JP2005320133A - 用紙供給装置及びこれを搭載した画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 特別な駆動装置を用意したり、用紙戻し部材が用紙を破損したりすることなく、安全、且つ確実に、用紙カセットから飛び出した用紙を用紙カセットに戻す。
【解決手段】 用紙供給装置であるカセット式給紙部3は、本体2から引き出し可能な用紙カセット20を備える。用紙カセット20は、上面に用紙Pが積載され、駆動装置40により用紙供給位置に変位するリフト板23を備える。用紙カセット20の下流側外部には、給紙ローラ52と分離コロ53の間のニップに対して突出、退避両様の姿勢をとり得る用紙戻し部材60が設けられる。リフト板23は、用紙カセット20の引き出しとともに駆動装置40との連結が解けると、用紙カセット20内底面に倒伏する。これと同時に、リフト板23上流端の係合片24が用紙戻し部材60に係合し、用紙戻し部材60は突出姿勢に変位して用紙カセット20から飛び出した用紙Pを押し戻す。
【選択図】 図2

Description

本発明は、複写機やプリンタに代表される画像形成装置に適用可能な、カットペーパー等の用紙の供給装置に関する。また、この用紙供給装置を搭載した画像形成装置に関する。
用紙供給装置は、複写機やプリンタに代表される画像形成装置において、カットペーパー等の給紙用として用いられる。画像形成装置における用紙供給装置には、用紙カセットに印刷前の用紙を予め多数ストックしておき、カセット内に積み上げられた用紙の最上層から1枚ずつ用紙を分離供給するものが多い。
用紙供給装置からその外部へと用紙を送り出す手法としては、ローラ給紙方式と吸引給紙方式とが存在するが、ローラ給紙方式が一般的に広く用いられている。ローラ給紙方式は、用紙供給方向上流側、及び下流側に備えられた2組のローラで構成され、上流側の前送りローラが用紙の最上層に当接して用紙を下流側の給紙ローラへと引き渡し、この給紙ローラによって用紙を用紙供給装置の外部へと送り出すものである。
ローラ給紙方式において、積載して収容された用紙を1枚ずつ分離するためには、分離コロ(ローラ)や分離パッド等の分離部材が用いられる。これらの分離部材は、上記給紙ローラに下方から圧接し、用紙が複数枚送り出されそうになった時に、分離部材側の用紙の送り出しを停止させるものである。
ここで、用紙カセットを用いた多くの用紙供給装置では、用紙の補充を行う場合、カセットを画像形成装置本体から引き出して用紙を積載可能な状態にする。この時、給紙ローラや分離コロは、画像形成装置本体側に残ることになる。したがって、分離コロによる用紙の分離に不具合があって給紙エラーとなり、分離コロとカセットとの間に用紙が跨った状態でカセットを引き出すと、用紙が破損してしまう。そして、破損した用紙片が分離コロ周辺に残ると、次に用紙供給を行う時に、さらに用紙分離の不具合を助長し、ジャムが発生する恐れもある。
このような問題を解決すべく、用紙カセットを機器本体から引き出す前に、用紙カセットから給紙ローラ、及び分離コロに向かって飛び出した用紙を、用紙カセットに押し戻す機構を備えた用紙供給装置が提案されている。その用紙供給装置の例を、特許文献1、及び2に見ることができる。
特開平9−175678号公報(第3−4頁、図1) 特開平9−249319号公報(第3−4頁、図1)
特許文献1に記載の給紙装置では、ソレノイドにより用紙戻し部材を変位させ、用紙カセットから飛び出した用紙を用紙カセットに戻すものである。しかしながら、この手法では、ソレノイドという電気駆動の機能部品を必要とするので、装置のコストアップの問題が生じる。また、所望のタイミングでソレノイドを駆動させる必要があるので、ソレノイドの制御のための配線やセンサ、ソフトウェア等が必要となり、構造の複雑化を招くとともに、さらにコストアップが増大してしまう。
特許文献2に記載の給紙装置では、用紙カセットの機器本体からの引き出しとともに、用紙カセットと阻止部材とが係合して、この阻止部材が用紙搬送路に突出するように変位せしめられ、用紙の搬送ニップへの進入を阻止するものである。しかしながら、この手法では、給送ローラ(給紙ローラ)に向かって用紙を送り出す半月コロ(前送りローラ)に、用紙の最上層が接触した状態で給紙エラーとなり、用紙の送り出しが停止した場合、その状態で既に搬送ニップに用紙が到達している可能性がある。その状態で用紙カセットを引き出し、阻止部材を変位させても意味がない恐れがある。その上、搬送ニップに進入した用紙に対して強引に阻止部材が変位するので、阻止部材が用紙を突き破る等して、用紙が破損してしまう可能性が高い。
