JP2005329926A - 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法 - Google Patents

動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 変速機を介して電動機により駆動軸に制動力を出力している最中に変速段を変速する際の変速ショックを抑制すると共に変速段の変速に必要なクラッチやブレーキなどに発熱が生じるのを抑制する。
【解決手段】 制動力をモータMG2から出力している最中に変速機60の変速要求がなされたときは、モータMG2からの制動トルクを駆動輪39a,39bのブレーキ89a,89bによって置き換えて、モータMG2からトルクを出力していない状態とした後に、変速機60を変速し、変速後にブレーキ89a,89bに置き換えた制動トルクをモータMG2からの制動トルクに置き換える。これにより、変速の際に生じ得るショックを抑制することができると共に変速に必要なクラッチやブレーキの発熱を抑制することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法に関する。
従来、この種の動力出力装置としては、エンジンの出力軸を遊星歯車機構を介して車軸に連結された駆動軸に接続すると共に遊星歯車機構の回転要素に発電機を接続し、駆動軸に変速機を介して電動機を接続した自動車に搭載されたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、変速機の変速段を車速に応じて変更することにより電動機からの動力を車速に応じた動力にして駆動軸に出力している。
特開2002−225578号公報(図1)
しかしながら、上述の動力出力装置では、変速機の変速段を車速に応じた変速段とすることは記載されているが、駆動力が負の状態のとき、即ち制動時については考慮されていない。制動時には、電動機を回生制御することにより制動力を出力することができるが、この状態で変速機を変速すると、変速ショックが生じ、運転者に違和感を与えてしまう。また、変速に必要なクラッチやブレーキなどに発熱も生じる場合がある。
本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法は、変速機を介して電動機により駆動軸に制動力を出力している最中に変速段を変速する際の変速ショックを抑制することを目的の一つとする。また、本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法は、変速段の変速に必要なクラッチやブレーキなどに発熱が生じるのを抑制することを目的の一つとする。
本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
動力を入出力可能な電動機と、
該電動機の回転軸と前記駆動軸との動力の伝達を切り替え可能な少なくとも2段の変速段をもって行なう変速伝達手段と、
前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段と、
前記駆動軸に制動力を出力可能な制動力出力手段と、
前記駆動軸に制動力の出力が要求されて前記電動機から制動力を該駆動軸に出力している最中に前記変速伝達手段における変速段の切替指示がなされたとき、前記電動機による前記駆動軸への制動力の出力が前記制動力出力手段による前記駆動軸への制動力の出力に置き換わるよう前記電動機と前記制動力出力手段とを制御し、該制動力の出力を置き換えた後に前記変速伝達手段における変速段が切り替わるよう該変速伝達手段を制御し、該変速段を切り替えた後に前記制動力出力手段による前記駆動軸への制動力の出力が前記電動機による前記駆動軸への制動力の出力に置き換わるよう前記電動機と前記制動力出力手段とを制御する制動時変速切替制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の動力出力装置では、駆動軸に制動力の出力が要求されて電動機から制動力を駆動軸に出力している最中に電動機の回転軸と駆動軸との動力の伝達を切り替え可能な少なくとも2段の変速段をもって行なう変速伝達手段における変速段の切替指示がなされたときには、電動機による駆動軸への制動力の出力を駆動軸に制動力を出力可能な制動力出力手段による駆動軸への制動力の出力に置き換え、制動力の出力を置き換えた後に変速伝達手段における変速段を切り替え、変速段を切り替えた後に制動力出力手段による駆動軸への制動力の出力を電動機による駆動軸への制動力の出力に置き換える。従って、電動機から制動力が出力されていない状態で変速段の切り替えを行なうことができる。この結果、変速段の切り替えの際に生じ得る変速ショックを抑制することができると共に変速段の変速に必要なクラッチやブレーキなどに発熱が生じるのを抑制することができる。
こうした本発明の動力出力装置において、前記制動時変速切替制御手段は、前記制動力の出力の置き換えを前記駆動軸に出力されている制動力に変化が生じないよう行なう手段であるものとすることもできる。こうすれば、制動力の出力の置き換えの際のショックを抑制することができる。
また、本発明の動力出力装置において、前記制動時変速切替制御手段は、前記電動機から出力する制動力と前記制動力出力手段から出力する制動力を所定の制動力ずつ変化させることにより前記制動力の出力の置き換えを行なう手段であるものとすることもできる。こうすれば、ショックを抑制しながら制動力の出力の置き換えを行なうことができる。
さらに、本発明の動力出力装置において、前記制動時変速切替制御手段は、前記変速伝達手段における変速段が切り替わるよう該変速伝達手段を制御する際には、該変速段の切り替えの際の前記電動機の回転数の変化に基づいて前記駆動軸への制動力が変更されるよう前記制動力出力手段を制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、変速伝達手段の変速段の切り替えの際の変速ショックをより抑制することができる。この態様の本発明の動力出力装置において、前記制動時変速切替制御手段は、前記変速段の切り替えの際に生じる前記電動機の回転子の慣性トルクによる前記駆動軸への影響が打ち消される方向に前記駆動軸への制動力が変更されるよう前記制動力出力手段を制御する手段であるものとすることもできる。
また、本発明の動力出力装置において、前記制動力出力手段は、前記駆動軸に直接または間接に制動力を出力可能なブレーキであるものとすることもできる。
本発明の動力出力装置において、前記制動時変速切替制御手段は、前記電動機による前記駆動軸への制動力の出力を前記制動力出力手段による前記駆動軸への制動力の出力に置き換える置き換え前後における前記駆動軸の制動状態に基づいて前記制動力出力手段により前記駆動軸に出力される制動力を補正する手段であるものとすることもできる。こうすれば、制動力の出力の置き換え前後における駆動軸の制動状態をより適正なものとすることができる。この結果、制動力出力手段の状態やその経年変化により出力される制動力にバラツキが生じるものとなっても、そのバラツキを抑制することができる。この結果、よりスムーズに変速伝達手段における変速を行なうことができる。この場合、前記制動時変速切替制御手段は、前記置き換え前後における前記駆動軸の回転加速度の偏差が打ち消される方向に補正値を設定すると共に該設定した補正値により前記制動力出力手段により前記駆動軸へ出力される制動力を補正する手段であるものとすることもできる。
