JP2009280012A - 車両およびその制御方法並びに駆動装置 - Google Patents

車両およびその制御方法並びに駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】路面勾配の推定値である推定路面勾配をより適正に設定する。
【解決手段】二つのモータのトルク指令Tm1*,Tm2*と、モータにおける効率ηm2と変速機における効率ηchとの積としてのモータ駆動軸間効率ηtmと、エンジンから遊星歯車機構を介して駆動軸にトルクを出力する際の直達効率ηteと、駆動軸駆動輪間効率ηaxと、を用いて推定加速度αestを演算し(S310〜S340)、演算した加速度αestと加速度α(車速の単位時間あたりの変化量)とを用いて推定路面勾配θestを演算する(S350)。これにより、推定路面勾配θestをより適正に演算することができる。そして、推定路面勾配θestを用いてバッテリの入出力制限の範囲内で駆動軸に要求される要求トルクにより走行するようエンジンと二つのモータと変速機とを制御する。これにより、推定路面勾配θestを用いた制御をより適正に行なうことができる。
【選択図】図9

Description

本発明は、車両およびその制御方法並びに駆動装置に関する。
従来、この種の車両としては、エンジンと、ジェネレータと、エンジンとジェネレータと駆動輪とに接続された動力分割機構と、動力分割機構の駆動輪側に接続されたモータと、を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この車両では、Gセンサからの車両の加速度と車輪速センサからの駆動輪の回転数の微分値との差に基づいて推定勾配を算出すると共に算出した推定勾配に応じてクリープトルクを増加させることにより、車両の後方側へのずり下がりを抑制している。
特開2007−185070号公報
こうしたハイブリッド車では、推定勾配を用いてエンジンやジェネレータ,モータを制御する際に、これらの制御に用いる推定勾配をより適正に算出することが課題の一つとされている。このため、上述の手法とは異なる手法により推定勾配を算出することも望まれている。
本発明の車両およびその制御方法並びに駆動装置は、路面勾配の推定値である推定路面勾配をより適正に設定することを主目的とする。
本発明の車両およびその制御方法並びに駆動装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の車両は、
内燃機関と、駆動輪に連結された駆動軸に接続されると共に該駆動軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され電力と動力の入出力を伴って前記駆動軸と前記出力軸とに動力を入出力可能な電力動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、を備える車両であって、
車両の加速度を検出する加速度検出手段と、
前記蓄電手段の状態に基づいて該蓄電手段を充放電する際の最大許容電力としての入出力制限を設定する入出力制限設定手段と、
走行に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記電力動力入出力手段および前記電動機の駆動状態と前記内燃機関および/または前記電動機から前記駆動輪に駆動力を出力する際における効率である出力効率とに基づいて演算される車両の加速度の推定値である推定加速度と、前記検出された加速度と、に基づいて路面勾配の推定値である推定路面勾配を設定する推定路面勾配設定手段と、
前記設定された推定路面勾配を用いて前記設定された入出力制限の範囲内で前記設定された要求駆動力により走行するよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の車両では、電力動力入出力手段や電動機の駆動状態と内燃機関や電動機から駆動輪に駆動力を出力する際における効率である出力効率とに基づいて演算される車両の加速度の推定値である推定加速度と、車両の加速度と、に基づいて路面勾配の推定値である推定路面勾配を設定する。これにより、出力効率を考慮せずに推定路面勾配を設定するものに比して推定路面勾配をより適正に設定することができる。そして、設定した推定路面勾配を用いて、蓄電手段の状態に基づく蓄電手段を充放電する際の最大許容電力としての入出力制限の範囲内で走行に要求される要求駆動力により走行するよう内燃機関と電力動力入出力手段と電動機とを制御する。これにより、より適正に設定した推定路面勾配を用いて入出力制限の範囲内で要求駆動力により走行することできる。
こうした本発明の車両において、前記推定路面勾配設定手段は、前記出力効率として、前記内燃機関から前記電力動力入出力手段を介して前記駆動軸に駆動力を出力する際における効率と、前記電動機から前記駆動軸に駆動力を出力する際における効率と、前記駆動軸から前記駆動輪に動力を伝達する際における効率と、を考慮して前記推定加速度を演算する手段であるものとすることもできる。この態様の本発明の車両において、前記電動機の回転軸と前記駆動軸との間で変速段の変更を伴って変速して動力を伝達する変速手段を備え、前記推定路面勾配設定手段は、前記電動機から前記駆動軸に駆動力を出力する際における効率として前記電動機の効率および前記変速手段の効率を考慮して前記推定加速度を演算する手段であり、前記制御手段は、前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機と前記変速手段とを制御する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、変速手段を備えるものにおいて、推定路面勾配をより適正に設定することができる。
また、本発明の車両において、前記推定路面勾配設定手段は、前記電力動力入出力手段および前記電動機の駆動状態と前記出力効率とに基づいて前記駆動輪に出力される駆動力である出力駆動力を演算し、該演算した出力駆動力に基づいて前記推定加速度を演算する手段であるものとすることもできる。
さらに、本発明の車両において、前記推定路面勾配設定手段は、前記電力動力入出力手段および前記電動機の回転数変化を考慮して前記推定加速度を演算する手段であるものとすることもできる。こうすれば、推定路面勾配をより適正に設定することができる。
あるいは、本発明の車両において、前記制御手段は、走行環境に関する走行環境条件が成立しているときに、前記設定された推定路面勾配を用いて前記設定された入出力制限の範囲内で前記設定された要求駆動力により走行するよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する手段であるものとすることもできる。
加えて、本発明の車両において、前記電力動力入出力手段は、動力を入出力する発電機と、前記駆動軸と前記出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、を備える手段であるものとすることもできる。
本発明の駆動装置は、
