JP2005320212A - 水素製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】オートサーマル改質法等を利用した自動車用燃料の改質において、A/F比が低い条件下であっても自動車燃料を効率的に改質し、連続的に水素を高選択率、高収率で製造できる方法を提供する。
【解決手段】自動車燃料の改質反応に酸素富化空気及び水蒸気を用い、自動車燃料中の炭素原子に対する水蒸気のモル比を調整することで、A/F比が低い条件下であっても、自動車燃料を効率的に改質して、水素を効率良く製造することができる。
【選択図】 図2
【解決手段】自動車燃料の改質反応に酸素富化空気及び水蒸気を用い、自動車燃料中の炭素原子に対する水蒸気のモル比を調整することで、A/F比が低い条件下であっても、自動車燃料を効率的に改質して、水素を効率良く製造することができる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、ガソリンやディーゼル燃料等の自動車燃料を効率的に改質し、収率良く水素を製造する方法に関する。
水素エネルギーはクリーンなエネルギーであり、燃料電池や内燃機関等のエネルギー源として、将来的な利用が期待されている。内燃機関に関しては、水素エンジン、水素添加エンジン、水素を還元剤とする脱NOx等についての研究がなされている。また、燃料電池の原料である水素の供給に関して、燃料改質による水素の製造方法についての研究開発が盛んに行われている。特に、オンボードで燃料改質を行う場合は、水素製造装置の小型軽量化、瞬時の起動、及び、負荷応答性の観点から、部分酸化改質法や、部分酸化改質法と水蒸気改質法とを組み合わせたオートサーマル改質法が重要な手法となっている(非特許文献1〜3参照)。また、水素収率(エネルギー効率)の観点からは、部分酸化改質法よりもオートサーマル改質法の方がより好ましい。
例えば、担持Rh系触媒の存在下で、反応温度800℃でディーゼル燃料をオートサーマル改質する場合にあっては、十分な水素収率を得るためには、空気と燃料の重量比(以下、A/F比という)を5〜7、好ましくは6に設定する必要がある。改質器の小型軽量、起動性、負荷応答性、及び反応効率の観点からは、できるだけ低いA/F比で改質反応を行うことが望ましいところであるが、A/F比が5以下でオートサーマル改質反応を行った場合には水蒸気改質反応の反応速度が小さくなり、十分な水素収率が得られないという不具合があるためである。
従って、オートサーマル改質法等を利用した自動車用燃料の改質において、A/F比が低い条件下であっても効率的に水素が製造できる方法を確立することは、燃料電池や内燃機関に対して簡便に水素を提供できるだけでなく、炭化水素系資源の有効利用にも寄与するため有益である。
「日本エネルギー学会誌」、第80巻、第2号、2001年、p59−68 「日本エネルギー学会誌」、第80巻、第2号、2001年、p76−80 「化学工学」、第65巻、第10号、2001年、p19−23
「日本エネルギー学会誌」、第80巻、第2号、2001年、p59−68 「日本エネルギー学会誌」、第80巻、第2号、2001年、p76−80 「化学工学」、第65巻、第10号、2001年、p19−23
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、オートサーマル改質法等を利用した自動車用燃料の改質において、A/F比が低い条件下であっても自動車燃料を効率的に改質し、連続的に水素を高選択率、高収率で製造できる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、自動車燃料の改質反応に酸素富化空気及び水蒸気を用い、自動車燃料中の炭素原子に対する水蒸気のモル比を調整することで、A/F比が低い条件下であっても、自動車燃料を効率的に改質して効率の良い水素の製造が可能であることを見出した。本発明は、より具体的には以下のようなものを提供する。
(1) 自動車燃料を改質して水素を製造する水素製造方法であって、前記自動車燃料を、酸素富化空気及び水蒸気の存在下で改質反応することにより、水素を製造する水素製造方法。
(2) 前記自動車燃料中の炭素原子に対する前記水蒸気のモル比を調整して前記改質反応をすることにより、水素を製造する(1)記載の水素製造方法。
(3) 前記自動車燃料中の炭素原子に対する前記水蒸気のモル比を、0.1以上7.0以下とする(1)又は(2)記載の水素製造方法。
