JP4030532B2 - 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに駆動装置,動力出力装置の制御方法 - Google Patents

動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに駆動装置,動力出力装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに駆動装置,動力出力装置の制御方法に関し、詳しくは、駆動軸に動力を出力する動力出力装置およびこれを搭載し前記駆動軸に車軸が機械的に接続されて走行する自動車並びに内燃機関に接続されると共に駆動軸に接続された駆動装置,動力出力装置の制御方法に関する。
従来、この種の動力出力装置としては、遊星歯車機構の各回転要素にエンジンの出力軸,第1モータの回転軸,駆動軸が接続されると共に有段変速機を介して駆動軸に第2モータが接続されたハイブリッド自動車に搭載されたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、変速機の変速段を車速に応じてHiギヤの状態かLoギヤの状態かを切り替えることにより、第2モータからの動力を車速に応じた動力に変速して駆動軸に出力している。
特開2002−225578号公報
上述の動力出力装置では、車両等に搭載するスペースの確保や重量などの関係上、モータ等に電力を供給するバッテリの容量を小さくすることが望ましいが、変速機の変速段を切り替える際に第2モータの消費電力が増大するタイプの動力出力装置では、こうしたバッテリの容量を小さくすることにより変速段の切り替えに必要な電力を確保することが困難な場合がある。遊星歯車機構の各回転要素にエンジンと第1モータと駆動軸とを接続した上述の動力出力装置では、第1モータによりエンジンの回転数を調整することができるから、エンジンをモータリングして高回転数の状態としておけばアクセルオフされたとき等にエンジンのフリクションによる制動力を駆動軸に作用させることができる。しかしながら、このとき第1モータは電力消費している状態であるから、この状態で変速段を切り替えようとしたときに変速段の切替に必要な第2モータの電力を確保できずに変速段の切り替えが適正に行なわれない場合やバッテリが過剰に放電する場合が生じる。
本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに駆動装置,動力出力装置の制御方法は、変速機の変速比の変更に必要な電力をより確実に確保して変速比の変更を適正に行なうことを目的の一つとする。また、本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに駆動装置,動力出力装置の制御方法は、変速機の変速比を変更する際にバッテリなどの蓄電装置に過剰な放電が生じるのを防止することを目的の一つとする。
本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに駆動装置,動力出力装置の制御方法は、上述の目的の少なくとも一つを達成するために以下の手段を採った。
本発明の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
内燃機関と、
該内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され、電力と動力の入出力により該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力可能な電力動力入出力手段と、
動力を入出力可能な電動機と、
前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段と、
変更可能な変速比をもって前記電動機の回転軸と前記駆動軸との動力の伝達を行なう変速伝達手段と、
通常時には、前記駆動軸の回転数と前記変速伝達手段における変速比との関係として第1の関係を設定し、前記駆動軸の回転数が高いほど高回転数となる傾向に前記電力動力入出力手段により前記内燃機関をモータリングする所定の条件が成立している時には、前記第1の関係よりも低回転数側の前記駆動軸の回転数をもって前記変速比を変更するよう定めた第2の関係を設定する変速関係設定手段と、
前記駆動軸の回転数を検出する回転数検出手段と、
該検出された駆動軸の回転数と前記変速関係設定手段により設定された関係とにより前記変速比を変更すべき判定がなされたとき、該判定された変速比に変更されるよう前記変速伝達手段を駆動制御する変速制御手段と
を備えることを要旨とする。
この本発明の動力出力装置では、通常時には、駆動軸の回転数と変更可能な変速比をもって電動機の回転軸と駆動軸との動力の伝達を行なう変速伝達手段における変速比との関係として第1の関係を設定し、駆動軸の回転数が高いほど高回転数となる傾向に電力動力入出力手段により内燃機関をモータリングする所定の条件が成立している時には、第1の関係よりも低回転数側の駆動軸の回転数をもって変速比を変更するよう定めた第2の関係を設定し、駆動軸の回転数と設定した関係とにより変速比を変更すべき判定がなされたとき、判定された変速比に変更されるよう変速伝達手段を駆動制御する。所定の条件が成立したときに低回転数側の駆動軸の回転数をもって変速比を変更する第2の関係を用いるから、変速比を変更する際に内燃機関をモータリングする電力動力入出力手段の消費電力を小さくしておくことができ、または、変速比を変更するために電動機の駆動が必要なときにその消費電力を小さくすることができる。この結果、変速伝達手段における変速比の変更に必要な電力をより確実に確保することができ、変速比の変更をより適正に行なうことができる。もとより、蓄電手段の過剰な放電を防止することができる。
こうした本発明の動力出力装置において、前記所定の条件は、操作者の操作を伴って成立する条件であるものとすることもできる。
また、本発明の動力出力装置において、前記第2の関係は、該第2の関係において前記変速比を増速側に変更する前記駆動軸の回転数が前記第1の関係において前記変速比を減速側に変更する前記駆動軸の回転数以上となるよう定めてなるものとすることもできる。こうすれば、所定の条件が成立しているか否かで変速比の変更が頻繁に行なわれるのを防止することができる。
さらに、本発明の動力出力装置において、前記変速制御手段は、前記電動機から駆動力が出力されていない状態にあるときに前記変速比を減速側に変更すべき判定がなされたときには該電動機の回転数が該判定された変速比に変更した後の回転数に一致する方向に駆動されるよう該電動機を駆動制御しながら該判定された変速比に変更されるよう前記変速伝達手段を駆動制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、変速比を減速側に変更する際の変速をスムーズに行なうことができる。
あるいは、本発明の動力出力装置において、前記変速伝達手段は、少なくとも2段の変速段をもって前記動力の伝達を行なう手段であるものとすることもできる。
