JP2005322836A - カーボンナノチューブfet - Google Patents

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Abstract

【課題】 高性能なn型CN−FETを簡単に形成する。
【解決手段】 CN−FET1は、p型Si基板3と、その表面上に形成された厚さ100nmのSiO酸化膜5と、その上にある距離だけ離間して形成されたCo/Pt触媒7a、7bと、Co/Pt触媒7aと7bとの間に形成されたカーボンナノチューブ11と、カーボンナノチューブ11のそれぞれの端部と接するように形成されたCa金属15a、15bと、Ca金属15a、15bの上に形成されたAl電極17a、17bと、を有するソース電極(15a/17a)及びドレイン電極(15b/17b)と、p型Si基板3の裏面に形成されたTi/Auからなるバックゲート電極21と、を有している。仕事関数φの小さい(2.87eV)Ca金属15a、15bが、カーボンナノチューブCNT11の両端にそれぞれ接触している。
【選択図】 図3

Description

本発明は、カーボンナノチューブFETに関し、より詳細には、新しい電極材料を用いることによりn型のカーボンナノチューブFETを実現する技術に関する。
カーボンナノチューブは、カイラリティにより半導体的特性をもつこと、高い電流密度を実現可能なこと、ほぼ1次元伝導とみなせるような非常に細い線路を形成できること、などにより、カーボンナノチューブを用いた極微細・高速動作が可能な量子デバイス用途に適している。中でも、量子細線としてのカーボンナノチューブは、次世代電子デバイスの有力な候補であり、現在、カーボンナノチューブ電界効果トランジスタ(以下、「CN−FET」と称する。)に関する研究が盛んに行われている。
R.Martel et al,Phys.Rev.Lett. 87,256805(2001).
ところで、CN−FETはp型のトランジスタとなりやすく、n型CN−FETの作成例は少ない。カーボンナノチューブの表面にカリウムをドーピングしn型CN−FETを作製した例はあるが、カーボンナノチューブチャネルの表面にカリウムを蒸着するには超高真空の装置が必要でありプロセスが煩雑であるばかりでなく、カーボンナノチューブチャネルにカリウムのドーピングを行うとイオン化不純物がキャリア散乱センターとなるため、移動度が小さくなるという問題がある。
本発明は、移動度を下げることなくn型CN−FETを作成することを目的とする。さらに、この作成技術を利用してその他の電子デバイスを作成することを目的とする。
本発明の一観点によれば、カーボンナノチューブからなるチャネル層と、該カーボンナノチューブからなるチャネル層に対して形成されたゲート電極と、前記チャネル層と接する領域に形成されるアルカリ金属又はアルカリ土類金属のうちの少なくともいずれか一方を含むソース電極及びドレイン電極とを有することを特徴とするn型CN−FET構造が提供される。アルカリ金属又はアルカリ土類金属とカーボンナノチューブとを接合すると、それらの金属のフェルミエネルギーとカーボンナノチューブの伝導帯底とのエネルギー不連続が小さく、ソース又はドレイン電極からカーボンナノチューブへ電子が移動しやすく、電子注入可能な電極を形成しやすい。電子注入電極から注入された電子は、カーボンナノチューブのチャネルを移動しもう一方の電極に到達する。
また、カーボンナノチューブからなるチャネル層と、該カーボンナノチューブからなるチャネル層に対して形成されたゲート電極と、前記チャネル層と接する領域に形成されカーボンナノチューブの仕事関数よりも小さい仕事関数を持つ材料からなるソース電極及びドレイン電極とを有することを特徴とするn型CN−FET構造が提供される。前記ソース電極及びドレイン電極を形成する材料の仕事関数が4eV以下であること、さらに、3eV以下であることが好ましい。カーボンナノチューブの場合には、結晶構造が閉じた系となっているため、表面準位によるバンドピニングの影響を受けにくく、金属をカーボンナノチューブCNTに接合させると、金属の仕事関数に応じて、仕事関数の小さい金属との間には電子注入電極を形成することができる。
