JP2005324440A - 波動エネルギ線又は粒子線の照射による樹脂成形装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複雑な機構に依存せずに、ディスペンサ11から押し出された液状樹脂30に、紫外線UV等の波動エネルギ線又は粒子線を即座に照射する。
【解決手段】二次元又は三次元方向へ移動可能であって波動エネルギ線又は粒子線の照射により硬化する液状樹脂30を押し出すディスペンサ11の周囲に、波動エネルギ線又は粒子線の照射手段12が複数配置され、この照射手段12はディスペンサ11と一体的に移動可能で、各照射手段12による照射領域LA〜LDが液状樹脂30の押し出し位置の外周に位置し、ディスペンサ11の移動方向後方となる照射領域の移動軌跡が互いに重合する。このため、ディスペンサ11の移動方向に拘らず、液状樹脂30はディスペンサ11から押し出された直後に波動エネルギ線又は粒子線の照射領域LA〜LDのいずれかに入って硬化する。
【選択図】図1
【解決手段】二次元又は三次元方向へ移動可能であって波動エネルギ線又は粒子線の照射により硬化する液状樹脂30を押し出すディスペンサ11の周囲に、波動エネルギ線又は粒子線の照射手段12が複数配置され、この照射手段12はディスペンサ11と一体的に移動可能で、各照射手段12による照射領域LA〜LDが液状樹脂30の押し出し位置の外周に位置し、ディスペンサ11の移動方向後方となる照射領域の移動軌跡が互いに重合する。このため、ディスペンサ11の移動方向に拘らず、液状樹脂30はディスペンサ11から押し出された直後に波動エネルギ線又は粒子線の照射領域LA〜LDのいずれかに入って硬化する。
【選択図】図1
Description
本発明は、紫外線、可視光線、放射線、マイクロ波、電子線など、波動エネルギ線又は粒子線の照射により硬化する液状樹脂を用いて、合成樹脂製品を成形する技術に関する。
パソコンのハードディスクドライブ装置(以下、HDDと略称する)において、記憶媒体であるハードディスクや、このハードディスクに対するデータの読み出しや書き込みを行うヘッド及びこれを駆動する駆動装置等を収容するケースは、ガスケットを一体に有するトップカバーで密閉されている。そしてこのHDDのような装置は、僅かな塵埃の侵入でもハードディスクの損傷といった各種障害が発生するため、ガスケットには高い密封性が求められる。
このようなカバー一体型ガスケットとしては、ディスペンシング法により成形する技術が開発されている。図12は、従来の技術として、ディスペンシング法によりトップカバーにガスケットを一体的に成形する装置を概略的に示す斜視図である。すなわち、この図12に示されるように、ガスケットは、紫外線硬化型の液状樹脂である液状エラストマ100を、金属製のトップカバー101の表面に、ディスペンサ102により押し出しながらガスケット形状を一筆書きで描くように塗布し、その後、紫外線を照射して液状エラストマを硬化させることにより成形される(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、このようなディスペンシング法においては、使用される液状エラストマ100が、空気圧で容易にディスペンサ102から押し出される程度の低粘度のものであるため、トップカバー101の表面に押し出された後、自らの重量によって経時的に断面形状が潰れていく。図13は、このような断面形状の経時変化を示すもので、(P1)は図12における位置P1での断面形状、同じく(P2)は図12における位置P2での断面形状、(P3)は図12における位置P3での断面形状である。
すなわち図13に示されるように、塗布終点に近い位置P1では、ディスペンサ102によって液状エラストマ100が押し出されたばかりなので、断面アスペクト比(高さh/幅w)が大きい状態となっているが、ディスペンサ102による塗布の起点に近い位置ほど、塗布後の経過時間が長くなるため断面アスペクト比が小さく(潰れが大きく)なってしまい、塗布の起点である位置P3において最も潰れが大きくなる。したがって、この場合、塗布起点と塗布終点とのガスケット高さhのばらつきを可及的に小さくするために、いかに早く塗布を完了して紫外線を照射するかが課題となっている。
一方、近年では、光ファイバを利用した紫外線照射装置が普及して来ていることから、塗布した紫外線硬化型液状エラストマを、ディスペンサの動きと連動して動くように制御された小型の紫外線ランプで紫外線照射することによって即座に硬化させる方法が開発されている(例えば特許文献2参照)。
