JP2005325334A - 微粒子分散物、これを用いたインク組成物及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 酸化電位が1.0V(vs SCE)よりも貴である油溶性染料と、アミド基、グリシジル基及び水酸基から選ばれる1種又は2種以上の基を有するポリマーとを含む微粒子が水性媒体に分散された微粒子分散物及びこれを含むインク組成物。
【選択図】 なし
Description
ところが、これらの水性インクの場合、耐水性はある程度向上するものの十分とはいい難く、該水性インク中の顔料や分散染料の分散物の保存安定性に欠け、インク吐出口での目詰まりを起こし易い等の問題がある。更に、写真画質用紙においては、前記顔料や染料を用いたインクは浸透性に乏しく、手で擦ると表面から前記顔料や染料が剥離し易いという問題もある。
また、ポリマーに塩形成基とポリアルキレンオキサイド基を導入することで、着色性、耐擦過性に優れたインクが提案されている(例えば、特許文献4参照)が、指による耐擦過性は良いものの、消しゴム擦りのような高レベルの耐擦過性は不十分である。
さらに、高沸点有機溶媒と染料を用いることで、色調や耐擦過性を向上させる方法が提案されている(例えば、特許文献5参照)が、高レベルの画像耐久性が要求される場合は不十分であった。
即ち、本発明は次のものを提供するものである。
本発明の微粒子分散物は、酸化電位が1.0V(vs SCE)よりも貴である油溶性染料と、アミド基、グリシジル基及び水酸基から選ばれる1種又は2種以上の基を有するポリマーとを含む微粒子が水性媒体に分散されたものであり、該微粒子分散物は、さらに沸点150℃以上の疎水性高沸点有機溶媒が含まれていてもよい。詳細には、本発明の微粒子分散物は、該油溶性染料と該ポリマーと、必要に応じて疎水性高沸点有機溶媒やその他の着色剤が、水性媒体中に微粒子上の油滴として分散された、所謂乳化分散状態になっているものである。
なお、本発明において、「水性媒体」とは、水又は水と少量の水混和性有機溶剤との混合物に、必要に応じて添加剤などを添加したものを意味する。
本発明に用いる分散性ポリマーは、アミド基、グリシジル基及び水酸基から選ばれる1種又は2種以上の基を有するポリマーであり、具体的には下記一般式(1)、(2)及び(3)で表される基から選ばれる1種又は2種以上を有するものが好ましい。
式について詳細に説明する。
本発明に用いる分散性ポリマーは、疎水性ポリマー部位と親水性ポリマー部位を有するものが好ましい。分散性ポリマー中の疎水性ポリマー部位と親水性ポリマー部位の配置は任意であるが、親水性ポリマー部位がポリマーの末端や側鎖に位置する、例えば、側鎖が親水性ポリマー部位であるグラフトコポリマー、末端に親水性ポリマー部位を有するブロックコポリマーが好ましい。本発明に用いる分散性ポリマーは、ビニルポリマー、縮合系ポリマー(ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、ポリカーボネート)等従来公知のポリマーでもよいが、ポリマーの構造制御がし易いビニルポリマーが好ましい。
ここで疎水性ポリマー部位は、疎水性部位からなるポリマーを形成した場合、水に不溶かつ分解もしない性質をもつポリマー部位であり、更にインク浸透性を向上させるために分子量(Mw)は小さい方が好ましい。即ち、Mwは10000以下が好ましく、5000以下が更に好ましい。
アクリル酸エステル類やメタクリル酸エステル類(エステル結合の末端の基は、置換基を有していてもよい脂肪族基や置換基を有していてもよい芳香族基が挙げられ、これらの例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert−ブチル基、アミル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、tert−オクチル基、2−クロロエチル基、4−ブロモブチル基、シアノエチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、ブトシキメチル基、3−メトキシブチル基、2−(2−メトキシエトキシ)エチル基、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル基、2,2,2−テトラフルオロエチル基、1H, 1H, 2H, 2Hパーフルオロデシル基、4−ブチルフェニル基、フェニル基、2,4,5−テトラメチルフェニル基、4−クロロフェニル基等が挙げられる。)
カチオン性の部位としては、三級アミノ基、ピリジンなどのカチオン性の解離基を有するポリマー、アニオン性のポリマー部位としては、カルボン酸、スルホン酸等のアニオン性の解離基を有するポリマー、非イオン性のポリマー部位としては、エチレンオキシ基、水酸基、ピロリドン基などの非イオン性分散性基を含有するポリマーが挙げられる。
