JP2005319822A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】温度傾向判断部1820は、モータ電流値Isを所定の周期で取得し、そのモータ電流値Isの変化に基づいて温度変化の状態を判断する。その結果、温度が上昇中であると判断された場合には温度上昇時演算部1826によって温度が推定され、温度が下降中であると判断された場合には温度下降時演算部1828によって温度が推定される。温度変化の状態が変わったときには、温度上昇時演算部1826から温度下降時演算部1828に、もしくは、その逆に、推定温度算出のための最新の計算結果が受け渡される。このようにして算出された推定温度に基づいて、電流上限値出力部186はモータに供給する電流値の上限値ILimitを決定する。
【選択図】図3
Description
前記電動モータに電流が流れることにより発熱する特定部位の温度が上昇中であるか下降中であるかを判断する温度傾向判断手段と、
所定の係数を有する計算式による計算処理を実行することによって得られる計算結果に基づき、前記特定部位の推定温度を時系列に得られるように当該推定温度を繰り返し算出する推定温度演算手段とを備え、
前記推定温度演算手段は、
前記時系列を構成すべき各推定温度を、前記時系列を構成している既に算出された推定温度を含む前記計算式による計算処理によって得られる計算結果に基づいて算出し、
前記特定部位の温度が前記温度傾向判断手段によって上昇中であると判断された場合と下降中であると判断された場合とで前記係数の値が異なるように、前記温度傾向判断手段の判断結果に応じて前記係数の値を切り換えることを特徴とする。
前記電動モータに電流が流れることにより発熱する特定部位の温度が上昇中であるか下降中であるかを判断する温度傾向判断手段と、
前記温度傾向判断手段による判断結果に基づいて、前記特定部位の温度が上昇中の状態から下降中の状態にもしくは下降中の状態から上昇中の状態に変わったか否かを判断する状態変化判断手段と、
前記温度傾向判断手段によって前記特定部位の温度が上昇中であると判断された場合に、第1の計算式による計算処理を実行することによって得られる第1の計算結果に基づき、前記特定部位の推定温度を時系列的に算出する温度上昇時演算手段と、
前記温度傾向判断手段によって前記特定部位の温度が下降中であると判断された場合に、第2の計算式による計算処理を実行することによって得られる第2の計算結果に基づき、前記特定部位の推定温度を時系列的に算出する温度下降時演算手段と、
前記温度上昇時演算手段と前記温度下降時演算手段との間で前記第1の計算結果と前記第2の計算結果の授受を行う演算結果授受手段とを備え、
前記第1または第2の計算結果に基づいて繰り返し算出されるべき推定温度からなる時系列を構成すべき各推定温度を算出するときに、前記特定部位の温度が下降中の状態から上昇中の状態に変わったと前記状態変化判断手段によって判断された場合には、前記時系列を構成している直前に算出された推定温度を算出したときに得られた計算結果であって前記演算結果授受手段によって前記温度下降時演算手段から前記温度上昇時演算手段に与えられる前記第2の計算結果を含む前記第1の計算式による計算処理によって得られる計算結果に基づいて前記温度上昇時演算手段が各推定温度を算出し、
前記時系列を構成すべき各推定温度を算出するときに、前記特定部位の温度が上昇中の状態から下降中の状態に変わったと前記状態変化判断手段によって判断された場合には、前記時系列を構成している直前に算出された推定温度を算出したときに得られた計算結果であって前記演算結果授受手段によって前記温度上昇時演算手段から前記温度下降時演算手段に与えられる前記第1の計算結果を含む前記第2の計算式による計算処理によって得られる計算結果に基づいて前記温度下降時演算手段が各推定温度を算出することを特徴とする。
前記特定部位の推定温度は、前記電動モータに流れる電流値に基づいて算出されることを特徴とする。
前記温度傾向判断手段は、前記電動モータに流れる電流値に基づいて前記特定部位の温度が上昇中であるか下降中であるかを判断することを特徴とする。
前記特定部位の近傍に温度を検出するための温度センサを更に備え、
前記温度傾向判断手段は、前記温度センサによって検出される温度に基づいて前記特定部位の温度が上昇中であるか下降中であるかを判断することを特徴とする。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成を、それに関連する車両構成と共に示す概略図である。この電動パワーステアリング装置は、操舵のための操作手段としてのハンドル(ステアリングホイール)100に一端が固着されるステアリングシャフト102と、そのステアリングシャフト102の他端に連結されたラックピニオン機構104と、ハンドル100の操作によってステアリングシャフト102に加えられる操舵トルクを検出するトルクセンサ3と、当該車両の走行速度を検出する車速センサ4と、ハンドル操作による運転者の負荷を軽減するための操舵補助力を発生させる電動モータ6と、そのモータ6の発生する操舵補助力をステアリングシャフト102に伝達する減速ギヤ7と、車載バッテリ8から電源の供給を受けて、トルクセンサ3や車速センサ4からのセンサ信号に基づきモータ6の駆動を制御する電子制御ユニット(ECU)5とを備えている。