本発明の動力出力装置において、内燃機関と、該内燃機関の出力軸と駆動軸とに接続され電力の入出力を伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力する電力動力入出力手段と、を備えるものとすることもできる。この場合、前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と第3の軸との3軸に接続され該3軸のうちいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記第3の軸に動力を入出力する発電機とを備える手段であるものとすることもできるし、前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸に取り付けられた第1の回転子と前記駆動軸に取り付けられた第2の回転子とを備え、該第1の回転子と該第2の回転子との電磁作用による電力の入出力を伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力する対回転子電動機であるものとすることもできる。
本発明の自動車は、上述のいずれかの態様の本発明の動力出力装置、即ち、基本的には、駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、動力を入出力可能な電動機と、該電動機の回転軸と前記駆動軸との動力の伝達を切り替え可能な少なくとも2段の変速段をもって行なう変速伝達手段と、前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段と、前記駆動軸に制動力を出力可能な制動力出力手段と、前記駆動軸に制動力の出力が要求されて前記電動機から制動力を該駆動軸に出力している最中に前記変速伝達手段における変速段の切替指示がなされたとき、前記電動機による前記駆動軸への制動力の出力が前記制動力出力手段による前記駆動軸への制動力の出力に置き換わるよう前記電動機と前記制動力出力手段とを制御し、該制動力の出力を置き換えた後に前記変速伝達手段における変速段が切り替わるよう該変速伝達手段を制御し、該変速段を切り替えた後に前記制動力出力手段による前記駆動軸への制動力の出力が前記電動機による前記駆動軸への制動力の出力に置き換わるよう前記電動機と前記制動力出力手段とを制御する制動時変速切替制御手段と、を備える動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に接続されてなることを要旨とする。
この本発明の自動車では、上述のいずれかの態様の本発明の動力出力装置を搭載するから、本発明の動力出力装置が奏する効果、例えば、電動機から制動力が出力されていない状態で変速段の切り替えを行なうことができる効果やこれによる変速段の切り替えの際に生じ得る変速ショックを抑制することができる効果、変速段の変速に必要なクラッチやブレーキなどに発熱が生じるのを抑制することができる効果などと同様な効果を奏することができる。
本発明の動力出力装置の制御方法は、
動力を入出力可能な電動機と、該電動機の回転軸と駆動軸との動力の伝達を切り替え可能な少なくとも2段の変速段をもって行なう変速伝達手段と、前記電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段と、前記駆動軸に制動力を出力可能な制動力出力手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
前記駆動軸に制動力の出力が要求されて前記電動機から制動力を該駆動軸に出力している最中に前記変速伝達手段における変速段の切替指示がなされたときには、
(a)前記電動機による前記駆動軸への制動力の出力が前記制動力出力手段による前記駆動軸への制動力の出力に置き換わるよう前記電動機と前記制動力出力手段とを制御し、
(b)該制動力の出力を置き換えた後に前記変速伝達手段における変速段が切り替わるよう該変速伝達手段を制御し、
(c)該変速段を切り替えた後に前記制動力出力手段による前記駆動軸への制動力の出力が前記電動機による前記駆動軸への制動力の出力に置き換わるよう前記電動機と前記制動力出力手段とを制御する
ことを要旨とする。
この動力出力装置の制御方法によれば、駆動軸に制動力の出力が要求されて電動機から制動力を駆動軸に出力している最中に電動機の回転軸と駆動軸との動力の伝達を切り替え可能な少なくとも2段の変速段をもって行なう変速伝達手段における変速段の切替指示がなされたときには、電動機による駆動軸への制動力の出力を駆動軸に制動力を出力可能な制動力出力手段による駆動軸への制動力の出力に置き換え、制動力の出力を置き換えた後に変速伝達手段における変速段を切り替え、変速段を切り替えた後に制動力出力手段による駆動軸への制動力の出力を電動機による駆動軸への制動力の出力に置き換えるから、電動機から制動力が出力されていない状態で変速段の切り替えを行なうことができる。この結果、変速段の切り替えの際に生じ得る変速ショックを抑制することができると共に変速段の変速に必要なクラッチやブレーキなどに発熱が生じるのを抑制することができる。
こうした本発明の動力出力装置の制御方法において、前記ステップ(b)は、前記変速伝達手段における変速段を切り替える際には、該変速段の切り替えの際の前記電動機の回転数の変化に基づいて前記駆動軸への制動力が変更されるよう前記制動力出力手段を制御するステップであるものとすることもできる。こうすれば、変速伝達手段の変速段の切り替えの際の変速ショックをより抑制することができる。
また、本発明の動力出力装置の制御方法において、前記ステップ(a)の前後における前記駆動軸の制動状態の変化を打ち消す方向に前記制動力出力手段による前記駆動軸への制動力を補正するステップを備えるものとすることもできる。こうすれば、制動力の置き換えの前後における制動状態の変化を抑制することができ、よりスムーズに変速伝達手段の変速を行なうことができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての動力出力装置を搭載するハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、変速機60を介して動力分配統合機構30に接続されたモータMG2と、車両の駆動系全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32には変速機60を介してモータMG2がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32に出力する。リングギヤ32は、ギヤ機構37およびデファレンシャルギヤ38を介して車両前輪の駆動輪39a,39bに機械的に接続されている。したがって、リングギヤ32に出力された動力は、ギヤ機構37およびデファレンシャルギヤ38を介して駆動輪39a,39bに出力されることになる。なお、駆動系として見たときの動力分配統合機構30に接続される3軸は、キャリア34に接続されたエンジン22の出力軸であるクランクシャフト26,サンギヤ31に接続されモータMG1の回転軸となるサンギヤ軸31aおよびリングギヤ32に接続されると共に駆動輪39a,39bに機械的に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aとなる。
