JP2005322517A - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】セパレータ強度と充放電サイクル特性を損なうことなく、セパレータの薄膜化を図ることが可能な非水電解質二次電池を提供すること。
【解決手段】正極と、負極と、前記正極と前記負極の間に介在されるセパレータと、非水電解質とを具備する非水電解質二次電池であって、前記セパレータは、樹脂製フィルムと、前記樹脂製フィルムに保持されたセラミック粒子とを含み、前記樹脂製フィルムは、平均太さが0.1〜30μmの樹脂骨格がランダムに配置された多孔質構造を有することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】正極と、負極と、前記正極と前記負極の間に介在されるセパレータと、非水電解質とを具備する非水電解質二次電池であって、前記セパレータは、樹脂製フィルムと、前記樹脂製フィルムに保持されたセラミック粒子とを含み、前記樹脂製フィルムは、平均太さが0.1〜30μmの樹脂骨格がランダムに配置された多孔質構造を有することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、非水電解質二次電池に関するものである。
正極活物質にリチウム複合酸化物を用い、負極活物質にリチウムイオンをドープ・脱ドープできる炭素質材料を用いたリチウムイオン二次電池は、小型軽量で単電池の電圧が高く、高エネルギー密度を得られることから優れた電源として利用されている。このリチウムイオン二次電池は、化学電池の中では最もエネルギー密度が高いが、近年の携帯機器は、消費電力が増加する傾向にあり、更なる高エネルギー密度化が求められている。
電池の高容量化・高エネルギー密度化には、正負極活物質自身の高エネルギー密度化や電極のバインダー減量などによる電極の高エネルギー密度化のアプローチと、捲回構造の見直しや高エネルギー密度化に直接寄与しない部材の減量などによる構造上からのアプローチの二種類が主に進められている。
高エネルギー密度化に直接寄与しない部材としてセパレータが挙げられる。捲回構造を見直して電極長さを短くする方法も考えられているが、必然的に電極厚さが厚くなるため放電レート特性や低温放電特性が低下する傾向にある。一方、セパレータ自身を薄くすることでも高エネルギー密度化を図ることもできるが、セパレータの強度が低くなるだけでなく、非水電解質保持性の低下により充放電サイクル特性が劣化する。また、強度の低いセパレータは、絶縁性も不十分なものとなる。
ところで、特許文献1には、非水電解液を保持する機能を持ったポリマーを含むセパレータに、セパレータの強度を向上させる酸化ケイ素、雲母群、アルミナなどの補強剤を添加することが記載されている。
特開2001−76760号公報
本発明は、セパレータ強度と充放電サイクル特性を損なうことなく、セパレータの薄膜化を図ることが可能な非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
本発明に係る非水電解質二次電池は、正極と、負極と、前記正極と前記負極の間に介在されるセパレータと、非水電解質とを具備する非水電解質二次電池であって、
前記セパレータは、樹脂製フィルムと、前記樹脂製フィルムに保持されたセラミック粒子とを含み、
前記樹脂製フィルムは、平均太さが0.1〜30μmの樹脂骨格がランダムに配置された多孔質構造を有することを特徴とするものである。
前記セパレータは、樹脂製フィルムと、前記樹脂製フィルムに保持されたセラミック粒子とを含み、
前記樹脂製フィルムは、平均太さが0.1〜30μmの樹脂骨格がランダムに配置された多孔質構造を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、セパレータ強度と充放電サイクル特性を損なうことなく、セパレータの薄膜化を図ることが可能な非水電解質二次電池を提供することができる。
本発明に係る非水電解質二次電池は、正極と、負極と、前記正極と負極の間に介在されるセパレータと、非水電解質とを具備する。
以下、正極、負極、セパレータ及び非水電解質について説明する。
1)正極
この正極は、集電体と、この集電体の片面または両面に形成され、かつ正極活物質、導電材及び結着剤を含有する正極層とを含む。
この正極は、集電体と、この集電体の片面または両面に形成され、かつ正極活物質、導電材及び結着剤を含有する正極層とを含む。
前記正極活物質は、充放電においてリチウムイオンを容易に吸蔵・放出できるものであれば特に限定されるものではなく、種々の酸化物、例えば二酸化マンガン,リチウムマンガン含有複合酸化物(例えば、マンガン酸リチウム),リチウム含有鉄酸化物,リチウムを含むバナジウム酸化物,コバルトリチウム含有複合酸化物(例えば、コバルト酸リチウム),ニッケルリチウム含有複合酸化物(例えば、ニッケル酸リチウム)などや、カルコゲン化合物、例えば二硫化チタン,二硫化モリブデンなどを挙げることができる。正極活物質には、これらの酸化物及びカルコゲン化合物から選ばれる1種類または2種類以上を混合して用いることができる。
前記正極活物質は、電極作製時における基板との密着性や電気化学特性を鑑みて、平均粒径D50が2〜20μmの範囲にあることが好ましい。又、前記正極活物質の比表面積は、正極の活物質充填密度及び充放電効率を向上させ、且つ非水電解質の分解反応を抑制する観点から、BET法による測定で0.1〜1m2/gの範囲にあることが好ましい。
