JP2005330159A - 食塩から化学パルプの無塩素漂白用薬品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製紙用化学パルプの無塩素漂白剤である過酸化水素及び二酸化塩素を大幅なコストダウンを可能にするためにパルプ工場内で製造する方法を提供する。
【解決手段】化学パルプ製造工場内で二酸化塩素を含む無塩素漂白用薬品を製造する方法として、食塩を出発原料として、これを電解して塩素酸ナトリウムと水素を得た後、該水素から過酸化水素を製造し、該塩素酸ナトリウムと該過酸化水素を反応させて、二酸化塩素を得ることを特徴とする、化学パルプの無塩素漂白用薬品を製造する方法。

Description

本発明は、製紙用化学パルプの無塩素漂白剤である過酸化水素及び二酸化塩素を製造する方法に関する。さらに詳しくは、化学パルプ製造工場内で食塩を原料として過酸化水素及び二酸化塩素を製造し、該漂白剤を使用して化学パルプの無塩素漂白を行う方法に関する。
現状、製紙用化学パルプの漂白方法においては、多段にわたる漂白処理により実施されている。従来、この多段漂白方法では、漂白剤として塩素系薬品が使用されている。具体的には、塩素処理(C段)、アルカリ抽出処理(E段)、次亜塩素酸塩処理(H段)、二酸化塩素処理(D段)の組み合わせにより、例えば、C−E−H−D、C/D−E−H−E−Dなどの漂白シーケンスによって化学パルプの漂白が行われている。ここで、C/Dとは塩素と二酸化塩素の併用処理である。また、漂白コストの低減、高白色度化のために過酸化水素(P)および酸素(O)が使用されている。例えば、C−Eo−H−D、C−Eop−H−D、C/D−Eo−H−E−D、C/D−Ep−H−E−D、C/D−Eop−H−E−D、C/D−Ep−H−P−D、C/D−Eop−H−P−Dなどの漂白シーケンスによって化学パルプの漂白が行われている。ここで、Eoはアルカリ・酸素併用処理、Eopはアルカリ・酸素・過酸化水素併用処理のことである。
しかし、漂白に用いられる塩素系漂白薬品は、漂白時に有機塩素化合物を副生し、この有機塩素化合物を含有する漂白排水が環境汚染を招くことから問題になっている。有機塩素化合物については、一般に、AOX法、例えば、米国環境庁法(EPA METHOD−9020号)によって分析、評価される。
有機塩素化合物の副生を低減・防止するには、塩素系薬品の使用を低減するか、ないしは使用しないことが最も効果的である。原子状塩素を使用せず塩素系薬品を低減する漂白方法はECF(エレメンタリー・クロリン・フリー)漂白方法と称せられ、このECF漂白方法に使用される漂白剤としては、主に二酸化塩素、酸素、過酸化水素が使用される。塩素系漂白剤を全く使用しない漂白方法は、TCF(トータル・クロリン・フリー)漂白方法と称せられ、このTCF漂白方法に使用される漂白剤としては、主にオゾン、酸素、過酸化水素、過酢酸などの塩素を全く含まない漂白剤が使用される。現在のところ、世界的にはECF漂白方法が主流であり、TCF漂白方法は一部である。
従来より、塩素漂白方法からECF漂白方法へ転換する方法に関し、各種ECF漂白シーケンスがある。例えば、従来C−Eo−H−Dという漂白シーケンスにより漂白を行っていた場合、C段の塩素の代わりに二酸化塩素を使用してH段を無くすか、またはH段の次亜塩素酸塩の代わりに二酸化塩素を使用し、最終段を二酸化塩素として、例えば、D−Eo−D、D−Eo−D−D、D−Eo−DnDのような漂白シーケンス、また過酸化水素は漂白コストの削減および高白色度化にために使用されるが、例えばEo段に過酸化水素を添加した場合は、D−Eop−D、D−Eop−D−D、D−Eop−DnDのような漂白シーケンス、従来のH段の次亜塩素酸塩の代わりに過酸化水素を添加した場合は、D−Eo−P−D、D−Eop−P−Dのような漂白シーケンスとすることができる。ここで、DnDの"n"は、D段とD段の間を洗浄せず中和のみを行う漂白方法である。