前記チャネル層には不純物がドーピングされていないことを特徴とする。ここでドーピングとは、カーボンナノチューブに電子または正孔を誘起する目的でカーボンナノチューブに不純物を添加する操作であり、カーボンナノチューブを製造する工程での不純物や伝導に寄与しない不純物が混入することは含まれない。従って、「不純物がドーピングされていない」とは、カーボンナノチューブを製造する工程で自然に混入する不純物を除く趣旨であり、また、伝導に寄与しない不純物は除かれる。加えて、上記のような仕事関数などにより規定されている材料を電極とした場合に形成されるショットキー接合の界面付近において、例えばわずかにカーボンナノチューブ内に拡散した原子などは、上記不純物の中には入らない。
このように、チャネル層に相当するカーボンナノチューブに不純物を添加しない場合でも、電極からの電子の注入によりn型FETを形成することができる。
本発明の他の観点によれば、カーボンナノチューブと、該カーボンナノチューブに接する前記電子注入電極構造と、該電子注入電極構造とは異なる位置において前記カーボンナノチューブに接する仕事関数が5eV以上の正孔注入電極とを備えることを特徴とする素子が提供される。この素子に電圧を印加すると、電子と正孔とがカーボンナノチューブ内を互いに近づく方向に注入される。
本発明によれば、カーボンナノチューブに対してn型の接合を形成することができ、これを利用して不純物の添加なしにn型のCN−FETを形成することができる。
本明細書において、電子注入電極とは、電子を注入する機能を主たる機能とする電極であり、正孔注入電極とは、正孔を注入する機能を主たる機能とする電極である。本明細書では、より小さい印加電圧により注入できる方のキャリアに基づいて電子又は正孔と定義している。
本発明に係るn型CN−FET作成技術として、チャネル層に相当するカーボンナノチューブに不純物をドーピングするのではなく、電子又は正孔などのキャリアの注入源として電極を機能させ、この注入電極を構成する材料の選択によって、CN−FETの伝導型を制御する方法を考えついた。
一般的な半導体(Siなど)と金属との接合においては、Si表面に形成されているダングリングボンド(非結合手)の影響のため、仕事関数と異種接合時のエネルギーバンド障壁との関連性が薄い。すなわち、一般的な半導体(Siなど)と金属との接合においては、Si表面に形成されているダングリングボンドの影響のため表面準位によるバンドピニングが生じ、それぞれの仕事関数を反映したバンド構造となりにくい。
これに対して、カーボンナノチューブの場合には、結晶構造が閉じた系となっているため、表面準位によるバンドピニングの影響を受けにくく、金属をカーボンナノチューブCNTに接合させると、素直に金属とカーボンナノチューブCNTとの仕事関数差を反映したエネルギー障壁が形成されると考えられる。
すなわち、CN−FETの電流が、コンタクト電極と半導体的カーボンナノチューブの界面に形成されるショットキー障壁で制御されることに着目し、仕事関数の小さい材料、例えばCaをコンタクト電極に用いることにより、n型トランジスタの作製を可能とすることができると考えた。
ここで、仕事関数とは、真空中の表面から1個の電子を無限遠まで取り出すのに必要な最小エネルギーのことであり、材料表面の電子状態に固有の値となる。仕事関数は、通常、ケルビン法(振動容量法)、熱電子放出や光電子放出実験などで測定することができる。
尚、ここで言及している金属Metalの仕事関数とは、カーボンナノチューブCNTと接する金属の仕事関数のことであり、例えば電極が多層構造の場合には、カーボンナノチューブCNTと接する金属の仕事関数を指す。すなわち、カーボンナノチューブと電極材料との界面において、カーボンナノチューブの仕事関数より電極材料の仕事関数が小さい組み合わせを選択する。電極材料の仕事関数は、4eV以下が好ましく、特に3eV以下が好ましい。
尚、この考えを発展させると、電極材料を選ぶことのみによりカーボンナノチューブへの注入キャリア(電子又は正孔)を選択でき、後述するように整流ダイオードや発光ダイオード等が作製可能である。
図1及び図2を参照しつつ、金属(Metal)とカーボンナノチューブ(CNT)との接合についてより詳細に参照しつつ説明する。図1は、半導体に対する一般的な電極材料であるAuやPdなどの金属とカーボンナノチューブとの接合の様子を示す図である。図1において、上図は真空の準位EVACを基準にした金属MetalとカーボンナノチューブCNTとのそれぞれのエネルギーバンド図であり、中図は、AuやPdなどの金属MetalとカーボンナノチューブCNTとを実際に接合した際のエネルギーバンド図であり、下図は、金属Metalに正の電圧を印加した際のエネルギーバンド図である。
