JP2003238113A - 燃料改質方法および燃料改質装置 - Google Patents

燃料改質方法および燃料改質装置

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JP2003238113A
JP2003238113A JP2002040224A JP2002040224A JP2003238113A JP 2003238113 A JP2003238113 A JP 2003238113A JP 2002040224 A JP2002040224 A JP 2002040224A JP 2002040224 A JP2002040224 A JP 2002040224A JP 2003238113 A JP2003238113 A JP 2003238113A
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fuel
reforming
alcohol
hydrocarbon
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Fumihiro Haga
史浩 羽賀
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルコール燃料、炭化水素燃料および水を含
む燃料ガスを水素を含むガスに水蒸気改質するに際し
て、原料製造過程をも含めた総合効率が高く、しかもC
O生成量が少ない燃料改質方法および改質装置を提供す
る。 【解決手段】 アルコール燃料と炭化水素燃料と水蒸気
を含む燃料ガスを主にアルコール燃料を改質する触媒を
備えた第1触媒部2に導入し、次いで主に炭化水素を改
質する触媒を備えた第2触媒部3に導入し、燃料ガス中
のアルコール燃料および炭化水素燃料を第1および第2
触媒部2,3においてそれぞれ改質させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルコール燃料と
炭化水素燃料を改質して、水素含有ガスを製造するため
の燃料改質装置に係わり、さらに詳しくは、例えば自動
車のような移動体の動力源として使用される固体高分子
型燃料電池、リン酸型燃料電池等に用いられる燃料の製
造に適し、原料製造過程も含めた総合効率が高く、CO
生成量が少ない燃料改質方法と、このような燃料改質に
用いられる燃料改質装置に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】一部の地域において
は、従来から、サトウキビやトウモロコシなどのバイオ
マスを酵素発酵して得られるエタノールなどのアルコー
ル燃料が自動車の燃料として利用されている。一方、地
球温暖化や資源の枯渇といった問題から、石油や天然ガ
スなど化石燃料の使用は抑制される傾向にあり、上記の
ような、再生可能なエネルギー源であるバイオマスから
得られるアルコール燃料の利用は今後高まるものとと考
えられる。
【0003】しかしながら、このようなアルコール燃料
を自動車燃料として使用するには、酵素発酵後のエタノ
ール水溶液を高濃度のエタノールに蒸留する必要などが
あり、原料製造過程(蒸留工程など)を含めた総合効率
が必ずしも高くないといった問題点を有している。一
方、酵素発酵後の(蒸留前の)エタノール水溶液(濃度
は通常10〜20%程度)をそのまま水蒸気改質反応に
供した場合は、未反応の水蒸気が多いため効率が低下す
る。
【0004】また、ガソリンなど炭化水素燃料の改質は
反応温度が高く、化学平衡的に改質ガス中のCO濃度が
高くなるため、燃料電池前に配設するCO低減装置の大
型化が避けられないといった問題点を有しており、これ
ら問題点の解消がアルコール燃料あるいは炭化水素燃料
を用いる燃料改質における課題となっていた。
【0005】
【発明の目的】本発明は、アルコール燃料あるいは炭化
水素燃料を用いた従来の燃料改質技術における上記課題
に鑑みてなされたものであって、その目的とするところ
は、原料製造過程をも含めた総合効率が高く、しかもC
O生成量が少ない燃料改質方法および改質装置を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる燃料改質
方法は、アルコール燃料と炭化水素燃料と水蒸気を含む
燃料ガスを水素を含むガスに改質するに際して、主にア
ルコール燃料を改質する触媒を備えた第1触媒部に前記
燃料ガスを導入したのち、主に炭化水素を改質する触媒
を備えた第2触媒部に導入する構成としており、燃料改