内燃機関および蓄電手段と共に車両に搭載され、駆動輪に連結された駆動軸に接続されると共に該駆動軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され前記蓄電手段と電力のやりとりが可能で電力と動力の入出力を伴って前記駆動軸と前記出力軸とに動力を入出力可能な電力動力入出力手段と、前記蓄電手段と電力のやりとりが可能で前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、を備える駆動装置であって、
前記蓄電手段の状態に基づいて該蓄電手段を充放電する際の最大許容電力としての入出力制限を設定する入出力制限設定手段と、
走行に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記電力動力入出力手段および前記電動機の駆動状態と前記内燃機関および/または前記電動機から前記駆動輪に駆動力を出力する際における効率である出力効率とに基づいて演算される車両の加速度の推定値である推定加速度と、車両の加速度と、に基づいて路面勾配の推定値である推定路面勾配を設定する推定路面勾配設定手段と、
前記設定された推定路面勾配を用いて前記設定された入出力制限の範囲内で前記設定された要求駆動力により走行するよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の駆動装置では、電力動力入出力手段や電動機の駆動状態と内燃機関や電動機から駆動輪に駆動力を出力する際における効率である出力効率とに基づいて演算される車両の加速度の推定値である推定加速度と、車両の加速度と、に基づいて路面勾配の推定値である推定路面勾配を設定する。これにより、出力効率を考慮せずに推定路面勾配を設定するものに比して推定路面勾配をより適正に設定することができる。そして、設定した推定路面勾配を用いて、蓄電手段の状態に基づく蓄電手段を充放電する際の最大許容電力としての入出力制限の範囲内で走行に要求される要求駆動力により走行するよう内燃機関と電力動力入出力手段と電動機とを制御する。これにより、より適正に設定した推定路面勾配を用いて入出力制限の範囲内で要求駆動力により走行することできる。
本発明の車両の制御方法は、
内燃機関と、駆動輪に連結された駆動軸に接続されると共に該駆動軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され電力と動力の入出力を伴って前記駆動軸と前記出力軸とに動力を入出力可能な電力動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、を備える車両の制御方法であって、
(a)前記電力動力入出力手段および前記電動機の駆動状態と前記内燃機関および/または前記電動機から前記駆動輪に駆動力を出力する際における効率である出力効率とに基づいて演算される車両の加速度の推定値である推定加速度と、車両の加速度と、に基づいて路面勾配の推定値である推定路面勾配を設定し、
(b)前記設定した推定路面勾配を用いて前記蓄電手段の状態に基づく該蓄電手段を充放電する際の最大許容電力としての入出力制限の範囲内で走行に要求される要求駆動力により走行するよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する、
ことを特徴とする。
この本発明の車両の制御方法では、電力動力入出力手段や電動機の駆動状態と内燃機関や電動機から駆動輪に駆動力を出力する際における効率である出力効率とに基づいて演算される車両の加速度の推定値である推定加速度と、車両の加速度と、に基づいて路面勾配の推定値である推定路面勾配を設定する。これにより、出力効率を考慮せずに推定路面勾配を設定するものに比して推定路面勾配をより適正に設定することができる。そして、設定した推定路面勾配を用いて、蓄電手段の状態に基づく蓄電手段を充放電する際の最大許容電力としての入出力制限の範囲内で走行に要求される要求駆動力により走行するよう内燃機関と電力動力入出力手段と電動機とを制御する。これにより、より適正に設定した推定路面勾配を用いて入出力制限の範囲内で要求駆動力により走行することできる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、変速機60を介して動力分配統合機構30に接続されたモータMG2と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、例えばガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24には、エンジン22の運転状態を検出する各種センサからの信号、例えば、エンジン22のクランクシャフト26のクランク角を検出する図示しないクランクポジションセンサからのクランクポジションなどが入力されている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、エンジンECU24は、図示しないクランクポジションセンサからのクランクポジションに基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32には変速機60を介してモータMG2がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32に出力する。リングギヤ32は、ギヤ機構37およびデファレンシャルギヤ38を介して車両前輪の駆動輪39a,39bに機械的に接続されている。したがって、リングギヤ32に出力された動力は、ギヤ機構37およびデファレンシャルギヤ38を介して駆動輪39a,39bに出力されることになる。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2も演算している。
変速機60は、モータMG2の回転軸48とリングギヤ軸32aとの接続および接続の解除を行なうと共に両軸の接続をモータMG2の回転軸48の回転数を2段に減速してリングギヤ軸32aに伝達するよう構成されている。変速機60の構成の一例を図2に示す。この図3に示す変速機60は、ダブルピニオンの遊星歯車機構60aとシングルピニオンの遊星歯車機構60bと二つのブレーキB1,B2とにより構成されている。ダブルピニオンの遊星歯車機構60aは、外歯歯車のサンギヤ61と、このサンギヤ61と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ62と、サンギヤ61に噛合する複数の第1ピニオンギヤ63aと、この第1ピニオンギヤ63aに噛合すると共にリングギヤ62に噛合する複数の第2ピニオンギヤ63bと、複数の第1ピニオンギヤ63aおよび複数の第2ピニオンギヤ63bを連結して自転かつ公転自在に保持するキャリア64とを備えており、サンギヤ61はブレーキB1のオンオフによりその回転を自由にまたは停止できるようになっている。シングルピニオンの遊星歯車機構60bは、外歯歯車のサンギヤ65と、このサンギヤ65と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ66と、サンギヤ65に噛合すると共にリングギヤ66に噛合する複数のピニオンギヤ67と、複数のピニオンギヤ67を自転かつ公転自在に保持するキャリア68とを備えており、サンギヤ65はモータMG2の回転軸48に、キャリア68はリングギヤ軸32aにそれぞれ連結されていると共にリングギヤ66はブレーキB2のオンオフによりその回転が自由にまたは停止できるようになっている。