図1に示すように、一般的な電極用の金属であるAuやPdなどの金属においては、仕事関数φが5eV程度である。一方、カーボンナノチューブCNTの仕事関数φCNTは4eV程度である。従って、図1の中図に示すように、金属MetalとカーボンナノチューブCNTとを接合させると、金属とカーボンナノチューブCNTとのフェルミエネルギーEが一致する状態となり、カーボンナノチューブCNT側の価電子帯におけるバンド不連続(ΔE)を極めて小さくすることができる。尚、伝導帯のバンド不連続値ΔEとしては、約1eV程度の大きな値となる。従って、下図のように金属MetalにカーボンナノチューブCNTに対して正の電圧を印加すると、金属Metalの価電子帯近傍の正孔は容易にカーボンナノチューブCNTに輸送可能であり、正孔電流がきわめて容易に流れる。
これに対して、カーボンナノチューブCNTに対して金属Metalに負の電圧を印加すると、金属Metalの伝導帯近傍の電子は大きなエネルギー障壁(ΔE)により、カーボンナノチューブCNTに輸送されにくく、非常に高い電圧を印加しない限り電子電流が流れにくい。従って、カーボンナノチューブに不純物をドーピングしない構造で一般的な金属(Au)を用いるとp型のカーボンナノチューブFETになりやすく、n型のカーボンナノチューブFETは実現しにくい傾向にあったものと考えられる。
発明者は、従来のようなカーボンナノチューブ自体にドーピングする方法の代わりに、ソース又はドレインのうち少なくともキャリアを注入する側の電極を構成する材料を工夫することによりCN−FETの導電型を設計することを考えた。上述のように、一般的な半導体(Siなど)と金属との接合と異なり、金属MetalをカーボンナノチューブCNTに接合させると、図1の中の図に示すように、金属とカーボンナノチューブCNTとのフェルミエネルギーEが一致する状態となるため、仕事関数の大きさ(より具体的には、φCNT程度)の障壁が生じる。
一方、図2に示すように、電極材料である金属Metalの仕事関数φの小さい材料を選択すると(具体的には、φがφCNT/2程度)、図2の中図に示すように、金属MetalとカーボンナノチューブCNTとの接合界面における伝導帯の不連続値であるΔEを極めて小さくすることができ、図2の下図に示すように、金属Metalに対してカーボンナノチューブCNTに正の電圧を印加すると、印加電圧が小さい値でも金属Metalにおける伝導帯の電子がカーボンナノチューブCNTの伝導帯に注入されやすくなる。従って、n型CN−FETを簡単に形成することが可能である。n型CN−FETに適した金属Metalとしては、例えば、アルカリ金属であるCs(仕事関数φs=2.14eV程度)、K(仕事関数φs=2.3eV程度)、Li(仕事関数φs=2.9eV程度)など、アルカリ土類金属であるCa(仕事関数φs=2.87eV程度)、Mg(仕事関数φs=3.66eV程度)などが、4eV又は3eVの範囲内の金属である。尚、上記範囲内ではないが、遷移金属又は金属であるMn、Al、Tiなども電子注入電極の候補となりうる。
以下、本発明の実施の形態によるn型CN−FETについて図面を参照しつつ説明を行う。図3は、本実施の形態によるCN−FETの構造を示す断面図である。図3に示すように、本実施の形態によるCN−FET1は、p型Si基板3と、その表面上に形成された厚さ100nmのSiO酸化膜5と、その上にある距離だけ離間して形成されたCo/Pt触媒7a、7bと、Co/Pt触媒7aと7bとの間に形成されたカーボンナノチューブ11と、カーボンナノチューブ11のそれぞれの端部と接するように形成されたCa金属15a、15bと、Ca金属15a、15bの上に形成されたAl電極17a、17bと、を有するソース電極(15a/17a)及びドレイン電極(15b/17b)と、p型Si基板3の裏面に形成されたTi/Auからなるバックゲート電極21と、を有している。仕事関数φの小さい(2.87eV)Ca金属15a、15bが、カーボンナノチューブCNT11の両端にそれぞれ接触し、図2に示すようなエネルギーバンド構造を形成するため、n型CN−FETを作成することができる。尚、カーボンナノチューブCNT11上にCa金属15a、15bの酸化を防止するためのフォトレジスト23などの酸化防止膜を形成すると良い。尚、CaとAlとは連続して堆積するのが好ましい。これは、Caがアルカリ土類金属であり、単独では(表面がさらされると)不安定なためである。すなわち、AlがCaの保護膜の機能と抵抗を低くする機能とを有している。さらに、フォトレジスト23も全体を覆ってCaを酸化から防ぐ機能を有している。尚、本実施の形態では、Ca/Alのそれぞれの厚みは、3nm/250nmとした。
