JP2010012902A - ハイブリッド車および動力出力装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関と電動機を有するハイブリッド車において電動機の回転数を変速する変速機の変速比に応じて点火時期を変更することで内燃機関始動時に初爆ショックが発生しないように制御する。
【解決手段】電動機と電動機の回転数を変速することの出来る変速機を備えたハイブリッド車において、内燃機関の始動時に必要なパラメータの入力と算出を行った後(ステップS100〜S120)、内燃機関の回転数が自立運転出来る回転数以上になったか判定し(ステップS130)変速機の変速比が小さい傾向にあるほど内燃機関の点火時期を遅くなる傾向に設定して、それに基づいて電動機から出力する初爆ショックを抑制するトルクの大きさを変化させて(ステップS150〜S180)エンジン始動制御を行う(ステップS190〜S240)。これにより変速ギヤ比が変わっても初爆ショックを抑制することが出来る。
【選択図】図3
【解決手段】電動機と電動機の回転数を変速することの出来る変速機を備えたハイブリッド車において、内燃機関の始動時に必要なパラメータの入力と算出を行った後(ステップS100〜S120)、内燃機関の回転数が自立運転出来る回転数以上になったか判定し(ステップS130)変速機の変速比が小さい傾向にあるほど内燃機関の点火時期を遅くなる傾向に設定して、それに基づいて電動機から出力する初爆ショックを抑制するトルクの大きさを変化させて(ステップS150〜S180)エンジン始動制御を行う(ステップS190〜S240)。これにより変速ギヤ比が変わっても初爆ショックを抑制することが出来る。
【選択図】図3
Description
本発明は、ハイブリッド車および動力出力装置の制御方法に関する。
従来、この種のハイブリッド車としては、エンジンと、キャリアがエンジンのクランクシャフトに接続されると共にリングギヤが車軸側に接続された動力分配統合機構と、動力分配統合機構のサンギヤに動力を入出力するモータMG1と、リングギヤに接続されたリングギヤ軸に動力を入出力するモータMG2とを備えるハイブリッド車両において、エンジンの初爆時のトルクを打ち消すカウンタトルクをモータMG2に出力させ、初爆時の車両の振動を低減するものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開平10−212983号公報
しかしながらモータMG2の出力軸とリングギヤ軸との間に変速機を備えるハイブリッド車では、その変速ギヤ段によりエンジンの始動時の初爆ショックの大きさが異なるため、変速ギヤ段によっては初爆ショックが発生する。
本発明のハイブリッド車および動力出力装置の制御方法は、変速機を備えたハイブリッド自動車において内燃機関始動時の初爆ショックを軽減することを主目的とする。
本発明のハイブリッド車および動力出力装置は、少なくとも上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のハイブリッド車は、
内燃機関と、
動力を入出力可能な発電機と、
車軸に連結された駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸の3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、
動力を入出力可能な電動機と、
前記電動機の回転軸と前記駆動軸とに接続され、変速比の変更を伴って該回転軸と該駆動軸との間で動力を伝達する変速伝達手段と、
走行に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記変速伝達手段の変速比が前記電動機の回転軸の動力を減速して前記駆動軸に伝達するときの減速比としたときに該変速比が小さいほど遅い傾向に前記内燃機関の始動時における点火時期である始動時点火時期を設定する始動時点火時期設定手段と、
前記内燃機関の始動要請がなされたとき、前記内燃機関がクランキングされるよう前記発電機を制御し、前記内燃機関のクランキングに伴って前記駆動軸に出力されるトルクをキャンセルする方向のキャンセルトルクと前記内燃機関の初爆時に前記駆動軸に作用するトルクを打ち消す方向の補正トルクと前記設定された要求駆動力に相当するトルクとの和のトルクが前記電動機から出力されるよう該電動機を制御し、前記設定された始動時点火時期を用いて前記内燃機関が始動されるよう該内燃機関を制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
内燃機関と、
動力を入出力可能な発電機と、
車軸に連結された駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸の3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、
動力を入出力可能な電動機と、
前記電動機の回転軸と前記駆動軸とに接続され、変速比の変更を伴って該回転軸と該駆動軸との間で動力を伝達する変速伝達手段と、