ダブルピニオンの遊星歯車機構60aとシングルピニオンの遊星歯車機構60bとは、リングギヤ62とリングギヤ66、キャリア64とキャリア68とによりそれぞれ連結されている。変速機60は、ブレーキB1,B2を共にオフとすることによりモータMG2の回転軸48をリングギヤ軸32aから切り離すことができ、ブレーキB1をオフとすると共にブレーキB2をオンとしてモータMG2の回転軸48の回転を比較的大きな減速比で減速してリングギヤ軸32aに伝達し(以下、この状態をLoギヤの状態という)、ブレーキB1をオンとすると共にブレーキB2をオフ状態としてモータMG2の回転軸48の回転を比較的小さな減速比で減速してリングギヤ軸32aに伝達する(以下、この状態をHiギヤの状態という)。なお、ブレーキB1,B2を共にオンとする状態は回転軸48やリングギヤ軸32aの回転を禁止するものとなる。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)を演算したり、演算した残容量(SOC)と電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算している。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の残容量(SOC)に基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。また、ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、変速機60のブレーキB1,B2の図示しないアクチュエータへの駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。なお、実施例のハイブリッド自動車20では、シフトポジションセンサ82により検出するシフトポジションSPとしては、駐車ポジション(Pポジション)や中立ポジション(Nポジション),ドライブポジション(Dポジション),リバースポジション(Rポジション)などがある。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
また、実施例のハイブリッド自動車20では、坂路(登坂路または降坂路)やカーブ路を走行するときなど走行環境に関する走行環境条件が成立しているときには、トルク変換運転モードや充放電運転モード,モータ運転モード(以下、まとめて通常運転モードという)に比してより走行環境を考慮した走行環境反映運転モードで走行する。例えば、アクセルオフの状態で降坂路を走行するときに、燃料噴射を停止したエンジン22を路面勾配などに基づく回転数でモータMG1によりモータリングすることによるリングギヤ軸32aへの制動トルク(以下、エンジンブレーキと称することがある)とモータMG2からリングギヤ軸32aへの制動トルクとにより通常運転モードに比して大きな制動力が車両に作用するようにエンジン22とモータMG1とモータMG2とを運転制御したり、登坂路やカーブ路を走行するときに、路面勾配などに基づく下限回転数以上の回転数でのエンジン22の運転を伴ってアクセル開度Accと車速Vとに基づく要求トルクに対応する要求動力が駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるようにエンジン22とモータMG1とモータMG2とを運転制御したりする。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に路面勾配を用いて走行環境反映運転モードで走行する際の動作について説明する。図3はハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、走行環境条件が成立しているときに所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の入出力制限Win,Wout,路面勾配の推定値である推定路面勾配θestなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されたモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、バッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。さらに、推定路面勾配θestは、後述の推定路面勾配設定処理ルーチンにより設定されてRAM76の所定アドレスに書き込まれたものを読み込むことにより入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪39a,39bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*とエンジン22に要求される要求パワーPe*とを設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図4に要求トルク設定用マップの一例を示す。要求パワーPe*は、設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*とロスLossとの和として計算することができる。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じること(Nr=k・V)によって求めたり、モータMG2の回転数Nm2を変速機60のギヤ比Gr(Loギヤの状態のときにはギヤ比Glo,Hiギヤの状態のときにはギヤ比Ghi)で割ること(Nr=Nm2/Gr)によって求めることができる。
続いて、設定した要求パワーPe*に基づいてエンジン22を運転すべき仮の運転ポイントとしての仮回転数Netmpと仮トルクTetmpとを設定する(ステップS120)。この設定は、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインと要求パワーPe*とに基づいて行なわれる。エンジン22の動作ラインの一例と仮回転数Netmpと仮トルクTetmpとを設定する様子を図5に示す。図示するように、仮回転数Netmpと仮トルクTetmpは、動作ラインと要求パワーPe*(Netmp×Tetmp)が一定の曲線との交点により求めることができる。
そして、車速Vと推定路面勾配θestとに基づいてエンジン22の下限回転数Neminを設定し(ステップS130)、エンジン22の仮回転数Netmpと下限回転数Neminとのうち大きい方をエンジン22の目標回転数Ne*に設定すると共に要求パワーPe*を目標回転数Ne*で除することによりエンジン22の目標トルクTe*を設定する(ステップS140)。ここで、エンジン22の下限回転数Neminは、実施例では、車速Vと推定路面勾配θestとエンジン22の下限回転数Neminとの関係を予め定めて下限回転数設定用マップとしてROM74に記憶しておき、車速Vと推定路面勾配θestとが与えられると記憶したマップから対応する下限回転数Neminを導出して設定するものとした。下限回転数設定用マップの一例を図6に示す。図6の例では、エンジン22の下限回転数Neminは、車速Vが大きいほど且つ推定路面勾配θestの絶対値が大きいほど大きくなる傾向に設定するものとした。これは、アクセルオフの状態で降坂路を走行する際に勾配が大きいほど大きくなる傾向のエンジンブレーキを車両に作用させるためなどの理由による。