本発明の動力出力装置において、前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と第3の回転軸の3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力が決定されると残余の1軸に入出力される動力が決定される3軸式動力入出力手段と、前記第3の回転軸に動力を入出力可能な発電機とを備える手段であるものとすることも
できるし、前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸に接続された第1の回転子と前記駆動軸に接続された第2の回転子とを有し、該第1の回転子と該第2の回転子による電磁的な作用により電力と動力の入出力により前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記駆動軸に出力する対回転子電動機を備える手段であるものとすることもできる。
本発明の自動車は、
上述のいずれかの態様の本発明の動力出力装置、即ち、基本的には、駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、内燃機関と、該内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され電力と動力の入出力により該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力可能な電力動力入出力手段と、動力を入出力可能な電動機と、前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段と、変更可能な変速比をもって前記電動機の回転軸と前記駆動軸との動力の伝達を行なう変速伝達手段と、通常時には、前記駆動軸の回転数と前記変速伝達手段における変速比との関係として第1の関係を設定し、前記駆動軸の回転数が高いほど高回転数となる傾向に前記電力動力入出力手段により前記内燃機関をモータリングする所定の条件が成立している時には、前記第1の関係よりも低回転数側の前記駆動軸の回転数をもって前記変速比を変更するよう定めた第2の関係を設定する変速関係設定手段と、前記駆動軸の回転数を検出する回転数検出手段と、該検出された駆動軸の回転数と前記変速関係設定手段により設定された関係とにより前記変速比を変更すべき判定がなされたとき、該判定された変速比に変更されるよう前記変速伝達手段を駆動制御する変速制御手段とを備える動力出力装置を搭載し、前記駆動軸が車軸に機械的に接続されて走行することを要旨とする。
この本発明の自動車では、上述のいずれかの態様の本発明の動力出力装置を搭載するから、本発明の動力出力装置が奏する効果と同様の効果、例えば、変速伝達手段における変速比の変更に必要な電力をより確実に確保することができ、変速比の変更をより適正に行なうことができる効果や蓄電手段の過剰な放電を防止することができる効果,所定の条件が成立しているか否かで変速比の変更が頻繁に行なわれるのを防止することができる効果などを奏することができる。
こうした本発明の自動車において、前記所定の条件は、操作者によりブレーキレンジにシフト操作されたときに成立する条件であるものとすることもできる。変速関係設定手段では駆動軸の回転数と変速伝達手段における変速比との関係を設定するだけであるから、ブレーキレンジにおいて変速比の変更の有無に拘わらず車速に応じた内燃機関のフリクションによる制動力を確保することができる。
また、本発明の自動車において、前記変速関係設定手段は、車速と前記変速伝達手段における変速比との関係を設定する手段であり、前記回転数検出手段は、前記駆動軸の回転数に代えて車速を検出する手段であり、前記変速制御手段は、前記検出された車速と前記変速関係設定手段により設定された関係とにより前記変速比を変更すべき判定がなされたとき、該判定された変速比に変更されるよう前記変速伝達手段を駆動制御する手段であるものとすることもできる。駆動軸は車軸に機械的に接続されているから、車速と駆動軸の回転数を換算できることによる。
本発明の駆動装置は、
内燃機関に接続されると共に駆動軸に接続された駆動装置であって、
前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され、電力と動力の入出力により該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力可能な電力動力入出力手段と、
動力を入出力可能な電動機と、
前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段と、
変更可能な変速比をもって前記電動機の回転軸と前記駆動軸との動力の伝達を行なう変
速伝達手段と、
通常時には、前記駆動軸の回転数と前記変速伝達手段における変速比との関係として第1の関係を設定し、前記駆動軸の回転数が高いほど高回転数となる傾向に前記電力動力入出力手段により前記内燃機関をモータリングする所定の条件が成立している時には、前記第1の関係よりも低回転数側の前記駆動軸の回転数をもって前記変速比を変更するよう定めた第2の関係を設定する変速関係設定手段と、
前記駆動軸の回転数を検出する回転数検出手段と、
該検出された駆動軸の回転数と前記変速関係設定手段により設定された関係とにより前記変速比を変更すべき判定がなされたとき、該判定された変速比に変更されるよう前記変速伝達手段を駆動制御する変速制御手段と
を備えることを要旨とする。
この本発明の駆動装置では、通常時には、駆動軸の回転数と変更可能な変速比をもって電動機の回転軸と駆動軸との動力の伝達を行なう変速伝達手段における変速比との関係として第1の関係を設定し、駆動軸の回転数が高いほど高回転数となる傾向に電力動力入出力手段により内燃機関をモータリングする所定の条件が成立している時には、第1の関係よりも低回転数側の駆動軸の回転数をもって変速比を変更するよう定めた第2の関係を設定し、駆動軸の回転数と設定した関係とにより変速比を変更すべき判定がなされたとき、判定された変速比に変更されるよう変速伝達手段を駆動制御する。所定の条件が成立したときに低回転数側の駆動軸の回転数をもって変速比を変更する第2の関係を用いるから、変速比を変更する際に内燃機関をモータリングする電力動力入出力手段の消費電力を小さくしておくことができ、または、変速比を変更するために電動機の駆動が必要なときにその消費電力を小さくすることができる。この結果、変速伝達手段における変速比の変更に必要な電力をより確実に確保することができ、変速比の変更をより適正に行なうことができる。もとより、蓄電手段の過剰な放電を防止することができる。
本発明の動力出力装置の制御方法は、