このようにECF漂白、TCF漂白に使用されるメインの薬剤は過酸化水素、二酸化塩素である。これらの薬剤の供給方法として、過酸化水素は一般に過酸化水素メーカーで製造され、次いでタンクローリーでパルプ工場へ運ばれ、ストックタンクに貯蔵され、これが漂白に使用される。二酸化塩素はそれ自体の不安定さ・危険性のためにパルプ工場内で製造される。例えば、塩素酸ナトリウムを原料として、還元剤としてメタノール、塩酸、過酸化水素により二酸化塩素が製造され、これが漂白に使用される。
従来、製紙業界は国民総生産(GDP)の増大と共に拡大してきた。しかし、これからの我が国のGDPは少子化、高齢化、アジアの台頭等の問題により従来のような成長は期待できないとしている。そこで、その解決策の一つとして製紙業界では再編が行われている。今後、この再編効果をより発揮し、アジアの製紙メーカーと競合するためには工場の統廃合による大型化へと進むものと思われる。また、業界では安価なユーティリティーを確保する手段として、RPF・RDFなどのゴミ資源を利用して蒸気、電気を製造している。これらの安価なユーティリティーを利用して、製紙薬品の内製化を進めている。従って、ECF漂白で使用される過酸化水素も内製化によるコストダウンが課題となっている。また、二酸化塩素についても、さらに安価な製造方法が課題となっている。これらの課題の解決方法としてまだ有効な方法は提案されていない。
一方、海外、特にアジアでは急激な経済発展にともない紙の需要が急激に拡大している。例えば、中国はすでに我が国の紙・板紙の生産量3000万t/Yを超えて、日本を抜き世界第2位の消費国となっている。2010年には米国を抜き世界第1位の消費国となるといわれている。製紙工場の立地の条件としては、1)港がある海岸立地、2)周りに木材資源がある山林立地の二つがある。1)は原料の木材チップは海外からの輸入でまかない、2)は工場周辺の山林からのチップでまかなう。アジアで製紙工場を建設した場合、原料はこのようにまかなうことができるが、製紙用薬品は工場まで運搬する必要がある。しかしながら、アジアでは道路等のインフラの整備が不十分であり、必ずしも製紙用薬品のデリバリーが十分機能しない場合が考えられる。一方、化学パルプ工場は、木材を蒸解して約45%がパルプとなり、55%は燃料として回収できる。従って、一般的には化学パルプ工場においては蒸気は自前の燃料で発生させることができる。このとき、電気も同時に発生させることができる。従って、アジアの工場ではユーティリティーは安価に手にはいるが、漂白薬品を安定的に供給を受ける事が難しいという問題がある。そこで、製紙薬品の内、ECF漂白に使用される過酸化水素、二酸化塩素を内製化する事が課題となっている。また、内製化する事により安価な漂白薬品を使用できることとなる。
本発明の目的は、1)国内の製紙工場の大型化による国際競争力強化のためにECF漂白薬品である過酸化水素、および二酸化塩素の原料である塩素酸ナトリウムの内製化によるコストダウン、2)海外、特にアジアの製紙産業の拡大により、インフラ未整備によるECF漂白薬品である過酸化水素、および二酸化塩素の原料である塩素酸ソーダの安定供給問題、コストダウンを解決することである。
本発明者らは、製紙用化学パルプの無塩素漂白剤である過酸化水素、二酸化塩素のパルプ工場内での内製化について種々検討した結果、食塩だけを原料として過酸化水素、二酸化塩素を製造できることが分かった。しかも、化学パルプの漂白に必要な二酸化塩素、過酸化水素の必要量に対して大変バランスよく製造できることが分かった。
即ち、本発明は、化学パルプ製造工場内で二酸化塩素を含む無塩素漂白用薬品を製造する方法として、食塩を出発原料として、これを電解して塩素酸ナトリウムと水素を得た後、該水素から過酸化水素を製造し、該塩素酸ナトリウムと該過酸化水素を反応させて、二酸化塩素を得ることを特徴とする、化学パルプの無塩素漂白用薬品を製造する方法に関するものである。
過酸化水素を得る方法として、水素と酸素を直接反応させるか、アントラキノン化合物を媒体として、水素と酸素から過酸化水素を得る方法である。
二酸化塩素を得る方法として、電解槽から取り出した二酸化塩素水溶液をそのまま過酸化水素と反応させて二酸化塩素を得るか、二酸化塩素溶液を精製・乾燥により一旦固形化し、次いで水溶液とした後過酸化水素と反応させて二酸化塩素を得る方法である。