走行に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記変速伝達手段の変速比が前記電動機の回転軸の動力を減速して前記駆動軸に伝達するときの減速比としたときに該変速比が小さいほど遅い傾向に前記内燃機関の始動時における点火時期である始動時点火時期を設定する始動時点火時期設定手段と、
前記内燃機関の始動要請がなされたとき、前記内燃機関がクランキングされるよう前記発電機を制御し、前記内燃機関のクランキングに伴って前記駆動軸に出力されるトルクをキャンセルする方向のキャンセルトルクと前記内燃機関の初爆時に前記駆動軸に作用するトルクを打ち消す方向の補正トルクと前記設定された要求駆動力に相当するトルクとの和のトルクが前記電動機から出力されるよう該電動機を制御し、前記設定された始動時点火時期を用いて前記内燃機関が始動されるよう該内燃機関を制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明のハイブリッド車では、電動機の回転軸と駆動軸とに接続され、変速比の変更を伴って回転軸と駆動軸との間で動力を伝達する変速伝達手段の変速比が電動機の回転軸の動力を減速して駆動軸に伝達するときの減速比としたときに変速比が小さいほど遅い傾向に内燃機関の始動時における点火時期である始動時点火時期を設定し、内燃機関の始動要請がなされたとき、内燃機関がクランキングされるよう発電機を制御し、内燃機関のクランキングに伴って駆動軸に出力されるトルクをキャンセルする方向のキャンセルトルクと内燃機関の初爆時に駆動軸に作用するトルクを打ち消す方向の補正トルクと走行に要求される要求駆動力に相当するトルクとの和のトルクが電動機から出力されるよう電動機を制御し、設定された始動時点火時期を用いて内燃機関が始動されるよう内燃機関を制御する。これにより変速比が小さいときでも初爆のショックを軽減できる。
前記補正トルクは変速比が小さいほど小さい傾向に設定されてなるものとすることもできる。これにより初爆ショックを軽減する以上に補正トルクを出力することを避けることができる。
本発明の動力出力装置の制御方法は、
内燃機関と、
動力を入出力可能な発電機と、
車軸に連結された駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸の3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、
動力を入出力可能な電動機と、
前記電動機の回転軸と前記駆動軸とに接続され、変速比の変更を伴って該回転軸と該駆動軸との間で動力を伝達する変速伝達手段と、
前記電動機の回転軸と前記駆動軸とに接続され、変速比の変更を伴って該回転軸と該駆動軸との間で動力を伝達する変速伝達手段と、を備えた動力出力装置の制御方法であって、
前記変速伝達手段の変速比が前記電動機の回転軸の動力を減速して前記駆動軸に伝達するときの減速比としたときに該変速比が小さいほど遅い傾向に前記内燃機関の始動時における点火時期である始動時点火時期を設定し、
前記内燃機関の始動要請がなされたとき、前記内燃機関がクランキングされるよう前記発電機を制御し、前記内燃機関のクランキングに伴って前記駆動軸に出力されるトルクをキャンセルする方向のキャンセルトルクと前記内燃機関の初爆時に前記駆動軸に作用するトルクを打ち消す方向の補正トルクと前記設定された要求駆動力に相当するトルクとの和のトルクが前記電動機から出力されるよう該電動機を制御し、前記設定された始動時点火時期を用いて前記内燃機関が始動されるよう該内燃機関を制御する
ことを要旨とする。
内燃機関と、
動力を入出力可能な発電機と、
車軸に連結された駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸の3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、
動力を入出力可能な電動機と、
前記電動機の回転軸と前記駆動軸とに接続され、変速比の変更を伴って該回転軸と該駆動軸との間で動力を伝達する変速伝達手段と、
前記電動機の回転軸と前記駆動軸とに接続され、変速比の変更を伴って該回転軸と該駆動軸との間で動力を伝達する変速伝達手段と、を備えた動力出力装置の制御方法であって、
前記変速伝達手段の変速比が前記電動機の回転軸の動力を減速して前記駆動軸に伝達するときの減速比としたときに該変速比が小さいほど遅い傾向に前記内燃機関の始動時における点火時期である始動時点火時期を設定し、
前記内燃機関の始動要請がなされたとき、前記内燃機関がクランキングされるよう前記発電機を制御し、前記内燃機関のクランキングに伴って前記駆動軸に出力されるトルクをキャンセルする方向のキャンセルトルクと前記内燃機関の初爆時に前記駆動軸に作用するトルクを打ち消す方向の補正トルクと前記設定された要求駆動力に相当するトルクとの和のトルクが前記電動機から出力されるよう該電動機を制御し、前記設定された始動時点火時期を用いて前記内燃機関が始動されるよう該内燃機関を制御する
ことを要旨とする。
この本発明の動力出力装置の制御方法では、電動機の回転軸と駆動軸とに接続され、変速比の変更を伴って回転軸と駆動軸との間で動力を伝達する変速伝達手段の変速比が電動機の回転軸の動力を減速して駆動軸に伝達するときの減速比としたときに変速比が小さいほど遅い傾向に内燃機関の始動時における点火時期である始動時点火時期を設定し、