内燃機関と、該内燃機関の出力軸と駆動軸とに接続され電力と動力の入出力により該内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記駆動軸に出力可能な電力動力入出力手段と、動力を入出力可能な電動機と、前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段と、変更可能な変速比をもって前記電動機の回転軸と前記駆動軸との動力の伝達を行なう変速伝達手段とを備える動力出力装置の制御方法であって、
(a)通常時には、前記駆動軸の回転数と前記変速伝達手段における変速比との関係として第1の関係を設定し、前記駆動軸の回転数が高いほど高回転数となる傾向に前記電力動力入出力手段により前記内燃機関をモータリングする所定の条件が成立している時には、前記第1の関係よりも低回転数側の前記駆動軸の回転数をもって前記変速比を変更するよう定めた第2の関係を設定し、
(b)前記駆動軸の回転数を検出し、
(c)該検出された駆動軸の回転数と前記関係設定手段により設定された関係とにより前記変速比を変更すべき判定がなされたとき、該判定された変速比に変更されるよう前記変速伝達手段を駆動制御する
ことを要旨とする。
この本発明の動力出力装置の制御方法によれば、通常時には、駆動軸の回転数と変更可能な変速比をもって電動機の回転軸と駆動軸との動力の伝達を行なう変速伝達手段における変速比との関係として第1の関係を設定し、駆動軸の回転数が高いほど高回転数となる傾向に電力動力入出力手段により内燃機関をモータリングする所定の条件が成立している時には、第1の関係よりも低回転数側の駆動軸の回転数をもって変速比を変更するよう定めた第2の関係を設定し、駆動軸の回転数と設定した関係とにより変速比を変更すべき判定がなされたとき、判定された変速比に変更されるよう変速伝達手段を駆動制御する。所
定の条件が成立したときに低回転数側の駆動軸の回転数をもって変速比を変更する第2の関係を用いるから、変速比を変更する際に内燃機関をモータリングする電力動力入出力手段の消費電力を小さくしておくことができ、または、変速比を変更するために電動機の駆動が必要なときにその消費電力を小さくすることができる。この結果、変速伝達手段における変速比の変更に必要な電力をより確実に確保することができ、変速比の変更をより適正に行なうことができる。もとより、蓄電手段の過剰な放電を防止することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、変速機60を介して動力分配統合機構30に接続されたモータMG2と、車両の駆動系全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32には変速機60を介してモータMG2がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32に出力する。リングギヤ32は、ギヤ機構37,デファレンシャルギヤ38を介して車両前輪の駆動輪39a,39bに機械的に接続されている。したがって、リングギヤ32に出力された動力は、ギヤ機構37,デファレンシャルギヤ38を介して駆動輪39a,39bに出力されることになる。
モータMG1およびモータMG2は、共に発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2の一方で発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2から生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1とモータMG2とにより電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は
充放電されない。モータMG1,MG2は、共にモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、回転位置検出センサ43,44から入力した信号に基づいて図示しない回転数算出ルーチンによりモータMG1,MG2の回転子の回転数Nm1,Nm2を計算している。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
変速機60は、モータMG2の回転軸48とリングギヤ軸32aとの接続および接続の解除を行なうと共に両軸の接続をモータMG2の回転軸48の回転数を2段に減速してリングギヤ軸32aに伝達できるように構成されている。変速機60の構成の一例を図2に示す。この図2に示す変速機60は、ダブルピニオンの遊星歯車機構60aとシングルピニオンの遊星歯車機構60bと二つのブレーキB1,B2とにより構成されている。ダブルピニオンの遊星歯車機構60aは、外歯歯車のサンギヤ61と、このサンギヤ61と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ62と、サンギヤ61に噛合する複数の第1ピニオンギヤ63aと、この第1ピニオンギヤ63aに噛合すると共にリングギヤ62に噛合する複数の第2ピニオンギヤ63bと、複数の第1ピニオンギヤ63aおよび複数の第2ピニオンギヤ63bを連結して自転かつ公転自在に保持するキャリア64とを備えており、サンギヤ61はブレーキB1のオンオフによりその回転を自由にまたは停止できるようになっている。シングルピニオンの遊星歯車機構60bは、外歯歯車のサンギヤ65と、このサンギヤ65と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ66と、サンギヤ65に噛合すると共にリングギヤ66に噛合する複数のピニオンギヤ67と、複数のピニオンギヤ67を自転かつ公転自在に保持するキャリア68とを備えており、サンギヤ65はモータMG2の回転軸48に、キャリア68はリングギヤ軸32aにそれぞれ連結されていると共にリングギヤ66はブレーキB2のオンオフによりその回転を自由にまたは停止できるようになっている。ダブルピニオンの遊星歯車機構60aとシングルピニオンの遊星歯車機構60bとは、リングギヤ62とリングギヤ66、キャリア64とキャリア68とによりそれぞれ連結されている。変速機60は、ブレーキB1,B2を共にオフとすることによりモータMG2の回転軸48をリングギヤ軸32aから切り離すことができ、ブレーキB1をオフとすると共にブレーキB2をオンとしてモータMG2の回転軸48の回転を比較的大きな減速比で減速してリングギヤ軸32aに伝達し(以下、この状態をLoギヤの状態という)、ブレーキB1をオンとすると共にブレーキB2をオフとしてモータMG2の回転軸48の回転を比較的小さな減速比で減速してリングギヤ軸32aに伝達する(以下、この状態をHiギヤの状態という)。ブレーキB1,B2を共にオンとする状態は回転軸48やリングギヤ軸32aの回転を禁止するものとなる。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、図示しないが、バッテリ50の端子間に設置された電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサからの電池温度などが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量に対応したアクセル開度を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。