JP2005327642A - 非水電解液二次電池用負極板の製造方法 - Google Patents

非水電解液二次電池用負極板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】負極材料の凝集を抑制可能で、負極板表面を平坦にすることができる非水電解液二次電池用負極板の製造方法を提供する。
【解決手段】分散液調製ステップでは、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に気相成長炭素繊維を分散させ、10分間攪拌した。スラリ作製ステップでは、分散液調製ステップで得られた炭素繊維のNMP分散液に、黒鉛粉末、PVDFを混合し、NMPを加えて粘度調整した後、混練して負極合剤スラリを作製した。塗布ステップでは、負極合剤スラリを塗布装置の吐出口から吐出させ、圧延銅箔に塗布して負極板を作製した。NMP分散液中で炭素繊維がほぼ均一に分散される。
【選択図】図1

Description

本発明は非水電解液二次電池用負極板の製造方法に係り、特に、負極活物質、結着剤及び導電性添加剤を含む負極合剤を集電体に塗着した非水電解液二次電池用負極板の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解液二次電池は、高エネルギ密度であるメリットを活かして、主にVTRカメラやノート型パソコン、携帯電話等のポータブル機器の電源に使用されている。近年では、電気自動車用や電力貯蔵用を目的とする大型非水電解液二次電池の研究開発が活発に行われている。特に、自動車産業界においては環境問題に対応すべく、動力源としてモータのみを用いる方式の電気自動車や、動力源として内燃機関とモータとの両方を用いるハイブリッド方式の電気自動車の開発が進められており、その一部は既に実用化されている。
電気自動車に使用される大型非水電解液二次電池には、高容量、高出力が要求されており、正負極板をセパレータを介して捲回又は積層することで電極反応面積の増大が図られている。従来、正極材料には、マンガン酸リチウム(LiMnO)等の正極活物質、カーボン等の導電材及びポリフッ化ビニリデン等の結着剤が用いられており、これらの正極材料がN−メチル−2−ピロリドン等の有機分散媒と共に混練されて正極合剤スラリが製造されている。一方、負極材料には、カーボン等の負極活物質、負極板の導電性を向上させる炭素繊維等の添加剤及び結着剤が用いられており、これらの負極材料が有機分散媒と共に混練されて負極合剤スラリが製造されている。得られた正負極合剤スラリが、正極ではアルミニウム箔(正極集電体)の両面に、負極では銅箔(負極集電体)の両面にそれぞれ塗布されて正負極板が作製されている。
非水電解液二次電池では、捲回又は積層された正負極板が近接しているため、正負極板の表面に凹凸があると、充放電時に正負極板が膨張、収縮を繰り返すことでセパレータを破損して内部短絡を招くことがある。このため、正負極板の作製では、集電体に正負極材料を平坦に塗着することが重要となる。上述した正負極合剤スラリ中で正負極活物質や添加剤等が凝集すると、凝集物がそのまま塗布されて正負極板表面の平坦性が損なわれる。また、正負極合剤スラリを塗布装置の吐出口から吐出させる塗布方法で塗布すると、凝集物が吐出口に詰まるため、詰まった部分で正負極合剤スラリが吐出されず塗布した表面にスジが発生することとなる。一般に、正負極合剤スラリは、上述した正負極材料を有機分散媒に一度に混合して作製されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−229917号公報
しかしながら、負極材料の添加剤に炭素繊維や粒子径の小さい炭素材を用いた場合には、上述したように負極材料を有機分散媒に一度に混合すると、負極合剤スラリ中で炭素系材料が負極活物質及び添加剤の総和となるため、炭素系材料が凝集して形成される凝集物の大きさが増大する。このため、凝集物が集電体表面に残存して、得られる負極板表面に凸部が形成されるため、セパレータを破損して内部短絡を引き起こす原因となる。これを回避するには、凝集物をほどいて負極材料を均一に分散させるために長時間かけて混練することが必要となる。更に、負極材料の分散が不十分なまま負極合剤スラリを放置すると、徐々に負極材料の凝集物が大きくなり、負極板表面に凝集物が点在することとなる。