モータMG1およびモータMG2は、共に発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2の一方で発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2から生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1とモータMG2とにより電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、共にモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、回転位置検出センサ43,44から入力した信号に基づいて図示しない回転数算出ルーチンによりモータMG1,MG2の回転子の回転数Nm1,Nm2を計算している。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
変速機60は、モータMG2の回転軸48とリングギヤ軸32aとの接続および接続の解除を行なうと共に両軸の接続をモータMG2の回転軸48の回転数を2段に減速してリングギヤ軸32aに伝達するよう構成されている。変速機60の構成の一例を図2に示す。この図2に示す変速機60は、ダブルピニオンの遊星歯車機構60aとシングルピニオンの遊星歯車機構60bと二つのブレーキB1,B2とにより構成されている。ダブルピニオンの遊星歯車機構60aは、外歯歯車のサンギヤ61と、このサンギヤ61と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ62と、サンギヤ61に噛合する複数の第1ピニオンギヤ63aと、この第1ピニオンギヤ63aに噛合すると共にリングギヤ62に噛合する複数の第2ピニオンギヤ63bと、複数の第1ピニオンギヤ63aおよび複数の第2ピニオンギヤ63bを連結して自転かつ公転自在に保持するキャリア64とを備えており、サンギヤ61はブレーキB1のオンオフによりその回転を自由にまたは停止できるようになっている。シングルピニオンの遊星歯車機構60bは、外歯歯車のサンギヤ65と、このサンギヤ65と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ66と、サンギヤ65に噛合すると共にリングギヤ66に噛合する複数のピニオンギヤ67と、複数のピニオンギヤ67を自転かつ公転自在に保持するキャリア68とを備えており、サンギヤ65はモータMG2の回転軸48に、キャリア68はリングギヤ軸32aにそれぞれ連結されていると共にリングギヤ66はブレーキB2のオンオフによりその回転が自由にまたは停止できるようになっている。ダブルピニオンの遊星歯車機構60aとシングルピニオンの遊星歯車機構60bとは、リングギヤ62とリングギヤ66、キャリア64とキャリア68とによりそれぞれ連結されている。変速機60は、ブレーキB1,B2を共にオフとすることによりモータMG2の回転軸48をリングギヤ軸32aから切り離すことができ、ブレーキB1をオフとすると共にブレーキB2をオンとしてモータMG2の回転軸48の回転を比較的大きな減速比で減速してリングギヤ軸32aに伝達し(以下、この状態をLoギヤの状態という)、ブレーキB1をオンとすると共にブレーキB2をオフ状態としてモータMG2の回転軸48の回転を比較的小さな減速比で減速してリングギヤ軸32aに伝達する(以下、この状態をHiギヤの状態という)。なお、ブレーキB1,B2を共にオンとする状態は回転軸48やリングギヤ軸32aの回転を禁止するものとなる。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度などが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量に対応したアクセル開度Accを検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。また、ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、変速機60のブレーキB1,B2の図示しないアクチュエータへの駆動信号や駆動輪39a,39bに制動力を出力するブレーキ89a,89bの図示しないアクチュエータへの駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。なお、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。また、実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるブレーキペダル85の踏み込み量に対応するブレーキポジションBPと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求制動トルクを計算し、この要求制動トルクに対応する制動力がリングギヤに出力されるようモータMG2とブレーキ89a,89bとを制御すると共にエンジン22についてはアイドリング運転状態か運転停止状態となるよう制御し、モータMG1についてはトルクを出力しないよう制御する。
次に、実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に運転者がブレーキペダル85を踏み込んで制動力を作用させているときに変速機60を変速する際の制御について説明する。図3は、実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される制動時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、16msec毎)に繰り返し実行される。
制動時制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、ブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキポジションBPや車速センサ88からの車速V,モータMG2の回転数Nm2,バッテリ50の入力制限Winなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG2の回転数Nm2は、回転位置検出センサ44により検出されるモータMG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、バッテリ50の入力制限Winは、温度センサにより検出されたバッテリ50の電池温度とバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。ここで、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度に基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の残容量(SOC)に基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じて入出力制限Win,Woutを設定することができる。図4に電池温度Tbと入出力制限Win,Woutとの関係の一例を示し、図5にバッテリ50の残容量(SOC)と入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す。