次に、エンジン22の目標回転数Ne*とモータMG2の回転数Nm2と動力分配統合機構30のギヤ比ρと変速機60のギヤ比Grとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と入力したモータMG1の回転数Nm1とエンジン22の目標トルクTe*と動力分配統合機構30のギヤ比ρとに基づいて式(2)によりモータMG1から出力すべきトルクの仮の値である仮トルクTm1tmpを計算する(ステップS150)。ここで、式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。エンジン22からパワーを出力している状態で走行しているときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を図7に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2を変速機60のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。なお、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1から出力されたトルクTm1がリングギヤ軸32aに作用するトルク(エンジン22から出力されて動力分配統合機構30を介してリングギヤ軸32aに作用するトルク)と、モータMG2から出力されるトルクTm2が変速機60を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。式(1)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。また、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ−Nm2/(Gr・ρ) (1)
Tm1tmp=−ρ・Te*/(1+ρ)+k1・(Nm1*−Nm1)+k2・∫(Nm1*−Nm1)dt (2)
続いて、式(3)および式(4)を共に満たすモータMG1から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm1min,Tm1maxを設定し(ステップS160)、設定した仮トルクTm1tmpを式(5)によりトルク制限Tm1min,Tm1maxで制限してモータMG1のトルク指令Tm1*を設定する(ステップS170)。ここで、式(3)はモータMG1やモータMG2によりリングギヤ軸32aに出力されるトルクの総和が値0から要求トルクTr*までの範囲内となる関係であり、式(4)はモータMG1とモータMG2とにより入出力される電力の総和が入出力制限Win,Woutの範囲内となる関係である。トルク制限Tm1min,Tm1maxの一例を図8に示す。トルク制限Tm1min,Tm1maxは、図中斜線で示した領域内のトルク指令Tm1*の最大値と最小値として求めることができる。
0≦−Tm1/ρ+Tm2・Gr≦Tr* (3)
Win≦Tm1・Nm1+Tm2・Nm2≦Wout (4)
Tm1*=max(min(Tm1tmp,Tm1max),Tm1min) (5)
そして、要求トルクTr*に設定したトルク指令Tm1*を動力分配統合機構30のギヤ比ρで除したものを加えて更に変速機60のギヤ比Grで除してモータMG2から出力すべきトルクの仮の値である仮トルクTm2tmpを次式(6)により計算すると共に(ステップS180)、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと設定したトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm2min,Tm2maxを次式(7)および式(8)により計算すると共に(ステップS190)、設定した仮トルクTm2tmpを式(9)によりトルク制限Tm2min,Tm2maxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS200)。ここで、式(6)は、図7の共線図から容易に導くことができる。
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (6)
Tm2min=(Win−Tm1*・Nm1)/Nm2 (7)
Tm2max=(Wout−Tm1*・Nm1)/Nm2 (8)
Tm2*=max(min(Tm2tmp,Tm2max),Tm2min) (9)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信し(ステップS210)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。こうした制御により、走行環境条件が成立しているときに、推定路面勾配θestに基づく下限回転数Nemin以上の回転数でエンジン22を効率よく運転してバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*を駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力して走行することができる。
以上、駆動制御について説明した。次に、この駆動制御で用いられる推定路面勾配θestの設定について説明する。図9は、ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される推定路面勾配設定処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、図3の駆動制御ルーチンと並行して、所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される。
推定路面勾配設定処理ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*やモータMG1,MG2の回転角加速度dωm1,dωm2,車両の加速度α,変速機60がLoギヤの状態のときに値0が設定されHiギヤの状態のときに値1が設定される変速機状態フラグFなどのデータを入力する処理を実行する(ステップS300)。ここで、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*は、図3の駆動制御ルーチンにより設定されてRAM76の所定アドレスに書き込まれたものを読み込むことにより入力するものとした。また、モータMG1,MG2の回転角加速度dωm1,dωm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されたモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。さらに、加速度αは、車速センサ88からの車速Vに基づいて演算されてRAM76の所定アドレスに書き込まれた車速Vの単位時間あたりの変化量を読み込むことにより入力するものとした。