内燃機関の始動要請がなされたとき、内燃機関がクランキングされるよう発電機を制御し、内燃機関のクランキングに伴って駆動軸に出力されるトルクをキャンセルする方向のキャンセルトルクと内燃機関の初爆時に駆動軸に作用するトルクを打ち消す方向の補正トルクと走行に要求される要求駆動力に相当するトルクとの和のトルクが電動機から出力されるよう電動機を制御し、設定された始動時点火時期を用いて内燃機関が始動されるよう内燃機関を制御する。これにより変速比が小さいときでも初爆のショックを軽減できる。
内燃機関の始動要請がなされたとき、内燃機関がクランキングされるよう発電機を制御し、内燃機関のクランキングに伴って駆動軸に出力されるトルクをキャンセルする方向のキャンセルトルクと内燃機関の初爆時に駆動軸に作用するトルクを打ち消す方向の補正トルクと走行に要求される要求駆動力に相当するトルクとの和のトルクが電動機から出力されるよう電動機を制御し、設定された始動時点火時期を用いて内燃機関が始動されるよう内燃機関を制御する。これにより変速比が小さいときでも初爆のショックを軽減できる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての動力出力装置を搭載するハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26に接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、変速機60を介して動力分配統合機構30に接続されたモータMG2と、車両の駆動系全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32には変速機60を介してモータMG2がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32に出力する。リングギヤ32は、ギヤ機構37およびデファレンシャルギヤ38を介して車両前輪の車輪39に機械的に接続されている。したがって、リングギヤ32に出力された動力は、ギヤ機構37およびデファレンシャルギヤ38を介して車輪39に出力されることになる。なお、駆動系として見たときの動力分配統合機構30に接続される3軸は、キャリア34に接続されたエンジン22の出力軸であるクランクシャフト26,サンギヤ31に接続されモータMG1の回転軸となるサンギヤ軸31およびリングギヤ32に接続されると共に車輪39に機械的に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aとなる。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されてり、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
変速機60は、モータMG2の回転軸48とリングギヤ軸32aとの接続および接続の解除を行なうと共に両軸の接続をモータMG2の回転軸48の回転数を2段に減速してリングギヤ軸32aに伝達するよう構成されている。変速機60の構成の一例を図2に示す。この図2に示す変速機60は、ダブルピニオンの遊星歯車機構60aとシングルピニオンの遊星歯車機構60bと二つのブレーキB1,B2とにより構成されている。ダブルピニオンの遊星歯車機構60aは、外歯歯車のサンギヤ61と、このサンギヤ61と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ62と、サンギヤ61に噛合する複数の第1ピニオンギヤ63aと、この第1ピニオンギヤ63aに噛合すると共にリングギヤ62に噛合する複数の第2ピニオンギヤ63bと、複数の第1ピニオンギヤ63aおよび複数の第2ピニオンギヤ63bを連結して自転かつ公転自在に保持するキャリア64とを備えており、サンギヤ61はブレーキB1のオンオフによりその回転を自由にまたは停止できるようになっている。シングルピニオンの遊星歯車機構60bは、外歯歯車のサンギヤ65と、このサンギヤ65と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ66と、サンギヤ65に噛合すると共にリングギヤ66に噛合する複数のピニオンギヤ67と、複数のピニオンギヤ67を自転かつ公転自在に保持するキャリア68とを備えており、サンギヤ65はモータMG2の回転軸48に、キャリア68はリングギヤ軸32aにそれぞれ連結されていると共にリングギヤ66はブレーキB2のオンオフによりその回転が自由にまたは停止できるようになっている。ダブルピニオンの遊星歯車機構60aとシングルピニオンの遊星歯車機構60bとは、リングギヤ62とリングギヤ66、キャリア64とキャリア68とによりそれぞれ連結されている。変速機60は、ブレーキB1,B2を共にオフとすることによりモータMG2の回転軸48をリングギヤ軸32aから切り離すことができ、ブレーキB1をオフとすると共にブレーキB2をオンとしてモータMG2の回転軸48の回転を比較的大きな減速比で減速してリングギヤ軸32aに伝達し(以下、この状態をLoギヤの状態という)、ブレーキB1をオンとすると共にブレーキB2をオフ状態としてモータMG2の回転軸48の回転を比較的小さな減速比で減速してリングギヤ軸32aに伝達する(以下、この状態を変速ギヤ段GrがHiの状態という)。