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、特別な駆動装置を用意したり、用紙戻し部材が用紙を破損したりすることなく、安全、且つ確実に、用紙カセットから飛び出した用紙を用紙カセットに戻すことが可能な用紙供給装置を提供することを目的とする。また、このような用紙供給装置を搭載した信頼性の高い画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、用紙を積載して収容するとともに、機器本体から引き出し可能な用紙カセットと、この用紙カセット内に配置されるとともに、上面に用紙が載置され、前記機器本体に備えられた駆動装置により用紙供給方向下流部が持ち上げられて用紙供給位置に変位するリフト板と、前記用紙カセットから用紙を送り出す給紙ローラと、この給紙ローラに圧接し、重なり合った用紙を分離する分離コロと、給紙ローラと分離コロとが圧接して形成されるニップに対して突出、退避両様の姿勢をとり得るとともに、その突出姿勢に変位する時には、ニップから用紙カセットに向かって用紙を押し戻す用紙戻し部材とを備えた用紙供給装置において、前記リフト板が、前記用紙カセットの前記機器本体からの引き出しとともに、前記駆動装置との連結が解けて用紙カセット内底面に倒伏し、これと同時に、前記用紙戻し部材に係合して用紙戻し部材を前記突出姿勢に変位させることとした。
また、前記用紙戻し部材は、用紙供給方向に平行な正面形状がベルクランク状をなし、このベルクランクの略中央部に設けられた軸部を中心として回動可能であって、ベルクランクの一方の先端に用紙が当接する用紙当接部を、他方の先端に前記リフト板と係合する係合部を備えるとともに、リフト板が用紙供給位置にある時には、付勢手段により前記退避方向に付勢されて、前記係合部が前記用紙カセットに設けられた開口から用紙カセット内側に突出することとした。
また、前記用紙カセットは、下流部側面に引き出し方向に延びる第1のカム部を備え、前記分離コロは、付勢手段により付勢されて給紙ローラと圧接するものであるとともに、その支持部材は、用紙カセットの引き出し時に、前記第1のカム部と係合して分離コロが給紙ローラから離れる方向に、この支持部材を移動させるカムフォロワを備えることとした。
また、前記分離コロの前記給紙ローラから離れる方向への移動は、前記リフト板が、前記用紙戻し部材と係合する前になされることとした。
また、前記用紙カセットは、下流部の背面に引き出し方向と平行に延び、用紙カセットの前記機器本体への収納とともに前記用紙戻し部材と係合する第2のカム部を備え、用紙カセットの収納時に、前記付勢手段により退避姿勢にある用紙戻し部材が前記第2のカム部と係合し、用紙戻し部材が突出方向に変位せしめられ、用紙カセットの収納の最終段階において、用紙戻し部材の前記係合部が用紙カセットの前記開口から用紙カセット内側に突出することとした。
また本発明では、上記用紙供給装置を画像形成装置に搭載することとした。
本発明の構成によれば、上面に用紙が載置されたリフト板が、用紙カセットの機器本体からの引き出しとともに、リフト板を変位させる駆動装置との連結が解けて用紙カセット内底面に倒伏し、これと同時に、用紙戻し部材に係合して、用紙戻し部材を用紙カセットに向かって用紙を押し戻す突出姿勢に変位させることとしたので、特別な駆動装置を用意することなく、用紙戻し部材を変位させることができる。また、用紙戻し部材が用紙を押し戻す時には、リフト板が用紙カセット内底面に倒伏して、給紙ローラに向かって用紙を送り出す前送りローラから用紙の最上層が離れているので、用紙戻し部材が用紙を破損することがない。このようにして、安全、且つ確実に、用紙カセットから飛び出した用紙を用紙カセットに戻すことが可能である。
また、用紙戻し部材は、用紙供給方向に平行な正面形状がベルクランク状をなし、このベルクランクの略中央部に設けられた軸部を中心として回動可能であって、ベルクランクの一方の先端に用紙が当接する用紙当接部を、他方の先端にリフト板と係合する係合部を備えることとしたので、リフト板と係合する時の力を、用紙を押し戻すために利用することができる。そして、用紙戻し部材は、リフト板が用紙供給位置にある時には、付勢手段により退避方向に付勢されて、係合部が用紙カセットに設けられた開口から用紙カセット内側に突出することとしたので、リフト板の用紙カセット内底面への倒伏と同時に、リフト板が用紙戻し部材に係合するようにすることができる。このようにして、リフト板の動作を利用した簡便な構造により、用紙カセットから飛び出した用紙を押し戻すことが可能であるので、用紙戻し部材を変位させるための特別な駆動装置を用意する必要がない。