こうしてデータを入力すると、入力したブレーキポジションBPと車速Vとに基づいて車両に要求される制動トルクとして駆動輪39a,39bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求制動トルクTr*を設定する(ステップS110)。要求制動トルクTr*は、実施例では、ブレーキポジションBPと車速Vと要求制動トルクTr*との関係を予め定めて要求制動トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、ブレーキポジションBPと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求制動トルクTr*を導出して設定するものとした。図6に要求制動トルク設定用マップの一例を示す。なお、図示するように、要求制動トルクTr*は、ブレーキペダル85が踏み込まれていなくてもアクセルペダル83の踏み込みが解除されたときなどのようにアクセル開度Accによっても発生するから、要求制動トルクTr*の設定については、ブレーキポジションBPと車速Vに加えてアクセル開度Accを用いて行なうものとしてもよいのは勿論である。
次に、変速機60の変速要求がなされているか否かを判定する(ステップS120)。変速機60の変速要求としては制動時ではHiギヤの状態からLoギヤの状態への要求としてなされ、変速要求のタイミングは要求制動トルクTr*と車速Vに基づいて行なわれる。変速機60の変速要求がなされていないときには、現在の変速機60の状態からその減速比Grを設定し(ステップS130)、車速Vに基づいて要求制動トルクTr*のモータMG2の持分を定めるモータ分配率kを設定する(ステップS140)。モータ分配率kは、モータMG2の定格値などにより定めることができる。実施例ではモータMG2としてリングギヤ軸32aに十分な制動力を出力可能なモータを用いている。従って、車速Vが値0近傍以外についてはモータMG2の持分が多くなるようモータ分配率kに値1を設定するものとした。車速Vとモータ分配率kの関係の一例を図7に示す。
続いて、バッテリ50の入力制限WinをモータMG2の回転数Nm2で除してモータMG2のトルク制限Tminを計算すると共に(ステップS150)、モータ分配率kを要求制動トルクTr*に乗じたものを変速機60の減速比Grで除して仮モータトルクTm2tmpを計算し(ステップS160)、計算したトルク制限Tminと仮モータトルクTm2tmpとのうち大きい方をモータMG2のトルク指令Tm2*として設定する(ステップS170)。このようにトルク指令Tm2*を設定することにより、バッテリ50の入力制限Winの範囲内でモータMG2から制動トルクを出力することができる。
モータMG2のトルク指令Tm2*を設定すると、要求制動トルクTr*からモータMG2の持分(Tm2*・Gr)を減じたものに換算係数Gbを乗じてブレーキ89a,89bから出力すべきブレーキトルクTb*を計算する(ステップS180)。ここで、換算係数Gbは、リングギヤ軸32aに出力すべき制動トルクを駆動輪39a,39bに出力する際のトルクに換算するものとして定められる。なお、モータ分配率kが値1のときにはブレーキトルクTb*は値0であり、モータ分配率kが値0のときにはブレーキトルクTb*は要求制動トルクTr*に換算係数Gbを乗じたものとなる。
そして、設定したモータMG2のトルク指令Tm2*をモータECU40に送信すると共に(ステップS190)、ブレーキ89a,89bからブレーキトルクTb*が出力されるようブレーキ89a,89bの図示しないアクチュエータを駆動制御して(ステップS195)、本ルーチンを終了する。トルク指令Tm2*を受信したモータECU40は、モータMG2からトルク指令Tm2*に相当するトルクが出力されるようインバータ42のスイッチング素子をスイッチング制御する。なお、前述したように、運転者にブレーキペダル85が踏み込まれた制動時では、エンジン22はアイドリング運転されるか運転停止されるよう制御され、モータMG1はトルクが出力されないように制御される。
ステップS120で変速要求がなされていると判定されたときには、変速機60をHiギヤの状態からLoの状態に変更する変速制御を実行する(ステップS200)。図8は、実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される変速制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。この変速制御ルーチンは、図3の制動時制御ルーチンが実行されてステップS120で肯定的な判定がなされる毎に繰り返し実行される。即ち、変速要求がなされると、所定時間毎(例えば、8msec毎)に実行されるのである。以下、この変速制御について説明する。
変速制御ルーチンを実行すると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、フラグF1,F2,F3の状態を調べる(ステップS210)。フラグF1,F2,F3は、変速制御の実行段階を順に示すものであり、変速要求がなされたときに初期値として値0が設定される。なお、変速制御の実行段階を示すフラグとしては変速制御の完了を示すフラグF4もあり、これについても変速要求がなされたときに初期値として値0が設定される。このフラグF4に値1が設定されることは、図3の制動時制御においては変速要求の終了を意味し、ステップS120では肯定的な判定から否定的な判定、即ち「変速要求はなされていない」との判定に変更するものとなる。
フラグF1,F2,F3のいずれもが値0のときには、そのときに設定されているモータMG2のトルク指令Tm2*を格納値TsetとしてRAM76の所定アドレスに格納し(ステップS220)、トルク指令Tm2*を所定トルクΔT1だけ増加し(ステップS230)、フラグF1に値1を設定して(ステップS240)、変速制御ルーチンを終了する。ここで、所定トルクΔT1は、変速機60がHiギヤの状態のときに図3の制動時制御ルーチンの起動間隔(この場合、8msec)でモータMG2やブレーキ89a,89bのトルク変更を無理なく行なうことができるトルクとして設定されるものであり、モータMG2の性能やブレーキ89a,89bの性能,変速機60などにより定めることができる。
フラグF1が値1とされ、フラグF2,F3については共に値0のままのときには、トルク指令Tm2*を所定トルクΔT1だけ増加すると共に(ステップS250)、所定トルクΔT1だけ増加したトルク指令Tm2*の上限を値0に制限し(ステップS260)、制限されたトルク指令Tm2*が値0となったときにフラグF2に値1を設定して(ステップS270,S280),変速制御ルーチンを終了する。ここで、図3のステップS180では、トルク指令Tm2*に基づいてブレーキトルクTb*を設定するから、トルク指令Tm2*を所定トルクΔT1ずつ増加することにより、所定トルクΔT1に換算係数Gbを乗じたトルクずつブレーキトルクTb*が小さくなる。即ち、この動作は、モータMG2の制動トルクを順次ブレーキ89a,89bからの制動トルクに置き換えるものとなる。モータ分配率kが値1のときにおけるこの場合のモータMG1のトルク指令Tm2*とブレーキトルクTb*とをリングギヤ軸32aに作用するトルクに換算した際の時間変化の一例を図9に示す。