前記導電材としては、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛等を挙げることが出来る。
前記結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−6フッ化プロピレン三元共重合体、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パープルフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)−フッ化ビニリデン三元共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン−フッ化ビニリデン三元共重合体、クロロトリフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体、クロロトリフルオロエチレン−エチレン−フッ化ビニリデン三元共重合体、フッ化ビニル−フッ化ビニリデン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等を用いることが出来る。
前記集電体としては、例えばアルミニウム箔、ステンレス箔、チタン箔等を用いることが出来るが、引っ張り強度、電気化学的な安定性、及び捲回時の柔軟性等を考慮するとアルミニウム箔が最も好ましい。
前記集電体の厚さは、10〜30μmの範囲にあることが好ましい。これは以下に説明する理由によるものである。厚さが10μm未満であると、電極としての強度が得られないばかりか、充放電反応に伴う活物質の膨張・収縮により生じた集電体の歪が緩和できなくなり、正極が破断する恐れがある。一方、厚さが30μmを超えると、活物質の充填量が減少するばかりか、正極の柔軟性が損なわれ、捲回コイルを押し潰して扁平状に成形する際に折り曲げ部分で電極の割れや破断が生じ易くなる。
この正極は、例えば、正極活物質、導電材及び結着剤を適当な溶媒に懸濁させ、得られた合材スラリーを集電体である基板の片面もしくは両面に塗付し、乾燥して薄板状にしたものを所定の大きさに裁断することにより作製される。或いは、正極活物質を導電材及び結着剤と共に成形したペレット、又は正極活物質を導電材及び結着剤と共に混練、シート化したものを集電体に貼着して正極を作製することも出来る。
2)負極
この負極は、集電体と、この集電体の片面または両面に形成され、かつ負極活物質、結着剤、及び必要により導電材を含有する負極層とを含む。
この負極は、集電体と、この集電体の片面または両面に形成され、かつ負極活物質、結着剤、及び必要により導電材を含有する負極層とを含む。
前記負極活物質としては、例えば、リチウムイオンを吸蔵・放出する化合物を挙げることが出来る。前記リチウムイオンを吸蔵・放出する化合物としては、例えば、リチウムイオンをドープ・脱ドープすることが可能なポリアセタール,ポリアセチレン,ポリピロール等の導電性高分子、リチウムイオンをドープ・脱ドープすることが可能なコークス,炭素繊維,黒鉛,メソフェースピッチ系炭素,熱分解気相炭素,樹脂焼成体などの炭素材料、あるいは二硫化チタン,二硫化モリブデン,セレン化ニオブなどのカルコゲン化合物などを挙げることが出来る。前記炭素材料には、種々のものを使用でき、例えば、黒鉛系炭素、黒鉛結晶部と非晶部が混在した炭素、結晶層が不規則な積層構造を有する炭素材料等を用いることが出来る。
前記結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロースなどを使用することができる。
前記集電体には、金属箔を用いることができ、この金属箔としては、銅箔、ニッケル箔、ステンレス箔などを使用することが出来る。
この負極は、例えば、負極活物質、結着剤、及び必要により導電材を適当な溶媒に懸濁させ、得られた合材スラリーを集電体である基板の片面もしくは両面に塗付し、乾燥して薄板状にしたものを所定の大きさに裁断することにより作製される。或いは、負極活物質を結着剤、及び必要により導電材と共に成形したペレット、又は負極活物質を結着剤、及び必要により導電材と共に混練、シート化したものを集電体に貼着して負極を作製することも出来る。
3)セパレータ
このセパレータは、樹脂製フィルムと、前記樹脂製フィルムに保持されたセラミック粒子とを含み、
前記樹脂製フィルムは、平均太さが0.1〜30μmの樹脂骨格がランダムに配置された多孔質構造を有する。
このセパレータは、樹脂製フィルムと、前記樹脂製フィルムに保持されたセラミック粒子とを含み、
前記樹脂製フィルムは、平均太さが0.1〜30μmの樹脂骨格がランダムに配置された多孔質構造を有する。
本発明で用いるセパレータを厚さ方向に切断した断面の拡大模式図を図1に示す。
図1に示すように、この樹脂製フィルムは、太さが不規則に変化している、つまり太さが一様でない樹脂骨格1が三次元的にランダムに配置され、これによりさまざまな形状や大きさの空孔3が形成された多孔質構造を有している。この樹脂製フィルムの主に樹脂骨格1部分に、セラミック粒子2が保持されている。
太さが一様でない樹脂骨格1、換言すれば、細い骨格と太い骨格が混在し、各骨格における太さにもばらつきがある樹脂骨格1をランダムに配置することにより、樹脂骨格1の間に形成される空孔3の形状や大きさをさまざまにすることができ、空隙率を向上することができる。樹脂製フィルムではなく、不織布を使用すると、不織布では繊維がランダムに配置されており、また細い繊維と太い繊維を混在させることが可能であるものの、繊維一本一本の太さが長さ方向に沿って変化しておらず、ほぼ一定となっているため、孔形状及び孔サイズのばらつきが小さくなり、高い空隙率を確保することができない。また、孔形状や孔サイズのばらつきを大きくするために、一本の繊維で太さにばらつきをもたせると、繊維間の結合強度が低下してセパレータが破断しやすくなる。このため本発明では、不織布ではなく、前述の多孔質構造を有する樹脂製フィルムを含むセパレータを用いる。この樹脂製フィルムにセラミック粒子を添加することにより、樹脂骨格を補強することができ、セパレータの機械的強度を向上することができる。