図3を参照して、CN−FETの製造工程について説明する。まず、p型Si基板3を準備し、表面にSiO酸化膜5を形成し、裏面にバックゲート電極21を形成する。次いで、表面にCo/Pt触媒層を形成し、パターニングによりCo/Pt触媒7a、7bを形成する。さらに、アルコールCCVD(alcohol CCVD)法によりCo/Pt触媒7a、7b間に位置制御されたSWNT(単層(カーボン)ナノチューブ)11を成長する。成長条件は、例えば、成長温度が900℃、ガス流量がAr/COH(100/50cm/min)、ガス圧が200Pa、成長時間が1時間である。次いで、SWNT11と接するようにCa/Alからなるソース電極17aとドレイン電極17bとを例えば公知のリフトオフ法により形成する。最終的には、例えばフォトレジスト23などの有機膜により全面を覆う。尚、SWNTなどのナノチューブを、基板3上で成長せずに、既に成長済みのナノチューブを基板3上に配置する方法を用いても良い。或いは、何らかの支持部材によりカーボンナノチューブを支持する構造を用いても良い。
次に、p型CN−FETとn型CN−FETとのそれぞれの動作について図4〜図7を参照しつつ説明を行う。図4(A)、(B)及び図5(A)、(B)は、p型CN−FETとn型CN−FETとの平衡状態と動作状態とにおけるエネルギーバンド構造を示す図である。図4(A)に示すように、p型CN−FETは平衡状態ではフェルミ準位EがカーボンナノチューブCNTの価電子帯の頂上のエネルギーEと近い位置にあり、電極からカーボンナノチューブへの電子に関する障壁高さφBnは大きく、電極からカーボンナノチューブへ正孔に関する障壁高さφBpは小さい。従って、図4(B)に示すように、ゲートに適度な電圧を印加した状態でソース−ドレイン間に電圧を印加すると、正孔がソースからチャネル領域に注入され、チャネル領域を経てドレインに輸送される。正孔に起因するいわゆるドレイン電流が流れる。図7に電極としてPdを用いたp型CN−FETのドレイン電流Iのゲート電圧VGS依存性を示す。図7に示すように、一般的なp型FETと同様の伝達特性が得られていることがわかる。
一方、図5(A)に示すように、n型CN−FETは平衡状態ではフェルミ準位EがカーボンナノチューブCNTの伝導帯の底のエネルギーEと近い位置にあり、電極からカーボンナノチューブへの正孔に関する障壁高さφBpは大きく、電極からカーボンナノチューブへ電子に関する障壁高さφBnは小さい。従って、図5(B)に示すように、ゲートに適度な電圧を印加した状態でソース−ドレイン間に電圧を印加すると、電子がソースからチャネル領域に注入され、チャネル領域を経てドレインに輸送される。電子に起因するいわゆるドレイン電流が流れる。図6に電極としてCa/Alを用いたn型CN−FETのドレイン電流Iのゲート電圧VGS依存性を示す。図6に示すように、一般的なn型FETと同様の伝達特性が得られていることがわかる。ゲート電圧−5V程度でドレイン電流が流れ始めており、n型CN−FETとして良好な特性が得られることがわかる。
以上に説明したように、本実施の形態によれば、n型の接合を形成することができ、これを利用して不純物の添加なしにn型のCN−FETを形成することができる。
尚、同一基板上にp型CN−FETとn型CN−FETとを形成することができるため、両者のゲート電極とドレイン電極とをそれぞれ共通に配線することもでき、例えば、いわゆる相補型(Complementary)FETを製造することも可能である。その他、p−n接合ダイオードなど一般的な電子デバイスを簡単に製造することができる。
尚、n型電極を形成するためには、例えば、金属の仕事関数を4.0eV以下、好ましくは3.0eV以下にするのが好ましい。また、カーボンナノチューブの径によりバンドギャップを調整することが可能であるため、上記金属の仕事関数の調整に代えて、又は仕事関数の調整とともにカーボンナノチューブの径によるCN−FETのしきい値の調整を行うこともできる。また、カーボンナノチューブ内にフラーレンなどを内包させたいわゆるピーポッド構造(B.W.Smith et al, Nature 396, 323 (1998)参照)によっても、カーボンナノチューブのエネルギーバンド構造を調整することができる。
上記本発明の第1の実施の形態においては、電子注入電極を用いた素子の一例としてn型CN−FETについて説明したが、本発明の実施の形態による電子注入電極を用いたカーボンナノチューブ素子に関しては、いわゆる半導体材料を用いた多くの電子デバイス及び光デバイスなどの多くの素子に適用可能である。以下においては、その例としてバイポーラトランジスタに応用した例(第2の実施の形態)と、LEDに応用した例(第3の実施の形態)について説明する。もちろん、本発明はこれらに限定されるものではない。