本発明は上記事案に鑑み、負極材料の凝集を抑制可能で、負極板表面を平坦にすることができる非水電解液二次電池用負極板の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、負極活物質、結着剤及び導電性添加剤を含む負極合剤を集電体に塗着した非水電解液二次電池用負極板の製造方法であって、予め前記添加剤を第1の有機分散媒に分散させて添加剤分散液を準備し、前記準備した添加剤分散液と、前記負極活物質、前記結着剤及び第2の有機分散媒とを混練して合剤スラリを調製し、前記調製した合剤スラリを前記集電体に塗布する、ステップを含むことを特徴とする。
本発明では、予め添加剤を第1の有機分散媒に分散させることで第1の有機分散媒が添加剤に浸潤して添加剤分散液中の添加剤がほぼ均一に分散するため、添加剤分散液と、負極活物質、結着剤及び第2の有機分散媒とを混練して調製した合剤スラリ中で負極活物質、添加剤が凝集しても、凝集物が偏在して凝集せず凝集物の大きさが抑制されるので、集電体に塗布した合剤スラリの表面がほぼ平坦な負極板を得ることができる。
この場合において、塗布するステップで、塗布装置の吐出口から合剤スラリを吐出させて集電体に塗布し、かつ、塗布装置のスラリ留に貯留された合剤スラリ中に存在する負極活物質、添加剤の凝集物の最大径を負極合剤の厚さ方向に対する吐出口の内寸以下とすれば、塗布装置のスラリ留に貯留された合剤スラリが吐出口から吐出されても凝集物が吐出口で成長することなく合剤スラリが集電体に塗布されるので、塗布された合剤スラリの表面でのスジ発生を防止することができる。また、準備するステップで、添加剤を第1の有機分散媒に分散させるための分散時間を1分間以上とすることが好ましい。更に、第1の有機分散媒と第2の有機分散媒とを同一の有機分散媒としてもよい。
本発明によれば、予め添加剤を第1の有機分散媒に分散させることで第1の有機分散媒が添加剤に浸潤して添加剤分散液中の添加剤がほぼ均一に分散するため、添加剤分散液と、負極活物質、結着剤及び第2の有機分散媒とを混練して調製した合剤スラリ中で負極活物質、添加剤が凝集しても、凝集物が偏在して凝集せず凝集物の大きさが抑制されるので、集電体に塗布した合剤スラリの表面がほぼ平坦な負極板を得ることができる、という効果を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明を円筒型リチウムイオン電池に適用した実施の形態について説明する。
(負極板の作製)
図1に示すように、分散液調製ステップでは、第1の有機分散媒としてのN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略記する。)に導電性添加剤としての気相成長炭素繊維(昭和電工株式会社製、商品名VGCF)(以下、単に炭素繊維という。)を分散させ、分散釜内で所定時間攪拌して炭素繊維のNMP分散液を調製(準備)した。
次のスラリ作製ステップでは、分散液調製ステップで得られた炭素繊維のNMP分散液に、負極活物質としての黒鉛粉末、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFと略記する。)及び必要に応じて導電助剤を混合し、第2の有機分散媒としてのNMPを加えて粘度調整した後、混練して負極合剤スラリを作製した。
次に、塗布ステップでは、塗布装置のスラリ留に、作製した負極合剤スラリを投入して吐出口(最低塗工厚さ約30μm)から順次吐出させ、厚さ10μmの圧延銅箔(負極集電体)の両面に塗布して負極合材層を形成した。このとき、圧延銅箔の長寸方向の側縁一側に幅50mmの未塗布部を残した。
その後、乾燥、プレス、裁断して幅305mm、所定長さの負極板を得た。負極合材層の厚さ(圧延銅箔の厚さは含まない)は190μm、負極合材層のかさ密度は約1.4g/cmに設定した。圧延銅箔の側縁一側に残した未塗布部に切り欠きを入れ、矩形状の部分を形成して負極リード片とした。なお、リード片の幅を約10mm、隣り合うリード片の間隔を約20mmに設定した。