しかしながら、ガスケットの形状は、例えば特許文献1に示されるように、円弧状部分や方形部分を含む複雑な形状であり、このようなガスケット形状を描くように移動する塗布ノズルの軌跡に、紫外線ランプを追随させるには、紫外線ランプとディスペンサのノズルの相対的な位置関係を変化させる必要がある。図14及び図15は、このような場合のディスペンサ102と紫外線ランプ103の位置制御を示す説明図で、この方法では、紫外線ランプ103をディスペンサ102を中心として旋回させることによって追随移動させる機構を備えており、ディスペンサ102の移動方向によって、このディスペンサ102に対する紫外線ランプ103の相対的な位置を変化させるように、旋回させるものである。しかし、紫外線UVの未照射部分を生じさせないためには、例えば図15に示されるように、液状エラストマ100の塗布方向が急激に変化する部分で、ディスペンサ102に対する紫外線ランプ103の位置を連続的に変化させる必要がある。したがって、紫外線ランプ103をディスペンサ102の周囲に旋回させるための駆動機構ばかりでなく、その駆動を適切に制御するための機構が、装置の移動機構とは別に必要になるといった問題があった。
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題は、複雑な機構に依存せずに、ディスペンサから押し出された液状樹脂に、紫外線、可視光線、放射線、マイクロ波、電子線などの波動エネルギ線又は粒子線を即座に照射することによって、液状樹脂の潰れによる断面形状のばらつきの発生を防止することにある。
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係る波動エネルギ線又は粒子線の照射による樹脂成形装置は、二次元又は三次元方向へ移動可能であって波動エネルギ線又は粒子線の照射により硬化する液状樹脂を押し出すディスペンサの周囲に、波動エネルギ線又は粒子線の照射手段が複数配置され、この照射手段は前記ディスペンサと一体的に移動可能であって、各照射手段による照射領域が前記ディスペンサによる前記液状樹脂の押し出し位置の外周に位置すると共に、前記ディスペンサの移動方向後方となる照射手段の照射領域の移動軌跡が互いに重合するものである。なお、ここでいう波動エネルギ線は、紫外線、可視光線、放射線及びマイクロ波を総称するものであり、粒子線は、例えば電子線である。
この構成によれば、ディスペンサの移動方向に拘らず、このディスペンサによる液状樹脂の押し出し位置の後方に隣接して、複数の照射手段のうちいずれかによる照射領域が存在するため、液状樹脂はディスペンサから押し出された直後に波動エネルギ線又は粒子線の照射領域に入って硬化される。
請求項2の発明に係る波動エネルギ線又は粒子線の照射による樹脂成形装置は、二次元又は三次元方向へ移動可能であって波動エネルギ線又は粒子線の照射により硬化する液状樹脂を押し出すディスペンサの周囲に、波動エネルギ線又は粒子線の照射手段が複数配置され、この照射手段は前記ディスペンサと一体的に移動可能であって、各照射手段による照射領域を前記ディスペンサによる前記液状樹脂の押し出し位置を含む領域に設定すると共に、前記波動エネルギ線又は粒子線の陰影領域を前記押し出し位置に形成する遮蔽体を設けたものである。
この構成によれば、ディスペンサによる液状樹脂の押し出し位置は遮蔽体によって波動エネルギ線又は粒子線の陰影領域となり、その外周の全域に、複数の照射手段による波動エネルギ線又は粒子線の照射領域が存在するため、液状樹脂は、ディスペンサの移動方向に拘らず、このディスペンサから押し出された直後に波動エネルギ線又は粒子線の照射領域に入って硬化される。
請求項3の発明に係る波動エネルギ線又は粒子線の照射による樹脂成形装置は、二次元又は三次元方向へ移動可能であって波動エネルギ線又は粒子線の照射により硬化する液状樹脂を押し出すディスペンサの外周に、波動エネルギ線又は粒子線を照射する環状の照射手段が配置され、この照射手段は前記ディスペンサと一体的に移動可能であって、この照射手段による照射領域が前記液状樹脂の押し出し位置の外周を包囲する環状に形成されるものである。
この構成によれば、ディスペンサによる液状樹脂の押し出し位置の外周は、環状の照射手段による環状の照射領域で包囲されているので、液状樹脂は、ディスペンサの移動方向に拘らず、このディスペンサから押し出された直後に波動エネルギ線又は粒子線の照射領域に入って硬化される。