また、ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、変速機60のブレーキB1,B2の図示しないアクチュエータに駆動信号などが出力されている。なお、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、実施例のハイブリッド自動車20の動作、主に変速機60の変速比を変更する際の動作について説明する。図3は、ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば8msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V、シフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,モータECU40からのモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2、バッテリECU52からのバッテリ50の充放電要求パワーPb*,バッテリ50の出力制限Woutなどの制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。充放電要求パワーPb*は、バッテリ50の残容量(SOC)が基準値より大きいときには大きいほど放電用のパワーが大きくなるように、且つ、残容量(SOC)が基準値より小さいときには小さいほど充電用のパワーが大きくなるように予め設定されたマップを用いてバッテリECU52により設定されたものをバッ
テリECU52から通信により入力するものとした。出力制限Woutは、バッテリ50の電池温度や残容量SOCなどに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速VとシフトポジションSPとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*と要求パワーPr*とを設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速VとシフトポジションSPと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速VとシフトポジションSPとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図4に要求トルク設定用マップの一例を示す。図示するように、要求トルクTr*は、アクセル開度Accが0%のときには、D(ドライブ)レンジよりもB(ブレーキ)レンジの方が小さくなり、且つ、Bレンジの段数(B1,B2,B3)が小さくなるほど小さくなるよう設定するものとした。要求パワーPr*は、設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じて計算するものとした。ここで、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じることにより求めることができる。
要求トルクTr*と要求パワーPr*とを設定すると、要求パワーPr*と充放電要求パワーPb*とロスLossとを合算することによりエンジン22から出力すべきエンジン要求パワーPe*を計算し(ステップS120)、このエンジン要求パワーPe*に基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS130)。この設定は、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインとエンジン要求パワーPe*とに基づいて目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定することにより行なわれる。エンジン22の動作ラインの一例および目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図5に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインとエンジン要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。エンジン要求パワーPe*が負の値のときには、エンジン22からフリクションによる制動パワー(フリクションパワー)を出力するために必要な回転数が目標回転数Ne*として設定され、目標トルクTe*としては値0すなわち燃料カットが設定されることになる。なお、シフトポジションSPがDレンジのときには、エンジン要求パワーPe*が負の値であるときを含めてエンジン22の効率が悪くなるときにエンジン22が停止されるよう目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを共に値0に設定する。
次に、シフトポジションSPがブレーキレンジ(Bレンジ)であるか否かを判定する(ステップS140)。シフトポジションSPがBレンジでない、即ちDレンジやRレンジであると判定されると、目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(=k・V)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいて次式(2)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算する(ステップS150)。ここで、式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図6に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はリングギヤ32(リングギヤ軸32a)の回転数Nrを示す。モータMG1の目標回転数Nm1*は、この共線図における回転数の関係を用いることにより容易に導くことができる。したがって、モータMG1が目標回転数Nm1*で回転するようトルク指令Tm1*を設定してモータMG1を駆動制御することによりエンジン22を目標回転数Ne*で回転させることができる。式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転さ
せるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。なお、図6におけるR軸上の2つの太線矢印は、エンジン22を目標回転数Ne*および目標トルクTe*の運転ポイントで定常運転したときにエンジン22から出力されるトルクTe*がリングギヤ軸32aに伝達されるトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2*が変速機60を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ−Nr/ρ ・・・(1)