次に、本発明の第2の実施の形態によるカーボンナノチューブデバイスについて図面を参照しつつ説明を行う。図8は、本実施の形態によるカーボンナノチューブデバイスの構成例であり、図8(A)は本実施の形態によるカーボンナノチューブバイポーラトランジスタの構造断面図であり、図8(B)は図8(A)に対応するエネルギーバンド図である。
図8(A)に示すように、本実施の形態によるカーボンナノチューブバイポーラトランジスタ41は、カーボンナノチューブCNT45と、それに接するようにかつカーボンナノチューブCNTの延在する方向に順番に形成された電子注入電極であるCaエミッタ電極47と正孔注入電極であるPdベース電極51と電子注入電極であるCaエミッタ電極53とを有している。図8(B)に示すように、カーボンナノチューブCNT45のエネルギーバンド図は、一般的なnpnバイポーラトランジスタと同様の構成を有することがわかる。上記構成を有するnpnバイポーラトランジスタ41においては、Caコレクタ電極47からカーボンナノチューブCNT45内に注入された電子が、ベースBを越えてコレクタCに至り、コレクタ電流を生成する。コレクタ電流は、エミッタ−ベース間の電圧により制御できる。もちろん、上記npn構成の代わりにpnp構成を実現することも可能である。すなわち、カーボンナノチューブに対して、電子注入電極又は正孔注入電極のいずれかを形成することによりエミッタ及びコレクタとし、エミッタ及びコレクタに用いられなかった方の電子注入電極又は正孔注入電極をベースとすることにより、カーボンナノチューブを用いたバイポーラトランジスタを実現できる。
以上、本実施の形態によれば、カーボンナノチューブに接する電極材料をpnp又はnpnになるように配置することによりバイポーラトランジスタを形成することが可能である。
次に、本発明の第3の実施の形態によるカーボンナノチューブ光デバイスについて図面を参照しつつ説明を行う。図9は、本実施の形態によるカーボンナノチューブ光デバイスの構成例であり、図9に示すデバイス61においては、カーボンナノチューブ62の一端(ソース側)に正孔注入電極を、他端(ドレイン側)に電子注入電極を配置した構成を有している。この構造において、ソース65に対してドレイン67に負の電圧を印加すると、ソース側から正孔が、ドレイン側から電子がカーボンナノチューブ内に注入され、カーボンナノチューブ内において正孔と電子との再結合に起因する発光が得られ、いわゆるLEDを形成することができる。すなわち、電極によりp型とn型とを形成することができるため、光デバイスへの応用も可能である。
すなわち、電子注入電極と正孔注入電極とをカーボンナノチューブに対して形成することにより、カーボンナノチューブ内に電子と正孔とを発生させ、電子と正孔とを再結合させることにより発光素子などの光素子を形成することができる。
以上、第2及び第3の実施の形態において説明したように、電子注入電極を簡単に形成することができ、電子、光デバイスにおいてp型とn型との両方を得ることができるため、一般的な半導体を用いたデバイス群をカーボンナノチューブを用いたデバイス群に置き換えることができる。
本発明は、一般的な半導体材料を用いた電子デバイス、光デバイスに適用することができる。また、CN−FET以外にも、カーボンナノチューブを用いた各種デバイスを実現する際に適用可能である。
電極材料として仕事関数の比較的大きな金属を用い、この金属とカーボンナノチューブCNTとに関するエネルギーバンド構造を示す図であり、上図は真空の準位EVACを基準にした金属とカーボンナノチューブとのそれぞれのエネルギーバンド図であり、中図は、金属とカーボンナノチューブとを実際に接合した際のエネルギーバンド図であり、下図は、金属に正の電圧を印加した際のエネルギーバンド図である。 電極材料として仕事関数の比較的小さい材料を選択した場合の図であり、図1に対応する図である。 本発明の第1の実施の形態によるn型CN−FETの構造例を示す断面図である。 図4(A)、(B)は、p型CN−FETの平衡状態と動作状態におけるエネルギーバンド構造を示す図である。 図5(A)、(B)は、n型CN−FETとの平衡状態と動作状態におけるエネルギーバンド構造を示す図である。 電極としてCa/Alを用いたn型CN−FETのドレイン電流Iのゲート電圧VGS依存性を示す図である。 電極としてPdを用いたp型CN−FETのドレイン電流Iのゲート電圧VGS依存性を示す図である。 本発明の第2の実施の形態によるカーボンナノチューブデバイスの構成例であり、図8(A)は本実施の形態によるカーボンナノチューブバイポーラトランジスタの構造断面図であり、図8(B)は図8(A)に対応するエネルギーバンド図である。 本発明の第3の実施の形態によるカーボンナノチューブ光デバイスの構成例である。