請求項1,2又は3の発明に係る波動エネルギ線又は粒子線の照射による樹脂成形装置によれば、ディスペンサの移動方向に拘らず、液状樹脂の押し出し位置の後方に隣接して、照射手段による波動エネルギ線又は粒子線の照射領域が存在するので、押し出された液状樹脂を即座に硬化させることができる。このため、塗布後の液状樹脂の経時的な潰れによる断面形状のばらつきの発生を防止することができ、しかも照射手段をディスペンサに対して旋回させるための位置制御を行う必要がなく、構造や制御機構を簡素化することができる。
以下、本発明に係る波動エネルギ線又は粒子線の照射による樹脂成形装置を、紫外線硬化型液状エラストマによるカバー一体型ガスケットの製造に適用した実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、第一の形態を概略的に示す斜視図、図2は、第一の形態における樹脂成形装置と紫外線照射領域との関係を示す平面図、図3は第一の形態における樹脂成形装置と紫外線照射領域の移動軌跡との関係を示す平面図である。
まず図1において、参照符号1は、この形態による樹脂成形装置、参照符号2は、パソコンのHDDを収容するケースのアルミ製トップカバー、参照符号3は、このトップカバー2の表面に、樹脂成形装置1によって成形されたエラストマからなるガスケットである。トップカバー2は、不図示の作業台上の所定の位置に供給されて水平に位置決めセットされる。
樹脂成形装置1は、紫外線硬化型の液状エラストマ30をトップカバー2の表面に押し出すディスペンサ11と、その周囲に配置された四個の紫外線ランプ12を有する。ディスペンサ11は、トップカバー2は、作業台上に水平に位置決めセットされたトップカバー2の表面と近接対向されるノズル11aを有する。また、液状エラストマ30は、請求項1等に記載された液状樹脂に相当するものであって、紫外線UVの照射により硬化してゴム状弾性を発現するものである。
紫外線ランプ12は、請求項1に記載された照射手段に相当するものであって、紫外線UVの出射面が作業台上のトップカバー2の表面と対向され、図2に示されるように、ディスペンサ11の外周に90度間隔で配置されると共に、各紫外線ランプ12(12A〜12D)からの紫外線照射領域LA〜LDが、トップカバー2の表面において、ディスペンサ11のノズル11aによる材料押し出し位置xの周囲で互いに重合するように、かつ前記紫外線照射領域LA〜LDが前記材料押し出し位置xに掛からないように、可動プレート13に取り付けられている。図示の例において、紫外線ランプ12A,12Cは、作業台上に位置決めセットされるトップカバー2の辺2a,2cと平行な方向に並んでおり、紫外線ランプ12B,12Dは、前記トップカバー2の辺2b,2dと平行な方向に並んでいる。
可動プレート13は、図示されていない駆動装置によって、トップカバー2の表面と平行な二次元方向又は三次元方向へ移動可能であり、前記駆動装置は、可動プレート13と共に移動するディスペンサ11のノズル11aの先端がトップカバー2の表面に所定のガスケット形状を描くように、駆動が制御されている。
以上の構成において、樹脂成形装置1が、トップカバー2の表面上を、図3に矢印VAで示される方向、すなわちトップカバー2の一辺2aと平行な方向へ移動しながらディスペンサ11により紫外線硬化型の液状エラストマ30をトップカバー2の表面に押し出している過程では、ディスペンサ11の外周に90度間隔で配置された紫外線ランプ12A〜12Dのうち、紫外線ランプ12Aによる紫外線照射領域(図2におけるLA)が、ディスペンサ11による液状エラストマ30の押し出し位置xの移動方向後方に隣接して存在することになる。図3におけるLA’は、紫外線ランプ12Aによる紫外線照射領域の移動軌跡である。このため、トップカバー2の表面にディスペンサ11によってVA方向へ塗布された液状エラストマ30は、塗布後直ちに紫外線ランプ12Aによる紫外線照射領域LAに入って硬化する。