また、用紙カセットは、下流部側面に引き出し方向に延びる第1のカム部を備え、分離コロは、付勢手段により付勢されて給紙ローラと圧接するものであるとともに、その支持部材は、用紙カセットの引き出し時に、第1のカム部と係合して分離コロが給紙ローラから離れる方向に、この支持部材を移動させるカムフォロワを備えることとしたので、用紙カセットを引き出すことによって分離コロを移動させ、給紙ローラとの圧接を解除することができる。これにより、給紙ローラと分離コロとの間のニップに挟まれた用紙を解放でき、用紙戻し部材によって容易に用紙カセットへと戻すことが可能である。
また、分離コロの給紙ローラから離れる方向への移動は、リフト板が、用紙戻し部材と係合する前になされることとしたので、用紙戻し部材がリフト板と係合して用紙を押し戻す突出姿勢になる時には、用紙が給紙ローラと分離コロとの間のニップから解放されている。したがって、用紙戻し部材は、用紙を破損することなく、用紙カセットへと戻すことが可能となる。
また、用紙カセットは、下流部の背面に引き出し方向と平行に延び、用紙カセットの機器本体への収納とともに用紙戻し部材と係合する第2のカム部を備え、用紙カセットの収納時に、付勢手段により退避姿勢にある用紙戻し部材が第2のカム部と係合し、用紙戻し部材が突出方向に変位せしめられることとしたので、常時退避姿勢にある用紙戻し部材を、用紙カセットを収納することによって移動させることができる。これにより、機器本体に設けられた用紙戻し部材が邪魔になって、用紙カセットが収納できなくなるような事態を回避することが可能である。そして、用紙カセットの収納の最終段階において、用紙戻し部材の係合部が用紙カセットの開口から用紙カセット内側に突出することとしたので、用紙戻し部材を退避姿勢に再び変更させ、リフト板との係合に備えるようにすることができる。
また本発明では、上記用紙供給装置を画像形成装置に搭載することとしたので、特別な駆動装置を用意したり、用紙戻し部材が用紙を破損したりすることなく、安全、且つ確実に、用紙カセットから飛び出した用紙を用紙カセットに戻すことが可能な信頼性の高い画像形成装置を得ることができる。
以下、本発明の実施形態を図1〜図6に基づき説明する。なおここでは、本発明の用紙供給装置が、機器本体である画像形成装置(複写機)の下部に備えられるカセット式給紙部であるとして設計されているものとする。
最初に、本発明の用紙供給装置を搭載した画像形成装置について、図1を用いてその構造の概略を説明しつつ、画像出力動作を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る用紙供給装置を搭載した画像形成装置を示す模型的垂直断面正面図である。なお、図中の実線矢印は用紙の搬送経路、及び搬送方向を示す。
図1において、画像形成装置1の本体2の下部には、カセット式給紙部3が配置されている。カセット式給紙部3には、印刷前のカットペーパー等の用紙Pが積載して収容され、ここから1枚ずつ分離して用紙Pが送り出される。カセット式給紙部3には、3段の用紙カセット20が備えられている。
本体2の右側面上部の外部には、手差し給紙部4が備えられている。手差し給紙部4には、カセット式給紙部3に入っていないサイズの用紙Pや、OHPシートのように1枚ずつ送り込みたいものが載置される。
画像形成装置1は、その内部に用紙搬送部5を備えている。用紙搬送部5は、カセット式給紙部3に関して言えば、その給紙方向である右方に位置し、手差し給紙部4に関して言えば、その左方に位置する。カセット式給紙部3から送り出された用紙Pは、用紙搬送部5により本体2の側面に沿って垂直上方に、手差し給紙部4から送り出された用紙Pは水平に搬送され、後述する転写部10に至る。
用紙搬送部5の用紙搬送方向下流側であって、転写部10のすぐ上流側には、レジストローラ6が備えられている。レジストローラ6は、用紙Pの斜め送りを矯正しつつ、後述する画像形成部9で形成されるトナー像と同期をとって、転写部10に向けて用紙Pを送り出す。
画像形成装置1の本体2の上面には原稿送り部7が、その下方には光学部8が備えられている。使用者が原稿の複写を行う場合には、原稿送り部7に、文字や図形、模様等の画像が描かれた原稿を積載する。原稿送り部7では1枚ずつ分離して原稿が送り出され、光学部8によってその画像データが読み取られる。
レジストローラ6の用紙搬送方向下流側であって、光学部8の下方には、画像形成部9、及び転写部10が備えられている。画像形成部9では、光学部8によって読み取られた画像データに基づいて、原稿画像の静電潜像が作られる。この静電潜像からトナー像が形成され、トナー像は、前記レジストローラ6によって同期をとって送られてきた印刷前の用紙Pに、転写部10にて転写される。
転写部10の下流側には、定着部11が備えられている。転写部10にて未定着トナー像を担持した用紙Pは、定着部11へと送られ、熱ローラによりトナー像が定着される。