樹脂骨格の平均太さを前記範囲に規定するのは以下に説明する理由によるものである。
樹脂骨格の平均太さが30μmを超えると、前述した多孔質構造としても、1つ1つの空孔が小さくなって空隙率が低下するため、セパレータの非水電解質保持性が低下する。保持性の低いセパレータを用いると、電極に非水電解質が均一に保持されず不均一な反応が生じ、充放電を繰り返すうちに電極の劣化が進んで充放電サイクル特性が低下する。非水電解質保持性を向上させるために、セパレータを厚くして空隙率を稼ぐと、二次電池の高エネルギー密度化の妨げになる。セパレータを厚くすることなく、目付け量を少なくして空隙率を高くすると、セパレータの重量むらが大きくなり、セパレータの絶縁機能が低下する。樹脂骨格の平均太さを小さくすれば、薄くて空隙率が高く、かつ目付けむら(重量むら)が小さいセパレータを得られるものの、その平均太さを0.1μm未満とすると、極細の樹脂骨格が増えるため、セラミック粒子を添加して補強しても、セパレータの機械的強度が低下する。樹脂骨格のより好ましい平均太さの範囲は、0.5〜20μmである。
前記樹脂製フィルムは、例えば、ポリオレフィン及びセルロースから選ばれる少なくとも一種類の材料から形成されることが好ましい。前記ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合ポリマー、エチレン−ブテン共重合ポリマーなどを挙げることができる。中でも、ポリエチレン、或いはポリプロピレン、又はその両者から成る樹脂製フィルムは、シャットダウン機能が高いことから二次電池の安全性を向上でき、好ましい。
前記セラミック粒子は、電気的な絶縁性を有していれば特に限定されるものではなく、例えば、チタン酸バリウム,ジルコン酸鉛,ジルコニア,アルミナなどの金属酸化物や、窒化ケイ素などの窒化物を用いることができる。また、これらの材料から選ばれる2種類以上を混合して用いても良い。セラミック粒子はセパレータの機械的強度を大きくすることができるだけでなく、濡れ性に優れることからセパレータの保液性を向上させる効果も有する。中でも、チタン酸バリウムやジルコニア、あるいはこれらの混合物は、非常に優れた濡れ性を有することから、好ましい。
前記セラミック粒子の形状は、特に限定されるものではなく、球状、繊維状、鱗片状あるいは不定形状とすることができる。
前記セラミック粒子の平均粒径は、0.5〜8μmの範囲とすることが望ましい。これは、以下に説明する理由によるものである。セラミック粒子の平均粒径を0.5μm未満にすると、樹脂骨格を十分に補強することができない恐れがある。一方、セラミック粒子の平均粒径が8μmを超えると、セラミック粒子がセパレータ表面から突き出て二次電池に短絡を生じる恐れがある。
前記セパレータにおける前記セラミック粒子の含有量は、10〜50重量%の範囲にあることが好ましい。これは以下に説明する理由によるものである。
セラミック粒子の含有量を10重量%未満とすると、保液性の向上効果が小さいだけでなく、十分な強度を有するセパレータを得られない恐れがある。一方、セラミック粒子の含有量が50重量%を超えると、セラミック粒子で空孔が塞がれ、セパレータの空隙率が低下する恐れがあるとともに、セパレータの透気度が低下してLiイオンの透過が妨げられる恐れもある。セラミック粒子の含有量のさらに好ましい範囲は、20〜40重量%である。
前記セパレータの厚さは、8〜30μmの範囲にあり、かつ前記セパレータの目付け量は、8〜20g/m2の範囲にあることが好ましい。これは以下に説明する理由によるものである。
セパレータの厚さが8μm未満であると、セラミック粒子を添加して樹脂骨格を補強しても、セパレータの機械的強度が低下し、二次電池の製造時や充放電サイクル時に破断する恐れがある。厚みがあるセパレータほど強度に優れるものの、その厚さが30μmを超えると、二次電池の高容量化・高エネルギー密度化の妨げになる恐れがある。セパレータの厚さのさらに好ましい範囲は、10〜20μmである。
セパレータの目付け量が8g/m2未満であると、樹脂骨格の平均太さを前記範囲内としても、重量むらが大きくなるため、セパレータの機械的強度が低下したり、絶縁性が劣化する恐れがある。一方、目付け量が20g/m2を超えると、前述の多孔質構造にしたセパレータを、30μm以下の厚さにすることが困難になる。セパレータの目付け量のさらに好ましい範囲は、10〜18g/m2である。
このセパレータは、例えば、セラミック粒子を混合した重量平均分子量300万以上の樹脂をフィルム化した後、二軸延伸することにより作製することができる。
特に、300万以上の重量平均分子量を有する超高分子量ポリエチレンは、機械的強度が強く、前述したような多孔質構造を有するフィルムを容易に作製することができるため、これを用いてセパレータを作製することが望ましい。
4)非水電解質
この非水電解質は、非水溶媒と、この非水溶媒に溶解される電解質(例えば、リチウム塩)とを含む。非水電解質には、少なくとも電極群への注入時に液状であるものが使用される。注入時に液状であればゲル化剤(例えば、ポリマー、モノマー)を含んでいても良い。ゲル化剤を含まない非水電解液は、イオン伝導度を向上することができるため、好ましい。