次に、VA方向へ移動するディスペンサ11のノズル11aによる液状エラストマ30の押し出し位置xが、図3における左下の角部近傍に達した時点で、樹脂成形装置1は、図3に矢印VBで示される方向、すなわちトップカバー2の一辺2bと平行な方向へ移動を90度転向する。そして、このVB方向へ移動しながらディスペンサ11が液状エラストマ30をトップカバー2の表面に押し出している過程では、紫外線ランプ12Bによる紫外線照射領域(図2におけるLB)が、ディスペンサ11による液状エラストマ30の押し出し位置xの移動方向後方に隣接して存在することになる。図3におけるLB’は、紫外線ランプ12Bによる紫外線照射領域の移動軌跡である。このため、トップカバー2の表面にディスペンサ11によってVB方向へ塗布された液状エラストマ30は、塗布後直ちに紫外線ランプ12Bによる紫外線照射領域LBに入って硬化する。
次に、VB方向へ移動するディスペンサ11のノズル11aによる液状エラストマ30の押し出し位置xが、図3における右下の角部近傍に達した時点で、樹脂成形装置1は、図3に矢印VCで示される方向、すなわちトップカバー2の一辺2cと平行な方向へ移動を90度転向する。そして、このVC方向へ移動しながらディスペンサ11が液状エラストマ30をトップカバー2の表面に押し出している過程では、紫外線ランプ12Cによる紫外線照射領域(図2におけるLC)が、ディスペンサ11による液状エラストマ30の押し出し位置xの移動方向後方に隣接して存在することになる。図3におけるLC’は、紫外線ランプ12Cによる紫外線照射領域の移動軌跡である。このため、トップカバー2の表面にディスペンサ11によってVC方向へ塗布された液状エラストマ30は、塗布後直ちに紫外線ランプ12Cによる紫外線照射領域LCに入って硬化する。
次に、VC方向へ移動するディスペンサ11のノズル11aによる液状エラストマ30の押し出し位置xが、図3における右上の角部近傍に達した時点で、樹脂成形装置1は、図3に矢印VDで示される方向、すなわちトップカバー2の一辺2dと平行な方向へ移動を90度転向する。そして、このVD方向へ移動しながらディスペンサ11が液状エラストマ30をトップカバー2の表面に押し出している過程では、紫外線ランプ12Dによる紫外線照射領域(図2におけるLD)が、ディスペンサ11による液状エラストマ30の押し出し位置xの移動方向後方に隣接して存在することになる。図3におけるLD’は、紫外線ランプ12Dによる紫外線照射領域の移動軌跡である。このため、トップカバー2の表面にディスペンサ11によってVD方向へ塗布された液状エラストマ30は、塗布後直ちに紫外線ランプ12Dによる紫外線照射領域LDに入って硬化する。
ここで、図2に示されるように、各紫外線ランプ12A〜12Dの紫外線照射領域LA〜LDは、ディスペンサ11のノズル11aによる液状エラストマ30の押し出し位置xの周囲にあって、すなわち押し出し位置xには紫外線UVが照射されないため、前記ノズル11aの吐出口で液状エラストマ30が硬化してしまうことはない。そして、前記紫外線照射領域LA〜LDは押し出し位置xの周囲で互いに重合しているため、樹脂成形装置1がVA〜VD方向へ順次移動した時の紫外線ランプ12A〜12Dによる紫外線照射領域の移動軌跡LA’〜LD’の端部は、図3に示されるように互いに重合する。したがって、トップカバー2の表面に塗布された液状エラストマ30は、全周で硬化し、連続したガスケット3が成形される。
しかも、先に説明したように、液状エラストマ30は、トップカバー2の表面に塗布された直後に紫外線UVの照射により硬化し、すなわち自らの重量による経時的な潰れが殆ど発生しないうちに硬化するので、成形されたガスケット3は、先に説明した図13における(P1)に示されるような、断面アスペクト比の高いものとなり、優れた密封性を奏することができる。
そしてこの形態によれば、樹脂成形装置1をトップカバー2の外周部に沿ってVA〜VD方向へ順次移動させる過程で、ディスペンサ11と紫外線ランプ12A〜12Dの相対的な位置関係は不変であり、すなわち、紫外線ランプ12A〜12Dをディスペンサ11に対して旋回させるための位置制御を行う必要がない。
ここで、図4は、本発明との比較のための形態を概略的に示す側面図、図5は、図4の比較形態における樹脂成形装置と紫外線照射領域との関係を示す平面図、図6は、本発明の第二の形態を概略的に示す側面図、図7は、第二の形態における樹脂成形装置と紫外線照射領域の移動軌跡との関係を示す平面図である。
