JP2005327667A - 有機el素子の製造方法、有機el素子製造システムおよび電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 テープ形状基板11上に有機EL素子を形成する有機EL素子の製造方法であって、テープ形状基板11は、該テープ形状基板11の両端部位がそれぞれ巻き取られるリールツーリール基板となるものであり、液状体を液滴として吐出して塗布する方式である液滴吐出方式を少なくとも用いて、リールツーリール基板11に、有機EL素子の正孔注入輸送層をなす材料を含む液状体を塗布する正孔注入輸送層形成工程(第1液滴吐出工程S3)を有することを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
また、本発明は、いわゆるリールツーリール方式でテープ形状基板を移動させるとともに、液滴吐出方式を用いて、有機EL素子を製造できる有機EL素子の製造方法、有機EL素子製造システムおよび電子機器を提供することを目的とする。
本発明によれば、リールツーリール基板(テープ形状基板)に対して液滴吐出方式を用いて液状体を塗布することにより、有機EL素子の構成要素をなす正孔注入輸送層を形成することができる。ここで、1本のリールツーリール基板は、長手方向について分割することで複数の領域を形成でき、領域ごとに1つの有機EL装置を構成させることができる。そこで、本発明によれば、例えばリールツーリール基板を長手方向に移動させながら液滴吐出方式を用いて各領域に正孔注入輸送層を形成でき、大量の有機EL装置の正孔注入輸送層を効率よく迅速に製造することができる。
本発明によれば、リールツーリール基板に対して液滴吐出方式を用いて液状体を塗布することにより、有機EL素子の構成要素をなす発光層を形成することができる。そこで、本発明は、例えばリールツーリール基板の長手方向に配置された複数領域に対して、簡便にかつ連続的に発光層を形成でき、大量の有機EL装置の発光層を効率よく迅速に製造することができる。
本発明によれば、リールツーリール基板に対して液滴吐出方式を用いて正孔注入輸送層を形成し、更に液滴吐出方式を用いて、正孔注入輸送層の上層に発光層を形成することができる。そこで、本発明は、リールツーリール基板の長手方向に配置された複数領域に対して、簡便にかつ連続的に、正孔注入輸送層と発光層との積層構造を形成でき、大量の有機EL装置の発光層を効率よく迅速に製造することができる。
本発明によれば、例えばリールツーリール基板におけるある領域に正孔注入輸送層をなす液状体を第1液滴吐出装置で塗布しているときに、そのリールツーリール基板の他の領域(例えば正孔注入輸送層上)に発光層をなす液状体を第2液滴吐出装置で塗布することができる。したがって、本発明によれば、ベルトコンベアを用いた流れ作業のように、正孔注入輸送層と発光層との積層構造を形成でき、大量の有機EL装置の正孔注入輸送層および発光層を効率よく迅速に製造することができる。
本発明によれば、リールツーリール基板に塗布された正孔注入輸送層又は発光層の構成材料を含む液状体を硬化させ、その硬化してなる薄膜上に正孔注入輸送層又は発光層の構成材料を含む液状体を塗布することができる。これらにより、本発明は、正孔注入輸送層と発光層との積層構造を迅速に且つ連続的にリールツーリール基板に形成でき、大量の有機EL装置を効率よく且つ迅速に製造することができる。
本発明によれば、例えば正孔注入輸送層形成工程でリールツーリール基板に塗布された液状体を、硬化工程で硬化させ、その硬化してなる薄膜上に、発光層形成工程により液状体を塗布することができる。そこで、本発明に、リールツーリール基板のある1つの領域に対して、正孔注入輸送層形成工程と発光層形成構成とを極めて短い時間間隔でそれぞれ実行することができる。したがって、本発明は、大量の有機EL装置を効率よく且つ迅速に製造することができる。
本発明によれば、例えばTFTを基礎基板に形成し、その後、基礎基板とテープ形状基板とを貼り合わせることで、テープ形状基板にTFTを転写して形成することができる。テープ形状基板をフィルムで構成すると、そのフィルム上に直接TFTを形成することはできない。本発明によれば、フィルムからなるテープ形状基板にTFTを簡便に形成でき、TFTを有してなるアクティブ型有機EL装置を低コストで大量に製造することができる。
また、テープ形状基板とは別に配線基板を設け、その配線基板と前記基礎基板とを貼り合わせることで、配線基板にTFTを転写し、その配線基板と有機EL素子が形成されたテープ形状基板とを貼り合わせることで、有機EL装置を製造してもよい。