二酸化塩素を得る方法として、塩素酸ナトリウムと塩酸から二酸化塩素を得る方法、または塩素酸ナトリウムと食塩から二酸化塩素を得る方法、または塩素酸ナトリウムとメタノールから二酸化塩素を得る方法である。
これらの方法で製造した過酸化水素、二酸化塩素を使用して、化学パルプを漂白する方法である。
国内の製紙工場は国際競争力向上のために、業界の再編、工場の再編、製造工程の合理化等を行っている。また、製造工程の合理化の一環として使用薬品の内製化によるコストダウンを行っている。本発明法によれば、食塩を原料として化学パルプの無塩素漂白に必要な過酸化水素と二酸化塩素をパルプ工場内で製造できることから大幅なコストダウンが可能である。
一方、アジア等の工場では今後紙パルプの需要がますます増大することが予想されている。しかしながら、インフラの未整備のためにこれらの薬品を安定的に供給できないとの問題点がある。本発明法によれば、食塩を原料として化学パルプの無塩素漂白に必要な過酸化水素と二酸化塩素をパルプ工場内で製造できることから大幅なコストダウンが可能である。
無塩素漂白法に用いられる二酸化塩素、過酸化水素をパルプ工場内で製造する方法について記す。原料として、食塩が使用される。食塩としては海水からの食塩、内陸部でとれる岩塩などが使用される。この食塩はまず水溶液として溶解される。これを電解槽に投入して電気分解により酸化させて水素と塩素酸ソーダを得る。この反応式は次のようになる。
3NaCl + 3H2O → 3H2 + 3NaClO 式1
NaCl + 2HClO → NaClO3 + 2HCl 式2
次にこの水素を利用して過酸化水素を製造する。即ち、ここで得られた水素は酸素と直接反応させて過酸化水素を得る直接法か、アンソラキノンを還元し、さらに酸素で酸化して過酸化水素を得る、いわゆるアンソラキノン法で過酸化水素が製造される。
次にこの過酸化水素を利用して二酸化塩素を製造する。即ち、食塩の電解で得られた塩素酸ソーダと還元剤としての過酸化水素を反応させて二酸化塩素が製造される。この反応は次式のようになる。
NaClO3+1/2H2O2+1/2H2SO4 → ClO2+1/2O2+1/2Na2SO4+H2O 式3
また、還元剤として、食塩、塩酸、メタノールを利用して二酸化塩素を製造することもできる。この反応は次式のようになる。
NaClO3 + NaCl + H2SO4 → ClO2 + 1/2Cl2 + Na2SO4 + H2O 式4
NaClO3 + HCl + 1/2H2SO4 → ClO2 + 1/2Cl2 + 1/2Na2SO4 + H2O 式5
NaClO3+1/4CH3OH+2/3H2SO4 → ClO2+1/4HCOOH+1/3Na3H(SO4)2+3/4H2O 式6
以上の方法で製造した過酸化水素、二酸化塩素を使用して、次のように無塩素漂白を実施する。
無塩素漂白に用いられる製紙用化学パルプとしては、クラフト法、ポリサルファイド法、ソーダ法、中性あるいはアルカリ性サルファイト法、およびこれらに蒸解触媒としてアンソラキノン誘導体を加えた蒸解方法で製造したパルプを挙げる事ができる。
木材チップは上記の各種蒸解法でパルプ化される。これらのパルプにはアルカリにより変質したリグニンと着色物質、炭水化物の変質物、残存薬品が残留している。次いで、洗浄処理によりこれらの残留物は洗われる。次いで、これらの残留リグニンはさらに酸素漂白(以下O処理)により、30〜70%が除去される。次いで、洗浄され未晒パルプとなる。
次に漂白工程について説明する。無塩素漂白シーケンスとして、D0−Eop−D、D0
Eop−W−D1、D0−Eop−P−D1、D0−Eo−P−D1、D0−Eop−D1−Pについて説明する。
段における漂白処理条件は、例えば、二酸化塩素使用量としては、パルプ1tあたり3kg〜20kgが使用される。このための二酸化塩素は本発明法で製造された二酸化塩素が使用される。パルプ濃度3〜20質量%、好ましくは5〜15質量%であり、温度30〜110℃、好ましくは40〜90℃、最も好ましくは50〜70℃であり、処理時間は15〜120分、好ましくは30〜90分であり、漂白反応後の終期pHは1〜7、好ましくは2〜6、最も好ましくは3〜5である。D段の漂白処理後のパルプは、洗浄・脱水処理し、次いで酸素を併用したアルカリ処理(Eo段)、または酸素、過酸化水素を併用したアルカリ処理(Eop段)による処理を行う。なお、洗浄・脱水による処理に当たっては、ディフューザーまたは丸網の脱水・洗浄機などを使用する。