親水性ポリマー部位は、親水性部位として機能するのであれば、原料を1種用いてもよいし、種々の目的(各々の水系媒体中での分散物の安定性、分散物製造のポリマーの溶解性などの調整)のために、2種以上用いてもよい。
本発明に用いる分散性ポリマーは、ホモポリマーであっても、2種以上の共重合体であってもよく、ブレンド混合等であってもよい。本発明のポリマー構造単位(アミド基、グリシジル基、水酸基)の含有量は、多いほど良好な性能を示す。
PA−2) n-ヘキシルメタクリレート/t-ブチルアクリルアミド共重合体(50:50)Mw=17800
PA−3) イソブチルアクリレート/t-ブチルアクリルアミド共重合体(70:30)Mw=28300
PA−4) n-ブチルアクリレート/グリシジルメタクリレートの共重合体 (70:30)Mw=33000
PA−5) n-ヘキシルメタクリレート/グリシジルメタクリレートの共重合体(70:30)Mw=26700
PA−6) n-ブチルアクリレート/グリシジルアクリレートの共重合体(70:30)Mw=35000
PA−7) n-ブチルアクリレート/2-ヒドロキシエチルアクリレートの共重合体 (70:30)Mw=24300
PA−8)n-ブチルアクリレート/2-ヒドロキシエチルメタクリレートの共重合体 (50:50)Mw=28200
PA−9)n-ブチルアクリレート/t-ブチルアクリルアミド/グリシジルメタクリレートの共重合体 (30:50:20)Mw=19000
PA−10)n-ヘキシルメタクリレート/t-ブチルアクリルアミド/グリシジルアクリレートの共重合体 (30:50:20)Mw=22500
PA−11)n-ブチルアクリレート/t−ブチルアクリルアミドの共重合体(70:30)Mw=31000
PA−12)n-ブチルアクリレート/t−ブチルアクリルアミドの共重合体(80:20)Mw=30140
PA−13)n-ブチルアクリレート/t−ブチルアクリルアミドの共重合体(90:10)Mw=30600
PA−14)n-ブチルアクリレート/t−ブチルアクリルアミドの共重合体(30:70)Mw=36000
PA−15)n-ブチルアクリレート/t−ブチルアクリルアミドの共重合体(20:80)Mw=38200
PA−16)n-ブチルアクリレート/t−ブチルアクリルアミドの共重合体(10:90)Mw=36500
PA−17)n-ブチルアクリレート/グリシジルメタクリレートの共重合体(80:20)Mw=32900
PA−18)n-ブチルアクリレート/グリシジルメタクリレートの共重合体(90:10)Mw=33600
PA−19)n-ブチルアクリレート/グリシジルメタクリレートの共重合体(50:50)Mw=31000
PA−20)n-ブチルアクリレート/グリシジルメタクリレートの共重合体(30:70)Mw=28800
PA−21)n-ブチルアクリレート/t−ブチルアクリルアミドの共重合体(50:50)とn-ブチルアクリレート/グリシジルアクリレートの共重合体(70:30)=1/1ブレンド
PA−22)n-ブチルアクリレート/t−ブチルアクリルアミドの共重合体(50:50)とn-ブチルアクリレート/グリシジルアクリレートの共重合体(70:30)=2/1ブレンド
PA−23)n-ブチルアクリレート/t−ブチルアクリルアミドの共重合体(50:50)とブチルアクリレート/2-ヒドロキシエチルメタクリレートの共重合体(50:50)=1/1ブレンド
PA−24)n-ブチルアクリレート/t−ブチルアクリルアミドの共重合体(50:50)とn-ブチルアクリレート/2-ヒドロキシエチルメタクリレートの共重合体(50:50)=3/1ブレンド
PA−25)n-ブチルアクリレート/N−イソプロピルアクリルアミドの共重合体(70:30)Mw=4200
PA−26)n-ブチルアクリレート/N−イソプロピルアクリルアミドの共重合体(50:50) Mw=6990
本発明に用いる油溶性染料とは、水に実質的に不溶な色素を意味する。より具体的には、25℃での水への溶解度(水100gに溶解できる色素の質量)が1g以下であり、好ましくは0.5g以下、より好ましくは0.1g以下であるものを意味する。
従って、油溶性染料とは、所謂水に不溶性の油溶性色素を意味する。
酸化電位に関しては、特開2002−309118号の段落[0049]から[0051]に記載されている。
本発明のインク組成物においては、油溶性染料は1種単独で用いてもよく、また、数種類を混合して用いてもよい。また、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、他の水溶性染料、分散染料、顔料等の着色材が含有されていてもよい。
また、油溶性染料は従来公知の化合物(染料)が使用できる。具体的には、特開2002−114930号の段落[0023]から[0053]に記載されている染料などが挙げられる。