符号の説明
1…CN−FET、3…p型Si基板、5…SiO酸化膜、7a、7b…Co/Pt触媒、11…カーボンナノチューブ、15a、15b…Ca金属、17a、17b…Al電極、21…バックゲート電極。

Claims (13)

  1. カーボンナノチューブからなるチャネル層と、
    該カーボンナノチューブからなるチャネル層に対して形成されたゲート電極と、
    前記チャネル層と接する領域に形成されるアルカリ金属又はアルカリ土類金属のうち少なくともいずれか一方を含むソース電極及びドレイン電極と
    を有することを特徴とするn型CN−FET構造。
  2. カーボンナノチューブからなるチャネル層と、
    該カーボンナノチューブからなるチャネル層に対して形成されたゲート電極と、
    前記チャネル層と接する領域に形成されカーボンナノチューブの仕事関数よりも小さい仕事関数を持つ材料からなるソース電極及びドレイン電極と
    を有することを特徴とするn型CN−FET構造。
  3. 前記ソース電極及びドレイン電極を形成する材料の仕事関数が4eV以下であることを特徴とする請求項2に記載のn型CN−FET構造。
  4. 前記ソース電極及びドレイン電極を形成する材料の仕事関数が3eV以下であることを特徴とする請求項2に記載のn型CN−FET構造。
  5. 前記ソース電極又はドレイン電極のうち少なくとも一方は、前記カーボンナノチューブに対してその延在方向に略垂直な方向に接している部分を有することを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載のn型CN−FET構造。
  6. 前記チャネル層には不純物がドーピングされていないことを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載のn型CN−FET構造。
  7. カーボンナノチューブと、
    該カーボンナノチューブに接するアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む電極と
    を有する電子注入電極構造。
  8. カーボンナノチューブと、
    該カーボンナノチューブに接する仕事関数が4eV以下の電極と
    を有する電子注入電極構造。
  9. カーボンナノチューブと、
    該カーボンナノチューブに接する仕事関数が3eV以下の電極と
    を有する電子注入電極構造。
  10. カーボンナノチューブと、
    該カーボンナノチューブに接する請求項7から9までのいずれか1項に記載の電子注入電極構造と、
    該電子注入電極構造とは異なる位置において前記カーボンナノチューブに接する仕事関数が5eV以上の正孔注入電極と
    を備えることを特徴とする素子。
  11. カーボンナノチューブのチャネルに接するようにアルカリ金属又はアルカリ土類金属のうちの少なくともいずれか一方を含むソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、
    前記チャネルに対して電界を印加できる位置にゲート電極を形成する工程と
    を有することを特徴とするn型CN−FETの製造方法。
  12. カーボンナノチューブのチャネルに接するように仕事関数が4eV以下の材料を含むソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、
    前記チャネルに対して電界を印加できる位置にゲート電極を形成する工程と
    を有することを特徴とするn型CN−FETの製造方法。
  13. カーボンナノチューブのチャネルに接するように仕事関数が3eV以下の材料を含むソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、
    前記チャネルに対して電界を印加できる位置にゲート電極を形成する工程と
    を有することを特徴とするn型CN−FETの製造方法。
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