Tm1*=前回Tm1*+k1(Nm1*−Nm1)+k2∫(Nm1*−Nm1)dt ・・・(2)
こうしてモータMG1のトルク指令Tm1*を計算すると、リングギヤ軸32aの要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρと変速機60の現在のギヤ比Gr(=Nm2/Nr)とに基づいて次式(3)によりモータMG2から出力すべき仮モータトルクTm2tmpを設定すると共に(ステップS160)、次式(4)によりバッテリ50の出力制限WoutからモータMG1の消費電力(即ち、モータMG2のトルク指令Tm1*に回転数Nm1を乗じて計算される電力)を減じたものをモータMG2の回転数Nm2で割ってモータMG2から出力してもよいトルクの上限としてのトルク上限値Tmaxを設定し(ステップS170)、設定した仮モータトルクTm2tmpとトルク上限値Tmaxのうち小さい方をモータMG2のトルク指令Tm2*として設定する(ステップS180)。
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr ・・・(3)
Tmax=(Wout−Tm1*・Nm1)/Nm2 ・・・(4)
そして、要求トルクTr*と車速Vとに基づいて通常変速線マップを用いて変速機60の変速比の変更が要求されているか否かを判定する(ステップS190)。通常変速線マップの一例を図7に示す。変速比の変更の要求は、変速機60の現在の状態がLoギヤの状態にあるときには要求トルクTr*と車速Vとが図中のLo→Hi線を跨いでHiギヤの領域に移行したときにHiギヤの状態への切替の要求として行なわれ、変速機60の現在の状態からHiギヤの状態にあるときには要求トルクTr*と車速Vとが図中のHi→Lo線を跨いでLoギヤの領域に移行したときにLoギヤの状態への切替の要求として行なわれる。
ステップS140でシフトポジションSPがBレンジであると判定されると、車速VとBレンジの段数(実施例では、3段あるブレーキレンジのポジションB1〜B3のうちのいずれかのシフトポジションSP)とに基づいてエンジン22の下限回転数Neminを設定する(ステップS200)。下限回転数Neminは、実施例では、車速VとBレンジの段数と下限回転数Neminとの関係を予め下限回転数設定用マップとしてROM74に記憶しておき、車速VとBレンジの段数とが与えられるとマップから対応する下限回転数Neminを導出して設定するものとした。この下限回転数設定用マップの一例を図8に示す。図示するように、Bレンジの段数が小さい段ほど且つ車速Vが高いほど高回転数の下限回転数Neminが設定されるようマップを作成した。エンジン22はその回転数が高いほど大きなフリクションパワーを出力しそのフリクションパワーは動力分配統合機構30を介してリングギヤ軸32aに作用するから、車両走行中にアクセルペダル83をオフしたときにBレンジの段数が小さい段ほど且つ車速Vが高いほど大きなエンジンブレーキをリングギヤ軸32aに作用させることができる。
下限回転数Neminを設定すると、この下限回転数NeminとステップS130で設定したエンジン22の目標回転数Ne*とのうち大きい方を新たな目標回転数Ne*として再設定すると共に再設定した目標回転数Ne*でステップS120で設定したエンジ
ン要求パワーPe*を割って新たな目標トルクTe*として再設定(エンジン要求パワーPe*が負の値のときには値0を設定)する(ステップS210)。そして、この再設定した目標回転数Ne*を用いて前述の式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を設定すると共に前述の式(2)によりモータMG2のトルク指令Tm1*を設定し(ステップS220)、設定したトルク指令Tm1*を用いて前述の式(3)によりモータMG2の仮モータトルクTm2tmpを設定すると共に(ステップS230)、前述の式(4)によりモータMG2から出力してもよいトルク上限値Tmaxを設定し(ステップS240)、設定した仮モータトルクTm2tmpとトルク上限値Tmaxとのうち小さい方をモータMG2のトルク指令Tm2*に設定する(ステップS250)。
そして、要求トルクTr*と車速Vとに基づいてHi→Lo線を図7の通常変速線マップよりも低車速側に設定した低車速側変速線マップを用いて変速機60の変速比の変更が要求されているか否かを判定する(ステップS260)。低車速側変速線マップの一例を図9に示す。図示するように、低車速側変速線マップは、そのHi→Lo線を通常時変速線マップのHi→Lo線よりも低車速側に設定すると共にLo→Hi線を通常時変速線マップのHi→Lo線よりも高車速側に設定するものとした。前述したように、シフトポジションSPがBレンジのときには高車速ほど高回転数となるようエンジン22の回転数が調整されるからアクセルオフしたときのエンジン22のモータリングによるモータMG1の消費電力は増加する。一方、変速機60の変速比を変更する際には、モータMG2の回転数を変速比の変更後の回転数に同期させるために消費される電力やブレーキB1,B2をONする際の摩擦により損失するエネルギーを補うために消費される電力などによりモータMG2の消費電力は増加する。このため、Bレンジに操作されている状態で変速比を変更しようとすると、変速比の変更に必要なモータMG2の電力を確保できない場合を生じたり、バッテリ50に過剰な放電が生じる場合がある。実施例では、低車速側変速線マップを通常変速線マップよりも低車速側で変速比を変更するよう設定、即ちエンジン22の回転数が比較的低回転数に調整されているときに変速比を変更するよう設定したから、エンジン22のモータリングによるモータMG1の消費電力を小さくした状態で変速比を変更することができると共にモータMG2の回転数Nm2を変速比の変更後の回転数に同期させるためのモータMG2の消費電力を小さくすることができる。したがって、変速比の変更に必要なモータMG2の電力をより確実に確保することができるのである。また、低車速側変速線マップのLo→Hi線を通常変速線マップのHi→Lo線よりも高車速側に設定しているのは、低車速側変速線マップのLo→Hi線を通常変速線マップのHi→Lo線よりも低車速側に設定すると、要求トルクTr*と車速Vとが低車速側変速線マップのLo→Hi線と通常変速線マップのHi→Lo線とにより囲まれる領域内にあるときにシフトポジションSPをBレンジのONとOFFを短時間のうちに繰り返したときに変速機60のHiギヤの状態とLoギヤの状態との切替が短時間のうちに繰り返されて、運転者に違和感を与えるからである。