なお、ブレーキB1,B2を共にオンとする状態は回転軸48やリングギヤ軸32aの回転を禁止するものとなる。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば,バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度などが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー86の操作位置を検出するシフトポジションセンサ87からのシフトポジションSP,アクセルペダル82の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ83からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル84の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ85からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。また、ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、変速機60のブレーキB1,B2の図示しないアクチュエータへの駆動信号やなどが出力ポートを介して出力されている。なお、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。なお、実施例では、シフトポジションSPとしては、駐車用の駐車ポジション(Pポジション)、中立のニュートラルポジション(Nポジション)、前進走行用のドライブポジション(Dポジション)、後進走行用のリーバースポジション(Rポジション)、下り坂で有段変速機における2速や1速のエンジンブレーキ相当の制動力を付与するためのブレーキポジション(Bポジション)などがある。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル
82の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
82の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に運転停止しているエンジン22を始動する際の動作について説明する。図3は、ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される始動時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、エンジン22の始動指示がなされたときに実行される。
始動時制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ83からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V、モータMG1, MG2の回転数Nm1,Nm2,エンジン22の回転数Ne,バッテリ50の入出力制限Win,Wout,変速機60の変速ギヤ段Grなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、エンジン22の回転数Neはクランクシャフト26に取り付けられた図示しないクランクポジションセンサからの信号に基づいて計算されたものをエンジンECU24から通信により入力するものとした。また、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は回転位置検出センサ43,44により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。さらに、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、温度センサ51により検出されたバッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして車輪39に連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*と車両に要求される要求パワーPr*とを設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。この要求トルク設定用マップの一例を図4に示す。要求パワーPr*は、設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*とロスLossとの和として計算することができる。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じることによって求めたり、モータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで割ることによって求めることができる。
