素、トリメチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムブロミド、ジメチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムメトキシド、メチルアルミニウムジクロリド、メチルアルミニウムセスキクロリド、トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジエチルアルミニウムエトキシド、エチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウム等が挙げられ、有機アルミニウム化合物が特に好ましい。また、上記から選ばれた有機金属化合物を2種以上混合した形で用いることも可能である。
チタン化合物を担持させる際に存在させる有機金属化合物の総使用量は、修飾担体[A−2]に含まれるマグネシウム原子1モルに対して、0.01〜20モルの範囲が好ましく、0.05〜10モルの範囲が特に好ましい。
なお、担体[A−1]と反応させる有機金属化合物と、チタン化合物を担持させる際に存在させる有機金属化合物は同一でもよいし異なっていてもよいが、異なっている方が好ましい。有機金属化合物とチタン化合物の添加方法としては、有機金属化合物に続いてチタン化合物を加える方法、チタン化合物に続いて有機金属化合物を加える方法、有機金属化合物とチタン化合物とを同時に添加する方法のいずれの方法も可能であるが、有機金属化合物に続いてチタン化合物を加える方法が好ましい。
チタン化合物の担持は、2回以上に分けて行うことも可能である。この場合、1回目の担持は、チタン化合物の総使用量に対するモル比で0.05〜0.5の範囲が好ましく、0.1〜0.4の範囲が特に好ましい。また、有機金属化合物を共存させる場合、有機金属化合物に対するチタン化合物のモル比は、0.1〜10の範囲が好ましく、0.5〜5の範囲が特に好ましい。
かくして得られた触媒は、不活性炭化水素溶媒を用いたスラリー溶液として使用される。本発明の固体触媒成分[A]は、有機金属化合物成分[B]と組み合わせることにより、さらに高活性な重合用触媒となる。有機金属化合物成分[B]としては、周期律表第1族、第2族、第3族、および第13族からなる群に含まれる化合物であり、特に有機アルミニウム化合物および/または有機マグネシウム化合物が好ましい。
有機アルミニウム化合物としては、一般式AlR223−y(式中、R22は炭素数1〜20の炭化水素基、Zは水素、ハロゲン、アルコキシ、アリロキシ、シロキシ基より選ばれた基であり、yは2〜3の数である。)で表される化合物を単独または混合物として用いることが好ましい。上記の式中R22で表される炭素数1〜20の炭化水素基は、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂環式炭化水素を包含するものである。
これらの化合物を具体的に示すと、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリス(3−メチルブチル)アルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド等のハロゲン化アルミニウム化合物、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムブトキシド等のアルコキシアルミニウム化合物、ジメチルヒドロシロキシアルミニウムジメチル、エチルメチルヒドロシロキシアルミニウムジエチル、エチルジメチルシロキシアルミニウムジエチル等のシロキシアルミニウム化合物、およびこれらの混合物が好ましく、トリアルキルアルミニウム化合物が特に好ましい。なかでも、トリエチルアルミニウムおよびトリイソブチルアルミニウムがさらに好ましい。
有機マグネシウム化合物としては、前述の一般式(1)
[化7]
αMgβ p q(OR・・・・・・・・(1)
(式中、Mは周期律表第1族、第2族、第3族、第12族、および第13族からなる群に含まれる金属原子、R、R、およびRは炭素数2〜20の炭化水素基、α、β、p、q、およびrは、α≧0、β>0、p≧0、q≧0、r>0、p+q>0、0.5<r/(α+β)≦2、kα+2β=p+q+r(kはMの原子価)を満たす数である。)で表されることが好ましい。この化合物は、不活性炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウムの錯化合物の形として示されているが、ジアルキルマグネシウム化合物およびこの化合物と他の金属化合物との錯体の全てを包含するものである。不活性炭化水素溶媒に可溶な化合物が望ましいため、β/αは0.5〜10の範囲にあることが好ましく、また、Mがアルミニウムである化合物が特に好ましい。