(4) 前記改質反応を、オートサーマル改質反応とする(1)から(3)いずれか記載の水素製造方法。
(5) 前記改質反応を、連続的に行う(1)から(4)いずれか記載の水素製造方法。
(6) 自動車燃料の改質反応の効率を制御する方法であって、前記改質反応を、酸素富化空気及び水蒸気の存在下で行い、前記自動車燃料中の炭素原子に対する前記水蒸気のモル比を調整して、前記改質反応の効率を制御する方法。
オートサーマル改質法は、化学反応式1に示す部分酸化改質反応と、化学反応式3に示す水蒸気改質反応とを組み合わせた改質法である。ここで、部分酸化改質反応は、炭化水素類を酸素で改質し、水素と一酸化炭素を生成する反応であり、水蒸気改質反応は、炭化水素類を水蒸気で改質し、水素、一酸化炭素を生成する反応である。このため、共存酸素量が一定量を超えると、化学反応式2に示す完全酸化反応が進行し、水素を得ることはできない。
このオートサーマル改質法では、酸素及び水蒸気が酸化剤として作用する。具体的には、空気中の酸素は部分酸化反応及び水蒸気改質反応を促進し、水蒸気は水蒸気改質反応を促進する。このため、自動車燃料をオートサーマル改質する場合には、改質反応中に存在する酸素量及び水蒸気量を制御することが非常に重要である。
本発明は、自動車燃料のオートサーマル改質において、この酸素量及び水蒸気量を制御することによって水素の効率的な製造を可能としたものであり、酸素富化空気及び水蒸気の存在下で、自動車燃料中の炭素原子に対する水蒸気のモル比を調整して改質反応を行うものである。より具体的には、部分酸化反応が起こる範囲内で酸素量を増加させて部分酸化反応を促進すると同時に、自動車燃料中の炭素原子に対する水蒸気のモル比を所定の範囲に設定することによって水蒸気改質反応を促進するものである。従って、本発明によれば、従来、水蒸気改質反応の反応速度が小さくなってしまうようなA/F比が低い条件下であっても、部分酸化反応及び水蒸気改質反応が効率的に進行し、高い水素収率を得ることができる。
本発明によれば、A/F比が低い条件下であっても、オートサーマル改質法で自動車燃料を改質して効率良く水素を製造でき、次の効果が認められる。第一に、空間速度を小さくできるため、改質器をコンパクトにすることができる。第二に、触媒も少量で済み、使用する貴金属量を減らすことができるので低コスト化が可能になる。第三に、従来法に比べて改質反応の起動時間を短縮でき、改質反応の起動時の消費エネルギーを少なくすることができる。第四に、従来法に比べ、操作性及び負荷応答性が向上する。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[原料]
本発明は、自動車燃料の改質反応を利用した水素の製造方法であるため、本発明において使用する主原料は、自動車燃料である。自動車燃料としては、ガソリン、ディーゼル燃料、天然ガス、プロパンガス、アルコール、バイオディーゼル等の炭化水素類が挙げられる。この炭化水素類には、アルカン類、アルケン類、アルキン類、芳香族化合物等が含まれる。
本発明は、自動車燃料の改質反応を利用した水素の製造方法であるため、本発明において使用する主原料は、自動車燃料である。自動車燃料としては、ガソリン、ディーゼル燃料、天然ガス、プロパンガス、アルコール、バイオディーゼル等の炭化水素類が挙げられる。この炭化水素類には、アルカン類、アルケン類、アルキン類、芳香族化合物等が含まれる。
自動車燃料の改質に使用される改質剤としては、空気、酸素富化空気、酸素、水蒸気等が用いられる。水蒸気としては、純水の他、雨水、水道水、1次処理済み排水等を利用することができる。また、本発明に係る水素製造方法では、酸素富化空気の存在下で改質反応を行うことを特徴としており、主として酸素が酸化剤としての役割を担っている。ここで、酸素富化空気とは、酸素リッチな空気を意味し、具体的には、好ましい酸素濃度は、体積%で25%以上100%未満の範囲内である。さらに好ましい酸素濃度は、体積%で30%〜60%であり、最も好ましいのは、40%付近を中心とした35%〜45%の範囲内である。なお、反応系内に導入する酸素量が多くなり過ぎると、改質反応で生成した水素が酸化されて水に変化するため、エネルギー効率が悪化するうえ、水素ガスの回収率が低下するので好ましくない。
また、本発明における自動車燃料の改質反応は、改質触媒を用いて行う。改質触媒としては、一般的なものを用いることができ、例えば、改質触媒Rh/Al2O3等を用いることができる。この改質触媒Rh/Al2O3は、硝酸Rh水溶液にγAl2O3を添加した後、含浸法により得ることができる。