比較形態としての図4に示されるように、各紫外線ランプ12をその光軸が互いに平行となるように取り付けたものにおいて、例えば紫外線UVの照射強度を高めるために紫外線ランプ12の出射面とトップカバー2の表面との対向距離を小さくした場合や、各紫外線ランプ12の取付間隔等によっては、各紫外線ランプ12による紫外線UVの照射領域Lがトップカバー2の表面上で互いに重合しない場合がある。そしてこのような場合、図5に示されるように、樹脂成形装置1がVA〜VD方向へ順次移動した時の紫外線ランプ12A〜12Dによる紫外線照射領域の移動軌跡LA’〜LD’の間に、未照射領域Mが存在することになり、したがって、トップカバー2の表面に塗布された液状エラストマ30が全周で硬化せず、連続したガスケット3が成形されない。
図6に示される第二の形態は、このような不具合が生じないようにするため、各紫外線ランプ12を、その光軸Oが照射対象面(トップカバー2の表面)より下側で互いに交差するように、可動プレート13に傾斜した状態で取り付けることによって、各紫外線ランプ12による紫外線照射領域Lが、ディスペンサ11のノズル11aによる材料押し出し位置xの周囲で互いに重合するようにしたものである。またこの場合も、前記紫外線照射領域Lを、材料押し出し位置xに掛からないものとすることは、言うまでもない。
したがって、この構成によれば、紫外線照射領域Lが比較的狭いものであっても、図7に示されるように、樹脂成形装置1がVA〜VD方向へ順次移動した時の紫外線ランプ12A〜12Dによる紫外線照射領域の移動軌跡LA’〜LD’の端部が互いに重合する。したがって、トップカバー2の表面に塗布された液状エラストマ30は、全周で硬化し、連続したガスケット3が成形される。
次に図8は、本発明の第三の形態を概略的に示す樹脂成形装置の側面図、図9は、第三の形態における材料押し出し位置と紫外線照射領域及び陰影領域との関係を示す平面図、図10は、第三の形態における樹脂成形装置と紫外線照射領域の移動軌跡との関係を示す平面図である。
図8に示される樹脂成形装置1は、ディスペンサ11と、そのノズル11aの外周を包囲するように配置された筒状の遮蔽体14と、その周囲における180度対称位置に配置された一対の紫外線ランプ12とを有し、可動プレート13に取り付けられている。可動プレート13は、不図示の作業台上に水平に位置決めセットされたトップカバー2の表面と平行な二次元方向又は三次元方向へ移動可能であり、第一の形態と同様、不図示の駆動装置によって、ディスペンサ11のノズル11aの先端がトップカバー2の表面に所定のガスケット形状を描くように駆動が制御されている。
一対の紫外線ランプ12(12L,12R)は、ディスペンサ11のノズル11aによる液状エラストマ30の押し出し位置xを中心とする所定の範囲でトップカバー2の表面に紫外線UVを照射するもので、その照射領域Lがトップカバー2の表面上で互いにほぼ完全に重合するように、可動プレート13に互いに傾斜した状態で取り付けられ、すなわち紫外線ランプ12L,12Rの光軸Oが、互いに交差するように取り付けられている。一方、遮蔽体14は、ディスペンサ11による液状エラストマ30の押し出し位置xが紫外線UVの陰影領域Sとなるように設けられている。したがって、図9に示されるように、紫外線ランプ12L,12Rによる紫外線照射領域Lは、前記押し出し位置xを環状(楕円ドーナツ状)に包囲する形状に形成される。
この構成によれば、ディスペンサ11からの液状エラストマ30の押し出し位置xは紫外線UVの陰影領域Sとなっており、紫外線UVが照射されないので、前記押し出し位置xで液状エラストマ30が硬化してしまうことはない。そして、樹脂成形装置1が、図10に示されるVA〜VDのいずれの方向(あるいはそれ以外の方向)へ移動しても、紫外線ランプ12L,12Rによる紫外線照射領域Lが、液状エラストマ30の押し出し位置xの移動方向後方に隣接して存在するため、液状エラストマ30は、トップカバー2の表面に塗布された直後に紫外線UVの照射によって硬化する。したがって断面アスペクト比が高く、かつ連続したガスケット3が成形される。
次に図11は、本発明の第四の形態を概略的に示す斜視図である。この図11に示される樹脂成形装置1は、ディスペンサ11と、その外周を包囲するように配置された環状の紫外線ランプ12とを備え、互いに結合されている。
この樹脂成形装置1は、不図示の作業台上に水平に位置決めセットされたトップカバー2の表面と平行な二次元方向又は三次元方向へ移動可能であり、不図示の駆動装置によって、ディスペンサ11のノズル11aの先端が前記トップカバー2の表面に所定のガスケット形状を描くように、駆動が制御されている。