質方法におけるこのような構成を上記課題を解決するた
めの手段としたことを特徴としている。
【0007】本発明に係わる燃料改質方法の好適形態と
しては、アルコール燃料としてエタノールを用いると共
に、第1触媒部にコバルト、ニッケル、コバルトアルミ
ネート、およびニッケルアルミネートからなる群から選
ばれる少なくとも1種の金属を含有する触媒を用いる構
成、あるいはアルコール燃料としてメタノールを用いる
と共に、第1触媒部に銅、パラジウムおよび亜鉛からな
る群から選ばれる少なくとも1種の金属を含有する触媒
を用いる構成としたことを特徴としている。
【0008】本発明に係わる燃料改質方法における他の
好適形態としては、第2触媒部にRh、Pt、Ruおよ
びPdからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を
含有する触媒を用いる構成としたことを特徴としてい
る。
【0009】また、本発明に係わる燃料改質方法におけ
るさらに他の好適形態としては、燃料ガス中に空気およ
び酸素の一方または両方を混合する構成、とりわけ第1
触媒部の上流と第2触媒部の上流からそれぞれ空気およ
び酸素の一方または両方を導入する構成としたことを特
徴とし、さらには第1触媒部の改質温度が250〜60
0℃、第2触媒部の改質温度が600〜1000℃であ
る構成としたことを特徴としている。
【0010】さらに、本発明に係わる燃料改質装置は、
アルコール燃料と炭化水素燃料と水蒸気を含む燃料ガス
を水素を含むガスに改質する燃料改質装置であって、主
にアルコール燃料を改質する触媒を備えた第1触媒部
と、主に炭化水素を改質する触媒を備えた第2触媒部を
有し、前記第1触媒部が第2触媒部よりも燃料ガス流路
の上流側に配置されている構成としたことを特徴として
おり、燃料改質装置におけるこのような構成を上記した
課題を解決するための手段としている。
【0011】本発明に係わる燃料改質装置の好適形態と
しては、第1触媒部の触媒がコバルト、ニッケル、コバ
ルトアルミネート、およびニッケルアルミネートからな
る群から選ばれる少なくとも1種の金属を含有している
構成、あるいは銅、パラジウムおよび亜鉛からなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の金属を含有している構成と
し、さらに他の好適形態としては、第2触媒部の触媒が
Rh、Pt、RuおよびPdからなる群から選ばれる少
なくとも1種の金属を含有している構成としたことを特
徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に係わる燃料改質方法にお
いては、アルコール燃料と炭化水素燃料と水蒸気を含む
燃料ガスを主にアルコール燃料を改質する触媒を備えた
第1触媒部に導入し、次いで主に炭化水素を改質する触
媒を備えた第2触媒部に導入するようにしている。した
がって、まず第1触媒部でアルコールの水蒸気改質反応
が主に行われて、水素を含有した改質ガスと未反応の炭
化水素が第1触媒部から排出される。ここで行われるア
ルコール、例えばメタノールの水蒸気改質反応は(1)
式で示される。 CHOH + HO → CO + 3H …(1)
【0013】従来の炭化水素改質装置によって、アルコ
ール燃料と炭化水素燃料の混合蒸気を水蒸気改質する場
合、触媒部に導入された燃料のうちアルコール、例えば
メタノールは、炭化水素改質用触媒上で(2)式による
分解反応が行われ、COの生成量が大きくなってしま
う。 CHOH → CO + 2H …(2)
【0014】本発明においては、主にアルコール燃料を
改質する触媒、すなわちアルコール改質に適した触媒を
備えた第1触媒部において反応が行われるので、アルコ
ール改質に適した改質反応温度、例えば250〜600
℃の温度にコントロールすることにより、COの生成量
が数パーセントレベルと低いものとなる。
【0015】一方、第1触媒部から排出された未反応の
炭化水素は、主に炭化水素を改質する触媒、すなわち炭
化水素の改質に適した触媒を備えた第2触媒部において
水蒸気改質が行われるので、これに適した改質温度、例
えば600〜1000℃の温度にコントロールすること
により、未反応の炭化水素濃度が低くなり、効率的に水
素含有改質ガスが得られることになる。ここで行われる
炭化水素、例えばオクタンの水蒸気改質反応は(3)式
で示される。 C18 + 8HO → 8CO + 17H …(3)
【0016】なお、アルコール燃料としてエタノールを
用いる場合、第1触媒部に備える触媒としては、コバル