(正極板の作製)
正極活物質のマンガン酸リチウム(LiMn)粉末と、導電剤の鱗片状黒鉛(平均粒径20μm)と、結着剤のPVDFとを混合し、これに有機分散媒のNMPを添加した後、混練して正極合剤スラリを作製した。上述した負極板と同様にして正極合剤スラリを厚さ20μmのアルミニウム箔(正極集電体)の両面に塗布して正極合剤層を形成した。このとき、アルミニウム箔の長寸方向の側縁一側に幅50mmの未塗布部を残した。その後、乾燥、プレス、裁断して、長さ5500mmの正極板を得た。正極板の幅は、正極活物質の塗布部と負極活物質の塗布部との対向に位置ずれが起きないように、負極板の幅より約5mm小さい300mmとした。また、正極合剤層の厚さ(アルミニウム箔の厚さは含まない)を260μm、アルミニウム箔片面あたりの正極合剤塗布量を344g/cmに設定した。アルミニウム箔の側縁一側に残した未塗布部に負極板と同様に切り欠きを入れ、正極リード片とした。なお、正極リード片の幅を約10mm、隣り合う正極リード片の間隔を約20mmに設定した。
(電池の作製)
図2に示すように、作製した正極板と負極板とを、これら両極板が直接接触しないように幅310mm、厚さ40μmのポリエチレン製セパレータを介して軸芯の周りに捲回して捲回群6を作製した。このとき、正極板及び負極板のリード片9を、それぞれ捲回群6の互いに反対側の両端面に配置した。正極板から導出されているリード片9を変形させ、その全てを、軸芯11のほぼ延長線上にある極柱(正極外部端子1a)周囲から一体に張り出している鍔部7周面付近に集合、接触させた後、リード片9と鍔部7周面とを超音波溶接してリード片9を鍔部7周面に接続し固定した。また、負極外部端子1bと負極板から導出されているリード片9との接続操作も、正極外部端子1aと正極板から導出されているリード片9との接続操作と同様に行った。
その後、正極外部端子1a及び負極外部端子1bの鍔部7周面全周に絶縁被覆8を施した。絶縁被覆8は捲回群6外周面全周にも及ぼした。この絶縁被覆8には、片面にヘキサメタアクリレートの粘着剤を塗布したポリイミド製の粘着テープを用いた。捲回群6の最大径部が電池容器5の内径よりも僅かに小さくなるように粘着テープの捲き数を調整し、捲回群6を電池容器5内に挿入した。なお、電池容器5には、外径が67mm、内径が66mmでステンレス製の円筒容器を用いた。
次に、アルミナ製で円盤状の電池蓋4裏面と当接する部分の厚さ2mm、内径16mm、外径25mmの第2のセラミックワッシャ3bを、先端が正極外部端子1aを構成する極柱、先端が負極外部端子1bを構成する極柱にそれぞれ嵌め込んだ。また、アルミナ製で厚さ2mm、内径16mm、外径28mmの平板状の第1のセラミックワッシャ3aを電池蓋4に載置し、正極外部端子1a、負極外部端子1bをそれぞれ第1のセラミックワッシャ3aに通した。その後、電池蓋4周端面を電池容器5開口部に嵌合し、双方の接触部全域をレーザ溶接した。このとき、正極外部端子1a、負極外部端子1bは、電池蓋4の中心に形成された穴を貫通して電池蓋4外部に突出している。そして、第1のセラミックワッシャ3a、金属製のナット2底面よりも平滑な金属ワッシャ14を、この順に正極外部端子1a、負極外部端子1bにそれぞれ嵌め込んだ。なお、電池蓋4には電池の内圧上昇に応じて開裂する開裂弁10が設けられており、その開裂圧力は、1.3×10〜1.8×10Paに設定した。
次いで、ナット2を、正極外部端子1a、負極外部端子1bにそれぞれ螺着し、第2のセラミックワッシャ3b、第1のセラミックワッシャ3a、金属ワッシャ14を介して電池蓋4を鍔部7とナット2との間で締め付けて固定した。このときの締め付けトルク値は約6.86N・mとした。電池蓋4裏面と鍔部7との間に介在させたゴム(EPDM)製のOリング16の圧縮により電池容器5内部の発電要素等は外気から遮断される。