[水素製造装置]
本発明に係る水素製造方法は、バッチ式、連続式の何れで行うことも可能であるため、改質反応装置としては従来公知のものが全て使用でき、特に制限はない。例えば、固定床流通式反応装置、バッチ式反応器等を使用することができる。但し、本発明では、反応ガスを連続的に改質反応装置に供給した場合であっても、触媒による改質反応を安定的に行うことができ、水素の収率もあまり低下しないので、連続式が好ましく採用される。図1に、本発明で用いる代表的な連続式の水素製造装置の概略構成図を示す。この水素製造装置は、バックグランドガスを導入するバックグランドガス導入系、空気から酸素富化空気を得るために用いられる気体分離系、気体分離系により得られた酸素富化空気を導入する酸素富化空気導入系、水を導入する水導入系、水を気化する水気化系、自動車燃料を導入する自動車燃料導入系、自動車燃料を気化する自動車燃料気化系、自動車燃料を改質する改質反応装置、改質反応により得られた水素を分離して回収する水素分離回収装置、及び、改質反応により得られた生成ガスの分析を行う分析系を、その主な構成としている。なお、気体分離系に使用される気体分離膜は、従来公知のものが全て使用でき、特に制限はない。例えば、ポリイミド中空糸、ポリジメチルシロキサン平膜等が挙げられる。
本発明に係る水素製造方法は、バッチ式、連続式の何れで行うことも可能であるため、改質反応装置としては従来公知のものが全て使用でき、特に制限はない。例えば、固定床流通式反応装置、バッチ式反応器等を使用することができる。但し、本発明では、反応ガスを連続的に改質反応装置に供給した場合であっても、触媒による改質反応を安定的に行うことができ、水素の収率もあまり低下しないので、連続式が好ましく採用される。図1に、本発明で用いる代表的な連続式の水素製造装置の概略構成図を示す。この水素製造装置は、バックグランドガスを導入するバックグランドガス導入系、空気から酸素富化空気を得るために用いられる気体分離系、気体分離系により得られた酸素富化空気を導入する酸素富化空気導入系、水を導入する水導入系、水を気化する水気化系、自動車燃料を導入する自動車燃料導入系、自動車燃料を気化する自動車燃料気化系、自動車燃料を改質する改質反応装置、改質反応により得られた水素を分離して回収する水素分離回収装置、及び、改質反応により得られた生成ガスの分析を行う分析系を、その主な構成としている。なお、気体分離系に使用される気体分離膜は、従来公知のものが全て使用でき、特に制限はない。例えば、ポリイミド中空糸、ポリジメチルシロキサン平膜等が挙げられる。
具体的には、自動車燃料をバックグランドガスと混合した後、酸素富化空気をさらに混合して、ストップバルブ、フローコントロールバルブ等を介してフローメータを備えたガス流量制御系によって制御し、改質反応装置に導入する。導入された混合ガスは、この改質反応装置により改質されて水素含有ガスを生成する。生成した水素含有ガスは、ガスクロマトグラフィー等を備えた分析系でその成分が分析される。そして、生成ガスは水素分離回収装置に送られ、目的とする水素が回収される。水素以外のガスは、廃ガス処理系で処理される。
[改質反応]
本発明における改質反応は、改質触媒を用いて、自動車燃料を酸素富化空気及び水蒸気の存在下で改質するものであり、自動車燃料を改質反応装置に直接導入して改質反応を行うこともできるが、空気等のバックグランドガスに気化させた後、改質反応装置に導入する方が好ましい。空気と燃料の重量比であるA/F比は、ガス流量を調整することにより適宜調整をすることができるが、バックグランドガス中の酸素濃度が高くなり過ぎると、改質反応で生成した水素が酸化されて水に変化し、水素ガスの回収率が低下するため好ましくない。
本発明における改質反応は、改質触媒を用いて、自動車燃料を酸素富化空気及び水蒸気の存在下で改質するものであり、自動車燃料を改質反応装置に直接導入して改質反応を行うこともできるが、空気等のバックグランドガスに気化させた後、改質反応装置に導入する方が好ましい。空気と燃料の重量比であるA/F比は、ガス流量を調整することにより適宜調整をすることができるが、バックグランドガス中の酸素濃度が高くなり過ぎると、改質反応で生成した水素が酸化されて水に変化し、水素ガスの回収率が低下するため好ましくない。