フラグF1,F2が共に値1とされ、フラグF3については値0のままのときには、モータMG2のトルク指令Tm2*には値0が設定され、要求制動トルクTr*がブレーキ89a,89bにより駆動輪39a,39bに出力されているときには、変速機60のギヤの状態をHiギヤの状態からLoギヤの状態、即ち、ブレーキB1がオンでブレーキB2がオフの状態からブレーキB1がオフでブレーキB2がオンの状態に切り替え(ステップS290)、フラグF3に値1を設定して(ステップS300)、変速制御ルーチンを終了する。ここで、ギヤの状態の切り替えは、モータMG2を切り離すブレーキB1とブレーキB2とが共にオフの状態を介して行なわれる。これにより、変速をスムーズに行なうことができる。このとき、モータMG2のトルク指令Tm2*には値0が設定されているから、変速機60の変速によるトルクショックは生じない。また、ブレーキB1およびブレーキB2にフリクショントルクを要求しないから、ブレーキB1およびブレーキB2の発熱を抑制することができる。
フラグF1,F2,F3のいずれもが値1とされると、トルク指令Tm2*を所定トルクΔT2だけ減少すると共に(ステップS310)、所定トルクΔT2だけ減少したトルク指令Tm2*の下限を格納トルクTsetに換算係数qを乗じた値に制限し(ステップS320)、制限されたトルク指令Tm2*が格納トルクTsetに換算係数qを乗じた値となったときにフラグF4に値1を設定して(ステップS330,S340),変速制御ルーチンを終了する。ここで、前述したように図3のステップS180では、トルク指令Tm2*に基づいてブレーキトルクTb*を設定するから、トルク指令Tm2*を所定トルクΔT2ずつ減少することにより、所定トルクΔT2に換算係数Gbを乗じたトルクずつブレーキトルクTb*が大きくなる。即ち、この動作は、ブレーキ89a,89bからの制動トルクを変速後の格納トルクTsetに相当するトルクに至るまで順次モータMG2の制動トルクに置き換えるものとなる。モータ分配率kが値1のときにおけるこの場合のモータMG1のトルク指令Tm2*とブレーキトルクTb*とをリングギヤ軸32aに作用するトルクに換算した際の時間変化の一例を図10に示す。なお、所定トルクΔT2は、変速機60がLoギヤの状態のときに図3の制動時制御ルーチンの起動間隔(この場合、8msec)でモータMG2やブレーキ89a,89bのトルク変更を無理なく行なうことができるトルクとして設定されるものであり、モータMG2の性能やブレーキ89a,89bの性能,変速機60などにより定めることができる。また、前述したように、フラグF4に値1が設定されるから、次回図3の制動時制御ルーチンが実行されたときにはステップS120で変速要求はなされていないと判定されるようになる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、モータMG2から制動トルクを出力して制動している最中に変速機60を変速する際には、モータMG2から出力している制動トルクをブレーキ89a,89bから出力するよう置き換えて変速機60を変速し、変速を終了した後にブレーキ89a,89bからの制動トルクをモータMG2から出力するよう置き換えるから、変速機60の変速の際に生じ得るトルクショックを抑制することができる。また、このときブレーキB1およびブレーキB2にはフリクショントルクが要求されないから、ブレーキB1およびブレーキB2の発熱を抑制することができる。もとより、変速機60の変速時には、ブレーキ89a,89bから制動トルクを出力するから、運転者が要求する制動力を維持しながら変速機60を変速することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、変速機60の変速時には駆動輪39a,39bに制動力を出力するブレーキ89a,89bによってモータMG2の制動トルクを置き換えるものとしたが、従動輪に制動力を出力するブレーキによってモータMG2の制動力を置き換えるものとしてもよいし、駆動輪39a,39bと従動輪とに制動力を出力するブレーキによってモータMG2の制動トルクを置き換えるものとしてもよい。また、モータMG2からの制動トルクを置き換えればよいから、リングギヤ軸32aに直接制動トルクを出力するブレーキを取り付け、このブレーキによってモータMG2の制動トルクを置き換えるものとしても差し支えない。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2から出力している制動トルクをブレーキ89a,89bから出力するよう置き換えて変速機60のギヤの状態をHiギヤの状態からLoギヤの状態に切り替える際には、単に、ブレーキB1がオンでブレーキB2がオフの状態からブレーキB1がオフでブレーキB2がオンの状態に切り替えるものとして説明したが、この変速機60のギヤの状態を切り替える際にブレーキ89a,89bから出力されるブレーキトルクTbをモータMG2の回転子のイナーシャを考慮して変更するものとしてもよい。この場合について以下に更に説明する。
図11はモータMG2の回転子のイナーシャを考慮する際に図3の制動時制御ルーチンに代えてハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される制動時制御ルーチンの一例を示すフローチャートであり、図12はモータMG2の回転子のイナーシャを考慮する際に図8の変速制御ルーチンに代えてハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される変速制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。図11の制動時制御ルーチンは、ステップS120で変速機60の変速要求がなされていないときに補正トルクTaに値0を設定するステップS175の処理が追加されている点と、ステップS180の処理に代えてブレーキトルクTb*の設定に補正トルクTaを考慮したステップS185の処理が用いられている点とを除いて図3の制動時制御ルーチンと同一である。また、図12の変速制御ルーチンは、変速機60の変速が完了するまで補正トルクTaを設定するステップS292,S294が追加されている点を除いて図8の変速制御ルーチンと同様である。以下、モータMG2の回転子のイナーシャを考慮する点を中心に説明する。