固体触媒成分[A]および有機金属化合物成分[B]は、重合条件下に重合系内に添加してもよいし、あらかじめ重合に先立って組み合わせてもよい。また組み合わせる両成分の比率は、固体触媒成分[A]1gに対し有機金属化合物[B]は1〜3000mmolの範囲で行うのが好ましい。
かくして得られた触媒は、オレフィンの重合、特にエチレンの重合、およびエチレンと炭素数3以上のオレフィンとの共重合に対して、チタン当たりの活性が高く、かつ触媒当たりの活性が非常に高い特徴を有する。本発明の触媒系で重合する炭素数3以上のオレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、ビニルシクロヘキサン等が挙げられ、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが特に好ましい。このうちのいくつかを組み合わせて、エチレンと共重合することもできる。
重合溶媒としては、スラリー重合に通常使用される不活性炭化水素溶媒が用いられる。重合温度は室温〜120℃の範囲が好ましく、50〜100℃の範囲が特に好ましい。重合圧力は常圧〜10MPaの範囲で実施される。得られる重合体の分子量は、重合系に存在させる水素の濃度を変化させるか、重合温度を変化させるか、または有機金属化合物[B]の濃度を変化させることによって調節することができる。
次に、実施例および参考例によって本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、分子量の指標となるメルトインデックス(MI)は、JIS K7210(コードD)に従って測定した。
[実施例1]
(1)担体の合成
充分に窒素置換された200mlガラス製丸底フラスコに2.0mol/lのトリクロロシランヘキサン溶液40mlを仕込み、50℃で攪拌しながら、組成式AlMg(C(OCで表される有機マグネシウム化合物のヘキサン溶液100ml(マグネシウム74mmol相当)を1時間かけて滴下し、さらに50℃で1時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、上澄み液70mlを除去し、ヘキサン70mlでの洗浄を2回行った。この担体を分析した結果、固体1g当たりに含まれるマグネシウムは5.8mmolであった。
(2)固体触媒成分の調製
上記担体を5.1g含有するヘキサンスラリー60mlを50℃で攪拌しながら、1.0mol/lのエチルアルミニウムジクロリドヘキサン溶液14.7mlを添加した。添加後、50℃で1時間反応を継続した。反応終了後、上澄み液40mlを除去し、ヘキサン40mlでの洗浄を4回行った。洗浄後、50℃で攪拌しながら、1.0mol/lのジエチルアルミニウムクロリドヘキサン溶液0.5mlを添加し、引き続き0.8mol/lの四塩化チタンヘキサン溶液1.3mlを添加した。添加後、50℃で1時間反応を継続した。反応終了後、50℃で攪拌しながら、1.0mol/lのジエチルアルミニウムクロリドヘキサン溶液1.6mlを添加し、引き続き0.8mol/lの四塩化チタンヘキサン溶液4.0mlを添加した。添加後、50℃で2時間反応を継続した。反応終了後、上澄み液45mlを除去し、ヘキサン45mlでの洗浄を4回行うことにより、固体触媒成分[a−1]を調製した。この固体触媒成分1g中に含まれるチタン量は0.80mmolであった。
(3)オレフィンの重合
トリエチルアルミニウム0.24mmolを脱水脱酸素したヘキサン0.8lとともに、内部を真空脱気し窒素置換した内容積1.5lのオートクレーブに入れた。次いで、オートクレーブの内部を85℃に保ち、水素をオートクレーブの内圧が0.7MPaになるまで添加し、エチレンを添加して全圧を0.98MPaとした。この後、固体触媒成分[a−1]5mgを添加することにより重合を開始した。エチレンを補給することにより全圧を0.98MPaに保ちつつ2時間重合を行った。エチレンの重合は、固体触媒成分を添加してから約10分間の誘導期間を経た後に開始した。ここでの誘導期間とは、固体触媒成分を添加してから実際に重合が開始するまでの期間を指す。この重合により得られた触媒あたりの活性R 、およびMIの値を表1に示す。なお、R は下記式(1)より算出した。
Figure 2005330393
Figure 2005330393
[実施例2]
上記固体触媒成分[a−1]を10mg、重合時間を1時間とした以外は、実施例1と同様の操作で重合を行った。エチレンの重合は、固体触媒成分を添加してから約10分間の誘導期間を経た後に開始した。この重合における誘導期間を考慮した触媒あたりの活性R およびMIの値を表2に示す。なお、R は下記式(2)より算出した。同一の触媒を用いて行った実施例1におけるR と実施例2におけるR とは同等であった。なお、適当な誘導期間を有する触媒は、工業的にポリオレフィンを製造する際の課題の一つである急重合を抑制することができるため、本触媒の誘導期間は工業的に優れた特徴といえる。
Figure 2005330393
[比較例1]