このようにすると、配線基板に設けられた駆動回路に関しては、TFTなどの駆動素子を形成もしくは転写した後の必要な工程が極僅かで済むため、製造工程によって駆動素子が損傷される可能性を大幅に低減することができる。また、電気光学部(テープ形状基板)と駆動回路(配線基板)とを別工程で製造するため、歩留まりを向上させることができる。場合によっては、電気光学部(テープ形状基板)と駆動回路(配線基板)とを別々の工場或いは異なった企業においてそれぞれ製造し、最終的に両者を張り合わせるといった製造方法も可能であるから、製造コストの低減を図る上でも極めて有利な方法となる。また、比較的低額の設備投資によって大画面の電気光学装置を製造することが可能となる。そこで、本発明は、大量の有機EL装置をさらに効率よく且つ迅速に製造することができる。
本発明によれば、例えば、テープ形状基板の所望領域に対して、第1ヘッド移動機構によって第1吐出ヘッドを相対的に移動させて、正孔注入輸送層の構成材料を含む液状体を液滴として吐出することができる。また、テープ形状基板の所望領域に対して、第2ヘッド移動機構によって第2吐出ヘッドを相対的に移動させて、発光層の構成材料を含む液状体を液滴として吐出することができる。そして、1つの所望領域について正孔注入輸送層および発光層をなす薄膜パターン形成した後に、テープ形状基板を長手方向にずらすことにより、極めて簡便に他の所望領域について正孔注入輸送層および発光層をなす薄膜パターン形成することができる。ここで、1つの所望領域は、1つの有機EL装置に相当させることができる。そこで、本発明は、テープ形状基板の各所望領域に、簡便に且つ迅速に有機EL装置を形成することができ、有機EL装置を効率よく大量に製造することができる。
本発明によれば、テープ形状基板の所望領域について第1吐出ヘッドにより正孔注入輸送層の構成材料を含む液状体を塗布し、その液状体を乾燥装置によって硬化させることができる。その硬化されてなる薄膜上に、第2吐出ヘッドにより発光層の構成材料を含む液状体を塗布することができる。そこで、本発明は、テープ形状基板の所望領域について、正孔注入輸送層と発光層との積層構造をより迅速に形成することができる。
本発明によれば、前記テープ形状基板(リールツーリール基板)を所望領域ごとに切断してなる有機EL装置を備えた電子機器を提供することができる。そこで、本発明は、有機EL装置を有してなる電子機器を低コストで提供することができる。
本発明によれば、パッシブ型有機EL装置を有してなる電子機器を低コストで提供することができる。
本発明によれば、アクティブ型有機EL装置を有してなる電子機器を低コストで提供することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るパッシブ型有機EL装置とその制御回路を示す模式図である。表示パネル201は、パッシブ型有機EL装置をなしている。そして、表示パネル201は、透明基板202を有して構成されている。透明基板202の表面には、インジュウムスズ酸化物(ITO)等の透明電極材料からなるストライプ状の複数の陽極203が互いに並行して形成されている。そして、この複数の陽極203を覆って有機発光層(発光層)204が形成されている。有機発光層204の上部表面には、ストライプ状の金属薄膜からなる複数の陰極205が互いに並行して形成されている。したがって、有機発光層204が陽極203と陰極205とに挟まれた構造となっている。陽極203と陰極205とは互いに直交するように形成されており、その各交差部206に位置する有機発光層204がそれぞれ画素を形成している。図1に示す例では、N行×M列(N=10、M=10)の複数の画素がマトリクス要素として配置されている。
図2は、本発明の実施形態に係る有機EL素子の製造方法および有機EL製造システムの概要を示す模式図である。すなわち、図2は図1に示すパッシブ型有機EL装置における表示パネル201の製造方法の要部を示している。図3は、本有機EL素子の製造方法で用いられるとともに、本有機EL製造システムの構成要素をなす液滴吐出装置の一例を示す斜視図である。
先ず、第1リール101から引き出されたテープ形状基板11の所望領域は、洗浄工程S1が実施される(ステップS1)。
この洗浄工程S1又は後述の表面処理工程S2の前に、テープ形状基板11には図1に示す陽極203が形成されていることが好ましい。