この非水電解質は、非水溶媒と、この非水溶媒に溶解される電解質(例えば、リチウム塩)とを含む。非水電解質には、少なくとも電極群への注入時に液状であるものが使用される。注入時に液状であればゲル化剤(例えば、ポリマー、モノマー)を含んでいても良い。ゲル化剤を含まない非水電解液は、イオン伝導度を向上することができるため、好ましい。
前記非水溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、メチルエチルカーボネート(MEC)、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン(2−MeTHF)、1,3−ジオキソラン、1,3−ジメトキシプロパン、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、フェニルエチレンカーボネート(phEC)、γ−バレロラクトン(VL)、プロピオン酸メチル(MP)、プロピオン酸エチル(EP)、2−メチルフラン(2Me−F)、フラン(F)、チオフェン(TIOP)、カテコールカーボネート(CATC)、エチレンサルファイト(ES)、12−クラウン−4(Crown)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(Ether)などを挙げることが出来る。前記非水溶媒には、前述した種類の中から選ばれる1種又は2種以上の混合溶媒を使用することが出来る。
中でも、エチレンカーボネート(EC)は、リチウムイオン伝導性が高く、負極表面に良好な表面保護被膜を形成するという利点がある。
非水溶媒にECが含まれる場合、非水溶媒全体積に対するECの体積比率は、20〜50体積%の範囲内にすることが望ましい。これは次のような理由によるものである。非水溶媒全体積に対するECの体積比率を20体積%未満にすると、良好な表面保護被膜を形成できなくなる恐れがある。ECは、良好な表面保護被膜の形成に寄与する反面、凝固点と粘度が高いため、ECの体積比率が50体積%を超えると、非水電解質のイオン伝導度が低下して低温放電特性と充放電サイクル寿命が著しく低下する恐れがある。
ECの体積比率のより好ましい範囲は、25〜50体積%で、さらに好ましい範囲は、25〜45体積%である。
非水溶媒にECが含まれる場合、さらに鎖状カーボネートを含むことが好ましい。
この場合、鎖状カーボネートには、メチルエチルカーボネート(MEC)が必須成分として含まれ、MECのみを鎖状カーボネートとして用いても、MECに他の鎖状カーボネートを併用しても良い。MECと併用する他の鎖状カーボネートは凝固点が低く、かつ粘度の低いものが望ましい。さらに、分子量の比較的小さい溶媒が望ましい。これは低温での放電特性が良好になるためである。他の鎖状カーボネートとしては、ジエチルカーボネート(DEC)及びジメチルカーボネート(DMC)のうちの少なくとも一方が好ましい。特に、優れた充放電サイクル特性を得る観点からは、MECとDECを含む鎖状カーボートが好ましく、一方、優れた低温放電特性を得る観点からは、MECとDMCを含む鎖状カーボネートが望ましい。
非水溶媒に鎖状カーボネートが含まれる場合、非水溶媒全体積に対する鎖状カーボネートの体積比率は、40〜80体積%の範囲内にすることが望ましい。これは次のような理由によるものである。非水溶媒全体積に対する鎖状カーボネートの体積比率を40体積%未満にすると、十分な低温放電特性を得られなくなる恐れがある。一方、鎖状カーボネートの体積比率が80体積%を超えると、ガス発生が顕著になり、高温での電池特性が劣化する恐れがある。
鎖状カーボネートの体積比率のより好ましい範囲は、50〜80体積%で、さらに好ましい範囲は、55〜75体積%である。
非水溶媒にEC及び鎖状カーボネートが含まれる場合には、さらに副成分として、例えば、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、フェニルエチレンカーボネート(phEC)、プロピレンカーボネート(PC)、γ−バレロラクトン(VL)、プロピオン酸メチル(MP)、プロピオン酸エチル(EP)、2−メチルフラン(2Me−F)、フラン(F)、チオフェン(TIOP)、カテコールカーボネート(CATC)、エチレンサルファイト(ES)、12−クラウン−4(Crown)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(Ether)などを含むことができる。副成分の種類は、1種類もしくは2種類以上にすることができる。
中でも、ビニレンカーボネート(VC)を含む副成分を添加すると、界面抵抗が低く熱安定性に優れる保護被膜を初充電時に負極表面に生成することが可能となり、充電状態で高温環境下に保管した際の内部抵抗の上昇をさらに抑えることができるため、保管後の容量回復率をより高くすることができる。
非水溶媒に副成分が含まれる場合、非水溶媒中の副成分の体積比率は、10体積%以下の範囲内にすることが望ましい。これは、副成分の体積比率を10体積%よりも多くすると、充電状態で高温環境下に保管した際、副成分と正極の反応により、正極の界面抵抗が大きく上昇したり、副成分の分解によるガス発生を生じたりすることにより、容量回復率が低くなる可能性があるからである。副成分の体積比率のさらに好ましい範囲は、0.01〜5体積%である。