ト、ニッケル、コバルトアルミネート、ニッケルアルミ
ネートのうちの少なくとも1種の金属を含有するものを
用いることが望ましい。ここで行われるエタノールの水
蒸気改質反応は(4)式で示される。 COH + 3HO → 2CO + 6H …(4)
【0017】また、アルコール燃料としてメタノールを
用いる場合、第1触媒部用の触媒としては、銅、パラジ
ウム、亜鉛のうちの少なくとも1種の金属を含有するも
のを用いることが望ましい。そして、第2触媒部用の触
媒としては、Rh、Pt、RuおよびPdのうちの少な
くとも1種の金属を含有するものを用いることができ
る。
【0018】これら水蒸気改質反応は吸熱反応なので、
例えばバーナーから必要な熱量を供給することになる。
燃焼用の空気はコンプレッサによりバーナーに供給さ
れ、燃料としては、燃料タンクからのアルコール、炭化
水素、あるいは燃料電池スタックからの水素をバーナー
に供給するようになすことができる。
【0019】本発明の好適形態として、燃料ガス中に酸
化剤である空気または酸素、あるいはこれらの混合ガス
を供給することによって、オートサーマル改質反応を利
用することができる。オートサーマル改質反応では、ま
ず、次式 CHOH + 1/2・O → CO + 2H…(5) で表されるような発熱反応である部分酸化反応を主とし
て行わせ、次いで、発生した熱を利用して、吸熱反応で
ある水蒸気改質反応を行い、改質ガスを得る。
【0020】ここで、酸化剤である空気や酸素の供給方
法としては、第1触媒部の上流と第2触媒部の上流から
それぞれ導入することができ、これら酸化剤の導入量を
コントロールすることによって、第1触媒部の反応温度
をアルコールの改質に適した温度、例えば250〜60
0℃、第2触媒部の反応温度を炭化水素の改質に適した
温度、例えば600〜1000℃に調整することができ
る。
【0021】本発明に係わる燃料改質装置は、主にアル
コール燃料を改質する触媒、例えばコバルト、ニッケ
ル、コバルトアルミネート、ニッケルアルミネートのう
ちの少なくとも1種の金属を含有する触媒、あるいは
銅、パラジウム、亜鉛のうちの少なくとも1種の金属を
含有する触媒を備えた第1触媒部と、主に炭化水素を改
質する触媒、例えばRh、Pt、RuおよびPdのうち
の少なくとも1種の金属を含有する触媒を備えた第2触
媒部を有し、アルコール燃料と炭化水素燃料と水蒸気を
含む燃料ガスの流路の上流側に第1触媒部が、下流側に
第2触媒部が配置された構造のものであるから、本発明
に係わる上記改質方法を実施するのに適した構造となっ
ており、CO濃度および未反応の炭化水素濃度を低減し
て、水素含有改質ガスが効率的に得られることになる。
なお、第1触媒部にコバルト、ニッケル、コバルトアル
ミネート、ニッケルアルミネートの1種以上を含有する
触媒を用いた装置は、アルコール燃料としてエタノール
を用いる場合に好適なものとなり、銅、パラジウム、亜
鉛の1種以上を含有する触媒を用いた装置は、メタノー
ルを用いる場合に好適なものとなる。
【0022】なお、本発明において第1および第2触媒
部に備える改質触媒については、粒状やペレット状でも
使用することができるが、反応効率を向上させるために
は、上述したそれぞれの触媒成分をセラミックス製、あ
るいは金属製の一体構造型担体にコートして用いること
が好ましく、この場合、反応表面積を拡大すべく、アル
ミナやシリカ等の高比表面積基材に触媒成分を担持した
ものをコートすることがさらに好ましい。このような一
体構造型担体としては、ハニカム状のモノリス担体を好
適に使用することできる。
【0023】また、本発明においては、第1触媒部につ
いて、主にアルコール燃料を改質する触媒を備えたも
の、第2触媒部について、主に炭化水素燃料を改質する
触媒を備えたものと定義しているが、これはアルコール
燃料および炭化水素燃料の改質が、それぞれ第1触媒部
および第2触媒部においてのみ行われる訳ではなく、燃
料ガスに含まれる炭化水素燃料の改質反応が第1触媒部
においても多少生じることがある一方、第2触媒部にお
いても燃料ガス中にわずかに残存するアルコール燃料の
改質反応が起る可能性があることを考慮したものであっ
て、「主に」は、このような不可避的改質反応によっ
て、第1触媒部における炭化水素燃料の改質や、第2触
媒部におけるアルコール燃料の改質が多少は行われるこ
とを意味している。
【0024】本発明において、燃料ガスとして用いるア
ルコール燃料としては、上記したように、最も一般的
で、コスト的にも市場的にも入手の容易なメタノール