したがって、この加速度αには、路面勾配が反映されている。変速機状態フラグFは、状態判定ルーチンにより判定されてRAM76の所定アドレスに書き込まれたものを読み込むことにより入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力した変速機状態フラグFに基づいて変速機60における効率ηchを設定すると共に設定した変速機60における効率ηchをモータMG2における効率ηm2に乗じることにより、モータMG2からリングギヤ軸32aにトルクを出力する際における効率(以下、モータ駆動軸間効率という)ηtmを設定する(ステップS310)。ここで、変速機60における効率ηchは、変速機状態フラグF(変速機60のギヤの状態)や、モータMG2の回転数Nm2,リングギヤ軸32aの回転数Nr,動力分配統合機構30や変速機60の機械部分を潤滑すると共に冷却する潤滑オイルの温度などに基づいて予め実験などにより定められた値を用いることができる。また、モータMG2における効率ηm2は、モータMG2の回転数Nm2や、モータMG2の潤滑オイルの温度などに基づいて予め実験などにより定められた値を用いることができる。
続いて、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*と変速機60のギヤ比GrとモータMG1,MG2の回転角加速度dωm1,dωm2とエンジン22から動力分配統合機構30を介してリングギヤ軸32aにトルクを出力する際における効率(モータMG1から出力されたトルクがリングギヤ軸32aに作用する際の効率、以下、直達効率という)ηteとモータ駆動軸間効率ηtmとモータMG1側の慣性モーメントIgとモータMG2側の慣性モーメントImとに基づいて次式(10)によりリングギヤ軸32aに出力される出力トルクTrを演算し(ステップ320)、出力トルクTrを走行用の駆動力に換算するための換算係数kdとリングギヤ軸32aより駆動輪39a,39b側における効率(以下、駆動軸駆動輪間効率という)ηaxとを出力トルクTrに乗じることにより走行用駆動力Fdを演算する(ステップS330)。ここで、直達効率ηteは、エンジン22の潤滑オイルの温度や動力分配統合機構30の潤滑オイルの温度などに基づいて予め実験などにより定められた値を用いることができる。また、式(10)中、「Im・dωm2・Gr」は、モータMG2の回転数変化に基づいてリングギヤ軸32aに作用するトルクを示し、「Ig・dωm1」は、モータMG1の回転数変化に基づいてサンギヤ31に作用するトルクを示す。さらに、駆動軸駆動輪間効率ηaxは、車両の仕様に基づいて予め実験などにより定められた値を用いることができる。このように走行用駆動力Fdを演算することにより、走行用駆動力Fdをより適正に演算することができる。
Tr=(Tm2*・Gr−Im・dωm2・Gr)・ηtm −(Tm1*−Ig・dωm1)・ηte/ρ (10)
そして、演算した走行用駆動力Fdに走行抵抗Rdを加えたものを車両の質量mで除することにより平坦路を走行すると仮定した際における車両の加速度の推定値である推定加速度αestを演算し(ステップS340)、演算した推定加速度αestと加速度αと重力加速度gとに基づいて次式(11)により推定路面勾配θestを演算して(ステップS350)、推定路面勾配設定処理ルーチンを終了する。ここで、走行抵抗Rdは、車速Vなどに基づいて予め実験などにより定められた値を用いることができる。また、車両の質量mは、1名乗車時の総質量や、予め定められた軽積載時の総質量などを用いることができる。前述したように、加速度α(車速Vの単位時間あたりの変化量)には、路面勾配が反映されているから、式(11)により、推定路面勾配θestを演算することができる。このようにモータ駆動軸間効率ηtmや直達効率ηte,駆動軸駆動輪間効率ηaxを考慮して推定路面勾配θestを演算することにより、推定路面勾配θestをより適正に演算することができ、この推定路面勾配θestを用いた制御をより適正に行なうことができる。
θest=arcsin((α-αest)/g) (11)
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*と、モータMG2における効率ηm2と変速機60における効率ηchとの積としてのモータ駆動軸間効率ηtmと、直達効率ηteと、駆動軸駆動輪間効率ηaxと、を用いて推定加速度αestを演算すると共に演算した推定加速度αestと加速度α(車速Vの単位時間あたりの変化量)とを用いて路面勾配の推定値である推定路面勾配θestを演算するから、推定路面勾配θestをより適正に演算することができる。そして、走行環境条件が成立しているときには、推定路面勾配θestに基づく下限回転数Nemin以上の回転数でエンジン22が運転されると共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*により走行するようエンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*やモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定してエンジン22やモータMG1,MG2を制御するから、推定路面勾配θestを用いた制御をより適正に行ないながら走行することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2における効率ηm2と変速機60における効率ηchとの積としてのモータ駆動軸間効率ηtmを用いるものとしたが、変速機60のギヤの状態(Loギヤの状態、Hiギヤの状態)毎に予め実験などにより定められたモータ駆動軸間効率ηtmを用いるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*とモータ駆動軸間効率ηtmと直達効率ηteと駆動軸駆動輪間効率ηaxとを用いてを用いて推定加速度αestを演算するものとしたが、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*と、エンジン22から動力分配統合機構30,リングギヤ軸32aを介して駆動輪39a,39bに駆動力を出力する際における効率やモータMG2から変速機60,リングギヤ軸32aを介して駆動輪39a,39bに駆動力を出力する際における効率と、を用いて推定加速度αestを演算するものであればよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG1,MG2の回転数変化に基づいてサンギヤ31やリングギヤ軸32aに作用するトルク(イナーシャトルク)を考慮して推定加速度αestを演算するものとしたが、こうしたイナーシャトルクを考慮せずに推定加速度αestを演算するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、車速Vと推定路面勾配θestとに基づいてエンジン22の下限回転数Neminを設定するものとしたが、推定路面勾配θestだけに基づいてエンジン22の下限回転数Neminを設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