前記非水溶媒に溶解される電解質としては、例えば、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(CF3SO2)2]、LiN(C2F5SO2)2などのリチウム塩を挙げることができる。使用する電解質の種類は、1種類または2種類以上にすることができる。
中でも、LiPF6あるいはLiBF4を含むものが好ましい。また、LiN(CF3SO2)2およびLiN(C2F5SO2)2のうち少なくとも一方からなるイミド塩と、LiBF4及びLiPF6のうち少なくともいずれか一方からなる塩とを含有する混合塩Aか、あるいはLiBF4及びLiPF6の双方を含有する混合塩Bを用いると、高温でのサイクル寿命をより向上することができる。また、電解質の熱安定性が向上されるため、高温環境下で貯蔵時の自己放電による電圧低下を抑えることができる。
前記非水溶媒中の前記電解質の濃度は、0.5〜2.5モル/Lとすることが望ましい。さらに好ましい範囲は、1〜2.5モル/Lである。
前記非水電解質には、セパレータとの濡れ性を良くするために、トリオクチルフォスフェート(TOP)のような界面活性剤を含有させることが望ましい。界面活性剤の添加量は、3%以下が好ましく、さらには0.1〜1%の範囲内にすることが好ましい。
前記非水電解質の量は、電池の単位容量当たり2〜4g/Ahにすることが好ましい。より望ましい非水電解質量の範囲は、2.5〜3.5g/Ahである。
非水電解質に添加されるゲル化剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアクリート(PMMA)、ポリビニリデンフルオライドヘキサフルオロプロピレン(PVdF−HFP)などを挙げることが出来る。
前記正極及び負極は、その間にセパレータを介在させて電極群を形成することができ、この電極群は、非水電解質とともに容器内に収納される。以下、この容器について説明する。
容器の形状は、例えば、有底円筒形、有底矩形筒型、袋状、カップ状等にすることができる。
これらの容器は、例えば、樹脂層を含むシート、金属板、金属フィルム等から形成することができる。
前記樹脂層を含むシートは、内面を構成するシーラント層と、外表面を構成する樹脂層と、バリア層とを含むラミネートフィルムであることが望ましい。なお、この樹脂層を含むシートは、各層を貼り合わせるために使用する接着剤を含むことを許容する。また、各層は、1種類の材料から形成しても、2種類以上の材料から形成しても良い。
シーラント層を形成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン系樹脂(例えば、ホモポリマー、ブロックコポリマー、ランダムコポリマー等)、ポリエチレン系樹脂(例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン/ブテン1共重合体等のエチレン/αオレフィン(C3〜C8)共重合体、架橋ポリエチレン、酸変性ポリエチレン等)を挙げることができる。中でも、ポリエチレン系樹脂が好ましい。
バリア層は、例えば、アルミニウム合金、アルミニウム、ステンレス、鉄、銅、ニッケル等から形成することができる。中でも、軽量で、水分を遮断する機能が高いアルミニウムが好ましい。
外表面を構成する樹脂層は、バリア層を保護するためのものである。樹脂層は、例えば、ポリアミド樹脂等から形成することができる。
前記樹脂層を含むシートの厚さは、0.3mm以下にすることが望ましく、より好ましい範囲は0.25mm以下で、更に好ましい範囲は0.15mm以下で、最も好ましい範囲は0.12mm以下である。また、厚さが0.05mmより薄いと、変形や破損し易くなることから、フィルムの厚さの下限値は0.05mmにすることが好ましい。
前記金属板及び前記金属フィルムは、例えば、鉄、ステンレス、アルミニウムから形成することができる。
前記金属板及び金属フィルムの厚さは、0.4mm以下にすることが望ましく、さらに好ましい範囲は0.3mm以下で、最も好ましい範囲は0.25mm以下である。また、厚さが0.05mmより薄いと、十分な強度を得られなくなることから、金属板及び金属フィルムの厚さの下限値は0.05mmにすることが好ましい。
容器の厚さは、以下に説明する方法で測定される。すなわち、容器の封止部を除く領域において、互いに1cm以上離れて存在する3点を任意に選択し、各点の厚さを測定し、平均値を算出し、この値を容器の厚さとする。
本発明に係る非水電解質二次電池の一例である薄型、角形、円筒形非水電解質二次電池を、図2〜図5を参照して説明する。
図2は、本発明に係る非水電解質二次電池の一例である薄型非水電解質二次電池を示す斜視図、図3は、図1の薄型非水電解質二次電池をIII−III線に沿って切断した部分断面図、図4は、本発明に係る非水電解質二次電池の他の例である角形非水電解質二次電池を示す部分切欠斜視図、図5は、本発明に係る非水電解質二次電池のさらなる例である円筒形非水電解質二次電池を示す部分断面図である。
まず、薄型非水電解質二次電池について説明する。
図2に示すように、矩形のカップ状をなす容器本体11内には、電極群12が収納されている。電極群12は、正極13と、負極14と、正極13と負極14の間に配置されるセパレータ15を含む積層物が偏平形状に捲回された構造を有する。非水電解質は、電極群12に保持されている。容器本体11には蓋板16が一体化されている。容器本体11と蓋板16は、それぞれ、ラミネートフィルムから構成される。このラミネートフィルムは、樹脂層17と、シーラント層18と、樹脂層17とシーラント層18の間に配置されるバリア層19とを含む。容器本体11には蓋体16がシーラント層18を用いてヒートシールによって固定され、それにより容器内に電極群12が密封される。正極13には正極タブ20が接続され、負極14には負極タブ21が接続され、それぞれ容器の外部に引き出されて、正極端子及び負極端子の役割を果たす。