洗浄工程S1の具体例としては、テープ形状基板11に対してのUV(紫外線)照射が挙げられる。また、水などの溶媒でテープ形状基板11を洗浄してもよい、超音波を用いて洗浄してもよい。また、常圧でテープ形状基板11にプラズマを照射することで洗浄してもよい。
表面処理工程S2の具体例について説明する。ステップS3の第1液滴吐出工程S3でテープ形状基板11に正孔注入輸送層をなす材料を含有した液状体による薄膜を形成するためには、その液状体に対するテープ形状基板11における所望領域の表面の濡れ性を制御することが好ましい。ここで、所望領域とは、例えば、テープ形状基板11における正孔注入輸送層が形成される領域と、その領域以外の領域とをいう。また、テープ形状基板11における正孔注入輸送層が形成される領域は、陽極203が形成されている領域と重複する。以下に、所望の接触角を得るための表面処理方法について説明する。
撥液化処理の方法の一つとしては、基板の表面に、有機分子膜などからなる自己組織化膜を形成する方法が挙げられる。基板表面を処理するための有機分子膜は、一端側に基板に結合可能な官能基を有し、他端側に基板の表面を撥液性等に改質する(表面エネルギーを制御する)官能基を有すると共に、これらの官能基を結ぶ炭素の直鎖あるいは一部分岐した炭素鎖を備えており、基板に結合して自己組織化して分子膜、例えば単分子膜を形成するものである。
なお、自己組織化膜を形成する前に、ステップS1の洗浄工程S1で基板表面に紫外光を照射したり、溶媒により洗浄したりして、前処理を施すことが望ましい。
上記の撥液化処理が終了した段階の基板表面は、通常所望の撥液性よりも高い撥液性を有するので、親液化処理により撥液性を緩和する。親液化処理としては、170〜400nmの紫外光を照射する方法が挙げられる。これにより、一旦形成した撥液性の膜を、部分的に、しかも全体としては均一に破壊して、撥液性を緩和することができる。この場合撥液性の緩和の程度は紫外光の照射時間で調整できるが、紫外光の強度、波長、熱処理(加熱)との組み合わせ等によって調整することもできる。
この第1液滴吐出工程S3は、図3に示す液滴吐出装置20(第1液滴吐出装置)によって行われる。換言すれば、第1液滴吐出工程S3は、テープ形状基板11の所望領域に対して、液滴吐出方式を用いて、正孔注入輸送層をなす材料を含む液状体を塗布する正孔注入輸送層形成工程をなす。
なお、この第1液滴吐出工程S3以降は、正孔注入輸送層及び発光層の酸化を防止すべく、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気などの不活性ガス雰囲気で行うのが好ましい。
第1硬化工程S4は、第1液滴吐出工程S3でテープ形状基板11に塗布された正孔注入輸送層の形成材料を含む液状体を硬化させる工程である。この第1硬化工程S4により正孔注入輸送層になりうる薄膜(少なくとも表面が硬化した薄膜)を形成することができる。上記ステップS3とステップS4と(ステップS2を含めてもよい)を繰り返し実施することにより、前記薄膜の膜厚を増大することができ、所望形状で且つ所望の厚みをもつ正孔注入輸送層を簡便に形成することができる。
第2硬化工程S6は、第2液滴吐出工程S5でテープ形状基板11に塗布された発光層をなす材料を含む液状体を硬化させる工程である。この第2硬化工程S6により発光層になりうる薄膜(少なくとも表面が硬化した薄膜)を形成することができる。第2硬化工程S6の具体例としては、例えばテープ形状基板11に塗布された液状体を乾燥させて硬化させる手法があり、さらに具体的にはUV照射して硬化させる手法が挙げられる。上記ステップS5とステップS6と(表面処理工程を含めてもよい)を繰り返し実施することにより、膜厚を増大することができ、所望形状で且つ所望膜厚の発光層になりうる薄膜を簡便に形成することができる。第2硬化工程S6の具体例は、上記第1乾燥工程S4の具体例と同様のものを適用することができる。
この焼成工程S7は、第1液滴吐出工程S3で塗布されその後に硬化処理された正孔注入輸送層となる薄膜と、第2液滴吐出工程S5で塗布されその後に硬化処理された発光層となる薄膜とを、一緒に焼成する工程である。この焼成工程S7により、テープ形状基板11上に、正孔注入輸送層と発光層との積層構造が完成する。
次に、液滴吐出装置20について、図面を参照して具体的に説明する。図3に示すように、液滴吐出装置20は、インクジェットヘッド群(吐出ヘッド)1と、インクジェットヘッド群1をX方向に駆動するためのX方向ガイド軸(ガイド)2と、X方向ガイド軸2を回転させるX方向駆動モータ3とを備えている。また、液滴吐出装置20は、テープ形状基板11を載置するための載置台4と、載置台4をY方向に駆動するためのY方向ガイド軸5と、Y方向ガイド軸5を回転させるY方向駆動モータ6とを備えている。また、液滴吐出装置20は、X方向ガイド軸2とY方向ガイド軸5とが、各々所定の位置に固定される基台7を備え、その基台7の下部に制御装置8を備えている。さらに、液滴吐出装置20は、クリーニング機構部14およびヒータ15とを備えている。