、走行環境条件が成立しているときに、推定路面勾配θestを用いてエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するものとして説明したが、走行環境条件の成立の有無に拘わらず推定路面勾配θestを用いてエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するものとしてもよく、例えば、発進時などに推定路面勾配θestを用いてエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、上述した式(3),(4)を満たす範囲内でモータMG1の仮トルクTm1tmpを制限するトルク制限Tm1min,Tm1maxを求めてモータMG1のトルク指令Tm1*を設定すると共に式(7),(8)によりトルク制限Tm2min,Tm2maxを求めてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定したが、式(3),(4)を満たす範囲内によるトルク制限Tm1min,Tm1maxの制限を受けることなくモータトルクTm1tmpをそのままモータMG1のトルク指令Tm1*として設定すると共にこのトルク指令Tm1*を用いて式(7),(8)によりトルク制限Tm2min,Tm2maxを求めてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定するものとしても構わない。この他、モータMG2の回転数Nm2や予想モータ回転数Nm2estを用いてバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内でモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定するものであれば、如何なる手法を用いるものとしても構わない。
実施例のハイブリッド自動車20では、2段の変速段をもって変速可能な変速機60を介して駆動軸としてのリングギヤ軸32aにモータMG2を取り付けるものとしたが、3段以上の変速段をもって変速可能な変速機を介してリングギヤ軸32aにモータMG2を取り付けるものとしてもよいし、減速ギヤを介して駆動軸としてのリングギヤ軸32aにモータMG2を取り付けるものとしてもよいし、リングギヤ軸32aにモータMG2を直接取り付けるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を変速機60により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図10の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪39a,39bが接続された車軸)とは異なる車軸(図10における車輪39c,39dに接続された車軸)に出力するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪63a,63bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図11の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪39a,39bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
また、こうした自動車に適用するものに限定されるものではなく、列車など自動車以外の車両の形態としても構わない。また、エンジン22やバッテリ50と共に車両に搭載される駆動装置の形態としてもよいし、こうした車両の制御方法の形態としてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、モータMG1と動力分配統合機構30とを組み合わせたものが「電力動力入出力手段」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、バッテリ50が「蓄電手段」に相当し、車速センサ88からの車速Vに基づいて加速度α(車速Vの単位時間あたりの変化量)を演算するハイブリッド用電子制御ユニット70が「加速度検出手段」に相当し、電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づくバッテリ50の残容量(SOC)とバッテリ50の電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算するバッテリECU52が「入出力制限設定手段」に相当し、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定する図3の駆動制御ルーチンのステップS110の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「要求駆動力設定手段」に相当し、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*と、モータMG2における効率ηm2と変速機60における効率ηchとの積としてのモータ駆動軸間効率ηtmと、直達効率ηteと、駆動軸駆動輪間効率ηaxと、を用いて推定加速度αestを演算すると共に演算した推定加速度αestと加速度α(車速Vの単位時間あたりの変化量)とを用いて路面勾配の推定値である推定路面勾配θestを演算する図9の推定路面勾配設定処理ルーチンを実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「推定路面勾配設定手段」に相当し、走行環境条件が成立しているときに、推定路面勾配θestに基づく下限回転数Nemin以上の回転数でエンジン22が運転されると共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*により走行するようエンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*やモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定してエンジン22やモータMG1,MG2に送信する図3の駆動制御ルーチンのステップS120〜S210の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70と、受信した目標回転数Ne*および目標トルクTe*に基づいてエンジン22を制御するエンジンECU24と、トルク指令Tm1*,Tm2*に基づいてモータMG1,MG2を制御するモータECU40と、が「制御手段」に相当する。また、変速機60が「変速手段」に相当し、モータMG1が「発電機」に相当し、動力分配統合機構30が「3軸式動力入出力手段」に相当する。さらに、対ロータ電動機230も「電力動力入出力手段」に相当する。