図2は、上記電動パワーステアリング装置を制御的観点から見た構成を示すブロック図である。上記電動パワーステアリング装置の制御装置であるECU5は、目標電流演算部12と、目標電流修正部13と、減算器14と、PI制御部15と、モータ駆動部20と、電流検出器19と、モータ過熱防止部18とを備えている。トルクセンサ3は、ハンドル100の操作によって加えられる操舵トルクを検出し、その検出値を示す信号を操舵トルク信号Tsとして出力する。車速センサ4は、この電動パワーステアリング装置が搭載される車両の走行速度を検出し、その検出値を示す信号を車速信号Sとして出力する。
<3.1 モータ過熱防止部の構成>
次に、本実施形態におけるモータ6内の各部位の過熱を防止するための処理(モータ過熱防止処理)について説明する。図3は、この電動パワーステアリング装置のモータ過熱防止部18の詳細を示す機能ブロック図である。モータ過熱防止部18は、モータ電流値取得部180と、温度推定部182と、部位別電流制限値算出部184と、電流上限値出力部186とを備えている。温度推定部182には、温度傾向判断部1820と、状態変化判断部1822と、演算結果授受部1824と、温度上昇時演算部1826と、温度下降時演算部1828とが含まれている。モータ電流値取得部180は、電流検出器19から出力されるモータ電流値Isを所定の周期で受け取り、そのモータ電流値Isを2乗することによりモータ電流2乗値Issを算出し、モータ電流値Isとモータ電流2乗値Issとを出力する。温度傾向判断部1820は、モータ電流値Isに基づいて、温度が上昇中であるか下降中であるかを判断する。温度上昇時演算部1826は、温度上昇時の実測データに基づいて部位毎にあらかじめ決定された計算式により各部位の推定温度Tpを算出する。温度下降時演算部1828は、温度下降時の実測データに基づいて部位毎にあらかじめ決定された計算式により各部位の推定温度Tpを算出する。ここで、各部位の推定温度Tpは、温度傾向判断部1820によって温度が上昇中であると判断された場合には温度上昇時演算部1826により算出され、温度傾向判断部1820によって温度が下降中であると判断された場合には温度下降時演算部1828により算出される。
上述した図3に示す機能的構成は、前述のマイクロコンピュータが所定のプログラムを実行することにより実現される。以下、図4を参照しつつ、図3に示す各機能ブロックを実現するためのマイクロコンピュータの動作について説明する。
以上のように、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置では、モータに流れる電流値が所定の周期で取得され、その電流値に基づき温度傾向判断部によって過熱防止対象の部位の温度変化の状態が判断される。過熱防止対象の部位の温度が上昇しているときには、温度上昇時の実測データに基づいて決定された計算式によって温度が推定され、温度が下降しているときには、温度下降時の実測データに基づいて決定された計算式によって温度が推定される。また、温度が上昇中の状態から下降中の状態に変わったときには、温度上昇中に算出された(雰囲気温度からの)温度上昇分に相当する電流2乗積算値が温度下降時の計算処理に反映され、温度が下降中の状態から上昇中の状態に変わったときには、温度下降中に算出された(雰囲気温度からの)温度上昇分に相当する電流2乗積算値が温度上昇時の計算処理に反映される。従来は、温度上昇時の実測データに基づいて決定された計算式のみによって温度推定が行われていたため、温度が下降したときに推定温度と実温度との間に誤差が生じていた。本実施形態では、上記構成により、温度上昇時においても温度下降時においても、それぞれの実測データに基づいて決定された計算式によって温度が推定される。このため、温度推定処理中に図10に示したように入力電流がオフにされた後再度入力電流がオンにされるまでに温度推定の対象部位の温度が雰囲気温度まで下降していない場合にも、実温度と推定温度との間に誤差が生じることがなくなる。これにより、温度推定の精度が向上し、過熱防止対象の部位の温度を高い精度で推定することが可能となる。そして、その高い精度で推定された各部位の温度に基づいて、モータに流れる電流値を制限することができる。その結果、モータに電流が過剰に供給されることがなくなり、過熱による部品の破損が確実に防止される。
上記実施形態では、温度変化の状態をモータに流れる電流値に基づいて判断しているが、本発明はこれに限定されるものではない。図8は、変形例に係る電動パワーステアリング装置を制御的観点から見た構成を示すブロック図である。図8に示すように、過熱防止対象の部位付近に温度センサ2を備え、温度センサ2によって検出される温度Teに基づいて温度変化の状態を判断する構成としてもよい。