インクジェットヘッド30は、図4(a)に示すように例えばステンレス製のノズルプレート32と振動板33とを備え、両者を仕切部材(リザーバプレート)34を介して接合したものである。ノズルプレート32と振動板33との間には、仕切部材34によって複数の空間35と液溜まり36とが形成されている。各空間35と液溜まり36の内部は液状体で満たされており、各空間35と液溜まり36とは供給口37を介して連通したものとなっている。また、ノズルプレート32には、空間35から液状体を噴射するためのノズル孔38が縦横に整列させられた状態で複数形成されている。一方、振動板33には、液溜まり36に液状体を供給するための孔39が形成されている。
なお、インクジェットヘッド30の方式としては、前記の圧電素子40を用いたピエゾジェットタイプ以外に限定されることなく、例えばサーマル方式を採用することもでき、その場合には印可時間を変化させることなどにより、液滴吐出量を変化させることができる。
図7は、本発明の第2実施形態に係るアクティブ型有機EL装置の要部構成を示す断面図である。図8は図7の矢視Aから見た側面図である。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
ここで、有機EL素子321は、ITO等の透明金属からなる陽極と、正孔注入輸送層と、有機EL素子(発光層)とを有しており、陽極で発生した正孔と陰極で発生した電子が有機EL素子で結合することで、発光するようになっている。なお、このような有機EL素子の詳細な構造は、公知技術が採用される。また、有機EL素子321と陰極325との間に電子注入/輸送層を形成してもよい。
また、例えば、配線基板303と有機EL基板304との接合強度が充分である場合には、一つの素子毎にリブ305を形成する必要はなく、複数の素子毎にリブ305を形成することで、所定の接合強度を維持しながら配線基板303と有機EL基板304とを接合させることができる。
従って、有機EL装置301の設計事項として製造コストや製造の容易さを加味し、当該設計事項に応じて、領域内の素子数を決定し、リブ305を形成することができる。また、リブ305は必ずしもマトリクス状に囲む必要はなく、TFT313又は有機EL素子321の配列する方向(図7中のX方向又はY方向)のみ形成されたものでもよい。
次に、図7に示す有機EL装置301の製造方法について図面を参照して説明する。
まず、図9を参照し、TFT313を配線基板303に貼り合わせて転写させる前工程として、基礎基板340上にTFTを形成する工程について説明する。
なお、TFT313の製造方法は、高温プロセスを含む公知の技術が採用されるので、説明を省略し、基礎基板340と剥離層341について詳述する。
基礎基板340は、有機EL装置301の構成要素ではなく、TFT製造工程と、貼り合わせ及び転写工程にのみに用いられる部材である。具体的には、1000℃程度に耐える石英ガラス等の透光性耐熱基板が好ましい。また、石英ガラスの他、ソーダガラス、コーニング7059、日本電気ガラスOA−2等の耐熱性ガラス等が使用可能である。
この基礎基板の厚さには、大きな制限要素はないが、0.1mm〜0.5mm程度であることが好ましく、0.5mm〜1.5mm程度であることがより好ましい。基礎基板の厚さが薄すぎると強度の低下を招き、逆に厚すぎると基台の透過率が低い場合に照射光の減衰を招くからである。ただし、基台の照射光の透過率が高い場合には、前記上限値を超えてその厚みを厚くすることができる。
次に、図9に示した基礎基板340の製造工程と並行して、図10に示す配線基板303の製造工程が行われる。
図10に示すように、基板310上に配線パターン311と、層間絶縁膜316と、TFT接続部314と、有機EL接続部315とを順次形成する。配線パターンの形成方法としては、フォトリソフィ法等の公知技術が採用される。また、金属微粒子を溶剤に分散させた分散液を液滴吐出法(インクジェット法)を用いて基板310上に形成してもよい。このような配線パターン311を構成する材料としては、低抵抗材料を採用するのが好ましく、AlやAl合金(Al・Cu合金等)を用いることが好ましい。