こうして通常時変速線マップや低車速側変速線マップを用いて変速比の変更が要求されているか否かを判定した結果(ステップS270)、変速比の変更が要求されているときには、すでに変速比の変更中であるか否か(すでに変速比の変更が開始されたか否か)を判定する(ステップS280)。変速比の変更が要求されていないと判定されたり、すでに変速比の変更が開始されていると判定されたときには、上述の処理で設定したエンジン22の目標回転数Ne*,目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*のうち目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に,トルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS290)、本ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるように燃料噴射制御や点火制御などを行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1
*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
一方、ステップS280でまだ変速比の変更が開始されていないと判定されると、変速比の変更を開始し(ステップS300)、前述のステップS290の処理を行なって本ルーチンを終了する。変速比の変更の開始は、図10に例示する変速比変更処理の実行を開始することにより行なわれる。以下、この変速比変更処理について説明する。
変速比変更処理では、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、まず、変速比の変更の要求がHiギヤの状態からLoギヤの状態への切替の要求であるか否かを判定し(ステップS310)、Hiギヤの状態からLoギヤの状態への切替の要求であると判定されると、モータMG2の現時点の回転数Nm2を用いて次式(5)により変速比の変更後のモータMG2の回転数Nm2*を計算する(ステップS320)。ここで、式(5)中の「Glo」は変速機60がLoギヤの状態にあるときのギヤ比であり、「Ghi」は変速機60がHiギヤの状態にあるときのギヤ比である。
Nm2*=Nm2・Glo/Ghi ・・・(5)
続いて、ブレーキB1をOFFとしてモータMG2の回転軸48を変速機60から切り離し(ステップS330)、要求トルクTr*が値0以下であるか否かを調べ(ステップS340)、要求トルクTr*が値0以下であると判定されたときには図3のステップS160やステップS230で設定されたモータMG2の仮モータトルクTm2tmpに拘わらずトルク調整値Tsetを新たな仮モータトルクTm2tmpに再設定する(ステップS350)。図3の駆動制御ルーチンでは、この再設定された仮モータトルクTm2tmpによりモータMG2のトルク指令Tm2*が設定され、トルク指令Tm2*に見合うトルクがモータMG2から出力されるよう駆動制御されることになる。ここで、トルク調整値Tsetは、変速比の変更後の回転数Nm2*に一致(同期)させるようモータMG2の回転数Nm2を調整するために設定される正の値をもつトルクである。図11に、変速比をHiギヤの状態からLoギヤの状態に切り替える際の変速機60の各回転要素を力学的に説明するための共線図を示す。図中、S1軸はブレーキB1が取り付けられたサンギヤ61の回転数を示し、R軸はリングギヤ62およびブレーキB2が取り付けられたリングギヤ66の回転数を示し、C軸はリングギヤ軸32aが接続されたキャリア64,68を示し、S2軸はモータMG2の回転軸48が取り付けられたサンギヤ65の回転数を示す。図11に示すように、変速比をHiギヤからLoギヤに切り替える際にはモータMG2からトルク調整値Tsetを出力すればモータMG2の回転数Nm2を上昇させることができその回転数Nm2を変速比の変更後の回転数Nm2*に一致(同期)させることができるから変速比の変更をスムーズに行なうことができる。この場合、モータMG2の消費電力は増加するが、前述したように、Hi→Lo線を通常変速線マップよりも低車速側に設定した低車速側変速線マップを用いて変速比を変更するから、モータMG1の消費電力は小さくなっている。また、低車速側すなわちモータMG2の回転数Nm2が比較的小さいときにモータMG2からトルク調整値Tsetを出力するからモータMG2の消費電力の増加分も小さくなる。したがって、変速比の変更に必要な電力をモータMG2が消費しているときでもバッテリ50に過剰な放電は生じない。なお、要求トルクTr*が値0よりも大きいときには、通常、モータMG2からは正のトルクが出力され、これによりモータMG2の回転数Nm2を変速比の変更後の回転数Nm2*に一致(同期)させることができるから、トルク調整値Tsetによるトルク指令Tm2*の再設定は行なわない。
こうしてモータMG2の仮モータトルクTm2tmpを再設定した後やステップS340で要求トルクTr*が値0以下ではないと判定されたときには、モータMG2の回転数
Nm2が変速比の変更後の回転数Nm2*に一致するまで(ステップS360)ステップS340〜S350の処理を繰り返し、モータMG2の回転数Nm2が変速比の変更後の回転数Nm2*に一致したときにブレーキB2をONして(ステップS370)、本ルーチンを終了する。
なお、ステップS310で変速比の変更の要求がHiギヤの状態からLoギヤの状態への切替の要求ではないと判定されたときには、モータMG2の現時点の回転数Nm2を用いて次式(6)により変速比の変更後のモータMG2の回転数Nm2*を計算し(ステップS380)、ブレーキB2をOFFとすると共に(ステップS390)、ブレーキB1をフリクション係合して(ステップS400)、モータMG2の回転数Nm2*が変速比の変更後の回転数Nm2*に一致するまで待ち(ステップS410)、モータMG2の回転数Nm2*が変速比の変更後の回転数Nm2*に一致したときに、ブレーキB1を完全にONして(ステップS420)、本ルーチンを終了する。
Nm2*=Nm2・Ghi/Ghi ・・・(6)
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、シフトレバー81がBレンジに操作されたときに高車速ほどエンジン22の回転数が高回転数に調整されるようモータMG1でエンジン22をモータリングすると共に他のレンジ(DレンジやRレンジ)に操作されたときよりも低車速側で変速比が変更(Hiギヤの状態からLoギヤの状態に切替)されるよう変速線マップ(低車速側変速線マップ)を設定してこの変速線マップを用いて変速機60の変速比を変更するから、エンジン22のモータリングによりアクセルペダル83がオフされたときのエンジンブレーキを確保しながら、変速機60の変速比を変更する際にはモータリングによるモータMG1の電力消費を小さくしておくことができると共にモータMG2の回転数を変速比の変更後の回転数に同期させるためのモータMG2の消費電力を小さくすることができる。したがって、変速比の変更に必要なモータMG2の電力を確保できるから、変速ショックを抑制できる。この結果、変速比の変更を適正に行なうことができる。