定着部11の下流側であって、本体2の左側面の近傍には、排出・分岐部12が備えられている。定着部11から排出された用紙Pは、両面印刷を行わない場合には、排出・分岐部12から機外の用紙受けトレイに排出される。
画像形成部9から排出・分岐部12にかけての部分の下方であって、カセット式給紙部3の上方には、両面印刷用ユニット13が備えられている。両面印刷を行う場合には、定着部11から排出された用紙Pが、排出・分岐部12を通って両面印刷用ユニット13へと送られる。両面印刷用ユニット13へ送られた用紙Pは、続いて送り方向が切り替えられ、再度用紙搬送部5、レジストローラ6を介して転写部10へと送られる。
続いて、本発明の実施形態に係る用紙供給装置であるカセット式給紙部3の詳細な構成について、図1に加えて、図2〜図4を用いて説明する。図2はカセット式給紙部の模型的垂直断面部分正面図、図3は同じく模型的水平断面部分上面図、図4は同じく模型的垂直断面右側面図である。
図2において、カセット式給紙部3には、用紙カセット20が備えられている。用紙カセット20の本体部は、カセットフレーム21で構成されている。カセットフレーム21は、上面が開口した平たい箱で構成され、その上面方向から用紙Pを積載して収容する。用紙カセット20は、その側面に設けられた水平突条22を画像形成装置1の本体2内部の図示しないレールに係合させることにより、本体2に対して水平にスライドできる。
カセットフレーム21の内側には、リフト板23が備えられている。用紙Pは、このリフト板23上に載置される。リフト板23は、その用紙供給方向上流端がカセットフレーム21の内側底面に支持され(図1参照)、この支点を中心とし、下流端を自由端として回転可能である。図2において、リフト板23には、その下流端であって、後述する用紙戻し部材60に対応する位置に、係合片24が設けられている。係合片24は、リフト板23の本体部に対して直角をなし、下方に向かって突出している。また、図2〜図4において、カセットフレーム21には、下流端底面の角部であって、リフト板23が倒伏した時に係合片24と対応する位置に、上流方向、及び上方に切り込んだ開口25が設けられている。
図2に示すように、リフト板23の下流部下方には、リフト板回転用シャフト26が配置されている。リフト板回転用シャフト26には、シャフトから放射方向に突出するリフト板押し上げ板27が固定されている。このリフト板押し上げ板27は、図3に示すように、リフト板23の用紙幅方向中央部分に位置し、リフト板回転用シャフト26のカセットフレーム21内側の方の先端部に固定されている。リフト板回転用シャフト26の他端にはカセット側継手部28が設けられ、このカセット側継手部28は、図3、及び図4に示すように、カセットフレーム21の背面側に突出している。
図3、及び図4において、リフト板回転用シャフト26近傍の本体2内には、リフト板23の駆動装置40が備えられている。この駆動装置40は、リフト板回転用シャフト26を回転させて、リフト板23を用紙供給位置に変位させるものである。駆動装置40は、リフトモータ41、駆動ギヤ42、シャフト43、従動ギヤ44、及びモータ側継手部45を備えている。
リフトモータ41の先端には、駆動ギヤ42が取り付けられている。駆動ギヤ42には、シャフト43先端の従動ギヤ44が連結する。シャフト43の他端には、用紙カセット20に接近してモータ側継手部45が取り付けられている。モータ側継手部45は、リフト板回転用シャフト26のカセット側継手部28が係合可能な形状をなしている。用紙カセット20を本体2に収納した時には、カセット側継手部28が、モータ側継手部45と係合して連結する。これにより、リフトモータ41の動力を、リフト板回転用シャフト26に伝達することができる。
上記のようにして、リフトモータ41が動作した時には、リフト板回転用シャフト26が回転せしめられる。そして、リフト板押し上げ板27がリフト板23の底面と係合しながら図2において反時計方向に回転し、リフト板23の下流端が持ち上げられるようにしてリフト板23が回転する。これにより、リフト板23上に積載された用紙Pの最上層が、用紙カセット20の下流部上方に備えられた給紙装置50に当接する。これが、リフト板23の用紙供給位置であり、この状態で用紙Pは1枚ずつ分離され用紙カセット20の外部へと送り出される。なお、図2に示すリフト板23は、その下流端が持ち上げられた状態を記載しているが、用紙カセット20を本体2から引き出して、リフト板回転用シャフト26と駆動装置30のシャフト43との連結を解くと、リフト板23はカセットフレーム21内底面に倒伏する。
図2に示すように、給紙装置50には、前送りローラ51、給紙ローラ52、及び分離コロ53が備えられている。給紙ローラ52は、図示しないモータに連結されている。前送りローラ51と給紙ローラ52とは、各々が有する図示しない従動ギヤ、及び中間ギヤを介して連結されている。これにより、給紙ローラ52がモータによって回転せしめられると、前送りローラ51も給紙ローラ52と同じ方向に回転せしめられる。