ここで、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。「電力動力入出力手段」としては、モータMG1と動力分配統合機構30とを組み合わせたものや対ロータ電動機230に限定されるされるものではなく、駆動輪に連結された駆動軸に接続されると共に該駆動軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され電力と動力の入出力を伴って前記駆動軸と前記出力軸とに動力を入出力可能なものであれば如何なるものとしても構わない。「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、駆動軸に動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「蓄電手段」としては、二次電池としてのバッテリ50に限定されるものではなく、キャパシタなど、電力動力入出力手段や電動機と電力のやりとりが可能なものであれば如何なるものとしても構わない。「加速度検出手段」としては、車速センサ88からの車速Vに基づいて加速度α(車速Vの単位時間あたりの変化量)を演算するものに限定されるものではなく、車両の加速度を検出するものであれば如何なるものとしても構わない。「入出力制限設定手段」としては、バッテリ50の残容量(SOC)とバッテリ50の電池温度Tbとに基づいて入出力制限Win,Woutを演算するものに限定されるものではなく、残容量(SOC)や電池温度Tbの他に例えばバッテリ50の内部抵抗などに基づいて演算するものなど、蓄電手段の状態に基づいて蓄電手段の充放電を許容する最大許容電力としての入出力制限を設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「要求駆動力設定手段」としては、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定するものに限定されるものではなく、アクセル開度Accだけに基づいて要求トルクを設定するものや走行経路が予め設定されているものにあっては走行経路における走行位置に基づいて要求トルクを設定するものなど、走行に要求される要求駆動力を設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「推定路面勾配設定手段」としては、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*と、モータMG2における効率ηm2と変速機60における効率ηchとの積としてのモータ駆動軸間効率ηtmと、直達効率ηteと、駆動軸駆動輪間効率ηaxと、を用いて推定加速度αestを演算すると共に演算した推定加速度αestと加速度α(車速Vの単位時間あたりの変化量)とを用いて路面勾配の推定値である推定路面勾配θestを演算するものに限定されるものではなく、電力動力入出力手段および電動機の駆動状態と内燃機関や電動機から駆動輪に駆動力を出力する際における効率である出力効率とに基づいて演算される加速度の推定値である推定加速度と、加速度検出手段により検出された加速度と、に基づいて路面勾配の推定値である推定路面勾配を設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「制御手段」としては、ハイブリッド用電子制御ユニット70とエンジンECU24とモータECU40とからなる組み合わせに限定されるものではなく単一の電子制御ユニットにより構成されるなどとしてもよい。また、「制御手段」としては、走行環境条件が成立しているときに、推定路面勾配θestに基づく下限回転数Nemin以上の回転数でエンジン22が運転されると共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*により走行するようエンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*やモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定してエンジン22やモータMG1,MG2を制御するものに限定されるものではなく、走行環境条件の成立の有無に拘わらず推定路面勾配θestを用いてエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するものとするなど、推定路面勾配を用いて入出力制限の範囲内で要求駆動力により走行するよう内燃機関と電力動力入出力手段と電動機とを制御するものであれば如何なるものとしても構わない。「変速手段」としては変速機60に限定されるものではなく、電動機の回転軸と駆動軸との間で変速段の変更を伴って変速して動力を伝達するものであれば如何なるものとしても構わない。「発電機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG1に限定されるものではなく、誘導電動機など、動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの発電機としても構わない。「3軸式動力入出力手段」としては、上述の動力分配統合機構30に限定されるものではなく、ダブルピニオン式の遊星歯車機構を用いるものや複数の遊星歯車機構を組み合わせて4以上の軸に接続されるものやデファレンシャルギヤのように遊星歯車とは異なる作動作用を有するものなど、駆動軸と出力軸と発電機の回転軸との3軸に接続され3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力するものであれば如何なるものとしても構わない。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、車両や駆動装置の製造産業などに利用可能である。
本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 変速機60の構成の概略を示す構成図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインの一例と仮回転数Netmpと仮トルクTetmpとを設定する様子を示す説明図である。 下限回転数設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22からパワーを出力している状態で走行しているときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。 トルク制限Tm1min,Tm1maxを設定する様子を説明する説明図である。 推定路面勾配設定処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、31a サンギヤ軸、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、37 ギヤ機構、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b 駆動輪、39c,39d 車輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 変速機、60a ダブルピニオンの遊星歯車機構、60b シングルピニオンの遊星歯車機構、61,65 サンギヤ、62,66 リングギヤ、63a 第1ピニオンギヤ、63b 第2ピニオンギヤ、64,68 キャリア、67 ピニオンギヤ、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ 234 アウターロータ、MG1,MG2 モータ、B1,B2 ブレーキ。