もとより、バッテリ50に過剰な放電が生じるのを防止することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、低車速側変速線マップのLo→Hi線を通常変速線マップのHi→Lo線よりも高車速側に設定するものとしたが、低車速側変速線マップのLo→Hi線と通常変速線マップのHi→Lo線とを一致させるものとしてもよいし、低車速側変速線マップのLo→Hi線を通常変速線マップのHi→Lo線よりも低車速側に設定するものとしてもよい。これにより、モータMG1の消費電力がより小さい状態で変速段をLoギヤからHiギヤに切り替えることができるから、変速段をLoギヤからHiギヤに切り替える際にブレーキB1のフリクション係合で消費するエネルギの損失分を上乗せしてモータMG2を駆動制御する場合にはそのモータMG2の駆動に必要な電力をより確実に確保することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、シフトレバー81がBレンジにシフト操作されたときにBレンジの段数に拘わらず図9の低車速側変速線マップを用いて変速比の変更が要求されているか否かを判定するものとしたが、通常変速線マップよりも低車速側で変速比を変更する複数の低車速側変速線マップを予め作成しておき、シフトレバー81がBレンジに操作されたときにその段数に基づいて複数の低車速側変速線マップのうちから一つを選択してこの選択したマップを用いて変速比の変更が要求されているか否かを判定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、Bレンジの段数を3段としたが、2段であってもよいし、4段以上の如何なる段数であってもよい。この場合、Bレンジの段数に応じた
下限回転数Neminを定めればよい。勿論、Bレンジを一段として複数段としないものとしても構わない。
実施例のハイブリッド自動車20では、シフトレバー81がBレンジにシフト操作されたときに通常変速線マップに代えてこの通常変速線マップよりも低車速側で変速機60の変速比を変更する低車速側変速線マップを用いるものとしたが、シフトレバー81のBレンジへのシフト操作に限られず、高車速ほど高回転数となる傾向にモータMG1でエンジン22をモータリングしてその回転数を調整する如何なる条件が成立したときにも通常変速線マップに代えて低車速側変速線マップを用いるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、変速機60をLoギヤとHiギヤとを切替可能な2段の変速段をもつ変速機として構成したが、3段以上の変速段をもつ変速機として構成するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を変速機60により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図12の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力を変速機60により変速してリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪39a,39bが接続された車軸)とは異なる車軸(図12における駆動輪39c,39dに接続された車軸)に出力するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪39a,39bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図13の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪39a,39bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明の一実施形態としての動力出力装置を搭載するハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 変速機60の構成の概略を示す構成図である。 ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインの一例および目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を示す説明図である。 動力分配統合機構30の各回転要素の回転数とトルクを力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 通常変速線マップの一例を示す説明図である。 下限回転数設定用マップの一例を示す説明図である。 低車速側変速線マップの一例を示す説明図である。 ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される変速比変更処理の一例を示すフローチャートである。 変速比をHiギヤの状態からLoギヤの状態に切り替える際の変速機60の各回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、37 ギヤ機構、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b,39c,39d 駆動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、48 回転軸、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 変速機、60a ダブルピニオンの遊星歯車機構、60b シングルピニオンの遊星歯車機構、61 サンギヤ、62 リングギヤ、63a 第1ピニオンギヤ、63b 第2ピニオンギヤ、64キャリア、65 サンギヤ、66 リングギヤ、67 ピニオンギヤ、68 キャリア、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ、234 アウターロータ、MG1,MG2 モータ、B1,B2 ブレーキ。

Claims (11)

  1. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    内燃機関と、
    該内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され、電力と動力の入出力により該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力可能な電力動力入出力手段と、
    動力を入出力可能な電動機と、
    前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段と、
    変更可能な変速比をもって前記電動機の回転軸と前記駆動軸との動力の伝達を行なう変速伝達手段と、