続いて、エンジン22の回転数Neや始動開始時からの経過時間tを用いて始動マップからモータMG1のトルク指令Tm1*を導出して設定する(ステップS120)。始動マップは、エンジン22を始動する際のモータMG1のトルク指令Tm1*とエンジン22の回転数Neと始動開始時からの経過時間tとの関係を設定したマップである。図5に始動マップの一例を示す。始動マップでは、図5に示すように、エンジン22の始動指示がなされた時間t1の直後からレート処理を用いて迅速に比較的大きなトルクをトルク指令Tm1*に設定してエンジン22の回転数Neを迅速に増加させる。エンジン22の回転数Neが共振回転数帯を通過したか共振回転数帯を通過するのに必要な時間以降の時間t2にエンジン22を安定して点火開始回転数Nfire以上でモータリングすることができるトルクをトルク指令Tm1*に設定し、電力消費や駆動軸としてのリングギヤ軸32aにおける反力を小さくする。ここで、点火開始回転数Nfireは、実施例では共振回転数帯より余裕をもって大きな回転数、例えば1000rpmや1200rpmなどのように設定されている。そして、エンジン22の回転数Neが点火開始回転数Nfireに至った時間t3からレート処理を用いて迅速にトルク指令Tm1*を値0とし、エンジン22の完爆が判定された時間t4から発電用のトルクをトルク指令Tm1*に設定する。このように、エンジン22の始動指示がなされた直後に大きなトルクをモータMG1のトルク指令Tm1*に設定してエンジン22をモータリングすることにより、迅速にエンジン22を点火開始回転数Nfire以上に回転させて始動することができる。
モータMG1のトルク指令Tm1*が設定されると、エンジン22の回転数Neが点火開始回転数Nfireより大きくなったか否かを判定する(ステップS130)。エンジン22の始動指示がなされた直後には、エンジン22の回転数Neが点火開始回転数Nfireより小さいので、エンジン22の初爆時にリングギヤ軸32aに作用するトルクを打ち消す方向のトルクとしての抑制トルクTfireに値0を設定し(ステップ250)バッテリ50の入出力制限Win,Woutと設定したモータMG1のトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tmin,Tmaxを次式(1)および式(2)により計算すると共に(ステップS200)、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρを用いてモータMG2から出力すべきトルクとして算出したものに抑制トルクTfireを加えて仮モータトルクTm2tmpを式(3)により計算し(ステップS210)、計算したトルク制限Tmin,Tmaxで仮モータトルクTm2tmpを制限した値をモータMG2のトルク指令Tm2*として設定する(ステップS220)。ここで、上述の式(3)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。
Tmin=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (1)
Tmax=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (2)
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (3)
Tmax=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (2)
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (3)
こうしてモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、設定したモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する(ステップS230)、始動時駆動制御ルーチンを終了する。トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。そして、エンジン22が完爆したか否かを判定して(ステップS240)、完爆していないときにはステップS100に戻る。ここで、エンジン22の回転数Neが点火開始回転数Nfireより小さいときには、エンジン22の燃料噴射制御や点火制御の開始が指示されないからステップS100の処理に戻ることになる。