Claims (9)

  1. 内燃機関と、駆動輪に連結された駆動軸に接続されると共に該駆動軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され電力と動力の入出力を伴って前記駆動軸と前記出力軸とに動力を入出力可能な電力動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、を備える車両であって、
    車両の加速度を検出する加速度検出手段と、
    前記蓄電手段の状態に基づいて該蓄電手段を充放電する際の最大許容電力としての入出力制限を設定する入出力制限設定手段と、
    走行に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
    前記電力動力入出力手段および前記電動機の駆動状態と前記内燃機関および/または前記電動機から前記駆動輪に駆動力を出力する際における効率である出力効率とに基づいて演算される車両の加速度の推定値である推定加速度と、前記検出された加速度と、に基づいて路面勾配の推定値である推定路面勾配を設定する推定路面勾配設定手段と、
    前記設定された推定路面勾配を用いて前記設定された入出力制限の範囲内で前記設定された要求駆動力により走行するよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する制御手段と、
    を備える車両。
  2. 前記推定路面勾配設定手段は、前記出力効率として、前記内燃機関から前記電力動力入出力手段を介して前記駆動軸に駆動力を出力する際における効率と、前記電動機から前記駆動軸に駆動力を出力する際における効率と、前記駆動軸から前記駆動輪に動力を伝達する際における効率と、を考慮して前記推定加速度を演算する手段である請求項1記載の車両。
  3. 請求項2記載の車両であって、
    前記電動機の回転軸と前記駆動軸との間で変速段の変更を伴って変速して動力を伝達する変速手段を備え、
    前記推定路面勾配設定手段は、前記電動機から前記駆動軸に駆動力を出力する際における効率として前記電動機の効率および前記変速手段の効率を考慮して前記推定加速度を演算する手段であり、
    前記制御手段は、前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機と前記変速手段とを制御する手段である、
    車両。
  4. 前記推定路面勾配設定手段は、前記電力動力入出力手段および前記電動機の駆動状態と前記出力効率とに基づいて前記駆動輪に出力される駆動力である出力駆動力を演算し、該演算した出力駆動力に基づいて前記推定加速度を演算する手段である請求項1ないし3のいずれか1つの請求項に記載の車両。
  5. 前記推定路面勾配設定手段は、前記電力動力入出力手段および前記電動機の回転数変化を考慮して前記推定加速度を演算する手段である請求項1ないし4のいずれか1つの請求項に記載の車両。
  6. 前記制御手段は、走行環境に関する走行環境条件が成立しているときに、前記設定された推定路面勾配を用いて前記設定された入出力制限の範囲内で前記設定された要求駆動力により走行するよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する手段である請求項1ないし5のいずれか1つの請求項に記載の車両。
  7. 前記電力動力入出力手段は、動力を入出力する発電機と、前記駆動軸と前記出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、を備える手段である請求項1ないし6のいずれか1つの請求項に記載の車両。
  8. 内燃機関および蓄電手段と共に車両に搭載され、駆動輪に連結された駆動軸に接続されると共に該駆動軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され前記蓄電手段と電力のやりとりが可能で電力と動力の入出力を伴って前記駆動軸と前記出力軸とに動力を入出力可能な電力動力入出力手段と、前記蓄電手段と電力のやりとりが可能で前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、を備える駆動装置であって、
    前記蓄電手段の状態に基づいて該蓄電手段を充放電する際の最大許容電力としての入出力制限を設定する入出力制限設定手段と、
    走行に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
    前記電力動力入出力手段および前記電動機の駆動状態と前記内燃機関および/または前記電動機から前記駆動輪に駆動力を出力する際における効率である出力効率とに基づいて演算される車両の加速度の推定値である推定加速度と、車両の加速度と、に基づいて路面勾配の推定値である推定路面勾配を設定する推定路面勾配設定手段と、
    前記設定された推定路面勾配を用いて前記設定された入出力制限の範囲内で前記設定された要求駆動力により走行するよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する制御手段と、
    を備える駆動装置。
  9. 内燃機関と、駆動輪に連結された駆動軸に接続されると共に該駆動軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され電力と動力の入出力を伴って前記駆動軸と前記出力軸とに動力を入出力可能な電力動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、を備える車両の制御方法であって、
    (a)前記電力動力入出力手段および前記電動機の駆動状態と前記内燃機関および/または前記電動機から前記駆動輪に駆動力を出力する際における効率である出力効率とに基づいて演算される車両の加速度の推定値である推定加速度と、車両の加速度と、に基づいて路面勾配の推定値である推定路面勾配を設定し、
    (b)前記設定した推定路面勾配を用いて前記蓄電手段の状態に基づく該蓄電手段を充放電する際の最大許容電力としての入出力制限の範囲内で走行に要求される要求駆動力により走行するよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する、
    ことを特徴とする車両の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103303316A (zh) * 2012-03-13 2013-09-18 日产自动车株式会社 路面坡度估计装置以及引擎控制装置
CN112367003A (zh) * 2020-10-22 2021-02-12 青岛海信日立空调系统有限公司 变频系统
CN114222852A (zh) * 2021-02-02 2022-03-22 浙江吉利控股集团有限公司 一种发动机控制方法、装置、系统及车辆

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