    通常時には、前記駆動軸の回転数と前記変速伝達手段における変速比との関係として第1の関係を設定し、前記駆動軸の回転数が高いほど高回転数となる傾向に前記電力動力入出力手段により前記内燃機関をモータリングする所定の条件が成立している時には、前記第1の関係よりも低回転数側の前記駆動軸の回転数をもって前記変速比を変更するよう定めた第2の関係を設定する変速関係設定手段と、
    前記駆動軸の回転数を検出する回転数検出手段と、
    該検出された駆動軸の回転数と前記変速関係設定手段により設定された関係とにより前記変速比を変更すべき判定がなされたとき、該判定された変速比に変更されるよう前記変速伝達手段を駆動制御する変速制御手段と
    を備え
    前記変速制御手段は、前記電動機から駆動力が出力されていない状態にあるときに前記変速比を減速側に変更すべき判定がなされたときには該電動機の回転数が該判定された変速比に変更した後の回転数に一致する方向に駆動されるよう該電動機を駆動制御しながら該判定された変速比に変更されるよう前記変速伝達手段を駆動制御する手段である
    動力出力装置。
  2. 前記所定の条件は、操作者の操作を伴って成立する条件である請求項1記載の動力出力装置。
  3. 前記第2の関係は、該第2の関係において前記変速比を増速側に変更する前記駆動軸の回転数が前記第1の関係において前記変速比を減速側に変更する前記駆動軸の回転数以上となるよう定めてなる請求項1または2記載の動力出力装置。
  4. 前記変速伝達手段は、少なくとも2段の変速段をもって前記動力の伝達を行なう手段である請求項1ないしいずれか1項に記載の動力出力装置。
  5. 前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と第3の回転軸の3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力が決定されると残余の1軸に入出力される動力が決定される3軸式動力入出力手段と、前記第3の回転軸に動力を入出力可能な発電機とを備える手段である請求項1ないしいずれか1項に記載の動力出力装置。
  6. 前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸に接続された第1の回転子と前記駆動軸に接続された第2の回転子とを有し、該第1の回転子と該第2の回転子による電磁的な作用により電力と動力の入出力により前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記駆動軸に出力する対回転子電動機を備える手段である請求項1ないしいずれか1項に記載の動力出力装置。
  7. 請求項1ないしいずれか1項に記載の動力出力装置を搭載し、前記駆動軸が車軸に機械的に接続されて走行する自動車。
  8. 前記所定の条件は、操作者によりブレーキレンジにシフト操作されたときに成立する条件である請求項記載の自動車。
  9. 請求項7または8記載の自動車であって、
    前記変速関係設定手段は、車速と前記変速伝達手段における変速比との関係を設定する手段であり、
    前記回転数検出手段は、前記駆動軸の回転数に代えて車速を検出する手段であり、
    前記変速制御手段は、前記検出された車速と前記変速関係設定手段により設定された関係とにより前記変速比を変更すべき判定がなされたとき、該判定された変速比に変更されるよう前記変速伝達手段を駆動制御する手段である
    自動車。
  10. 内燃機関に接続されると共に駆動軸に接続された駆動装置であって、
    前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され、電力と動力の入出力により該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力可能な電力動力入出力手段と、
    動力を入出力可能な電動機と、
    前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段と、
    変更可能な変速比をもって前記電動機の回転軸と前記駆動軸との動力の伝達を行なう変速伝達手段と、
    通常時には、前記駆動軸の回転数と前記変速伝達手段における変速比との関係として第1の関係を設定し、前記駆動軸の回転数が高いほど高回転数となる傾向に前記電力動力入出力手段により前記内燃機関をモータリングする所定の条件が成立している時には、前記第1の関係よりも低回転数側の前記駆動軸の回転数をもって前記変速比を変更するよう定めた第2の関係を設定する変速関係設定手段と、
    前記駆動軸の回転数を検出する回転数検出手段と、
    該検出された駆動軸の回転数と前記変速関係設定手段により設定された関係とにより前記変速比を変更すべき判定がなされたとき、該判定された変速比に変更されるよう前記変速伝達手段を駆動制御する変速制御手段と
    を備え
    前記変速制御手段は、前記電動機から駆動力が出力されていない状態にあるときに前記変速比を減速側に変更すべき判定がなされたときには該電動機の回転数が該判定された変速比に変更した後の回転数に一致する方向に駆動されるよう該電動機を駆動制御しながら該判定された変速比に変更されるよう前記変速伝達手段を駆動制御する手段である
    駆動装置。
  11. 内燃機関と、該内燃機関の出力軸と駆動軸とに接続され電力と動力の入出力により該内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記駆動軸に出力可能な電力動力入出力手段と、動力を入出力可能な電動機と、前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段と、変更可能な変速比をもって前記電動機の回転軸と前記駆動軸との動力の伝達を行なう変速伝達手段とを備える動力出力装置の制御方法であって、
    (a)通常時には、前記駆動軸の回転数と前記変速伝達手段における変速比との関係として第1の関係を設定し、前記駆動軸の回転数が高いほど高回転数となる傾向に前記電力動力入出力手段により前記内燃機関をモータリングする所定の条件が成立している時には、前記第1の関係よりも低回転数側の前記駆動軸の回転数をもって前記変速比を変更するよう定めた第2の関係を設定し、
    (b)前記駆動軸の回転数を検出し、
    (c)該検出された駆動軸の回転数と前記関係設定手段により設定された関係とにより前記変速比を変更すべき判定がなされたとき、該判定された変速比に変更されるよう前記変速伝達手段を駆動制御し、
    前記ステップ(c)は、前記電動機から駆動力が出力されていない状態にあるときに前記変速比を減速側に変更すべき判定がなされたときには該電動機の回転数が該判定された変速比に変更した後の回転数に一致する方向に駆動されるよう該電動機を駆動制御しながら該判定された変速比に変更されるよう前記変速伝達手段を駆動制御するステップである
    動力出力装置の制御方法。
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