(メチルアルコール)や、エタノール(エチルアルコー
ル)、とくに環境問題を考慮すると、バイオマスから得
られるエタノールを用いることが望ましいが、必ずしも
これらアルコールのみに限定される訳ではなく、例えば
ブタノール、プロパノールなどを使用することができ
る。なお、この場合、第1触媒部用には、エタノールの
場合と同様に、コバルト、ニッケル、コバルトアルミネ
ート、ニッケルアルミネートのうちの少なくとも1種の
金属を含有する触媒を用いることができる。
【0025】また、炭化水素燃料としては、供給体制が
整備されていて、入手が容易な点からガソリン(オクタ
ンC18が主成分)を使用するのが一般的ではある
が、必ずしもガソリンのみに限定されず、ナフサ、灯
油、軽油など、さらにはメタン、エタン、プロパン、ブ
タン、天然ガス、石炭ガスなどを使用することができ
る。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定され
るものではない。
【0027】(実施例1)図1は、本発明の第1の実施
例に係わる燃料改質装置を示すものであって、図に示す
燃料改質装置1は、アルコール燃料であるメタノール
と、水と、炭化水素燃料であるガソリンを混合してなる
燃料ガスを使用して、水素を含む改質ガスを得るもので
あり、主にアルコール燃料を改質する第1触媒としての
銅触媒を収納した第1触媒部2と、主に炭化水素燃料を
改質する第2触媒としてRh触媒を収納した第2触媒部
3を備え、該第2触媒部3は燃料ガス配管4を解して前
記第1触媒部2の下流側に連結されている。
【0028】これら第1および第2触媒部2,3は、そ
の前段に、燃料ガスを改質反応温度に加熱するためのバ
ーナー5,6をそれぞれ備えており、これらバーナー
5,6は、途中にバーナー用の燃料供給配管7aを備え
たエア配管7を介してエアコンプレッサ8にそれぞれ連
結されている。
【0029】当該燃料改質装置1は、前記第1触媒部2
のさらに上流側に、燃料ガス配管4を介して連結された
蒸発器9を備えており、この蒸発器9は、ポンプ10,
10を介して、メタノールと水を収容したメタノール溶
液タンク11、およびガソリンを収容したガソリンタン
ク12に連結されている。
【0030】上記構造を備えた燃料改質装置1において
は、メタノール溶液タンク11に収容された改質原料で
あるメタノールおよび水がポンプ10によって蒸発器9
に送られ、ここでガソリンタンク12から同様に送給さ
れてきたガソリンと共に加熱されて気化され、燃料ガス
となる。
【0031】蒸発器9において気化されたメタノール、
水、ガソリンの混合蒸気(燃料ガス)は、第1バーナー
5によって250℃から600℃の温度範囲に加熱され
た後、まず第1触媒部2に供給される。第1触媒部2に
おいては、第1触媒部2の銅触媒の作用によって、主に
メタノール水蒸気改質反応が行われ、水素および未反応
の炭化水素を含有する一次改質ガスが製造される。この
一次改質ガス中のCO濃度は、メタノールの水蒸気改質
反応が選択的に行われる銅触媒上で、250℃から60
0℃といった低い温度で改質反応が起きるので、1%程
度の低い濃度のものとなる。
【0032】第1触媒部2から排出された一次改質ガス
は、第2バーナー6によって600℃から1000℃の
温度範囲に加熱された後、第2触媒部3に供給される。
第2触媒部3においては、Rh触媒の作用により一次改
質ガス中に残留した炭化水素の水蒸気改質反応が行わ
れ、水素を含有する二次改質ガスが製造される。この二
次改質ガスは、残留炭化水素がほとんどなく、CO濃度
も第1触媒部2のメタノール水蒸気改質反応によりCO
の生成が抑制されているため、十数パーセントレベルの
低い濃度を達成することが可能である。このことによ
り、当該燃料改質装置1に続くCO除去装置を小型化す
ることが可能になる。
【0033】(実施例2)図2は、本発明の第2の実施
例に係わる燃料改質装置を示すものであって、図に示す
燃料改質装置1は、アルコール燃料であるエタノール
と、水と、炭化水素燃料であるガソリンを混合してなる
燃料ガスを使用して、水素を含む改質ガスを得るもので
あり、主にアルコール燃料を改質する第1触媒として、
実施例1の銅触媒に代えてコバルト触媒を用いたこと
と、実施例1のメタノール溶液タンク11に代えてエタ
ノール溶液タンクとしたことを除いて、上記実施例1と
同じである。
【0034】上記構造を備えた燃料改質装置1において
は、エタノール溶液タンク31に収容された改質原料で
あるエタノールおよび水がポンプ10によって蒸発器9
に送られ、ここでガソリンタンク12から同様に送給さ