図11の制動時制御ルーチンのステップS120で変速機60の変速要求がなされていると判定されて図12の変速制御ルーチンが実行されてモータMG2から出力している制動トルクをブレーキ89a,89bから出力するよう置き換えられフラグF1,F2に値1がセットされると(ステップS220〜S280)、変速機60のギヤの状態をHiギヤの状態からLoギヤの状態、即ち、ブレーキB1がオンでブレーキB2がオフの状態からブレーキB1がオフでブレーキB2がオンの状態への切り替えが開始される(ステップS290)。このとき、変速が完了するまでは、モータMG2の回転子の完成モーメントIにモータMG2の回転数Nm2の時間微分と係数kとを乗じた値を補正トルクTaとして設定する(ステップS292,S294)。ここで、モータMG2の回転数Nm2の時間微分は回転角速度の時間微分と同意であるから、モータMG2の回転子の完成モーメントIにモータMG2の回転数Nm2の時間微分を乗じたものは、モータMG2のイナーシャトルクに相当する。このイナーシャトルクは、動力分配統合機構30を介して駆動軸としてのリングギヤ軸32aに作用する。いま、係数kを、このイナーシャトルクをブレーキ89a,89bのトルクにより打ち消すための換算係数として設定したものであるとすれば、計算したイナーシャトルクに係数kを乗じることにより、モータMG2のイナーシャトルクの影響を打ち消すためにブレーキ89a,89bから作用させるべきトルクを計算することができる。変形例では、このトルクとして補正トルクTaを計算するのである。こうして計算した補正トルクTaは、図11の制動時制御ルーチンのステップS185でブレーキ89a,89bから作用させるべきブレーキトルクTb*の計算の際に用いられる。即ち、要求制動トルクTr*からモータMG2の持分(Tm2*・Gr)を減じたものに換算係数Gbを乗じ、さらにこれに計算した補正トルクTaを加えたものとしてブレーキトルクTb*を計算するのである。前述したように、変速機60の変速時には、モータMG2のトルク指令Tm2*は値0であるから、要求制動トルクTr*に換算係数Gbを乗じて補正トルクTaを加えたものがブレーキトルクTb*となる。そして、このブレーキトルクTbがブレーキ89a,89bから出力されるようブレーキ89a,89bの図示しないアクチュエータを駆動制御する(ステップS195)。
変速機60の変速が完了すると、フラグF3に値1を設定して(ステップS300)、ブレーキ89a,89bから出力するよう置き換えられたトルクをモータMG2に置き換えて(ステップS310〜S340)、変速制御を完了する。
図13に変速機60を変速する際のモータMG2の回転数Nm2と補正トルクTaとモータMG2のトルクTm2とブレーキトルクTbと駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるトルクの時間変化の一例を示す。時間t1にモータMG2から出力している制動トルクをブレーキ89a,89bから出力するよう置き換えが開始され、時間t2に置き換えが完了する。この置き換えが完了した時間t2に変速機60の変速が開始され、ブレーキB1やブレーキB2のフリクション系合によりモータMG2の回転数Nm2が変化する。このモータMG2の回転数Nm2の変化に伴って補正トルクTaが計算され、ブレーキ89a,89bから出力すべきブレーキトルクTbに反映される。このため、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力される制動トルクは一定のトルクを維持する。そして、変速機60の変速が完了した時間t3にブレーキ89a,89bから出力しているトルクをモータMG2から出力するトルクに置き換え始め、時間t4にこの置き換えを完了して変速機60の変速制御を終了する。
以上説明した変形例では、変速機60を変速する際に生じ得るモータMG2のイナーシャトルクによる駆動軸としてのリングギヤ軸32aへの影響、即ち、変速機60の変速時におけるトルクショックをより抑制することができる。この結果、乗り心地を向上させることができる。
こうした変形例では、補正トルクTaを計算するのに、モータMG2の回転子の慣性モーメントIにモータMG2の回転数Nm2の時間微分と係数kを乗じるものとしたが、モータMG2の回転数Nm2に代えてモータMG2の回転子の回転角速度を用いるものとしてもよいのは勿論である。
実施例のハイブリッド自動車20やその変形例では、モータMG2から出力している制動トルクをブレーキ89a,89bから出力するよう置き換えて変速機60のギヤの状態をHiギヤの状態からLoギヤの状態に切り替えるものとしたが、ブレーキ89a,89bの状態や経年変化などに基づく制動力の変化を補正するものとしてもよい。この場合について以下に更に説明する。
図14は、ブレーキ89a,89bの状態や経年変化などに基づく制動力の変化を補正する際に図11の制動時制御ルーチンに代えてハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される制動時制御ルーチンの一例を示すフローチャートであり、図15はブレーキ89a,89bの状態や経年変化などに基づく制動力の変化を補正する際に図12の変速制御ルーチンに代えてハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される変速制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。図14の制動時制御ルーチンは、ブレーキトルクTb*の設定に補正トルクTaを考慮したステップS185の処理に代えてこうした補正トルクTaを考慮したものに対して更に補正係数kbを考慮するステップS188が用いられている点を除いて図11の制動時制御ルーチンと同一である。また、図15の変速制御ルーチンは、ステップS220の後にリングギヤ軸32aの回転加速度α1を計算するステップS225が追加されている点とステップS280の後にリングギヤ軸32aの回転加速度α2を計算するステップS282と補正係数kbを更新するステップS284とが追加されている点を除いて図12の変速制御ルーチンと同様である。以下、ブレーキ89a,89bの状態や経年変化などに基づく補正を考慮する点を中心に説明する。
変速制御ルーチンでは、図15に示すように、変速要求がなされており、フラグF1,F2,F3のいずれもが値0のときには、まず、そのときに設定されているモータMG2のトルク指令Tm2*を格納値TsetとしてRAM76の所定アドレスに格納し(ステップS220)、モータMG2の回転数Nm2に基づいてモータMG1のトルク指令Tm2*をブレーキ89a,89bに置き換える前のリングギヤ軸32aの回転加速度α1を計算する(ステップS225)。回転加速度α1は、例えば制動時制御ルーチンが前回実行されたときに入力された回転数Nm2と今回実行されたときに入力された回転数Nm2との差を制動時制御ルーチンの起動時間で除してギヤ比Grを乗じることにより計算することができる。そして、トルク指令Tm2*を所定トルクΔT1だけ増加し(ステップS230)、フラグF1に値1を設定して(ステップS240)、変速制御ルーチンを終了する。
フラグF1が値1とされ、フラグF2,F3については共に値0のままのときには、トルク指令Tm2*を所定トルクΔT1だけ増加すると共に(ステップS250)、所定トルクΔT1だけ増加したトルク指令Tm2*の上限を値0に制限する(ステップS260)。そして、制限されたトルク指令Tm2*が値0となったときにフラグF2に値1を設定し(ステップS270,S280)、モータMG2の回転数Nm2に基づいてモータMG1のトルク指令Tm2*をブレーキ89a,89bに置き換えた直後のリングギヤ軸32aの回転加速度α2を計算し(ステップS282)、モータMG1のトルク指令Tm2*をブレーキ89a,89bに置き換えた前後のリングギヤ軸32aの回転加速度α1,α2に基づいて回転加速度α1と回転加速度α2との差が打ち消される方向に作用する補正係数kbを計算すると共に計算した補正係数kbで現在値を更新して(ステップS284)、変速制御ルーチンを終了する。ここで、補正係数kbは、図14に例示する制動時制御ルーチンのステップS188におけるブレーキトルクTb*の設定の際に全体に乗じる補正係数として用いられる。したがって、回転加速度α2が回転加速度α1より大きくブレーキ89a,89bによる制動力が想定されている制動力より小さいときには補正係数kbは現在値より大きな値として設定されて更新され、逆に回転加速度α2が回転加速度α1より小さくブレーキ89a,89bによる制動力が想定されている制動力より大きいときには補正係数kbは現在値より小さな値として設定されて更新される。