次いで、角形非水電解質二次電池について説明する。
図4に示すように、金属、例えばアルミニウムからなる有底矩形筒状の外装缶31は、例えば正極端子を兼ね、底部内面に絶縁体32が配置されている。前記外装缶31内には、電極群33が収納されている。前記電極群33は、負極34と、セパレータ35と、正極36とを前記正極36が最外周に位置するように渦巻き状に捲回した後、扁平状にプレス成形することにより作製したものである。前記正極36の集電体には、正極リード(図示せず)が接続され、かつこの正極リードの他端は前記外装缶31に接続されている。
中心付近にリード取出穴を有する例えば合成樹脂からなるスペーサ37は、前記外装缶31内の前記電極群33上に配置されている。金属製の蓋体38は、前記外装缶31の上端開口部に、例えばレーザ溶接により気密に接合されている。前記蓋体38の中心付近には、負極端子の取出穴39が開口されている。前記蓋体38には、前記外装缶31内の内圧が極端に上昇したような場合に破れて内圧を開放する安全弁機構(図示せず)が設けられている。負極端子40は、前記蓋体38の取出穴39にガラス製または樹脂製の絶縁材41を介してハーメティックシールされている。前記負極端子40の下端面には、負極リード42が接続され、かつこの負極リード42の他端は前記電極群33の負極34の集電体に接続されている。絶縁封口板43は、蓋体38の上面に配置されている。絶縁性の外装チューブ44は、外装缶31の側面並びに底面周縁と、絶縁封口板43の周縁を被覆している。
次いで、円筒形非水電解質二次電池について説明する。
図5に示すように、例えばステンレスからなる有底円筒状の容器51は、底部に絶縁体52が配置されている。電極群53は、前記容器51に収納されている。前記電極群53は、正極54、セパレータ55、負極56及びセパレータ55を積層した帯状物を、前記セパレータ55が外側に位置するように渦巻き状に捲回した構造になっている。
前記容器51内には、非水電解質が収容されている。中央部が開口された絶縁紙57は、前記容器51内の前記電極群53の上方に配置されている。絶縁封口板58は、前記容器51の上部開口部に配置され、かつ前記上部開口部付近を内側にかしめ加工することにより前記封口板58は前記容器51に固定されている。正極端子59は、前記絶縁封口板58の中央に嵌合されている。正極リード60の一端は、前記正極54に、他端は前記正極端子59にそれぞれ接続されている。前記負極56は、図示しない負極リードを介して負極端子である前記容器51に接続されている。
以上説明したように、本発明に係る非水電解質二次電池は、平均太さが0.1〜30μmの樹脂骨格がランダムに配置された多孔質構造を有する樹脂製フィルムと、前記樹脂製フィルムに保持されたセラミック粒子とを含むセパレータを具備することから、セパレータ強度と充放電サイクル特性を保ちながら、セパレータの薄膜化を図ることができる。これは以下に説明する理由によるものである。
従来のセパレータでは、その厚さを薄くした際に高い空隙率を確保しようとすると、セパレータの機械的強度が低下するだけでなく、目付けむらが大きくなる。このため、セパレータ強度と目付けむらの問題を招くことなく、空隙率を高くするためには、セパレータを厚くする必要があった。本発明に従えば、セパレータを平均太さが前記範囲内の樹脂骨格がランダムに配置された多孔質構造とすることにより、セパレータを厚くすることなく、高い空隙率(気孔率)が得られ、かつ目付けむらを少なくすることができる。さらに、セラミック粒子を添加することにより、樹脂骨格を補強できると共に、セパレータの濡れ性を高めて、非水電解質保持性を向上することができる。この結果、薄くした際にも、機械的強度に優れ、かつ高い非水電解質保持性を有するセパレータを実現することができ、高エネルギー密度で、かつ充放電サイクル特性に優れた非水電解質二次電池を得ることができる。また、本発明によれば、低温放電特性も改善することができる。さらに、セパレータの目付けむらを低減できることから、優れた絶縁性を保つことができる。
また、前記セパレータの厚さを8〜30μmとし、かつ目付け量を8〜20g/m2とすることにより、二次電池の高容量化・高エネルギー密度化を妨げることなく、優れた強度及び非水電解質保持性を有するセパレータを実現することができる。さらに、前記セパレータにおける前記セラミック粒子の含有量を10〜50重量%とすることにより、保持性をさらに向上することができる。
また、非水電解質二次電池では、長時間充電されるような異常使用時に多孔質構造のセパレータが溶融することで孔を塞ぎ、Liイオンの移動を妨げることでそれ以上の過充電を防ぐ、いわゆるシャットダウン機構が必要とされている。本発明で用いるセパレータは、目付けむらが少なく、かつ150℃程度の高温では溶融しないセラミック粒子が含有されているため、セパレータの溶融により電極が露出するのを防ぐことができ、シャットダウン機構を適切に作動させることができる。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
[実施例]
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
(実施例1)
<正極の作製>