れてきたガソリンと共に加熱されて気化され、燃料ガス
となる。
【0035】蒸発器9において気化されたエタノール、
水、ガソリンの混合蒸気(燃料ガス)は、第1バーナー
5によって250℃から600℃の温度範囲に加熱され
た後、まずコバルト触媒を備えた第1触媒部32に供給
される。第1触媒部32においては、コバルト触媒の作
用によって、主にエタノール水蒸気改質反応が行われ、
水素および未反応の炭化水素を含有する一次改質ガスが
製造される。この一次改質ガス中のCO濃度は、エタノ
ールの水蒸気改質反応が選択的に行われるコバルト触媒
上で、250℃から600℃という低い温度で改質反応
が起きるので、数%レベルの低い濃度を達成することが
できる。
【0036】第1触媒部32から排出された一次改質ガ
スは、第2バーナー6によって600℃から1000℃
の温度範囲に加熱された後、第2触媒部3に供給され
る。第2触媒部3においては、Rh触媒の作用により主
に炭化水素の水蒸気改質反応が行われ、水素を含有する
二次改質ガスが製造される。この二次改質ガスは、残留
炭化水素がほとんどなく、CO濃度も第1触媒部32の
エタノール水蒸気改質反応によりCOの生成が抑制され
ているため、十数パーセントレベルの低い濃度を達成す
ることが可能である。このことにより、上記実施例1と
同様に、当該燃料改質装置1に続くCO除去装置を小型
化することが可能になる。
【0037】(実施例3)図3は、本発明の第3の実施
例に係わる燃料改質装置を示すものであって、図に示す
燃料改質装置1は、実施例1と同様に、アルコール燃料
であるメタノールと、水と、炭化水素燃料であるガソリ
ンを混合してなる燃料ガスを使用して、水素を含む改質
ガスを得るものであるが、上記燃料ガスに空気を混合
し、オートサーマル改質反応による発熱を利用すること
によってバーナー5,6を省略し、もって装置のコンパ
クト化を図るようにしたものである。
【0038】すなわち、当該実施例に係わる燃料改質装
置1は、主にアルコール燃料を改質する第1触媒として
の銅触媒を収納した第1触媒部2と、主に炭化水素燃料
を改質する第2触媒としてRh触媒を収納した第2触媒
部3を同様に備え、該第2触媒部3は燃料ガス配管4を
解して前記第1触媒部2の下流側に連結されている。
【0039】第1触媒部2の上流側には、同様に、燃料
ガス配管4を介して蒸発器9が連結されており、この蒸
発器9は、ポンプ10,10を介して、メタノールと水
を収容したメタノール溶液タンク11、およびガソリン
を収容したガソリンタンク12にそれぞれ連結されてい
る。
【0040】そして、燃料ガス配管4における第1触媒
部2および第2触媒部3のそれぞれ直前位置には、エア
配管7が連結され、エアコンプレッサ8からの空気が燃
料ガスに混合されるようにしてある。
【0041】上記構造を備えた燃料改質装置1において
は、メタノール溶液タンク11に収容された改質原料で
あるメタノールおよび水がポンプ10によって蒸発器9
に送られ、ここでガソリンタンク12から同様に送給さ
れてきたガソリンと共に加熱されて気化され、燃料ガス
となる。
【0042】蒸発器9において気化されたメタノール、
水、ガソリンの混合蒸気(燃料ガス)には、第1触媒部
2における改質温度が250℃から600℃の温度範囲
になるように調節した空気がエアコンプレッサ8から供
給され、混合されたのち第1触媒部2に供給される。第
1触媒部2においては、銅触媒の作用により主にメタノ
ール水蒸気改質と共に、部分酸化反応が行われ、水素お
よび未反応の炭化水素を含有する一次改質ガスが製造さ
れる。この一次改質ガス中のCO濃度は、メタノールの
水蒸気改質および部分酸化反応が選択的に行われる銅触
媒上で、250℃から600℃といった低い温度で改質
反応が起きるので1%程度の低い濃度のものとなる。
【0043】第1触媒部2より排出された一次改質ガス
に、第2触媒部3における改質温度が600℃から10
00℃の温度範囲になるように調節した空気がエアコン
プレッサ8から供給され、混合されたのち第2触媒部3
に供給される。触媒部3においては、Rh触媒の作用に
より主に炭化水素の水蒸気改質および部分酸化反応が行
われ、水素を含有する二次改質ガスが製造される。この
二次改質ガスは、残留炭化水素がほとんどなく、CO濃
度も第1触媒部2のメタノール水蒸気改質および部分酸
化反応によりCOの生成が抑制されているため、十数パ
ーセントレベルの低い濃度を達成することが可能とな
る。これによって、当該燃料改質装置1に続くCO除去