なお、基板310の表面には、下地絶縁膜として酸化シリコン膜(SiO2)等を形成してもよい。また、図10では、配線パターンが1層のみ形成された構造について説明しているが、2層や3層構造であってもよい。また、配線材料は、AlやAl合金のみに限定することなく、Al等の低抵抗金属をTiやTi化合物によって積層させたサンドイッチ構造でもよい。このようにすれば、Al配線に対するバリア性や耐ヒロック性を高めることができる。
まず、メッキ成長させるためのバッド表面の濡れ性向上、及び残さを除去するために、フッ酸と硫酸を含有した水溶液中に含浸する。その後、水酸化ナトリウムを含むアルカリ性水溶液に加温した中に浸漬し、表面の酸化膜を除去する。その後、ZnOを含有したジンケート液中に浸漬してパッド表面をZnに置換する。その後、硝酸水溶液に浸漬し、Znを剥離し、再度ジンケート浴中に浸漬し、緻密なZn粒子をAl表面に析出させる。その後、無電解Niメッキ浴に浸漬し、Niメッキを形成する。メッキ高さは2μm〜10μm程度析出させる。ここで、メッキ浴は次亜リン酸を還元剤とした浴であるため、リン(P)が共析する。最後に置換Auメッキ浴中に浸漬し、Ni表面をAuにする。Auは0.05μm〜0.3μm程度に形成する。Au浴はシアンフリータイプを用いて浸漬を行う。
なお、各化学処理の間には、水洗処理を行う。水洗槽はオーバーフロー構造あるいはQDR機構を有しており、最下面からN2バブリングを行う。バブリング方法は、テフロン(登録商標)のチューブ等に穴を開け、N2を出す方法や、焼結体等を通じてN2を出す。以上の工程により、短時間で十分効果のあるリンスを行うことができる。
このような一連の工程を経て、配線基板303の製造工程が終了となる。
次に、図11から図13を参照して、上記の配線基板303と基礎基板340とを貼り合わせて、TFT313を配線基板303に転写する方法について説明する。
ここで、転写工程としては公知の技術が採用されるが、本実施形態では特にSUFTLA(Surface Free Technology by Laser Ablation)(登録商標)を用いて行われる。
次に、図14を参照し、上述の配線基板303と有機EL基板304とを貼り合わせて最終的に図7に示す有機EL装置301を形成する工程について説明する。
図14に示す有機EL基板304は、透明基板320上に、有機EL素子321と、絶縁膜322と、陰極325とが順に形成された後に、上下反転させたものである。ここで透明基板320上に、有機EL素子321、絶縁膜322および陰極325を形成する方法としては、図2に示す方法を用いる。すなわち、テープ形状基板からなる透明基板320に対して、液滴吐出方式を用いて、有機EL素子321、絶縁膜322および陰極325を形成する。
ここで、リブ305には貫通孔305aが形成されているので、不活性ガス331は貫通孔305aを介して領域306に隣接する領域の内外に流動し、従って、不活性ガス331を両基板303、304間に同圧力で封入される。
なお、不活性ガス331の封入方法及び基板の封止方法としては、配線基板303と有機EL基板304とを貼り合せた後に不活性ガス331を封入し、封止する方法と、不活性ガス雰囲気のチャンバ内において配線基板303と有機EL基板304とを貼り合せて、封止する方法とがある。
次に、上記実施形態の有機EL素子の製造方法又は有機EL素子製造システムを用いて製造された電子機器について説明する。
図15(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図15(a)において、符号600は携帯電話本体を示し、符号601は上記実施形態の有機EL素子の製造方法又は有機EL素子製造システムを用いて製造された有機EL装置からなる表示部を示している。図15(b)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図15(b)において、符号700は情報処理装置、符号701はキーボードなどの入力部、符号702は上記実施形態の有機EL素子の製造方法又は有機EL素子製造システムを用いて製造された有機EL装置からなる表示部、符号703は情報処理装置本体を示している。図15(c)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図15(c)において、符号800は時計本体を示し、符号801は上記実施形態の有機EL素子の製造方法又は有機EL素子製造システムを用いて製造された有機EL装置からなる表示部を示している。
Claims (12)