環状の紫外線ランプ12は、トップカバー2の表面上に、ディスペンサ11のノズル11aによる液状エラストマ30の押し出し位置xの外周を包囲する領域に紫外線UVを照射するもので、その照射領域Lは、前記押し出し位置xを中心とする環状に形成される。このため、前記押し出し位置xは照射領域Lの内周の、紫外線非照射領域Nにある。
この構成によれば、ディスペンサ11からの液状エラストマ30の押し出し位置xには紫外線UVが照射されないので、前記押し出し位置xで液状エラストマ30が硬化してしまうことはなく、樹脂成形装置1が、図11に矢印で示される方向(あるいはそれ以外の方向)へ、トップカバー2の外周部に沿って移動する過程で、紫外線ランプ12による環状の紫外線照射領域Lのうちの一部が、液状エラストマ30の押し出し位置xの移動方向後方に隣接して存在するため、液状エラストマ30は、トップカバー2の表面に塗布された直後に紫外線UVの照射により硬化する。したがって、断面アスペクト比が高く、かつ連続したガスケット3が成形される。
また、この形態によれば、ディスペンサ11の外周に環状の紫外線ランプ12を取り付けたものであるため、例えば先に説明した図6や図8のように、複数の紫外線ランプを傾斜状態に取り付ける場合に比較して、樹脂成形装置1を小型化及び簡素化することができ、設置スペースを縮小することができる。
なお、上述した各形態は、いずれも、紫外線硬化型液状エラストマ30を紫外線UVの照射によって硬化させて、パソコンのHDD用トップカバー2の表面にガスケット3を一体的に成形する場合について説明したが、本発明は、紫外線以外の、例えば可視光線や、α線、β線、γ線等の放射線や、マイクロ波、あるいは電子線等、他の波動エネルギ線又は粒子線の照射によって硬化する液状樹脂により線状成形体を成形する装置についても同様に実施することができる。
1 樹脂成形装置
11 ディスペンサ
11a ノズル
12,12A〜12D,12L,12R 紫外線ランプ(照射手段)
13 可動プレート
14 遮蔽体
2 トップカバー
3 ガスケット
30 紫外線硬化型液状エラストマ(液状樹脂)
L,LA〜LD 照射領域
M 未照射領域
N 非照射領域
S 陰影領域
UV 紫外線
x 材料押し出し位置
11 ディスペンサ
11a ノズル
12,12A〜12D,12L,12R 紫外線ランプ(照射手段)
13 可動プレート
14 遮蔽体
2 トップカバー
3 ガスケット
30 紫外線硬化型液状エラストマ(液状樹脂)
L,LA〜LD 照射領域
M 未照射領域
N 非照射領域
S 陰影領域
UV 紫外線
x 材料押し出し位置
Claims (3)
- 二次元又は三次元方向へ移動可能であって波動エネルギ線又は粒子線の照射により硬化する液状樹脂(30)を押し出すディスペンサ(11)の周囲に、波動エネルギ線又は粒子線の照射手段(12)が複数配置され、この照射手段(12)は前記ディスペンサ(11)と一体的に移動可能であって、各照射手段(12)による照射領域が前記ディスペンサ(11)による前記液状樹脂(30)の押し出し位置(x)の外周に位置すると共に、前記ディスペンサ(11)の移動方向後方となる照射手段(12)の照射領域の移動軌跡(LA’〜LD’)が互いに重合することを特徴とする波動エネルギ線又は粒子線の照射による樹脂成形装置。
- 二次元又は三次元方向へ移動可能であって波動エネルギ線又は粒子線の照射により硬化する液状樹脂(30)を押し出すディスペンサ(11)の周囲に、波動エネルギ線又は粒子線の照射手段(12)が複数配置され、この照射手段(12)は前記ディスペンサ(11)と一体的に移動可能であって、各照射手段(12)による照射領域を前記ディスペンサ(11)による前記液状樹脂(30)の押し出し位置(x)を含む領域に設定すると共に、前記波動エネルギ線又は粒子線の陰影領域(S)を前記押し出し位置(x)に形成する遮蔽体(14)を設けたことを特徴とする波動エネルギ線又は粒子線の照射による樹脂成形装置。
- 二次元又は三次元方向へ移動可能であって波動エネルギ線又は粒子線の照射により硬化する液状樹脂(30)を押し出すディスペンサ(11)の外周に、波動エネルギ線又は粒子線を照射する環状の照射手段(12)が配置され、この照射手段(12)は前記ディスペンサ(11)と一体的に移動可能であって、この照射手段(12)による照射領域(L)が前記液状樹脂(30)の押し出し位置(x)の外周を包囲する環状に形成されることを特徴とする波動エネルギ線又は粒子線の照射による樹脂成形装置。
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