以上説明した変形例によれば、ブレーキ89a,89bの状態や経年変化などによりその制動力に変化が生じても、モータMG1のトルク指令Tm2*をブレーキ89a,89bに置き換えた前後のリングギヤ軸32aの回転加速度α1,α2に基づいて回転加速度α1,α2の差を打ち消す方向に設定された補正係数kbを用いてブレーキトルクTb*を設定するから、モータMG1のトルク指令Tm2*をブレーキ89a,89bに置き換えた前後に作用する制動力に変化が生じるのを抑制することができる。この結果、変速機60の変速をトルクショックを抑制してスムーズに行なうことができる。
こうした変形例では、モータMG1のトルク指令Tm2*をブレーキ89a,89bに置き換えた前後のリングギヤ軸32aの回転加速度α1,α2に基づいて補正係数kbを設定するものとしたが、ハイブリッド自動車20に加速度センサを設け、モータMG1のトルク指令Tm2*をブレーキ89a,89bに置き換えた前後で検出される車両加速度に基づいて補正係数kbを設定するものとしてもよい。
また、変形例では、ブレーキトルクTb*の設定の際に全体に乗じる補正係数として補正係数kbを設定するものとしたが、ブレーキトルクTb*を設定する際に加減する補正係数として補正係数kbを設定するものとしてもよい。
さらに、変形例では、変速機60のギヤの状態を切り替える際にブレーキ89a,89bから出力されるブレーキトルクTbをモータMG2の回転子のイナーシャを考慮して変更すると共にブレーキ89a,89bの状態や経年変化などに基づく制動力の変化を補正するものとして説明したが、ブレーキ89a,89bの状態や経年変化などに基づく制動力の変化を補正するものであれば、ブレーキ89a,89bから出力されるブレーキトルクTbをモータMG2の回転子のイナーシャを考慮しないものとしても構わない。
実施例のハイブリッド自動車20やその変形例では、Hi,Loの2段の変速段をもって変速可能な変速機60を用いるものとしたが、変速機60の変速段は2段に限られるものではなく、3段以上の変速段としてもよい。また、変速機60として有段変速機を用いたが、無段変速機を用いるものとしても差し支えない。
実施例のハイブリッド自動車20やその変形例では、モータMG2の動力を変速機60により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図16の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力を変速機60により変速してリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪39a,39bが接続された車軸)とは異なる車軸(図16における車輪39c,39dに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。この場合、制動時に変速機60を変速するときには、モータMG2から出力している制動トルクを駆動輪39a,39bに制動力を出力するブレーキ89a,89bによって置き換えるものとしてもよいし、モータMG2が接続された駆動輪39c,39dに制動力を出力するブレーキ89c,89dによって置き換えるものとしてもよいし、駆動輪39a,39b,39c,39dに制動力を出力するブレーキ89a,89b,89c,89dによって置き換えるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪39a,39bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図17の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪39a,39bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。この場合も制動時に変速機60を変速するときには、モータMG2から出力している制動トルクを駆動輪39a,39bに制動力を出力するブレーキ89a,89bによって置き換えるものとしてもよいし、従動輪39e,39fに制動力を出力するブレーキ89e,89fによって置き換えるものとしてもよいし、駆動輪39a,39bおよび従動輪39e,39fに制動力を出力するブレーキ89a,89bおよびブレーキ89e,89fによって置き換えるものとしてもよい。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、自動車産業に利用可能である。
本発明の一実施例としての動力出力装置を搭載するハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 変速機60の構成の一例を示す説明図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される制動時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 電池温度Tbと入出力制限Win,Woutとの関係の一例を示す説明図である。 バッテリ50の残容量(SOC)と入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す説明図である。 要求制動トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 車速Vとモータ分配率kの関係の一例を示す説明図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される変速制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 モータMG2の制動トルクを順次ブレーキ89a,89bからの制動トルクに置き換える際の両トルクをリングギヤ軸32aに作用するトルクに換算した際の時間変化の一例を示す説明図である。 ブレーキ89a,89bからの制動トルクを順次モータMG2の制動トルクに置き換える際の両トルクをリングギヤ軸32aに作用するトルクに換算した際の時間変化の一例を示す説明図である。 変形例の制動時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 変形例の変速制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 変速機60を変速する際のモータMG2の回転数Nm2と補正トルクTaとモータMG2のトルクTm2とブレーキトルクTbと駆動軸に出力されるトルクの時間変化の一例を示す説明図である。 変形例の制動時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 変形例の変速制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31,61,65 サンギヤ、31a サンギヤ軸、32,62,66 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33,63a,63b,67 ピニオンギヤ、34,64,68 キャリア、37 ギヤ機構、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b駆動輪,39c,39d 車輪、39e,39f 従動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、48 回転軸、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 変速機、60a,60b 遊星歯車機構、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、89a,89b,89c,89d,89e,89f ブレーキ、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ 234 アウターロータ、MG1,MG2 モータ、B1,B2 ブレーキ。