前送りローラ51には、その下方から、用紙カセット20に積載された用紙Pの下流部がリフト板23により押し上げられ、用紙Pの最上層の1枚が当接する。そして、用紙Pは、前送りローラ51により給紙ローラ52へと引き渡され、給紙ローラ52により用紙カセット20の外部へと送り出される。
分離コロ53は、図2において給紙ローラ52の下方に備えられ、給紙ローラ52に圧接している。この分離コロ53と給紙ローラ52とが圧接して形成されるニップに用紙Pが挿通される。分離コロ53には、モータが連結されていない。分離コロ53は、給紙ローラ52に圧接していることにより、給紙ローラ52の回転に従って回転せしめられる。
分離コロ53には、その回転軸に図示しないトルクリミッタが設けられている。分離コロ53と給紙ローラ52とが圧接して形成されるニップに用紙Pが存在しない時や用紙Pが1枚だけ進入した時には、分離コロ53にはトルクリミッタの設定トルク以上のトルクが掛かり、分離コロ53は給紙ローラ52に従って用紙Pを送り出す方向に回転する。しかしながら、前記ニップに用紙Pが重なって複数枚進入した時には、分離コロ53に掛かるトルクはトルクリミッタの設定トルクを超えることがなく、分離コロ53は回転を停止する。これにより、重なった下側の用紙Pが送り出されることがないので、用紙Pが重なって送られてしまう重送という問題が起こるのを防止できる。
図2、及び図4に示すように、分離コロ53の近傍には、支持部材54が備えられている。支持部材54には分離コロ53の回転軸53aが挿通され、支持部材54は分離コロ53を回転自在に支持するものである。また、支持部材54には、カムフォロワ55が取り付けられている。カムフォロワ55は、用紙カセット20の方に向かって突出し、支持部材54との取り付け部分とその先端部との中間部分に、支軸55aを備えている。カムフォロワ55は、この支軸55aを中心として回転可能である。すなわち、カムフォロワ55が回転することにより、支持部材54がこれに従って上下動し、分離コロ53も上下に変位することになる。
用紙カセット20を本体2から引き出す時には、カムフォロワ55は、図4に示す用紙カセット20の下流部外側面に備えられた第1のカム部29と係合する。第1のカム部29は、用紙カセット20の引き出し方向に延び、その両端にスロープが形成されている。用紙カセット20の収納時において、図4に示すように、分離コロ53の支持部材54、及びカムフォロワ55は、第1のカム部29の前方に位置し、第1のカム部29と係合していない。用紙カセット20の引き出し時には、カムフォロワ55の先端が第1のカム部29によって押し上げられて、カムフォロワ55が図2において時計方向に回転せしめられ、分離コロ53が給紙ローラ52から離れる方向に変位する(図5参照)。
支持部材54の下方には、ばね56が備えられている。このばね56は分離コロ53と給紙ローラ52とを圧接させる付勢手段であり、圧縮コイルばねで構成され、ばね56が支持部材54を上方に付勢することにより、分離コロ53と給紙ローラ52とが圧接する。カムフォロワ55と第1のカム部29が係合する時には、ばね56の弾発力に抗して、分離コロ53が給紙ローラ52から離れる方向に変位せしめられる。なお、ばね56は圧縮コイルばねに限定されるものではなく、板ばねやゴム、スポンジ等の他の弾性部材を用いても構わない。
図2〜図4において、用紙カセット20の下流側外部であって、分離コロ53の近傍には、用紙戻し部材60が備えられている。用紙戻し部材60は、用紙供給方向に平行な正面形状、すなわち画像形成装置1正面側から見た形状がベルクランク状をなし、このベルクランクの略中央部分に軸部60aを備えている。用紙戻し部材60は、軸部60aが図示しない本体2の支持部に挿通されて支持され、この軸部60aを中心として垂直面内で回動可能である。この回転動作により、用紙戻し部材60は、給紙ローラ52と分離コロ53とが圧接して形成されるニップに対して突出、退避両様の姿勢をとり得る。図2において、用紙戻し部材60は、反時計方向に回転する時に突出姿勢となり、時計方向に回転する時に退避姿勢となる。
また、用紙戻し部材60の上部は90°より小さい所定の角度でもって用紙カセット20の方に、下部はほぼ90°の角度で用紙カセット20の方に、各々折れ曲がっている。用紙戻し部材60は、ベルクランク形状の上側の先端に用紙が当接する用紙当接部60bを、下側の先端にリフト板23と係合するリフト板係合部60cを備えている。用紙戻し部材60が突出姿勢にある時、用紙当接部60bは、給紙ローラ52と分離コロ53とが圧接して形成されるニップに向かって突出する。用紙戻し部材60が退避姿勢にある時、リフト板係合部60cは、カセットフレーム21の開口25からカセットフレーム21内側に向かって突出する。