エンジン22の回転数Neが点火開始回転数Nfireより大きくなると(ステップS130)変速機60の変速ギヤ段GrがHiであるかLoであるか判定を行う(ステップS140)。変速機60の変速ギヤ段GrがHiであるとき、エンジン22の点火時期IGTに第一の点火時期Lhを設定して(ステップS150)抑制トルクTfireに第一の抑制トルクThを設定する(ステップS160)。変速ギヤ段GrがLoであるとき、エンジン22の点火時期IGTに第二の点火時期Llを設定して(ステップS170)抑制トルクTfireに第二の抑制トルクTlを設定する(ステップS180)。第一の点火時期Lhは第二の点火時期Llに比して遅れた点火時期であり、第一の抑制トルクThは第二の抑制トルクTlに比して絶対値が小さい値である。ここで、第一の点火時期Lhが第二の点火時期Llに比して遅らせた時期である理由は変速機60の変速ギヤ段GrがHiのときは変速ギヤ段GrがLoのときに比してモータMG2の慣性分が小さく初爆ショックが大きくなりやすいため、変速ギヤ段GrがHiのときはエンジン22の点火時期IGTを変速ギヤ段GrがLoのときよりも遅くすることでエンジン22の燃焼状態を緩慢にして、出力トルクを減少させるためである。この第一の点火時期Lhおよび第二の点火時期Llはエンジン22の目標回転数および目標トルクに基づいて設定され予め実験などにより求めた値を用いる。次に抑制トルクTfireについて説明する。モータMG1の回転子の質量に基づく慣性分を考慮しなければ、理論上、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定してモータMG1を駆動制御しているときにはエンジン22のクランクシャフト26が接続された動力分配統合機構30のキャリア34に動力の入出力があってもリングギヤ軸32aには何らトルクは作用しない。しかし、モータMG1の回転子の質量に基づく慣性分を考慮すると、キャリア34への急激な動力の入出力に対してリングギヤ軸32aにトルクが作用する。実施例の抑制トルクTfireは、このリングギヤ軸32aに作用するトルクを打ち消す方向のトルクとして設定されるものである。第一の抑制トルクThの絶対値は第二の抑制トルクTlの絶対値に比して小さい値である理由は、変速ギヤ段GrがHiのときはLoのときに比して点火時期を遅らせるために、Loのときに比べて初爆ショックが小さくなることからモータMG2からの出力トルクを補正する度合いも小さくなるため変速ギヤ段GrがHiのときは変速ギヤ段GrがLoのときに比して抑制トルクTfireを絶対値が小さい値で設定して初爆時ショックを抑制するためである。この第一抑制トルクThおよび第二抑制トルクTlについては吸気温度や、吸気圧,シフトポジション,冷却水温などのエンジン22の動作パラメータに基づいて設定され予め実験などにより求めた値を用いるものとする。第一点火時期Lhおよび第二点火時期Llと、第一抑制トルクThおよび第二抑制トルクTlを以上の動作パラメータにより設定するためには、種々の状態における第一点火時期Lhおよび第二点火時期Llと、第一抑制トルクThおよび第二抑制トルクTlと動作パラメータとの関係を実験などにより求め、それをマップとしてROM74に記憶しておき、検出された動作パラメータとマップとを用いて第一点火時期Lhおよび第二点火時期Llと、第一抑制トルクThおよび第二抑制トルクTlを導出することにより行うことができる。本実施例ではエンジン22の目標回転数および目標トルクと対応した第一点火時期Lhおよび第二点火時期Llのマップ,および吸気温や、吸気圧,シフトポジション,冷却水温に対応した第一抑制トルクThおよび第二抑制トルクTlに対応したマップをROM74に記憶する。点火時期IGTが設定されたらその設定値を元にエンジンECU24に燃料噴射制御および点火制御を行うように指示を行う(ステップS190)。指示を受けてエンジンECU24はエンジン22の燃料噴射制御および点火制御を行う。
次に、モータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tmin,Tmaxを計算すると共に(ステップS200)、モータMG2から出力すべきトルクとしての仮モータトルクTm2tmpを計算し(ステップS210)、計算したトルク制限Tmin,Tmaxで仮モータトルクTm2tmpを制限した値に抑制トルクTαを加えたものをモータMG2のトルク指令Tm2*として設定し(ステップS220)、設定したモータMG1,モータMG2のトルク指令Tm1*,TM2*をモータECU40に送信し(ステップS230)、エンジン22が完爆したか否かを判定し(ステップS240)、完爆していないときにはステップS100に戻り、完縛しているときには、エンジン22の始動完了と判断して始動時駆動制御ルーチンを終了する。
次に、本始動時駆動制御ルーチンを行ったときのエンジン回転数および点火時期IGTおよび抑制トルクTfireの時間変化の様子を図6を用いて説明する。上段に示すのがエンジンの回転数Neであり、中段に示すのが点火時期IGTであり、下段に示されるのが抑制トルクTfireである。また、破線で示されるグラフが変速機60の変速ギヤ段GrがHiのときの各項目の時間変化であり、通常の線で示されるグラフが変速機60の変速ギヤ段GrがLoのときの各項目の時間変化である。点火開始後エンジン22が完爆するまで変速ギヤ段GrがHiのときの方が変速ギヤ段GrがLoのときに比して点火時期は遅くなり、抑制トルクTfireの絶対値の大きさは小さくなる。エンジン22が完爆した後は、点火時期IGT,抑制トルクTfireともに変速ギヤ段Grによる違いはなくなる。