装置を小型化することができると共に、実施例1のよう
に水蒸気改質反応に必要な熱量をバーナー5,6によっ
て供給する必要がなくなることから、装置のコンパクト
化が可能となる。
【0044】なお、上記各実施例においては、第1およ
び第2触媒部をそれぞれ独立した触媒反応器に収納した
例を示したが、バーナーやヒーターを配設したり、ある
いは空気を供給したりすることにより、それぞれ好適な
温度に加熱することさえできれば、同一反応器内の上流
および下流側位置に収納することも可能である。さらに
は、同一のモノリス担体の上流および下流側位置にそれ
ぞれの触媒金属を担持させることもできる。
【0045】(比較例)図4は、比較例として従来の燃
料改質装置を示すものであって、図に示す燃料改質装置
100は、上記実施例の第2触媒部3に相当するRh触
媒を収納した触媒部3のみからなる改質部を備えてお
り、当該触媒部3の前段には、燃料ガスを改質反応温度
に加熱するためのバーナー6を備えており、このバーナ
ー6は、途中にバーナー用の燃料供給配管7aを備えた
エア配管7を介してエアコンプレッサ8に連結されてい
る。
【0046】前記触媒部3のさらに上流側には、燃料ガ
ス配管4を介して連結された蒸発器9を備えており、こ
の蒸発器9は、ポンプ10,10を介して、メタノール
と水を収容したメタノール溶液タンク11、およびガソ
リンを収容したガソリンタンク12にそれぞれ連結され
ている。
【0047】このような構造を備えた燃料改質装置10
0においては、メタノール溶液タンク11に収容された
メタノールおよび水がポンプ10によって蒸発器9に送
られ、ここでガソリンタンク12から同様に送給されて
きたガソリンと共に加熱されて気化され、燃料ガスとな
る。
【0048】蒸発器9において気化されたメタノール、
水、ガソリンの混合蒸気(燃料ガス)は、バーナー6に
よって600℃から1000℃の温度範囲に加熱された
後、触媒部3に供給され、触媒部3において、Rh触媒
の作用によりメタノールおよびガソリンの分解反応およ
び水蒸気改質反応が行われ、水素を含有する改質ガスが
製造される。この改質ガスは、残留炭化水素がほとんど
ないが、メタノールの分解反応が行われるためにCO濃
度が数十パーセントになり、当該燃料改質装置100に
続くCO除去装置を大きくする必要がある。
【0049】上記実施例および比較例に係わる燃料改質
装置の改質性能を表1に示す。なお、改質率(%)は、
導入した燃料濃度に対する反応した燃料濃度の百分率と
して定義される。
【0050】
【表1】
【0051】表1の結果から明らかなように、第1およ
び第2触媒部を燃料ガス流路のそれぞれ上流側および下
流側に備えた改質装置を用いて、第1触媒部において主
にアルコール燃料の水蒸気改質反応を行い、第2触媒部
において主に炭化水素燃料の水蒸気改質反応を行うよう
にした本発明の実施例においては、CO濃度が低く、改
質率が高い燃料改質が可能であることが確認された。
【0052】以上、本発明を実施例に基づいて詳細に説
明したが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
なく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形が可能
である。例えば、本発明に係わる燃料改質装置と、CO
の選択酸化や水性ガスシフト反応などを行うCO変成装
置とを連結すれば、得られる改質ガス中のCO濃度をさ
らに低減することも可能である。さらには、本発明の燃
料改質装置は、燃料電池、特に固体高分子型燃料電池用
の燃料改質装置に用いるのに好適であり、これにより、
簡易な構成で小型の発電システムを得ることができ、か
かる発電システムは電気自動車の動力源として有望であ
る。
【0053】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明に係わ
る燃料改質方法においては、アルコール燃料と炭化水素
燃料と水蒸気を含む燃料ガスを主にアルコール燃料を改
質する触媒を備えた第1触媒部に導入し、次いで主に炭
化水素を改質する触媒を備えた第2触媒部に導入するよ
うにしていることから、燃料ガス中のアルコール燃料お
よび炭化水素燃料がそれぞれの改質に適した触媒および
温度で水蒸気改質が行われるので、CO濃度および未反
応炭化水素濃度を低減することができ、効率的に水素含
有改質ガスを得ることができるという極めて優れた効果
がもたらされる。
【0054】また、本発明に係わる燃料改質装置は、主
にアルコール燃料を改質する触媒を備えた第1触媒部