- テープ形状基板上に有機EL素子を形成する有機EL素子の製造方法であって、
前記テープ形状基板は、該テープ形状基板の両端部位がそれぞれ巻き取られるリールツーリール基板となるものであり、
液状体を液滴として吐出して塗布する方式である液滴吐出方式を少なくとも用いて、前記リールツーリール基板に、前記有機EL素子の正孔注入輸送層をなす材料を含む液状体を塗布する正孔注入輸送層形成工程を有することを特徴とする有機EL素子の製造方法。 - テープ形状基板上に有機EL素子を形成する有機EL素子の製造方法であって、
前記テープ形状基板は、該テープ形状基板の両端部位がそれぞれ巻き取られるリールツーリール基板となるものであり、
液状体を液滴として吐出して塗布する方式である液滴吐出方式を少なくとも用いて、前記リールツーリール基板に、前記有機EL素子の発光層をなす材料を含む液状体を塗布する発光層形成工程を有することを特徴とする有機EL素子の製造方法。 - 前記リールツーリール基板が巻き出されてから巻き取られるまでに、前記正孔注入輸送層形成工程と前記発光層形成工程とを少なくとも実行するとともに、
前記正孔注入輸送層形成工程の後に前記発光層形成工程を実行することを特徴とする請求項1および2に記載の有機EL素子の製造方法。 - 前記リールツーリール基板が巻き出されてから巻き取られるまでに、前記正孔注入輸送層形成工程と前記発光層形成工程とを少なくとも実行するとともに、
前記正孔注入輸送層形成工程と前記発光層形成工程とを、1つの前記リールツーリール基板に対して時間的に重複して実行することを特徴とする請求項1および2に記載の有機EL素子の製造方法。 - 前記正孔注入輸送層形成工程と前記発光層形成工程との少なくとも一方によって前記リールツーリール基板に塗布された液状体を、硬化させる硬化工程を有することを特徴とする請求項3又は4に記載の有機EL素子の製造方法。
- 前記硬化工程は、前記正孔注入輸送層形成工程と前記発光層形成工程との間に実行されることを特徴とする請求項5に記載の有機EL素子の製造方法。
- 本発明の有機EL素子の製造方法は、前記テープ形状基板以外の基板である基礎基板に駆動素子を形成する工程と、前記基礎基板と前記テープ形状基板又は有機EL装置を構成する基板とを貼り合わせて前記駆動素子を該テープ形状基板又は有機EL装置を構成する基板に転写する工程とを有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の有機EL素子の製造方法。
- テープ形状基板が巻かれている第1リールと、
前記第1リールから引き出された前記テープ形状基板を巻き取る第2リールと、
前記第1リールから引き出された前記テープ形状基板に対して、有機EL素子の正孔注入輸送層の構成材料を含む液状体を液滴として吐出する第1吐出ヘッドを有する第1液滴吐出装置と、
前記第1リールから引き出された前記テープ形状基板に対して、有機EL素子の発光層の構成材料を含む液状体を液滴として吐出する第2吐出ヘッドを有する第2液滴吐出装置と、
前記第1リールから引き出された前記テープ形状基板に対して、前記第1吐出ヘッドを相対的に移動させる第1ヘッド移動機構と、
前記第1リールから引き出された前記テープ形状基板に対して、前記第2吐出ヘッドを相対的に移動させる第2ヘッド移動機構とを有することを特徴とする有機EL素子製造システム。 - 前記第1吐出ヘッドおよび第2吐出ヘッドは、それぞれ前記第1リールから引き出された前記テープ形状基板の近傍に配置され、
前記第1吐出ヘッドは、前記第2吐出ヘッドよりも前記第1リールの近くに配置されており、
前記第1吐出ヘッドと前記第2吐出ヘッドとの間に配置されていて、前記リールツーリール基板に塗布された液状体を硬化させる乾燥装置を有することを特徴とする請求項8に記載の有機EL素子製造システム。 - 請求項1から7のいずれか一項に記載の有機EL素子の製造方法、又は請求項8,9のいずれか一項に記載の有機EL素子製造システムを用いて製造されたことを特徴とする電子機器。
- 請求項1から7のいずれか一項に記載の有機EL素子の製造方法、又は請求項8,9のいずれか一項に記載の有機EL素子製造システムを用いて製造されたパッシブ型有機EL装置を有することを特徴とする電子機器。
- 請求項1から7のいずれか一項に記載の有機EL素子の製造方法、又は請求項8,9のいずれか一項に記載の有機EL素子製造システムを用いて製造されたアクティブ型有機EL装置を有することを特徴とする電子機器。
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