その後、電池蓋4に設けた注液口15から、所定量の非水電解液を電池容器5内に注液し、注液口15を封止することで円筒型リチウムイオン電池20を完成させた。非水電解液には、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートを体積比1:1:1で混合した混合溶媒中へ6フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットル溶解した有機電解液を用いた。注液量は注液前の正極板、負極板、セパレータの空隙量の総和体積量とした。注液後は速やかに電池蓋4をカシメて電池を密閉化し注液後6時間以内に初充電を行った。なお、リチウムイオン電池20には、電池部の内圧上昇に応じて電気的接続が切断されるような電流遮断機構は設けられていない。
次に、本実施形態に従い、NMPに炭素繊維を分散させるときの攪拌時間を変えて作製したリチウムイオン電池20の実施例について説明する。なお、比較のために作製した比較例の電池についても説明する。
(実施例1)
実施例1では、分散液調製ステップで炭素繊維をNMPに分散させるときの攪拌時間を1分間として作製した負極板を用いた。
(実施例2〜実施例3)
実施例2〜実施例3では、攪拌時間を変える以外は実施例1と同様にした。攪拌時間は、実施例2では5分間、実施例3では10分間とした。
(比較例1)
図3に示すように、比較例1では、負極活物質の黒鉛粉末及び導電剤の炭素繊維を混合し、これに結着剤のPVDF及び有機分散媒のNMPを加えた後、混練して負極合剤スラリを作製する以外は実施例1と同様にした。すなわち、比較例1のリチウムイオン電池は、炭素繊維を予めNMPに分散させていない従来の電池である。
(分散性評価)
NMPに対する炭素繊維の分散性の評価は、ビーカに1.5gの炭素繊維とNMPの10ccとを計り採り、攪拌時間の異なるものをグラインドメータ(ツブゲージ)にのせ、かきとり刃でかきとったときのスジの発生及び凝集物の大きさを目視で判定した。下表1に評価結果を示す。表1において、◎はスジの発生がなく、凝集物も認められないこと、○はスジの発生はないが、若干の凝集物が認められること、×はスジが発生し、凝集物も多く認められることをそれぞれ示している。
表1に示すように、NMPに炭素繊維を加えて攪拌しない混合液では、スジが発生し、凝集物も多く認められた。これに対して、攪拌時間1〜5分間とすることで、若干の凝集物が認められたもののスジの発生は認められなくなった。攪拌時間を10分間とすることで、スジの発生がなく、凝集物も認められないことが明らかとなった。
次に、実施例及び比較例の各リチウムイオン電池について、充放電を繰り返すことで電圧低下を測定した結果、予めNMPに炭素繊維を分散させていない比較例1のリチウムイオン電池では、早期に電圧低下が認められ、内部短絡が発生していることが判った。これに対して、予めNMPに炭素繊維を分散させ攪拌時間を1〜10分間とした実施例1〜実施例3のリチウムイオン電池20では、電圧低下が小さく、内部短絡の発生は認められなかった。このことから、予めNMPに炭素繊維を分散させた後、負極活物質の黒鉛及びPVDFを加えて作製した負極合剤スラリでは、炭素繊維や黒鉛の凝集物が偏在して生じることなく圧延銅箔に塗布することができ、表面がほぼ平坦な負極板を得ることができることが判明した。
通常、リチウムイオン電池用負極板の作製では、黒鉛等の負極活物質、気相炭素繊維等の電極の導電性を向上させる添加剤、ポリフッ化ビニリデン等の結着剤、NMP等の有機分散媒を混練することで負極合剤スラリが作製される。ところが、これらを一度に混合すると、各種材料が充分に分散した負極合剤スラリを得ることが難しく、黒鉛や炭素繊維が十分に分散されず負極合剤スラリ中で凝集物を形成することとなる。このような負極合剤スラリを塗布装置の吐出口から吐出させて負極集電体に塗布すると、凝集物が吐出口で成長したり、吐出口に詰まったりすると部分的に負極合剤スラリが吐出されなくなるため、塗布した負極合剤スラリの表面にスジが発生する。また、凝集物が点在するため、負極板表面に凸部を形成して平坦性を損なうこととなる。この負極板を用いて作製したリチウムイオン電池では、充放電時の負極板の収縮、膨張により負極板上の凝集物がセパレータを突き破り内部短絡の原因となる。凝集物をほどいて負極材料を均一に分散させるために長時間かけて混練すると、電池生産量の低下を招く。更に、負極材料の分散が不十分なまま負極合剤スラリを放置すると、徐々に負極材料の凝集物が大きくなる。