Claims (15)

  1. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    動力を入出力可能な電動機と、
    該電動機の回転軸と前記駆動軸との動力の伝達を切り替え可能な少なくとも2段の変速段をもって行なう変速伝達手段と、
    前記電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段と、
    前記駆動軸に制動力を出力可能な制動力出力手段と、
    前記駆動軸に制動力の出力が要求されて前記電動機から制動力を該駆動軸に出力している最中に前記変速伝達手段における変速段の切替指示がなされたとき、前記電動機による前記駆動軸への制動力の出力が前記制動力出力手段による前記駆動軸への制動力の出力に置き換わるよう前記電動機と前記制動力出力手段とを制御し、該制動力の出力を置き換えた後に前記変速伝達手段における変速段が切り替わるよう該変速伝達手段を制御し、該変速段を切り替えた後に前記制動力出力手段による前記駆動軸への制動力の出力が前記電動機による前記駆動軸への制動力の出力に置き換わるよう前記電動機と前記制動力出力手段とを制御する制動時変速切替制御手段と、
    を備える動力出力装置。
  2. 前記制動時変速切替制御手段は、前記制動力の出力の置き換えを前記駆動軸に出力されている制動力に変化が生じないよう行なう手段である請求項1記載の動力出力装置。
  3. 前記制動時変速切替制御手段は、前記電動機から出力する制動力と前記制動力出力手段から出力する制動力を所定の制動力ずつ変化させることにより前記制動力の出力の置き換えを行なう手段である請求項1または2記載の動力出力装置。
  4. 前記制動時変速切替制御手段は、前記変速伝達手段における変速段が切り替わるよう該変速伝達手段を制御する際には、該変速段の切り替えの際の前記電動機の回転数の変化に基づいて前記駆動軸への制動力が変更されるよう前記制動力出力手段を制御する手段である請求項1ないし3いずれか記載の動力出力装置。
  5. 前記制動時変速切替制御手段は、前記変速段の切り替えの際に生じる前記電動機の回転子の慣性トルクによる前記駆動軸への影響が打ち消される方向に前記駆動軸への制動力が変更されるよう前記制動力出力手段を制御する手段である請求項4記載の動力出力装置。
  6. 前記制動力出力手段は、前記駆動軸に直接または間接に制動力を出力可能なブレーキである請求項1ないし5いずれか記載の動力出力装置。
  7. 前記制動時変速切替制御手段は、前記電動機による前記駆動軸への制動力の出力を前記制動力出力手段による前記駆動軸への制動力の出力に置き換える置き換え前後における前記駆動軸の制動状態に基づいて前記制動力出力手段により前記駆動軸に出力される制動力を補正する手段である請求項1ないし6いずれか記載の動力出力装置。
  8. 前記制動時変速切替制御手段は、前記置き換え前後における前記駆動軸の回転加速度の偏差が打ち消される方向に補正値を設定すると共に該設定した補正値により前記制動力出力手段により前記駆動軸へ出力される制動力を補正する手段である請求項7記載の動力出力装置。
  9. 請求項1ないし8いずれか記載の動力出力装置であって、
    内燃機関と、
    該内燃機関の出力軸と駆動軸とに接続され電力の入出力を伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力する電力動力入出力手段と、
    を備える動力出力装置。
  10. 前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と第3の軸との3軸に接続され該3軸のうちいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記第3の軸に動力を入出力する発電機とを備える手段である請求項9記載の動力出力装置。
  11. 前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸に取り付けられた第1の回転子と前記駆動軸に取り付けられた第2の回転子とを備え、該第1の回転子と該第2の回転子との電磁作用による電力の入出力を伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力する対回転子電動機である請求項10記載の動力出力装置。
  12. 請求項1ないし11いずれか記載の動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に接続されてなる自動車。
  13. 動力を入出力可能な電動機と、該電動機の回転軸と駆動軸との動力の伝達を切り替え可能な少なくとも2段の変速段をもって行なう変速伝達手段と、前記電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段と、前記駆動軸に制動力を出力可能な制動力出力手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
    前記駆動軸に制動力の出力が要求されて前記電動機から制動力を該駆動軸に出力している最中に前記変速伝達手段における変速段の切替指示がなされたときには、
    (a)前記電動機による前記駆動軸への制動力の出力が前記制動力出力手段による前記駆動軸への制動力の出力に置き換わるよう前記電動機と前記制動力出力手段とを制御し、
    (b)該制動力の出力を置き換えた後に前記変速伝達手段における変速段が切り替わるよう該変速伝達手段を制御し、
    (c)該変速段を切り替えた後に前記制動力出力手段による前記駆動軸への制動力の出力が前記電動機による前記駆動軸への制動力の出力に置き換わるよう前記電動機と前記制動力出力手段とを制御する
    動力出力装置の制御方法。
  14. 前記ステップ(b)は、前記変速伝達手段における変速段を切り替える際には、該変速段の切り替えの際の前記電動機の回転数の変化に基づいて前記駆動軸への制動力が変更されるよう前記制動力出力手段を制御するステップである請求項13記載の動力出力装置の制御方法。
  15. 前記ステップ(a)の前後における前記駆動軸の制動状態の変化を打ち消す方向に前記制動力出力手段による前記駆動軸への制動力を補正するステップを備える請求項13または14記載の動力出力装置の制御方法。
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