正極活物質として平均粒径10μmのコバルト酸リチウム(LiCoO2)を100重量部と、導電材としてグラファイト(黒鉛)2.5重量部及びアセチレンブラック2.5重量部とを混合した後、さらにバインダーとしてポリフッ化ビニリデン3.5重量部を加えて混練し、スラリーを作製した。前記スラリーを集電体として厚さ15μmのアルミニウム箔に塗布した後、乾燥し、形成した正極層の反対側の面にも同様の方法でスラリーを塗布・乾燥し、アルミニウム箔両面に正極層を形成した塗布電極を作製した。その後、前記塗布電極にロールプレスを施して所定の厚さに成形し、電極密度3.3g/cm3の正極を得た。
<正極の作製>
正極活物質として平均粒径10μmのコバルト酸リチウム(LiCoO2)を100重量部と、導電材としてグラファイト(黒鉛)2.5重量部及びアセチレンブラック2.5重量部とを混合した後、さらにバインダーとしてポリフッ化ビニリデン3.5重量部を加えて混練し、スラリーを作製した。前記スラリーを集電体として厚さ15μmのアルミニウム箔に塗布した後、乾燥し、形成した正極層の反対側の面にも同様の方法でスラリーを塗布・乾燥し、アルミニウム箔両面に正極層を形成した塗布電極を作製した。その後、前記塗布電極にロールプレスを施して所定の厚さに成形し、電極密度3.3g/cm3の正極を得た。
<負極の作製>
メソフェーズピッチ系炭素繊維をアルゴンガス雰囲気下で3000℃にて黒鉛化し、更に2400℃の塩素ガス雰囲気下で熱処理して黒鉛化炭素粉末を合成した。続いて、前記黒鉛化炭素粉末100重量部と、ポリフッ化ビニリデン5重量部が溶解されているN−メチル−2−ピロリドン溶液とを混合することにより、合材スラリーを調製した。この合材スラリーを集電体として厚さ12μmの銅箔に塗布した後、乾燥し、形成した負極層の反対側の面にも同様の方法でスラリーを塗布・乾燥し、銅箔両面に負極層を形成した塗布電極を作製した。その後、前記塗布電極にロールプレスを施して所定の厚さに成形し、負極を得た。
メソフェーズピッチ系炭素繊維をアルゴンガス雰囲気下で3000℃にて黒鉛化し、更に2400℃の塩素ガス雰囲気下で熱処理して黒鉛化炭素粉末を合成した。続いて、前記黒鉛化炭素粉末100重量部と、ポリフッ化ビニリデン5重量部が溶解されているN−メチル−2−ピロリドン溶液とを混合することにより、合材スラリーを調製した。この合材スラリーを集電体として厚さ12μmの銅箔に塗布した後、乾燥し、形成した負極層の反対側の面にも同様の方法でスラリーを塗布・乾燥し、銅箔両面に負極層を形成した塗布電極を作製した。その後、前記塗布電極にロールプレスを施して所定の厚さに成形し、負極を得た。
<セパレータの作製>
セラミック粒子として、平均粒径1μmのチタン酸バリウム(BaTiO3)を30重量%混合した重量平均分子量300万以上の超高分子量ポリエチレン樹脂をフィルム化した後、二軸延伸工程にて厚さ18μmで、目付け量16g/m2のセパレータを得た。
セラミック粒子として、平均粒径1μmのチタン酸バリウム(BaTiO3)を30重量%混合した重量平均分子量300万以上の超高分子量ポリエチレン樹脂をフィルム化した後、二軸延伸工程にて厚さ18μmで、目付け量16g/m2のセパレータを得た。
得られたセパレータの樹脂骨格の平均太さを以下に説明するように測定した。
得られたセパレータを厚さ方向に切断し、得られた断面の任意の5箇所について、それぞれ電子顕微鏡写真(SEM)を撮影した。この5視野それぞれについて、任意の10点で樹脂骨格の太さを測定し、これらの測定結果の平均値を求め、この結果を、樹脂骨格の平均太さとして下記表1に示す。また、この写真から、フィルムが、太さが不規則に変化した樹脂骨格がランダムに配置された多孔質構造を有することと、このフィルムがセラミック粒子を保持していることとを確認できた。
<液状非水電解質の調製>
エチレンカーボネート、メチルエチルカーボネートを体積比率1:2で混合した混合非水溶媒にLiPF6を1.0モル/L溶解し、さらにビニレンカーボネート1.0重量%を混合することにより、液状非水電解質(非水電解液)を得た。
エチレンカーボネート、メチルエチルカーボネートを体積比率1:2で混合した混合非水溶媒にLiPF6を1.0モル/L溶解し、さらにビニレンカーボネート1.0重量%を混合することにより、液状非水電解質(非水電解液)を得た。
<電極群の作製>
前記正極の集電体に帯状アルミニウム箔(厚さ100μm)からなる正極リードを超音波溶接し、前記負極の集電体に帯状ニッケル箔(厚さ100μm)からなる負極リードを超音波溶接した後、前記正極及び前記負極をその間に前記セパレータを介して渦巻き状に捲回した後、偏平状に成形し、電極群を作製した。
前記正極の集電体に帯状アルミニウム箔(厚さ100μm)からなる正極リードを超音波溶接し、前記負極の集電体に帯状ニッケル箔(厚さ100μm)からなる負極リードを超音波溶接した後、前記正極及び前記負極をその間に前記セパレータを介して渦巻き状に捲回した後、偏平状に成形し、電極群を作製した。
厚さが300μmのアルミニウムシートを厚さが5mm、幅が30mm、高さが48mmの直方体の缶に成形し、得られた容器内に前記電極群を収納した。
次いで、容器内の電極群に80℃で真空乾燥を12時間施すことにより電極群及びアルミニウム缶に吸着している水分を除去した。
容器内の電極群に前記非水電解液を電池容量1Ah当たりの量が2.8gとなるように注入し、封止することによって、前述した図4に示す構造を有し、厚さが5mm、幅が30mm、高さが48mmの角形非水電解質二次電池を組み立てた。
(実施例2〜7)