前記アルキル基としては、炭素原子数が1〜20のアルキル基が好ましく、前記置換基の例としては、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、及びイオン性親水性基が挙げられる。
(置換)アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、ブチル、イソプロピル、t−ブチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、シアノエチル、トリフルオロメチル、3−スルホプロピル、及び4−スルホブチルが好適に挙げられる。
シクロアルキル基としては、炭素原子数が5〜12のシクロアルキル基が好ましく、置換基の例としては、イオン性親水性基が挙げられる。
シクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキシルが好適に挙げられる。
前記アラルキル基としては、炭素原子数が7〜20のアラルキル基が好ましく、前記置換基の例にはイオン性親水性基が挙げられる。
前記アラルキル基としては、ベンジル、及び2−フェネチルが好適に挙げられる。
前記アリール基としては、炭素原子数が6〜20のアリール基が好ましく、前記置換基の例には、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルキルアミノ基、及びイオン性親水性基が挙げられる。
(置換)アリール基の例としては、フェニル、p−トリル、p−メトキシフェニル、o−クロロフェニル、及びm−(3−スルホプロピルアミノ)フェニルが好適に挙げられる。
前記アルキルチオ基としては、炭素原子数が1〜20のアルキルチオ基が好ましく、前記置換基の例にはイオン性親水性基が挙げられる。
前記アルキルチオ基としては、メチルチオ基及びエチルチオ基が好適に挙げられる。
前記アリールチオ基としては、炭素原子数が6〜20のアリールチオ基が好ましく、前記置換基の例としては、アルキル基、及びイオン性親水性基が挙げられる。
前記アリールチオ基としては、例えば、フェニルチオ基及びp−トリルチオが好適に挙げられる。
R1、R3、R5、及びR8が表すアルコキシ基には、置換基を有するアルコキシ基及び無置換のアルコキシ基が含まれる。
前記アルコキシ基としては、炭素原子数が1〜20のアルコキシ基が好ましく、前記置換基の例としては、ヒドロキシル基、及びイオン性親水性基が含まれる。
(置換)アルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、メトキシエトキシ、ヒドロキシエトキシ、及び3−カルボキシプロポキシが好適に挙げられる。
アリールオキシ基としては、炭素原子数が6〜20のアリールオキシ基が好ましく、置換基の例には、アルコキシ基、及びイオン性親水性基が含まれる。
(置換)アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ、p−メトキシフェノキシ及びo−メトキシフェノキシが好適に挙げられる。
R8が表すアシルアミノ基には、置換基を有するアシルアミノ基及び無置換のアシルアミノ基が含まれる。
前記アシルアミノ基としては、炭素原子数が2〜20のアシルアミノ基が好ましく、前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。
前記アシルアミノ基としては、例えば、アセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド及び3、5−ジスルホベンズアミドが好適に挙げられる。
スルホニルアミノ基としては、炭素原子数が1〜20のスルホニルアミノ基が好ましい。
スルホニルアミノ基としては、例えば、メチルスルホニルアミノ、及びエチルスルホニルアミノが好適に挙げられる。
アルコキシカルボニルアミノ基としては、炭素原子数が2〜20のアルコキシカルボニルアミノ基が好ましく、前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。
アルコキシカルボニルアミノ基としては、エトキシカルボニルアミノが好適に挙げられる。
前記ウレイド基としては、炭素原子数が1〜20のウレイド基が好ましく、 前記置換基の例としては、アルキル基及びアリール基が含まれる。
(置換)ウレイド基としては、例えば、3−メチルウレイド、3、3−ジメチルウレイド及び3−フェニルウレイドが好適に挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、炭素原子数が2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましく、前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。
アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル及びエトキシカルボニルが好適に挙げられる。
(置換)カルバモイル基としては、例えば、メチルカルバモイル基及びジメチルカルバモイル基が好適に挙げられる。
R8が表すスルファモイル基には、置換基を有するスルファモイル基及び無置換のスルファモイル基が含まれる。前記置換基の例には、アルキル基が含まれる。
(置換)スルファモイル基としては、例えば、ジメチルスルファモイル基及びジ−(2−ヒドロキシエチル)スルファモイル基が好適に挙げられる。
R2、R8が表すアシル基には、置換基を有するアシル基及び無置換のアシル基が含まれる。アシル基としては、炭素原子数が1〜20のアシル基が好ましく、前記置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。
アシル基としては、アセチル及びベンゾイルが好適に挙げられる。
(置換)アミノ基としては、メチルアミノ、ジエチルアミノ、アニリノ及び2−クロロアニリノが好適に挙げられる。
置換基としては、イオン性親水性基、炭素原子数が1〜12のアルキル基、アリール基、アルキル又はアリールチオ基、ハロゲン原子、シアノ基、スルファモイル基、スルホンアミノ基、カルバモイル基、及びアシルアミノ基等が挙げられ、前記アルキル基及びアリール基等はさらに置換基を有していてもよい。
一般式(Y−I)で表される染料の具体例(Y−101〜Y−155)は特開2003−073598号の段落番号[0139]〜[0149]に示されているが、本発明に用いられる染料は、下記の具体例に限定されるものではない。これらの化合物は特開平2−24191号、特開2001−279145号の各公報を参考にして合成できる。
特に好ましい染料は、特開2002−121414号の段落番号[0084]から[0122]に記載されているの一般式(M−1)〜(M−2)で表されるアゾ染料であり、具体例として特開2002−121414号の段落番号[0123]から[0132]に記載の化合物が挙げられる。尚、該公報記載の一般式(3)、(4)、(M−1)〜(M−2)の油溶性染料はマゼンタのみでなく、ブラックインク、レッドインクなどのいかなる色のインクに用いても良い。
特に好ましい染料は、特開2002−121414号の段落番号[0133]から[0196]に記載されている一般式(C−I)、(C−II)で表されるフタロシアニン染料であり、更に一般式(C−II)で表されるフタロシアニン染料が好ましい。この具体例としては、特開2002−121414号の段落番号[0198]から[0201]の化合物が挙げられる。尚、前記式(I)〜(IV)、(IV−1)〜(IV−4)、(C−I)、(C−II)の油溶性染料はシアンのみでなく、ブラックインクやグリーンインクなどのいかなる色のインクに用いても良い。
前記油溶性染料の微粒子分散物中の含有量は、0.05〜15質量%が好ましく、0.1〜10質量%が更に好ましく、0.2〜6質量%が特に好ましい。
本発明の微粒子分散物は、酸化電位が1.0V(vs SCE)よりも貴である油溶性染料と前記特定の構造部位を含む分散性ポリマーとを水性媒体(少なくとも水を含有する液)中に微粒子の形で分散させることにより製造される。具体的には、例えば、予め前記分散性ポリマーのラテックスを調製しこれに前記油溶性染料を含浸させる方法、あるいは共乳化分散法などが挙げられる。
これらの中でも、共乳化分散法が好ましい。共乳化分散法としては、前記分散性ポリマーと前記油溶性染料とを含有する有機溶媒に水を添加すること、及び、水中に該有機溶媒を添加すること、のいずれかにより、該有機溶媒を乳化させ微粒子化させる方法が好ましい。
この方法の第一の例は、ポリマーラテックスを調製する第一の工程と、有機溶剤に前記油溶性染料を分散あるいは溶解した着色剤含有液を調製する第二の工程と、前記着色剤含有液と前記ポリマーラテックスを混合し、微粒子分散物を調製する第三工程とを含む。
この方法の第二の例は、ポリマーラテックスを調製する第一の工程と、有機溶剤に前記油溶性染料を分散あるいは溶解した着色剤含有液を調製し、この着色剤含有液と少なくとも水を含む液とを混合して着色剤微粒子分散液を調製する第二の工程と、前記ポリマーラテックスと前記着色剤微粒子分散液とを混合し、微粒子分散物を調製する第三工程とを含む。
この方法の第三の例としては、特開昭55−139471号公報に記載の方法が挙げられる。
この方法の第一の例は、有機溶剤に前記油溶性染料と前記分散性ポリマーを分散あるいは溶解したポリマー着色剤混合液を調製する第一の工程と、得られたポリマー着色剤混合液と少なくとも水を含む液とを混合して微粒子分散物を調製する第二の工程とを含む。