部分酸化反応を促進するためには、部分酸化反応が起こる酸素濃度範囲内で、自動車燃料の濃度を高め、ガス流量を多くすればよい。好ましいA/F比は、1〜20の範囲内であるが、より好ましくはA/F比=2〜10の範囲内、最も好ましくはA/F比=約6付近を中心としたA/F比=4〜8の範囲内である。このようにA/F比が5以下の条件下においては、水蒸気改質反応の反応速度が小さくなってしまうという不具合があったが、本発明では、自動車燃料中の炭素原子に対する水蒸気のモル比を調整することで、これを回避することができる。即ち、本発明によれば、部分酸化反応及び水蒸気改質反応が効率的に進行し、高い水素収率を得ることが可能である。なお、反応圧力に特に制限はないが、好ましくは常圧1気圧である。
また、本発明における改質反応は、500℃〜900℃程度までの反応温度域で実施でき、改質による生成物の蒸気圧により、水素濃度を調整することができる。また、本発明の自動車燃料からの水素の製造方法では、水素の他にCO、CO2、及び、炭化水素類が生成する。
次に、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<実施例1>
ディーゼル燃料のオートサーマル改質反応による改質を、酸素濃度40%の酸素富化空気存在下で行った。反応温度、LHSV、A/F比及びバックグランドガス流量は所定の値に固定した条件下で、[水蒸気/炭素]のモル比を0〜7の範囲で変化させた。なお、水素製造装置は連続式の水素製造装置を用い、触媒は改質触媒Rh/Al2O3を使用した。
ディーゼル燃料のオートサーマル改質反応による改質を、酸素濃度40%の酸素富化空気存在下で行った。反応温度、LHSV、A/F比及びバックグランドガス流量は所定の値に固定した条件下で、[水蒸気/炭素]のモル比を0〜7の範囲で変化させた。なお、水素製造装置は連続式の水素製造装置を用い、触媒は改質触媒Rh/Al2O3を使用した。
[改質触媒Rh/Al2O3調製]
[γAl2O3の調製]
用意したγAl2O3(住友化学社製AKP−G30LA)約100gを、500mL容ビーカー内で200mLの超純水に懸濁した。懸濁溶液にテフロン(登録商標)製スターラーピースを入れ、ホットプレート付きマグネティックスターラーで数分間、室温で静かに攪拌した。攪拌後、水を除去して上記の操作を3回繰り返した。上記の操作を3回行ったγAl2O3に、ゴミが入らないように覆いをして80℃で一晩かけて真空乾燥を行い、水を留去した。乾燥後、保存容器に移し替え、使用時までデシケーターに保存した。
[γAl2O3の調製]
用意したγAl2O3(住友化学社製AKP−G30LA)約100gを、500mL容ビーカー内で200mLの超純水に懸濁した。懸濁溶液にテフロン(登録商標)製スターラーピースを入れ、ホットプレート付きマグネティックスターラーで数分間、室温で静かに攪拌した。攪拌後、水を除去して上記の操作を3回繰り返した。上記の操作を3回行ったγAl2O3に、ゴミが入らないように覆いをして80℃で一晩かけて真空乾燥を行い、水を留去した。乾燥後、保存容器に移し替え、使用時までデシケーターに保存した。
[Rh/Al2O3の調整(含浸法)]
乾燥したγAl2O3の粉末を25g秤量した。これに対し、ロジウム金属として重量分率で2%となるように硝酸ロジウム[Rh(NO3)3]を秤量した。
乾燥したγAl2O3の粉末を25g秤量した。これに対し、ロジウム金属として重量分率で2%となるように硝酸ロジウム[Rh(NO3)3]を秤量した。
[触媒担持]
500mL容三口フラスコに、硝酸ロジウム、350mLの超純水を入れて攪拌するとともに熱を加え、60℃の溶液にしたγAl2O3を少量ずつゆっくりと500mL容三口フラスコに加えた。γAl2O3水溶液を加えた後、60℃で1時間攪拌した。スラリーから水分を留去し、100℃のオーブンに12時間入れて乾固させた。乾固した触媒を500℃の電気炉に4時間入れ、焼成した。
500mL容三口フラスコに、硝酸ロジウム、350mLの超純水を入れて攪拌するとともに熱を加え、60℃の溶液にしたγAl2O3を少量ずつゆっくりと500mL容三口フラスコに加えた。γAl2O3水溶液を加えた後、60℃で1時間攪拌した。スラリーから水分を留去し、100℃のオーブンに12時間入れて乾固させた。乾固した触媒を500℃の電気炉に4時間入れ、焼成した。
[改質反応条件]