本実施形態の負極板の作製では、予め炭素繊維をNMPに分散させて添加剤分散液を調製する。この添加剤分散液に黒鉛粉末及びPVDFを混合して粘度調整用のNMPを加えて混練し負極合剤スラリを作製する。このため、添加剤分散液の調製時に、NMPが炭素繊維に浸潤して添加剤分散液中の炭素繊維がほぼ均一に分散する。これにより、負極合剤スラリ中で黒鉛粉末や炭素繊維が凝集しても、凝集物が偏在して凝集することなく凝集物の大きさが抑制されるので、圧延銅箔に塗布した負極合剤スラリの表面がほぼ平坦な負極板を得ることができる。従って、この負極板を用いたリチウムイオン電池20では、負極板表面に凝集物が点在していないので、セパレータの破損による内部短絡を防止することができる。
また、本実施形態では、負極合剤スラリ中で黒鉛粉末、炭素繊維の凝集物が偏在して凝集しないため、凝集物の最大径を負極合剤の厚さ方向に対する塗布装置の吐出口の内寸以下とすることができる。また、炭素繊維がうまく分散されているため、例えば、負極合剤スラリが塗布装置のスラリ留に貯留されている間でも、凝集物の最大径が大きくなることはない。このため、圧延銅箔に負極合剤スラリを塗布するときに、塗布装置の吐出口から吐出させても、凝集物が吐出口で成長することや吐出口に詰まることを防止することができる。これにより、吐出口から負極合剤スラリをほぼ一様に吐出可能となるので、塗布した負極合剤スラリの表面にスジが発生することを防止することができる。
更に、分散液調製ステップで、炭素繊維をNMPに分散させるときの攪拌時間を1分間以上とすることで、炭素繊維を充分に分散することができる。このとき、攪拌時間を10分間とすることがより好ましく、得られる負極板表面の平坦性を向上させることができることが判明した。
なお、本実施形態では、分散液調製ステップで用いる第1の有機分散媒及びスラリ作製ステップで用いる第2の有機分散媒に同一の有機分散媒のNMPを用いる例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1の有機分散媒と第2の有機分散媒とを異なる有機分散媒としてもよい。添加剤分散液に第2の有機分散媒を加えて混練することを考慮すれば、相溶性等から第1、第2の有機分散媒を同一とすることが好ましい。本実施形態以外で用いることのできる第1、第2の有機分散媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルスルホキシド等を挙げることができる。
また、本実施形態では、導電性の添加剤として気相成長炭素繊維を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、アセチレンブラックやケッチェンブラック等の炭素材を用いても同様の効果を得ることができる。中でも、繊維状や粒径が小さく凝集しやすい添加剤に有効である。
更に、本実施形態では、塗布ステップで塗布装置の吐出口から負極合剤スラリを吐出させて圧延銅箔に塗布する例を示したが、本発明は塗布装置に制限されるものではない。圧延銅箔上に負極合剤スラリをほぼ均等な厚さで塗布することができればよく、例えば、ロールコータやリバースコータ等の塗布装置を用いてもよい。
また更に、本実施形態では、正極活物質としてマンガン酸リチウムを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、通常、リチウムイオン電池に用いられる、例えば、リチウムコバルト複合酸化物やリチウムニッケル複合酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物を用いてもよい。また、負極活物質に黒鉛を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。本実施形態以外で用いることのできる負極活物質としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス、非晶質炭素等の炭素材料を挙げることができ、その形状としても粒子状、鱗片状、繊維状、塊状等特に制限されるものではない。