用紙戻し部材60の軸部60aのすぐ上方には、ばね61が取り付けられている。このばね61は、引張コイルばねで構成され、図2において、用紙戻し部材60が退避方向である時計方向に回転するよう付勢している。しかしながら、図示しないストッパの作用により、図2に示す位置を超えて、用紙戻し部材60が時計方向に回転することはない。また、ばね61は、リフト板23との係合により用紙戻し部材60が反時計方向に回転することを邪魔しない程度の弾発力を有する。なお、ばね61は引張コイルばねに限定されるものではなく、板ばねやゴム、スポンジ等の他の弾性部材を用いても構わない。また、ばね61に代えて、マグネットによる吸引力を利用して、用紙戻し部材60を退避方向である時計方向に回転するよう付勢しても構わない。
図3、及び図4に示すように、用紙カセット20の下流部下方の背面には、第2のカム部30が備えられている。第2のカム部30は、用紙カセット20の背面から引き出し方向に平行に延び、引き出し方向と傾斜をなして下方を向く斜面を備えている。用紙カセット20の引き出し時、用紙戻し部材60はばね61の力により退避姿勢にある。したがって、用紙カセット20を収納しようとすると、用紙カセット20と用紙戻し部材60のリフト板係合部60cが干渉することになるが、第2のカム部30との係合によりリフト板係合部60cを押し下げて、用紙戻し部材60を突出姿勢に変位させることにより、用紙カセット20を本体2に押し込むことができる。
次に、用紙供給装置であるカセット式給紙部3における用紙カセット20の引き出し動作について、図2〜図4に加えて、図5、及び図6を用いて説明する。図5は図2と同様のカセット式給紙部の模型的垂直断面部分正面図にして、分離コロが給紙ローラから離れた状態を示すもの、図6は同じく用紙戻し部材が突出姿勢に変位した状態を示すものである。
図2〜図4に示すように、用紙カセット20を搭載した画像形成装置100の通常の使用時においては、用紙カセット20は本体2に収納されている。リフト板23は、駆動装置40によって下流部が持ち上げられ、リフト板23上に積載された用紙Pの最上層が給紙装置50に当接する用紙供給位置にある。分離コロ53の支持部材54に設けられたカムフォロワ55は、用紙カセット20の下流部外側面の第1のカム部29と係合していないので、給紙ローラ52と分離コロ53とが圧接してニップが形成されている。用紙戻し部材60は、リフト板23と係合していないので、ばね61の力により退避姿勢にある。この状態において、リフト板23上の用紙Pは、1枚ずつ分離されて用紙カセット20の外部へと送り出される。
続いて、給紙装置50周辺で給紙エラーが発生して、用紙カセット20を本体2から引き出そうとすると、用紙カセット20の下流部側面において、最初にカムフォロワ55と第1のカム部29とが係合する。これにより、図5に示すように、分離コロ53は、下方に変位せしめられ、給紙ローラ52と離れる。給紙ローラ52と分離コロ53とが圧接して形成されるニップに用紙Pが挟まれていた場合、この分離コロ53の変位により、用紙Pの下流端部はその拘束が解かれることになる。
さらに用紙カセット20が引き出されると、用紙カセット20の背面側において、カセット側継手部28とモータ側継手部45との連結が解除される。これにより、リフト板23は、その姿勢を用紙供給位置に維持しておくための力を失うことになり、図6に示すように、カセットフレーム21内底面に向かって倒伏する。この時、リフト板23下流端に設けられた係合片24は、開口25を通って用紙戻し部材60のリフト板係合部60cと接触して係合し、用紙戻し部材60を図6において反時計方向に回転させる。これにより、用紙戻し部材60は、前記ニップに対して用紙当接部60bが突出する突出姿勢になるとともに、その用紙当接部60bが用紙Pの下流端に引っ掛かり、用紙カセット20に向かって用紙Pを押し戻す。押し戻された用紙Pは、その後、用紙P自体の重みにより、リフト板23上に移動する。
この状態において、用紙カセット20をさらに引くと、用紙Pが画像形成装置1の本体2に引っ掛かることなく用紙カセット20を引き出すことができる。なお、用紙戻し部材60が突出姿勢になることにより、そのリフト板係合部60cは、開口25の外に出るとともに、係合片24によってその状態が保持されるので、用紙カセット20を引き出してもリフト板係合部60cが用紙カセット20に引っ掛かることがない。そして、用紙カセット20の引き出しにより開口25が用紙戻し部材60の部分を通過すると、用紙カセット20の背面が用紙戻し部材60の部分を通過するまで、リフト板係合部60cがカセットフレーム21の外底面に接触して滑りながら、用紙カセット20が引き出されることになる。用紙カセット20が完全に引き出されると、用紙戻し部材60は、ばね61の力により退避姿勢に変位する。