触媒に対するLHSV(liquid hourly space velocity=1時間当たりの燃料の空間速度)は、0.5h−1〜20h−1の範囲内が好ましいため、LHSV=2.3で改質反応を行った。バックグランドガスとして空気を用い、空気(Air)とディーゼル燃料(Fuel)の重量比A/F比は2〜20の範囲が好ましいため、A/F比=4とした。また、改質反応は、500℃〜1000℃の範囲で行うのが好ましいため、反応温度は800℃とした。なお、定量分析は、有機化合物については、検出器としてFID(水素炎イオン化検出器)を備えたGC(GL Science製GC−390B、Unipack S)を用いて行った。水素の定量分析については、検出器としてTCD(熱伝導度検出器)を備えたGC(Shimadzu製GC−390B、MS−5A)を用いて行った。
触媒に対するLHSV(liquid hourly space velocity=1時間当たりの燃料の空間速度)は、0.5h−1〜20h−1の範囲内が好ましいため、LHSV=2.3で改質反応を行った。バックグランドガスとして空気を用い、空気(Air)とディーゼル燃料(Fuel)の重量比A/F比は2〜20の範囲が好ましいため、A/F比=4とした。また、改質反応は、500℃〜1000℃の範囲で行うのが好ましいため、反応温度は800℃とした。なお、定量分析は、有機化合物については、検出器としてFID(水素炎イオン化検出器)を備えたGC(GL Science製GC−390B、Unipack S)を用いて行った。水素の定量分析については、検出器としてTCD(熱伝導度検出器)を備えたGC(Shimadzu製GC−390B、MS−5A)を用いて行った。
<比較例1>
比較例1として、酸素濃度が21%の通常の空気を用いて、ディーゼル燃料のオートサーマル改質反応による改質を行った。用いた空気の酸素濃度が実施例1と比べて少ない点を除いて、用いた水素製造装置や触媒、改質反応条件等は実施例1と同様にして行った。
比較例1として、酸素濃度が21%の通常の空気を用いて、ディーゼル燃料のオートサーマル改質反応による改質を行った。用いた空気の酸素濃度が実施例1と比べて少ない点を除いて、用いた水素製造装置や触媒、改質反応条件等は実施例1と同様にして行った。
実施例1及び比較例1により得られた結果を図2に示す。図2は、水素収率に及ぼす[水蒸気/炭素]モル比の影響を検討した結果である。本改質反応はディーゼル燃料のオートサーマル改質反応であり、実施例1の結果によれば、最大水素収率はおよそ130%前後であった。ここで水素収率とは、数式1に示すように、燃料中に含まれている水素量(mol%)に対する回収された水素量(mol%)を意味する。
実施例1と比較例1とを比較すると、水蒸気が存在せず[水蒸気/炭素]モル比が0である場合、即ち、部分酸化反応と完全酸化反応のみが起こっている場合であっても、実施例1の方がおよそ10%高い水素収率を示した。また、水蒸気を添加して[水蒸気/炭素]モル比の値を大きくしていくに従って、比較例1では水素収率が低下した。これは、添加した水蒸気により、ディーゼル燃料と触媒との接触効率が低下したことが原因であると考えられ、比較例1では水蒸気を添加しても、水蒸気改質反応が進行していないものと考えられた。一方、実施例1では、水蒸気を添加して[水蒸気/炭素]モル比の値を大きくしていくに従って、水素収率が増加した。[水蒸気/炭素]モル比が6で最大水素収率およそ130%を示し、[水蒸気/炭素]モル比が7では減少に転じた。水蒸気量に伴って水素収率が増加すること、及び、水素収率が100%を超えていることから、実施例1では効率良く水蒸気改質反応が進行していると考えられた。このように、比較例1と比べて、実施例1では、A/F比が低い条件下であってもオートサーマル改質反応が進行し、効率良く水素を製造できることが確認された。
Claims (6)
- 自動車燃料を改質して水素を製造する水素製造方法であって、
前記自動車燃料を、酸素富化空気及び水蒸気の存在下で改質反応することにより、水素を製造する水素製造方法。 - 前記自動車燃料中の炭素原子に対する前記水蒸気のモル比を調整して前記改質反応をすることにより、水素を製造する請求項1記載の水素製造方法。
- 前記自動車燃料中の炭素原子に対する前記水蒸気のモル比を、0.1以上7.0以下とする請求項1又は2記載の水素製造方法。
- 前記改質反応を、オートサーマル改質反応とする請求項1から3いずれか記載の水素製造方法。
- 前記改質反応を、連続的に行う請求項1から4いずれか記載の水素製造方法。
- 自動車燃料の改質反応の効率を制御する方法であって、
前記改質反応を、酸素富化空気及び水蒸気の存在下で行い、前記自動車燃料中の炭素原子に対する前記水蒸気のモル比を調整して、前記改質反応の効率を制御する方法。
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