Ep段、Eop段ではまずアルカリが添加混合される。アルカリ剤として、例えば、苛性ソーダ、苛性カリ、石灰、ソーダ灰などが使用できる。中でも苛性ソーダは安価であることから好適に使用される。また、アルカリ剤の使用量は、NaOH換算で絶乾パルプ当たり0.1〜5質量%、好ましくは0.5〜3質量%である。添加場所としては、ディフューザータイプの洗浄機の場合は、ディフューザーの出口、中濃度ポンプの入口、中濃度ミキサーの入口等に添加される。丸網の脱水、洗浄機の場合は、パルプシート上、トランスポートスクリュー部、中濃度ポンプの入口、中濃度ミキサーの入口等に添加される。いずれの方法でも、アルカリは過酸化水素より前にパルプに添加、混合できる場所であればいずれの場所でも良い。尚、パルプ中に重金属含有量が多い場合は、マグネシウム塩がアルカリの添加前に添加・混合される。マグネシウム塩としては、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウムが使用できる。中でも硫酸マグネシウムは安価であることから好適に使用される。硫酸マグネシウムの使用量は、絶乾パルプ当たり0.01%〜1質量%、好ましくは0.05%〜0.5質量%である。
Eop段の酸素としては、酸素ガスおよび空気が使用できるが、酸素が好ましい。また、酸素の使用量は、絶乾パルプ当たり0.1〜1.0質量%が好適であり、操作圧力は0.0Pa・s〜9.3×10Pa・sであることが好ましい。酸素の添加場所としては、アルカリの後であり、過酸化水素の前後どちらでもよい。
Ep段またはEop段における過酸化水素は本発明法で製造されたものが使用される。過酸化水素の使用量は、100%過酸化水素換算で絶乾パルプ当たり0.05〜2質量%、好ましくは0.1〜1質量%である。
次に、P段は基本的にはEp段と同様な条件で実施される。P段のアルカリ添加順序についても、最初にアルカリが添加・混合され、次いで、過酸化水素が添加・混合される。
次に、本発明におけるD段の条件については、通常の条件で行われ、例えば、パルプ濃度5〜30質量%、温度40〜90℃、時間1〜4時間、二酸化塩素使用量0.05〜1質量%であり、漂白終期におけるpHは、3.5〜7、好ましくは4.5〜6.5である。このD段の二酸化塩素も本発明法で製造した二酸化塩素が使用される。
本発明は化学パルプ製造工場内で過酸化水素と二酸化塩素を製造する方法として、食塩を出発原料としてこれを電解し塩素酸ナトリウムと水素を得た後、この水素から過酸化水素を製造し、塩素酸ナトリウムはこの過酸化水素と反応させて、二酸化塩素を得る事を特徴とする、食塩から化学パルプの無塩素漂白用薬品を製造する方法、ならびにこの過酸化水素と二酸化塩素を使用して無塩素漂白を行う方法である。本発明の第1の効果は、国内紙パルプ産業では国際競争力向上のために合併、工場再編、製造工程の合理化、使用薬品の見直し、廃棄物(RPF、RDF)利用による蒸気、電気等のユーティリティーコストのダウン等が行われている。これらの状況に対して、本発明によれば、薬品は電解槽から得られた水素、塩素酸ナトリウムをそのまま原料として使用し、かつ工場内の安い電気、蒸気を使用して過酸化水素、二酸化塩素を製造できることから、これらの薬品の輸送コストがかからないことより漂白薬品コストを大幅にコストダウンできる。その結果、国内紙パルプ産業の競争力向上に寄与できる。
第2の効果は、今後アジア等では紙の需要が急増することが予想されている。これらの地域ではインフラの整備が十分でない、国土が広大なため輸送が難しい等の問題を抱えている。これらの問題に対して、本発明法によれば化学パルプ工場内でもっとも入手が容易な食塩を原料として過酸化水素、二酸化塩素が製造できることからデリバリー問題を解決することができる。また、工場内で薬品を内製化できるので薬品コストの大幅なコストダウンが可能となる。
以上のように、本発明法によれば、化学パルプ工場内で食塩を原料として無塩素漂白薬品に必要な過酸化水素、二酸化塩素を容易に製造でき、国内製紙産業の国際競争力の向上、海外製紙工場でのこれらの薬品のデリバリー問題を解決できる。