実施例1と同様の方法で合成した担体を5.1g含有するヘキサンスラリー60mlを50℃で攪拌しながら、1mol/lの1−ブタノールヘキサン溶液3mlを10分かけて添加した。添加後、50℃で1時間反応を継続した。反応終了後、1.0mol/lのエチルアルミニウムジクロリドヘキサン溶液14.7mlを添加した。添加後、50℃で1時間反応を継続した。反応終了後、上澄み液40mlを除去し、ヘキサン40mlでの洗浄を4回行った。洗浄後、50℃で攪拌しながら、1.0mol/lのジエチルアルミニウムクロリドヘキサン溶液0.5mlを添加し、引き続き0.8mol/lの四塩化チタンヘキサン溶液1.3mlを添加した。添加後、50℃で1時間反応を継続した。反応終了後、50℃で攪拌しながら、1.0mol/lのジエチルアルミニウムクロリドヘキサン溶液1.6mlを添加し、引き続き0.8mol/lの四塩化チタンヘキサン溶液4.0mlを添加した。添加後、50℃で2時間反応を継続した。反応終了後、上澄み液45mlを除去し、ヘキサン45mlでの洗浄を4回行うことにより、固体触媒成分[a−2]を調製した。この固体触媒成分1g中に含まれるチタン量は0.81mmolであった。この固体触媒成分[a−2]を使用した以外は、実施例2と同様の操作で重合を行った。エチレンの重合は、固体触媒成分を添加してから約10分間の誘導期間を経た後に開始した。この重合における誘導期間を考慮した触媒あたりの活性R およびMIの値を表2に示す。
[実施例3]
四塩化チタンヘキサン溶液の添加の直前に使用するジエチルアルミニウムクロリドのかわりにエチルアルミニウムジクロリドを使用した以外は、実施例1と同様の操作で固体触媒成分[a−3]を調製した。この固体触媒成分1g中に含まれるチタン量は0.60mmolであった。この固体触媒成分[a−3]を使用した以外は、実施例2と同様の操作で重合を行った。エチレンの重合は、固体触媒成分を添加してから約10分間の誘導期間を経た後に開始した。この重合における誘導期間を考慮した触媒あたりの活性R およびMIの値を表2に示す。
[実施例4]
有機マグネシウム化合物に組成式AlMg(C10(OCで表される有機マグネシウム化合物を使用した以外は、実施例1と同様の操作で固体触媒成分[a−4]を調製した。この固体触媒成分1g中に含まれるチタン量は0.82mmolであった。この固体触媒成分[a−4]を使用した以外は、実施例2と同様の操作で重合を行った。エチレンの重合は、固体触媒成分を添加してから約10分間の誘導期間を経た後に開始した。この重合における誘導期間を考慮した触媒あたりの活性R およびMIの値を表2に示す。
[比較例2]
有機マグネシウム化合物に組成式AlMg(C10(OCで表される有機マグネシウム化合物を使用した以外は、比較例1と同様の操作で固体触媒成分[a−5]を調製した。この固体触媒成分1g中に含まれるチタン量は0.63mmolであった。この固体触媒成分[a−5]を使用した以外は、実施例2と同様の操作で重合を行った。エチレンの重合は、固体触媒成分を添加してから約10分間の誘導期間を経た後に開始した。この重合における誘導期間を考慮した触媒あたりの活性R およびMIの値を表2に示す。
[実施例5]
有機マグネシウム化合物に組成式AlMg(C(OCHCH(CH)Cで表される有機マグネシウム化合物を使用し、四塩化チタンヘキサン溶液の添加の直前に使用するジエチルアルミニウムクロリドのかわりにエチルアルミニウムジクロリドを使用した以外は、実施例1と同様の操作で固体触媒成分[a−6]を調製した。この固体触媒成分1g中に含まれるチタン量は0.30mmolであった。この固体触媒成分[a−6]を使用した以外は、実施例2と同様の操作で重合を行った。エチレンの重合は、固体触媒成分を添加してから約10分間の誘導期間を経た後に開始した。この重合における誘導期間を考慮した触媒あたりの活性R およびMIの値を表2に示す。
[比較例3]
有機マグネシウム化合物に組成式AlMg(C(OCHCH(CH)Cで表される有機マグネシウム化合物を使用し、1−ブタノールのかわりに2−エチル−1−ヘキサノールを使用し、四塩化チタンヘキサン溶液の添加の直前に使用するジエチルアルミニウムクロリドのかわりにエチルアルミニウムジクロリドを使用した以外は、比較例1と同様の操作で固体触媒成分[a−7]を調製した。この固体触媒成分1g中に含まれるチタン量は0.32mmolであった。この固体触媒成分[a−7]を使用した以外は、実施例2と同様の操作で重合を行った。エチレンの重合は、固体触媒成分を添加してから約10分間の誘導期間を経た後に開始した。この重合における誘導期間を考慮した触媒あたりの活性R およびMIの値を表2に示す。
[比較例4]