6 …電動モータ
18 …モータ過熱防止部
182 …温度推定部
184 …部位別電流制限値算出部
186 …電流上限値出力部
1820 …温度傾向判断部
1822 …状態変化判断部
1824 …演算結果授受部
1826 …温度上昇時演算部
1828 …温度下降時演算部
Claims (5)
- 車両操舵のための操作に応じて電動モータを駆動することにより、当該車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置であって、
前記電動モータに電流が流れることにより発熱する特定部位の温度が上昇中であるか下降中であるかを判断する温度傾向判断手段と、
所定の係数を有する計算式による計算処理を実行することによって得られる計算結果に基づき、前記特定部位の推定温度を時系列に得られるように当該推定温度を繰り返し算出する推定温度演算手段とを備え、
前記推定温度演算手段は、
前記時系列を構成すべき各推定温度を、前記時系列を構成している既に算出された推定温度を含む前記計算式による計算処理によって得られる計算結果に基づいて算出し、
前記特定部位の温度が前記温度傾向判断手段によって上昇中であると判断された場合と下降中であると判断された場合とで前記係数の値が異なるように、前記温度傾向判断手段の判断結果に応じて前記係数の値を切り換えることを特徴とする、電動パワーステアリング装置。 - 車両操舵のための操作に応じて電動モータを駆動することにより、当該車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置であって、
前記電動モータに電流が流れることにより発熱する特定部位の温度が上昇中であるか下降中であるかを判断する温度傾向判断手段と、
前記温度傾向判断手段による判断結果に基づいて、前記特定部位の温度が上昇中の状態から下降中の状態にもしくは下降中の状態から上昇中の状態に変わったか否かを判断する状態変化判断手段と、
前記温度傾向判断手段によって前記特定部位の温度が上昇中であると判断された場合に、第1の計算式による計算処理を実行することによって得られる第1の計算結果に基づき、前記特定部位の推定温度を時系列的に算出する温度上昇時演算手段と、
前記温度傾向判断手段によって前記特定部位の温度が下降中であると判断された場合に、第2の計算式による計算処理を実行することによって得られる第2の計算結果に基づき、前記特定部位の推定温度を時系列的に算出する温度下降時演算手段と、
前記温度上昇時演算手段と前記温度下降時演算手段との間で前記第1の計算結果と前記第2の計算結果の授受を行う演算結果授受手段とを備え、
前記第1または第2の計算結果に基づいて繰り返し算出されるべき推定温度からなる時系列を構成すべき各推定温度を算出するときに、前記特定部位の温度が下降中の状態から上昇中の状態に変わったと前記状態変化判断手段によって判断された場合には、前記時系列を構成している直前に算出された推定温度を算出したときに得られた計算結果であって前記演算結果授受手段によって前記温度下降時演算手段から前記温度上昇時演算手段に与えられる前記第2の計算結果を含む前記第1の計算式による計算処理によって得られる計算結果に基づいて前記温度上昇時演算手段が各推定温度を算出し、
前記時系列を構成すべき各推定温度を算出するときに、前記特定部位の温度が上昇中の状態から下降中の状態に変わったと前記状態変化判断手段によって判断された場合には、前記時系列を構成している直前に算出された推定温度を算出したときに得られた計算結果であって前記演算結果授受手段によって前記温度上昇時演算手段から前記温度下降時演算手段に与えられる前記第1の計算結果を含む前記第2の計算式による計算処理によって得られる計算結果に基づいて前記温度下降時演算手段が各推定温度を算出することを特徴とする、電動パワーステアリング装置。 - 前記特定部位の推定温度は、前記電動モータに流れる電流値に基づいて算出されることを特徴とする、請求項1または2に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記温度傾向判断手段は、前記電動モータに流れる電流値に基づいて前記特定部位の温度が上昇中であるか下降中であるかを判断することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記特定部位の近傍に温度を検出するための温度センサを更に備え、
前記温度傾向判断手段は、前記温度センサによって検出される温度に基づいて前記特定部位の温度が上昇中であるか下降中であるかを判断することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
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