実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。各薬品の使用量は絶乾パルプあたりの重量%で示し、過酸化水素の使用量は100%換算である。使用したパルプは広葉樹をクラフト蒸解後酸素漂白して得られたパルプ(以下KPとする)である。
実施例1
D(1.2%)−Eop(0.3%)−D(0.3%)の無塩素漂白シーケンスで白色度88%のBKPを3000t/D生産している。この工場の場合漂白剤として、二酸化塩素45t/D、過酸化水素9t/Dが必要である。
そこで、食塩121.5t/Dから電解により塩素酸ナトリウム73.8t/Dと水素4.154t/Dを得た。但し、塩素酸ナトリウムは電解槽からそのまま水溶液の状態で取り出したものを使用した。この水素の内、1.47tを利用してアンソラキノン法により過酸化水素25t/Dを得た。次いで、この過酸化水素の内、12.57t/Dを利用して塩素酸ナトリウム73.8t/Dと反応させて二酸化塩素45t/Dを得た。
実施例2
過酸化水素製造法として、二酸化珪素に0.5重量%のパラジウム、15重量%のスズを担持した触媒を使用して、水素0.814t/Dと酸素14.11t/Dを10℃、圧力50kg/cmの条件で直接反応させた以外実施例1と同様に行い過酸化水素9t/Dを得た。
実施例3
二酸化塩素製造法として、35重量%塩酸77.44t/D使用した以外実施例1と同様に
行い二酸化塩素45t/Dを得た。
実施例4
二酸化塩素製造法として、メタノール6.75t/D使用した以外実施例1と同様に行い二酸化塩素45t/Dを得た。
実施例5
二酸化塩素製造法として、食塩44.37t/D使用した以外実施例1と同様に行い二酸化塩素45t/Dを得た。
比較例1
実施例1の工場では、塩素酸ナトリウム73.8t/D、過酸化水素35.95t/D(60%品)が必要とされる。これを20tローリーで運ぶとすると、塩素酸ナトリウムの場合4台/D、過酸化水素の場合は2台強/Dが必要であった。
実施例1のように、食塩を出発原料として化学パルプの無塩素漂白に必要な二酸化塩素と過酸化水素の製造は可能であった。また、漂白に必要な過酸化水素も塩素酸ナトリウム製造で副生する水素を使用して、十分な量の製造が可能であった。

Claims (9)

  1. 化学パルプ製造工場内で二酸化塩素を含む無塩素漂白用薬品を製造する方法として、食塩を出発原料として、これを電解して塩素酸ナトリウムと水素を得た後、該水素から過酸化水素を製造し、該塩素酸ナトリウムと該過酸化水素を反応させて、二酸化塩素を得ることを特徴とする、化学パルプの無塩素漂白用薬品を製造する方法。
  2. 過酸化水素を得る方法が、水素と酸素を直接反応させて過酸化水素を得る方法である請求項1記載の方法。
  3. 過酸化水素を得る方法が、アンスラキノン化合物を媒体として過酸化水素を得る方法である請求項1記載の方法。
  4. 二酸化塩素を得る方法として、請求項1で電解槽からとりだした塩素酸ナトリウム水溶液をそのまま過酸化水素と反応させて二酸化塩素を得ることを特徴とする請求項1記載の方法。
  5. 二酸化塩素を得る方法として、請求項1で電解槽からとりだした塩素酸ナトリウム水溶液を精製・乾燥し固形とし、次いで水溶液とした後還元剤と反応させて二酸化塩素を得ることを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. 二酸化塩素を得る方法として、塩素酸ナトリウムと塩酸から二酸化塩素を得ることを特徴とする請求項1記載の方法。
  7. 二酸化塩素を得る方法として、塩素酸ナトリウムと食塩から二酸化塩素を得ることを特徴とする請求項1記載の方法。
  8. 二酸化塩素を得る方法として、塩素酸ナトリウムとメタノールから二酸化塩素を得ることを特徴とする請求項1記載の方法。
  9. 請求項1で製造した無塩素漂白用薬品と過酸化水素を使用して化学パルプを漂白することを特徴とする無塩素漂白パルプの製造方法。
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