以上説明した実施例のハイブリッド車20によれば、エンジン22の始動時にモータMG2からエンジン22の始動トルクを抑制する方向の抑制トルクTfireを出力するとき、変速機60の変速ギヤ段GrがHiのときは変速ギヤ段GrがLoのときに比してモータMG2の慣性分が小さく初爆ショックが大きくなりやすいため、変速ギヤ段GrがHiのときはエンジン22の点火時期IGTを変速ギヤ段GrがLoのときよりも遅くすることでエンジン22の燃焼状態を緩慢にして、出力トルクを減少させる。それにより初爆ショックを抑えることが出来る。また、そのとき変速ギヤ段GrがHiのときは変速ギヤ段GrがLoのときに比して抑制トルクTfireを小さい値で出力することで、初爆ショックを抑制できる。以上、変速比に応じて点火時期IGTを設定することによりエンジン22の始動トルクの大きさを切り替えて、それに応じて抑制トルクTfireを設定することでエンジン22始動時のショックを抑制することができる。
また、実施例では抑制トルクTfireを変速機60の変速ギヤ段Grに応じて変化させたが、抑制トルクTfireは変速機60の変速ギヤ段Grの状態に拘わらず固定値でもよい。
また、実施例では変速機60は変速ギヤ段GrがHiとLoの二つを備える2段変速機を用いたが、変速機60は二段変速機に限らず3段以上の変速機、あるいはCVTのような無段変速機であってもよい。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、モータMG1が「発電機」に相当し、動力分配統合機構30が「3軸式動力入出力手段」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、モータMG2の回転軸48と駆動軸としてのリングギヤ軸32aに接続されてモータMG2の回転を変速して伝達する変速機60が「変速伝達手段」に相当し、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて走行に必要となる要求トルクTr*を算出するハイブリッドECU70が「要求駆動力設定手段」に相当し、変速機60の変速ギヤ段GrがHiのときは、Loのときに比べて遅角するように点火時期IGTを設定するハイブリッドECU70が「始動時点火時期設定手段」に相当し、エンジン22をクランキングするためのモータトルク指令Tm1*を設定して、モータトルク指令Tm1*と要求トルクTr*と抑制トルクTfireに基づいてモータトルク指令Tm2*を設定してモータMG1およびモータMG2を制御し、エンジン回転数Neが点火開始回転数Nfire以上であるとき、燃料噴射や点火をパラメータにしたがって行うようエンジン22を制御するハイブリッドECU70およびエンジンECU24およびモータECU40が「制御手段」に相当する。ここで、「内燃機関」としてはエンジン22に限定されるものはなく、また、「発電機」および「電動機」としては一般的な同期発電電動機として構成されたモータMG1およびMG2に限定されるものではなく動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機としても構わない。また、「3軸式動力入出力手段」は、差動作用を行う遊星歯車機構として構成される動力分配統合機構30に限定されるものではなく車軸に連結された駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸の3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力するものであれば如何なるものであっても構わない。また、「変速伝達手段」は2段変速機である変速機60として限定されるものではなく電動機の回転軸と駆動軸とに接続され、変速比の変更を伴って該回転軸と該駆動軸との間で動力を伝達するものであれば如何なるものであっても構わない。また、「要求駆動力設定手段」は、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて走行に必要となる要求トルクTr*を算出するものに限定されるものではなく、走行に要求される要求駆動力を設定する手段であれば如何なるものであっても構わない。また、「始動時点火時期設定手段」は変速機60の変速ギヤ段GrがHiのときは、Loのときに比べて遅角するように点火時期IGTを設定するものに限定されるものではなく、変速伝達手段の変速比が電動機の回転軸の動力を減速して駆動軸に伝達するときの減速比としたときに変速比が大きいほど遅い傾向に内燃機関の始動時における点火時期を設定するものであれば如何なるものであっても構わない。また、「制御手段」はエンジン22をクランキングするためのモータトルク指令Tm1*を設定して、モータトルク指令Tm1*と要求トルクTr*と抑制トルクTfireに基づいてモータトルク指令Tm2*を設定してモータMG1およびモータMG2を制御し、エンジン回転数Neが点火開始回転数Nfire以上であるとき、燃料噴射や点火をパラメータにしたがって行うようエンジン22を制御するものに限定されるものではなく、内燃機関の指導要請がなされたとき、内燃機関がクランキングされるよう発電機を制御し、内燃機関のクランキングに伴って駆動軸に出力されるトルクをキャンセルする方向のキャンセルトルクと内燃機関の初爆時に駆動軸に作用するトルクを打ち消す方向の補正トルクと設定された要求駆動力に相当するトルクとの和のトルクが電動機から出力されるよう電動機を制御し、設定された始動時点火時期を用いて内燃機関が指導されるよう内燃機関を制御するものであれば如何なるものであっても構わない。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、車両の製造産業などに利用可能である。