用紙カセット20を収納する時には、最初に用紙カセット20の第2のカム部30が用紙戻し部材60に接触して係合する。そして、第2のカム部30と用紙戻し部材60との間の斜面作用により、用紙戻し部材60は突出姿勢に変位せしめられる。その後、用紙戻し部材60が開口25の部分に到達するまで、用紙戻し部材60のリフト板係合部60cがカセットフレーム21の外底面に接触して滑りながら、用紙カセット20が押し込まれることになる。
上記のようにして、上面に用紙Pが載置されたリフト板23が、用紙カセット20の本体2からの引き出しとともに、リフト板23を変位させる駆動装置40との連結が解けて用紙カセット20内底面に倒伏し、これと同時に、用紙戻し部材60に係合して、用紙戻し部材60を用紙カセット20に向かって用紙Pを押し戻す突出姿勢に変位させるので、特別な駆動装置を用意することなく、用紙戻し部材60を変位させることができる。また、用紙戻し部材60が用紙Pを押し戻す時には、リフト板23が用紙カセット20内底面に倒伏して、給紙ローラ52に向かって用紙Pを送り出す前送りローラ51から用紙の最上層が離れているので、用紙戻し部材60が用紙Pを破損することがない。このようにして、安全、且つ確実に、用紙カセット20から飛び出した用紙Pを用紙カセット20に戻すことが可能である。
また、用紙戻し部材60は、用紙供給方向に平行な正面形状がベルクランク状をなし、このベルクランクの略中央部に設けられた軸部60aを中心として回動可能であって、ベルクランクの一方の先端に用紙Pが当接する用紙当接部60bを、他方の先端にリフト板23と係合するリフト板係合部60cを備えるので、リフト板23と係合する時の力を、用紙Pを押し戻すために利用することができる。そして、用紙戻し部材60は、リフト板23が用紙供給位置にある時には、付勢手段であるばね61により退避方向に付勢されて、リフト板係合部60cが用紙カセット20に設けられた開口25から用紙カセット20内側に突出するので、リフト板23の用紙カセット20内底面への倒伏と同時に、リフト板23が用紙戻し部材60に係合するようにすることができる。このようにして、リフト板23の動作を利用した簡便な構造により、用紙カセット20から飛び出した用紙Pを押し戻すことが可能であるので、用紙戻し部材60を変位させるための特別な駆動装置を用意する必要がない。
そして、用紙カセット20は、下流部側面に引き出し方向に延びる第1のカム部29を備え、分離コロ53は、付勢手段であるばね56により付勢されて給紙ローラ52と圧接するものであるとともに、その支持部材54は、用紙カセット20の引き出し時に、第1のカム部29と係合して分離コロ53が給紙ローラ52から離れる方向に、この支持部材54を移動させるカムフォロワ55を備えるので、用紙カセット20を引き出すことによって分離コロ53を移動させ、給紙ローラ52との圧接を解除することができる。これにより、給紙ローラ52と分離コロ53との間のニップに挟まれた用紙Pを解放でき、用紙戻し部材60によって容易に用紙カセット20へと戻すことが可能である。
また、分離コロ53の給紙ローラ52から離れる方向への移動は、リフト板23が、用紙戻し部材60と係合する前になされるので、用紙戻し部材60がリフト板23と係合して用紙Pを押し戻す突出姿勢になる時には、用紙Pが給紙ローラ52と分離コロ53との間のニップから解放されている。したがって、用紙戻し部材60は、用紙Pを破損することなく、用紙カセット20へと戻すことが可能となる。
また、用紙カセット20は、下流部の背面に引き出し方向と平行に延び、用紙カセット20の本体2への収納とともに用紙戻し部材60と係合する第2のカム部30を備え、用紙カセット20の収納時に、付勢手段であるばね61により退避姿勢にある用紙戻し部材60が第2のカム部30と係合し、用紙戻し部材60が突出方向に変位せしめられるので、常時退避姿勢にある用紙戻し部材60を、用紙カセット20を収納することによって移動させることができる。これにより、本体2に設けられた用紙戻し部材60が邪魔になって、用紙カセット20が収納できなくなるような事態を回避することが可能である。そして、用紙カセット20の収納の最終段階において、用紙戻し部材60のリフト板係合部60cが用紙カセット20の開口25から用紙カセット20内側に突出するので、用紙戻し部材60を退避姿勢に再び変更させ、リフト板23との係合に備えるようにすることができる。