この方法の第二の例は、有機溶剤に前記油溶性染料を分散あるいは溶解した着色剤含有液を調製する第一の工程と、有機溶剤に分散性ポリマーを分散あるいは溶解したポリマー溶液を調製する第二の工程と、該着色剤含有液と該ポリマー溶液と少なくとも水を含む液とを混合して微粒子分散物を調製する第三の工程とを含む。
この方法の第三の例は、有機溶剤に前記油溶性染料を分散あるいは溶解した着色剤含有液を調製し、この着色剤含有液と少なくとも水を含む液とを混合して着色剤微粒子分散液を調製する第一の工程と、有機溶剤に分散性ポリマーを分散あるいは溶解したポリマー溶液を調製し、このポリマー溶液と少なくとも水を含む液とを混合してポリマー微粒子分散液を作製する第二の工程と、該着色剤微粒子分散液と該ポリマー微粒子分散液とを混合して微粒子分散物を調製する第三の工程とを含む。
この方法の第四の例は、有機溶剤に前記油溶性染料を分散あるいは溶解した着色剤含有液を調製し、この着色剤含有液と少なくとも水を含む液とを混合して着色剤微粒子分散液を調製する第一の工程と、有機溶剤に分散性ポリマーを分散あるいは溶解したポリマー溶液を調製する第二の工程と、該着色剤微粒子分散液と該ポリマー溶液とを混合して微粒子分散物を調製する第三の工程とを含む。
この方法の第五の例は、前記油溶性染料と分散性ポリマーに対し、少なくとも水を含む液とを混合して、直接、微粒子分散物を調製する工程である。
前記微粒子の平均粒径は、1〜500nmが好ましく、3〜300nmがより好ましく、3〜200nmが特に好ましい。粒径分布に関しては特に制限はなく、広い粒径分布を持つものでも単分散の粒径分布を持つものでもよい。前記粒径、前記粒径分布は、遠心分離、濾過等の手段により、調整することもできる。
本発明の微粒子分散物を製造する際に用いる有機溶剤としては、特に制限はなく、前記油溶性染料や前記分散性ポリマーの溶解性に基づいて適宜選択することができ、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、などが挙げられる。
有機溶剤は単独で用いても良いし2種以上を併用しても良い。また前記染料やポリマーの溶解性によっては、水との混合溶媒であっても良い。
前記有機溶剤の使用量が、10質量部未満であると、微粒子の微細で安定な分散が難しくなる傾向があり、2000質量部を超えると、前記有機溶剤を除去するための脱溶媒と濃縮の工程が必須かつ煩雑となり、かつ配合設計上の余裕がなくなる傾向がある。
本発明の微粒子分散物は、本発明の効果を害しない範囲内において、目的に応じて適宜選択した添加剤を含んでいてもよい。
前記添加剤としては、例えば、中和剤、疎水性高沸点有機溶媒、分散剤、分散安定剤などが挙げられる。
前記中和剤としては、有機塩基、無機アルカリなどが挙げられる。
無機アルカリとしては、アルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウムなど)、炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなど)、アンモニアなどが挙げられる。
前記中和剤は、微粒子分散物における分散安定性を向上させる観点からは、pH4.5〜10.0となるよう添加するのが好ましく、pH6.0〜10.0となるよう添加するのがより好ましい。
高沸点溶剤の使用量としては、本発明の効果を害しない範囲内であれば特に制限はないが、前記分散性ポリマー100質量部に対し、0〜1000質量部が好ましく、0〜300質量部がより好ましい。
分散剤、分散安定剤としては、カチオン、アニオン、ノニオン系の各種界面活性剤、水溶性または水分散性の低分子化合物、オリゴマー等が挙げられる。前記分散剤、分散安定剤の添加量としては、前記油溶性染料と前記分散性ポリマーとの合計に対し、0〜100質量%であり、0〜20質量%が好ましい。
非イオン性界面活性剤の使用量は油溶性染料の0.01〜1.0重量比が好ましく、0.01〜0.5重量比が好ましい。
上記非イオン性界面活性剤に加えてアニオン系界面活性剤を油溶性染料の0.01〜0.5重量比併用しても良い。
本発明の微粒子分散物は、各種分野において使用することができるが、筆記用水性インク、水性印刷インク、情報記録用インク等に好適であり、以下の本発明のインクジェット用インクに特に好適に使用することができる。
本発明のインクジェット用インクは、前記本発明の微粒子分散物を含有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の添加剤を含有してなる。なお前記その他の添加剤としては、乾燥防止剤、浸透促進剤、酸化防止剤、防黴剤、pH調節剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知添加剤が挙げられ、これらは特開2001−279141号の段落番号(0217)から(0226)までに記載のものを用いることができる。
本発明のインクジェット記録用インクは、特開2001−279141号の段落番号(0247)に記載のものを用いることができる。