と、主に炭化水素を改質する触媒を備えた第2触媒部を
有し、これら第1および第2触媒部が燃料ガス流路の上
流側および下流側にそれぞれ配設された構造のものであ
るから、本発明に係わる上記改質方法に好適に使用する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる燃料改質装置の第1の実施例を
示すブロック図である。
【図2】本発明に係わる燃料改質装置の第2の実施例を
示すブロック図である。
【図3】本発明に係わる燃料改質装置の第3の実施例を
示すブロック図である。
【図4】燃料改質装置の従来例を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
1 燃料改質装置 2,32 第1触媒部 3 第2触媒部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルコール燃料と炭化水素燃料と水蒸気
    を含む燃料ガスを水素を含むガスに改質するに際して、
    主にアルコール燃料を改質する触媒を備えた第1触媒部
    に前記燃料ガスを導入したのち、主に炭化水素を改質す
    る触媒を備えた第2触媒部に導入することを特徴とする
    燃料改質方法。
  2. 【請求項2】 アルコール燃料としてエタノールを用い
    ると共に、第1触媒部にコバルト、ニッケル、コバルト
    アルミネート、およびニッケルアルミネートからなる群
    から選ばれる少なくとも1種の金属を含有する触媒を用
    いることを特徴とする請求項1記載の燃料改質方法。
  3. 【請求項3】 アルコール燃料としてメタノールを用い
    ると共に、第1触媒部に銅、パラジウムおよび亜鉛から
    なる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含有する触
    媒を用いることを特徴とする請求項1記載の燃料改質方
    法。
  4. 【請求項4】 第2触媒部にRh、Pt、RuおよびP
    dからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含有
    する触媒を用いることを特徴とする請求項1ないし3の
    いずれかに記載の燃料改質方法。
  5. 【請求項5】 燃料ガス中に空気および酸素の一方また
    は両方を混合することを特徴とする請求項1ないし4い
    ずれかに記載の燃料改質方法。
  6. 【請求項6】 第1触媒部の上流と第2触媒部の上流か
    らそれぞれ空気および酸素の一方または両方を導入する
    ことを特徴とする請求項5記載の燃料改質方法。
  7. 【請求項7】 第1触媒部の改質温度が250〜600
    ℃、第2触媒部の改質温度が600〜1000℃である
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の
    燃料改質方法。
  8. 【請求項8】 アルコール燃料と炭化水素燃料と水蒸気
    を含む燃料ガスを水素を含むガスに改質する燃料改質装
    置であって、主にアルコール燃料を改質する触媒を備え
    た第1触媒部と、主に炭化水素を改質する触媒を備えた
    第2触媒部を有し、前記第1触媒部が第2触媒部よりも
    燃料ガス流路の上流側に配置されていることを特徴とす
    る燃料改質装置。
  9. 【請求項9】 第1触媒部の触媒がコバルト、ニッケ
    ル、コバルトアルミネート、およびニッケルアルミネー
    トからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含有
    していることを特徴とする請求項8記載の燃料改質装
    置。
  10. 【請求項10】 第1触媒部の触媒が銅、パラジウムお
    よび亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属
    を含有していることを特徴とする請求項8記載の燃料改
    質装置。
  11. 【請求項11】 第2触媒部の触媒がRh、Pt、Ru
    およびPdからなる群から選ばれる少なくとも1種の金
    属を含有していることを特徴とする請求項8ないし10
    のいずれかに記載の燃料改質装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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