さらに本実施形態では、用紙供給装置である上記カセット式給紙部3を画像形成装置1に搭載したので、特別な駆動装置を用意したり、用紙戻し部材60が用紙Pを破損したりすることなく、安全、且つ確実に、用紙カセット20から飛び出した用紙Pを用紙カセット20に戻すことが可能な信頼性の高い画像形成装置1を得ることができる。
上記のように本発明の実施形態を示したが、この他、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
本発明は、用紙カセットを用いた用紙供給装置において利用可能である。
は、本発明の実施形態に係る用紙供給装置であるカセット式給紙部を搭載した画像形成装置を示す模型的垂直断面正面図である。 は、図1に示すカセット式給紙部の模型的垂直断面部分正面図である。 は、図1に示すカセット式給紙部の模型的水平断面部分上面図である。 は、図1に示すカセット式給紙部の模型的垂直断面右側面図である。 は、図2と同様の模型的垂直断面部分正面図にして、分離コロが給紙ローラから離れた状態を示すものである。 は、図2と同様の模型的垂直断面部分正面図にして、用紙戻し部材が突出姿勢に変位した状態を示すものである。
符号の説明
1 画像形成装置
3 カセット式給紙部(用紙供給装置)
20 用紙カセット
21 カセットフレーム
23 リフト板
24 係合片
25 開口
26 リフト板回転用シャフト
27 リフト板押し上げ板
28 カセット側継手部
29 第1のカム部
30 第2のカム部
40 駆動装置
41 リフトモータ
45 モータ側継手部
50 給紙装置
52 給紙ローラ
53 分離コロ
54 支持部材
55 カムフォロワ
56 ばね(付勢手段)
60 用紙戻し部材
60b 用紙当接部
60c リフト板係合部
61 ばね(付勢手段)

Claims (6)

  1. 用紙を積載して収容するとともに、機器本体から引き出し可能な用紙カセットと、この用紙カセット内に配置されるとともに、上面に用紙が載置され、前記機器本体に備えられた駆動装置により用紙供給方向下流部が持ち上げられて用紙供給位置に変位するリフト板と、前記用紙カセットから用紙を送り出す給紙ローラと、この給紙ローラに圧接し、重なり合った用紙を分離する分離コロと、給紙ローラと分離コロとが圧接して形成されるニップに対して突出、退避両様の姿勢をとり得るとともに、その突出姿勢に変位する時には、ニップから用紙カセットに向かって用紙を押し戻す用紙戻し部材とを備えた用紙供給装置において、
    前記リフト板が、前記用紙カセットの前記機器本体からの引き出しとともに、前記駆動装置との連結が解けて用紙カセット内底面に倒伏し、これと同時に、前記用紙戻し部材に係合して用紙戻し部材を前記突出姿勢に変位させることを特徴とする用紙供給装置。
  2. 前記用紙戻し部材は、用紙供給方向に平行な正面形状がベルクランク状をなし、このベルクランクの略中央部に設けられた軸部を中心として回動可能であって、ベルクランクの一方の先端に用紙が当接する用紙当接部を、他方の先端に前記リフト板と係合する係合部を備えるとともに、リフト板が用紙供給位置にある時には、付勢手段により前記退避方向に付勢されて、前記係合部が前記用紙カセットに設けられた開口から用紙カセット内側に突出することを特徴とする請求項1に記載の用紙供給装置。
  3. 前記用紙カセットは、下流部側面に引き出し方向に延びる第1のカム部を備え、前記分離コロは、付勢手段により付勢されて給紙ローラと圧接するものであるとともに、その支持部材は、用紙カセットの引き出し時に、前記第1のカム部と係合して分離コロが給紙ローラから離れる方向に、この支持部材を移動させるカムフォロワを備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の用紙供給装置。
  4. 前記分離コロの前記給紙ローラから離れる方向への移動は、前記リフト板が、前記用紙戻し部材と係合する前になされることを特徴とする請求項3に記載の用紙供給装置。
  5. 前記用紙カセットは、下流部の背面に引き出し方向と平行に延び、用紙カセットの前記機器本体への収納とともに前記用紙戻し部材と係合する第2のカム部を備え、用紙カセットの収納時に、前記付勢手段により退避姿勢にある用紙戻し部材が前記第2のカム部と係合し、用紙戻し部材が突出方向に変位せしめられ、用紙カセットの収納の最終段階において、用紙戻し部材の前記係合部が用紙カセットの前記開口から用紙カセット内側に突出することを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の用紙供給装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の用紙供給装置を搭載したことを特徴とする画像形成装置。
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