添加剤として、水溶性有機溶剤、表面張力調整剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、酸化防止剤、防黴剤、防錆剤、pH調整剤、消泡剤、キレート剤、紫外線吸収剤等を適宜選択して適量使用することができる。これらの添加剤は、特開2001−181549号公報などに記載されている。
水溶性有機溶剤は乾燥防止剤や浸透促進剤の目的で使用される。水溶性有機溶剤としては水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。具体的な例としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン等に代表される多価アルコール類、アミルアルコール、フルフリルアルコール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等に代表される置換あるいは無置換の脂肪族一価アルコール類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物が挙げられる。
これらのうち多価アルコール類と置換あるいは無置換の脂肪族一価アルコール類が好ましく、グリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコール類とがより好ましい。また上記の前記水溶性有機溶剤は単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
これらの水溶性有機溶剤はインク中に5〜60質量%含有することが好ましく、7〜50質量%含有することがさらに好ましく、10〜40質量%含有することが特に好ましい。
また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。更に、特開昭59−157,636号の第(37)〜(38)頁、リサーチディスクロージャーNo.308119(1989年) 記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。
インクからの析出や分離が起こりにくく、発泡性が少なくいことから、疎水性部位が2本鎖あるいは疎水性部位が分岐しているアニオン性界面活性剤や疎水性部位の中央付近に親水性基を有するアニオン性界面活性剤、疎水性部位が2本鎖あるいは疎水性部位が分岐しているノニオン性界面活性剤(例えば、2−ブチルオクタン酸のポリエチレンオキシドの片末端エステル、ウンデカン−6−オールのポリエチレンオキシド付加物など)、疎水性部位の中央付近に親水性基を有するノニオン性界面活性剤(例えば、アセチレン系ジオールのエチレンオキシド付加物(SURFYNOLシリーズ(AirProducts&Chemicals社))など)が好ましく、中でも、分子量200以上1000以下のものが好ましく、分子量300以上900以下のものが更に好ましく、分子量400以上900以下のものが特に好ましい。
本発明のインクの粘度は30mPa・s以下が好ましい。更に20mPa・s以下に調整することがより好ましく、粘度を調整する目的で粘度調整剤が使用されることがある。粘度調整剤としては、例えば、セルロース類、ポリビニルアルコールなどの水溶性ポリマー等が挙げられる。
分散剤、分散安定剤、酸化防止剤、防黴剤、防錆剤、pH調整剤、消泡剤、キレート剤、紫外線吸収剤等の添加剤は、特開2001−181549号公報などに記載されている公知の化合物を使用することができる。
本発明のインクを用いたインクジェット記録方法に使用される被記録材としては、普通紙、コート紙、プラスチックフィルム等が挙げられる。被記録材に関しては、特開2001−181549号公報、特開2001−279141号の段落番号(0228)から(0246)に記載されている無機微粒子を含む多孔質インク受容層を有する被記録材が好ましい。また、被記録材としては、記録紙が好ましい。
(実施例1)
−製造例1(微粒子分散物(A−1)の調製)−
酢酸エチル 16部、分散性ポリマー(PA−1)Mw=25900 2.7部(固形分50%)、下記油溶性染料(M−1)(酸化電位1.39V) 0.45部の混合溶液を調製した。一方、水18部、及びエマール20C(花王(株)) 0.4部の混合液を調整した。前記2種の混合液を合わせ、ホモジナイザーにて混合乳化した後、減圧下30℃で濃縮し、固形分17.2%の微粒子分散物を調製した。微粒子分散物中の微粒子の粒径は、体積平均径で65nmであった。以下、これを微粒子分散物(A-1)と略記する。
酢酸エチル 16部、分散性ポリマー(PA−4)Mw=33000 2.7部(固形分50%)、下記油溶性染料(M−1) 0.45部の混合溶液を調製した。一方、水18部、及びエマール20C(花王(株))) 0.4部の混合液を調整した。前記2種の混合液を合わせ、ホモジナイザーにて混合乳化した後、減圧下30℃で濃縮し、固形分16.8%の微粒子分散物を調製した。微粒子分散物中の微粒子の粒径は、体積平均径で95nmであった。以下、これを微粒子分散物(A-2)と略記する。