20 ハイブリッド車、22 エンジン、24 エンジン電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、30 動力分配統合機構、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、37 ギヤ機構、38 デファレンシャルギヤ、39 車輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、52 バッテリ電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 変速機、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(ハイブリッドECU)、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、82 アクセルペダル、83 アクセルペダルポジションセンサ、84 ブレーキペダル、85 ブレーキペダルポジションセンサ、86 シフトレバー、87 シフトポジションセンサ、88 車速センサ、MG1,MG2 モータ。
Claims (3)
- 内燃機関と、
動力を入出力可能な発電機と、
車軸に連結された駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸の3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、
動力を入出力可能な電動機と、
前記電動機の回転軸と前記駆動軸とに接続され、変速比の変更を伴って該回転軸と該駆動軸との間で動力を伝達する変速伝達手段と、
走行に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記変速伝達手段の変速比が前記電動機の回転軸の動力を減速して前記駆動軸に伝達するときの減速比としたときに該変速比が小さいほど遅い傾向に前記内燃機関の始動時における点火時期である始動時点火時期を設定する始動時点火時期設定手段と、
前記内燃機関の始動要請がなされたとき、前記内燃機関がクランキングされるよう前記発電機を制御し、前記内燃機関のクランキングに伴って前記駆動軸に出力されるトルクをキャンセルする方向のキャンセルトルクと前記内燃機関の初爆時に前記駆動軸に作用するトルクを打ち消す方向の補正トルクと前記設定された要求駆動力に相当するトルクとの和のトルクが前記電動機から出力されるよう該電動機を制御し、前記設定された始動時点火時期を用いて前記内燃機関が始動されるよう該内燃機関を制御する制御手段と、
を備えるハイブリッド車。 - 前記補正トルクは前記変速比が小さいほど小さい傾向に設定されてなるものである、
請求項1に記載のハイブリッド車。 - 内燃機関と、
動力を入出力可能な発電機と、
車軸に連結された駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸の3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、
動力を入出力可能な電動機と、
前記電動機の回転軸と前記駆動軸とに接続され、変速比の変更を伴って該回転軸と該駆動軸との間で動力を伝達する変速伝達手段と、を備えた動力出力装置の制御方法であって、
前記変速伝達手段の変速比が前記電動機の回転軸の動力を減速して前記駆動軸に伝達するときの減速比としたときに該変速比が小さいほど遅い傾向に前記内燃機関の始動時における点火時期である始動時点火時期を設定し、
前記内燃機関の始動要請がなされたとき、前記内燃機関がクランキングされるよう前記発電機を制御し、前記内燃機関のクランキングに伴って前記駆動軸に出力されるトルクをキャンセルする方向のキャンセルトルクと前記内燃機関の初爆時に前記駆動軸に作用するトルクを打ち消す方向の補正トルクと前記設定された要求駆動力に相当するトルクとの和のトルクが前記電動機から出力されるよう該電動機を制御し、前記設定された始動時点火時期を用いて前記内燃機関が始動されるよう該内燃機関を制御する
動力出力装置の制御方法。
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JP2008173870A JP2010012902A (ja) | 2008-07-02 | 2008-07-02 | ハイブリッド車および動力出力装置の制御方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2013030971A1 (ja) | 2011-08-31 | 2013-03-07 | トヨタ自動車株式会社 | ハイブリッド車両およびハイブリッド車両の制御方法 |
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-
2008
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