セパレータのチタン酸バリウムの含有量、目付け量および樹脂骨格の平均太さを下記表1に示す値にしたこと以外には、実施例1と同様にして角形非水電解質二次電池を組み立てた。
セパレータのチタン酸バリウムの含有量、目付け量および樹脂骨格の平均太さを下記表1に示す値にしたこと以外には、実施例1と同様にして角形非水電解質二次電池を組み立てた。
(実施例8)
チタン酸バリウムの替わりに、セラミック粒子として平均粒径2μmのジルコニア(ZrO2)を30重量%混合し、セパレータの目付け量および樹脂骨格の平均太さを下記表1に示す値にしたこと以外には、実施例1と同様にして角形非水電解質二次電池を組み立てた。
チタン酸バリウムの替わりに、セラミック粒子として平均粒径2μmのジルコニア(ZrO2)を30重量%混合し、セパレータの目付け量および樹脂骨格の平均太さを下記表1に示す値にしたこと以外には、実施例1と同様にして角形非水電解質二次電池を組み立てた。
(比較例1)
セラミック粒子を含有せず、目付け量および樹脂骨格の平均太さが下記表1に示す値にあるセパレータを用いたこと以外には、実施例1と同様な電池構成とした。
セラミック粒子を含有せず、目付け量および樹脂骨格の平均太さが下記表1に示す値にあるセパレータを用いたこと以外には、実施例1と同様な電池構成とした。
比較例1ではセパレータが、正極、負極と共に捲回した際に破断したため、二次電池を組み立てることができなかった。比較例1の結果から、セラミック粒子無添加の場合に実施例1と同じ平均太さをもつ樹脂骨格を用いて、実施例1と同じ厚さと目付け量にして高い空隙率に設定すると、セパレータの強度が低くなってしまうことがわかった。
実施例1〜8に関しては、比較例1と同程度もしくはそれ以上の高い空隙率をもつセパレータであるにも拘わらず、セパレータに破断を生じることなく二次電池を組み立てることができたため、得られた二次電池に以下に説明するように充放電サイクル試験を行った。
<充放電サイクル試験>
得られた実施例1〜8の二次電池について、充電を1CmAの定電流で4.2Vまで、更に4.2Vに到達した後は定電圧で、充電時間のトータルが3時間になるように行い、放電は1CmAの定電流で3.0Vまで行う充放電サイクル試験を45℃の温度下で行い、放電容量が1サイクル目の放電容量の80%に到達した際のサイクル数を測定した。得られたサイクル数を、実施例1のサイクル数を100として表した結果を下記表1に示す。
得られた実施例1〜8の二次電池について、充電を1CmAの定電流で4.2Vまで、更に4.2Vに到達した後は定電圧で、充電時間のトータルが3時間になるように行い、放電は1CmAの定電流で3.0Vまで行う充放電サイクル試験を45℃の温度下で行い、放電容量が1サイクル目の放電容量の80%に到達した際のサイクル数を測定した。得られたサイクル数を、実施例1のサイクル数を100として表した結果を下記表1に示す。
表1の結果から明らかなように、平均太さが0.1〜30μmの樹脂骨格がランダムに配置された多孔質構造を有する樹脂製フィルムと、前記樹脂製フィルムに保持されたセラミック粒子とを含むセパレータを具備する実施例1〜8の二次電池はいずれも、45℃の温度下での充放電サイクル試験において、良好なサイクル特性を示すことが確認された。
また、セラミック粒子の含有量が10〜50重量%の範囲にあるセパレータを用いた実施例1〜3,6〜8の二次電池は、セラミック粒子の含有量が前記範囲から外れるセパレータを用いた実施例4,5の二次電池に比べて充放電サイクル特性に優れていた。中でも、セラミック粒子の含有量が20〜40重量%の範囲にあるセパレータを用いた実施例1,6〜8の二次電池は、特に優れた充放電サイクル特性を示した。これは、セラミック粒子の含有量が10〜50重量%の範囲内にある場合に、非水電解質保持性の向上効果が最も大きく現れるためと考えられる。
1…樹脂骨格、2…セラミック粒子、3…空孔、11…容器本体、12,33,53…電極群、13,36,54…正極、14,34,56…負極、15,35,55…セパレータ、16…蓋板、17…樹脂層、18…シーラント層、19…バリア層、20…正極タブ、21…負極タブ、31…外装缶、32,52…絶縁体、37…スペーサ、38…蓋体、39…取出穴、40…負極端子、41…絶縁材、42…負極リード、43,58…絶縁封口板、44…外装チューブ、51…容器、57…絶縁紙、59…正極端子、60…正極リード。
Claims (3)
- 正極と、負極と、前記正極と前記負極の間に介在されるセパレータと、非水電解質とを具備する非水電解質二次電池であって、
前記セパレータは、樹脂製フィルムと、前記樹脂製フィルムに保持されたセラミック粒子とを含み、
前記樹脂製フィルムは、平均太さが0.1〜30μmの樹脂骨格がランダムに配置された多孔質構造を有することを特徴とする非水電解質二次電池。 - 前記セパレータにおける前記セラミック粒子の含有量が、10〜50重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の非水電解質二次電池。
- 前記セパレータの厚さは、8〜30μmの範囲にあり、かつ前記セパレータの目付け量は、8〜20g/m2の範囲にあることを特徴とする請求項1または2記載の非水電解質二次電池。
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- 2004-05-10 JP JP2004139936A patent/JP2005322517A/ja active Pending
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