酢酸エチル 16部、分散性ポリマー(PA−7)Mw=24300 2.7部(固形分50%)、下記油溶性染料(M−1) 0.45部の混合溶液を調製した。一方、水18部、及びエマール20C(花王(株))) 0.4部の混合液を調整した。前記2種の混合液を合わせ、ホモジナイザーにて混合乳化した後、減圧下30℃で濃縮し、固形分17.8%の微粒子分散物を調製した。微粒子分散物中の微粒子の粒径は、体積平均径で72nmであった。以下、これを微粒子分散物(A-3)と略記する。
酢酸エチル 16部、分散性ポリマー(PA−9)Mw=19000 2.7部(固形分50%)、下記油溶性染料(M−1) 0.45部の混合溶液を調製した。一方、水18部、及びエマール20C(花王(株))) 0.4部の混合液を調整した。前記2種の混合液を合わせ、ホモジナイザーにて混合乳化した後、減圧下30℃で濃縮し、固形分16.5%の微粒子分散物を調製した。微粒子分散物中の微粒子の粒径は、体積平均径で102nmであった。以下、これを微粒子分散物(A-4)と略記する。
製造例1のPA−1をPA−12、13、15、16(それぞれn-ブチルアクリレート/t-ブチルアクリルアミド=80:20、90:10、20:80、10:90の混合比率品)に変更した以外は製造例1と同様に微粒子分散物を調製した。これらの微粒子分散物(A−5〜8)と略記する。
製造例1のPA-1をPA−13、12、11、1、14、15、16(それぞれn-ブチルアクリレート/t−ブチルアクリルアミド=90:10、80:20、70:30、50:50,30:70、20:80、10:90の混合比率品)に変更した以外は製造例1と同様に微粒子分散物を調製した。これらの微粒子分散物(A−9〜14)と略記する。
酢酸エチル 16部、分散性ポリマー(n-ブチルアクリレートMw=19700のみ) 2.7部(固形分50%)、下記油溶性染料(M−1) 0.45部の混合溶液を調製した。一方、水18部、及びエマール20C(花王(株)) 0.4部の混合液を調整した。前記2種の混合液を合わせ、ホモジナイザーにて混合乳化した後、減圧下30℃で濃縮し、固形分17.4%の微粒子分散物を調製した。微粒子分散物中の微粒子の粒径は、体積平均径で67nmであった。以下、これを微粒子分散物(B-1)と略記する。
−比較製造例2(微粒子分散物(B−2)の調製)−
比較製造例1のブチルアクリレートのみをn-ブチルアクリレート/2−カルボキシエチルアクリレート=70/30に変更した以外は比較製造例1と同様に微粒子分散物を調製した。これらの微粒子分散物(B−2)と略記する。
「分散」は凝集が殆どなく、かつ、粒径(体積平均径)が300nm以下のものを良好とした。
<インク01の作製>
下記の素材を混合し、0.45μmのフィルターによって濾過し、水性のインクジェット記録用インク01を調製した。
・微粒子分散物(A−1) 50部
・ジエチレングリコール 5部
・グリセリン 18部
・ジエタノールアミン 1部
・オルフィンE1010 0.9部
・水 全体で100部になる量
下記の素材を混合し、0.45μmのフィルターによって濾過し、水性のインクジェット記録用インク02を調製した。
・微粒子分散物(A−1) 50部
・ジエチレングリコール 5部
・グリセリン 10部
・1、2-ヘキサンジオール 8部
・ジエタノールアミン 1部
・オルフィンE1010 0.9部
・水 全体で100部になる量
前記インク01の作製において、前記微粒子分散物(A−1)を、前記実施例1の製造例2で調製した微粒子分散物(A−2)に代えた以外は、前記インク01の作製と同様にして水性のインクジェット記録用インク03を調製した。
前記インク01の作製において、前記微粒子分散物(A−1)を、前記実施例1の製造例3〜8で調製した微粒子分散物(A−3)〜(A−8)に各々代えた以外は、前記インク01の作製と同様にして水性のインクジェット記録用インク04〜09を各々調製した。
下記の素材を混合し、0.45μmのフィルターによって濾過し、水性のインクジェット記録用比較例インク−1を調製した。
・比較製造例1の微粒子分散物(B−1) 50部
・ジエチレングリコール 5部
・グリセリン 18部
・ジエタノールアミン 1部
・オルフィンE1010 0.9部
・水 全体で100部になる量
前記比較製造例−1の微粒子分散物(B−1)を微粒子分散物(B−2)に変更した以外は比較例インク−1の作製と同様にしては素材を混合し、0.45μmのフィルターによって濾過し、水性のインクジェット記録用比較例インク−2を調製した。
下記の素材を混合し、0.45μmのフィルターによって濾過し、水性のインクジェット記録用比較例インク-3を調製した。