更にまた、本実施形態では、結着剤としてPVDFを例示したが、本実施形態以外で用いることのできる結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ブチルゴム、ニトリルゴム、スチレン・ブタジエンゴム、多硫化ゴム、ニトロセルロース、シアノエチルセルロース、各種ラテックス、アクリロニトリル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、フッ化プロピレン、フッ化クロロプレン等の重合体やこれらの混合物を挙げることができる。
また、本実施形態では、正負極板を捲回した大型の円筒型リチウムイオン電池20を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、有底円筒状の電池容器を用い、上蓋をカシメて封口する比較的小型のリチウムイオン電池でも同様の結果が得られることを確認している。また、正負極板を積層して用いるリチウムイオン電池にも適用することができ、電池形状についても特に制限されるものではない。
更に、本実施形態では、非水電解液に、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートを体積比1:1:1で混合した混合溶媒中へ6フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットル溶解したものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。本実施形態以外で用いることのできる電解質としては、LiClO、LiAsF、LiBF、LiB(C、CHSOLi、CFSOLi等やこれらの混合物を挙げることができる。また、有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル等を挙げることができ、これらの2種以上を混合して用いてもよい。
本発明は、負極材料の凝集を抑制可能で、負極板表面を平坦にすることができる非水電解液二次電池用負極板の製造方法を提供するものであり、電池の内部短絡を防止することができるため、製造、販売に寄与し、産業上利用することができる。
本発明を適用した実施形態の円筒型リチウムイオン電池の負極板の製造工程要部を示す工程図である。 実施形態の円筒型リチウムイオン電池を示す断面図である。 比較例の円筒型リチウムイオン電池の負極板の製造工程を示す工程図である。
符号の説明
6 捲回群
20 円筒型リチウムイオン電池(非水電解液二次電池)

Claims (4)

  1. 負極活物質、結着剤及び導電性添加剤を含む負極合剤を集電体に塗着した非水電解液二次電池用負極板の製造方法であって、
    予め前記添加剤を第1の有機分散媒に分散させて添加剤分散液を準備し、
    前記準備した添加剤分散液と、前記負極活物質、前記結着剤及び第2の有機分散媒とを混練して合剤スラリを調製し、
    前記調製した合剤スラリを前記集電体に塗布する、
    ステップを含むことを特徴とする製造方法。
  2. 前記塗布するステップでは、塗布装置の吐出口から前記合剤スラリを吐出させて前記集電体に塗布し、かつ、前記塗布装置のスラリ留に貯留された前記合剤スラリ中に存在する負極活物質、添加剤の凝集物の最大径が前記負極合剤の厚さ方向に対する前記吐出口の内寸以下であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記準備するステップでは、前記添加剤を前記第1の有機分散媒に分散させるための分散時間が1分間以上であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  4. 前記第1の有機分散媒と前記第2の有機分散媒とが同一の有機分散媒であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
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