有機マグネシウム化合物に組成式AlMg(C10.7(OC4.3で表される有機マグネシウム化合物を使用し、担体と反応させるエチルアルミニウムジクロリドのかわりにジエチルアルミニウムクロリドを使用した以外は、比較例1と同様の操作で固体触媒成分[a−8]を調製した。この固体触媒成分1g中に含まれるチタン量は0.72mmolであった。この固体触媒成分[a−8]を使用した以外は、実施例2と同様の操作で重合を行った。エチレンの重合は、固体触媒成分を添加してから約10分間の誘導期間を経た後に開始した。この重合における誘導期間を考慮した触媒あたりの活性R およびMIの値を表2に示す。
表2の結果から、アルコール類による担体処理を経ずにチタン化合物を担持化することにより、未反応残渣または副生物の混入による触媒性能の低下や触媒製造に要する負荷等を抑制することができたことは明らかである。
Figure 2005330393
本発明は、オレフィンの重合触媒として有用であり、特にエチレンの重合、およびエチレンと炭素数3以上のオレフィンとの共重合に適している。
本発明における触媒の構成を示すフローシート図である。

Claims (5)

  1. 固体触媒成分[A]および有機金属化合物成分[B]からなるオレフィン重合触媒であり、固体触媒成分[A]が下記に示した固体触媒成分であることを特徴とするオレフィン重合触媒。
    (固体触媒成分[A])
    (イ)
    [化1]
    αMgβ p q(OR・・・・・(1)
    (一般式(1)中、Mは周期律表第1族、第2族、第3族、第12族および第13族からなる群に含まれる金属原子、R、R、およびRは炭素数2〜20の炭化水素基、α、β、p、q、およびrは、α≧0、β>0、p≧0、q≧0、r>0、p+q>0、0.5<r/(α+β)≦2、kα+2β=p+q+r(kはMの原子価)を満たす数である。)
    で示される炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物と、
    (ロ)
    [化2]
    SiCl 4−(a+b)・・・・(2)
    (一般式(2)中、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、aとbは、a>0、b>0、a+b≦4を満たす数である。)
    で示されるSi−H結合を有する塩化珪素化合物とを反応させて得られた担体[A−1]に対して、
    (ハ)
    [化3]
    t−s・・・・・・・・・(3)
    (一般式(3)中、Mは周期律表第1族、第2族、第3族、および第13族からなる群に含まれる金属原子、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、QはOR、OSiR、NR1011、SR12、およびハロゲンから選ばれた官能基、R、R、R、R、R10、R11、およびR12は水素原子または炭化水素基、tはMの原子価、sはs>0を満たす数である。)
    で示される有機金属化合物を反応させて得られた修飾固体[A−2]に、
    (ニ)
    [化3]
    Ti(OR134−u・・・・・・(4)
    (一般式(4)中、R13は炭化水素基、Xはハロゲン、uは0≦u≦4を満たす数である。)
    で示されるチタン化合物を、
    (ホ)
    [化5]
    14 w−v・・・・・・・・・(5)
    (一般式(5)中、Mは周期律表第1族、第2族、第3族、および第13族からなる群に含まれる金属原子、R14は炭素数1〜20の炭化水素基、QはOR15、OSiR161718、NR1920、SR21、およびハロゲンから選ばれた官能基、R15、R16、R17、R18、R19、R20、およびR21は水素原子または炭化水素基、wはMの原子価、vはv>0を満たす数である。)
    で示される有機金属化合物の存在下で担持させて得られた固体触媒成分。
  2. 一般式(1)で示される有機マグネシウム化合物(イ)が、α>0、0.5≦β/α≦10、0.7≦r/(α+β)≦1.3である、請求項1に記載のオレフィン重合触媒。
  3. 固体触媒成分[A]において、一般式(4)で示されるチタン化合物(ニ)を、一般式(5)で示される有機金属化合物(ホ)の存在下で担持させることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のオレフィン重合触媒。
  4. 固体触媒成分[A]において、担体[A−1]と反応させる有機金属化合物(ハ)と、チタン化合物(ニ)を担持させる際に存在させる有機金属化合物(ホ)が異なる有機金属化合物であることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載のオレフィン重合触媒。
  5. エチレンの単独重合あるいはエチレンと炭素数が3以上のα−オレフィンとを共重合する際に、請求項1から請求項4のいずれかに記載のオレフィン重合触媒を用いることを特徴とする、ポリオレフィンの製造方法。
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