・水溶性染料DD−1 (酸化電位0.86V) 4部
・ジエチレングリコール 8部
・トリエチレングルコールモノブチルエーテル 7部
・グリセリン 10部
・ジエタノールアミン 1部
・オルフィンE1010 0.2部
・水 全体で100部になる量
上記の如く作製したインクを、インクジェットプリンターMC−2000(EPSON(株)製)のカートリッジに充填し、同機を用いて、PPC用普通紙とインクジェットペーパーフォト光沢紙「画彩」(富士写真フイルム(株)製)に画像を記録し、以下の評価を行った。評価結果を表2に示した。
カートリッジをプリンタにセットし、全ノズルからのインクの吐出を確認した後、A4用紙10枚に画像を出力し、印字の乱れを以下の基準で評価した。
A:印刷開始から終了まで印字の乱れが無かった。
B:印刷開始から終了までに時々印字の乱れが発生した。
C:印刷開始から終了まで印字の乱れがあった。
前記フォト光沢紙に形成した画像とPPC用普通紙に形成した画像との色調を比較し、両画像間の差が殆どない場合をA、両画像間の差が小さい場合をB、両画像間の差が大きい場合をCとして、三段階で評価した。
前記画像を形成したフォト光沢紙を、1時間室温乾燥した後、30秒間水に浸漬し、室温にて自然乾燥させ、滲みを観察した。滲みがないものをA、滲みが僅かに生じたものをB、滲みが多いものをCとして、三段階で評価した。
<耐擦過性評価>
前記画像を形成したフォト光沢紙を、画像印字後、30分間経時した画像について、消しゴムで10往復擦り、変化を観察した。濃度の低下がまったくないものをA、濃度の低下が僅かに生じたものをB、濃度の低下が多いものをCとして、三段階で評価した。
前記画像を形成したフォト光沢紙に、ウェザーメーター(アトラスC.I65)を用いて、キセノン光(85000lx)を4日間照射し、キセノン照射前後の画像濃度を反射濃度計(X-Rite310TR)を用いて測定し、色素残存率として評価した。尚、前記反射濃度は、1、1.5及び2.0の3点で測定した。いずれの濃度でも色素残存率が90%以上の場合をA、89〜80%をB、79〜70%未満をC、69〜50%をD、49%未満をEとして五段階で評価した。
<オゾン耐性>
耐オゾン性については、オゾン濃度1.0ppmの条件下に試料を3日間保存する前後での濃度を、X-rite 310にて測定し染料残存率を求め評価した。
色素残存率が90%以上の場合をA、89〜80%をB、79〜70%未満をC、69〜50%をD、49%未満をEとして五段階で評価した。
微粒子分散物A−1〜A−8をバーコーターを使用してOHP透明支持体上に塗布したサンプルについても上記耐光性評価、オゾン耐性を調べた。結果を表3に示す。
前記インク液をインクジェットペーパーフォト光沢紙「画彩」(富士写真フィルム(株)製)に15μL打滴し、インク滴を高速度カメラにて観察することで着弾からペーパー中に浸透するまでの時間を測定した。浸透時間が1s以下をA、1s〜30s未満をB、30s以上をCとして、三段階で評価した。
この評価により、No.1インクが29s吸収時間であったのに対し、No.2インクは14sとなり1,2−ヘキサンジオールを使用することによりインク吸収性が向上することがわかった。
インクNo.1を用いて無機微粒子を含む多孔質受像層を有するインクジェットペーパーフォト光沢紙「画彩」(富士写真フィルム(株)製)とPPC用普通紙に夫々印字したサンプルの光沢はフォト光沢紙に記録したものの方が優れていた。
また、表3からインクジェットインクに限らず、分散物液を直接手塗りしたものでも本発明の特定の構造を有する分散性ポリマーをからなる微粒子分散物は耐光性、耐オゾン性に優れていることがわかる。
一方、これらの特定の構造を持たない分散性ポリマーからなる微粒子分散物を用いた比較例−1、2及び本発明の微粒子を用いない比較例−3のインクジェット記録用インクはいくつかの性能で劣ることがわかる。
Claims (6)
- 酸化電位が1.0V(vs SCE)よりも貴である油溶性染料と、アミド基、グリシジル基及び水酸基から選ばれる1種又は2種以上の基を有するポリマーとを含む微粒子が水性媒体に分散された微粒子分散物。
- 前記ポリマーの分子量が50000以下である請求項1記載の微粒子分散物。
- 請求項1又は2記載の微粒子分散物を含有するインク組成物。
- 更に、アルコール類、多価アルコール類及び水溶性グリコールエーテル類から選ばれる1種又は2種以上を含有する請求項3記載のインク組成物。
- 請求項3又は4記載のインク組成物を用いて被記録材に画像記録を行う工程を含むインクジェット記録方法。
- 前記被記録材が、無機微粒子を含む多孔質インク受容層を有する被記録材である請求項5記載の記録方法。
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